説明

電気機械式変換システムの動作方法及び電気機械式変換システム

少なくとも一つの圧電変換素子と、場合によっては、少なくとも一つの識別素子と、一つの電子制御機器とを備えた電気機械式変換システムを動作させるために、この少なくとも一つの圧電変換素子に関する、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域の一方のユーザ信号と、この変換システムの識別及び/又は機能の検証のための他方のポーリング信号及びレスポンス信号とが一本の信号配線だけの配線システムを介して伝送される。この場合、相応に動作の信頼性を高め、障害探索時間を短縮し、操作を簡単化した、ケーブル破断に関する入力回路の簡単で信頼できる診断手法を実現するために、変換素子のユーザ動作領域外に設定された少なくとも一つのポーリング信号を変換システムに伝送し、その結果得られたレスポンス信号から、少なくとも一つの特性値を生成して、予め決められた少なくとも一つの判定基準と照合し、その判定基準を満たさない場合に、エラー通報を発出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの圧電変換素子と、少なくとも一つの識別素子と、一つの電子制御機器とを備えた電気機械式変換システムの動作方法であって、一本の電気信号線だけの配線システムを介して、この少なくとも一つの圧電変換素子に関する、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域の一方のユーザ信号と、この変換システムの機能を検証するための他方のポーリング信号及びレスポンス信号とを伝送する方法、並びに少なくとも一つの圧電変換素子と、追加的な少なくとも一つの識別素子と、この少なくとも一つの圧電変換素子に関する、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域の一方のユーザ信号と、この変換システムの機能を検証するための他方のポーリング信号及びレスポンス信号とを伝送する一本の電気信号線だけの配線システムと、一つの電子制御機器とから構成された電気機械式変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基本的に、センサーとの間のケーブル接続の実際の状態を検証又は監視するために、所要時間の測定を実施することが知られているが、それに関する測定・判定装置が必要なために、それには費用がかかる。異なる長さのケーブルを使用する場合、そのことが益々成り立つ。
【0003】
圧電センサーにおいて、ケーブル及びプラグを含めて、負荷増幅器の入力での所要の高さの絶縁によって、ケーブル破断の検知を確定することは非常に難しい。特許文献1では、センサーからケーブル等を介して増幅器までの全測定経路の機能の正常性に関する指標として、圧電素子の共振周波数の変化を使用するための要件が記載されている。
【0004】
特許文献2では、破断センサーとして配備された、入力変換器と出力変換器の間に所要の破断点を設けた形態のSAW素子が記載されている。そのようなセンサーと関連する構成が機械的に破損した場合、もはや出力信号を受信できず、それは、その構成が破損したことの指標として用いることはできるが、測定経路の機能の正常性の指標として用いることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第423273号明細書
【特許文献2】米国特許第5,821,425号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことから、本発明の課題は、相応に動作の信頼性を高め、障害探索時間を短縮し、操作を簡略化した、ケーブル破断に関する入力回路の簡単で信頼できる診断手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題を解決するために、冒頭に述べた方法は、変換素子のユーザ動作領域外に設定された少なくとも一つのポーリング信号を変換システムに伝送し、その結果得られたレスポンス信号から、少なくとも一つの特性値を生成して、予め決められた少なくとも一つの判定基準と照合し、その判定基準が満たされない場合に、エラー通報を発出することを特徴とする。そうすることによって、機能の制御と測定信号の伝送とを良好に分離できるとともに、場合によっては同時に、或いは重なり合う形で、互いに影響を与え合うこと無く、二つのプロセスを実行できる。
【0008】
本発明による方法の第一の変化形態では、変換システムの信頼できる状態が保証され、機能が正常なフェーズにおいて、少なくとも一つのポーリング信号を変換素子に伝送し、その結果得られたレスポンス信号から、少なくとも一つの基準となる特性値を生成して、保存しておき、動作フェーズにおいて、それぞれ実際にレスポンス信号から生成された実際の特性値がその基準となる特性値と十分に一致することを判定基準として用いるものと規定する。
【0009】
本方法の別の変化形態では、ユーザ信号が初めて伝送される前に、少なくとも一つのポーリング信号を事前に伝送することによって、変換システムが正しく接続されて、正常に機能している場合にのみ、所定通りの動作が行なわれていることを保証することができる。
【0010】
本方法の一つの変化形態では、変換システムの所定通りの動作フェーズの間に、一つのポーリング信号を少なくとも一回伝送することによって、正常な動作を監視することができる。
【0011】
有利には、ポーリング信号の繰返周波数が変換素子の零周波数領域内に有るものと規定する。
【0012】
一つの有利な変化形態では、識別素子が純粋に受動的に動作し、高い周波数のポーリング信号が使用されるものと規定する。この場合、有利には、ポーリングユニットの誘導方式による結合が行なわれるが、容量方式による結合又はアンテナによる結合も可能である。この場合、ポーリング信号の(典型的には、400MHzを上回る帯域内の)高い周波数によって、特に、誘導式結合の場合に、ユーザ信号の周波数及び変換素子の共振周波数と相互作用することの無い効果的な結合が可能となる。
【0013】
レスポンス信号から生成された特性値がレスポンス信号に含まれる識別素子のデータである場合、機能の制御と同時に、装置全体における変換システムの一義的な対応付けを行なうことができる。
【0014】
本方法の特に簡単な変化形態は、零と異なる一定の値の電流変数と電圧変数の中の一方の変数を変換システムのポーリング信号として印加して、その結果得られるレスポンス信号として、二つの変数の中の他方の変数をそれぞれ検出し、エラー通報用の判定基準は、その検出された変数の特性値に関する予め決められた限界値であるものと規定する。
【0015】
更に改善された実施形態では、負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値を特性値として使用するものと規定することができる。
【0016】
ポーリング信号の継続時間の間に得られる積分値を特性値として使用することもできる。
【0017】
それに代わって、所定の積分値が得られるまでの積分時間を判定基準の特性値として使用することもできる。
【0018】
本発明による方法の別の変化形態は、負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値の増加速度を特性値として使用することを特徴とする。
【0019】
レスポンス信号の特性値として、電圧上昇を検出することもできる。
【0020】
本発明による方法の別の変化形態は、何れにせよ変換システムに常に印加されている電流をポーリング信号として使用して、その結果得られた電圧と一定の電圧との偏差を電子制御機器内で電流強度に関する制御変数として使用し、この制御変数を判定基準として用いるものと規定する。
【0021】
この場合、有利には、負荷増幅器のドリフトを補正するために変換システムに常に印加されている電流をポーリング信号として使用し、その電流の生成を制御する制御信号を判定基準として用いることができる。
【0022】
本発明では、冒頭に述べた変換システムは、ここで設定した課題を解決するために、ポーリング信号が変換素子のユーザ動作領域外に設定されていることと、電子制御機器には、レスポンス信号から少なくとも一つの特性値を生成して、それが予め決められた判定基準を満たさない場合に、エラー通報を発出するモジュールが実装されていることとを特徴とする。
【0023】
この場合、有利には、ポーリング信号の繰返周波数が変換素子の零周波数領域内に有るものと規定する。
【0024】
本発明の別の有利な実施形態では、識別素子が純粋に受動的に動作して、ポーリングユニットが高い周波数のポーリング信号を生成するものと規定する。そのような高い周波数の、典型的には、400MHzを上回る帯域内のポーリング信号は、特に、ユーザ信号の周波数及び変換素子の共振周波数と相互作用することの無い、変換素子との効果的な誘導式結合を可能とする。別の実施形態では、容量式結合又はアンテナ結合用ユニットも実現可能である。
【0025】
有利には、識別素子のデータから得られた基準となる特性値が判定基準として保存される。それによって、一義的な特性値をシステム全体における変換システムの一義的な識別と関連付けることができる。
【0026】
本発明の有利な実施形態では、本変換システムは、零と異なる一定の値の電流変数と電圧変数の中の一方の変数を変換システムのポーリング信号として印加するための機器が配備されていることと、その結果得られるレスポンス信号として、これら二つの変数の中の他方の変数を検出するための機器が配備されており、エラー通報用の判定基準として、この検出された変数の特性値に関する予め決められた限界値が保存されていることとを特徴とする。
【0027】
この場合、特性値として使用するために、負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値を算出するための機器を配備することができる。
【0028】
この場合、有利には、ポーリング信号の継続時間の間に得られる積分値を特性値として算出するように機器が構成される。
【0029】
その他の場合、特性値として、所定の積分値が得られるまでの積分時間を算出するように機器が構成されるものと規定することもできる。
【0030】
負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値の増加速度を算出するように機器が構成された実施形態も考えられる。
【0031】
本発明の別の簡単に実現可能な実施形態は、特性値として、電圧上昇を算出する機器が配備されていることを特徴とする。
【0032】
別の実施構成では、変換システムに常に電流を印加している機器を配備して、その結果得られた電圧と一定の電圧との偏差を電流強度に関する制御変数として使用し、このモジュール内で、そのような制御変数を判定基準として用いることもできる。
【0033】
最後に、本発明の有利な実施形態は、大抵は何れにせよ存在する実証済みのコンポーネントを活用して、負荷増幅器のドリフトを補正するための機器が配備されており、それが変換システムに常に印加している電流をポーリング信号として使用することと、このモジュール内で、その電流の生成を制御する制御信号が判定基準として用いられることとを特徴とする。
【0034】
以下の記載において、実施例に基づき、添付図面を参照して、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による非常に簡単な構成の模式図
【図2】本発明による電磁変換素子の接続図
【図3】本発明による方法を電流と電圧の関係に基づき実施する回路の接続図
【図4】ポーリングの間に図3の構成で生じる電圧推移のグラフ
【図5】本発明による方法を電流と電圧の関係に基づき実施する回路を図3と比べて拡張した回路の接続図
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に図示された電気機械式変換器システムは、少なくとも一つの圧電変換素子1から構成され、有利には、少なくとも一つの識別素子2を更に配備することができる。
【0037】
この変換素子1と識別素子2から成る構成は、一本の電気信号配線だけの配線システム3を介して、識別素子2用のポーリングユニット4及び変換素子1を動作させるための動作ユニット5と接続されている。圧電変換素子1に関するユーザ信号も、変換システムの機能を検証するためのポーリング信号及びレスポンス信号も、この配線3を介して伝送される。更に、ここには図示されていない追加の電子制御機器を配備することもできる。
【0038】
各圧電変換システム1は、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域を有する。ここで、変換システム1の機能の検証によって、その所定通りの動作に影響を与えないために、ポーリングユニット4のポーリング信号は、そのような変換素子1のユーザ動作領域外に設定される。この場合、ポーリング信号又はレスポンス信号は、通常の測定信号よりも明らかに高い、例えば、数十パーセント高い周波数を有し、それによって、ポーリング信号又はレスポンス信号と測定信号の間を非常に簡単に区別することができる。典型的には、圧電センサーの形の変換素子1用のポーリング信号は、400MHzを上回る帯域内に有る。
【0039】
ポーリング信号に対するレスポンス信号は、電子制御機器に、或いはポーリングユニット4自体に実装可能なモジュールで判定され、その判定には、ポーリング信号から少なくとも一つの特性値を生成することが含まれる。その特性値がモジュール内に保存された予め決められた判定基準を満たさない場合、エラー通報が発出される。
【0040】
圧電変換システム1は、例えば、測定センサー配線を介して好適な測定増幅器と接続された、測定データを検出する装置内の圧電式圧力変換器とすることができる。その場合、測定増幅器は、測定信号配線3を介して、例えば、表示器又は検査状態制御部などの測定データ判定ユニット5と接続された別個の機器とすることができる。センサー1の測定信号配線3は、同時に、そのセンサー用のポーリング配線とすることもできる。
【0041】
ポーリングユニット4は、有利には、測定データ判定ユニット5と接続するか、或いはそれに統合することができる。共通の測定信号・ポーリング配線3を通るポーリング信号は、変換システム1の圧電式圧力変換器の測定増幅器によって受信されて、例えば、その後、パルス、パルス列、デジタルデータ伝送形態、或いは所定の周波数の信号などとして、それに対応するレスポンス信号を伝送する形で処理される。この場合、有利には、レスポンス信号は、簡単に検出できるようにするために、測定信号と異なる信号である。測定データ判定ユニットのポーリングユニット4にレスポンス信号が到着しない場合、そのことから、例えば、欠陥の有るケーブル又は敷設されていない、或いは正しく敷設されていないケーブルのために、測定データ判定ユニットの入力とそれに対応する圧力変換器の測定増幅器の間のケーブル配線が障害であるか、或いは存在しないと判定することができる。即ち、場合によっては起こり得るケーブル配線の障害を小さいユニットに限定することができる。レスポンス信号の信号品質の判定によって、接続品質も検証することができ、それによって、ケーブル配線の診断も可能となる。
【0042】
変換素子1と識別素子2から成る構成の接続図である図2から分かる通り、識別素子2は、例えば、SAWタグとして実現することができ、そのため純粋に受動的に動作することができる。従って、ポーリングユニット4によって生成された、変換素子1のユーザ信号と比べて高い周波数のポーリング信号を理想的な誘導方式により結合することができる。典型的には、圧電センサーシステム用のポーリング信号の周波数は、400MHzを上回る帯域内にある。しかし、それ以外に、容量方式による結合又はアンテナによる結合を行なうこともできる。変換素子1と識別素子2から成る構成のキャパシタンス又はオーム抵抗は、接続図において、コンデンサ6又は抵抗7で表示されている。
【0043】
例えば、センサーの測定増幅器に統合することもできる、そのような変換システム1の識別は、測定機器の構成の検証又はその構成の自律的な検出のために使用することができる。例えば、保存された既知の構成において規定された測定データ判定ユニットの入力にレスポンス信号が到着しない場合、或いはそのような信号が間違った入力に到着した場合、ケーブル配線の障害が起こっているか、或いは欠陥の有るケーブルが存在する可能性が有る。変換システム1への一回のポーリングと多チャンネル測定データ判定ユニットの如何なるチャンネルに所定のレスポンスが戻ってきたかの検証とによって、その構成を検出して、例えば、管理ソフトウェアに提供することができる。例えば、ケーブルを敷設している間に、敷設されたケーブルが所定の構成とも一致するか否かを絶えず検証することによって、ケーブル敷設の際に、作業員を支援することもできる。
【0044】
図3の接続図を用いて、零と異なる一定の値の電流Iinp をポーリング信号として変換システム1,2に印加する方法を説明する。この場合、その結果得られるレスポンス信号として、その結果得られる電圧Uout を検出しており、エラー通報用の判定基準は、検出された電圧変数の特性値に関する予め決められた限界値である。図示された例では、レスポンス信号の関連する特性値として、電圧上昇を検出しており、その推移が、図4に図示されている。
【0045】
通常の測定動作では、図3のスイッチ8は、「動作」位置に有る。ポーリングのために、スイッチ8は、「テスト」位置に設定され、それによって、電圧源9から、テスト電圧Utestがコンデンサ10と並列に接続された演算増幅器11の非反転入力に印加される。この場合、図4に図示された電圧の推移が得られ、そして、出力電圧Uout の推移から、場合によっては起こり得る配線の破断を検知することができる。
【0046】
テスト電圧を印加した場合に得られる出力信号から場合によっては起こり得る配線の破断を推定するための別の実施例が図5に図示されている。ケーブル3を含めて、変換システム1,2には、ポーリング電流Iinp が常に印加されており、その結果得られた負荷増幅器12の入力での電圧が、実際に常時存在する、零と等しくない低いオフセット電圧Uoffsetと比較される。この場合、図3と異なり、テスト電圧は、演算増幅器12の非反転入力に供給されるのではなく、デジタル・アナログ変換器13を用いて生成されて、マイクロプロセッサ14により制御されるテスト電流Id として、抵抗15を介して演算増幅器12の反転入力に供給されている。場合によっては発生する小さい偏差は、擬似的に無限に増幅されて、走査・保持機器を備えたアナログ・デジタル変換器15とマイクロプロセッサ14によって、所定の時点で検出され、ポーリング電流を生成するための制御変数として使用される。
【0047】
更に、マイクロプロセッサ14は、テスト電圧から得られる出力電圧Uout の判定と場合によっては起こり得るケーブル破断の検知のために使用される。そのため、そのような制御変数を供給するために、走査・保持機器を備えたアナログ・デジタル変換器15からマイクロプロセッサ14までのデジタル配線が配備されている。その制御変数が判定基準として規定された値を上回った場合、バイアス電流又は漏れ電流(Uoffset/Risolation )は大きくなり過ぎている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの圧電変換素子と、少なくとも一つの識別素子と、一つの電子制御機器とを備えた電気機械式変換システムの動作方法であって、この少なくとも一つの圧電変換素子に関する、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域の一方のユーザ信号と、この変換システムの機能を検証するための他方のポーリング信号及びレスポンス信号とを一本の信号配線だけの配線システムを介して伝送する方法において、
この変換素子のユーザ動作領域外に設定された少なくとも一つのポーリング信号を変換システムに伝送し、その結果得られたレスポンス信号から、少なくとも一つの特性値を生成して、予め決められた少なくとも一つの判定基準と照合し、その判定基準を満たさない場合に、エラー通報を発出することを特徴とする方法。
【請求項2】
この変換システムの信頼性が保証された状態と機能が正常なフェーズにおいて、少なくとも一つのポーリング信号を変換素子に伝送して、その結果得られたレスポンス信号から、少なくとも一つの基準となる特性値を生成して保存しておき、動作フェーズにおいて、それぞれ実際にレスポンス信号から生成された実際の特性値がこの基準となる特性値と十分に一致することを判定基準として用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザ信号を初めて伝送する前に、少なくとも一つのポーリング信号を事前に伝送することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
この変換システムの所定通りの動作フェーズの間に、一つのポーリング信号を少なくとも一回伝送することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
ポーリング信号の繰返周波数が変換素子の零周波数帯域内に有ることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
識別素子が純粋に受動的に動作し、高い周波数のポーリング信号を使用することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
レスポンス信号から生成された特性値がレスポンス信号内に含まれる識別素子のデータであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
零と異なる一定の値の電流変数と電圧変数の中の一方の変数を変換システムのポーリング信号として印加することと、
その結果得られるレスポンス信号として、これら二つの変数の中の他方の変数をそれぞれ検出し、エラー通報用の判定基準が、その検出された変数の特性値に関する予め決められた限界値であることと、
を特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値を特性値として使用することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポーリング信号の継続時間の間に得られる積分値を特性値として使用することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
所定の積分値が得られるまでの積分時間を判定基準の特性値として使用することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値の増加速度を特性値として使用することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
レスポンス信号の特性値として、電圧上昇を検出することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
何れにせよ変換システムに常に印加されている電流をレスポンス信号として使用し、その結果得られた電圧と一定の電圧との偏差を電子制御機器内で電流強度に関する制御変数として使用して、その制御変数を判定基準として用いることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
負荷増幅器のドリフトを補正するために変換システムに常に印加されている電流をポーリング信号として使用し、その電流の生成を制御する制御信号を判定基準として用いることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの圧電変換素子(1)と、追加的な少なくとも一つの識別素子(2)と、この少なくとも一つの圧電変換素子(1)に関する、周波数帯と時間スロットによって定義された所定のユーザ動作領域の一方のユーザ信号と、この変換システム(1,2,3)の機能を検証するための他方のポーリング信号及びレスポンス信号とを伝送する一本の電気信号配線だけの配線システム(3)と、一つの電子制御機器(4,5)とから構成された電気機械式変換システムにおいて、
このポーリング信号が、変換素子(1)のユーザ動作領域外に設定されることと、
レスポンス信号から少なくとも一つの特性値を生成して、それが予め決められた判定基準を満たさない場合にエラー通報を発出するモジュール(4)が電子制御機器(4,5)内に実装されていることと、
を特徴とする変換システム。
【請求項17】
ポーリング信号の繰返周波数が変換素子(1)の零周波数帯域内に有ることを特徴とする請求項16に記載の変換システム。
【請求項18】
識別素子(2)が純粋に受動的に動作して、ポーリングユニット(4)が、高い周波数のポーリング信号を生成することを特徴とする請求項16又は17に記載の変換システム。
【請求項19】
識別素子(2)のデータから得られる基準となる特性値が、判定基準として保存されていることを特徴とする請求項16から18までのいずれか一つに記載の変換システム。
【請求項20】
零と異なる一定の値の電流変数と電圧変数の中の一方の変数を変換システム(1,2,3)のポーリング信号として印加するための機器が配備されていることと、
その結果得られるレスポンス信号として、これら二つの変数の中の他方の変数を検出するための別の機器が配備されており、その検出された変数の特性値に関する予め決められた限界値が、エラー通報用の判定基準として保存されていることと、
を特徴とする請求項16から19までのいずれか一つに記載の変換システム。
【請求項21】
特性値として使用するために、負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値を算出するための機器が配備されていることを特徴とする請求項20に記載の変換システム。
【請求項22】
特性値として、ポーリング信号の継続時間の間に得られる積分値を算出するように機器が構成されていることを特徴とする請求項21に記載の変換システム。
【請求項23】
特性値として、所定の積分値が得られるまでの積分時間を算出するように機器が構成されていることを特徴とする請求項21に記載の変換システム。
【請求項24】
負荷の大きさに比例する、レスポンス信号として検出された電流の積分値の増加速度を算出するように機器が構成されていることを特徴とする請求項21に記載の変換システム。
【請求項25】
特性値として電圧上昇を算出するための機器が配備されていることを特徴とする請求項20に記載の変換システム。
【請求項26】
変換システム(1,2,3)に常に電流を印加するための機器(8,9)が配備されており、その結果得られた電圧と一定の電圧との偏差が電流強度に関する制御変数として使用されることと、
そのモジュール内で、その制御変数が判定基準として用いられることと、
を特徴とする請求項20に記載の変換システム。
【請求項27】
負荷増幅器(12)のドリフトを補正するための機器(13,14,15)が配備されており、それが変換システム(1,2,3)に常に印加している電流がポーリング信号として使用されることと、
そのモジュール内で、その電流の生成を制御する制御信号が判定基準として用いられることと、
を特徴とする請求項21に記載の変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508706(P2013−508706A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534693(P2012−534693)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065817
【国際公開番号】WO2011/048155
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(398055255)アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (30)
【Fターム(参考)】