説明

電気泳動表示装置及びその製造方法

【課題】防湿樹脂の基板外への流出を防止できるようにした電気泳動表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の電極を有する第1の基板と、前記第1の基板上に配置された電気泳動層と、前記電気泳動層上に配置されて第2の電極を有する第2の基板と、前記第1の基板上に配置されて、前記電気泳動層の外周を当該電気泳動層と隙間を持って囲む堤部と、前記第1の基板上の前記隙間の位置に配置されて前記電気泳動層の側面を覆う防湿樹脂と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気泳動粒子の分散液を一対の基板間に封入した電気泳動表示装置(例えば、特許文献1を参照)が知られている。また、近年では、この従来型の電気泳動表示装置に代わって、一対の基板間に複数のマイクロカプセルや隔壁構造を配置した構造の電気泳動表示装置が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。複数マイクロカプセルや隔壁構造の各々の内部には、複数の電気泳動粒子を溶媒に分散させた分散液が封入されている。このマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置は、マイクロカプセル型とも呼ばれ、隔壁構造を有する電気泳動表示装置は隔壁型と呼ばれている。
【0003】
マイクロカプセル型や隔壁型の電気泳動表示装置は、従来型の電気泳動表示装置に比べて、表示の長期安定性、応答性、コントラスト及び表示の書き換え可能回数などの各種性能・機能が大きく向上している。
電気泳動表示装置は、配置位置や使用形態が定まっている通常の(即ち、据え置き型の)ディスプレイに適用することができる。また、電気泳動表示装置は、シート状で薄く、軽く、用意に持ち運びすることができ、また、自在に湾曲させることができる。このため、電気泳動表示装置は、電子ブックや電子ペーパーなどのように、配置位置や使用形態に関して自由度が高いフレキシブルなディスプレイにも適用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭50−15115号公報
【特許文献2】特許2551783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気泳動表示装置において、電気泳動粒子は湿度の変化により特性が低下することが知られている。その対策として、ディスプレイの周辺部に防湿樹脂を塗布することによって、ディスプレイの内部(特に、電気泳動層)の湿度を一定に保つ必要がある。
この防湿樹脂を塗布する領域(以下、塗布領域ともいう。)は、できるだけ小さいことが望ましい。その理由は、塗布領域を小さくすることで、ディスプレイを組み込む筐体の設計自由度が増加するからである。また、素子基板において、画像表示に直接寄与しない周辺部の面積を低減することで、素子基板の取り効率を高めることができ、コストダウンが可能となるからである。
【0006】
しかしながら、サイドフィル(即ち、周辺部からの充填)による防湿樹脂の塗布方法では、防湿樹脂の流動を制御することが困難であり、素子基板の周辺部に広がる。このため、従来の技術では、防湿樹脂の広がりを考慮して周辺部を広く確保する必要があった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、防湿樹脂の基板外への流出を防止できるようにした電気泳動表示装置及びその製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気泳動表示装置は、第1の電極を有する第1の基板と、前記第1の基板上に配置された電気泳動層と、前記電気泳動層上に配置されて第2の電極を有する第2の基板と、前記第1の基板上に配置されて、前記電気泳動層の外周を当該電気泳動層と隙間を持って囲む堤部と、前記第1の基板上の前記隙間の位置に配置されて前記電気泳動層の側面を覆う防湿樹脂と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成であれば、第1の基板上に防湿樹脂が供給(例えば、塗布又は滴下)される際に、この防湿樹脂の外方向(即ち、電気泳動層から遠ざかる方向)への流動を堤部で抑制することができる。これにより、防湿樹脂が第1の基板の外側へ流出することを防ぐことができる。なお、本発明の「第1の電極」としては例えば後述する画素電極12が該当し、「第1の基板」としては例えば後述する素子基板10が該当する。「第2の電極」としては例えば後述する共通電極22が該当し、「第2の基板」としては例えば後述する対向基板20が該当する。
【0009】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記第1の基板と前記電気泳動層との間に配置されて前記第1の電極を覆う保護膜、をさらに備え、前記保護膜と前記堤部とが同一種類の樹脂で構成されていることを特徴としてもよい。このような構成であれば、第1の電極を保護膜で保護することができ、第1の電極が電気泳動層と直に接触することを防ぐことできる。また、保護膜を堤部と同一工程で形成することができる。例えば、予め選択された(即ち、所定の)樹脂を第1の基板上に供給し、供給された樹脂をフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術でパターニングする。これにより、保護膜と堤部とを同一工程で形成することができる。保護膜の形成工程を利用して、堤部を形成することができるので、製造コストの低減に寄与することができる。
【0010】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記防湿樹脂と前記堤部とが同一種類の樹脂で構成されていることを特徴としてもよい。このような構成であれば、防湿樹脂の堤部に対する濡れ性を良好なものとすることができる。これにより、防湿樹脂の外方向への流動を堤部の表面(即ち、側面及び上面)で抑制することができ、防湿樹脂が堤部を越えて流出することを防ぐことができる。
【0011】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記第1の基板は、平面視で前記第2の基板から露出している領域を有し、前記領域は、前記第1の基板の外周と前記第2の基板の外周との平面視による距離が第1の距離である第1の領域と、前記距離が前記第1の距離よりも大きい第2の距離である第2の領域と、を有し、前記堤部は、前記第1の領域に設けられた第1の堤部と、前記第2の領域に設けられた第2の堤部とを有し、前記第2の堤部の少なくとも一部は、前記第1の堤部よりも、前記第2の基板の外周から平面視で遠い位置に設けられていることを特徴としてもよい。このような構成であれば、第1の堤部と比較して、第2の堤部の少なくとも一部は、電気泳動層の側面から堤部までの距離が大きい。このため、この電気泳動層と第2の堤部の少なくとも一部との間で、より多くの防湿樹脂を貯めることができる。これにより、防湿樹脂が堤部を越えて流出することを防ぐことができる。なお、本発明の「第1の領域」としては、例えば、後述する幅狭領域R1が該当する。「第2の領域」としては、例えば、後述する幅広領域R2が該当する。
【0012】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記第2の堤部は、前記電気泳動層の外周に沿う方向に向かって蛇行しながら(即ち、平面視で左右に振れながら)延伸された形状であることを特徴としてもよい。このような構成であれば、第2の堤部の防湿樹脂と接触する長さは長くなり、防湿樹脂との接触面積は増える。このため、第2の堤部の濡れ性による、防湿樹脂の流動抑制の効果をさらに高めることができる。
【0013】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記第2の堤部には、前記堤部で囲まれた領域の内側から外側へ通じる間隙部が設けられており、且つ、前記第1の堤部には前記間隙部が設けられていないことを特徴としてもよい。このような構成であれば、第1の基板上への防湿樹脂の供給量が多すぎた場合は、防湿樹脂の余剰分は上記の間隙部を通って広さに余裕がある第2の領域へ流出する。これにより、防湿樹脂の余剰分が第1の領域から溢れ出ることを防ぐことができる。
【0014】
また、上記の電気泳動表示装置において、前記第1の基板は、平面視で前記第2の基板から露出している領域を有し、前記領域は、前記第1の基板の外周と前記第2の基板の外周との平面視による距離が第1の距離である第1の領域と、前記距離が前記第1の距離よりも大きい第2の距離である第2の領域と、を有し、前記堤部は、前記第1の領域に設けられた第1の堤部と、前記第2の領域に設けられた第2の堤部とを有し、前記第2の堤部には前記堤部で囲まれた領域の内側から外側へ通じる間隙部が設けられており、且つ、前記第1の堤部には前記間隙部が設けられていないことを特徴としてもよい。このような構成であれば、第1の基板上への防湿樹脂の供給量が多すぎた場合は、防湿樹脂の余剰分は上記の間隙部を通って広さに余裕がある第2の領域へ流出する。これにより、防湿樹脂の余剰分が第1の領域から溢れ出ることを防ぐことができる。
【0015】
本発明の別の態様に係る電気泳動表示装置の製造方法は、第1の電極を有する第1の基板と、前記第1の基板上に配置されて電気泳動層と、前記電気泳動層上に配置されて第2の電極を有する第2の基板と、を備えた電気泳動表示装置の製造方法であって、前記第1の基板の前記電気泳動層が配置される領域を当該領域と隙間を持って囲むように、前記第1の基板上に堤部を形成する工程と、前記第1の基板上に前記電気泳動層が配置された後で、前記第1の基板上の前記隙間の位置に防湿樹脂を供給して、前記電気泳動層の側面を前記防湿樹脂で覆う工程と、を含むことを特徴とする。このような方法であれば、第1の基板上に防湿樹脂を供給する際に、この防湿樹脂の外方向への流動を堤部で抑制することができる。これにより、防湿樹脂が第1の基板の外側へ流出することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の構成例を示す図。
【図2】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す図。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す図。
【図4】堤部40による防湿樹脂50の流動抑制の一例を示す図。
【図5】堤部40による防湿樹脂50の流動抑制を検証した図。
【図6】幅狭領域R1と幅広領域R2とを示した図。
【図7】第2実施形態に係る電気泳動表示装置200の構成例を示す図。
【図8】第3実施形態に係る電気泳動表示装置300の第1の構成例を示す図。
【図9】第3実施形態に係る電気泳動表示装置300の第2の構成例を示す図。
【図10】第3実施形態における第3の構成例を示す図。
【図11】第3実施形態における変形例を示す図。
【図12】第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第1の構成例を示す図。
【図13】第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第2の構成例を示す図。
【図14】第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第3の構成例を示す図。
【図15】第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第4の構成例を示す図。
【図16】第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第5の構成例を示す図。
【図17】第5実施形態に係る電気泳動表示装置100Aの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その重複する説明は省略する場合もある。
(1)第1実施形態
(1.1)構成
図1(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の構成例を示す平面図と断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、電気泳動表示装置100は、素子基板10と、素子基板10上に配置された保護膜13と、保護膜13上に配置された電気泳動層(即ち、データー表示層)30と、電気泳動層30上に配置された対向基板20と、対向基板20上に配置された防湿シート25と、素子基板10上に配置された堤部40と、防湿樹脂50と、を備える。
【0018】
素子基板10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の絶縁性の樹脂、又は、ガラス基板からなる基板本体11と、この基板本体11の一方の面に形成された複数の画素電極12と、これら複数の画素電極12を覆うように基板本体11の一方の面に形成された保護膜13と、を有する。
複数の画素電極12の各々は、例えば平面視で格子の各交点上にそれぞれ配置されており、ドットマトリクス方式による表示を可能とするものである。或いは、複数の画素電極12は、例えば平面視で数字の8の字形に配置されており、セグメント方式による表示を可能とするもの(即ち、セグメント電極)であってもよい。このような画素電極12は、例えば、Cu(銅)箔上にニッケルメッキと金メッキとがこの順番で積層された金属膜からなる。
【0019】
なお、図示しないが、素子基板10には例えば画素電極12に接続された電極配線と、この電極配線を介して画素電極12に電圧を印加する駆動回路とが設けられている。駆動回路には、各々の電極配線に対応するスイッチング素子が設けられている。さらに、素子基板10には、駆動回路に信号を入力し、或いは、信号を出力するための外部接続用端子部15が設けられている。駆動回路は、外部接続用端子部15から入力される信号に基づいて、上記のスイッチング素子をオン、オフすることにより、複数の画素電極12のうちの任意の電極に電圧を印加するようになっている。
【0020】
保護膜13は、素子基板10と電気泳動層30との間に配置されて、複数の画素電極12の各々と、これらに接続された電極配線の少なくとも一部、及び駆動回路等を覆って保護する絶縁性の膜である。この保護膜13により、複数の画素電極12の各々は、電気泳動層30と直に接触することが防がれている。保護膜13は、例えば、アクリル樹脂(即ち、アクリル基を有する樹脂)からなる。また、保護膜13の厚さは、例えば2μmである。
【0021】
対向基板20は、基板本体21と、基板本体21の一方の面に形成された共通電極22とを有する。基板本体21は、例えば、可撓性を有する絶縁性の樹脂からなる。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。共通電極22は、例えば、ITO、酸化亜鉛、金属微粒子、金属箔などの無機導電性物質や、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチオフェンなどの有機導電性物質などからなる。
【0022】
防湿シート25は、対向基板20の側(即ち、図1(b)では、上方の側)から電気泳動表示装置100内に水分が浸入することを防ぐためのものである。この防湿シート25は、例えば、PET樹脂にバリア層としてシリカコートを施した構成からなる。なお、電気泳動層30に表示される画像、文字、記号等は、例えば対向基板20の側から視認される。画像等が対向基板20の側から視認される場合は、対向基板20を構成している基板本体21及び共通電極22の各材料と、防湿シート25は、可視光を透過する有色透明又は無色透明の材料で構成されている必要がある。
【0023】
図1(b)に示すように、電気泳動層30は、素子基板10と対向基板20との間に配置された隔壁37と、複数の電気泳動粒子32と、溶媒33とを有する。隔壁37は、素子基板10と対向基板20との間で複数のセル(収容部)38を区画している。この隔壁37によって区画された複数のセル38の各々に、溶媒33がそれぞれ封入されている。また、この溶媒33には、正又は負に帯電させた複数の電気泳動粒子32が分散されている。この例では、電気泳動粒子32は、黒色の粒子と白色の粒子とを含み、一方の粒子が正に、他方の粒子が負に帯電している。
なお、図示しないが、隔壁37の平面視よる形状(即ち、平面形状)は、例えば、正方格子状、六角格子状、又は、三角格子状である。また、隔壁37の材質は、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の絶縁性樹脂、又は、シリカ、アルミナ、チタニア等のセラミックス材料である。
【0024】
堤部40は、素子基板10上に配置されており、電気泳動層30の外周を平面視で囲んでいる。堤部40の平面視による形状(以下、平面形状ともいう。)は例えば矩形の環であり、この環の内側に電気泳動層30が配置されている。図1(b)に示すように、堤部40と電気泳動層30との間には隙間16が設けられている。即ち、堤部40と電気泳動層30の側面30cとの間は、一定の距離以上離れている。この堤部40は、例えば、アクリル樹脂からなる。また、堤部40の厚さは、例えば2μmである。
【0025】
防湿樹脂50は、素子基板10上の隙間16の位置に配置されており、電気泳動層30の側面30cと対向基板20の側面20cとを覆っている。また、防湿樹脂50は、防湿シート25の外周部とも密着している。この防湿樹脂50によって、ディスプレイの内部(特に、電気泳動層30)の湿度は一定に保たれる。この防湿樹脂50は、例えば、UV(ultraviolet:紫外線)硬化性のアクリル樹脂からなる。
【0026】
この電気泳動表示装置100では、その製造過程で、防湿樹脂50の外方向(即ち、電気泳動層30から遠ざかる方向)への流動を、堤部40が抑制する。この点を含めて、次に電気泳動表示装置100の製造方法について説明する。
(1.2)製造方法
図2(a)〜図3(c)は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す断面図である。図2(a)示すように、まず、素子基板10を用意する。次に、図2(b)に示すように、樹脂膜61を塗布する。この樹脂膜61は、例えば、UV硬化性又は熱硬化性のアクリル樹脂である。樹脂膜61の塗布は、例えばスピンコーティング法で行う。樹脂膜61を塗布した後で、この樹脂膜61にUV照射処理又は加熱処理を施して、樹脂膜61を硬化させる。次に、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、樹脂膜61をパターニングする。これにより、図2(c)に示すように、樹脂膜から保護膜13と、堤部40とを同時に形成する。また、上記の保護膜13及び堤部40の形成と前後して、図3(a)に示すように、例えば素子基板10の上面10aの側に隔壁37を固定する。
【0027】
次に、隔壁37によって区画された複数のセル38の各々に、各セル38の開口部を通して、複数の電気泳動粒子32が分散された溶媒33(即ち、複数の電気泳動粒子32と溶媒33とを有する分散液)を供給する。このような各セル38内への分散液の供給は、例えば、ディスペンサーを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種塗布法により行うことができる。
【0028】
次に、図3(b)に示すように、素子基板10の一方の面(例えば、上面)10aと対向基板20の一方の面(例えば、下面)20aとを対向させ、この状態で、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。素子基板10と対向基板20との貼り合わせは、例えばロールラミネート装置内で、素子基板10と対向基板20とを上記のように対向させた状態で、これらを一対のローラー間に通して加圧することにより行う。これにより、図3(b)に示すように、隔壁37を有する電気泳動層30が素子基板10と対向基板20との間に、配置された積層体が形成される。
【0029】
なお、図3(a)では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる前に、素子基板10の上面10aの側に隔壁37を固定する場合を示しているが、これは製造方法の一例である。この第1実施形態及び、後述の各実施形態において、電気泳動表示装置の製造工程では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる前に、素子基板10の上面10aの側ではなく、対向基板20の下面20aの側に隔壁37を固定してもよい。
【0030】
即ち、対向基板20の下面20aの側に隔壁37を固定する。次に、対向基板20を上下逆さにして、対向基板20の下面20aに取り付けられた隔壁37による各セル38の開口部を、鉛直方向の上側に向ける。次に、この状態で、各セル38に分散液を供給する。その後、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせてもよい。このような場合であっても、分散液の供給時に各セル38の開口部は鉛直方向の上側を向いているため、分散液を各セル38内に溜めることができる。その結果、図3(b)に示した、隔壁37を有する電気泳動層30を形成することができる。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、対向基板20の他方の面(例えば、上面)20b上に、防湿シート25を貼付する。そして、素子基板10上の隙間16の位置に防湿樹脂50を供給(例えば、塗布又は滴下)する。例えば、図3(c)に示すように、ディスペンサー71を用意し、このディスペンサー71の先端から、素子基板10上の隙間16の位置に防湿樹脂50を滴下する。これにより、防湿樹脂50は素子基板10の上面10aで広がり、電気泳動層30の側面30cと、対向基板20の側面20cとを覆うようになる。
【0032】
また、このとき、防湿樹脂50は外方向(即ち、電気泳動層30から遠ざかる方向)へも流動する。ここで、堤部40はある程度の厚み(例えば、2μm)を有するため、防湿樹脂50の外方向への流動を抑制することができる。
また、防湿樹脂50と堤部40は同一種類の樹脂(例えば、アクリル樹脂)で構成されている。このため、防湿樹脂50の堤部40に対する濡れ性は良好である。それゆえ、図4に示すように、防湿樹脂50の一部が堤部40の上面40aにかかる場合でも、防湿樹脂50の上面40aにかかる部分の流動を、上面40aの濡れ性で抑制することができる。
その後、防湿樹脂50に例えばUV照射処理を施して、防湿樹脂50全体を硬化させる。これにより、防湿樹脂50は、その接触している各部と密着した状態で固定される。以上の工程を経て、図1(a)及び(b)に示した電気泳動表示装置100が完成する。
【0033】
(1.3)第1実施形態の効果
本発明の第1実施形態によれば、素子基板10上に防湿樹脂50が供給(例えば、塗布又は滴下)される際に、この防湿樹脂50の外方向への流動を堤部40で抑制することができる。これにより、防湿樹脂50が素子基板10の外側へ流出することを防ぐことができる。
また、保護膜13を堤部40とが同一種類の樹脂(例えば、アクリル樹脂)で構成されていることから、これらを同一工程で同時に形成することができる。保護膜13の形成工程を利用して、堤部40を形成することができるので、製造コストの低減に寄与することができる。
【0034】
また、防湿樹脂50と堤部40とが同一種類の樹脂(例えば、アクリル樹脂)で構成されていることから、防湿樹脂50の堤部40に対する濡れ性を良好なものとすることができる。これにより、防湿樹脂50の外方向への流動を堤部40の表面(即ち、側面及び上面40a)で抑制することができ、防湿樹脂50が堤部40を越えて流出することを防ぐことができる。
【0035】
(1.4)検証
本発明者は、堤部40による防湿樹脂50の流動抑制の効果を確認するため実験を行った。そして、下記の結果を得た。
図5(a)は本発明の実施形態に係る電気泳動表示装置100であり、図5(b)は比較例に係る電気泳動表示装置500である。電気泳動表示装置100、500に対して、防湿樹脂50を同一量ずつ供給したところ、電気泳動表示装置100では防湿樹脂50のフィレット(即ち、平面視で対向基板20から露出している部分)51は、堤部40の上面で留まり、素子基板10の外側へは流動しなかった。フィレット51の長さ(即ち、流動長)は何れも1.05mm未満であった。このことから、電気泳動表示装置100における、素子基板10の外周部の幅(即ち、防湿シート25の外周直下の位置から素子基板10の外周までの距離)を1.05mmまで短くすることが可能となった。一方、電気泳動表示装置500は、堤部を有さない。この電気泳動表示装置500では、フィレット51の流動長は1.7mmを超える場合があり、その一部は素子基板10の外側へ流出する場合があった。以上のように、本発明によれば、防湿樹脂50が素子基板10の外側へ流出することを防止できることが確認された。また、この効果を奏することにより、素子基板10の周辺部の幅を短くすることができ、その結果、電気泳動表示装置100を小型化できることが確認された。
【0036】
(2)第2実施形態
図6に示すように、平面視で、素子基板10の対向基板20から露出している領域(即ち、周辺領域)は、幅狭領域R1と、外部接続用端子部15が設けられている幅広領域R2とを有する。幅狭領域R1の幅(即ち、素子基板10の外周10eと対向基板20の外周20eとの平面視による距離)をAとし、幅広領域R2の幅をBとしたとき、A<Bである。幅広領域R2は幅狭領域R1よりも面積に余裕がある。そこで、本発明では、防湿樹脂50の一部を幅広領域R2に流出させるようにしてもよい。第2実施形態では、この点について説明する。
【0037】
(2.1)構成
図7は、本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置200の構成例を示す平面図である。図7に示すように、この電気泳動表示装置200は、堤部40として、幅狭領域R1に設けられた第1の堤部41と、幅広領域R2に設けられた第2の堤部42と、を有する。ここで、第2の堤部42は、平面視で対向基板20の外周20eに沿う方向(例えば、X方向)に延伸された線分の形状である。また、第2の堤部42には、堤部40で囲まれた領域の内側から外側へ通じる間隙部46が複数設けられている。第1の堤部41には間隙部46は設けられていない。
【0038】
(2.2)第2実施形態の効果
本発明の第2実施形態によれば、上記の第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加えて、素子基板10上への防湿樹脂50の供給量が多すぎた場合は、防湿樹脂50の余剰分は上記の間隙部46を通って、面積(広さ)に余裕がある幅広領域R2へ流出する。これにより、防湿樹脂50の余剰分が幅狭領域R1から溢れ出ることを防ぐことができる。
【0039】
(3)第3実施形態
また、上記の第2の堤部42は第1の堤部41よりも幅広の形状(即ち、幅方向に面積をとる形状)であってもよい。第3実施形態では、このような例について説明する。
(3.1)第1の構成
図8は、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置300の第1の構成例を示す平面図である。図8に示すように、この電気泳動表示装置300において、第2の堤部42の少なくとも一部は、第1の堤部41よりも、対向基板20の外周20eから平面視で遠い位置に設けられている。換言すれば、第2の堤部42は、平面視で対向基板20の外周20eの側に凹部47を有する。
【0040】
(3.2)第2の構成
図9は、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置300の第2の構成例を示す平面図である。図9に示すように、この電気泳動表示装置300において、第2の堤部42は、平面視で対向基板20の外周20eに沿う方向(例えば、X方向)に向かって線分が蛇行しながら延伸された形状を有する。換言すれば、第2の堤部42は、平面視でX方向に向かって凹凸が連続した形状を有する。
【0041】
(3.3)第3の構成
図10(a)及び(b)は、本発明の第3実施形態における第3の構成例を示す平面図である。図10(a)に示すように、第2の堤部41は、平面視でX方向に向かって蛇行しながら曲線が延伸された形状を有する。換言すれば、第2の堤部41は、平面視でX方向に向かって波線が連続した形状を有する。
【0042】
(3.4)第3実施形態の効果
本発明の第3実施形態(第1〜第3の構成例)によれば、上記の第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の堤部42の少なくとも一部は、第1の堤部41よりも、電気泳動層30の側面からの距離が大きい。このため、この電気泳動層30と第2の堤部42との間で、より多くの防湿樹脂50を貯めることができる。例えば、凹部47に防湿樹脂50を貯めることができる。これにより、防湿樹脂50が堤部40を越えて流出することを防ぐことができる。
また、第2、第3の構成例によれば、第2の堤部42の防湿樹脂50と接触する長さは長くなり、防湿樹脂50との接触面積は増える。このため、第2の堤部42の濡れ性による、防湿樹脂50の流動抑制の効果をさらに高めることができる。
【0043】
(3.5)変形例
なお、本発明では、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成としてもよい。以下に、その一例を示す。
図11(a)及び(b)は、第2の堤部42の変形例を示す平面図である。図11(a)に示すように、第2の堤部42は、例えば、X方向に延伸された第1の部位42aと、第2の部位42bとを含む。第1の部位42aと、第2の部位42bは並列に配置されている。また、第1の部位42aは、堤部40で囲まれた領域の内側から外側へ通じる第1の間隙部46aを有する。第2の部位42bは、堤部40で囲まれた領域の内側から外側へ通じる第2の間隙部46bを有する。そして、第1の間隙部46aと第2の間隙部46bは、Y方向において、互いに位置をずらした状態で設けられている。なお、この変形例においても、第1の堤部41には間隙部46は設けられていない。
【0044】
このような構成であれば、第1の部位42aと、第2の部位42bとの間に防湿樹脂50を貯めることができるので、防湿樹脂50が堤部40を越えて流動しないようすることができる。また、防湿樹脂50の供給量が過多であり、堤部40を越えてしまう場合でも、防湿樹脂50の余剰分は、第2の間隙部46bを通って流出する。流出先は、面積に余裕がある幅広領域R2である。これにより、上記の余剰分が幅狭領域R1から溢れて、素子基板10の外へ溢れ出てしまうことを防ぐことができる。
【0045】
(4)第4実施形態
上記の第1〜第3実施形態では、保護膜13の形成工程を利用して堤部40を形成する場合について説明した。しかしながら、本発明において、堤部は保護膜と別の工程で形成してもよく、堤部の高さや断面形状も保護膜のそれらと異なっていてよい。第4実施形態では、このような点について説明する。
(4.1)第1の構成
図12は、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第1の構成例を示す断面図である。図12において、電気泳動表示装置400が有する堤部40は、保護膜13と別の工程で形成されたものである。例えば、図2(c)に示した保護膜13の形成後、スクリーン印刷により、堤部の形状を有する樹脂を素子基板の表面に形成する。この樹脂は、UV硬化性又は熱硬化性の樹脂である。次に、この樹脂にUV照射処理又は熱処理を施して、樹脂を硬化させる。これにより、図12に示すように、保護膜13よりも厚い(即ち、高さのある)堤部40を形成する。堤部40の高さhは、例えば10〜40μmである。
【0046】
(4.2)第2の構成
図13は、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第2の構成例を示す断面図である。図13に示すように、堤部40の上面40aは、粗面化されてもよい(即ち、微細な凹凸を多数有していてもよい。)。この粗面化は、例えば、上記のUV照射処理又は熱処理により硬化した樹脂に、プラズマ処理を施すことにより行う。なお、このプラズマ処理は、樹脂以外の領域(例えば、保護膜13)をレジスト等でマスクした状態で行うことが好ましい。これにより、保護膜13等がプラズマによりダメージを受けることを防ぐことができる。このように堤部40を形成した後は、図3(a)以降の工程を行う。
【0047】
(4.3)その他の構成
図14〜図16は、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置400の第3〜第5の構成例を示す断面図である。
図14に示すように、堤部40の上面40aは、素子基板10の上面10aに対して傾斜していてもよい。この傾斜は、図14において右肩上がりの傾斜(即ち、素子基板10の外方向に向かうに従って、堤部40の高さhが高くなるような傾斜)である。
また、図15に示すように、堤部40の上面40aは段差を有していてもよい。この段差は、図15において右肩上がりの段差(即ち、素子基板10の外方向に向かって堤部40が高くなるような段差)である。また、図16に示すように、堤部40は断面視で凹状であってもよい。
【0048】
(4.4)第4実施形態の効果
本発明の第4実施形態(第1〜第5の構成例)によれば、第1実施形態と同様に、素子基板10上に防湿樹脂50が供給される際に、この防湿樹脂50の外方向への流動を堤部40で抑制することができる。これにより、防湿樹脂50が素子基板10の外側へ流出することを防ぐことができる。
また、堤部40を保護膜13よりも高くすることができる。これにより、防湿樹脂50の外側への流出をより容易に防ぐことができる。なお、この第4実施形態においても、堤部40は防湿樹脂50と同一種類の樹脂(例えば、アクリル樹脂)で構成されていてもよい。これにより、防湿樹脂50の外側への流出を、堤部40の高さと濡れ性の両方で防ぐことができる。
【0049】
(5)第5実施形態
上記の各実施形態では、電気泳動層30が隔壁37を有する場合(即ち、電気泳動表示装置100、200、300、400が隔壁型である場合)について説明した。しかしながら、本発明において、電気泳動表示装置は隔壁型に限定されるものではなく、マイクロカプセル型であってもよい。即ち、電気泳動表示装置100、200、300、400はマイクロカプセル型であり、その素子基板10と対向基板20との間に配置されている電気泳動層は、例えば、複数のマイクロカプセルと、可視光を透過する透明なバインダーとを有する、マイクロカプセル含有層であってもよい。以下、第5実施形態では、隔壁型の一例を示す。
【0050】
図17は、本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置100Aの構成例を示す断面図である。この電気泳動表示装置100Aは、第1実施形態で説明した電気泳動表示装置100をマイクロカプセル型としたものである。
図17に示すように、この電気泳動表示装置100Aは、素子基板10と、素子基板10上に配置された保護膜13と、保護膜13上に配置された電気泳動層(即ち、データー表示層)30Aと、電気泳動層30A上に配置された対向基板20と、対向基板20上に配置された防湿シート25と、素子基板10上に配置された堤部40と、防湿樹脂50と、を備える。
【0051】
ここで、電気泳動層30Aは、例えば、複数のマイクロカプセル31と、可視光を透過する透明なバインダー36とを有する、マイクロカプセル含有層である。図17に示すように、複数のマイクロカプセル31の各々は、断面視で一方が他方に積層されることなく、単層を成すように配置されている。また、マイクロカプセル31は、中空で球状の透明なカプセル本体(即ち、殻体)を有する。この殻体の内部には溶媒33が充填されている。
このような構成であっても、電気泳動表示装置100Aは堤部40を有する。このため、第1実施形態と同様に、素子基板10上に防湿樹脂50が供給される際に、この防湿樹脂50の外方向への流動を堤部40で抑制することができる。これにより、防湿樹脂50が素子基板10の外側へ流出することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0052】
R1 幅狭領域、R2 幅広領域、10 素子基板、10a (素子基板の)上面、10e (素子基板の)外周、11 基板本体、12 画素電極、13 保護膜、15 外部接続用端子部、16 隙間、20 対向基板、20a (対向基板の)下面、20b (対向基板の)上面、20c (対向基板の)側面、20e (対向基板の)外周、21 基板本体、22 共通電極、25 防湿シート、30、30A 電気泳動層、30c (電気泳動層の)側面、31 マイクロカプセル、32 電気泳動粒子、33 溶媒、36 バインダー、37 隔壁、38 セル、40 堤部、40a 上面、41 第1の堤部、42 第2の堤部、42a (第2の堤部の)第1の部位、42b (第2の堤部の)第2の部位、46 間隙部、46a 第1の間隙部、46b 第2の間隙部、47 凹部、50 防湿樹脂、51 フィレット、61 樹脂膜、71 ディスペンサー、100、100A、200、300、400、500 電気泳動表示装置、130 塗料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極を有する第1の基板と、
前記第1の基板上に配置された電気泳動層と、
前記電気泳動層上に配置されて第2の電極を有する第2の基板と、
前記第1の基板上に配置されて、前記電気泳動層の外周を当該電気泳動層と隙間を持って囲む堤部と、
前記第1の基板上の前記隙間の位置に配置されて前記電気泳動層の側面を覆う防湿樹脂と、を備えることを特徴とする電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記第1の基板と前記電気泳動層との間に配置されて前記第1の電極を覆う保護膜、をさらに備え、
前記保護膜と前記堤部とが同一種類の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記防湿樹脂と前記堤部とが同一種類の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記第1の基板は、平面視で前記第2の基板から露出している領域を有し、
前記領域は、前記第1の基板の外周と前記第2の基板の外周との平面視による距離が第1の距離である第1の領域と、前記距離が前記第1の距離よりも大きい第2の距離である第2の領域と、を有し、
前記堤部は、前記第1の領域に設けられた第1の堤部と、前記第2の領域に設けられた第2の堤部とを有し、
前記第2の堤部の少なくとも一部は、前記第1の堤部よりも、前記第2の基板の外周から平面視で遠い位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記第2の堤部は、前記電気泳動層の外周に沿う方向に向かって蛇行しながら延伸された形状であることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記第2の堤部には、前記堤部で囲まれた領域の内側から外側へ通じる間隙部が設けられており、且つ、前記第1の堤部には前記間隙部が設けられていないことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
前記第1の基板は、平面視で前記第2の基板から露出している領域を有し、
前記領域は、前記第1の基板の外周と前記第2の基板の外周との平面視による距離が第1の距離である第1の領域と、前記距離が前記第1の距離よりも大きい第2の距離である第2の領域と、を有し、
前記堤部は、前記第1の領域に設けられた第1の堤部と、前記第2の領域に設けられた第2の堤部とを有し、
前記第2の堤部には前記堤部で囲まれた領域の内側から外側へ通じる間隙部が設けられており、且つ、前記第1の堤部には前記間隙部が設けられていないことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
第1の電極を有する第1の基板と、前記第1の基板上に配置された電気泳動層と、前記電気泳動層上に配置されて第2の電極を有する第2の基板と、を備えた電気泳動表示装置の製造方法であって、
前記第1の基板の前記電気泳動層が配置される領域を当該領域と隙間を持って囲むように、前記第1の基板上に堤部を形成する工程と、
前記第1の基板上に前記電気泳動層が配置された後で、前記第1の基板上の前記隙間の位置に防湿樹脂を供給して、前記電気泳動層の側面を前記防湿樹脂で覆う工程と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−101261(P2013−101261A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245634(P2011−245634)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】