説明

電気機器筐体のシャープエッジ回避構造

【課題】 筐体本体とフロントパネルとの突合せ箇所に現れるパーティングラインでフロントパネルの外形線がシャープエッジを形成している場合に、パーティングラインの段差が小さくても、シャープエッジを回避する作用を発揮する突起のサイズを大きくすることを可能にする。併せて、シャープエッジを回避して取扱い時の危険性を減殺する。
【解決手段】 フロントパネル2と筐体本体1との突合せ箇所Sで、筐体本体1の前端コーナ部12の形状を入隅形状にすることにより、フロントパネル2のコーナ部後端面22の面積を拡張する。面積が拡張されたフロントパネル2のコーナ部後端面22に、表面が球面でなる凸部5を設け、その凸部5によってシャープエッジ21によって発揮される引掛かり作用を減殺する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器筐体のシャープエッジ回避構造に関する。詳しくは、箱形の筐体本体とこの筐体本体に装着されたフロントパネルとの突合せ箇所のパーティングラインで、フロントパネルの外形線がシャープエッジを形成している場合に、そのシャープエッジを回避して取扱い時の危険性などを減殺することのできる電気機器筐体のシャープエッジ回避構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオデッキやディスク装置などの電気機器の筐体の構造の細部の詳細については従来より種々の提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、前面が開放した箱形の筐体本体にフロントパネルを装着することによって構成される電気機器筐体において、フロントパネルに樹脂成形体を用いる一方で、筐体本体を板金で製作したものなどでは、筐体本体とフロントパネルとの突合せ箇所にフロントパネルの外形線によってシャープエッジが不可避的に形成されることが多い。このシャープエッジの存否や度合は、シャープエッジ試験を行うことにより検査されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
上掲の特許文献2には、シャープエッジ検査においてシャープエッジが検出されなくするための対策として、シャープエッジの近傍に小さなボスを設けることが記載されている。図5はそのようなボスの形成状態を斜視図で示してあり、同図において、1は箱形の筐体本体1、2はフロントパネルをそれぞれ示し、これら両者の突合せ箇所のパーティングライン(「パーティングライン」は、段差によって視認される筐体本体1とフロントパネル2との線状の境界領域を意味している)では、フロントパネル2の後端外形線L1がシャープエッジ21を形成している。また、同図の事例では、フロントパネル2の後端コーナ部が屈曲した外形線(「後端コーナ部外形線」という)L1’によって形作られているのに対し、筐体本体1の前端コーナ部12は出隅形状に外側に張り出した円弧形状の外形線(「前端コーナ部外形線」という)L2’によって形作られている。そして、シャープエッジ21を回避するための小さなボス3が、フロントパネル2の後端コーナ部外形線L1’と筐体本体2の前端コーナ部外形線L2’とで挟まれた領域であるフロントパネル2のコーナ部後端面22に設けられている。さらに、上記特許文献2には、図5に示したパーティングラインの段差a,bが1.2mmである場合に、ボス3を半球状に形成してその直径φ及び出っ張り高さhをそれぞれφ=0.6mm、h=0.3mmのとすることが開示されていて、そのようにしておくと、シャープエッジテスタによってはシャープエッジが検出されなくなり、シャープエッジに21に指が触れても、そのときの力がシャープエッジ21とボス3との2点に分散されて怪我の危険性が大きく減少する、旨の記載がある。したがって、特許文献2の記載によると、図5に示したフロントパネル2の後端コーナ部外形線L1’と筐体本体1の前端コーナ部外形線L2’とで挟まれた領域であるフロントパネル2のコーナ部後端面22に小さなボス3を設けておくと、シャープエッジテスタによってシャープエッジが検出されなくなり、シャープエッジに21に指が触れても、そのときの力がシャープエッジ21とボス3との2点に分散されて怪我の危険性が大きく減少する、ということが示唆されている、ということが云える。
【0005】
一方、上記のパーティングラインのシャープエッジ21をシャープエッジ試験で検出しにくくし、かつ、電気機器筐体を作業者が手で取り扱う際のシャープエッジ21による怪我の危険性を少なくするためのシャープエッジ回避構造としては、図5に示した段差a,bが小さい場合であっても、その段差a,bの大きさの制約を受けずに、ボス3の高さや直径などで定まるボス3のサイズをある程度大きくしておくことが有益であると考えられる。この点を比較例を斜視図で示した図6の場合と上記した図5の場合とを対比して説明する。
【0006】
図6は比較例としての電気機器筐体におけるボスの形成箇所を斜視図で示していて、この事例では、筐体本体1の前端コーナ部12が外側に直角に張り出した出隅形状の前端コーナ部外形線L3’によって形作られている。その他の事項は図5を参照して上述したところと同様である。図5と図6の各場合とを対比すると、ボス3が設けられているフロントパネル2のコーナ部後端面22の面積は、筐体本体1の前端コーナ部12が外側に直角に張り出した出隅形状の前端コーナ部外形線L3’によって形作られている図6の場合よりも、筐体本体1の前端コーナ部12が円弧形状に張り出した出隅形状の前端コーナ部外形線L2’によって形作られている図5の場合の方が広くなっている。そのため、ボス3のサイズを大きくすることによって、シャープエッジ試験でシャープエッジ21を検出しにくくし、電気機器筐体の取扱い時の怪我の危険性を少なくするためには、図6の場合よりも、図5のように筐体本体1の前端コーナ部12を円弧形状に張り出した出隅形状の前端コーナ部外形線L2’によって形作ることが有利であるということが云える。
【特許文献1】特開2003−249062号公報
【特許文献2】特開2004−296029号公報(0011、0014、0 015、図1、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図6の比較例で説明した構造だけでなく、特許文献1によって提案されている図5の構造においても、筐体本体1の前端コーナ部12が外側に張り出した出隅形状に形成されていることに起因して、ボス3を形成することに利用されるフロントパネル2のコーナ部後端面22の面積は、パーティングラインの段差a,bが小さいときにはそれに見合って狭くなり、それに伴ってそのコーナ部後端面22に形成することのできるボス3のサイズも制約を受けることになる。このことから、筐体本体1の前端コーナ部12が外側に張り出した出隅形状に形成されている電気機器筐体では、パーティングラインでの段差a,bの大きさの制約を受けずにボス3のサイズを大きくして上記したシャープエッジ21を検出しにくくし、取扱い時の怪我の危険性を少なくすることに限界がある。
【0008】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、上記したパーティングラインの段差が小さくても、その段差の大きさの割にフロントパネルのコーナ部後端面の面積を十分に広く確保することができるような工夫を講じることによって、段差の大きさの割にサイズの大きな凸部(上記ボスに相当する)を具備させることを可能にして、シャープエッジ試験でシャープエッジ21をいっそう検出しにくくし、凸部の作用によって電気機器筐体の取扱い時の怪我の危険性をいっそう少なくすることが可能になる電気機器筐体のシャープエッジ回避構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電気機器筐体のシャープエッジ回避構造は、箱形の筐体本体とこの筐体本体に装着されたフロントパネルとの突合せ箇所のパーティングラインでフロントパネルの外形線によってシャープエッジが形成されている電気機器筐体において、フロントパネルのコーナ部後端面に突き合わされている上記筐体本体の前端コーナ部の形状を入隅形状にすることにより、フロントパネルの後端コーナ部外形線と筐体本体の前端コーナ部外形線とによって囲まれるフロントパネルのコーナ部後端面の面積を上記前端コーナ部の凹み量に見合うだけ拡張させ、フロントパネルにおける面積が拡張された上記コーナ部後端面に表面が滑らかな湾曲面とされた凸部を設けてあって、その凸部によって上記シャープエッジによる引掛かり作用を減殺してある。
【0010】
この構成において、フロントパネルのコーナ部後端面の面積は、フロントパネルの後端コーナ部外形線と入隅形状の前端コーナ部を有する筐体本体の前端コーナ部外形線とによって定まるために、その面積が、図5又は図6を参照して説明した筐体本体1のようにその前端コーナ部が出隅形状に形成されているものに比べて拡張される。しかも、上記コーナ部後端面の面積は、パーティングラインの段差の大きさにそれほど影響されずに、入隅形状の前端コーナ部の凹み量を増大させるとそれに見合って広くなる。したがって、図5又は図6などを参照して冒頭で説明したボス3に相当する凸部の設置箇所であるフロントパネルのコーナ部後端面の面積をパーティングラインの段差の大きさに関係なく十分に広くすることができるようになる結果、フロントパネルのコーナ部後端面に設けられる凸部のサイズを上記コーナ部後端面の面積に応じて十分に大きくすることが可能になり、そのことが、シャープエッジ試験でシャープエッジを検出しにくくし、凸部の作用によって電気機器筐体の取扱い時の怪我の危険性を少なくすることに役立つ。
【0011】
本発明では、上記筐体本体がボトムケースとトップケースとを合わせることによって箱形に形作られていて、その筐体本体の前端コーナ部に形成されている上記前端コーナ部の入隅形状が、ボトムケースの立上り側板と、トップケースの立下り側板に内向きに曲成されて上記立上り側板の外面に突き合わされた内向きリブとによって形作られている、という構成を採用することが可能である。そして、この構成を採用すると、筐体本体の前端コーナ部をただ単に入隅形状にしてフロントパネルのコーナ後端面の面積を拡張したのではなく、筐体本体の前端コーナ部を入隅形状に形作っている内向きリブが、その内向きリブを備えるトップケースの立下り側板を補強することにも役立つという利点がある。なお、内向きリブは、トップケースの立下り側板の全長部分(当該電気機器筐体の奥行方向での全長部分)に亘って形成してあっても、その立下り側板の前端部分だけに形成してあってもよいが、立下り側板の補強作用を高めるためにはその全長部分に亘って形成しておくことが望ましい。
【0012】
本発明では、上記凸部の表面が球面である、という構成を採用することが可能であり、このように凸部の表面が球面であると、フロントパネルを樹脂成形体で形成する場合に凸部をフロントパネルに一体成形することが可能であるために、凸部を設けたためにフロントパネルの量産性が阻害されるという事態が生じない。しかも、電気機器筐体の取扱い時に手の指などが凸部に引掛かって怪我をするといった危険性がなくなる。
【0013】
本発明に係る電気機器筐体のシャープエッジ回避構造は、箱形の筐体本体とこの筐体本体に装着されたフロントパネルとの突合せ箇所のパーティングラインでフロントパネルの外形線によってシャープエッジが形成されている電気機器筐体において、フロントパネルが樹脂成形体でなり、筐体本体が板金製のボトムケースと板金製のトップケースとを合わせることによって箱形に形作られていて、フロントパネルのコーナ部後端面に突き合わされている上記筐体本体の前端コーナ部の形状を入隅形状にすることにより、フロントパネルの後端コーナ部外形線と筐体本体の前端コーナ部外形線とによって囲まれるフロントパネルのコーナ部後端面の面積を上記前端コーナ部の凹み量に見合うだけ拡張させてあると共に、上記前端コーナ部の入隅形状が、ボトムケースの立上り側板と、トップケースの立下り側板に内向きに曲成されて上記立上り側板の外面に突き合わされた内向きリブとによって形作られていて、フロントパネルにおける面積が拡張された上記コーナ部後端面に表面が球面でなる凸部を設けてあって、その凸部によって上記シャープエッジによって発揮される引掛かり作用を減殺してある、という構成を採用することによっていっそう具体化される。この発明の作用などについては後述する実施形態を参照して詳細に説明する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、電気機器筐体の筐体本体とフロントパネルとの突合せ箇所に現れるパーティングラインでフロントパネルの外形線がシャープエッジを形成している場合に、パーティングラインの段差が小さくても、フロントパネルのコーナ部後端面の面積を大きくして、シャープエッジを回避する作用を発揮する突起のサイズを大きくすることが容易に可能である。そのため、本発明に係る電気機器筐体のシャープエッジ回避構造による効果、すなわちシャープエッジ試験によりシャープエッジが検出されにくくなる効果や、シャープエッジを回避して取扱い時の危険性などを減殺することができるという効果は、冒頭に掲げた特許文献2によって提案されている構造(図5のもの)によって発揮される効果を凌駕するものになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明に係るシャープエッジ回避構造を適用した電気機器筐体Aの概略外観斜視図、図2は図1の筐体Aのフロントパネル2を下方に向けて図1のII部を斜め上方から見て示した要部の概略斜視図、図3は図1のIII部を後方から見て示した要部の拡大背面図、図4は図3のIV矢視図である。
【0016】
図1の電気機器筐体Aは、偏平箱形の筐体本体1とこの筐体本体1に装着されたフロントパネル2とを備えていて、フロントパネル2は樹脂成形体でなり、筐体本体1は、板金製のボトムケース15と板金製のトップケース16とを合わせることによって偏平箱形に形作られている。そして、この筐体Aには、たとえばDVDローダなどの電気機器の性能を発揮させるための機構部品や電気部品が収容されている。また、ボトムケース15とトップケース16とは必要箇所がビス止めされていることに加え、それらによって形成されている筐体本体1とフロントパネル2とも必要箇所がビス止めされている。
【0017】
この電気機器筐体Aにおいて、筐体本体1とフロントパネル2との突合せ箇所Sには、不可避的にパーティングラインが形成されることが多く、そのようなパーティングラインの形成箇所には、フロントパネル2の後端外形線L1によってシャープエッジ21が形成される。
【0018】
図2のように、この電気機器筐体Aでは、フロントパネル2の下側左右のコーナ部後端面22に突き合わされている筐体本体1の前端コーナ部12の形状が入隅形状になっている。このため、フロントパネル2の後端コーナ部外形線L1’と筐体本体1の前端コーナ部外形線L2’とによって囲まれるフロントパネル2のコーナ部後端面12の形状が略矩形になっていて、図5又は図6を参照して説明した場合に比べて、そのコーナ部後端面12の面積が筐体本体1の前端コーナ部12の凹み量に見合うだけ拡張している。そして、そのようにして拡張されたフロントパネル2のコーナ部後端面12に凸部5を一体成形によって設けてあり、かつ、その凸部5の表面を滑らかな湾曲面、具体的には球面に形成してある。この実施形態では、凸部5のサイズ、すなわちその直径や高さは、フロントパネル2のコーナ部端面12の広さに見合う大きさに定めることができるため、その凸部5のサイズを図5及び図6を参照して説明したボス3のそれよりも大きくすることが容易に可能である。しかも、凸部5のサイズは、フロントパネル2のコーナ部端面12の広さに見合う大きさに定めることができるために、図3に示したパーティングラインの段差x,yの大きさによる影響をそれほど受けない。言い換えると、凸部5のサイズを、パーティングラインの段差x,yの大きさの割りに大きくすることが容易に可能である。
【0019】
上記した凸部5に要求される作用には、シャープエッジ試験でシャープエッジ21を検出させないための作用と、電気機器筐体Aの取扱い時にシャープエッジ21に手の指が引掛かったりする作用(シャープエッジ21によって発揮される引掛かり作用)か発揮されにくくするする作用(減殺作用)とがある。そこで、このような凸部5に要求される作用を考察してみると、上記のように、凸部5のサイズは、拡張されたフロントパネル2のコーナ部端面12の広さに見合う大きさに定めることができるために、パーティングラインの段差x,yの大きさの割りに大きくすることが容易に可能である。そのため、凸部5のサイズを図5や図6を参照して説明したボス3よりも大きくしておくだけで、凸部5による上記した2つの作用、すなわち、シャープエッジ試験でシャープエッジ21を検出させないための作用と、シャープエッジ21によって発揮される引掛かり作用を減殺する作用が、ボス3によるそれらの作用を凌ぐようになる。
【0020】
図4はシャープエッジ21によって発揮される引掛かり作用を減殺する作用を説明するために示した図3のIV矢視図である。同図のように、作業者が仮に電気機器筐体A(図1参照)を手で持ち上げる作業を行う場合に、作業者の手の指Fがフロントパネル2のシャープエッジ21に当たったとしても、その手の指Fが凸部5に対しても当たることによって、シャープエッジ21に指Fが引掛かって怪我をするという危険性が少なくなる。言い換えると、凸部5のサイズは、シャープエッジ21によって発揮される引掛かり作用を減殺し得るだけの大きさであることが必要である。
【0021】
この実施形態では、図3のように、筐体本体1の前端コーナ部12の入隅形状が、ボトムケース15の幅方向端部(左右方向端部)に直角に曲成された背低の立上り側板17の外面に、トップケース16の幅方向端部(左右方向端部)に直角に曲成された立下り側板18の下端に内向きに曲成された内向きリブ19を突き合わせることによって形作られている。この構成を採用して筐体本体1の前端コーナ部12の入隅形状を形作ると、立上り側板17の外面に対する内向きリブ19の突合せ箇所の高さを変更したり、立上り側板17の立上り位置の左右方向での位置を変更したりすることによって、フロントパネル2のコーナ部後端面22の面積が変わるので、そうすることによって上記コーナ部後端面22の面積を増減することも容易に可能になる。また、立上り側板17はボトムケース15の強度を高めてその反り変形などを防ぐための補強リブとして役立ち、内向きリブ19はトップケース16の立下り側板18の強度を高めてその反り変形を防ぐための補強リブとして役立つ。特に、この実施形態では、図1に示されているように、内向きリブ19を立下り側板18の奥行方向全長部分に亘って形成してあるために上記した補強リブとしての作用が顕著に発揮される。
【0022】
本発明に係る電気機器筐体のシャープエッジ回避構造は、DVDプレーヤ/レコーダの筐体に対して適用することができるだけでなく、他の電気機器筐体、たとえばテレビジョン受像機などの他のAV機器に対しても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るシャープエッジ回避構造を適用した電気機器筐体の概略外観斜視図である。
【図2】図1のII部の概略斜視図である。
【図3】図1のIII部を後方から見て示した要部の拡大背面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】従来例によるボスの形成状態の斜視図である。
【図6】比較例によるボスの形成状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
A 電気機器筐体
L1 フロントパネルの後端外形線
L1’ フロントパネルの後端コーナ部外形線
L2’ 筐体本体の前端コーナ部外形線
S 筐体本体とフロントパネルとの突合せ箇所
1 筐体本体
2 フロントパネル
5 凸部
12 筐体本体の前端コーナ部
15 ボトムケース
16 トップケース
17 ボトムケースの立上り側板
18 トップケースの立下り側板
19 内向きリブ
21 シャープエッジ
22 フロントパネルのコーナ部後端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形の筐体本体とこの筐体本体に装着されたフロントパネルとの突合せ箇所のパーティングラインでフロントパネルの外形線によってシャープエッジが形成されている電気機器筐体において、
フロントパネルが樹脂成形体でなり、筐体本体が板金製のボトムケースと板金製のトップケースとを合わせることによって箱形に形作られていて、
フロントパネルのコーナ部後端面に突き合わされている上記筐体本体の前端コーナ部の形状を入隅形状にすることにより、フロントパネルの後端コーナ部外形線と筐体本体の前端コーナ部外形線とによって囲まれるフロントパネルのコーナ部後端面の面積を上記前端コーナ部の凹み量に見合うだけ拡張させてあると共に、上記前端コーナ部の入隅形状が、ボトムケースの立上り側板と、トップケースの立下り側板に内向きに曲成されて上記立上り側板の外面に突き合わされた内向きリブとによって形作られていて、
フロントパネルにおける面積が拡張された上記コーナ部後端面に表面が球面でなる凸部を設けてあって、その凸部によって上記シャープエッジによって発揮される引掛かり作用を減殺してあることを特徴とする電気機器筐体のシャープエッジ回避構造。
【請求項2】
箱形の筐体本体とこの筐体本体に装着されたフロントパネルとの突合せ箇所のパーティングラインでフロントパネルの外形線によってシャープエッジが形成されている電気機器筐体において、
フロントパネルのコーナ部後端面に突き合わされている上記筐体本体の前端コーナ部の形状を入隅形状にすることにより、フロントパネルの後端コーナ部外形線と筐体本体の前端コーナ部外形線とによって囲まれるフロントパネルのコーナ部後端面の面積を上記前端コーナ部の凹み量に見合うだけ拡張させ、フロントパネルにおける面積が拡張された上記コーナ部後端面に表面が滑らかな湾曲面とされた凸部を設けてあって、その凸部によって上記シャープエッジによる引掛かり作用を減殺してあることを特徴とする電気機器筐体のシャープエッジ回避構造。
【請求項3】
上記筐体本体がボトムケースとトップケースとを合わせることによって箱形に形作られていて、その筐体本体の前端コーナ部に形成されている上記前端コーナ部の入隅形状が、ボトムケースの立上り側板と、トップケースの立下り側板に内向きに曲成されて上記立上り側板の外面に突き合わされた内向きリブとによって形作られている請求項2に記載した電気機器筐体のシャープエッジ回避構造。
【請求項4】
上記凸部の表面が球面である請求項2又は請求項3に記載した電気機器筐体のシャープエッジ回避構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−210918(P2008−210918A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45031(P2007−45031)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】