説明

電気接続箱

【課題】 バスバーの端子部の変形を防止する。
【解決手段】 第1端子部15Aや第2端子部15Bの接続部17A,17Bに対してその先端側から相手部材(枠構成体23やハーネス側コネクタ)が嵌合されると、その嵌合抵抗に起因する押圧力のために、支持部16A,16Bが回路基板11側へ傾くように変位する形態で端子部15A,15Bが変形することが懸念される。しかし、ケース20に、端子部15A,15Bの支持部16A,16Bに対して接続部17A,17Bとは反対側から当接する連結部24A,24B(支承部)を設け、相手部材からの押圧力を連結部24A,24Bが受け止めるようになっているので、端子部15A,15Bの変形が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気接続箱として、回路構成体をケースに収容した構造のものがある。回路構成体は、回路基板と、回路基板の裏面に沿って配索したバスバーと、回路基板の表面側に実装されるリレー等のスイッチング部材とを備えて構成される。回路基板の周縁部からは、バスバーの端部を略L字形に曲げ加工して形成した端子部が突出されている。ケースには、端子部を覆うハウジングが組み付けられる。尚、電気接続箱としては、特許文献1に開示されているもの等がある。
【特許文献1】特開2003−164039公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような電気接続箱において、バスバーの端子部が略L字形に屈曲形成され、その端子部に対してその先端側からハウジングが嵌合される場合、その嵌合抵抗に起因する押圧力のために、端子部がその基端部を支点として傾くように変形することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、バスバーの端子部の変形を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、回路構成体をケースに収容してなり、前記回路構成体は、スイッチング部材が実装される回路基板と、前記回路基板に沿って配索したバスバーとを備えて構成され、前記バスバーの端子部が、前記回路基板と略直角な支持部の先端から接続部を延出させた略L字形に形成され、前記接続部には、その先端側から相手部材が嵌合されるようになっているものにおいて、前記ケースに、前記支持部に対して前記接続部とは反対側から当接することで、前記支持部の傾き変位を規制可能な支承部を設けた構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記支承部が、前記支持部に対して前記接続部とは反対側から当接可能となっているところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記ケースが、前記回路基板の周縁に沿って前記回路構成体を包囲するように配置される枠体を備えてなり、前記支承部が、前記枠体を構成する2つの枠片の間に差し渡された形態で設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記枠体を構成する複数の枠片のうち前記支承部が差し渡されている枠片とは異なる枠片と、前記支承部との間には、架橋部が差し渡されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1の発明>
バスバーの端子部の接続部に対してその先端側から相手部材が嵌合されると、その嵌合抵抗に起因する押圧力のために、支持部が回路基板側へ傾くように変位する形態で端子部が変形することが懸念される。しかし、本発明では、相手部材からの押圧力を支承部が受け止めるようになっているので、端子部の変形を防止することができる。
【0009】
<請求項2の発明>
支承部が接続部とは反対側から支持部を支持するので、端子部の変形を確実に規制することができる。
【0010】
<請求項3の発明>
支承部は、2つの枠片の間に差し渡された両端支持形態となっているので、支承部が片持ち形態であるものに比べると、支承部が変形し難く、支承部による端子部の変形防止機能の信頼性が高い。また、2つの枠片が支承部によって連結されるので、枠体の変形も防止することができる。
【0011】
<請求項4の発明>
2つの枠片の間に差し渡された支承部は、架橋部によって別の枠片に連結されているので、支承部が湾曲変形することが防止され、支承部による端子部の変形防止機能の信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図12を参照して説明する。本実施形態の電気接続箱は、自動車に搭載され、バッテリ(図示せず)とランプ、オーディオ等の図示しない電装品との間に介設され、バッテリから供給される電力を各電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行うものである。尚、図においては、電気接続箱を表面側が上向きとなるように描いているが、自動車に搭載されるときには、電気接続箱は枠構成体23が上側に位置し、第1ハウジング40と第2ハウジング50が下向きに開口する向きで車体に固定される。
【0013】
電気接続箱は、回路構成体10と、回路構成体10を収容するケース20とを備えて構成される。
回路構成体10は、図2に示すように、回路基板11と、回路基板11の裏面(図における下面)に沿って配索した複数のバスバー12と、回路基板11の表面側(図における上面側)に実装されるリレーなどのスイッチング部材13と、端子金具14を備えて構成されている。回路基板11は、概ね方形をなし、その下端縁のうち略左半分の領域は上端縁に対して斜めをなす傾斜縁部となっている。
【0014】
バスバー12は回路基板11の裏面に接着されており、バスバー12の端部に形成した複数の第1端子部15Aが回路基板11の前端縁から突出されているとともに、同じくバスバー12の端部に形成した複数の第2端子部15Bが回路基板11の下端縁から突出されている。第1端子部15Aは、回路基板11に対して略直角に表面側(上向き)に立ち上がる支持部16Aと、この支持部16Aの立ち上がり端から前方(回路基板11とは反対側)へ略直角に(回路基板11とほぼ平行に)延出する接続部17Aとから構成され、側方から見て略L字形をなす。この複数の第1端子部15Aは、回路基板11の上端縁に沿って並列している。一方、第2端子部15Bは、回路基板11に対して略直角に表面側(上向き)に立ち上がる支持部16Bと、この支持部16Bの立ち上がり端から後方(回路基板11とは反対側)へ略直角に(回路基板11とほぼ平行に)延出する接続部17Bとから構成され、側方から見て略L字形をなす。この複数の第2端子部15Bは、回路基板11の下端縁のうち傾斜縁部よりも右方の領域(上端縁と平行に領域)に沿って並列している。
【0015】
図5に示すように、端子金具14は、金属板材を曲げ加工したものであり、全体として前後方向に細長い形状をなす。端子金具14の略前半領域は、第1端子部15Aの接続部17Aとほぼ同形状のヒューズ接触部14aとなっており、端子金具14の略後半領域は、第2端子部15Bの接続部17Bと同様にタブ状をなす出力用接触部14bとなっている。この端子金具14は、後述する枠構成体23と第1ハウジング40に取り付けられる。
【0016】
図1、図3に示すように、ケース20は、合成樹脂等の絶縁材料からなる枠体21と、枠体21に対しその裏側の開口を塞ぐように固着される金属製の放熱板30と、枠体21に対しその表面側(放熱板30とは反対側)の開口を塞ぐように組み付けられる合成樹脂製のカバー60と、枠体21に組み付けられる合成樹脂製の第1ハウジング40と、枠体21に組み付けられる合成樹脂製の第2ハウジング50とを備えている。
【0017】
枠体21は、図4に示すように、枠本体22と、ヒューズボックスとして機能する枠構成体23との2部品を合体させて構成され、回路基板11の周縁に沿って回路構成体10を全周に亘って連続して包囲するように配置されているとともに、放熱板30の表面に接着剤(図示せず)により固定されている。枠本体22は、回路基板11の周縁のうち下端縁及び左右両側縁に沿うように概ね「コ」字形をなす。詳しくは、枠本体22の後枠部22B(本発明の「枠片」に相当する)の略左半分領域は、回路基板11の下端縁の傾斜縁部に沿うように、枠本体22の左右両枠部22L,22R(本発明の「枠片」に相当する)に対して斜めを向いた傾斜枠部22S(本発明の「枠片」に相当する)となっている。また、後枠部22Bのうち傾斜枠部22Sよりも右方の領域は、第2端子部15Bよりも後方に位置する。
【0018】
枠本体22には、図4に示すように、その左枠部22Lと右枠部22Rの前端部同士(即ち、枠体22を構成する枠部であって、枠本体22における枠構成体23との連結端部同士)を連結した形態の第1連結部24A(本発明の「支承部」に相当する)が形成されている。この第1連結部24Aは、第1端子部15Aの支持部16Aに対して回路基板11側(接続部17Aとは反対側)から当接するように位置する。この第1連結部24Aには、各支持部16Aと対応するように第1連結部24Aの長さ方向と直角な板状の補強部25が複数形成されている。
【0019】
同じく枠本体22には、右枠部22Rの後端に近い位置と傾斜枠部22Sのほぼ中央位置とを連結した形態であって、後枠部22Bと略平行をなす第2連結部24B(本発明の「支承部」に相当する)が形成されている。第2連結部24Bは、第2端子部15Bの支持部16Bに対して回路基板11側(接続部17Bとは反対側)から当接するように位置する。さらに、枠本体22には、後枠部22Bと第2連結部24Bの長さ方向略中央位置との間に差し渡された形態の架橋部24Cが形成されている。
【0020】
枠構成体23は、回路基板11の上端縁に沿って配置され、接着剤(図示せず)により放熱板30の表面に固着されているとともに、接着剤(図示せず)により枠本体22に固着されている。また、枠構成体23の左右両端部と、枠本体22の左右両枠部22L,22Rの前端部とが、ビス(図示せず)により固定されている。枠構成体23内には、前後方向に貫通する複数のキャビティ26A,26Bが上下2段に分かれて左右方向に並列して形成されており、第1端子部15Aの接続部17Aが、下段側のキャビティ26Bに対して後方から挿入されている。挿入された第1端子部15Aは、接続部17Aの係止孔18Aをキャビティ26Bのランス27Bに係止させることで、抜止め状態に保持されている。そして、枠構成体23のうち、下段側のキャビティ26Bよりも下方の部分23Aが、第1端子部15Aの接続部17Aよりも裏面側(即ち、接続部17Aと放熱板30との間)に配置されることになる。
【0021】
放熱板30は、回路基板11と概ね相似形であり、且つ回路基板11よりも一回り大きい形状をなす板本体31と、板本体31の前端縁から裏面側前方へ段差状に延出した形態の板状のブラケット32とを一体形成したものである(図3参照)。板本体31の表面には、バスバー12の裏面が接着剤(図示せず)により固着され、固着された状態では、回路基板11とバスバー12(端子部15A,15Bを含む)は、放熱板30の周縁から外側へ突出することがなく、放熱板30の表裏方向(上下方向)に視た投影面内に配置される。ブラケット32は、ボルト(図示せず)により車体に固定される。
【0022】
図1、図5に示すように、第1ハウジング40は、後方に開口する左右2つの筒状嵌合部41と、ロック突起42とを有している。第1ハウジング40には、複数の端子金具14が、その出力用接触部14bを前方から圧入させることによって組み付けられ、組み付け状態では、出力用接触部14bが筒状嵌合部41内に収容されるとともに、ヒューズ接触部14aが第1ハウジング40から前方に突出されている。第1ハウジング40は枠構成体23に対して後方から組み付けられる。組み付けの過程では、ヒューズ接触部14aが枠構成体23の上段側のキャビティ26Aに後方から差し込まれ、その係止孔14cにキャビティ26A内のランス27Aを係止させることで、抜止め状態に保持されている。第1ハウジング40は、そのロック突起42を枠構成体23のロックアーム23Bに係止させることで、枠構成体23に対して組付け状態にロックされている。組み付けられた第1ハウジング40は、第1端子部15Aよりも表面側(回路基板11とは反対側)に位置する。
【0023】
枠構成体23には、図7に示すように、上段側のキャビティ26Aと下段側のキャビティ26Bに連通するヒューズ収容空間28が形成されており、このヒューズ収容空間28内においては、下段側に位置する第1端子部15Aの接続部17Aと上段側に位置する端子金具14のヒューズ接触部14aとがヒューズ(図示せず)によって接続されている。
【0024】
図4に示すように、第2ハウジング50は、後方に開口するとともに、左右に仕切られた2つの筒状嵌合部51を有する。この筒状嵌合部51には、後方からハーネス側コネクタ(図示せず)が嵌合されるようになっている。第2ハウジング50は、枠本体22の後枠部22Bにおける傾斜枠部22Sよりも右方の領域(第2連結部24Bと略平行な領域)の表面に組み付けられ、第2ハウジング50の左右両端部においてビス(図示せず)により固定されている。組付けの過程では、第2端子部15Bの接続部17Bが第2ハウジング50に対して前方から相対的に貫通され、組付け状態では、接続部17Bが筒状嵌合部51内に収容されている。筒状嵌合部51にハーネス側コネクタが嵌合されると、そのハーネス側コネクタに取り付けられているハーネス側端子が接続部17Bに対して嵌合接続される。尚、第2ハウジング50は第2連結部24Bよりも後方に位置する。
【0025】
図6に示すように、カバー60は、全体として回路基板11とほぼ相似形であって、回路基板11よりも一回り大きい形状をなす。カバー60には、第1ハウジング40の2つの筒状嵌合部41との干渉を回避するために前端縁を方形に切欠した形態の切欠部61が形成されている。また、カバー60の前端縁には、表面側へ立ち上がる取付部62が左右一対形成されている。さらに、カバー60の左右両側縁には、前後方向に細長く延びる係止リブ63が形成され、係止リブ63には、弾性係止片64が形成されている。かかるカバー60は、表面側から枠体21に対して組み付けられ、係止リブ63の弾性係止片64が枠本体22の左右両外側面の係止突起29に係止することで、カバー60が組付け状態に対して組付け状態にロックされる。また、取付部62は第1ハウジング40の表面側に当接され、表面側から取付部62と第1ハウジング40の左右両端部を貫通して枠構成体23にねじ込んだビス(図示せず)により、カバー60と第1ハウジング40と枠構成体23とが固定される。
【0026】
次に、電気接続箱の組み付け手順を説明する。
組付けに際しては、まず、スイッチング部材13が実装されていない回路基板11とバスバー12を接着剤(図示せず)により固着し、次いでバスバー12と放熱板30を接着する。このとき、回路基板11にはスイッチング部材13が実装されていないので、回路基板11の表面を広い領域に亘って押圧することにより、バスバー12と放熱板30とを強固に接着させることができる。
【0027】
次に、回路基板11にスイッチング部材13を実装し(図2及び図8を参照)、これにより、回路構成体10が概ね組み上がる(図3及び図9を参照)。この後、放熱板30に対し、表面側から枠本体22を接近させつつ接着剤(図示せず)により固着する(図4及び図10を参照)。枠本体22が固着された後、枠本体22に対し前方から枠構成体23を接近させつつ組み付けることで、下段側のキャビティ26Bに第1端子部15Aの接続部17Aを挿入させるとともに、枠構成体23のうち下段側のキャビティ26Bよりも裏面側の部分23Aを第1端子部15Aと放熱板30との間の空間(第1端子部15Aよりも裏面側の空間)に配置させる(図5及び図11を参照)。枠構成体23の組付け時に、枠構成体23と放熱板30とが接着剤(図示せず)により固着されるとともに、枠構成体23と枠本体22とが接着剤(図示せず)により固着され、もって、枠体21が構成される。尚、本実施形態では、枠本体22を枠構成体23よりも先に組み付けたが、枠本体22よりも先に枠構成体23を組み付けてもよい。このように、枠本体22と枠構成体23を別々に組み付けることができるので、枠構成体23を第1端子部15Aの裏側に配置させることに支障はない。
【0028】
このように回路基板11を全周に亘って包囲する枠体21が構成されるとともに、回路基板11とバスバー12を裏面側から覆う放熱板30が枠体21に固定された後は、枠体21と放熱板30とによって構成された凹部内に防水用の充填材(図示せず)を注入する。充填材は、バスバー12における第1端子部15Aと第2端子部15Bとを除いた領域(即ち、回路基板11の裏面に沿って配索されている領域)と、回路基板11の全体と、回路基板11におけるスイッチング部材13との接触部分を覆い、これにより、回路基板11とバスバー12とスイッチング部材13の導通部分に対する浸水や異物の干渉が防止される。
【0029】
この後は、枠構成体23に対して第1ハウジング40を組み付けるとともに、端子金具14のヒューズ接触部14aを上段側のキャビティ26A内に挿入させ、枠構成体23のロックアーム23Bとロック突起42との係止により、第1ハウジング40と枠構成体23を組付け状態にロックする。また、この第1ハウジング40の組付けと前後して、第2ハウジング50を枠本体22に組み付けるとともに、第2端子部15Bを第2ハウジング50に取り付け、ビス(図示せず)により第2ハウジング50と枠本体22とを組付け状態にロックする(図6及び図12を参照)。
【0030】
最後に、カバー60を表面側から枠体21に組み付け、弾性係止片64と係止突起29の係止により、組付け状態にロックするとともに、ビス(図示せず)によりカバー60と第1ハウジング40と枠構成体23とを固定する(図1及び図7を参照)。このカバー60により、回路基板11とスイッチング部材13が覆い隠される。
【0031】
本実施形態においては、バスバー12の第1端子部15Aが回路基板11と略直角な支持部16Aの先端から接続部17Aを延出させた略L字形に形成され、第1端子部15Aの接続部17Aには、その先端側から相手部材(枠構成体23)が嵌合されるようになっており、この嵌合抵抗に起因する押圧力のために、支持部16Aが回路基板11側(後方)へ傾くように変位する形態の第1端子部15Aの変形が懸念される。同様に、第2端子部15Bも回路基板11と略直角な支持部16Bの先端から接続部17Bを延出させた略L字形に形成され、第2端子部15Bの接続部17Bには、その先端側から相手部材(図示しないハーネス側コネクタに設けたハーネス側端子)が嵌合されるようになっており、この嵌合抵抗に起因する押圧力のために、支持部16Bが回路基板11側(前方)へ傾くように変位する形態の第2端子部15Bの変形が懸念される。
しかしながら、ケース20には、支持部16A,16Bに対して接続部17A,17Bとは反対側から当接することで、支持部16A,16Bの傾き変位を規制可能な第1連結部24Aと第2連結部24Bを設け、相手部材(枠構成体23又はハーネス側コネクタ)からの押圧力を第1連結部24A及び第2連結部24Bが受け止めるようになっているので、第1端子部15A及び第2端子部15Bの変形を防止することができる。
【0032】
また、ケース20が、回路基板11の周縁に沿って回路構成体10を包囲するように配置される枠体21を備えており、第1連結部24Aが枠体21を構成する2つの枠部(右枠部22Rと左枠部22L)の間に差し渡された形態、即ち両端支持形態とされているので、片持ち支持形態であるものに比べると、第1連結部24Aが変形し難く、第1連結部24Aによる第1端子部15Aの変形防止機能の信頼性が高い。同様に、第2連結部24Bも枠体21を構成する2つの枠部(傾斜枠部22Sと右枠部22R)の間に差し渡された両端支持形態とされているので、片持ち支持形態であるものに比べると、第2連結部24Bが変形し難く、第2連結部24Bによる第2端子部15Bの変形防止機能の信頼性も高い。しかも、左右両枠部22L,22Rが第1連結部24Aにより連結され、傾斜枠部22Sと後枠部22Bが第2連結部24Bにより連結されているので、枠本体22の変形も防止することができる。
【0033】
また、枠体21を構成する複数の枠部のうち、後枠部22B(第2連結部24Bが差し渡されている右枠部22R及び傾斜枠部22Sとは異なる枠片)と第2連結部24Bとの間には架橋部24Cが差し渡されている。この架橋部24Cにより、第2連結部24Bは、後枠部22Bに対して接近又は離間するように湾曲変形することが防止され、第2連結部24Bによる第2端子部15Bの変形防止機能の信頼性が高い。
【0034】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では支承部(第1連結部及び第2連結部)を枠体に設けたが、本発明によれば、ケースを構成するカバーに設けてもよい。
(2)上記実施形態では支承部(第1連結部及び第2連結部)が2つの枠片の間に差し渡される形態としたが、本発明によれば、支承部が片持ち状に支持された形態であってもよい。
(3)上記実施形態では支承部(第1連結部及び第2連結部)を枠体に一体形成したが、本発明によれば、支承部を枠体とは別体の部品とし、枠体やカバーなどに組み付けてもよい。
(4)上記実施形態では枠体が枠本体と枠構成体とを合体させた形態としたが、本発明によれば、枠体が単一部品であってもよい。
(5)上記実施形態では支承部(第1連結部及び第2連結部)が端子部の支持部を当接支持する構成であったが、これに限らず、例えば、端子部の接続部を支持することで端子部の変形を防止するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態1の斜視図
【図2】回路構成体の斜視図
【図3】回路構成体に枠本体を組み付ける前の状態をあらわす斜視図
【図4】枠本体に枠構成体と第2ハウジングを組み付ける前の状態をあらわす斜視図
【図5】枠構成体に第1ハウジングを組み付ける前の状態をあらわす斜視図
【図6】枠体にカバーを組み付ける前の状態をあらわす斜視図
【図7】断面図
【図8】回路構成体の断面図
【図9】回路構成体に枠本体を組み付ける前の状態をあらわす断面図
【図10】枠本体に枠構成体と第2ハウジングを組み付ける前の状態をあらわす断面図
【図11】枠構成体に第1ハウジングを組み付ける前の状態をあらわす断面図
【図12】枠体にカバーを組み付ける前の状態をあらわす断面図
【符号の説明】
【0036】
10…回路構成体
11…回路基板
12…バスバー
13…スイッチング部材
15A…第1端子部
15B…第2端子部
16A,16B…支持部
17A,17B…接続部
20…ケース
22B…後枠部(枠片)
22L…左枠部(枠片)
22R…右枠部(枠片)
22S…傾斜枠部(枠片)
24A…第1連結部(支承部)
24B…第2連結部(支承部)
24C…架橋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路構成体をケースに収容してなり、
前記回路構成体は、スイッチング部材が実装される回路基板と、前記回路基板に沿って配索したバスバーとを備えて構成され、
前記バスバーの端子部が、前記回路基板と略直角な支持部の先端から接続部を延出させた略L字形に形成され、前記接続部には、その先端側から相手部材が嵌合されるようになっているものにおいて、
前記ケースに、前記支持部の傾き変位を規制可能な支承部を設けたことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記支承部が、前記支持部に対して前記接続部とは反対側から当接可能となっていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記ケースが、前記回路基板の周縁に沿って前記回路構成体を包囲するように配置される枠体を備えてなり、
前記支承部が、前記枠体を構成する2つの枠片の間に差し渡された形態で設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記枠体を構成する複数の枠片のうち前記支承部が差し渡されている枠片とは異なる枠片と、前記支承部との間には、架橋部が差し渡されていることを特徴とする請求項3記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−158071(P2006−158071A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344234(P2004−344234)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】