説明

電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の制御回路、電子機器

【課題】本発明は、消費電力が低減された電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の制御回路、電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、走査線駆動回路とデータ線駆動回路との駆動電圧を生成する電圧生成部13と、複数の画素からなる電気泳動表示部5に表示される画像データのうち少なくともデータ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、特徴量に基づいて電圧生成部13の駆動周波数を制御するCPU15と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の制御回路、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置として、一対の基板間に液相分散媒と電気泳動粒子とを有する電気泳動素子を挟持した構成のものが知られている。この種の電気泳動表示装置では、電気泳動素子を挟持する一対の電極に電圧を印加することで電気泳動粒子の分布状態を変化させて表示を行う。この電気泳動素子は、予め対向基板側に形成され、素子基板と接着するための接着層までを含めた電気泳動シートとして構成されている。そして、電気泳動シートの接着層と素子基板上の絶縁膜とが接着されることで、電気泳動表示装置が構成されている。
【0003】
電気泳動表示素子は上述した構成となっており、接着剤を介して、異なる電圧が印加される画素電極間でリーク電流が発生する。画素電極間の電位差により発生するリーク電流は、白表示と黒表示との境界数が多いほど増大する。また、このリーク電流は温度上昇に伴い増加する傾向がある。
【0004】
電気泳動素子においては、画素電極のみならず、TFTアレイ基板(素子基板)の配線容量を充放電させる必要がある。配線容量に関してはデータ線を画素電圧に応じた電圧で充電するため、白黒を交互に描画するパターンであるほど、データ線の無駄な充放電電力を消費してしまう。
【0005】
このように、電気泳動表示装置の消費電力は表示を切り替える際に増加する。つまり、隣り合う画素間で異なる表示を行う場合、白表示の画素と黒表示の画素との境界長さで消費エネルギーが決定され、温度のみならず、描画データに消費電力が大きく依存する。このため、従来の電源構成としては、最大負荷を想定してDCDC電源を駆動する必要があった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−175409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献1記載では、画像データのリーク電流量に応じて画像表示にかかる動作モードを省電力モードと通常モードに切り替えることにより、電力の消費を抑えていたが、画像データに対して対応が2種類しかないため、最適な方法とは言えなかった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、消費電力が低減された電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の制御回路、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気泳動表示装置は、複数の走査線と、前記複数の走査線に対して交差する複数のデータ線と、前記複数の走査線のうち一の走査線と前記複数のデータ線のうち一のデータ線との交点に対応して設けられた複数の画素と、前記画素と前記一のデータ線との間に電気的に接続された駆動トランジスタと、前記複数の走査線が電気的に接続された走査線駆動回路と、前記複数のデータ線に電気的に接続され、表示される画像に応じて前記複数のデータ線のうち一のデータ線に複数のデータ信号を順次出力するデータ線駆動回路と、前記走査線駆動回路と前記データ線駆動回路との駆動電圧を生成する電圧生成部と、前記複数の画素からなる表示部に表示される画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、表示部に画像データを送信するに先立って、画像データのうち少なくともデータ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、この特徴量に基づいて電圧生成部の駆動周波数を電圧制御部において制御するようになっている。このように、画像を表示する前に電圧生成部にかかる負荷や画素間に生じるリーク電流量を見積もるとともに、かかる見積もりに基づいて画像表示に係る電圧生成部の駆動周波数を設定し、負荷やリーク電流量が大きくなりやすい画像データによる表示を行う場合と、負荷やリーク電流量が小さい画像データによる表示を行う場合とで電圧生成部の駆動周波数を変更させることによって、電力の消費を抑えることができる。
【0011】
また、前記電圧制御部は、前記表示部に表示される前記画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと前記第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御する電圧制御部と、を有することとしてもよい。
【0012】
本発明によれば、表示部に画像データを送信するに先立って、画像データの走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、この特徴量に基づいて電圧生成部の駆動周波数を電圧制御部において制御することによって、データ線に沿う方向だけでなく走査線に沿う方向において階調の異なる画素データの境界長さを特徴量として抽出することができる。このように、画像データ全てに関し、電圧生成部にかかる負荷やリーク電流量を見積もるようになっている。そして、かかる見積もりに基づいて画像表示に係る電圧生成部の駆動周波数を設定することができる。これにより、多数回の画像データ転送が不要なSRAM方式の画素構造においても、負荷やリーク電流量が大きくなりやすい画像データによる表示を行う場合と、負荷やリーク電流量が小さい画像データによる表示を行う場合とで電圧生成部の駆動周波数を変更させることによって、電力の消費を抑えることができる。
【0013】
本発明の電気泳動表示装置の制御回路は、複数の走査線と、前記複数の走査線に対して交差する複数のデータ線と、前記複数の走査線のうち一の走査線と前記複数のデータ線のうち一のデータ線との交点に対応して設けられた画素と、前記画素と前記一のデータ線との間に電気的に接続された駆動トランジスタと、前記複数の走査線が電気的に接続された走査線駆動回路と、前記複数のデータ線に電気的に接続され、前記複数の画素からなる表示部に表示される画像に応じて前記複数のデータ線のうち一のデータ線に複数のデータ信号を順次出力するデータ線駆動回路と、前記表示部と前記走査線駆動回路と前記データ線駆動回路との駆動電圧を生成する電圧生成部とを備えた電気泳動表示装置の制御回路であって、前記表示部に表示される画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御する電圧制御部を備え、前記表示部に送信する画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出する特徴量取得ステップと、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を設定する駆動周波数設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、表示部に画像データを送信するに先立って画像データから特徴量を取得し、評価するので、画像を表示する前に電圧生成部にかかる負荷や画素間に生じるリーク電流量を見積もることができる。本発明では、画像データのうち少なくともデータ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出することによって、電圧生成部にかかる負荷や画素間に生じるリーク電流量を見積もるようになっている。そして、かかる見積もりに基づいて画像表示に係る電圧生成部の駆動周波数を設定することができる。これにより、負荷やリーク電流量が大きくなりやすい画像データによる表示を行う場合と、負荷やリーク電流量が小さい画像データによる表示を行う場合とで電圧生成部の駆動周波数を変更させることによって、電力の消費を抑えることができる。
【0015】
本発明の電気泳動表示装置の制御回路は、前記電圧制御部は、前記表示部に表示される画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御し、前記表示部に送信する画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出する特徴量抽出ステップと、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を設定する駆動周波数設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、表示部に画像データを送信するに先立って画像データから特徴量を取得し、評価するので、画像を表示する前に電圧生成部にかかる負荷や画素間に生じるリーク電流量を見積もることができる。本発明では、画像データの走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出することによって、画像データ全てに関し、電圧生成部にかかる負荷やリーク電流量を見積もるようになっている。そして、かかる見積もりに基づいて画像表示に係る電圧生成部の駆動周波数を設定することができる。これにより、多数回の画像データ転送が不要なSRAM方式の画素構造においても、リーク電流の生じやすい画像データによる表示を行う場合と、リーク電流の生じにくい画像データによる表示を行う場合とで電圧生成部の駆動周波数を変更させることによって、リーク電流の発生を抑えつつ、電力の消費を抑えることができる。
【0017】
また、前記特徴量取得ステップが、前記画像データにおいて、前記表示部の互いに隣接する画素にそれぞれ対応する前記第1の階調の前記画素データと前記第2の階調の前記画素データとの境界の数をカウントするステップであることとしてもよい。
本発明によれば、画像データの構成から、合理的にリーク電流量を見積もることができる。したがって、適切に動作モードを選択して画像表示を行うことができる。
【0018】
また、前記特徴量取得ステップが、前記画像データに予め埋め込まれた前記特徴量を前記画像データから抽出するステップであることとしてもよい。
本発明によれば、特徴量が予め画像データに埋め込まれているので、入力された画像データを解析する必要がなくなる。したがって、回路規模を大きくすることなく電気泳動表示装置に実装することができる。
【0019】
本発明の電子機器は、先に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、常に高効率かつ安定した電圧で駆動する電気泳動表示装置を備えているので、省電力な電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態の電子ブックリーダーの外観図。
【図2】第1実施形態の電子ブックリーダーの内部構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態の電気泳動表示装置の電気的構成の一例を示す回路図。
【図4】電気泳動素子の動作説明図、(a)白表示、(b)黒表示。
【図5】電圧生成部の電気的構成の一例を示す回路図。
【図6】電気泳動表示装置の動作例を説明するための模式図。
【図7】電圧生成部の周波数特性を示すグラフ。
【図8】第2実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す概略構成図。
【図9】第2実施形態の電気泳動表示部の画素の回路構成図。
【図10】画像データにおける境界のカウント方法を説明するための図。
【図11】画像データにおける境界のカウント方法を説明するための図。
【図12】画像データにおける境界のカウント方法を説明するための図。
【図13】電子機器の一例である腕時計を示す図。
【図14】電子機器の一例である電子ペーパーを示す図。
【図15】電子機器の一例である電子ノートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態の電気泳動表示装置は、所定のページに区切られたドキュメントからなる電子ブック等を閲覧できる電子ブックリーダーである。
図1は、本実施形態の電子ブックリーダー100の外観図である。
図1に示すように、電子ブックリーダー100は、筐体101と、筐体101の一方の面に形成された矩形状の開口部101aに装着された入力装置114と、入力装置114の背面に配置された電気泳動表示部5と、を備えている。筐体101には、ページ送りボタン105と、ページ戻しボタン106と、決定ボタン108と、スキップ送りボタン115と、スキップ戻しボタン116とを含む操作部113が設けられている。
【0024】
入力装置114は、ペン200(スタイラス)を表面で摺動させる操作による座標入力が可能な座標入力装置である。入力装置114としては特に限定されず、種々の形態のものを用いることができる。具体的には、以下の(1)〜(4)の方式を例示することができる。
【0025】
(1)容量性アレイ又は抵抗性アレイに対してスタイラスの先端部を直接接触させる方式。
(2)ユーザがデータを入力し、所望の動作を実行する際に磁気先端構造のスタイラスあるいは電磁界発生型のスタイラスと相互作用する電磁デジタイザを用いる方式。
(3)デジタイジングアレイに信号を送信するためのRF送信器を備えたスタイラスを用いるタイプ。
(4)入力面から反射するようにスタイラスの先端部内に配置される可視光源あるいは赤外光源のような光源を組み込む方式。
【0026】
なお、図1では電気泳動表示部5の前面側に入力装置114を配置しているが、入力装置114の方式が上記(2)又は(3)、あるいは(1)のうち容量性アレイを備えたものである場合には、電気泳動表示部5の背面側に入力装置114を配置することもできる。
【0027】
ページ送りボタン105は、電気泳動表示部5に現在表示されているドキュメント(電子ブック)の次ページ以降を、1回ボタンを押す毎に1ページずつ送って表示させる機能を起動する操作部である。ページ戻しボタン106はドキュメントの前ページ以前を、1回ボタンを押す毎に1ページずつさかのぼって表示させる機能を起動する操作部である。
スキップ送りボタン115は、1回ボタンを押す毎に、例えば10ページ先のページを表示させる機能を起動する操作部である。スキップ戻しボタン116は、1回ボタンを押す毎に、例えば10ページ前のページを表示させる機能を起動する操作部である。スキップ送りボタン115及びスキップ戻しボタン116のページスキップ数は任意に設定することができる。
【0028】
図2は、本実施形態の電子ブックリーダー100の内部構成を示すブロック図である。
電子ブックリーダー100は、図2に示すように、電源部4、電気泳動表示部5、メインコントローラー(制御回路)63、を備えている。電源部4は、電池(バッテリ)14、電圧生成部13、HV電源29を備えており、メインコントローラー63は、CPU(Central Processing Unit;電圧制御部)15、駆動コントローラー18、メモリ17を備えており、各部は、バスを介して信号を授受可能に接続されている。
【0029】
電圧生成部13は、電気泳動表示部5の走査線駆動回路61とデータ線駆動回路62との駆動電圧をそれぞれ生成する回路であって、電池14から電圧の供給を受けて駆動される。
この電圧生成部13は、電気泳動表示部5に表示される画像データに基づいて駆動周波数が設定される。具体的に、電圧生成部13は、走査信号G1,G2,…,Gmの電圧VG(トランジスタのゲートオン電圧)を生成してHV電源29に出力する。
また、データ信号d1,d2,…,dnの基準電圧V0、最大電圧VD1(正極性の場合の黒電圧)、及び最小電圧VD2(負極性の場合の黒電圧)を生成してHV電源29に出力する。更に、コモン電圧VCOMを生成して電気泳動表示部5に設けられた共通電極に出力する。これら最大電圧VD1及び最小電圧VD2は、基準電圧V0を中心として対称となるような値に設定されている。
【0030】
HV電源29は、走査線駆動回路61に対応するVY電源19と、データ線駆動回路62に対応するVX電源20とを備えている。
VY電源19は、走査線駆動回路61に対して電圧生成部13によって生成された所定の電圧を供給する回路であり、駆動コントローラー18によって出力状態が制御される。
VX電源20は、データ線駆動回路62に対して電圧生成部13によって生成された所定の電圧(データ線Sの駆動に必要な電圧)を供給する回路であって、駆動コントローラー18からの制御信号に基づいてその電流の供給能力が切り替え可能となっている。また、VX電源20は、データ線駆動回路62に対して所定の正の電圧と、負の電圧とを供給する電源である。
【0031】
CPU15は、メモリ17に格納された基本制御プログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラムおよびデータを読み込み、それら各種プログラムおよびデータをメモリ17内に設けられるワークエリアに展開実行して、電子ブックリーダー100が備える各部の制御を実行する。例えば、メモリ17に記憶した画像データに基づいて駆動コントローラー18を制御して、電気泳動表示部5に画像データを表示したり、電気泳動表示部に専用ペン200で描かれた画像や文字を表示したりする。また、本実施形態のCPU15は演算部16を備えている。
本実施形態におけるCPU15は、演算部16において算出された電気泳動表示部5に表示される画像データの演算結果に基づいて、電圧生成部13の駆動周波数を制御するようになっている。
【0032】
演算部16は、メモリ17から画像データを構成する画素データ群を読み出して内部に保持し、これら画素データ群を内部で解析することで異なる階調のデータ間の境界の数をカウントするものである。
【0033】
なお、演算部16は、CPU15の内部に保持した画像データと、電気泳動表示部5の画素配列情報とを用いて、演算処理により特徴量を取得することができる。あるいは、メモリ17に展開された画像データをCPU15に取り込み、かかる画像データから特徴量を取得してもよい。
【0034】
また、駆動コントローラー18は、CPU15から送られてきた画像データに基づいてHV電源29(VY電源19、VX電源20)を駆動して、走査線駆動回路61及びデータ線駆動回路62に対して、電気泳動表示部5に画像を表示させるための電圧を供給するものである。
本実施形態では、特に、駆動コントローラー18は、電気泳動表示部5の複数の画素10によって表示されている画像を書き換えるための負荷を解析し、その負荷に応じてVX電源20の電流供給能力を切り替え、切り替えを行った後、複数の画素10によって表示されている画像を書き換える制御を行うようになっている。
【0035】
メモリ17は、CPU15が各種プログラムにしたがって、上記処理を実行するときに、各種プログラムを展開するワークエリアを形成するとともに、CPU15により実行される各種処理に係るデータを展開するためのメモリ領域を形成する。
本実施形態におけるメモリ17には、電圧生成部13の駆動周波数と、画像データの特徴量とを対応付けたテーブルが記憶されている。
【0036】
なお、メモリ17としては、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)やMRAM(Magnetoresistive random access memory)等の不揮発性メモリを使用する。メモリ17として不揮発メモリを使用することで、利用者によるコンテンツの閲覧時間に関わらず、1ページ分のコンテンツの表示に消費されるメモリ17の消費電力を一定とすることができ、表示可能ページ数を容易かつ正確に算出することができる。これに対してメモリ17として駆動用電池の電力を消費するDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリを使用する方法では、コンテンツの閲覧時間に応じてメモリ17の消費電力が変化してしまい、表示可能ページ数を精度よく算出することが困難となる。
【0037】
電気泳動表示部5は、複数の画素10(図4)がアレイ状に形成された電気泳動表示部5と、電気泳動表示部5の画素形成領域の一辺端部に沿って設けられた走査線駆動回路61(図4)と、上記画像形成領域の他の一辺端部に沿って設けられたデータ線駆動回路62(図4)と、を備えている。具体的な構成については後述するものとする。
【0038】
図3は、本実施形態の電圧生成部の電気的構成の一例を示す回路図である。
図3に示すように、電圧生成部13は、DCDCコンバータによって構成された電源装置であって、いわゆるスイッチング・レギュレータである。
電圧生成部13は、インダクタL、スイッチSW、ダイオードD1、抵抗R1,R2、キャパシタCs、発振回路31、誤差アンプAMPを備えており、インダクタLの他端に接続されたスイッチSWをオン・オフし、インダクタLの他端から引き出されるパルス上のスイッチ電圧を整流、平滑することによって、入力電圧Vinを昇圧して出力電圧Voutを生成する構成とされている。この電圧生成部13は、電源電圧と接地電位GNDとの電位差を用い、正極性の選択電圧を生成して出力するものである。
【0039】
インダクタLの一端は、入力電圧Vinが印加される入力端子33に接続されている。スイッチSWを構成するトランジスタのドレインはインダクタLの他端に接続され、ゲートは、発振回路31に接続されている。
ダイオードD1のアノードはインダクタLの他端に接続され、カソードは電圧生成部の出力端子34に接続されている。キャパシタCsの一端はダイオードD1のカソードに接続され、他端は接地端(GND)に接続されている。
出力端子34(Vout)と接地端(GND)との間には負荷RLOADが接続される。
【0040】
誤差アンプAMPは、抵抗R1、R2の接続ノードから引き出される帰還電圧Vfbと、電池14(直流電圧源)で生成される基準電圧Vrefとの差分を増幅して誤差電圧Verrを生成する。誤差アンプAMPの負入力端子には、選択電圧を抵抗R1,R2によって分圧した電圧が供給される。誤差アンプAMPの正入力端子には、基準電圧Vrefが供給される。
なお、基準電圧Vrefは、固定的ではなく、設定や温度などの環境などに応じて適宜可変される電圧である。
【0041】
図4は、電気泳動表示部5の電気的構成の一例を示す回路図である。
図4に示すように、電気泳動表示部5には、図示のX軸方向に延在する複数の走査線G(G1、G2、…、Gm)と、Y軸方向(X軸と直交する方向)に延在する複数のデータ線S(S1、S2、…、Sn)とが形成されている。走査線Gとデータ線Sとの交差部に対応して画素10が形成されている。画素10は、Y軸方向に沿ってm個、X軸方向に沿ってn個のマトリクス状に配列されており、各々の画素10に走査線Gとデータ線Sとが接続されている。また電気泳動表示部5には、HV電源29(図2)に含まれる共通電源163から延びる共通電極配線55と容量線Cとが形成されている。
【0042】
画素10には、画素スイッチング素子としての選択トランジスタ21と、保持容量22と、画素電極24と、共通電極25と、電気泳動層26とが形成されている。
選択トランジスタ21はN−MOS(Negative-channel Metal Oxide Semiconductor)TFTで構成されている。選択トランジスタ21のゲートに走査線Gが接続され、ソースにデータ線Sが接続され、ドレインには保持容量22の一方の電極と画素電極24とが接続されている。
【0043】
保持容量22は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなる。保持容量22の一方の電極は選択トランジスタ21のドレインに接続され、他方の電極は容量線Cに接続されている。保持容量22は選択トランジスタ21を介して書き込まれた画像信号を一定期間保持し、画素電極24の電位を維持する機能を奏する。
【0044】
電気泳動層26は、電気泳動素子やコレステリック液晶素子、電子粉流素子などからなる。例えば電気泳動素子としては、電気泳動粒子と分散媒とが封入されたマイクロカプセルを配列したものや、隔壁と基板により区画された空間に電気泳動粒子と分散媒とを封入したものが挙げられる。
【0045】
走査線駆動回路61は、複数の走査線Gを順次駆動する回路である。走査線駆動回路61は、電気泳動表示部5に形成された走査線Gと接続されており、各々の走査線Gを介してそれぞれ対応する行の画素10に接続されている。走査線駆動回路61は、走査線G1、G2、…、Gmの各々に選択信号をパルス状に順次供給し、走査線Gの一本一本を逐次的に選択状態にする。選択状態とは、走査線Gに接続される選択トランジスタ21がオンしている状態である。この走査線駆動回路61は、VY電源19の出力を電源とし、駆動コントローラー18から送られてくる制御信号に従って複数の走査線Gのうちの一を選択して所定の電圧を印加する。ここでは、走査線G1、G2、…、Gmに電圧生成部13で生成された所定の電圧をそれぞれ供給する。
【0046】
データ線駆動回路62は、電気泳動表示部5に形成されたデータ線Sと接続されており、各々のデータ線Sを介してそれぞれ対応する列の画素10に接続されている。データ線駆動回路62は、複数のデータ線SをVX電源20の出力を電源として一括して駆動し、表示される画像に応じて、一のデータ線Sに複数のデータ信号を順次供給する。ここでは、データ線S(S1、S2、…、Sn)に電圧生成部13で生成された所定の電圧を供給する。
【0047】
なお、後述する動作説明では、画像信号はハイレベル電位VH(例えば15V)又はローレベル電位VL(例えば0Vや−15V)の2値的な電位をとるものとしている。また本実施形態では、黒色が表示されるべき画素10に対して画素データ「0」に対応するハイレベルの画像信号(電位VH)が供給され、白色が表示されるべき画素10に対して画素データ「1」に対応するローレベルの画像信号(電位VL)が供給されるものとする。
【0048】
また、共通電極25には、共通電源163から電位Vcomが供給され、容量線Cには、共通電源163から電位が供給される。
ただし後述する動作説明では、説明の簡単のために、共通電極25の電位Vcomは、ローレベル電位VL(例えば0Vや−15V)、又はハイレベル電位VH(例えば15V)の2値的な電位をとるものとする。また容量線Cの電位は、基準電位(例えば0V)に固定されているものとする。
【0049】
次に、電圧生成部13の動作について説明する。
まず、スイッチSWがオンすると、インダクタLには、電源電圧から接地方向にオン電流Ionが流れるので、エネルギーが蓄積されることとなる。一方、スイッチSWがオフすると、オフ電流Ioffが流れるので、スイッチSWのオン期間に蓄積されたエネルギーは、ダイオードD1の順方向を介し、かつ、電源電圧に対して直列に加算されてキャパシタCsに移動することとなる。また、インダクタLに蓄積されたエネルギーが全てキャパシタCsに移動すると、ダイオードD1は逆バイアスとなるので、キャパシタCsの他端に現れる選択電圧が電源電圧側に逆流しない。このため、選択電圧VSPは、スイッチSWのオンオフ毎に、上昇することとなる。
【0050】
上述したように、本実施形態の電気泳動層26には種々の構成を適用することができるが、以下の説明では、発明を理解しやすくするために電気泳動層26が電気泳動素子であるとして説明する。
図5は電気泳動素子の動作説明図であり、図5(a)は画素を白表示する場合、図5(b)は画素を黒表示する場合をそれぞれ示している。
【0051】
図5(a)に示す白表示の場合には、共通電極25が相対的に高電位、画素電極24が相対的に低電位に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子27が共通電極25に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子28が画素電極24に引き寄せられる。その結果、表示面側となる共通電極25側からこの画素を見ると、白色(W)が認識される。
図5(b)に示す黒表示の場合、共通電極25が相対的に低電位、画素電極24が相対的に高電位に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子28が共通電極25に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子27が画素電極24に引き寄せられる。その結果、共通電極25側からこの画素を見ると黒色(B)が認識される。
【0052】
なお、本実施形態では走査線駆動回路61とデータ線駆動回路62とを備えたアクティブマトリクス方式の電気泳動表示部5を示したが、電気泳動表示部5としては、パッシブマトリクス方式やセグメント駆動方式の電気泳動パネルであってもよい。また、他のアクティブマトリクス方式を採用してもよい。例えば、画素毎に選択トランジスタと駆動トランジスタと保持容量とを備え、選択トランジスタのドレイン及び保持容量の一方の電極が駆動トランジスタのゲートに接続されている2T1C(2トランジスタ・1キャパシタ)方式を採用してもよい。あるいは、画素毎に、選択トランジスタのドレインに接続されたラッチ回路を備えたSRAM方式を採用してもよく、ラッチ回路の出力により画素電極と制御線との接続を制御する方式であってもよい。いずれの方式においても、走査線により選択トランジスタが選択された際に、データ線からの画像信号が選択トランジスタを介して画素回路内に供給され、画素電極は、当該画像信号に応じた電位となる。
これらの方式であっても、電気泳動表示部5の一部の画素10を選択的に駆動することができ、後述する駆動方法を適用して画像表示を行うことができる。
【0053】
[駆動方法]
図6は、電気泳動表示装置(電子ブックリーダー)の動作例を説明するための模式図である。
本実施形態の電気泳動表示装置の駆動方法について述べる。
ここでは、CPU15による負荷の解析とその解析結果に基づく電気泳動表示装置の制御の方法について説明する。
電気泳動表示部5の各画素10の表示状態は、白または黒として説明する。また、データ線Sに供給すべき電位レベル(データ信号)については、便宜的に、白を表示するときの電位レベルをローレベル(画素データ「0」)とし、黒を表示するときの電位レベルをハイレベル(画素データ「1」)とする。データ線Sに供給すべき電位レベルがローレベルからハイレベルに変化する場合に、電圧生成部13からデータ線Sに対して電流(例えば充電電流)が供給され、データ線Sに供給すべき電位レベルがハイレベルからローレベルに変化する場合は、電圧生成部13からデータ線Sに対して電流(例えば放電電流)が供給されることとする。
【0054】
本実施形態の電気泳動表示装置1の駆動方法は、(A)特徴量取得ステップと、(B)駆動周波数設定ステップと、を有し、ホストコンピューターからCPU15に送られてきた画像データに基づいて、電圧生成部13の駆動周波数を制御し、生成された電圧をHV電源29へ供給する。
なお、実際の駆動過程では、(A)特徴量取得ステップよりも以前に、ホストコンピューター(不図示)から表示画像の画像データがCPU15(図2)に供給され、CPU15は供給された画像データをメモリ17内に設けられるワークエリアに展開する。
【0055】
まず、(A)特徴量取得ステップでは、メモリ17から画像データDmを取得し、かかる画像データDmを回路内で解析する。この動作により、画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる画素データの階調の境界数を演算部16においてカウントする。
【0056】
具体的に、CPU15は、電気泳動表示部5の複数の画素10によって表示されている画像を書き換えるために負荷(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)を解析し、その負荷に応じて電圧生成部13からHV電源29(データ線駆動回路62)への電流供給能力を切り替えて、この切り替えを行った後、複数の画素10によって表示されている画像を書き換える制御を行うようになっている。
【0057】
なお、本実施形態において画像を書き換えるための負荷とは、データ線Sの電位を切り替える回数である。駆動コントローラー18は、画像表示を行う際、図6の複数の走査線Gを順に1本ずつ時分割で駆動し、走査線Gの選択タイミングに応じて複数のデータ線Sを所定の複数の電圧レベルに一括して駆動することで、各画素10の画素電極24の電位を設定する。
【0058】
その際、データ線Sの電位を切り替えるには、走査線Gによって選択された各画素10の画素電極24と共通電極25との間の容量だけでなく、データ線Sの寄生容量に対する電荷の充放電が必要となる。データ線Sの寄生容量に対する電荷の充放電は、走査線Gの各走査(すなわち、異なる走査線Gの各選択動作)において、表示する画素データが切り替わるごと、つまり、データ線Sの電位レベル(データ信号)が切り替わるごとに発生する。
【0059】
例えば、図4において、走査線G1の次に走査線G2が選択されるとしたとき、走査線G1が選択されたときのデータ線S1の電位レベルVdaと、走査線G2が選択されたときのデータ線S2の電位レベルVdbとが互いに異なる場合に、大きな充電または放電電流が発生し、電位レベルVdaと電位レベルVdbとが等しい場合には、充放電電流がほとんど発生しないことになる。
【0060】
そのため、本実施形態のCPU15(演算部16)は、データ線Sの各々に供給されるデータ信号に基づいて、各データ線Sの電位が切り替わる回数(反転する回数)をカウントし、これを画素間における階調の境界の数として抽出することによって、画像を書き換えるための負荷、つまり、電圧生成部13に対する負荷を解析する。
【0061】
具体的には、図6に示すように、画像データにおいて、画像データを構成する複数の画素データ「0」と複数の画素データ「1」とは、電気泳動表示部5の画素配列に対応する配列に展開されているので、演算部16は、この画素データの配列内において画素データ「0」と画素データ「1」とが縦方向で隣り合う部分における境界の数をカウントする。そして、カウントされた境界の数を特徴量として抽出する。
【0062】
次に、(B)駆動周波数設定ステップでは、CPU15は、書き換えるデータ線Sの数(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)、つまり、電圧生成部13にかかる負荷に応じて電流供給能力を切り替える。
【0063】
本実施形態におけるメモリ17には、データ信号の変化の数(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)と、電圧生成部13の駆動周波数との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている。CPU15は、演算部16において算出された、電気泳動表示部5に表示する画像データの特徴量を用いてメモリ17に記憶された駆動周波数対応テーブル(図7)を参照し、取得した駆動周波数を電圧生成部13の駆動周波数として設定する。
【0064】
上述したように、CPU15は、表示更新の際に、次に更新するフレームデータおよび電圧生成部13の周波数設定値をメモリ17から取得することになるが、電圧生成部13は、高負荷電流の場合、駆動周波数を高めることにより効率のピークが上昇する。
このため、図7に示すように、予め用意しておいたコンテンツの負荷(白黒境界数)と電圧生成部13の駆動周波数とを対応付けたテーブルにしたがって、CPU15によって算出された負荷電流に基づいて、実際に駆動させる際の電圧生成部13の駆動周波数を設定し、その周波数で電圧生成部13を駆動させる構成とすることで、最適な電源効率と安定した電圧供給が両立する。
【0065】
画像表示において、負荷電流が大きい場合には、電圧生成部13の駆動周波数も大きくなるので電圧生成部13の周波数を高くしなければならず、周波数を高くすると、効率のピークが高電流側にシフトするため、低負荷の画像データを表示する場合に効率が悪くなる。また、負荷電流が小さい場合には、電圧生成部13の駆動周波数も小さくなるので電圧生成部13の周波数を低くしなければならないが、周波数を低くすると、効率のピークが低電流側にシフトするため、高負荷の画像データを表示する場合に駆動に必要な電流が不足してしまう。
【0066】
このため、CPU15は、このメモリ17に格納されているテーブルを参照して、演算部16によって算出されたデータ信号の変化数(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)に合わせて、電圧生成部13を動作させる駆動周波数を選択することにより、データ信号の変化(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)の増加に合わせてデータ線駆動回路62の電流供給能力を大きくしている。
【0067】
本実施形態によれば、画像データの解析結果に基づいて、電圧生成部13に対するデータ線駆動回路62への電圧供給能力をページ単位で切り替えることで、駆動の負荷が小さいときには電流供給能力を小さくして効率を高め、電圧生成部13自体の消費電流を低減することができる。また、このようにして電圧生成部13の電源能力を設定することによって、電圧生成部13による安定した電圧の供給が可能となる。
【0068】
また、メモリ17には、データ信号の変化の数(画像データDmに含まれるデータ線Sに沿う方向で隣り合う異なる階調の境界数)と、電圧生成部13の駆動周波数との対応関係を示すテーブルが格納されているが、これに、温度との関係も付加してもよい。画像データの白黒境界数と使用環境の温度とによって電気泳動表示装置1の消費電力が決定されることから、これらに着目して、電圧生成部13の最適な駆動周波数を設定することにより、電圧生成部13の効率を描画データごとに最適に制御することが可能となる。したがって、使用環境温度にも対応して、常に効率のよい駆動を実現させることができ、さらなる消費電力化が可能になる。
これにより、フレーム画像の白黒境界数および温度に依存して電圧生成部13の負荷駆動能力を効率よく制御することが可能となる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の電気泳動表示装置について説明する。
図8は、第2実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す概略構成図であり、図9は、図8に示す画素の回路構成図である。
図8に示すように、電気泳動表示装置2は、複数の画素10が配列された電気泳動表示部5を備えている。電気泳動表示部5の周辺には、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、メインコントローラー63及び共通電源変調回路64が配置されている。走査線駆動回路61、データ線駆動回路62及び共通電源変調回路64は、それぞれメインコントローラー63と接続されている。メインコントローラー63は、上位装置から供給される画像データや同期信号に基づき、これらを総合的に制御する。
【0070】
電気泳動表示部5には走査線駆動回路61から延びる複数の走査線Gと、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線Sとが形成されており、これらの交差位置に対応して画素10が設けられている。
【0071】
走査線駆動回路61は、m本の走査線G(G1、G2、…、Gm)を介して各々の画素10に接続されており、メインコントローラー63の制御のもと、1行目からm行目までの走査線Gを順次選択し、画素10に設けられた駆動用TFT41(図9参照)のオンタイミングを規定する選択信号を、選択した走査線Gを介して供給する。
【0072】
データ線駆動回路62は、n本のデータ線S(S1、S2、…、Sn)を介して各々の画素10に接続されており、メインコントローラー63の制御のもと、画素10の各々に対応する1ビットの画像データを規定する画像信号を画素10に供給する。
なお、本実施形態では、画像データ(画素データ)「0」を規定する場合にはローレベルの画像信号を画素10に供給し、画像データ(画素データ)「1」を規定する場合はハイレベルの画像信号を画素10に供給するものとする。
【0073】
電気泳動表示部5にはまた、共通電源変調回路64から延びる低電位電源線49、高電位電源線50、共通電極配線55、第1の制御線91、及び第2の制御線92が設けられており、それぞれの配線は画素10と接続されている。共通電源変調回路64は、メインコントローラー63の制御のもと、上記の配線の各々に供給すべき各種信号を生成する一方、これら各配線の電気的な接続及び切断(ハイインピーダンス化)を行う。
【0074】
図9は、画素10の回路構成図である。
画素10には、図9に示すように、駆動用TFT(Thin Film Transistor)41(画素スイッチング素子)と、ラッチ回路(メモリ回路)70と、スイッチ回路80と、電気泳動素子32と、画素電極24と、共通電極25とが設けられている。これらの素子を取り囲むように、走査線G、データ線S、低電位電源線49、高電位電源線50、第1の制御線91、及び第2の制御線92が配置されている。画素10は、ラッチ回路70により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成である。
【0075】
駆動用TFT41は、N−MOS(Negative Metal Oxide Semiconductor)トランジスタからなる画素スイッチング素子である。駆動用TFT41のゲート端子は走査線Gに接続され、ソース端子はデータ線Sに接続され、ドレイン端子はラッチ回路70のデータ入力端子N1に接続されている。スイッチ回路80は、ラッチ回路70のデータ出力端子N2及びデータ入力端子N1、並びに画素電極24と接続されている。画素電極24と共通電極25との間に電気泳動素子32が挟持されている。
【0076】
ラッチ回路70は、転送インバータ70tと帰還インバータ70fとを備えている。転送インバータ70t及び帰還インバータ70fはいずれもC−MOSインバータである。転送インバータ70tと帰還インバータ70fとは、互いの入力端子に他方の出力端子が接続されたループ構造を成しており、それぞれのインバータには、高電位電源端子PHを介して接続された高電位電源線50と、低電位電源端子PLを介して接続された低電位電源線49とから電源電圧が供給される。
【0077】
転送インバータ70tは、互いのドレイン端子がデータ出力端子N2に接続されたP−MOSトランジスタ71とN−MOSトランジスタ72とを有している。P−MOSトランジスタ71のソース端子は高電位電源端子PHに接続され、N−MOSトランジスタ72のソース端子は低電位電源端子PLに接続されている。P−MOSトランジスタ71及びN−MOSトランジスタ72のゲート端子(転送インバータ70tの入力端子)は、データ入力端子N1(帰還インバータ70fの出力端子)と接続されている。
【0078】
帰還インバータ70fは、互いのドレイン端子がデータ入力端子N1に接続されたP−MOSトランジスタ73とN−MOSトランジスタ74とを有している。P−MOSトランジスタ73及びN−MOSトランジスタ74のゲート端子(帰還インバータ70fの入力端子)は、データ出力端子N2(転送インバータ70tの出力端子)と接続されている。
【0079】
ラッチ回路70に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶されると、ラッチ回路70のデータ出力端子N2からローレベルの信号が出力される。一方、ラッチ回路70に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶されると、データ出力端子N2からハイレベルの信号が出力される。
【0080】
スイッチ回路80は、第1のトランスミッションゲートTG1と、第2のトランスミッションゲートTG2とを備えて構成されている。
第1のトランスミッションゲートTG1は、N−MOSトランジスタ81とP−MOSトランジスタ82とからなる。N−MOSトランジスタ81及びP−MOSトランジスタ82のソース端子は第1の制御線91に接続され、N−MOSトランジスタ81及びP−MOSトランジスタ82のドレイン端子は画素電極24に接続されている。また、N−MOSトランジスタ81のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ入力端子N1(駆動用TFT41のドレイン端子)に接続され、P−MOSトランジスタ82のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ出力端子N2に接続されている。
【0081】
第2のトランスミッションゲートTG2は、N−MOSトランジスタ83とP−MOSトランジスタ84とからなる。N−MOSトランジスタ83及びP−MOSトランジスタ84のソース端子は第2の制御線92に接続され、N−MOSトランジスタ83及びP−MOSトランジスタ84のドレイン端子は、画素電極24に接続されている。また、N−MOSトランジスタ83のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ出力端子N2に接続され、P−MOSトランジスタ84のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ入力端子N1に接続されている。
【0082】
ここで、ラッチ回路70に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶され、データ出力端子N2からローレベルの信号が出力された場合、第1のトランスミッションゲートTG1がオン状態となり、第1の制御線91を介して供給される電位S1が画素電極24に入力される。一方、ラッチ回路70に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶され、データ出力端子N2からハイレベルの信号が出力された場合、第2のトランスミッションゲートTG2がオン状態となり、第2の制御線92を介して供給される電位S2が画素電極24に入力される。
【0083】
画素電極24は、Al(アルミニウム)などにより形成された電気泳動素子32に電圧を印加する電極である。共通電極25は、画素電極24とともに電気泳動素子32に電圧を印加する電極であり、MgAg(マグネシウム銀)、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)などから形成された透明電極である。共通電極25には、共通電極配線55を介して共通電極電位Vcomが供給される。電気泳動素子32は、画素電極24と共通電極25との電位差によって生じる電界により画像を表示させる。
【0084】
[駆動方法]
次に、上記構成を備えた電気泳動表示装置の駆動方法を説明する。
図10〜図12は、画像データにおける境界のカウント方法を説明するための図である。図10〜図12に示すように、画像データは、1画素に対応する画素データが、電気泳動表示部5と同様のマトリクス状に配列された構造である。なお、これらの図では説明を簡単にするために画像データの一部のみを抜き出して示している。
【0085】
本実施形態に係る電気泳動表示装置1では、画素データ「0」に対応するローレベルの画像信号が入力された画素10は白表示され、画素データ「1」に対応するハイレベルの画像信号が入力された画素10は黒表示される。したがって、図10〜図12では、「0」に対応する画素データを白色のタイルとして表示し、「1」に対応する画素データを黒色のタイルとして表示している。
【0086】
なお、本実施形態では、多数回の画像データ転送が不要なSRAM方式の画素構造を採用しているので、データ線Sの充放電が低下し、画素10間における電気泳動素子の接着層のリークの方が支配的になる。よって、データ線Sに沿う方向だけでなく、走査線Gに沿う方向で隣り合う異なる階調をカウントし、全画像データの階調を把握する。よって、電気泳動表示部5に表示される画像データのデータ線および走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、この特徴量に基づいて電圧生成部13の駆動周波数を制御する。
【0087】
まず、図10に示す例では、画像データDmは3行3列に配列された9個の画素データdからなる。画像データDmにおいて、図示中央に、1個の画素データ「1」(黒)が配置され、その周囲に画素データ「0」(白)が配置されている。そして、図中に矢印を付して示すタイル辺縁が、異なる階調のデータの境界である。この例の画像データDmでは、矢印を付した境界の数である特徴量は4となる。
【0088】
図11に示す例では、画像データDmは5行5列に配列された25個の画素データdからなる。画像データDmにおいて、大略S形のジグザグに並んだ5個の画素データ「0」(白)が中央部に配置されており、これらを取り囲むようにして画素データ「1」(黒)が配置されている。この場合には、境界の数である特徴量は12である。
【0089】
図12に示す例では、縦一列に並んだ3個の画素データ「1」(黒)からなる画素データ群dm1と、縦一列に並んだ2個の画素データ「1」(黒)からなる画素データ群dm2とが、画素データ「0」(白)に取り囲まれるようにして配置されている。画素データ群dm1と画素データ群dm2との間にも、画素データ「0」(白)が配置されている。この場合には、境界の数である特徴量は14である。
【0090】
図11と図12に示す画像データDmに含まれる画素データ「1」(黒)の数はいずれも5個であるが、画素データ「1」(黒)が不連続に配置されている図12の画像データDmの方が境界の数が多く、特徴量は大きくなる。
【0091】
境界の数をカウントする具体的な方法としては、種々の方法を採用することができる。
例えば、まず画像データDmの各行内で異なる階調の画素データd同士の境界数(辺の数)をカウントすることで行方向の境界数を取得する。
【0092】
次に、画像データDmの各列内で同様に境界数をカウントすることで列方向の境界数を取得する。そして、得られた行方向の境界数と列方向の境界数とを合算することで、画像データDmの特徴量(境界の数)を取得することができる。
【0093】
あるいは、画像データDmを構成する各々の画素データdについて、当該画素データdと辺が接する2〜4個の画素データdとの階調値の比較を行うことで、各画素データdに対応する境界数を取得する。そして、すべての画素データdについての境界数を合算し、これを1/2倍することで特徴量を取得することができる。
【0094】
階調の異なるリーク電流は、隣接して配置された2つの画素電極24の電位差によって生じ、電位の異なる画素電極24同士の境界は全て画素間リークの経路になるからである。したがって、階調の異なる画素データの境界数である特徴量によって電気泳動表示部5に含まれるリーク経路の数を得ることができ、これにより、画像データにおけるリーク電流を見積もることができる。そして、かかる見積もりに基づいて、画像表示にかかる電圧生成部13の駆動周波数を設定し、データ線駆動回路62に対して所定の電圧を供給することができる。これにより、電圧生成部13における電力の消費を抑えることができる。
【0095】
なお、本実施形態では、メインコントローラー63において、上位装置から入力された画像データD(あるいは画像データDm)を解析することで特徴量を取得する場合について説明したが、特徴量が画像データDに随伴して上位装置から入力される構成としてもよい。すなわち、画像データDの作成時に特徴量を画像データDに固有の情報として取得しておき、画像データDに埋め込んだ状態、あるいは画像データDとともにデータ信号としてメインコントローラー63に入力するようにしてもよい。特徴量が画像データDに埋め込まれている場合には、制御回路161やメモリ制御回路166において画像データDから特徴量を取得すればよい。あるいは画像データDから特徴量を取り出す機能をエッジカウント回路167に実装してもよい。
このように特徴量を予め取得された別個の情報として上位装置から入力するように構成すれば、エッジカウント回路167を省略可能になるので、メインコントローラー63の回路規模を縮小できる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0097】
(電子機器)
次に、上記各実施形態の電気泳動表示部5を、電子機器に適用した場合について説明する。
図13は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
時計ケース1002の正面には、上記実施形態の電気泳動表示部5からなる表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられている。時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
【0098】
図14は、電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の電気泳動表示部5を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
【0099】
図15は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、上記の電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0100】
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100、及び電子ノート1200によれば、本発明に係る電気泳動表示部5が採用されているので、輪郭の滑らかな高品位の表示が可能であり、また省電力性にも優れた表示部を備えた電子機器となる。なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0101】
G 走査線、S データ線、10 画素、TR、41 駆動トランジスタ、61 走査線駆動回路、62 データ線駆動回路、63 メインコントローラー(制御回路)、13 電圧生成部、N 特徴量、15 CPU(電圧制御部)、1,2 電気泳動表示装置、S(A) 特徴量取得ステップ、(B) 駆動周波数設定ステップ、1000 腕時計(電子機器)、1100 電子ペーパー(電子機器)、1200 (電子ノート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と、
前記複数の走査線に対して交差する複数のデータ線と、
前記複数の走査線のうち一の走査線と前記複数のデータ線のうち一のデータ線との交点に対応して設けられた複数の画素と、
前記画素と前記一のデータ線との間に電気的に接続された駆動トランジスタと、
前記複数の走査線が電気的に接続された走査線駆動回路と、
前記複数のデータ線に電気的に接続され、表示される画像に応じて前記複数のデータ線のうち一のデータ線に複数のデータ信号を順次出力するデータ線駆動回路と、
前記走査線駆動回路と前記データ線駆動回路との駆動電圧を生成する電圧生成部と、
前記複数の画素からなる表示部に表示される画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御する電圧制御部と、を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記電圧制御部は、前記表示部に表示される前記画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと前記第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
複数の走査線と、前記複数の走査線に対して交差する複数のデータ線と、前記複数の走査線のうち一の走査線と前記複数のデータ線のうち一のデータ線との交点に対応して設けられた画素と、前記画素と前記一のデータ線との間に電気的に接続された駆動トランジスタと、前記複数の走査線が電気的に接続された走査線駆動回路と、前記複数のデータ線に電気的に接続され、前記複数の画素からなる表示部に表示される画像に応じて前記複数のデータ線のうち一のデータ線に複数のデータ信号を順次出力するデータ線駆動回路と、前記表示部と前記走査線駆動回路と前記データ線駆動回路との駆動電圧を生成する電圧生成部とを備えた電気泳動表示装置の制御回路であって、
前記表示部に表示される画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御する電圧制御部を備え、
前記表示部に送信する画像データのうち少なくとも前記データ線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出する特徴量取得ステップと、
前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を設定する駆動周波数設定ステップと、を有することを特徴とする電気泳動表示装置の制御回路。
【請求項4】
前記電圧制御部は、前記表示部に表示される画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出し、前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を制御し、
前記表示部に送信する画像データの前記走査線に沿った方向で隣り合う第1の階調の画素データと、第2の階調の画素データとの境界長さを特徴量として抽出する特徴量抽出ステップと、
前記特徴量に基づいて前記電圧生成部の駆動周波数を設定する駆動周波数設定ステップと、を有することを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置の制御回路。
【請求項5】
前記特徴量取得ステップが、
前記画像データにおいて、前記表示部の互いに隣接する画素にそれぞれ対応する前記第1の階調の前記画素データと前記第2の階調の前記画素データとの境界の数をカウントするステップであることを特徴とする請求項3または4に記載の電気泳動表示装置の制御回路。
【請求項6】
前記特徴量取得ステップが、前記画像データに予め埋め込まれた前記特徴量を前記画像データから抽出するステップであることを特徴とする請求項3または4に記載の電気泳動表示装置の制御回路。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−257594(P2011−257594A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131894(P2010−131894)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】