電気接続箱
【課題】本発明は、局所的に高温になることが抑制された電気接続箱を提供する。
【解決手段】ケーシング11と、ケーシング11内に収容される回路構成体12と、を備える電気接続箱10であって、回路構成体12は、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー21と、隣り合う複数の第1バスバー21同士の間に配されて第1バスバー21と密着する合成樹脂材22と、を備え、合成樹脂材22は空気よりも熱伝導率が大きい。これにより、通電時に第1バスバー21から発生した熱を合成樹脂材22に伝達することができるので、電気接続箱10が局所的に高温になることを抑制できる。
【解決手段】ケーシング11と、ケーシング11内に収容される回路構成体12と、を備える電気接続箱10であって、回路構成体12は、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー21と、隣り合う複数の第1バスバー21同士の間に配されて第1バスバー21と密着する合成樹脂材22と、を備え、合成樹脂材22は空気よりも熱伝導率が大きい。これにより、通電時に第1バスバー21から発生した熱を合成樹脂材22に伝達することができるので、電気接続箱10が局所的に高温になることを抑制できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気接続箱として、特許文献1に記載のものが知られている。この電気接続箱は、ケーシング内に回路構成体を収容してなる。回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーを合成樹脂材料によりインサート成形してなる。バスバーのうち合成樹脂から露出した露出部には電子部品が半田付け等により接続されている。
【0003】
合成樹脂部分には、隣り合うバスバーの間に対応する位置に、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、隣り合うバスバー同士を連結するタイバーを切断するために設けられている。
【特許文献1】特開2004−120837公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の構成によると、隣り合うバスバーの間には、貫通孔によって、空間が形成されている。空気は熱伝導率が比較的に低い。このため、通電時にバスバーから発生した熱が、バスバーのうち貫通孔内で空気と接する部分にこもり、バスバーが局所的に高温になることが懸念される。すると、例えばバスバーと電子部品との半田付け部分における接続信頼性が低下することが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、局所的に高温になることが抑制された電気接続箱を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、ケーシングと、前記ケーシング内に収容される回路構成体と、を備える電気接続箱であって、前記回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーと、隣り合う前記複数のバスバー同士の間に配されて前記バスバーと密着する合成樹脂材と、を備えると共に、回路基板を含み、前記回路基板と前記バスバーとは電気的に接続されており、前記合成樹脂材の熱伝導率は空気よりも大きいものであって、前記回路構成体の一方の面には、前記回路基板の一方の面が露出しており、前記回路基板の一方の面には電子部品が接続されており、前記回路構成体の他方の面には、前記回路基板の他方の面を覆うと共に、通電時に前記回路基板で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層が形成されている。
【0007】
本発明によれば、バスバーに通電すると、バスバーから熱が発生する。バスバーから発生した熱は、バスバー同士の間に配されてバスバーと密着する合成樹脂材に伝達される。合成樹脂材は空気よりも熱伝導率が大きいので、バスバーに熱がこもることを抑制できる。これにより、電気接続箱が局所的に高温になることを抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気接続箱が局所的に高温になることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の参考例1に係る電気接続箱を表側から見た斜視図である。
【図2】図2は、電気接続箱の正面図である。
【図3】図3は、電気接続箱を裏側から見た斜視図である。
【図4】図4は、電気接続箱の背面図である。
【図5】図5は、電気接続箱の、表側から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、電気接続箱の、裏側から見た分解斜視図である。
【図7】図7は、2におけるA−A線断面図である。
【図8】図8は、図2におけるB−B線断面図である。
【図9】図9は、回路構成体を示す斜視図である。
【図10】図10は、連結バスバーを示す斜視図である。
【図11】図11は、連結バスバーに合成樹脂材をインサート成形した状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す正面図である。
【図13】図13は、本発明の参考例2に係る電気接続箱を表側から見た斜視図である。
【図14】図14は、電気接続箱の正面図である。
【図15】図15は、電気接続箱を裏側から見た斜視図である。
【図16】図16は、電気接続箱の背面図である。
【図17】図17は、電気接続箱の、表側から見た分解斜視図である。
【図18】図18は、図14におけるC−C線断面図である。
【図19】図19は、図14におけるD−D線断面図である。
【図20】図20は、両回路構成体の斜視図である。
【図21】図21は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す斜視図である。
【図22】図22は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す正面図である。
【図23】図23は、本発明の実施形態1に係る回路構成体を示す正面図である。
【図24】図24は、図23におけるE−E線断面図である。
【符号の説明】
【0010】
10,50...電気接続箱
11,51...ケーシング
12,80...回路構成体
13,53...ロアケース(ケーシング11,51)
14,54...アッパーケース(ケーシング11,51)
21,61,81...第1バスバー
22,62,82...合成樹脂材
26,66,84...底壁
27,67,83...側壁
28...タイバー
29...切断部
30...露出部
31...リレー(電子部品)
34,88...充填材
35,89...均熱層
36...開口部
52A...表側回路構成体(回路構成体)
52B...裏側回路構成体(回路構成体)
85...回路基板
86...電子部品
【発明を実施するための形態】
【0011】
<参考例1>
本発明を車両用の電気接続箱10に適用した参考例1について図1ないし図12を参照して説明する。本参考例に係る電気接続箱10は、合成樹脂製のケーシング11内に、回路が形成された回路構成体12を収容してなる。この電気接続箱10は、バッテリー等の電源(図示せず)と、ヘッドランプ、ワイパー等の車載電装品(図示せず)との間に接続されて、各種車載電装品の通電及び断電を行う。
【0012】
なお、以下の説明においては、図2における上方を上方とし、下方を下方とする。また、図2における右側を右方とし、左を左方とする。また、図2における紙面の貫通方向手前側を表側とし、紙面の貫通方向奥側を裏側とする。
【0013】
(ケーシング11)
ケーシング11は、図2における下側に位置するロアケース13と、ロアケース13の上部に組み付けられるアッパーケース14とを備える。
【0014】
図7に示すように、ロアケース13は、合成樹脂製であって、上方に開口している。ロアケース13の下壁の下面には、下方に開口するコネクタハウジング15が形成されている。このコネクタハウジング15は、図示しない相手側コネクタを嵌合可能となっている。相手側コネクタはワイヤーハーネス(図示せず)を介してバッテリー、車載電装品等と接続されている。
【0015】
図7に示すように、ロアケース13の開口内には上方から回路構成体12が収容されている。ロアケース13及び回路構成体12の上方には、上方からアッパーケース14が組み付けられている。アッパーケース14は、合成樹脂製であって、下方に開口している。アッパーケース14の上壁には、ヒューズ16を装着可能なヒューズ装着部17が開口されている。ヒューズ装着部17内には複数のヒューズ16(本参考例では4つ)が装着されている(図5及び図6参照)。
【0016】
図1、図2及び図5に示すように、ロアケース13の表側に位置する表壁18Aの外面には、外方に突出するロック部19Aが形成されている。一方、アッパーケース14の表側に位置する表壁18Bの外面には、ロック部19Aに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Aが形成されている。また、図5及び図6に示すように、ロアケース13の左右両側に位置する側壁の外面には、外方に突出するロック部19Bが形成されている。一方、アッパーケース14の左右両側に位置する側壁には、ロック部19Bに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Bが形成されている。上記したロック部19A,19Bと、ロック受け部20A,20Bとが弾性的に嵌合することにより、ロアケース13とアッパーケース14とが組み付けられる(図8参照)。
【0017】
(回路構成体12)
図7ないし図9に示すように、回路構成体12は、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー21(バスバーに相当する)と、この第1バスバー21の間に充填された合成樹脂材22とを含む。
【0018】
第1バスバー21は、金属板材をプレス加工することで複数の第1バスバー21同士がタイバー28により連結された形態の連結バスバー23とされた後(図10参照)、タイバー28を切断することで形成される。図7に示すように、第1バスバー21の上端部は表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー21の上端部は、上述したヒューズ装着部17内に挿入されて、ヒューズ16と接続されるヒューズ側端子24Aとされる。また、第1バスバー21の下端部も、表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー21の下端部は、ロアケース13の下壁を貫通して上述したコネクタハウジング15内に挿入されて、相手側コネクタと接続されるコネクタ側端子25とされる。
【0019】
図12に示すように、第1バスバー21のうちヒューズ側端子24Aとコネクタ側端子25との間の領域には、空気よりも熱伝導率が大きな合成樹脂材22がインサート成形されている。合成樹脂材22は、隣り合う第1バスバー21同士の間に充填されており、各第1バスバー21に密着している。
【0020】
図7に示すように、回路構成体12は、合成樹脂材22によって底壁26が形成されている。この底壁26は、ロアケース13の下壁に対して垂直に配されている。図12に示すように、底壁26は表側から見て略矩形状をなしている。底壁26の外周縁には、表側に立設して4つの側壁27が形成されている。この側壁27のうち上側に位置する側壁27の表側の端縁からは、ヒューズ側端子24A(本参考例では4つ)が上方に突出している。図9に示すように、ヒューズ側端子24Aの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、側壁27のうち下側に位置する側壁27の表側の端縁からは、コネクタ側端子25が下方に突出している。
【0021】
図9に示すように、第1バスバー21のうち、合成樹脂材22により覆われた領域よりも上端部又は下端部寄りの位置には、第1バスバー21同士を接続するタイバー28が切断された切断部29が形成されている。具体的には、ヒューズ側端子24A及びコネクタ側端子25の側縁には切断部29が形成されている。
【0022】
また、回路構成体12の側壁27のうち、上側に位置する側壁27及び下側に位置する側壁27の表側の端縁からは、第1バスバー21同士を連結するタイバー28が外方に突出している。このタイバー28の先端は切断されており、切断部29とされる。
【0023】
図7に示すように、底壁26のうち、側壁27が立設された側の面(表側の面)には、第1バスバー21が合成樹脂材22から露出した露出部30が形成されている。この露出部30には、リレー31(電子部品に相当する)のリード端子32が、例えば半田付けにより接続されている。本参考例においては、4つのリレー31が回路構成体12に接続されている(図9参照)。
【0024】
図12に示すように、底壁26の表面には、表側に突出して、リレー31の位置決めをするための位置決め突起33が形成されている。リレー31の表面と、位置決め突起33とが当接することにより、リレー31が正規位置に位置決めされるようになっている。
【0025】
図8及び図9に示すように、底壁26と、4つの側壁27とに囲まれた領域には、例えば合成樹脂からなる充填材34が充填されている。充填材34は、露出部30を覆うと共に、リレー31と接触している。なお、図7においては、充填材34は省略してある。
【0026】
図7に示すように、底壁26のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(裏面、図7における右側)には、隣り合う第1バスバー21同士の間に充填された合成樹脂材22と連続すると共に、第1バスバー21の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー21から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。
【0027】
図6及び図8に示すように、回路構成体12の底壁26の裏面側(均熱層35の裏面)には、外方に突出するロック部19Cが形成されている。一方、図3、図4及び図6に示すように、アッパーケース14の裏側の外面にはロック部19Cに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Cが形成されている。このロック部19Cと、ロック受け部20Cとが弾性的に嵌合することにより、回路構成体12とアッパーケース14とが組み付けられる。
【0028】
図3及び図4に示すように、ロアケース13と、回路構成体12と、アッパーケース14とが組み付けられた状態で、ロアケース13及びアッパーケース14の裏面側には、開口部36が形成される。この開口部36が回路構成体12の底壁26の均熱層35によって塞がれるような姿勢で、ケーシング11内に、回路構成体12が収容される。すなわち、回路構成体12の底壁26が、ケーシング11の外表面の一部を構成するようになっている。
【0029】
(第2バスバー38)
図6及び図7に示すように、ロアケース13の表壁18Aの裏面には、第2バスバー38を挟持する挟持部37が、上方に開口して形成されている。ケーシング11内には、ロアケース13の表壁18Aの裏側に重なるようにして、第2バスバー38が配設されている。第2バスバー38は金属板材をプレス加工することで形成される。第2バスバー38の上端縁からは、ヒューズ装着部17内に挿入されてヒューズ16と接続される複数(本参考例では4つ)のヒューズ側端子24Bが上方に突出している。図5及び図6に示すように、ヒューズ側端子24Bの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、第2バスバー38の下端縁のうち、左右方向(図6における右手前から左奥に向かう方向)の中央付近の位置からは、下方(図6における左手前側)に突出する電源側端子39が形成されている。図8に示すように、電源側端子39は、裏側(図8における右側)に2回直角曲げされることでクランク状に形成されている。図8に示すように、この電源側端子39は、ロアケース13の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、ワイヤーハーネスを介してバッテリーと接続された相手側コネクタと接続される。
【0030】
図8及び図9に示すように、回路構成体12の側壁27のうち下側に位置する側壁27には、電源側端子39の上方の位置に、相手側コネクタが嵌合されたときに、電源側端子39が上方に変位するのを規制するための一対の規制リブ40が形成されている。規制リブ40は、相手側コネクタが嵌合されて、電源側端子39に上方への力が加えられたときに、上方から電源側端子39に当接して電源側端子39が上方に変位することを規制するようになっている。
【0031】
(製造工程)
続いて、本参考例に係る電気接続箱10の製造工程の一例について説明する。図10に示すように、まず、図示しない金属板材をプレス加工する。これにより、略矩形状をなすフレーム41の内側に、複数の第1バスバー21がタイバー28によって接続された形態の連結バスバー23を形成する。
【0032】
上記の形態に形成された連結バスバー23を、図示しない金型内に載置し、合成樹脂材22によってインサート成形を行う。図11に示すように、この工程により、底壁26及び側壁27が形成される。
【0033】
その後、図12に示すように、隣り合う第1バスバー21同士を連結するタイバー28を切断する。これにより、第1バスバー21には切断部29が形成される。また、合成樹脂材22から突出したタイバー28には切断部29が形成される。
【0034】
リレー31を、底壁26の位置決め突起33に当接させながらリレー31を正規位置に配置する。その後、リレー31のリード端子32と、露出部30から露出した第1バスバー21との間を、例えばレーザー半田付け、リフロー半田付け等、公知の手法により半田付けする。
【0035】
続いて、底壁26を下側にし、側壁27が上方に立ち上がる姿勢で、回路構成体12を載置する。その後、底壁26と、側壁27とに囲まれた領域内に、液状の充填材34を充填する。充填材34は、露出部30を覆うと共にリレー31と接触する液位まで充填する。その後、充填材34を固化させる(図9参照)。
【0036】
ロアケース13の挟持部37内に第2バスバー38を挿入すると共に、コネクタハウジング15内に第2バスバー38の電源側端子39を上方から挿入する。次に、コネクタハウジング15内に、回路構成体12のコネクタ側端子25を上方から挿入する。
【0037】
続いて、アッパーケース14を、ロアケース13及び回路構成体12の上方から組み付ける。このとき、アッパーケース14のヒューズ装着部17内に、第1バスバー21及び第2バスバー38のヒューズ側端子24A,24Bが収容されるようにする。アッパーケース14を上方から組み付けると、アッパーケース14のロック受け部20A,20B,20Cが、上方から、ロアケース13及び回路構成体12のロック部19A,19B,19Cに、当接する。さらにアッパーケース14を下方に変位させると、ロック受け部20A,20B,20Cが外方に弾性変形し、その後、復帰変形してロック部19A,19B,19Cと弾性的に係合する。これにより、アッパーケース14が、ロアケース13及び回路構成体12と一体に組み付けられる(図8参照)。これにより電気接続箱10が完成する。この電気接続箱10は、図7及び図8に示すように、回路構成体12の底壁26が垂直になる姿勢で車両に搭載される。
【0038】
続いて、本参考例の作用、効果について説明する。電気接続箱10に通電すると、第1バスバー21から熱が発生する。第1バスバー21から発生した熱は、第1バスバー21同士の間に充填されると共に第1バスバー21と密着する合成樹脂材22に伝達される。合成樹脂材22は空気よりも熱伝導率が大きいので、第1バスバー21に熱がこもることを抑制できる。これにより、電気接続箱10が局所的に高温になることを抑制できる。
【0039】
そして、第1バスバー21に通電されることで第1バスバー21から発生した熱は、露出部30を覆う充填材34に伝達される。また、リレー31に通電されることでリレー31から発生した熱は、リレー31と接触する充填材34に伝達される。これにより、第1バスバー21及びリレー31に熱がこもることを抑制できる。
【0040】
さらに、第1バスバー21から発生した熱は、合成樹脂材22に伝達された後、合成樹脂材22と連続して形成される均熱層35に伝導され、均熱層35によって分散される。これにより第1バスバー21の近傍が局所的に高温になることを一層抑制できる。
【0041】
その上、均熱層35に伝達された熱は、ケーシング11に形成された開口部36に露出する均熱層35の外面から、ケーシング11の外部に放散される。これにより、第1バスバー21から発生した熱は、効率よくケーシング11の外部に放散されるから、第1バスバー21の近傍が局所的に高温になることを一層抑制できる。
【0042】
また、本参考例によれば、回路構成体12は、金属板材をプレス成形することで、複数の第1バスバー21がタイバー28により連結された連結バスバー23を形成し、この連結バスバー23をインサート成形することで、隣り合う第1バスバー21の間に合成樹脂材22を充填し、その後、タイバー28を切断することにより製造できる。このように、本参考例によれば、タイバー28により連結された状態の第1バスバー21をインサート成形することができる。
【0043】
この結果、例えば、まずタイバー28を切断することで複数の第1バスバー21を分断し、その後、分断された複数の第1バスバー21を金型の所定の位置にそれぞれ配列した後にインサート成形する場合に比べて、製造工程を簡素化できる。
【0044】
<参考例2>
次に、本発明の参考例2を図13ないし図22を参照して説明する。以下の説明においては、図14における上側を上方とし、下側を下方とする。また、図14における右側を右方とし、左を左方とする。また、図14における紙面の貫通方向手前側を表側とし、紙面の貫通方向奥側を裏側とする。
【0045】
本参考例に係る電気接続箱50は、図18に示すように、ケーシング51内に、表側(図18における左側)に位置して配される表側回路構成体52A(回路構成体に相当)と、裏側(図18における右側)に位置して配される裏側回路構成体52B(回路構成体に相当)とを収容してなる。
【0046】
(ケーシング51)
図18に示すように、ロアケース53は、合成樹脂製であって、上方に開口している。ロアケース53の下壁の上面には、表裏方向(図18における左右方向)の中央付近から、上方に突出すると共に、左右方向(図18において紙面を貫通する方向)に延びて、後述する第2バスバー78を挟持する挟持部77が形成されている(図17参照)。
【0047】
図18に示すように、ロアケース53の開口内のうち、挟持部77によって表裏方向(図18の左右方向)に仕切られた領域には、それぞれ、上方から、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bが収容されている。ロアケース53、表側回路構成体52A、及び裏側回路構成体52Bの上方には、上方からアッパーケース54が組み付けられている。アッパーケース54は、合成樹脂製であって、下方に開口している。アッパーケース54の上壁には、ヒューズ16を装着可能なヒューズ装着部17が開口されている。ヒューズ装着部17内には複数のヒューズ16(本参考例では10個)が装着されている(図17参照)。
【0048】
図17に示すように、ロアケース53の左右両側(図17における右手前から左奥方に向かう方向)に位置する側壁の外面には、外方に突出するロック部59Bが形成されている。一方、アッパーケース54の左右両側(図17における右手前から左奥方に向かう方向)に位置する側壁には、ロック部59Bに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Bが形成されている。上記したロック部59Bと、ロック受け部60Bとが弾性的に嵌合することにより、ロアケース53とアッパーケース54とが組み付けられる(図13及び図15参照)。
【0049】
(回路構成体)
図18ないし図20に示すように、両回路構成体52A,52Bは、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー61と、この第1バスバー61の間に充填された合成樹脂材62とを含む。表側回路構成体52Aと、裏側回路構成体52Bとは、同一形状をなしている。
【0050】
図22に示すように、第1バスバー61のうちヒューズ側端子64Aとコネクタ側端子65との間の領域には、空気よりも熱伝導率が大きな合成樹脂材62がインサート成形されている。合成樹脂材62は、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填されており、各第1バスバー61に密着している。
【0051】
第1バスバー61の上端部は表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー61の上端部は、ヒューズ装着部17内に挿入されて、ヒューズ16と接続されるヒューズ側端子64Aとされる。また、第1バスバー21の下端部も、表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー61の下端部は、ロアケース53の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、相手側コネクタと接続されるコネクタ側端子65とされる。
【0052】
図18に示すように、両回路構成体52A,52Bは、合成樹脂材62によって底壁66が形成されている。この底壁66は、ロアケース53の下壁に対して垂直に配されている。図22に示すように、底壁66は表側から見て略矩形状をなしている。底壁66の外周縁には、表側に立設して4つの側壁67が形成されている。この側壁67のうち上側に位置する側壁67の表側の端縁からは、ヒューズ側端子64A(本参考例では5つ)が上方に突出している。図22に示すように、ヒューズ側端子64Aの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、側壁67のうち下側に位置する側壁67の表側の端縁からは、コネクタ側端子65が下方に突出している。
【0053】
図20に示すように、第1バスバー61のうち、合成樹脂材62により覆われた領域よりも端部寄りの位置には、第1バスバー61同士を接続するタイバー28が切断された切断部29が形成されている。
【0054】
また、図22に示すように、回路構成体12の側壁67のうち、上側に位置する側壁67及び下側に位置する側壁67の表側の端縁からは、第1バスバー61同士を連結するタイバー28が外方に突出している。このタイバー28の先端は切断されており、切断部29とされる。
【0055】
図18に示すように、底壁66のうち、側壁67が立設された側の面には、第1バスバー61が合成樹脂材62から露出した露出部30が形成されている。この露出部30には、リレー31のリード端子32が、例えば半田付けにより接続されている。本参考例においては、両回路構成体52A,52Bには、それぞれ5つのリレー31が接続されている。
【0056】
図19及び図20に示すように、底壁66と、4つの側壁67とに囲まれた領域には、例えば合成樹脂からなる充填材34が充填されている。充填材34は、露出部30を覆うと共に、リレー31と接触している。なお、図18においては、充填材34は省略してある。
【0057】
図18に示すように、表側回路構成体52Aの底壁66のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(表面)には、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填された合成樹脂材62と連続すると共に、第1バスバー61の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー61から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。また、裏側回路構成体52Bの底壁66のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(裏面)には、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填された合成樹脂材62と連続すると共に、第1バスバー61の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー61から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。
【0058】
図17に示すように、表側回路構成体52Aの底壁66の表面側(均熱層35の表面)には、表側に突出するロック部59Aが形成されている。一方、図13、図14、及び図17に示すように、アッパーケース54の表側の外面にはロック部59Aに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Aが形成されている。
【0059】
また、図には詳細に示さないが、裏側回路構成体52Bの底壁66の裏面側(均熱層35の裏面)には、裏側に突出するロック部59Cが形成されている。一方、図15及び図16に示すように、アッパーケース54の裏側の外面にはロック部59Cに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Cが形成されている。このロック部59A,59B,59Cと、ロック受け部60A,60B,60Cとが弾性的に嵌合することにより、回路構成体12とアッパーケース54とが組み付けられている。
【0060】
図18に示すように、両回路構成体52A,52Bは、ケーシング51内のうちロアケース53の挟持部77によって表裏方向(図18の左右方向)に仕切られた領域内に、それぞれ収容される。両回路構成体52A,52Bは、それぞれ、リレー31を挟持部77側に向けた姿勢でケーシング51内に配置されている。
【0061】
図13ないし図16に示すように、ロアケース53と、両回路構成体52A,52Bと、アッパーケース54とが組み付けられた状態で、ロアケース53及びアッパーケース54の表面側、及び裏面側のそれぞれには、開口部36が形成される。これら両開口部36が両回路構成体52A,52Bの底壁66の均熱層35によって塞がれるような姿勢で、ケーシング51内に、両回路構成体52A,52Bが収容される。すなわち、両回路構成体52A,52Bの底壁66が、ケーシング51の外表面の一部を構成するようになっている。
【0062】
(第2バスバー78)
図18及び図19に示すように、ロアケース53に形成された挟持部77には第2バスバー78が表裏方向(図18における左右方向)から挟持されている。第2バスバー78は金属板材をプレス加工することで形成される。第2バスバー78の上端縁からは、ヒューズ装着部17内に挿入されてヒューズ16と接続される複数(本参考例では10個)のヒューズ側端子64Bが上方に突出している。また、第2バスバー78の下端縁のうち、右端寄り(図17における右手前側)の位置には、下方に突出する電源側端子79が形成されている。この電源側端子79は、ロアケース53の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、バッテリーとワイヤーハーネスを介して接続された相手側コネクタと接続される。
【0063】
上記以外の構成については、参考例1と略同じなので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
(製造工程)
続いて、本参考例に係る電気接続箱50の製造工程の一例について説明する。まず、金属板材をプレス加工する。これにより、金属板材を、略矩形状をなすフレーム41の内側に、複数の第1バスバー61がタイバー28によって接続された形態の連結バスバー23を形成する。
【0065】
上記の形態に形成された連結バスバー23を、図示しない金型内に載置し、合成樹脂材62によってインサート成形を行う。この工程により、底壁66及び側壁67が形成される。
【0066】
その後、図21及び図22に示すように、隣り合う第1バスバー61同士を連結するタイバー28を切断する。これにより、第1バスバー61には切断部29が形成される。また、合成樹脂材62から突出したタイバー28には切断部29が形成される。
【0067】
リレー31を、底壁66の位置決め突起33に当接させながらリレー31を正規位置に配置する。その後、リレー31のリード端子32と、露出部30から露出した第1バスバー61との間を、例えばレーザー半田付け、リフロー半田付け等、公知の手法により半田付けする。
【0068】
続いて、底壁66を下側にし、側壁67が上方に立ち上がる姿勢で、回路構成体12を載置する。その後、底壁66と、側壁67とに囲まれた領域内に、液状の充填材34を充填する。充填材34は、露出部30を覆うと共にリレー31と接触する液位まで充填する。その後、充填材34を固化させる(図20参照)。
【0069】
ロアケース53の挟持部77内に第2バスバー78を挿入すると共に、コネクタハウジング15内に第2バスバー78の電源側端子79を上方から挿入する。
【0070】
次に、コネクタハウジング15内に、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bのコネクタ側端子65を上方から挿入する。
【0071】
続いて、アッパーケース54を、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bの上方から組み付ける。このとき、アッパーケース54のヒューズ装着部17内に、第1バスバー61及び第2バスバー78のヒューズ側端子64A,64Bが収容されるようにする。アッパーケース54を上方から組み付けると、アッパーケース54のロック受け部60A,60B,60Cが、上方から、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bのロック部59A,59B,59Cに、当接する。さらにアッパーケース54を下方に変位させると、ロック受け部60A,60B,60Cが外方に弾性変形し、その後、復帰変形してロック部59A,59B,59Cと弾性的に係合する。これにより、アッパーケース54が、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bと一体に組み付けられる。これにより電気接続箱50が完成する。この電気接続箱50は、図18及び図19に示すように、回路構成体12の底壁66が垂直になる姿勢で車両に搭載される。
【0072】
本参考例においては、1つのケーシング51内に、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bを収容しているので、実装密度を向上させることができる。
【0073】
<実施形態1>
次に、本発明の実施形態1を図23及び図24を参照して説明する。以下の説明においては、図23における上側を上方とし、下側を下方とする。また、図23における右側を右方とし、左を左方とする。また、図24における上側を表側とし、下側を裏側とする。
【0074】
図23に示すように、本実施形態に係る回路構成体80は、表側(図23において紙面を貫通する方向手前側)から見て、左右方向に細長い略矩形状をなす。回路構成体80には、間隔を空けて並ぶ複数の第1バスバー81が、回路構成体80の上縁部から上方に突出すると共に、回路構成体80の下縁部から下方に突出して設けられている。
【0075】
隣り合う第1バスバー81の間には、空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂材82が配されている。この合成樹脂材82により、側壁83、及び底壁84が形成されている。
【0076】
図24に示すように、回路構成体80は回路基板85を含む。回路基板85は、略矩形状をなしている。回路基板85の表面(図24における上面、回路基板85の一方の面に相当)には、プリント配線技術により図示しない導電路が形成されている。回路基板85の表面には電子部品86が実装されて、導電路と電気的に接続されている。
【0077】
回路基板85にはスルーホール87が形成されている。このスルーホール87内には、第1バスバー81の一方の端部が挿通されて、半田付けされている。これにより、第1バスバー81と回路基板85とが電気的に接続されている。第1バスバー81は回路基板85の表側において曲げ形成されている。これにより第1バスバー81の他方の端部は、回路基板85の板面に沿う方向に延びるようになっている。
【0078】
回路基板85、及び第1バスバー81は、合成樹脂材82によりモールド成形されている。これにより、上述した側壁83、及び底壁84が形成されている。図24に示すように、第1バスバー81は、側壁83を貫通している。また、回路基板85の表面は、底壁84から露出した状態になっている。
【0079】
図24に示すように、回路構成体80のうち、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域には、回路基板85の表面を覆うと共に、電子部品86と接触する充填材88が充填されている。充填材88は、充填時には液状であって、充填後に固化するようになっている。本実施形態においては、電子部品86の一部または、全ては充填材88に埋設されている。
【0080】
回路構成体80の底壁84には、回路基板85の裏面(図24における下面、回路基板85の他方の面に相当)を覆うと共に、回路基板85で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層89が形成されている。均熱層89は、モールド成形により形成される。
【0081】
この均熱層89により、回路基板85の裏面が覆われると共に、回路基板85に挿通された第1バスバー81の一方の端部も覆われている。これにより、第1バスバー81が絶縁されるようになっている。
【0082】
また、回路基板85には、均熱層89を形成する合成樹脂が充填される樹脂充填孔90が、回路基板85を貫通して形成されている。均熱層89を形成する合成樹脂は、樹脂充填孔90の内壁面と密着している。この均熱層89は、詳細には図示しないが、ケーシング11の開口部36から、ケーシング11の外部に露出するようになっている。
【0083】
上記以外の構成については、参考例1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0084】
続いて、本実施形態に係る回路構成体80の製造工程の一例を示す。まず、回路基板85にスルーホール87を形成し、その後、プリント配線技術により導電路を形成する。続いて、第1バスバー81の一方の端部をスルーホール87内に挿通して半田付けする。
【0085】
続いて、第1バスバー81が半田付けされた回路基板85を図示しない金型内に載置して、合成樹脂材82によりモールド成形する。これにより、底壁84、側壁83及び均熱層89を形成する。
【0086】
次に、回路基板85の表面に電子部品86を、リフロー半田付け等、公知の手法により実装する。
【0087】
続いて、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域内に液体状の充填材88を充填した後、充填材88を固化させる。これにより回路構成体80が完成する。
【0088】
また、回路構成体80の製造工程につき、他の一例を以下に説明する。まず、回路基板85を合成樹脂材82によりモールド成形する。これにより、底壁84、側壁83及び均熱層89を形成する。このとき、均熱層89には、第1バスバー81が回路基板85と半田付けされた部分に対応する位置に、第1バスバー81と回路基板85との半田付け部分が露出する開口(図示せず)を設けておく。
【0089】
次に、回路基板85の表面に、電子部品86を、リフロー半田付け等、公知の手法により実装する。続いて、第1バスバー81を半田付けする。
【0090】
続いて、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域内に液体状の充填材88を充填した後、充填材88を固化させる。その後、均熱層89に設けられた開口内に充填材88を充填し、固化させる。なお、充填材88を充填する順序は、底壁84及び側壁83によって囲まれた領域内と、均熱層89に設けられた開口との、いずれが先であってもよい。これにより回路構成体80が完成する。
【0091】
本実施形態によれば、回路構成体80は回路基板85を含むので、第1バスバー81のみによって回路を形成する場合に比べて、配線密度を向上させることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、樹脂充填孔90内には、均熱層89を形成する合成樹脂材82が、樹脂充填孔90の内壁面と密着して充填されている。これにより、回路基板85と均熱層89とが剥離する方向の力を受けた場合でも、樹脂充填孔90内に充填された合成樹脂材82と、樹脂充填孔90の内壁面との間の摩擦により、回路基板85と均熱層89とが剥離することを抑制できる。
【0093】
本実施形態によれば、通電時に回路基板85で発生した熱は、回路基板85の裏面を覆う均熱層89に伝達された後、均熱層89により分散される。均熱層89に伝達された熱は、ケーシング11の開口部36から露出する均熱層89から、ケーシング11の外部に効率よく放散される。この結果、電気接続箱10の放熱性を向上させることができる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bは連結バスバー23をインサート成形によって形成される構成としたが、これに限られず、予め切断された複数の第1バスバー21を金型内の所定位置に配置し、その後、インサート成形してもよい。
(2)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bには、充填材34が充填される構成としたが、例えば、合成樹脂材22によって第1バスバー21,61又はリレー31から発生する熱を効率的に放散可能であれば、充填材34を省略できる。
(3)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bには、均熱層35が形成される構成としたが、これに限られず、例えば、合成樹脂材22によって第1バスバー21,61又はリレー31から発生する熱を効率的に放散可能であれば、均熱層35を省略できる。この場合、第1バスバー21,61が回路構成体12の底壁26の裏面において露出する構成となる。すると、底壁26の裏面において露出した第1バスバー21,61に水や埃が付着して、短絡することが懸念される。そこで、この場合には、ケーシング11,51に開口部36を設けず、回路構成体12,52A,52Bがケーシング11,51により覆われる構成とすることにより、底壁26の裏面において露出した第1バスバー21,61に水や埃が付着することを抑制できる。
(4)参考例1、及び2においては、電子部品としてリレー31を用いたが、これに限られず、半導体リレーでもよい。また、抵抗、コンデンサ等でもよい。
(5)実施形態1においては、回路構成体80には均熱層89が形成される構成としたが、参考例として、均熱層89を省略してもよい。均熱層89を省略した場合、底壁84の裏面において露出した回路基板85に水や埃が付着して、短絡することが懸念される。そこで、この場合には、ケーシングに開口部を設けず、回路構成体80がケーシングにより覆われる構成とすることにより、底壁84の裏面において露出した回路基板85に水や埃が付着することを抑制できる。
(6)本実施形態において、バスバーにより形成された回路は、厚銅回路により形成される構成としてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気接続箱として、特許文献1に記載のものが知られている。この電気接続箱は、ケーシング内に回路構成体を収容してなる。回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーを合成樹脂材料によりインサート成形してなる。バスバーのうち合成樹脂から露出した露出部には電子部品が半田付け等により接続されている。
【0003】
合成樹脂部分には、隣り合うバスバーの間に対応する位置に、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、隣り合うバスバー同士を連結するタイバーを切断するために設けられている。
【特許文献1】特開2004−120837公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の構成によると、隣り合うバスバーの間には、貫通孔によって、空間が形成されている。空気は熱伝導率が比較的に低い。このため、通電時にバスバーから発生した熱が、バスバーのうち貫通孔内で空気と接する部分にこもり、バスバーが局所的に高温になることが懸念される。すると、例えばバスバーと電子部品との半田付け部分における接続信頼性が低下することが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、局所的に高温になることが抑制された電気接続箱を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、ケーシングと、前記ケーシング内に収容される回路構成体と、を備える電気接続箱であって、前記回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーと、隣り合う前記複数のバスバー同士の間に配されて前記バスバーと密着する合成樹脂材と、を備えると共に、回路基板を含み、前記回路基板と前記バスバーとは電気的に接続されており、前記合成樹脂材の熱伝導率は空気よりも大きいものであって、前記回路構成体の一方の面には、前記回路基板の一方の面が露出しており、前記回路基板の一方の面には電子部品が接続されており、前記回路構成体の他方の面には、前記回路基板の他方の面を覆うと共に、通電時に前記回路基板で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層が形成されている。
【0007】
本発明によれば、バスバーに通電すると、バスバーから熱が発生する。バスバーから発生した熱は、バスバー同士の間に配されてバスバーと密着する合成樹脂材に伝達される。合成樹脂材は空気よりも熱伝導率が大きいので、バスバーに熱がこもることを抑制できる。これにより、電気接続箱が局所的に高温になることを抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気接続箱が局所的に高温になることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の参考例1に係る電気接続箱を表側から見た斜視図である。
【図2】図2は、電気接続箱の正面図である。
【図3】図3は、電気接続箱を裏側から見た斜視図である。
【図4】図4は、電気接続箱の背面図である。
【図5】図5は、電気接続箱の、表側から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、電気接続箱の、裏側から見た分解斜視図である。
【図7】図7は、2におけるA−A線断面図である。
【図8】図8は、図2におけるB−B線断面図である。
【図9】図9は、回路構成体を示す斜視図である。
【図10】図10は、連結バスバーを示す斜視図である。
【図11】図11は、連結バスバーに合成樹脂材をインサート成形した状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す正面図である。
【図13】図13は、本発明の参考例2に係る電気接続箱を表側から見た斜視図である。
【図14】図14は、電気接続箱の正面図である。
【図15】図15は、電気接続箱を裏側から見た斜視図である。
【図16】図16は、電気接続箱の背面図である。
【図17】図17は、電気接続箱の、表側から見た分解斜視図である。
【図18】図18は、図14におけるC−C線断面図である。
【図19】図19は、図14におけるD−D線断面図である。
【図20】図20は、両回路構成体の斜視図である。
【図21】図21は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す斜視図である。
【図22】図22は、インサート成形した連結バスバーのタイバーを切断した状態を示す正面図である。
【図23】図23は、本発明の実施形態1に係る回路構成体を示す正面図である。
【図24】図24は、図23におけるE−E線断面図である。
【符号の説明】
【0010】
10,50...電気接続箱
11,51...ケーシング
12,80...回路構成体
13,53...ロアケース(ケーシング11,51)
14,54...アッパーケース(ケーシング11,51)
21,61,81...第1バスバー
22,62,82...合成樹脂材
26,66,84...底壁
27,67,83...側壁
28...タイバー
29...切断部
30...露出部
31...リレー(電子部品)
34,88...充填材
35,89...均熱層
36...開口部
52A...表側回路構成体(回路構成体)
52B...裏側回路構成体(回路構成体)
85...回路基板
86...電子部品
【発明を実施するための形態】
【0011】
<参考例1>
本発明を車両用の電気接続箱10に適用した参考例1について図1ないし図12を参照して説明する。本参考例に係る電気接続箱10は、合成樹脂製のケーシング11内に、回路が形成された回路構成体12を収容してなる。この電気接続箱10は、バッテリー等の電源(図示せず)と、ヘッドランプ、ワイパー等の車載電装品(図示せず)との間に接続されて、各種車載電装品の通電及び断電を行う。
【0012】
なお、以下の説明においては、図2における上方を上方とし、下方を下方とする。また、図2における右側を右方とし、左を左方とする。また、図2における紙面の貫通方向手前側を表側とし、紙面の貫通方向奥側を裏側とする。
【0013】
(ケーシング11)
ケーシング11は、図2における下側に位置するロアケース13と、ロアケース13の上部に組み付けられるアッパーケース14とを備える。
【0014】
図7に示すように、ロアケース13は、合成樹脂製であって、上方に開口している。ロアケース13の下壁の下面には、下方に開口するコネクタハウジング15が形成されている。このコネクタハウジング15は、図示しない相手側コネクタを嵌合可能となっている。相手側コネクタはワイヤーハーネス(図示せず)を介してバッテリー、車載電装品等と接続されている。
【0015】
図7に示すように、ロアケース13の開口内には上方から回路構成体12が収容されている。ロアケース13及び回路構成体12の上方には、上方からアッパーケース14が組み付けられている。アッパーケース14は、合成樹脂製であって、下方に開口している。アッパーケース14の上壁には、ヒューズ16を装着可能なヒューズ装着部17が開口されている。ヒューズ装着部17内には複数のヒューズ16(本参考例では4つ)が装着されている(図5及び図6参照)。
【0016】
図1、図2及び図5に示すように、ロアケース13の表側に位置する表壁18Aの外面には、外方に突出するロック部19Aが形成されている。一方、アッパーケース14の表側に位置する表壁18Bの外面には、ロック部19Aに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Aが形成されている。また、図5及び図6に示すように、ロアケース13の左右両側に位置する側壁の外面には、外方に突出するロック部19Bが形成されている。一方、アッパーケース14の左右両側に位置する側壁には、ロック部19Bに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Bが形成されている。上記したロック部19A,19Bと、ロック受け部20A,20Bとが弾性的に嵌合することにより、ロアケース13とアッパーケース14とが組み付けられる(図8参照)。
【0017】
(回路構成体12)
図7ないし図9に示すように、回路構成体12は、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー21(バスバーに相当する)と、この第1バスバー21の間に充填された合成樹脂材22とを含む。
【0018】
第1バスバー21は、金属板材をプレス加工することで複数の第1バスバー21同士がタイバー28により連結された形態の連結バスバー23とされた後(図10参照)、タイバー28を切断することで形成される。図7に示すように、第1バスバー21の上端部は表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー21の上端部は、上述したヒューズ装着部17内に挿入されて、ヒューズ16と接続されるヒューズ側端子24Aとされる。また、第1バスバー21の下端部も、表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー21の下端部は、ロアケース13の下壁を貫通して上述したコネクタハウジング15内に挿入されて、相手側コネクタと接続されるコネクタ側端子25とされる。
【0019】
図12に示すように、第1バスバー21のうちヒューズ側端子24Aとコネクタ側端子25との間の領域には、空気よりも熱伝導率が大きな合成樹脂材22がインサート成形されている。合成樹脂材22は、隣り合う第1バスバー21同士の間に充填されており、各第1バスバー21に密着している。
【0020】
図7に示すように、回路構成体12は、合成樹脂材22によって底壁26が形成されている。この底壁26は、ロアケース13の下壁に対して垂直に配されている。図12に示すように、底壁26は表側から見て略矩形状をなしている。底壁26の外周縁には、表側に立設して4つの側壁27が形成されている。この側壁27のうち上側に位置する側壁27の表側の端縁からは、ヒューズ側端子24A(本参考例では4つ)が上方に突出している。図9に示すように、ヒューズ側端子24Aの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、側壁27のうち下側に位置する側壁27の表側の端縁からは、コネクタ側端子25が下方に突出している。
【0021】
図9に示すように、第1バスバー21のうち、合成樹脂材22により覆われた領域よりも上端部又は下端部寄りの位置には、第1バスバー21同士を接続するタイバー28が切断された切断部29が形成されている。具体的には、ヒューズ側端子24A及びコネクタ側端子25の側縁には切断部29が形成されている。
【0022】
また、回路構成体12の側壁27のうち、上側に位置する側壁27及び下側に位置する側壁27の表側の端縁からは、第1バスバー21同士を連結するタイバー28が外方に突出している。このタイバー28の先端は切断されており、切断部29とされる。
【0023】
図7に示すように、底壁26のうち、側壁27が立設された側の面(表側の面)には、第1バスバー21が合成樹脂材22から露出した露出部30が形成されている。この露出部30には、リレー31(電子部品に相当する)のリード端子32が、例えば半田付けにより接続されている。本参考例においては、4つのリレー31が回路構成体12に接続されている(図9参照)。
【0024】
図12に示すように、底壁26の表面には、表側に突出して、リレー31の位置決めをするための位置決め突起33が形成されている。リレー31の表面と、位置決め突起33とが当接することにより、リレー31が正規位置に位置決めされるようになっている。
【0025】
図8及び図9に示すように、底壁26と、4つの側壁27とに囲まれた領域には、例えば合成樹脂からなる充填材34が充填されている。充填材34は、露出部30を覆うと共に、リレー31と接触している。なお、図7においては、充填材34は省略してある。
【0026】
図7に示すように、底壁26のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(裏面、図7における右側)には、隣り合う第1バスバー21同士の間に充填された合成樹脂材22と連続すると共に、第1バスバー21の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー21から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。
【0027】
図6及び図8に示すように、回路構成体12の底壁26の裏面側(均熱層35の裏面)には、外方に突出するロック部19Cが形成されている。一方、図3、図4及び図6に示すように、アッパーケース14の裏側の外面にはロック部19Cに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部20Cが形成されている。このロック部19Cと、ロック受け部20Cとが弾性的に嵌合することにより、回路構成体12とアッパーケース14とが組み付けられる。
【0028】
図3及び図4に示すように、ロアケース13と、回路構成体12と、アッパーケース14とが組み付けられた状態で、ロアケース13及びアッパーケース14の裏面側には、開口部36が形成される。この開口部36が回路構成体12の底壁26の均熱層35によって塞がれるような姿勢で、ケーシング11内に、回路構成体12が収容される。すなわち、回路構成体12の底壁26が、ケーシング11の外表面の一部を構成するようになっている。
【0029】
(第2バスバー38)
図6及び図7に示すように、ロアケース13の表壁18Aの裏面には、第2バスバー38を挟持する挟持部37が、上方に開口して形成されている。ケーシング11内には、ロアケース13の表壁18Aの裏側に重なるようにして、第2バスバー38が配設されている。第2バスバー38は金属板材をプレス加工することで形成される。第2バスバー38の上端縁からは、ヒューズ装着部17内に挿入されてヒューズ16と接続される複数(本参考例では4つ)のヒューズ側端子24Bが上方に突出している。図5及び図6に示すように、ヒューズ側端子24Bの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、第2バスバー38の下端縁のうち、左右方向(図6における右手前から左奥に向かう方向)の中央付近の位置からは、下方(図6における左手前側)に突出する電源側端子39が形成されている。図8に示すように、電源側端子39は、裏側(図8における右側)に2回直角曲げされることでクランク状に形成されている。図8に示すように、この電源側端子39は、ロアケース13の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、ワイヤーハーネスを介してバッテリーと接続された相手側コネクタと接続される。
【0030】
図8及び図9に示すように、回路構成体12の側壁27のうち下側に位置する側壁27には、電源側端子39の上方の位置に、相手側コネクタが嵌合されたときに、電源側端子39が上方に変位するのを規制するための一対の規制リブ40が形成されている。規制リブ40は、相手側コネクタが嵌合されて、電源側端子39に上方への力が加えられたときに、上方から電源側端子39に当接して電源側端子39が上方に変位することを規制するようになっている。
【0031】
(製造工程)
続いて、本参考例に係る電気接続箱10の製造工程の一例について説明する。図10に示すように、まず、図示しない金属板材をプレス加工する。これにより、略矩形状をなすフレーム41の内側に、複数の第1バスバー21がタイバー28によって接続された形態の連結バスバー23を形成する。
【0032】
上記の形態に形成された連結バスバー23を、図示しない金型内に載置し、合成樹脂材22によってインサート成形を行う。図11に示すように、この工程により、底壁26及び側壁27が形成される。
【0033】
その後、図12に示すように、隣り合う第1バスバー21同士を連結するタイバー28を切断する。これにより、第1バスバー21には切断部29が形成される。また、合成樹脂材22から突出したタイバー28には切断部29が形成される。
【0034】
リレー31を、底壁26の位置決め突起33に当接させながらリレー31を正規位置に配置する。その後、リレー31のリード端子32と、露出部30から露出した第1バスバー21との間を、例えばレーザー半田付け、リフロー半田付け等、公知の手法により半田付けする。
【0035】
続いて、底壁26を下側にし、側壁27が上方に立ち上がる姿勢で、回路構成体12を載置する。その後、底壁26と、側壁27とに囲まれた領域内に、液状の充填材34を充填する。充填材34は、露出部30を覆うと共にリレー31と接触する液位まで充填する。その後、充填材34を固化させる(図9参照)。
【0036】
ロアケース13の挟持部37内に第2バスバー38を挿入すると共に、コネクタハウジング15内に第2バスバー38の電源側端子39を上方から挿入する。次に、コネクタハウジング15内に、回路構成体12のコネクタ側端子25を上方から挿入する。
【0037】
続いて、アッパーケース14を、ロアケース13及び回路構成体12の上方から組み付ける。このとき、アッパーケース14のヒューズ装着部17内に、第1バスバー21及び第2バスバー38のヒューズ側端子24A,24Bが収容されるようにする。アッパーケース14を上方から組み付けると、アッパーケース14のロック受け部20A,20B,20Cが、上方から、ロアケース13及び回路構成体12のロック部19A,19B,19Cに、当接する。さらにアッパーケース14を下方に変位させると、ロック受け部20A,20B,20Cが外方に弾性変形し、その後、復帰変形してロック部19A,19B,19Cと弾性的に係合する。これにより、アッパーケース14が、ロアケース13及び回路構成体12と一体に組み付けられる(図8参照)。これにより電気接続箱10が完成する。この電気接続箱10は、図7及び図8に示すように、回路構成体12の底壁26が垂直になる姿勢で車両に搭載される。
【0038】
続いて、本参考例の作用、効果について説明する。電気接続箱10に通電すると、第1バスバー21から熱が発生する。第1バスバー21から発生した熱は、第1バスバー21同士の間に充填されると共に第1バスバー21と密着する合成樹脂材22に伝達される。合成樹脂材22は空気よりも熱伝導率が大きいので、第1バスバー21に熱がこもることを抑制できる。これにより、電気接続箱10が局所的に高温になることを抑制できる。
【0039】
そして、第1バスバー21に通電されることで第1バスバー21から発生した熱は、露出部30を覆う充填材34に伝達される。また、リレー31に通電されることでリレー31から発生した熱は、リレー31と接触する充填材34に伝達される。これにより、第1バスバー21及びリレー31に熱がこもることを抑制できる。
【0040】
さらに、第1バスバー21から発生した熱は、合成樹脂材22に伝達された後、合成樹脂材22と連続して形成される均熱層35に伝導され、均熱層35によって分散される。これにより第1バスバー21の近傍が局所的に高温になることを一層抑制できる。
【0041】
その上、均熱層35に伝達された熱は、ケーシング11に形成された開口部36に露出する均熱層35の外面から、ケーシング11の外部に放散される。これにより、第1バスバー21から発生した熱は、効率よくケーシング11の外部に放散されるから、第1バスバー21の近傍が局所的に高温になることを一層抑制できる。
【0042】
また、本参考例によれば、回路構成体12は、金属板材をプレス成形することで、複数の第1バスバー21がタイバー28により連結された連結バスバー23を形成し、この連結バスバー23をインサート成形することで、隣り合う第1バスバー21の間に合成樹脂材22を充填し、その後、タイバー28を切断することにより製造できる。このように、本参考例によれば、タイバー28により連結された状態の第1バスバー21をインサート成形することができる。
【0043】
この結果、例えば、まずタイバー28を切断することで複数の第1バスバー21を分断し、その後、分断された複数の第1バスバー21を金型の所定の位置にそれぞれ配列した後にインサート成形する場合に比べて、製造工程を簡素化できる。
【0044】
<参考例2>
次に、本発明の参考例2を図13ないし図22を参照して説明する。以下の説明においては、図14における上側を上方とし、下側を下方とする。また、図14における右側を右方とし、左を左方とする。また、図14における紙面の貫通方向手前側を表側とし、紙面の貫通方向奥側を裏側とする。
【0045】
本参考例に係る電気接続箱50は、図18に示すように、ケーシング51内に、表側(図18における左側)に位置して配される表側回路構成体52A(回路構成体に相当)と、裏側(図18における右側)に位置して配される裏側回路構成体52B(回路構成体に相当)とを収容してなる。
【0046】
(ケーシング51)
図18に示すように、ロアケース53は、合成樹脂製であって、上方に開口している。ロアケース53の下壁の上面には、表裏方向(図18における左右方向)の中央付近から、上方に突出すると共に、左右方向(図18において紙面を貫通する方向)に延びて、後述する第2バスバー78を挟持する挟持部77が形成されている(図17参照)。
【0047】
図18に示すように、ロアケース53の開口内のうち、挟持部77によって表裏方向(図18の左右方向)に仕切られた領域には、それぞれ、上方から、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bが収容されている。ロアケース53、表側回路構成体52A、及び裏側回路構成体52Bの上方には、上方からアッパーケース54が組み付けられている。アッパーケース54は、合成樹脂製であって、下方に開口している。アッパーケース54の上壁には、ヒューズ16を装着可能なヒューズ装着部17が開口されている。ヒューズ装着部17内には複数のヒューズ16(本参考例では10個)が装着されている(図17参照)。
【0048】
図17に示すように、ロアケース53の左右両側(図17における右手前から左奥方に向かう方向)に位置する側壁の外面には、外方に突出するロック部59Bが形成されている。一方、アッパーケース54の左右両側(図17における右手前から左奥方に向かう方向)に位置する側壁には、ロック部59Bに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Bが形成されている。上記したロック部59Bと、ロック受け部60Bとが弾性的に嵌合することにより、ロアケース53とアッパーケース54とが組み付けられる(図13及び図15参照)。
【0049】
(回路構成体)
図18ないし図20に示すように、両回路構成体52A,52Bは、間隔を空けて並べた複数の第1バスバー61と、この第1バスバー61の間に充填された合成樹脂材62とを含む。表側回路構成体52Aと、裏側回路構成体52Bとは、同一形状をなしている。
【0050】
図22に示すように、第1バスバー61のうちヒューズ側端子64Aとコネクタ側端子65との間の領域には、空気よりも熱伝導率が大きな合成樹脂材62がインサート成形されている。合成樹脂材62は、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填されており、各第1バスバー61に密着している。
【0051】
第1バスバー61の上端部は表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー61の上端部は、ヒューズ装着部17内に挿入されて、ヒューズ16と接続されるヒューズ側端子64Aとされる。また、第1バスバー21の下端部も、表側に2回直角曲げされて、クランク状に形成されている。第1バスバー61の下端部は、ロアケース53の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、相手側コネクタと接続されるコネクタ側端子65とされる。
【0052】
図18に示すように、両回路構成体52A,52Bは、合成樹脂材62によって底壁66が形成されている。この底壁66は、ロアケース53の下壁に対して垂直に配されている。図22に示すように、底壁66は表側から見て略矩形状をなしている。底壁66の外周縁には、表側に立設して4つの側壁67が形成されている。この側壁67のうち上側に位置する側壁67の表側の端縁からは、ヒューズ側端子64A(本参考例では5つ)が上方に突出している。図22に示すように、ヒューズ側端子64Aの上端部は2股に分かれて形成されており、ヒューズ16の端子を挟持可能に形成されている。また、側壁67のうち下側に位置する側壁67の表側の端縁からは、コネクタ側端子65が下方に突出している。
【0053】
図20に示すように、第1バスバー61のうち、合成樹脂材62により覆われた領域よりも端部寄りの位置には、第1バスバー61同士を接続するタイバー28が切断された切断部29が形成されている。
【0054】
また、図22に示すように、回路構成体12の側壁67のうち、上側に位置する側壁67及び下側に位置する側壁67の表側の端縁からは、第1バスバー61同士を連結するタイバー28が外方に突出している。このタイバー28の先端は切断されており、切断部29とされる。
【0055】
図18に示すように、底壁66のうち、側壁67が立設された側の面には、第1バスバー61が合成樹脂材62から露出した露出部30が形成されている。この露出部30には、リレー31のリード端子32が、例えば半田付けにより接続されている。本参考例においては、両回路構成体52A,52Bには、それぞれ5つのリレー31が接続されている。
【0056】
図19及び図20に示すように、底壁66と、4つの側壁67とに囲まれた領域には、例えば合成樹脂からなる充填材34が充填されている。充填材34は、露出部30を覆うと共に、リレー31と接触している。なお、図18においては、充填材34は省略してある。
【0057】
図18に示すように、表側回路構成体52Aの底壁66のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(表面)には、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填された合成樹脂材62と連続すると共に、第1バスバー61の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー61から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。また、裏側回路構成体52Bの底壁66のうち、リレー31が実装された側と反対側の面(裏面)には、隣り合う第1バスバー61同士の間に充填された合成樹脂材62と連続すると共に、第1バスバー61の裏面を覆う形態で、通電時に第1バスバー61から発生する熱を吸収して分散する均熱層35が形成されている。
【0058】
図17に示すように、表側回路構成体52Aの底壁66の表面側(均熱層35の表面)には、表側に突出するロック部59Aが形成されている。一方、図13、図14、及び図17に示すように、アッパーケース54の表側の外面にはロック部59Aに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Aが形成されている。
【0059】
また、図には詳細に示さないが、裏側回路構成体52Bの底壁66の裏面側(均熱層35の裏面)には、裏側に突出するロック部59Cが形成されている。一方、図15及び図16に示すように、アッパーケース54の裏側の外面にはロック部59Cに対応する位置に、弾性変形可能なロック受け部60Cが形成されている。このロック部59A,59B,59Cと、ロック受け部60A,60B,60Cとが弾性的に嵌合することにより、回路構成体12とアッパーケース54とが組み付けられている。
【0060】
図18に示すように、両回路構成体52A,52Bは、ケーシング51内のうちロアケース53の挟持部77によって表裏方向(図18の左右方向)に仕切られた領域内に、それぞれ収容される。両回路構成体52A,52Bは、それぞれ、リレー31を挟持部77側に向けた姿勢でケーシング51内に配置されている。
【0061】
図13ないし図16に示すように、ロアケース53と、両回路構成体52A,52Bと、アッパーケース54とが組み付けられた状態で、ロアケース53及びアッパーケース54の表面側、及び裏面側のそれぞれには、開口部36が形成される。これら両開口部36が両回路構成体52A,52Bの底壁66の均熱層35によって塞がれるような姿勢で、ケーシング51内に、両回路構成体52A,52Bが収容される。すなわち、両回路構成体52A,52Bの底壁66が、ケーシング51の外表面の一部を構成するようになっている。
【0062】
(第2バスバー78)
図18及び図19に示すように、ロアケース53に形成された挟持部77には第2バスバー78が表裏方向(図18における左右方向)から挟持されている。第2バスバー78は金属板材をプレス加工することで形成される。第2バスバー78の上端縁からは、ヒューズ装着部17内に挿入されてヒューズ16と接続される複数(本参考例では10個)のヒューズ側端子64Bが上方に突出している。また、第2バスバー78の下端縁のうち、右端寄り(図17における右手前側)の位置には、下方に突出する電源側端子79が形成されている。この電源側端子79は、ロアケース53の下壁を貫通してコネクタハウジング15内に挿入されて、バッテリーとワイヤーハーネスを介して接続された相手側コネクタと接続される。
【0063】
上記以外の構成については、参考例1と略同じなので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
(製造工程)
続いて、本参考例に係る電気接続箱50の製造工程の一例について説明する。まず、金属板材をプレス加工する。これにより、金属板材を、略矩形状をなすフレーム41の内側に、複数の第1バスバー61がタイバー28によって接続された形態の連結バスバー23を形成する。
【0065】
上記の形態に形成された連結バスバー23を、図示しない金型内に載置し、合成樹脂材62によってインサート成形を行う。この工程により、底壁66及び側壁67が形成される。
【0066】
その後、図21及び図22に示すように、隣り合う第1バスバー61同士を連結するタイバー28を切断する。これにより、第1バスバー61には切断部29が形成される。また、合成樹脂材62から突出したタイバー28には切断部29が形成される。
【0067】
リレー31を、底壁66の位置決め突起33に当接させながらリレー31を正規位置に配置する。その後、リレー31のリード端子32と、露出部30から露出した第1バスバー61との間を、例えばレーザー半田付け、リフロー半田付け等、公知の手法により半田付けする。
【0068】
続いて、底壁66を下側にし、側壁67が上方に立ち上がる姿勢で、回路構成体12を載置する。その後、底壁66と、側壁67とに囲まれた領域内に、液状の充填材34を充填する。充填材34は、露出部30を覆うと共にリレー31と接触する液位まで充填する。その後、充填材34を固化させる(図20参照)。
【0069】
ロアケース53の挟持部77内に第2バスバー78を挿入すると共に、コネクタハウジング15内に第2バスバー78の電源側端子79を上方から挿入する。
【0070】
次に、コネクタハウジング15内に、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bのコネクタ側端子65を上方から挿入する。
【0071】
続いて、アッパーケース54を、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bの上方から組み付ける。このとき、アッパーケース54のヒューズ装着部17内に、第1バスバー61及び第2バスバー78のヒューズ側端子64A,64Bが収容されるようにする。アッパーケース54を上方から組み付けると、アッパーケース54のロック受け部60A,60B,60Cが、上方から、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bのロック部59A,59B,59Cに、当接する。さらにアッパーケース54を下方に変位させると、ロック受け部60A,60B,60Cが外方に弾性変形し、その後、復帰変形してロック部59A,59B,59Cと弾性的に係合する。これにより、アッパーケース54が、ロアケース53及び両回路構成体52A,52Bと一体に組み付けられる。これにより電気接続箱50が完成する。この電気接続箱50は、図18及び図19に示すように、回路構成体12の底壁66が垂直になる姿勢で車両に搭載される。
【0072】
本参考例においては、1つのケーシング51内に、表側回路構成体52A及び裏側回路構成体52Bを収容しているので、実装密度を向上させることができる。
【0073】
<実施形態1>
次に、本発明の実施形態1を図23及び図24を参照して説明する。以下の説明においては、図23における上側を上方とし、下側を下方とする。また、図23における右側を右方とし、左を左方とする。また、図24における上側を表側とし、下側を裏側とする。
【0074】
図23に示すように、本実施形態に係る回路構成体80は、表側(図23において紙面を貫通する方向手前側)から見て、左右方向に細長い略矩形状をなす。回路構成体80には、間隔を空けて並ぶ複数の第1バスバー81が、回路構成体80の上縁部から上方に突出すると共に、回路構成体80の下縁部から下方に突出して設けられている。
【0075】
隣り合う第1バスバー81の間には、空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂材82が配されている。この合成樹脂材82により、側壁83、及び底壁84が形成されている。
【0076】
図24に示すように、回路構成体80は回路基板85を含む。回路基板85は、略矩形状をなしている。回路基板85の表面(図24における上面、回路基板85の一方の面に相当)には、プリント配線技術により図示しない導電路が形成されている。回路基板85の表面には電子部品86が実装されて、導電路と電気的に接続されている。
【0077】
回路基板85にはスルーホール87が形成されている。このスルーホール87内には、第1バスバー81の一方の端部が挿通されて、半田付けされている。これにより、第1バスバー81と回路基板85とが電気的に接続されている。第1バスバー81は回路基板85の表側において曲げ形成されている。これにより第1バスバー81の他方の端部は、回路基板85の板面に沿う方向に延びるようになっている。
【0078】
回路基板85、及び第1バスバー81は、合成樹脂材82によりモールド成形されている。これにより、上述した側壁83、及び底壁84が形成されている。図24に示すように、第1バスバー81は、側壁83を貫通している。また、回路基板85の表面は、底壁84から露出した状態になっている。
【0079】
図24に示すように、回路構成体80のうち、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域には、回路基板85の表面を覆うと共に、電子部品86と接触する充填材88が充填されている。充填材88は、充填時には液状であって、充填後に固化するようになっている。本実施形態においては、電子部品86の一部または、全ては充填材88に埋設されている。
【0080】
回路構成体80の底壁84には、回路基板85の裏面(図24における下面、回路基板85の他方の面に相当)を覆うと共に、回路基板85で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層89が形成されている。均熱層89は、モールド成形により形成される。
【0081】
この均熱層89により、回路基板85の裏面が覆われると共に、回路基板85に挿通された第1バスバー81の一方の端部も覆われている。これにより、第1バスバー81が絶縁されるようになっている。
【0082】
また、回路基板85には、均熱層89を形成する合成樹脂が充填される樹脂充填孔90が、回路基板85を貫通して形成されている。均熱層89を形成する合成樹脂は、樹脂充填孔90の内壁面と密着している。この均熱層89は、詳細には図示しないが、ケーシング11の開口部36から、ケーシング11の外部に露出するようになっている。
【0083】
上記以外の構成については、参考例1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0084】
続いて、本実施形態に係る回路構成体80の製造工程の一例を示す。まず、回路基板85にスルーホール87を形成し、その後、プリント配線技術により導電路を形成する。続いて、第1バスバー81の一方の端部をスルーホール87内に挿通して半田付けする。
【0085】
続いて、第1バスバー81が半田付けされた回路基板85を図示しない金型内に載置して、合成樹脂材82によりモールド成形する。これにより、底壁84、側壁83及び均熱層89を形成する。
【0086】
次に、回路基板85の表面に電子部品86を、リフロー半田付け等、公知の手法により実装する。
【0087】
続いて、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域内に液体状の充填材88を充填した後、充填材88を固化させる。これにより回路構成体80が完成する。
【0088】
また、回路構成体80の製造工程につき、他の一例を以下に説明する。まず、回路基板85を合成樹脂材82によりモールド成形する。これにより、底壁84、側壁83及び均熱層89を形成する。このとき、均熱層89には、第1バスバー81が回路基板85と半田付けされた部分に対応する位置に、第1バスバー81と回路基板85との半田付け部分が露出する開口(図示せず)を設けておく。
【0089】
次に、回路基板85の表面に、電子部品86を、リフロー半田付け等、公知の手法により実装する。続いて、第1バスバー81を半田付けする。
【0090】
続いて、底壁84と、側壁83とによって囲まれた領域内に液体状の充填材88を充填した後、充填材88を固化させる。その後、均熱層89に設けられた開口内に充填材88を充填し、固化させる。なお、充填材88を充填する順序は、底壁84及び側壁83によって囲まれた領域内と、均熱層89に設けられた開口との、いずれが先であってもよい。これにより回路構成体80が完成する。
【0091】
本実施形態によれば、回路構成体80は回路基板85を含むので、第1バスバー81のみによって回路を形成する場合に比べて、配線密度を向上させることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、樹脂充填孔90内には、均熱層89を形成する合成樹脂材82が、樹脂充填孔90の内壁面と密着して充填されている。これにより、回路基板85と均熱層89とが剥離する方向の力を受けた場合でも、樹脂充填孔90内に充填された合成樹脂材82と、樹脂充填孔90の内壁面との間の摩擦により、回路基板85と均熱層89とが剥離することを抑制できる。
【0093】
本実施形態によれば、通電時に回路基板85で発生した熱は、回路基板85の裏面を覆う均熱層89に伝達された後、均熱層89により分散される。均熱層89に伝達された熱は、ケーシング11の開口部36から露出する均熱層89から、ケーシング11の外部に効率よく放散される。この結果、電気接続箱10の放熱性を向上させることができる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bは連結バスバー23をインサート成形によって形成される構成としたが、これに限られず、予め切断された複数の第1バスバー21を金型内の所定位置に配置し、その後、インサート成形してもよい。
(2)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bには、充填材34が充填される構成としたが、例えば、合成樹脂材22によって第1バスバー21,61又はリレー31から発生する熱を効率的に放散可能であれば、充填材34を省略できる。
(3)参考例1、及び2においては、回路構成体12,52A,52Bには、均熱層35が形成される構成としたが、これに限られず、例えば、合成樹脂材22によって第1バスバー21,61又はリレー31から発生する熱を効率的に放散可能であれば、均熱層35を省略できる。この場合、第1バスバー21,61が回路構成体12の底壁26の裏面において露出する構成となる。すると、底壁26の裏面において露出した第1バスバー21,61に水や埃が付着して、短絡することが懸念される。そこで、この場合には、ケーシング11,51に開口部36を設けず、回路構成体12,52A,52Bがケーシング11,51により覆われる構成とすることにより、底壁26の裏面において露出した第1バスバー21,61に水や埃が付着することを抑制できる。
(4)参考例1、及び2においては、電子部品としてリレー31を用いたが、これに限られず、半導体リレーでもよい。また、抵抗、コンデンサ等でもよい。
(5)実施形態1においては、回路構成体80には均熱層89が形成される構成としたが、参考例として、均熱層89を省略してもよい。均熱層89を省略した場合、底壁84の裏面において露出した回路基板85に水や埃が付着して、短絡することが懸念される。そこで、この場合には、ケーシングに開口部を設けず、回路構成体80がケーシングにより覆われる構成とすることにより、底壁84の裏面において露出した回路基板85に水や埃が付着することを抑制できる。
(6)本実施形態において、バスバーにより形成された回路は、厚銅回路により形成される構成としてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシング内に収容される回路構成体と、を備える電気接続箱であって、
前記回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーと、隣り合う前記複数のバスバー同士の間に配されて前記バスバーと密着する合成樹脂材と、を備えると共に、回路基板を含み、前記回路基板と前記バスバーとは電気的に接続されており、前記合成樹脂材の熱伝導率は空気よりも大きいものであって、
前記回路構成体の一方の面には、前記回路基板の一方の面が露出しており、前記回路基板の一方の面には電子部品が接続されており、前記回路構成体の他方の面には、前記回路基板の他方の面を覆うと共に、通電時に前記回路基板で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層が形成されている電気接続箱。
【請求項2】
前記ケーシングには開口部が形成されており、前記開口部には前記回路構成体の少なくとも一部が露出している請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記回路構成体は、更に、底壁と、前記底壁の外周縁から立設される側壁とを備え、前記底壁のうち前記側壁が立設された側の面には前記回路基板の一方の面が露出しており、前記底壁には、前記回路基板の他方の面を覆う前記均熱層が形成されている請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記回路構成体には、前記底壁と前記側壁とによって囲まれた領域内に、前記回路基板の一方の面を覆うと共に前記電子部品と接触する充填材が充填されている請求項3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記回路構成体には、前記バスバーが前記合成樹脂材から外方に突出しており、前記合成樹脂材から突出した前記バスバーには、複数の前記バスバー同士を連結するタイバーを切断することにより切断部が形成されている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記回路構成体には、複数の前記バスバー同士を連結するタイバーが前記合成樹脂材から外方に突出しており、前記合成樹脂材から突出した前記タイバーには、前記タイバーを切断することにより切断部が形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシング内に収容される回路構成体と、を備える電気接続箱であって、
前記回路構成体は、間隔を空けて並べた複数のバスバーと、隣り合う前記複数のバスバー同士の間に配されて前記バスバーと密着する合成樹脂材と、を備えると共に、回路基板を含み、前記回路基板と前記バスバーとは電気的に接続されており、前記合成樹脂材の熱伝導率は空気よりも大きいものであって、
前記回路構成体の一方の面には、前記回路基板の一方の面が露出しており、前記回路基板の一方の面には電子部品が接続されており、前記回路構成体の他方の面には、前記回路基板の他方の面を覆うと共に、通電時に前記回路基板で発生した熱を分散する合成樹脂製の均熱層が形成されている電気接続箱。
【請求項2】
前記ケーシングには開口部が形成されており、前記開口部には前記回路構成体の少なくとも一部が露出している請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記回路構成体は、更に、底壁と、前記底壁の外周縁から立設される側壁とを備え、前記底壁のうち前記側壁が立設された側の面には前記回路基板の一方の面が露出しており、前記底壁には、前記回路基板の他方の面を覆う前記均熱層が形成されている請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記回路構成体には、前記底壁と前記側壁とによって囲まれた領域内に、前記回路基板の一方の面を覆うと共に前記電子部品と接触する充填材が充填されている請求項3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記回路構成体には、前記バスバーが前記合成樹脂材から外方に突出しており、前記合成樹脂材から突出した前記バスバーには、複数の前記バスバー同士を連結するタイバーを切断することにより切断部が形成されている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記回路構成体には、複数の前記バスバー同士を連結するタイバーが前記合成樹脂材から外方に突出しており、前記合成樹脂材から突出した前記タイバーには、前記タイバーを切断することにより切断部が形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−235693(P2012−235693A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173630(P2012−173630)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2010−502877(P2010−502877)の分割
【原出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2010−502877(P2010−502877)の分割
【原出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]