説明

電気機器およびカメラ

【課題】従来、カメラを組み立てた後に動作チェックを行なって、スピーカーから音が出ないという問題が生じ、再度組みなおす等の問題や、発光体からの導光のために別部材の窓を設けていたため、部品点数が増え組み立て工数も増えるという問題があった。
【解決手段】電気的接続のためにリード線を固着された電気素子を、その直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を透明部材で形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装部品の保持方法に関するものである。特にカメラ音源であるところのスピーカーの保持に係る技術である処の電気機器およびカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の実装部品の保持方法では、保持部材を主構造部材であるシャーシにビス止め固着して使用することが多かった。この際、保持部材の直下またはその近傍にあるコネクタに電気的に接続する方法をとることが多かった。また、実装部品とコネクタの接続の多くはリード線を使用しているため、前記ビス止め固着されるときにリード線を挟み込んでしまい、リード線を圧縮することによる断線事故が後を絶たなかった。
【0003】
また、構成部品を透明にしたものとしては、透明スピーカーを表示部と透明操作部との間に配置するもの(例えば、下記特許文献1参照。)や、透明スピーカー使用時の空気抜き穴の構成(例えば、下記特許文献2参照。)が開示されている。
【特許文献1】特開2002−281578号公報
【特許文献2】特開2002−281580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、保持部材が黒色をしているため、前記挟み込んだリード線やフレキシブル配線基板を組み付け後に確認することが困難だった。
【0005】
また、発光体からの導光のために別部材の窓を設けていたため、部品点数が増え組み立て工数も増えるという問題があった。
【0006】
上述の問題点を鑑み、本発明の電気機器およびカメラの目的とするところを以下に示す。
【0007】
本出願に係る第1の発明の目的は、実装部品を把持した保持部材を主構造体である所のメインシャーシに組み付ける際に。リード線を挟み込んでしまい断線してしまうのを防止するために視認性を向上させることである。
【0008】
本出願に係る第2の発明の目的は、前記実装部品を把持する保持部材の材質を光透過性の材質で形成し、その一部を外観側へ露出せしめ、かつ前記光透過性部材の直下またはその近傍に発光体を配置し、前記把持部材の一部または全部および露出部を導光部として使用することにより、別段導光部材を設けることなく、撮影者に種々の情報を伝える発光部を構成することで組立作業性の向上と部品点数削減によるコストダウンを行なうことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気機器およびカメラは、以下(1)〜(3)の構成を備えることにより、上述の目的を達成するものである。
【0010】
(1)電気的接続のためにリード線を固着された電気素子を、その直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を透明部材で形成したことを特徴とする電気機器。
【0011】
(2)前記(1)記載の電気機器において、前記電気素子はスピーカーであることを特徴とする電気機器。
【0012】
(3)電気的接続のためにリード線を固着された電気素子をその直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を光透過性部材で形成し、その一部を外観側へ露出せしめ、かつ前記光透過性部材の直下またはその近傍に発光体を配置し、前記把持部材の一部または全部および露出部を導光部として使用することを特徴とするカメラ。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電気的接続のためにリード線を固着された電気素子を、その直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を透明部材で形成したことにより、組み立て作業中に誤ってリード線を挟み込んでしまっても、他の作業者が目視により確認することができるようになる。また、素子の接着忘れや熱による変形等の問題点の発見も容易になる。
【0014】
更に、電気的接続のためにリード線を固着された電気素子をその直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を透明部材で形成し、その一部を外観側へ露出せしめ、かつ前記透明部材の直下またはその近傍に発光体を配置し、前記把持部材の一部または全部および露出部を導光部として使用することにより、別段導光用部品を設けなくても、電気素子を把持する部品を利用して発光体の光を導くことができるため、部品点数を削減でき、組み立て工数を短縮することができるため、コストダウンを達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1から3は本発明の第1の実施例に係る図である。図1は本発明の第1の実施例に係る部品配置斜視図、2はカメラの外観背面図、3はスピーカー周りの断面図である。
【0017】
同図において同じ番号を付記したものは同じ部材を表す。
【0018】
同図において、1はカメラの種々の音を発生させるための実装素子である所のスピーカー。2は前記スピーカー1を両面テープまたは接着剤にて固着された実装把持部材である所のスピーカーホルダ。3はカメラの種々の部品およびユニットが取り付く主構造体であるメインシャーシ。
【0019】
前記スピーカーホルダ2はビス4により前記メインシャーシ3にビス締め固着されている。5はカメラの中央処理装置である所のCPUと電気的に接続されるフレキシブル配線基板(以下フレキと称する)。
【0020】
前記フレキ5上にはスイッチ素子6や発光素子7及びコネクタ8aが半田付けされている。9はリード線であり前記スピーカー1に半田付けされており、更に先端にコネクタ8bが固着されている。
【0021】
前記コネクタ8aおよびコネクタ8bは雄雌関係になっており不図示のストッパ機構によりお互いが着脱自在に構成されている。21はカメラの種々の情報を表示するための表示器である所のLCDパネル。
【0022】
22は被写体の撮影範囲を確認するためのファインダ。23はカメラの撮影動作を指示するための2段スイッチである所のレリーズ釦。24はカメラの外観を構成するカバーでスピーカー上部に貫通穴24aが開けられ空気の振動を音として外部に放出している。
【0023】
上記構成においてスピーカーホルダ2を透明部材で形成することにより、ビス4でメインシャーシ3にスピーカーホルダ2に固着するとき、または固着した後で、リード線9を挟み込んでいるかどうかを目視により判断することができる。これによりリード線が断線してカメラ全体を組み上げた後でスピーカーの音が鳴らないという問題を回避することができる。
【実施例2】
【0024】
図3において本発明の第2の実施例の説明を行なう。7は発光素子であるLEDである。該発光素子7はランプやストロボパネルでも本発明の実施態様に変更は無い。2は前記実施例1で記載したスピーカーホルダであり2aはカバー24から外部へ突出または露出しており、この部分が導光部となっている。2aの外観部はマット処理を施してあり、光を拡散できるようになっている。
【0025】
発光素子7からの光は前記導光部2aを通して拡散され、カメラの使用者に視認できるようになっている。
【0026】
上記構成により、通常別段の導光部材を設ける必要が無くなり部品点数および組み立て工数の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施例に係る部品配置斜視図
【図2】本発明の第1の実施例に係るカメラの外観背面図
【図3】本発明の第1の実施例および第2の実施例に係るスピーカー周りの断面図
【符号の説明】
【0028】
1 スピーカー(実装部品)
2 スピーカーホルダ
2a 導光部
3 メインシャーシ
4 ビス
5 フレキシブル配線基板
6 スイッチ素子
7 発光素子
8、8a、8b コネクタ
9 リード線
21 LCDパネル
22 ファインダ
23 レリーズ釦
24 カバー
24a 貫通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的接続のためにリード線を固着された電気素子を、その直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を透明部材で形成したことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
請求項1記載の電気機器において、前記電気素子はスピーカーであることを特徴とする電気機器。
【請求項3】
電気的接続のためにリード線を固着された電気素子をその直下または近傍に配置された実装基板上のコネクタに接続された状態で、該電気素子を把持する把持部材をコネクタを覆うように配置する電気素子固着状態において、前記電気素子を把持する把持部材を光透過性部材で形成し、その一部を外観側へ露出せしめ、かつ前記光透過性部材の直下またはその近傍に発光体を配置し、前記把持部材の一部または全部および露出部を導光部として使用することを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−201594(P2007−201594A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14933(P2006−14933)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】