説明

電気機器遠隔操作システム

【課題】 障害物の有無にかかわらずリモコンで電気機器を操作することができ、しかも構成が簡素な電気機器遠隔操作システムを提供する。
【解決手段】 このシステムは、複数の電気機器と、電気機器のコマンド情報を一括管理している管理サーバと、1つのリモコンとから構成される。リモコンは方向検出装置を備え、リモコンの先端部を向けた任意の方向と各電気機器とを対応させた機器選択テーブルを、管理サーバに登録しておく。ユーザがリモコンを所定の方向に向けると、方向検出装置がリモコンの方向を検出し、操作する電気機器が機器選択テーブルにしたがって選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気機器を1つのリモートコントロール装置(以下、リモコンと称す)で簡便な方法により遠隔操作する、電気機器遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ等の複数の電気機器を操作することが可能なリモコンは、従来から日常的に広く使われている。しかし、通常このようなリモコンは、操作できる機器があらかじめ設定されたものに限定されているため、例えばテレビとDVDレコーダのみに対応したリモコンで、エアコン等他の電気機器を操作することはできない。
そこで、任意の電気機器を1つのリモコンで操作できるようにするため、特許文献1や特許文献2のようなシステムが開発されている。
特許文献1のシステムによれば、電気機器を操作するためのコマンド情報は管理サーバに記憶されており、管理サーバとリモコンはネットワーク接続されている。そして、必要に応じ、コマンド情報が管理サーバからリモコンにネットワーク経由でダウンロードされ、ダウンロードされたコマンド情報に基づいて、リモコンから任意の電気機器の操作が可能になる。
また、特許文献2のシステムによれば、リモコンの位置と方向は、リモコン内蔵の位置検出手段と方向検出手段により把握され、一方、電気機器の配置は、各電気機器内蔵のICタグと部屋の壁に埋設したICタグセンサにより把握される。そして、ユーザがリモコンを所望の電気機器に向けることによって、電気機器の配置とリモコンの位置及び方向とから、操作する電気機器を選択するようにしている。
【特許文献1】特開2005−33685号公報
【特許文献2】特開2005−33263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムにおいては、リモコンの赤外線送信部を所望の電気機器に向け、赤外線通信で所定の識別信号を送信することによって、リモコンで操作する電気機器の選択を行って管理サーバからコマンド情報をダウンロードしているため、赤外線の届かない範囲、すなわち、障害物等によって遮られた場所に配置された電気機器を選択してその電気機器のコマンド情報をダウンロードすることができず、結局このシステムではこのような電気機器をリモコンで操作することは不可能である、という問題があった。
また、特許文献2に開示されたシステムにおいては、リモコンに位置検出手段を搭載し、かつ部屋の壁にICタグセンサを設置する必要があり、システムの構成が複雑になるという問題があった。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、障害物の有無にかかわらずリモコンで電気機器を操作することができ、しかも構成が簡素な電気機器遠隔操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、複数の電気機器と、前記複数の電気機器を遠隔操作するためのコマンド情報を一括管理する制御装置と、前記コマンド情報に基づいて前記複数の電気機器を遠隔操作する遠隔操作装置とから構成される電気機器遠隔操作システムにおいて、前記遠隔操作装置は、自己の所定部位が向けられた方向を検出し、これを方向情報として出力する方向検出手段と、前記方向情報を前記制御装置へ送信する第1の送信手段と、前記制御装置からコマンド情報を受けてメモリに書き込む書込手段と、前記メモリ内のコマンド情報を読み出して前記電気機器を遠隔操作する遠隔操作手段と、を具備し、前記制御装置は、前記複数の電気機器を遠隔操作するためのコマンド情報を記憶する第1の記憶手段と、前記複数の電気機器と前記方向情報との対応を記憶する第2の記憶手段と、前記遠隔操作装置から方向情報を受信して、該方向情報に対応する電気機器を前記第2の記憶手段内のデータから検索し、検索した電気機器のコマンド情報を前記第1の記憶手段から読み出して前記遠隔操作装置へ送信する手段と、を具備することを特徴とする電気機器遠隔操作システムである。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気機器遠隔操作システムにおいて、前記電気機器は、前記コマンド情報を前記制御装置へ送信する送信手段を具備し、前記制御装置は、前記電気機器からコマンド情報を受信して、前記第1の記憶手段へ書き込む第1の書込手段を具備することを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電気機器遠隔操作システムにおいて、前記遠隔操作装置は、前記電気機器と前記方向情報との対応関係を示すデータを前記制御装置へ送信する第2の送信手段を具備し、前記制御装置は、前記遠隔操作装置から前記対応関係を示すデータを受信し、前記第2の記憶手段へ書き込む第2の書込手段を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れかの項に記載の電気機器遠隔操作システムにおいて、前記方向検出手段は、地磁気の強さを検出する磁気センサによって構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、リモコンの所定部位、例えば先端部が向いている方向を検出して、その情報を基に操作する電気機器を選択するようにしたので、障害物に遮られた場所に配置された電気機器であっても、管理サーバからコマンド情報をダウンロードし、リモコンから操作することが可能となる。このため、このような電気機器遠隔操作システムの使用可能範囲が広がり、対応する電気機器の種類も従来と比べて格段に増やすことができるようになる。また、この発明によれば、リモコンの位置及び電気機器の配置を検出するハードウェアが不要であるため、システムの構成を簡素化することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施の形態による電気機器遠隔操作システムの構成を示すブロック図である。この電気機器遠隔操作システムは、一定のエリアに配置されたテレビ101とDVDレコーダ102とエアコン103と、電気機器を遠隔操作するための各機器固有のコマンド情報を一括して管理しており、これらの電気機器と有線LAN(Local Area Network)141を介して接続されている管理サーバ(制御手段)111と、管理サーバ111と無線LANにより接続され、電気機器の遠隔操作を行う携帯電話端末(遠隔操作手段)121とから構成される。
【0010】
図2は、管理サーバ111の構成を示すブロック図である。この図において、201はCPU(中央演算装置)、202はCPU201のプログラムが記憶されたROM(リードオンリメモリ)、203はデータ一時記憶用のRAM(ランダムアクセスメモリ)、211は有線LANインタフェース、212は無線LANインタフェース、221は不揮発性メモリである。
【0011】
有線LANインタフェース211は、有線LAN141に接続され、テレビ101、DVDレコーダ102及びエアコン103とデータの送受信を行う。
無線LANインタフェース212は、携帯電話端末121と短距離無線通信によってデータの送受信を行う。
【0012】
不揮発性メモリ221は、電気機器101〜103各々の固有なコマンド情報を記憶する記憶領域221−1と、携帯電話端末121の方向と各電気機器とを一対一に対応付けた機器選択テーブルを記憶する記憶領域221−2とを有している。
記憶領域221−1は、管理サーバを購入した時点であらかじめ代表的な電気機器のコマンド情報を記憶(プリセット)しており、また、新しい電気機器がこの電気機器遠隔操作システムに組み込まれた場合、その電気機器のコマンド情報がまだ記憶領域221−1に記憶されていないときは、その電気機器からコマンド情報を取得して記憶する。
【0013】
図3は、記憶領域221−2に記憶された機器選択テーブルの一例である。この例では、テレビは「方位45度」、DVDレコーダは「方位135度」、エアコンは「方位225度」、と定義されている。この機器選択テーブルは、携帯電話端末121をどちらの方向に向けるとどの電気機器が選択されるかを、ユーザがあらかじめ自由に定義しておくものである。ここで、「方位何々度」は、真北を「方位0度」として時計回りに測った方位を意味する。
【0014】
図4は、携帯電話端末121の構成を示すブロック図である。この携帯電話端末121は、端末ユニット121−1、121−2の2つの筐体を備えた、折り畳み式の携帯電話端末である。この図において、461は主制御部、462は主制御部461のプログラムが記憶されたROM、463はデータ一時記憶用のRAMである。
【0015】
無線部420は、携帯電話の通話のための信号処理を行う回路であり、RF(Radio Frequency)部422、変復調部423、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)部424から構成される。アンテナ421は、無線基地局(図示していない)との間の電波信号の送受信を行うものである。
【0016】
RF部422は、アンテナ421が受信する受信信号を中間周波数の受信信号に変換して変復調部423へ出力するものである。さらにこのRF部422は、変復調部423から入力する送信信号を送信周波数の信号に変調し、アンテナ421へ出力するものである。
【0017】
変復調部423は、RF部422から入力した受信信号の復調処理と、CDMA部424から入力した送信信号の変調処理とを行うものである。CDMA部424は、送信信号の符号化処理及び受信信号の復号化処理を行うものである。音声処理部425は、マイクロホン431から入力される音声信号をデジタル信号に変換してCDMA部424へ出力し、また、CDMA部424から入力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換し、スピーカ432へ出力して発音させるものである。
無線LANインタフェース471は、管理サーバ111との間で短距離無線通信によって各種データの通信を行うものである。
【0018】
方向検出装置450は、磁気センサ451−1〜451−3、温度センサ452及び磁気センサ制御部453を備えたものであり、携帯電話端末121の先端部がどちらの方向を向いているかを検出するものである。磁気センサ451−1〜451−3は、互いに直交するX、Y、Z軸の各々の軸方向の磁気(磁界)を検出し、磁界データとして出力するものである。温度センサ452は、磁気センサ451−1〜451−3の温度補償を行うために温度を検出するものである。磁気センサ制御部453は、磁気センサ451−1〜451−3の検出出力に対して所定のデータ処理を行いバスラインBへ出力するものである。
【0019】
報知手段433は、スピーカ、バイブレータ、発光ダイオード等を備え、着信やメール受信等を音、振動、光等によってユーザに報知するものである。時計部434は、主制御部461が使用する計時機能部である。主操作部435は、ユーザの指示入力を取り込んで主制御部461に出力するものである。
【0020】
電子撮像部436は、被写体の像をデジタル信号に変換して主制御部461へ出力するものである。表示部437は、主制御部461から入力される表示用の信号に基づいて画像や文字等を表示する液晶ディスプレイである。また、表示部437は、電気機器の各操作コマンドと主操作部435又はタッチパネル438の操作方法(どのボタンを押下するか等)との対応関係を表示するためのものである。タッチパネル438は、表示部437の液晶ディスプレイの表面に組み込まれ、ユーザの接触操作による入力内容を表す信号を主制御部461へ出力するものである。副操作部439は、表示切り替えに用いられるプッシュスイッチである。
【0021】
図5は、テレビ101の構成を示すブロック図である。この図において、501は制御部、502はテレビ101のコマンド情報が記憶されている不揮発性メモリ、503は管理サーバ111と所定のデータの通信を行う有線LANインタフェース、511は本来のテレビ機能部である。
【0022】
次に、上述した電気機器遠隔操作システムの動作を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ユーザが管理サーバ111と携帯電話端末121の電源スイッチをオンにして、この電気機器遠隔操作システムを起動させる。すると、管理サーバ111は、有線LAN141に接続されている電気機器101〜103にステータス要求を行い、テレビ101、DVDレコーダ102、及びエアコン103がシステムによりコントロール可能であることを把握する(ステップS601)。また、携帯電話端末121は、方向検出装置450を作動させて、リモコン先端部が向いている方向の検出を開始する(ステップS621)。
【0023】
続いて、管理サーバ111は、不揮発性メモリ221の記憶領域221−2に機器選択テーブルがすでに登録されているかチェックする(ステップS611)。機器選択テーブルがすでに登録されている場合は、ステップS614に進む。機器選択テーブルがまだ登録されていない場合は、管理サーバ111は、テレビ、DVDレコーダ、及びエアコンの機器識別番号を携帯電話端末121に送信し、機器選択テーブルの登録要求を行う(ステップS612)。この要求を受けた携帯電話端末121は、テーブル登録モードに移行して、表示部437に、「機器選択テーブルが登録されていません。次の機器の登録を行ってください。(1)####(テレビの機種名) (2)####(DVDレコーダの機種名) (3)####(エアコンの機種名)」という表示を行うとともに、主操作部435に、テレビ、DVDレコーダ、及びエアコンの選択ボタンを割り当てる(ステップS622)。
【0024】
ここで、この電気機器遠隔操作システムが設置されている部屋は、壁面A、B、C、Dから構成される長方形の部屋であるとし、壁面Aは北東向き、壁面Bは南東向き、壁面Cは南西向き、壁面Dは北西向き、であるとする。
次に、ユーザが携帯電話端末121を壁面Aの方向に向け、テレビの選択ボタンを押下する(テレビを「壁面A」に関連付ける)と(ステップS623)、携帯電話端末121の方向検出装置450は、その時携帯電話端末121の先端部が向けられている方向を検出する。ここで、壁面Aは北東向きであるから、検出される方向情報は、「方位45度」である。そして、携帯電話端末121は、この方向情報「方位45度」とテレビの機器識別番号とを、管理サーバ111に送信し(ステップS624)、管理サーバ111は、受信したこれらのデータをRAM203に保持する。
引き続いて、ユーザがDVDレコーダとエアコンについても同様の操作(DVDレコーダを「壁面B」、エアコンを「壁面C」に関連付けるものとする)を行うと、方向情報「方位135度」とDVDレコーダの機器識別番号、方向情報「方位225度」とエアコンの機器識別番号、が管理サーバ111のRAM203に保持される。
【0025】
次に、管理サーバ111は、RAM203に集まったこれらのデータを機器選択テーブルとして不揮発性メモリ221の記憶領域221−2に記憶する(ステップS613)。また、携帯電話端末121はテーブル登録モードを抜け、通常の操作モードに移る(ステップS625)。これで、機器選択テーブルの登録操作が完了する。
【0026】
携帯電話端末121が操作モードに移ると、管理サーバ111は、機器選択テーブルを携帯電話端末121に送信する(ステップS614)。そして、携帯電話端末121は、表示部437に案内画面を表示する。この案内画面は、受信した機器選択テーブルのデータにしたがって、円周上にテレビ、DVDレコーダ、及びエアコンを示す矢印が表示されており、携帯電話端末121を動かすと方向検出装置450で検出した方向情報を反映して矢印がリアルタイムで円周上を動き、携帯電話端末121の先端部が壁面Aを向いた時にテレビを示す矢印が画面の上部に来るようになっている(壁面B、Cを向いた時はそれぞれDVDレコーダ、エアコンが画面の上部に来る)。
【0027】
次に、ユーザはテレビ101の遠隔操作を開始する。ユーザが携帯電話端末121の先端部を壁面Aに向けて操作開始ボタンを押下すると(ステップS626)(この時、表示部437の案内画面は、テレビを示す矢印が円周の上部に来ている)、携帯電話端末121は、その時方向検出装置450が検出している方向情報(壁面Aは北東向きであるから、「方位45度」の方位情報)を管理サーバ111に送信する(ステップS627)。
【0028】
管理サーバ111は、受信した「方位45度」の方位情報を検索キーとして不揮発性メモリ221の記憶領域221−2に記憶されている機器選択テーブルの検索を行い、ユーザが操作対象としてテレビ101を選択したと判断する(ステップS615)。
【0029】
次に、管理サーバ111は、不揮発性メモリ221の記憶領域221−1を検索し、操作対象であるテレビ101のコマンド情報が登録されているかをチェックする(ステップS616)。テレビ101のコマンド情報がすでに登録されている場合は、ステップS618に進む。まだ登録されていない場合は、テレビ101に対しコマンド情報の送信を要求し、送られてくるコマンド情報を不揮発性メモリ221の記憶領域221−1に記憶する(ステップS617)。
【0030】
次に、管理サーバ111は、不揮発性メモリ221の記憶領域221−1に記憶されているテレビ101のコマンド情報を携帯電話端末121に送信し(ステップS618)、携帯電話端末121は、受信したコマンド情報をRAM463に記憶する。さらに、携帯電話端末121は、RAM463のコマンド情報を読み出し、表示部437にテレビ101の操作画面を表示する。この操作画面には主操作部435の各ボタンが画像データにより表示されており、テレビの各チャンネルがテンキーのそれぞれの数字ボタンに割り当てられている。
【0031】
次に、具体的なテレビ101の操作、例えばチャンネル“1ch”の選択は次のように行われる(ステップS602)。ユーザが、主操作部435のテンキー“1”を押下すると、携帯電話端末121は、RAM463のコマンド情報のなかから、該当する操作コマンドである“1ch選択コマンド”を選び出し、管理サーバ111に送信する。そして、管理サーバ111は、このコマンドを中継してテレビ101へ送信し、テレビ101はチャンネルを1chへ切り換える。こうして、テレビ101に対する遠隔操作が実行される。
【0032】
このように、上記の実施形態によれば、各電気機器と携帯電話端末先端部を向ける方向とを任意に対応させた機器選択テーブルを用いて、携帯電話端末の方向情報のみから電気機器を選択することが可能である。このため、携帯電話端末の構成、及びシステム全体の構成を簡素化することができる。また、この方向情報は携帯電話端末単独で取得されて管理サーバに通知されるものであるため、電気機器の配置の影響(例えば、間に障害物がある等)を受けないというメリットがある。
【0033】
なお、上記実施形態においては、電気機器はテレビとDVDレコーダとエアコンの3種類であるが、この電気機器遠隔操作システムに適用可能な電気機器はこの3種類に限定されるものではなく、ホームサーバ(ビデオサーバ)、CD(Compact Disc)プレーヤ、ステレオ等のいわゆるAV(Audio Visual)機器、冷蔵庫、電子レンジ、ファクシミリ等のいわゆる家電製品等、LAN接続可能なあらゆる電気製品からこのシステムを構築することができる。また、家庭内の機器だけでなく、例えば、自動車の車載機器のようなものも適用可能である。なお、このシステムに接続される電気機器の数は、この発明の本質と関係がない。さらに、上記実施形態の電気機器は、その内部に制御部と不揮発性メモリと有線LANインタフェースを備えているが、このような内蔵型に代えて、外付けのアダプタとしてこれらの手段を後から追加するようにしてもよい。
【0034】
また、携帯電話端末の代わりに、PDA(個人用携帯情報端末)やPHS(Personal Handyphone System)のような情報端末、あるいはリモコン専用装置のようなものを使うこともできる。
【0035】
また、上記実施形態においては、電気機器と管理サーバは有線LANによって接続されているが、有線LANに代えて無線LANを用いることも可能である。逆に、携帯電話端末と管理サーバを、無線LANではなくUSB(Universal Serial Bus)等の有線ケーブルで接続してもよい。また、この無線LANの代わりに、BluetoothやUWB(Ultra Wide Band)のような短距離無線通信を利用することもできる。さらに、管理サーバと携帯電話端末との間については、可視光通信を使ってもよい。
【0036】
また、このシステムで使われるコマンド情報はデータ容量が小さいため、上記実施形態ではその記憶装置として不揮発性メモリが好適であると考えているが、代わりにHDD(Hard Disc Drive)を使用しても問題ない。
また、磁気センサの代わりに(あるいは併用して)、ジャイロセンサを用いることもでき、この場合ある基準方向に対する相対的な方向が検出される。さらに、加速度センサを使用すると、携帯電話端末先端部の向いている方向の鉛直成分が検出可能であり、上下方向の傾き角度を電気機器の選択に利用できるようにすることもできる。
また、表示部437は液晶ディスプレイに限られず、LED(発光ダイオード)ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、機器選択テーブルにおける電気機器と方向情報との関連付けに、部屋の壁面(A、B、C、D)を使っているが、関連付けはこの方法に限定されるものではなく、例えば、ユーザの正面方向を基準として、右、左、上、下のように相対的な方向を関連付けに使ってもよい。また、ユーザから見て実際にテレビ101、DVDレコーダ102、エアコン103が設置されている方向を関連付けに使ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、複数の電気機器を1つのリモコンで操作可能なホームネットワークシステムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態による電気機器遠隔操作システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1における管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】機器選択テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1における携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図1における電気機器の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の実施形態による電気機器遠隔操作システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
101…テレビ 102…DVDレコーダ 103…エアコン 111…管理サーバ 121…携帯電話端末 201…CPU 202…ROM 203…RAM 211…有線LANインタフェース 212…無線LANインタフェース 221…不揮発性メモリ 221−1、221−2…記憶領域 420…無線部 421…アンテナ 422…RF部 423…変復調部 424…CDMA部 425…音声処理部 431 マイクロホン 432…スピーカ 433…報知手段 434…時計部 435…主操作部 436…電子撮像部 437…表示部 438…タッチパネル 439…副操作部 450…方向検出装置 451−1〜3…磁気センサ 452…温度センサ 453…磁気センサ制御部 461…CPU 462…ROM 463…RAM 471…無線LANインタフェース 501…制御部 502…不揮発性メモリ 503…有線LANインタフェース 511…テレビ機能部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気機器と、前記複数の電気機器を遠隔操作するためのコマンド情報を一括管理する制御装置と、前記コマンド情報に基づいて前記複数の電気機器を遠隔操作する遠隔操作装置とから構成される電気機器遠隔操作システムにおいて、
前記遠隔操作装置は、
自己の所定部位が向けられた方向を検出し、これを方向情報として出力する方向検出手段と、
前記方向情報を前記制御装置へ送信する第1の送信手段と、
前記制御装置からコマンド情報を受けてメモリに書き込む書込手段と、
前記メモリ内のコマンド情報を読み出して前記電気機器を遠隔操作する遠隔操作手段と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記複数の電気機器を遠隔操作するためのコマンド情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記複数の電気機器と前記方向情報との対応を記憶する第2の記憶手段と、
前記遠隔操作装置から方向情報を受信して、該方向情報に対応する電気機器を前記第2の記憶手段内のデータから検索し、検索した電気機器のコマンド情報を前記第1の記憶手段から読み出して前記遠隔操作装置へ送信する手段と、
を具備することを特徴とする電気機器遠隔操作システム。
【請求項2】
前記電気機器は、前記コマンド情報を前記制御装置へ送信する送信手段を具備し、
前記制御装置は、前記電気機器からコマンド情報を受信して、前記第1の記憶手段へ書き込む第1の書込手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の電気機器遠隔操作システム。
【請求項3】
前記遠隔操作装置は、前記電気機器と前記方向情報との対応関係を示すデータを前記制御装置へ送信する第2の送信手段を具備し、
前記制御装置は、前記遠隔操作装置から前記対応関係を示すデータを受信し、前記第2の記憶手段へ書き込む第2の書込手段を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気機器遠隔操作システム。
【請求項4】
前記方向検出手段は、地磁気の強さを検出する磁気センサによって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかの項に記載の電気機器遠隔操作システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−279424(P2006−279424A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94389(P2005−94389)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】