説明

電気自動車の空調制御装置

【課題】電気自動車の走行可能距離の確保を優先し、車載バッテリの充電率に応じてプレ空調のON/OFFを制御することが可能な電気自動車の空調制御装置を提供する。
【解決手段】外部電源2を通じて車載バッテリ115の充電を行う電気自動車1の空調制御装置を、外部電源2による車載バッテリ115の充電時であって乗車予定時刻の一定時間前にバッテリ115の充電率と予め設定した判定値とを比較し、バッテリ115の充電率が予め設定した判定値以上であればプレ空調ONの信号を出力し、バッテリ115の充電率が予め設定した判定値より低い場合はプレ空調OFFの信号を出力する電子制御部111を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の空調制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載バッテリを出力源として電気モータを駆動し動力を得る電気自動車にあっては、車載バッテリは、電気モータのほか、各種ランプ類、空調機器等の様々な電装品の電力源となる。そのため、例えば走行中の空調機器の使用は車載バッテリの消費電力を増加させ、該電気自動車の走行可能距離を短縮させるという問題があった。
【0003】
このような問題に対し、従来、電気自動車の走行可能距離を確保するために、外部電源による車載バッテリの充電時に外部電源によって車室内の空調(以下、プレ空調という)を行う、具体的には、外部電源による車載バッテリの充電時であって乗車予定時刻の一定時間前に、外部電源から供給される電力により充電に優先して電動エアコンを駆動するように構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−65815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているように外部電源による車載バッテリの充電時に、充電に優先して電動エアコンを駆動するようにした場合、車載バッテリの充電率の高低に関わらず充電を中止し電動エアコンを稼動させることとなるために、充電率が低い状態で電動エアコンが稼動された場合等には、電気自動車の走行可能距離が短くなってしまうという問題があった。
【0006】
このようなことから本発明は、電気自動車の走行可能距離の確保を優先し、車載バッテリの充電率に応じてプレ空調のON/OFFを制御することが可能な電気自動車の空調制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る電気自動車に搭載される空調制御装置は、外部電源を通じて車載バッテリの充電を行う電気自動車の空調制御装置であって、前記車載バッテリの充電状態を監視・制御するバッテリ調整手段と、前記電気自動車の車室内の温度を調整する空調機器の制御を行う空調機器制御手段と、前記外部電源による前記車載バッテリの充電時であって乗車予定時刻の一定時間前に空調機器を駆動させるプレ空調の空調モード及び空調終了時刻の設定を行う指示手段と、設定された前記空調モード及び空調終了時刻に基づきプレ空調の開始時刻及び前記開始時刻までの待機時間を算出し、該待機時間に基づいてプレ空調のON/OFFを指示する信号を出力する通信制御手段と、前記通信制御手段からプレ空調ONの信号が入力されたときに前記バッテリ調整手段により得られる前記車載バッテリの充電率と予め設定した判定値とを比較し、前記車載バッテリの充電率が前記予め設定した判定値以上であればプレ空調ONの信号を出力し、前記車載バッテリの充電率が前記予め設定した判定値より低い場合はプレ空調OFFの信号を出力する電子制御手段と、前記電子制御手段からプレ空調ONの信号が入力された場合は前記外部電源から供給された電力を前記車載バッテリ及び前記空調機器又は前記空調機器のみに供給し、前記電子制御手段からプレ空調OFFの信号が入力された場合は前記外部電源から供給された電力を前記車載バッテリに充電する充電手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明に係る電気自動車の空調制御装置は、第1の発明において、前記指示手段が、前記電気自動車との間で非接触に通信を行うことが可能に構成された外部端末であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述した第1の発明に係る電気自動車の空調機器制御装置によれば、バッテリの充電時において、プレ空調開始時刻にバッテリの充電率が所定の充電率以上であればプレ空調を実行する一方、バッテリの充電率が所定の充電率に満たない場合はバッテリの充電を優先しプレ空調を行わないというように、バッテリの充電状態に応じて該バッテリの充電率の確保を優先するようにプレ空調を制御する構成としたことにより、プレ空調の設定をしたことに伴って走行可能距離が短くなることを防止することができるとともに、電気自動車の使用中に、バッテリに充電された電力をモータによって使用し走行距離を延ばすことを優先するか、又は、空調装置によって使用し車室内空間を快適にすることを優先するかを利用者側で選択することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0010】
また、第2の発明に係る電気自動車の空調制御装置によれば、指示手段を、電気自動車との間で非接触に通信を行うことが可能に構成された外部端末とすることにより、プレ空調の設定等にかかる作業をより円滑に行うことが可能となり作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る電気自動車の空調制御装置を以下に示す実施例において詳細に説明する。
【0012】
図1乃至図4に基づいて本発明の一実施例を説明する。図1は本実施例に係る電気自動車のシステム構成を示すブロック図、図2は本実施例に係る電気自動車の空調制御装置の制御の流れを示すフローチャート、図3は本実施例に係る電気自動車の通信制御部の制御の流れを示すフローチャート、図4は本実施例に係る各種制御の動作を時系列的に示す説明図である。
【0013】
図1に示すように、本実施例において電気自動車1は、交流電圧100V又は200Vの家庭用の電源などの外部電源2からケーブルを介して電力を供給されるとともに、指示手段としての外部端末(以下、携帯端末という)3と例えば非接触型ICカード、赤外線通信等を用いて非接触に通信が行えるように構成されている。
【0014】
電気自動車1には、電気自動車1全体の電子的な制御を行う電子制御手段としての電子制御部(Electric Vehicle‐Electronic Control Unit;EV−ECU)111が設けられている。電子制御部111には、電力供給手段としての充電器(Charger;CHG)112、充電状態監視手段としてのバッテリマネジメントユニット(Battery Management Unit;BMU)113、及びコンプレッサ・ヒータ制御部(Compressor & Controller;COMP&HTR−ECU)114がそれぞれコントローラ・エリア・ネットワーク(Controller Area Network;CAN)により接続され、各々との間で相互に情報をやり取りすることができるようになっている。更に、バッテリマネジメントユニット113は車載バッテリである高電圧バッテリ115とCANにより接続されている。
【0015】
充電器112は、外部電源2を通じてバッテリ115又は後述する空調手段としての空調機器119へ電力を供給する部分であり、電子制御部111から出力される信号に基づいて電力の供給先を制御することができるように構成されている。
【0016】
また、バッテリマネジメントユニット113は、バッテリ115の状態、例えば、バッテリ115の充電率等の監視を行い、電気自動車1に搭載された図示しない電気モータや後述する空調機器119等の電装品に対してバッテリ115が供給する電力量の調整等を行う部分である。
【0017】
また、コンプレッサ・ヒータ制御部114は、電子制御部111から出力される信号に基づいてコンプレッサおよびヒータのON/OFFの制御を行う部分であり、電動ポンプ116及び電動温水ヒータ117に対してシリアル通信により制御信号を送信することができるようになっている。
【0018】
更に、コンプレッサ・ヒータ制御部114は空調制御手段としての空調機器制御部118との間でシリアル通信により相互に信号を送受信できるように構成されている。空調機器制御部118は空調機器119の制御を行う部分であり、例えば、コンプレッサ・ヒータ制御部114から出力される信号に基づいて空調機器119に対してシリアル通信により制御信号を送信する等により該空調機器119を制御する。
【0019】
更に、電子制御部111は、通信制御手段としての通信制御部(Mobile phone Operation System;MOS−ECU)120との間でシリアル通信によって相互に信号の送受信が行えるようになっている。通信制御部120は携帯端末3との通信の制御を行う部分であり、時計機能120aを備えている。時計機能120aは少なくとも経過時間のカウント、及び、例えば、一日を24時間と認識し24時以降はそれ以前とは異なる日付と認識する等の簡単な日時の管理を行うことができるものである。
【0020】
本実施例においては、例えば電気自動車1の運転席側に設けられた計器の近傍等、乗員が携帯端末3と通信を行ないやすい位置に携帯端末3との間で通信を行うための送受信部が設けられ、該送受信部に配された通信機121を介して通信制御部120が携帯端末3と通信を行うように構成されている。
【0021】
また、携帯端末3は、プレ空調を行う際に必要な情報を設定し、電気自動車1側へ提供するものであって、時計機能311、情報処理手段としてのアプリケーション312、及び通信機313を備えている。時計機能311は精密な時刻の管理が可能であり、アプリケーション312に対して時刻を提供することができるように構成されている。アプリケーション312は、例えば、プレ空調を実行するために必要となる空調モード(冷房/暖房)やプレ空調終了時刻(乗車予定時刻)等の設定を行う部分である。
【0022】
アプリケーション312において設定された情報(以下、プレ空調設定情報という)は、通信機313、通信機121を介して携帯端末3から電気自動車1へ入力され、また、通信制御部120から送信された情報は、通信機121、通信機313を介して携帯端末3に入力される。なお、本実施例において、通信機313及び通信機121の間の通信は非接触で行うものとする。
【0023】
以下、図2乃至図4を用いて上述した本実施例の空調制御装置による空調制御について詳細に説明する。
【0024】
本実施例においてプレ空調を実行する場合、乗員等の利用者はまず、携帯端末3のアプリケーション312を用いて空調モード(冷房又は暖房)の選択及びプレ空調終了時刻(乗車予定時刻)teの入力等、必要事項の設定を行う。すなわち、予めプレ空調に必要となる全ての情報を携帯端末3において設定する。
【0025】
これらの設定が終了したら、上述したように電気自動車1の運転席側近傍に設けられた受信部に対して携帯端末3から上記プレ空調設定情報を送信する。なお、このとき携帯端末3からは時計機能311からアプリケーション312に提供された送信時の精密な時刻(以下、送信時刻という)t0を同時に送信するようにする。携帯端末3から送信されたプレ空調設定情報、プレ空調開始時刻ts及び送信時刻t0は、通信機121を介して通信制御部120に入力され、該通信制御部120において保存される。
【0026】
そして、通信制御部120では、入力されたプレ空調設定情報と、送信時刻t0とに基づいて演算処理を行い、プレ空調開始時刻ts、及び入力時刻からプレ空調開始時刻までの待機時間twを算出し、プレ空調設定情報、プレ空調開始時刻ts及び待機時間twに基づいて図2に示す処理を実行する。
【0027】
即ち、図2に示すように、通信制御部120は、通信機121を介してプレ空調設定情報、プレ空調開始時刻ts及び待機時間twを受信する(ステップS11)と、入力されたプレ空調設定情報、プレ空調開始時刻ts及び待機時間twに基づき、時計機能120aを利用して時刻を監視しつつ待機する(ステップS12)。
【0028】
そして、時計機能120aによる時刻の監視において、プレ空調開始時刻(ここではプレ空調終了時刻の30分前)tsになったか否か、即ち待機時間twが経過したか否かの判定を行い(ステップS13)、待機時間twが経過していない、即ちプレ空調開始時刻ts以前であると判断した場合(NO)はステップS12に戻り待機を継続する。
【0029】
一方、待機時間twが経過しプレ空調開始時刻tsに達したと判断した場合(YES)は、通信制御部120から電子制御部111に対してシリアル信号で出力しているプレ空調開始信号をONに切り換える(ステップS14)。このとき、プレ空調開始信号をONに切り換えるとともに空調モード信号、即ち、プレ空調として冷房を行うのか暖房を行うのかという情報を同時に出力する。
【0030】
次に、時計機能120aによる時刻の監視において、プレ空調終了時刻teに達したか否かの判定を行い(ステップS15)、プレ空調終了時刻te以前であると判断した場合(NO)はステップS14に戻り、プレ空調開始信号ONの出力を継続する。一方、プレ空調終了時刻teに達したと判断した場合(YES)はプレ空調開始信号をOFFとする(ステップS16)。
【0031】
更に、本実施例の空調制御装置において、上述した図2に示す処理によって出力されるプレ空調開始信号のON/OFFに基づいて、図3に示す処理を行う。
【0032】
図3に示すように、本実施例の空調制御装置は、まず電子制御部111において通信制御部120から出力されるプレ空調開始信号がONであるかOFFであるかの判定を行う(ステップS21)。
【0033】
そして、プレ空調開始信号がOFFである(NO)場合は、再び該ステップS21の判定に戻る。一方、プレ空調開始信号がONである(YES)場合は、電子制御部111においてバッテリマネジメントユニット113が監視しているバッテリ115の充電率(state of charge:SOC)が判定値(ここでは、80%)以上か否かの判定を行う(ステップS22)。
【0034】
その結果、バッテリ115の充電率(SOC)が判定値より低い(NO)場合は電子制御部111からコンプレッサ・ヒータ制御部114に対してプレ空調OFFを送信し、外部電源2の電力を全てバッテリ115の充電に利用する。これにより、プレ空調開始時刻tsを経過している場合であってもプレ空調は行われず、バッテリ115の充電が優先される。
【0035】
一方、バッテリ115の充電率(SOC)が判定値以上である(YES)場合には外部電源2の余剰電力をプレ空調に利用可能と判断し、電子制御部111からコンプレッサ・ヒータ制御部114に対しプレ空調ON、即ち、プレ空調許可信号(モード信号、即ち、冷房モードであるのか暖房モードであるのかの情報を含む)を送信する(ステップS23)。
【0036】
コンプレッサ・ヒータ制御部114は、プレ空調許可信号を受信すると空調機器制御部118に対してプレ空調実行フラグONを送信し、これを受信した空調機器制御部118によって空調機器119が制御されプレ空調制御(冷房又は暖房)が実行される(ステップS24)。このとき、車室内の空調は、通常の空調を行う場合とは異なるプレ空調専用モードで実行されるものとし、プレ空調が実施されている間、プレ空調実行フラグは常に出力された状態を維持するものとする。例えば、本実施例においてプレ空調は、電気自動車に乗車中に利用する空調の設定(内気、外気、温度設定等)に関わらず、充電率に依存して設定値を変更するプレ空調用のモードにより空調装置が作動するように設定されているものとする。
【0037】
図4(b)、(c)、(d)、(e)に、一例としてプレ空調の実施に係るバッテリ115の充電率(SOC)のプレ空調可否に係る判定値を80%、プレ空調開始時刻tsをプレ空調終了時刻teの30分前とし、プレ空調開始時刻tsにおいてバッテリ115の充電率が80%以上である場合における、通信制御部120、電子制御部111、コンプレッサ・ヒータ制御部114、及び空調機器制御部118の動作を示す。なお、図4(a)は電気自動車1のイグニッション(IG)の状態を示している。
【0038】
図4に示すように、通信制御部120は、イグニッションがOFFの状態、換言すると、ギアがパーキングに入っている状態で、時計機能120aによる時刻の監視においてプレ開始時刻ts、即ちプレ空調終了時刻の30分前であることを検知するとプレ空調開始信号をONに切り換える。通信制御部120からプレ空調開始信号ONを受信した電子制御部111は、電源をONに切り換え、続いてプレ空調をONに切り換える処理を行う。
【0039】
CAN通信は電子制御部111の電源ONと同時に開始され、電子制御部111からプレ空調ONを受信した空調機器制御部118は、プレ空調許可フラグをONにするとともに空調機器119との間でUART通信、つまりデータ変換を行って、プレ空調をONとし、プレ空調を実行する。なお、このとき空調制御装置118において空調の通常制御はOFFの状態となっている。
【0040】
空調機器119は空調機器制御部118によるプレ空調許可フラグONを受信すると、プレ空調を実行するとともにプレ空調実行フラグをONに切り換える。
【0041】
一方、通信制御部120の時計機能120aによる時刻の監視において、プレ空調終了時刻te(出発予定時刻)になったと判断されると、通信制御部120はプレ空調開始信号をOFFに切り換える。通信制御部120からプレ空調開始信号OFFを受け取った電子制御部111は、プレ空調をOFFに切り換える。
【0042】
電子制御部111におけるプレ空調OFFの信号を受け取った空調機器制御部118は、プレ空調許可フラグをOFFに切り換える。プレ空調許可フラグOFFの信号を受け取った空調機器119は、プレ空調制御をOFFとするとともにプレ空調実行フラグをOFFとする。これにより、プレ空調の制御が終了する。なお、電子制御部111の電源及びCAN通信についてはプレ空調制御が終了した後にOFFに切り換えられる。
【0043】
その後、利用者が電気自動車1を利用する場合には、イグニッションがONとなると同時に電子制御部111の電源、CAN通信、UART通信、及び通常の空調制御等が必要に応じて稼動するように構成されている。
【0044】
上述した本実施例に係るプレ空調機器制御装置によれば、バッテリ115の充電時において、プレ空調開始時刻tsにバッテリ115の充電率が所定の充電率以上であればプレ空調を実行する一方、バッテリ115の充電率が所定の充電率に満たない場合はバッテリ115の充電を優先しプレ空調を行わないというように、バッテリ115の充電状態に応じて該バッテリ115の充電率の確保を優先するようにプレ空調を制御する構成としたことにより、プレ空調の使用により走行可能距離が短くなることを防止することが可能となるとともに、電気自動車の使用中に、バッテリに充電された電力をモータによって使用し走行距離を延ばすことを優先するか、又は、空調装置によって使用し車室内空間を快適にすることを優先するかを利用者側で選択することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0045】
なお、上述した本実施例の空調制御装置においては、電気自動車1は車室内の温度を監視する車室内温度監視手段を設け、例えば車室内の温度が所定の温度範囲外となった場合に、電子制御部111からの指示により空調機器119を停止するようにする機能を備えるようにすれば好適である。
【0046】
また、上述した実施例においてはプレ空調の空調モード、プレ空調終了時刻等の設定を携帯端末3において予めプレ空調に必要な全ての情報を入力した後に電気自動車1側との通信を行い、情報を送信する例を示したが、プレ空調の空調モード、プレ空調終了時刻等の情報は各項目ごとに各々電気自動車1側に送信するようにしてもよく、また、指示手段としては携帯端末3に限らず、例えば電気自動車1に搭載された入力手段を用いる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、電気自動車の空調制御装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例に係る空調制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る空調制御装置の通信制御部による処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係る空調制御装置による処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係る空調制御装置を構成する装置の動作を時系列的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 電気自動車
2 外部電源
3 携帯端末
111 電子制御部
112 充電器
113 バッテリマネジメントユニット
114 コンプレッサ・ヒータ制御部
115 バッテリ
116 電動ポンプ
117 電動温水ヒータ
118 空調機器制御部
119 空調機器
120 通信制御部
121 通信機
311 時計
312 アプリケーション
313 通信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源を通じて車載バッテリの充電を行う電気自動車に搭載される空調制御装置であって、
前記車載バッテリの充電状態を監視・制御するバッテリ調整手段と、
前記電気自動車の車室内の温度を調整する空調機器の制御を行う空調機器制御手段と、
前記外部電源による前記車載バッテリの充電時であって乗車予定時刻の一定時間前に空調機器を駆動させるプレ空調の空調モード及び空調終了時刻の設定を行う指示手段と、
設定された前記空調モード及び空調終了時刻に基づきプレ空調の開始時刻及び前記開始時刻までの待機時間を算出し、該待機時間に基づいてプレ空調のON/OFFを指示する信号を出力する通信制御手段と、
前記通信制御手段からプレ空調ONの信号が入力されたときに前記バッテリ調整手段により得られる前記車載バッテリの充電率と予め設定した判定値とを比較し、前記車載バッテリの充電率が前記予め設定した判定値以上であればプレ空調ONの信号を出力し、前記車載バッテリの充電率が前記予め設定した判定値より低い場合はプレ空調OFFの信号を出力する電子制御手段と、
前記電子制御手段からプレ空調ONの信号が入力された場合は前記外部電源から供給された電力を前記車載バッテリ及び前記空調機器又は前記空調機器のみに供給し、前記電子制御手段からプレ空調OFFの信号が入力された場合は前記外部電源から供給された電力を前記車載バッテリに充電する充電手段と
を備えることを特徴とする電気自動車の空調制御装置。
【請求項2】
前記指示手段が、前記電気自動車との間で非接触に通信を行うことが可能に構成された外部端末である
ことを特徴とする請求項1記載の電気自動車の空調制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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