説明

電気温灸器

【課題】操作性や安全性に優れ、びわ葉エキスの有効成分を効率よく確実に患部の皮膚下に浸透させることができる電気温灸器を提供する。
【解決手段】電気温灸器1は、先端を開口した筒状ケース2と、このケース2内の先端開口部付近に設けられるヒーターユニット4と、ケース2の先端開口部に着脱自在に取り付けられる耐熱性ゴム製のキャップ5とを備える。ヒーターユニット4は、伝熱金属板7と、伝熱金属板7の裏面に固定され、外部電源3またはバッテリーからの給電により発熱する発熱体からなる。キャップ5は、先端面の中央部に発熱体からの熱の放出口14が設けられ、ケース2内のキャップ5の放出口14と伝熱金属板7との間に、びわ葉エキスなどの薬液の吸収・保持部材10が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、もぐさの燃焼熱の代わりに電気による温熱を患部に加える電気温灸器に関し、とくに、びわ葉などの薬液に含まれている有効成分を、当該患部の皮膚下に浸透させることにより、すぐれた温灸療法が行える新規な電気温灸器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温熱刺激を患部に与えて、血行をよくする、筋肉の疲れをとる、筋肉のこりをほぐす、神経痛や筋肉痛の痛みをやわらげる、胃腸の働きを活発にする等の治療効果を目的とした各種の温灸器が知られている。
【0003】
一方で、びわの生葉は昔から医者いらずといわれ、各地でかなり利用されている。たとえば、2枚のびわの葉の表面を火にあぶり、それら表面同士をすり合わせて摩擦した後、すばやく患部にあてることを繰り返して行う方式や、びわの葉を煎じて飲んだり、びわの葉の温浴法などは有効な民間療法として、今日まで伝えられ、それぞれ実際に行われている。比較的最近になって、このびわの葉には、「アミグダリン」という物質が含まれていて、この「アミグダリン」からレートリル(ビタミンB17)が抽出されること、そしてこれは温熱によって気化し、皮膚から体内に浸透して血液浄化という好ましい作用をすることなどが判明している。
【0004】
その中で、もぐさを燃焼させ、当該もぐさの燃焼温熱を患部に与えるとともに、びわの生葉などから抽出したエキスを、当該燃焼温熱を利用して気化させて、もぐさとびわ葉に含まれる有効成分を患部の皮膚下に浸透させることにより治療を行うことを目的とした温灸器がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に開示された温灸器は、かなり硬い棒状に圧縮、形成されたもぐさを摺動自在に挿入可能な、表面を断熱材で覆った金属製の円筒状本体と、その円筒状本体の先端部に着脱自在に嵌着される、もぐさ燃焼ガスの流出孔を備えた温灸キャップ部材とからなり、その温灸キャップ部材内に、びわ葉エキスなどの薬液吸収・保持材を充填する薬液気化室が形成されている。
【0006】
特許文献1による温灸器は、円筒状本体に挿入した棒状もぐさを燃焼させ、温灸キャップ部材内の薬液吸収・保持材にびわ葉エキスなどを染み込ませて円筒状本体先端部に装着し、ガス流出孔を直接患部の皮膚面に押付けて治療を行う。もぐさの燃焼熱を利用して、薬液吸収・保持材に染み込ませたびわ葉エキスを加熱して気化させるので、もぐさおよびびわ葉に含まれている有効成分を患部の皮膚下に十分浸透させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平2−38751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術では、もぐさを燃焼させることで、火を使うため取扱いには注意が必要であった。また、もぐさが燃焼する際の煙で場所によっては使用を断念せざるを得ない点や、燃焼して灰になったもぐさの後処理や薬液吸収・保持材の交換などの煩わしさ、または、好みの温度に調節しにくく、もぐさの燃焼が弱い場合にはびわ葉エキスが気化しにくいなどの課題があった。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたもので、操作性や安全性に優れ、取り扱いが容易で、しかも、びわ葉エキスの有効成分を効率よく確実に患部の皮膚下に浸透させることができる電気温灸器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の電気温灸器は、先端を開口した筒状ケースと、このケース内の先端開口部付近に設けられるヒーターユニットと、前記ケースの先端開口部に着脱自在に取り付けられる耐熱性ゴム製のキャップとを備え、
前記ヒーターユニットが、伝熱金属板と、この伝熱金属板の裏面に固定され、外部電源またはバッテリーからの給電により発熱する発熱体からなり、
前記キャップは、先端面の中央部に前記発熱体からの熱の放出口が設けられ、
前記ケース内の前記キャップの放出口と前記伝熱金属板との間に、びわ葉エキスなどの薬液の吸収・保持部材が配置されることを特徴とする。なお、ケースの形状は円筒状のほか、角筒状、多角形筒状などの筒体からなっていてもよい。
【0011】
このような電気温灸器によれば、外部電源またはバッテリーのON/OFFのみで、熱源であるヒーターユニットの発熱体の温度を上げて、伝熱金属板を介してびわ葉エキスなどの薬液の吸収・保持部材を加熱し、吸収・保持されているびわ葉エキスなどの薬液を気化させることができる。もぐさを燃焼させるものではないので、火を使用することなく安全に温灸治療を行うことができ、煙の発生もないので使う場所を選ばないという利点がある。外部電源を利用する場合は、商用電源100Vのコンセントがあればよく、バッテリーによる給電であれば屋外での使用も可能である。
【0012】
また、使用中でも、びわ葉エキスなどの薬液を補充することが可能であり、薬液の吸収・保持部材の交換は、キャップを外して新品の吸収・保持部材を伝熱金属板とキャップとの間に配置するだけでよく、使用時やメンテナンス時の操作性が優れている。
【0013】
本発明に係る電気温灸器は、前記ケースの外周面に、ON/OFFスイッチボタンが設けられているとよい。
【0014】
このような電気温灸器は、治療の途中での電源の入/切が容易で、たとえば、薬液の補充や吸収・保持部材の交換などでスイッチを切る場合でも、いちいち電源コードを抜いたりバッテリーを外したりしなくてよいので、操作が容易である。
【0015】
本発明の電気温灸器はさらに、前記発熱体の発熱温度を段階的に変更できる温度制御回路が内蔵されているとともに、発熱温度の調整用の複数個の押しボタンが前記ケースの外周面に設けられていることが望ましい。
【0016】
このような電気温灸器であれば、使用者が好みの温度を選択することができ、使用部位および熱感の個人差などに合わせて快適にかつ幅広く使用することができる。
【0017】
本発明の電気温灸器は、前記伝熱金属板の表面には、加熱することにより遠赤外線を含むテラヘルツ波を放射する鉱石の粉粒体が焼き付けられていることを特徴とする。
【0018】
ここでいうテラヘルツ波とは、毎秒1兆(テラ、1012)回のオーダーで振動している電磁波のことで、その振動数(周波数)領域が0.1〜100THz(テラヘルツ)であることから、電波のように物質を透過する性質と、光のように直進する性質を持っているといわれている。テラヘルツ波領域には、地球上のあらゆる生体の固有振動数があるとされ、人体に安全で有用な電磁波と考えられていて、テラヘルツ波を使用してガン細胞の判定を行う研究もされている。テラヘルツ波は、放射線等のように細胞の核や核の中の遺伝子を破壊または傷つけることなく、逆に、生体を透過する際に細胞の歪みを正しく調和させ、細胞を活性化させる働きがあると言われている。透過性があるため、身体を芯からじっくり暖めることができ、その結果、細胞や血液が活性化され、毛細血管が拡張して血流が促進され、新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力が向上するとともに、汗といっしょに余分な体脂肪や老廃物などが排出される。
【0019】
一方、遠赤外線は、テラヘルツ波領域に含まれる電磁波であるが、透過性のあるテラヘルツ波と異なり、反射性および一部が物質の表面を構成している分子の振動に吸収される性質をもつ。このような性質の遠赤外線が身体に照射されると、遠赤外線は身体の表面付近で吸収されて、その部位を暖める作用をする。
【0020】
本発明の電気温灸器は、上記のような遠赤外線を含むテラヘルツ波を放射する鉱石の粉粒体を表面に焼き付けた伝熱金属板を使用しているため、温灸治療中に発熱体に導電して熱を発生させると、伝熱金属板を介して鉱石の粉粒体が加熱され、放射された遠赤外線とテラヘルツ波とが互いに影響し合って、身体の表面部だけでなく内部(体内)を温めることができる。また、吸収・保持部材から気化したびわ葉のエキスなどの薬液が透過性のテラヘルツ波によって患部の皮膚下に浸透しやすくなり、細胞の活性化や血液浄化などの温灸治療効果がさらに高められる。
【0021】
前記伝熱金属板の表面には、加熱することにより遠赤外線を含むテラヘルツ波を放射する鉱石またはその粉粒体から加工された薄い板材が貼着(貼り付け)されていてもよい。
【0022】
本発明の電気温灸器は、前記鉱石が天照石であることが好ましい。
【0023】
天照石は、学会名をMitate conglomerateといい、加熱されることにより上記遠赤外線を含むテラヘルツ波を発する鉱石のなかで、細胞の活性化と免疫力向上において最も高い臨床効果をあげている鉱石である。したがって、このような天照石の粉粒体を焼き付けた伝熱金属板を有する電気温灸器、または、天照石そのものまたはその粉粒体から加工された薄い板材が貼着された伝熱金属板を有する電気温灸器は、発熱体により伝熱金属板が加熱されることにより、遠赤外線とテラヘルツ波とを放射するので、遠赤外線による作用とテラヘルツ波による作用とを発揮し、さらにびわ葉エキスなどの薬液による作用も合わせて、より良好な温灸治療効果をもたらす。
【0024】
本発明の電気温灸器はさらに、前記伝熱金属板の表面からテラヘルツ波を含む遠赤外線とともに、マイナスイオンが放射されることを特徴とする。
【0025】
天照石には、マイナスイオンを発生させる作用もあることが知られている。マイナスイオンは、排気ガスや放射線、紫外線などの影響で体内にプラスイオンが多い状態のとき、体内に取り込まれることでイオンバランスを改善し、血液の浄化、細胞の賦活化、抵抗力の増進、自律神経の調整などの作用をする。その結果、食欲増進、血圧降下、疲労回復などの良好な効果が得られる。したがって、このような伝熱金属板を備えた電気温灸器を用いて温灸治療を行えば、遠赤外線のもつ上記作用と、テラヘルツ波のもつ上記作用と、マイナスイオンのもつ上記作用とが得られるとともに、テラヘルツ波の透過光線でびわ葉エキスを蒸発させて皮膚に浸透させるので、さらに良好な温灸治療効果が期待できる。
【0026】
本発明の電気温灸器は、前記キャップが、特定の振動情報が記録されたセラミックの粉体を練り込んだ耐熱性のゴムで形成されていることを特徴とする。
【0027】
古くから、物質の「性質」をあらわす「情報」だけを水に記憶させ、その「情報」を治療に活用する、という考え方が存在する。この代表例であるホメオパシーの基本的な考え方によれば、たとえばある薬草の抽出液を水で希釈し、その希釈を繰り返していくと、やがて薬草の分子は統計的には一分子もなくなり、その薬草の性質をあらわす「情報」だけが水に残り、その水を患者に投与すると、薬草と同じ効果が患者の身体に現れるという。その「情報」とは、物質あるいは生体内に存在する「電子レベルの振動」として捉えられている。ここでいう特定の振動情報とは、そのような「情報」のうち、「生命活動を続けている状態にのみ生体から発せられる振動情報」をさす。このような特定の振動情報が記録された物質は、特殊な蘇生波長を持ち、それゆえに有害物質を除去し、電磁波をマスキング(消去)し、生体が本来持っている「生命力」を高める機能を持つとされている。
【0028】
振動情報の伝達機能をもつ物質には、水、鉱石、塩などがあることが知られている。振動情報を水(精製水)に記録させて振動情報記録水を生成する方法の詳細が、PCT/JP2003/010122号公報およびPCT/JP2003/010123号公報に記載されている。この振動情報記録水を58人の被験者に飲料してもらい、飲料前と飲料後にストレス値を測定するテストを、ニプロ株式会社製の酵素分析装置「唾液アミラーゼモニター」により行った結果が公表されている(表1)。
【0029】
【表1】

【0030】
表1から、飲料前の平均値が69KU/L、飲料後の平均値が25KU/Lと大きく下がっていることがわかる。最も大きく下がったのは、被験者番号30番で、振動情報記録水の飲料前のストレス値223KU/Lが、飲料後に24KU/Lにまで下がっている。この値の評価は、測定数値において、
0〜30KU/L・・・ストレスなし
31〜45KU/L・・・ストレスがややある
46〜60KU/L・・・ストレスがある
61〜200KU/L・・ストレスがだいぶある
とされていることから、振動情報は、これを記録した振動情報記録水を飲料して体内に取り込むことにより、ストレスを抑制する効果があるといえる。
【0031】
電気温灸器は、このような特定の振動情報が記録されたセラミックの粉体を練り込んだ耐熱性のゴムで形成されたキャップを備えているので、このキャップを患部にあてて温灸治療を行っている間、キャップの中のセラミックの粉粒体から放出された振動情報が体内に取り込まれ、人体に害を及ぼす電磁波をマスキング(消去)し、ストレスを抑制し、生体が本来持っている生命力を高める作用をする。
【0032】
本発明の電気温灸器はさらに、前記セラミックにはサイモス60加工が施されていることを特徴とする。
【0033】
サイモス60加工というのは、上記の振動情報をもつ振動情報記録水に対象物を7日間程度浸漬したのちに乾燥させることにより、同じ振動情報を対象物に記録・保存する加工をいう。このサイモス60加工が生体に好影響を及ぼすことを示す例として、サイモス60加工を施した衣料品についての2種類のテストが行われている。以下、その詳細を説明する。
【0034】
まず、サイモス60加工を施したTシャツとソックスを被験者が着用し、被験者の血流量の変化を計測している。測定は、大阪府立産業技術総合研究所(人体・感覚計測分野)が行っている。計測の条件および方法は以下のとおりである。
【0035】
・被験者 5人(男性)
・計測機器 レーザー血流計FL0-C1
・測定場所 気温26度、湿度40%の環境室
・計測方法
(1) 通常の、すなわち未加工のTシャツとソックスで環境室に入り、15分間待機(環境に順応するため)。
【0036】
(2) 15分間、血流を測定する。(×5名)
(3) サイモス60加工を施したTシャツとソックスに着替える。
【0037】
(4) (1)、(2)の流れで測定を行う。
【0038】
測定結果を表2に示す。数値は、細胞100gに対し1分間の血流量を数値で表したもので、それを14回計測、その平均値を記載している。
【0039】
【表2】

【0040】
表2からわかるように、例外なく被験者は明らかにサイモス60加工Tシャツおよびソックスを着用したほうが、血流量が有意に増加している。このことから、サイモス60加工衣料品は、健康の維持・増進に貢献するのではないかという仮説が成立する。
【0041】
また、サイモス60加工Tシャツについて、帯電性の試験(摩擦帯電電荷量測定)も大阪府立産業技術総合研究所が依頼を受けて行っている。測定の条件および方法は以下のとおりである。表3は測定結果を示す。
【0042】
・気温20度、湿度20%(静電気の起こり易い設定)。
【0043】
・試験方法:JIS L 1094.5.3に基づく試験方法で、サイモス60加工Tシャツと未加工Tシャツ(共に綿100%)に、JIS規格に基づいた負荷で、ナイロン布とアクリル布で摩耗をかけて静電気を起こし、その平均値を出す(未加工Tシャツは、一般市販Tシャツを利用)。
【0044】
【表3】

【0045】
なお、上記値は平均値である。サイモス60加工Tシャツにおける最大値は、ナイロン摩擦布「よこ」に対する6.5μC/m2で、未加工Tシャツにおける最大値は、アクリル摩擦布「よこ」に対する19μC/m2であった。また、数値の読み方は、
1μC/m2前後・・・ほとんど静電気は感じない程度の帯電量
5μC/m2前後・・・埃が寄ってくるくらいの静電気発生量
10μC/m2以上・・バチッという不快感を感じる帯電量
である。
【0046】
表3から、サイモス60加工Tシャツは、通常の(未加工の)Tシャツに比べて、静電気量が圧倒的に小さいことがわかる。この結果から、サイモス60加工衣料品は、静電気が非常に起こりにくい性質をもち、特に対アクリルにおいては、極めて高い静電気防止効果があるということが判明した。
【0047】
したがって、このようなサイモス60加工を施したセラミックの粉体をゴムに練り込んで形成したキャップから、生体を活性化させる振動が発せられるので、このキャップを備える電気温灸器は、これまでに記載したさまざまな効果に加えて、血流量の増加や静電気防止の効果をも示し、さらに高い温灸治療効果が期待できる。
【0048】
吸収・保持部材を、中央部を開口した環状の液体吸収綿にすることが考えられる。吸収・保持部材の中央部が開口していることにより、伝熱金属板からの熱が効率的に患部に放射されるからである。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る電気温灸器は、操作性、安全性にすぐれているとともに、身体の表面も芯もじっくり暖める作用があり、びわ葉エキスなどの薬液の有効成分が患部の皮膚下に浸透しやすく、血液浄化、細胞の活性化、毛細血管の拡張、新陳代謝、免疫力、自然治癒力の向上、生命力の向上、電磁波除去、ストレス抑制、血流量増加、静電気防止といった、さまざまな身体に良好な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例に係る電気温灸器1を示す斜視図である。
【図2】電気温灸器1のヒーターユニット4およびキャップ5を説明するための、先端部分を拡大した断面図である。
【図3】電気温灸器1の先端部分を分解した斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の一実施形態としての電気温灸器について、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0052】
図1〜図3に示すように、実施例1に係る電気温灸器1は、先端を開口した略円筒状の耐熱樹脂製ケース2の後端部(基端部)に電源供給部(電源コード)3を有し、ケース2内の先端部にはヒーターユニット4を備え、またケース2の先端部には患部に接触させて熱を与えるキャップ5を着脱自在に設けている。ヒーターユニット4は、発熱体6と伝熱金属板7と略リング状支持部材8とからなる。電源供給部3に接続された発熱体6は、伝熱金属板7の裏面に固定されている。伝熱金属板7は、支持部材8に一体に形成されていて、支持部材8を介してケース2に固定されている。
【0053】
電気温灸器1は、電源のスイッチ回路および発熱体6の温度を5段階に設定した温度調節回路を内蔵し(図示せず)、ケース2の外周面上に、電源のON/OFFスイッチボタン11と、温度調節用押しボタン12、5個の温度表示ランプ(LED)13が備えられている。電源のON/OFFスイッチボタン11の近くには、電源がONのときに点灯する電源ランプ(LED)11aが設けられている。
【0054】
ヒーターユニット4の伝熱金属板7は鋼鉄製で、前面(表面)に、薄板状に加工した天照石の板材9を貼り付けている。
【0055】
キャップ5は中央部に熱の放出口14が設けられており、サイモス60加工が施されているセラミックの粉体(図示せず)を練り込んだ耐熱性のゴムで形成されている。詳しくは、物質あるいは生体内に存在する「電子レベルの振動」として捉えられている、「生命活動を続けている状態にのみ生体から発せられる振動情報」を、PCT/JP2003/010123号公報に記載されている方法で記録・保存させた振動情報記録水に、セラミックの粉体を7日間浸漬し、乾燥させ、振動情報を記録・保持させて(この加工をサイモス60加工という)から、耐熱性のゴムに練り込んで、キャップ5に形成している。
【0056】
伝熱金属板7とキャップ5の間に、びわ葉エキスなどの薬液を吸収・保持させた、中央部に開口部15を設けた環状の液体吸収綿10を装着している。
【0057】
また、発熱体6の発熱温度が、設定温度に達した際に、電子ブザーによる合図音が鳴るよう、図示しない温度検知回路と合図音出力回路が組み込まれている。さらに、電源を入れてから60分が経過すると電子ブザーが鳴り、電源ランプ11aと温度表示ランプ13が消灯し、自動的に停止するよう、図示しないタイマー回路も組み込まれている。
【0058】
以下、電気温灸器1の使用方法について説明する。使用者は、伝熱金属板7の前面に液体吸収綿10を装着し、キャップ5をヒーターユニット4の支持部材8に嵌着する。液体吸収綿10に、別途用意したびわ葉エキスを染み込ませる。電源コード3をAC100Vの電源コンセント(図示せず)に接続し、電源のON/OFFスイッチボタン11を長押しして電源を入れる。このとき、電源ランプ11aと、5個の温度表示ランプ13のうち真ん中のランプが点灯する。温度を変更する場合は、温度調節用押しボタン12を長押しして、設定温度を切り替える。温度調節用押しボタン12を長押しするたびに温度表示ランプ13が順に点灯し、温度が切り替わったことを表示する。温度検知回路が設定温度になったことを検知したら、合図音出力回路から電子ブザーが発信されるので、キャップ5を患部に押し当てて温灸治療を行う。
【0059】
上記に本発明に係る電気温灸器について実施例を示したが、下記のように実施することができる。
【0060】
・上記実施例では,100Vの商用電源を用いて発熱体に給電して加熱するようにしたが、たとえば一次電池あるいは二次電池のバッテリーをケース内に内蔵してバッテリーから供給される直流電流で発熱体を加熱するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施例では、ケースの形状を円筒形にしているが、これに限定されるものではなく、たとえば隅角部を面取りした四角筒形や多角筒形にすることができる。
【0062】
・薬液としてはビワ葉エキス以外に、たとえば非ステロイド性消炎鎮痛液がある。インドメタシンが代表例で、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する。
【符号の説明】
【0063】
1 電気温灸器
2 ケース
3 電源コード
4 ヒーターユニット
5 キャップ
6 発熱体
7 伝熱金属板
8 支持部材
9 天照石薄板
10 液体吸収綿
11 ON/OFFスイッチボタン
11a電源ランプ(LED)
12 温度調節用押しボタン
13 温度表示ランプ(LED)
14 キャップ5の放出口(放熱口)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を開口した筒状ケースと、このケース内の先端開口部付近に設けられるヒーターユニットと、前記ケースの先端開口部に着脱自在に取り付けられる耐熱性ゴム製のキャップとを備え、
前記ヒーターユニットが、伝熱金属板と、この伝熱金属板の裏面に固定され、外部電源またはバッテリーからの給電により発熱する発熱体からなり、
前記キャップは、先端面の中央部に前記発熱体からの熱の放出口が設けられ、
前記ケース内の前記キャップの放出口と前記伝熱金属板との間に、びわ葉エキスなどの薬液の吸収・保持部材が配置されることを特徴とする電気温灸器。
【請求項2】
前記ケースの外周面に、ON/OFFスイッチボタンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気温灸器。
【請求項3】
前記ケースに、前記発熱体の発熱温度を段階的に変更できる温度制御回路が内蔵されているとともに、発熱温度の調整用の複数個の押しボタンが前記ケースの外周面に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の電気温灸器。
【請求項4】
前記伝熱金属板の表面には、加熱することにより遠赤外線を含むテラヘルツ波を放射する鉱石の粉粒体が焼き付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気温灸器。
【請求項5】
前記伝熱金属板の表面には、加熱することにより遠赤外線を含むテラヘルツ波を放射する鉱石またはその粉粒体から加工された薄い板材が接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気温灸器。
【請求項6】
前記鉱石が天照石であることを特徴とする請求項4または5に記載の電気温灸器。
【請求項7】
前記伝熱金属板の表面から遠赤外線を含むテラヘルツ波とともに、マイナスイオンが放射されることを特徴とする請求項6に記載の電気温灸器。
【請求項8】
前記キャップが、特定の振動情報が記録されたセラミックの粉体を練り込んだ耐熱性のゴムで形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気温灸器。
【請求項9】
前記セラミックにはサイモス60加工が施されていることを特徴とする請求項8に記載の電気温灸器。
【請求項10】
前記吸収・保持部材が、中央部を開口した吸湿性環状板からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電気温灸器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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