説明

電気設備火災抑制装置

【課題】電気設備の異常を迅速に検知し、火災前段階での発熱も検知できると共に火災発生時に確実に消火可能な電気設備火災抑制装置を提供する。
【解決手段】高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備10と、高電圧受変電設備10に配置される高電圧ケーブル11を監視する非接触式赤外線センサー20と、非接触式赤外線センサー20に接続される制御装置40と、高電圧受変電設備10に配置され、制御装置40の指令に基づいて消火剤噴射する消火装置30とを備え、非接触式赤外線センサー20は、高電圧ケーブル11から放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された赤外線をアナログ電流信号に変換し、制御装置40は、アナログ電流信号から温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、温度の逆算値が第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、消火装置30に消火剤噴射指令を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キュービクル等の高電圧を扱う電気設備の火災抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の大容量の負荷設備を備えた建築物や建築現場等では、電力会社から供給された三相交流6,600V等の高電圧を、高電圧架空配電線又は地下埋設の高電圧ケーブルを介して、高電圧で受電するための機器一式を金属製の外箱に収めた受電盤(キュービクル)等の高電圧を扱う電気設備へ引き込み、ここで変圧器により100V、200V、400V等に降圧させ、各種の電灯負荷や動力負荷に供給している。
キュービクルは、主遮断装置の種類により、PF−S形、CB形がある。PF−S形は、主遮断装置に高圧源流ヒューズ(PF)、高圧交流負荷開閉器(LBS)を用い、受電設備容量300kVA以下の場合に用いられる。遮断装置が簡素なため金属箱を小型化しやすい利点がある。CB形は、主遮断装置にCB遮断機(VCB(真空遮断機)が一般的)を用い、受電設備容量4,000kVA以下の場合に用いられる。
【0003】
従来、キュービクル等の高電圧を扱う電気設備では、火災が発生した場合、監視を行っている人員が現場へ駆けつけ、設備付近にある消火器を用いて消火を行っていた。
しかしながら、火災報知器を取り付けていない、あるいは、火災報知器があっても感度が悪く、警報が遅れる場合も多く、火勢が強くなり監視員が駆けつけるまでに設備に致命的な損害が出る虞があり、設備の重要度によっては自動消火装置を取り付ける必要性がある。
キュービクル等を主とする高電圧を扱う電気設備の火災において、比較的易燃性で火源となるのは樹脂製の外皮を有するケーブル類である。ケーブル類は、電気的な過負荷により異常な発熱を起こすものであるが、経年劣化等から絶縁性が低下して設備機器の発熱が発生し樹脂製のケーブル外皮等が燃え出すという事例が多い。
中には、ネズミ、ヘビ等の小動物の侵入により短絡が発生し、予期せぬ部位から火災となる事例が知られている。
【0004】
従って、キュービクル等の高電圧を扱う電気設備では、ケーブル等のくすぶり火災において、早期に異常を検知でき、また予期せぬ部位からの火災となった場合でも確実に火災を検知することができ、設備の火災を消火できることはもとより、設備の被害を最小限に抑えることができ、工業用として安価な自動消火装置が望ましい。
この問題を解決するために、種々の提案が為されている。
例えば、複数の小区画で構成された電気設備において、各区画より内部空気(火災煙の有無)のサンプリングを行う装置を使用する高感度煙感知器にて火災を早期に検知すること及びエアロゾル消火装置を用いて消火することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、防火監視対象空間を赤外線カメラで撮影し、画像処理を行うことによって火気と思われる熱源を判定、警報するシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、小型の電気火災向けデバイスとして、複数種類のセンサー(煙、温度、炎等)を併用した検知方式による電気機器、家電製品用の消火デバイスが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−78468号公報
【特許文献2】特開2000−132763号公報
【特許文献3】特開2006−334064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の高感度煙感知器を用いた消火装置では、サンプリング設備の設置施工及び感知器自体が高価である上に、煙のサンプリング設備が大掛かりとなり、施工に手間がかかりコストが非常に高いといった問題がある。
また、特許文献2に記載の赤外線カメラを用いる設備では、カメラ、画像データ処理機材ともに高価である上に、設備が大掛かりとなり、施工に手間がかかりコストが非常に高いといった問題がある。
しかも、一次検知として高感度煙感知器に集約した場合、異常個所を限定した検出ができず、特定の区画のみの消火剤を噴射ができない。赤外線画像方式でも密閉された複数の小区画を同時監視することは困難であるという問題がある。
また、特許文献3に記載のように、検知精度を高めるために複数種の検知器を用いる場合、小空間で発熱、発煙を捉え易い電気機器の監視は可能であるが、キュービクル等の大型電気設備に対しては監視できないという問題がある。
【0007】
本発明は,斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、電気設備の異常を迅速に検知し、火災前段階での発熱も検知できると共に火災発生時に確実に消火可能な電気設備火災抑制装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、前記非接触式赤外線センサーに接続される制御装置と、前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置とを備え、前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、前記高電圧受変電設備の天井側に配置される煙センサーと、前記非接触式赤外線センサー及び前記煙センサーに接続される制御装置と、前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置とを備え、前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、前記高電圧受変電設備に配置される煙センサーと、前記高電圧受変電設備の天井側に配置される紫外線センサーと、前記非接触式赤外線センサー、前記煙センサー及び前記紫外線センサーに接続される制御装置と、前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置とを備え、前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記紫外線センサーは、火炎を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、前記制御装置は、前記制御装置の指令に基づいて作動する異常報知出力部を備え、前記第1閾値に達すると、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令、通報指令を出力することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、前記制御装置は、作動時に点灯する消火装置作動ランプを備え、前記第2閾値に達すると、前記消火装置作動ランプへ点灯指令を出力することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項2乃至請求項5の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令を出力し、前記消火装置作動ランプへ点灯指令することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項3乃至請求項5の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、前記紫外線センサーは、火炎を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令を出力し、前記消火装置作動ランプへ点灯指令を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、前記高電圧受変電設備は、外部から導入される高電圧ケーブル及び内部の高電圧ケーブルをそれぞれ接続する断路器又は高電圧交流負荷開閉器を備えるキュービクルであり、前記非接触式赤外線センサーは、前記キュービクルに設けられ、前記断路器又は高電圧交流負荷開閉器に接続される高電圧ケーブルを監視することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、安価な非接触式赤外線センサー(以下、サーモパイル式のIRセンサーと称する)を異常発熱が起きやすいと予想される位置に設置して温度監視を行い、一定温度で異常と判断し設備電源を遮断、火災熱源を断ち火災への移行を抑止することができるので、異常時に消火装置を作動させることなく現場確認でき、かつ外部への通報も誤報無く行うことが可能である。
また、本発明によれば、一定温度での異常判断後も設備電源遮断後継続して温度監視を行い更なる温度上昇が認められると、火災と判断し異常が検知された区域の消火装置を作動させ、設備へのダメージを低減することができる。
このように、本発明によれば、サーモパイル式のIRセンサーにより温度の実測値変化を自動で捉え、電気設備の異常を迅速に検知し、火災前段階での発熱も検出し、異常時に消火装置を作動させることなく現場確認でき、かつ外部への通報も可能で、温度上昇が継続する場合消火装置を噴射するという二段制御を行うことが可能となる。
本発明によれば、サーモパイル式のIRセンサーの視野外の異常発熱は、煙感知器及び又はUV炎センサーと併用することによって、消火設備のコストを抑えつつ、如何なる火災状態にも対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電気設備火災抑制装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1の電気設備を4つの防火区画に適用した例を示す説明図である。
【図3】図1の電気設備の概要を示す説明図である。
【図4】図1の赤外線センサーの監視領域を示す説明図である。
【図5】図1の制御盤の例を示す説明図である。
【図6】図1の赤外線センサーを示す説明図である。
【図7】図1の電気設備火災抑制装置の遮断箇所を示す説明図である。
【図8】図1の動作フローを示す図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る電気設備火災抑制装置の概要を示す説明図である。
【図10】図9の煙センサーの一例を示す説明図である。
【図11】図9の制御盤の例を示す説明図である。
【図12】図9の煙センサーの別の例を示す説明図である。
【図13】図9の動作フローを示す図である。
【図14】本発明の第三実施形態に係る電気設備火災抑制装置の概要を示す説明図である。
【図15】図14の紫外線センサーの一例を示す説明図である。
【図16】図14の制御盤の例を示す説明図である。
【図17】図14の動作フローを示す説明図である。
【図18】本発明に適用される電気設備の別の例を示す説明図である。
【図19】図18の電気設備火災抑制装置の遮断箇所を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る電気設備火災抑制装置1の概要を示す説明図である。
本実施形態に係る電気設備火災抑制装置1は、CB形キュービクル式受電設備10に適用されている。
本実施形態に係る電気設備火災抑制装置1では、例えば、図2に示すように、4つの防火区画を設けた場合について説明する。なお、図2では、防火区画3での火災を想定した状態が示されている。
【0017】
CB形キュービクル式受電設備10は、例えば、図1、図3に示すように、外部から導入される6,600Vの高電圧ケーブル11を内部の固定部10aに固定し、端部を三叉の高電圧ケーブル11a,11b,11cにして内部に固定される断路器12の一次側にそれぞれ接続する。断路器12の二次側に3本の内部の高電圧ケーブル13a,13b,13cをそれぞれ接続する。3本の内部の高電圧ケーブル13a,13b,13cは、それぞれ真空遮断器14に接続される。真空遮断器14には、それぞれ別の内部の高電圧ケーブル15a,15b,15cが接続される。それぞれ別の内部の高電圧ケーブル15a,15b,15cは、それぞれ変圧器16に接続される。変圧器16では、100V、200V、400V等に降圧させ、各種の電灯負荷や動力負荷に供給している。
【0018】
CB形キュービクル式受電設備10には、例えば、図1、図4に示すように、高電圧ケーブル11a,11b,11cと、内部の高電圧ケーブル13a,13b,13cとを監視できるように、サーモパイル式のIRセンサー20が取り付けられる。図1では、便宜上1つのサーモパイル式のIRセンサー20を示している。
また、CB形キュービクル式受電設備10には、サーモパイル式のIRセンサー20の監視領域20A,20Bと対向する天井側に2つの消火装置30が設けられている。
サーモパイル式のIRセンサー20及び消火装置30は、それぞれ制御装置40に連絡している。
【0019】
制御装置40には、例えば、図5、図6に示すように、PLC41、A/D変換器42、手動消火スイッチ(図示せず)、ブザー43、点火リレー44、火災検知ランプ45、消火装置作動ランプ46、点火電源47、電気設備の換気装置17、電気設備の電気入力機器18、外部警報装置19等が連絡している。
制御装置40、PLC41、A/D変換器42、手動消火スイッチ(図示せず)、ブザー43、点火リレー44、火災検知ランプ45、消火装置作動ランプ46、点火電源47は、制御盤40Aに設けられている。制御盤40Aの機能は、PLC41を内蔵し、プログラム制御により火災検知信号を受信し、外部装置への動作指令及び消火装置30の点火指令を出す。
【0020】
PLC41は、IRセンサー20からの信号を基に消火装置30の作動指令、表示灯制御、警報ブザー制御を行う。
ブザー43は、シーケンサーからの鳴動指令を受け警報音を発する。
表示灯49は、制御盤40Aの動作状況を表示する。本実施形態では、「集合表示灯」を用いている。電源投入、モード(点検、監視)、火災検知、消火装置作動、UPS異常の表示を行う。
A/D変換器42は、IRセンサー20からの出カデータをPLC41で利用できる異常報知信号に変換する。IRセンサー20より入力される電流値を温度に変換して表示する。また、2系統の閾温度設定が可能であり、リレー接点のON/OFFにより、PLC41へ異常報知信号を出す。
【0021】
点火リレー44は、各消火装置30毎に独立して設置され、PLC41からの点火指令を受け接点ONとなり消火装置30を作動させる。
点火電源47は、全消火装置30に対して作動用の電源となる。全消火装置30を同時に作動させる状況で余裕のある容量とする。
手動消火スイッチは、各防火区画に1個対応しており、スイッチをONすることで、「火災検知信号」と同等の役割を持ち、外部装置の作動及び消火装置を即作動させる。
【0022】
IRセンサー20、PLC41及びA/D変換器42は、共通の電源(DC24V)48から電力が供給されている。
IRセンサー20は、例えば、図6に示すように、監視対象となる監視領域20A,20Bから温度に応じた強度の赤外線が放射されると、赤外線がIRセンサー20端部のフィルタレンズ21にて集光される。この際、不要な光がカットされ、特定波長域の赤外線のみがフィルタレンズ21を通過する。
赤外線は、IRセンサー20の検出素子であるサーモパイル22に集光される。サーモパイル22の焦電効果により電圧、電流に変換される。
【0023】
サーモパイル22の電圧、電流は、内部回路23により、例えば、4〜20mAのアナログ電流信号に変換される。この際、電流値は監視対象物の温度(赤外線放射)により増減する。
アナログ電流信号は、A/D変換器42に入力される。A/D変換器42では電流値から監視対象物の温度を逆算し、そのデジタル温度表示部に計測温度をリアルタイム表示する。ここでは、4mA=0℃、20mA=200℃とセッティングする。センサー配線が断線した場合、0mA入力となるためA/D変換器42のデジタル表示部にはマイナスの計測値が表示される。これにより断線検出が可能である。
【0024】
監視対象の温度が、あらかじめA/D変換器42側に設定しておいた閾温度1に達すると、内蔵の出力接点1が動作する。出力接点1の動作はPLC41に伝達される。このときプログラムによりPLC41から複数の外部機器へと作動指令が出力される。
監視対象の温度が閾温度1より上昇し、あらかじめA/D変換器42側に設定しておいた閾温度2に達すると、内蔵の出力接点2が動作する。出力接点2の動作はPLC41に伝達される。このときプログラムによりPLC41から複数の外部機器へと作動指令が出力される。
【0025】
IRセンサー20の監視部位は高電圧ケーブル部とする。高電圧ケーブル被覆は樹脂(耐火ポリエチレン等)でありキュービクル内においては比較的易燃性のものである。
複数のIRセンサー20を用いて、複数のケーブルを監視するのが望ましい。
IRセンサー20の閾温度1,2の設定は、キュービクル運転時の監視部位の最高許容温度を基準として設定する。
【0026】
キュービクル高電圧ケーブル被覆は、架橋ポリエチレン、耐火ポリエチレン及びポリエチレン製のものが一般的である。
JISC3606「高電圧架橋ポリエチレンケーブル」において、架橋ポリエチレン、耐火ポリエチレン及びポリエチレンケーブルの加熱試験、及び加熱変形試験の記載がある。
JISC3606加熱試験では75℃に加熱した後、ケーブルに応力を加えた際の引っ張り強さの減少、伸びの増加を確認する。
よって、本実施形態では、ケーブルの物理特性が不可逆に悪化する虞のある、「75℃」をIRセンサー20の異常報知温度「閾温度1」とする。
【0027】
JISC3606の加熱変形試験は、ケーブルを90℃に加熱した後の被覆の厚みの減少を確認する試験である。架橋ポリエチレンにおいては、厚さの減少率が40%以下であることと規格が設定されている。この温度「90℃」以上において熱による被覆厚みの減少が顕著に発生し始めると考える。
被覆厚みの減少は、絶縁抵抗の減少につながり、絶縁破壊→短絡→加熱→火災へ移行する可能性がある。
よって、本実施形態では、この「90℃」をIRセンサー20の火災報知温度「閾温度2」とする。
【0028】
上記の閾温度は、ケーブルの常用限界付近の温度であり、IRセンサー20には計測誤差も発生する。これらを鑑み、より低い温度設定とするのが好ましい。
本実施形態においては、キュービクル火災時の熱源を断つため電源遮断をするが、図7に示すように、断路器12に信号を送ることにより実施する。
遮断装置型式によってはTC(トリップコイル)と呼ばれる部位へ信号を送り遮断装置を作動させる。
TCはLBSを開路させるための装置であり、本来は過電流継電器、地絡継電器などからの異常信号を受け取って開路動作をさせるものである。
【0029】
主遮断装置のカットにより給電が停止するが、主遮断装置より下流の低圧電路部分においても遮断装置が装備されることもあり、下流の装置から段階的に通電をカットする制御も可能である。
また、火災時は電源遮断と同時に電気設備の換気装置(ファン)17を停止させるが、これはキュービクル内のファンスイッチに消火装置制御盤からの換気装置制御配線を割り込ませ、火災時には換気装置17へ通電できないようにすることが可能である。
消火装置30は、例えば、火工式エアロゾル消火装置を使用する。火工式エアロゾル消火装置は、例えば、消火剤の組成がKNO367〜72%、フェノールフォルムアルデヒド樹脂8〜12%、DCDA(ジシアンジアミド)16〜25%からなる消火剤を圧力容器に充填し、電気式点火具の作動により消火剤が燃焼し、その燃焼によって生成する火炎抑制粒子を噴射するものである。
【0030】
消火装置30の点火回路は、図5に示すように、制御系とは別に、専用の点火電源47を用いている。消火装置30の点火回路は、プログラムにて通電時間は1秒間と、制限を設けている。
消火装置30は、消火用火工品を用いる。火工品の特徴としては、発火信頼性を高めるために大電流を必要とする。また、点火後にユニットに残抵抗がある場合があり場合によつてはショートする虞がある。
上記を踏まえ、専用の点火電源47を用い、通電時間に制限を設けている。
【0031】
仮に制御系の動作電源(24V電源)48を点火電源として併用した場合、火災が発生した際に、表示灯49やブザー43、外部機器との連動をし、かつ消火装置30を点火することになる。
この場合、消火装置30に電源を供給する際に、大電流を流すことで、電源に負担がかかる。仮に電源が過電流となつた場合には、電源電圧が降下する。電源電圧が降下した場合、制御盤40Aの表示灯49や、A/D変換器42が停止し、その機能を損失する可能性がある。
【0032】
また、点火後の消火装置30の残抵抗として、ショート(短絡)した場合には、電源から過電流が供給され、電源の過熱・火災等の虞があるため、通電時間として1秒と設定し以後は電源を遮断する。
このように、消火装置30の点火回路では、消火装置30に大電流を供給でき、かつ制御系へは影響を与えない。点火後の消火装置30の状況に拘わらず、制御装置・点火電源がその影響を受けないという利点がある。
【0033】
次に、本実施形態の作用を説明する。
図8に示すように、制御装置40のメイン電源をオンする(ステップS1)。
PLC41の全出力ポートがオフになる(ステップS2)。
IRセンサー20で高電圧ケーブルの監視領域20A,20Bを監視し、監視温度をA/D変換器42に入力する(ステップS3,S4)。
A/D変換器42は、電気信号が閾温度1を超えたか否かの判断をする(ステップS5)。
閾温度1以下の場合は、ステップS3に戻される。
【0034】
閾温度1を超えると、A/D変換器42は、出力接点1を作動する(ステップS6)。
出力接点1が作動すると、PLC41の入力ポートX0がオンし(ステップS7)、出力ポートY0、Y1、Y2、Y3、Y5がオンする(ステップS8〜S12)。
これに伴って、ブザーが鳴動し、換気装置が停止し、設備の入力通電が遮断し、警報機が作動し、火災検知ランプが点灯する(ステップS13〜S17)。
A/D変換器42は、電気信号が閾温度2を超えたか否かの判断をする(ステップS18)。
閾温度2未満の場合は、ステップS18に戻り、監視を続ける。
【0035】
閾温度2を超えると、A/D変換器42は、出力接点2を作動する(ステップS19)。
出力接点2が作動すると、PLC41の入力ポートX1がオンし(ステップS20)、出力ポートY6、Y4がオンする(ステップS21、S22)。
これに伴って、消火装置作動ランプが点灯し(ステップS23)し、点火リレーがオンし(ステップS24)、消火装置30が作動する(ステップS25)。
以上によって、IRセンサー30が検出した監視領域20A,20Bを確実に消火することが可能となる。
【0036】
図9は、本発明の第二実施形態に係る電気設備火災抑制装置1Aの概要を示す説明図である。
本実施形態に係る電気設備火災抑制装置1Aは、散乱式煙検知器60A又は透過式煙検知器60Bを設けた点で第一実施形態に係る電気設備火災抑制装置1とは相違する。
散乱式煙検知器60Aは、図10に示すように、発光素子61からの光が煙により散乱し、受光素子62に散乱光が入射、受光信号が信号処理部63で処理され、制御回路64が火災判定を行い、本体ブザー65を鳴動し、外部のリレー66に接点を作動させる指令を出し、接点の動作はPLC41に入力される。PLC41では、接点の動作が入力されると、図11に示す制御盤40Aに示すように複数の外部機器へ作動指令を出力する。
【0037】
透過式煙検知器60Bは、図12に示すように、発光素子61からの光が煙により減衰し、受光素子62に入射する光強度が低下し、減光信号が信号処理部63で処理され、制御回路64が火災判定を行い、本体ブザー65を鳴動し、外部のリレー66に接点を作動させる指令を出し、接点の動作はPLC41に入力される。PLC41では、接点の動作が入力されると、図11に示す制御盤40Aに示すように複数の外部機器へ作動指令を出力する。
【0038】
本実施形態の動作フローを図13により説明する。例えば、第一実施形態の図8に示す動作フローと同様に、制御装置40のメイン電源をオンする(ステップS1)。
PLC41の全出力ポートがオフになる(ステップS2)。
*1のルートを介して、煙検知器60Aで防火区域内を監視する(ステップS30)。
煙検知器60Aが煙を検知したか否かの判定をする(ステップS31)。
煙を検知しなければ、ステップS30に戻る。
監視対象が発熱し、材料の熱分解などにより煙が発生する。煙検知器60A内に煙が侵入し充満する。煙が一定濃度に達すると、煙検知器60Aの発光素子61からの光が煙により散乱し、受光素子62に散乱光が入射、受光信号が信号処理部63へ発信され、制御回路64が火災判定を行い、本体ブザー65を鳴動する。
【0039】
制御回路64の火災判定に伴い、リレー66の接点を作動させる(ステップS32)。
リレー66の接点が作動すると、PLC41の入力ポートX2がONし(ステップS33)、出力ポートY0,Y1,Y2,Y3,Y4がオンし(ステップS34)、ブザー43が鳴動し、換気装置17が停止し、設備の入力電源が遮断し、点火リレー44がオンし、消火装置作動ランプ46が点灯し、*2のルートを介して消火装置30を作動させる(ステップS25)。
本実施形態によれば、煙感知器60A,60Bは、IRセンサー20の視野外の火災を捉えることができるので、IRセンサー20との組み合わせることによって、火災感知の確実性を高めることができる。
【0040】
図14は、本発明の第三実施形態に係る電気設備火災抑制装置1Bの概要を示す説明図である。
本実施形態に係る電気設備火災抑制装置1Bは、煙検知器60A,60Bに代えて紫外線センサー(UVセンサー)70を用いた点で、第二実施形態に係る電気設備火災抑制装置1Aと相違する。
UVセンサー70は、図15に示すように、監視対象に火災が発生し、炎が上がると、その炎が発するUV(波長185〜300nm)を入射するUVトロン管71と、UVトロン管71に入射したUVをUVトロン管71内で光電効果による放電が発生し、その放電を信号処理する信号処理部72と、信号処理部72で処理された信号に基づいてリレー75の接点を動作させると共に本体LEDを点灯する制御回路73とを備えている。
リレー75の接点を動作は、PLC41に伝達され、PLC41は、図16に示すように、プログラムにより複数の外部機器へ作動指令を出力する。
【0041】
本実施形態の動作フローを図17により説明する。例えば、第一実施形態の図8に示す動作フローと同様に、制御装置40のメイン電源をオンする(ステップS1)。
PLC41の全出力ポートがオフになる(ステップS2)。
*1のルートを介して、紫外線センサー70で防火区域内を監視する(ステップS40)。
紫外線センサー70が炎を検知したか否かの判定をする(ステップS41)。
炎を検知しなければ、ステップS40に戻る。
監視対象に火災が発生し、炎が上がると、その炎が発するUV(波長185〜300nm)がUVトロン管71に入射すると、UVトロン管71内で光電効果による放電が発生し、その放電を信号処理部72で信号処理し、信号処理部72で処理された信号に基づいて制御回路73がリレー75の接点を動作させると共に本体LEDを点灯させる(ステップS42)。
【0042】
リレー75の接点が作動すると、PLC41の入力ポートX2がオンNし(ステップS43)、出力ポートY0,Y1,Y2,Y3,Y4がオンし(ステップS44)、ブザー43が鳴動し、換気装置17が停止し、設備の入力電源が遮断し、点火リレー44がオンし、消火装置作動ランプ46が点灯し、*2のルートを介して消火装置30を作動させる(ステップS45)。
本実施形態によれば、紫外線センサー70は、火災の紫外線波長に反応するので、発火時瞬時に応答し、視野、監視距離とも大きい。従って、漏電火災前段階における漏電火花(アーク放電)には好適である。
【0043】
なお、上記実施形態では、CB形キュービクル式受電装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図18に示すPF−S形キュービクル式受電装置に適用しても良い。この場合は、図19に示すように、遮断位置が高圧交流負荷開閉器12Aになる。
また、第二実施形態に係る電気設備火災抑制装置1AではIRセンサー20と煙検知器60A,60Bとの併用、第三実施形態に係る電気設備火災抑制装置1BではIRセンサー20と紫外線センサー70との併用について説明したが、本発明はこれに限らず、IRセンサー20と煙検知器60A,60Bと紫外線センサー70とを併用しても良い。
【符号の説明】
【0044】
1,1A,1B 電気設備火災抑制装置
10 CB形キュービクル式受電設備
11 外部から導入される6,600Vの高電圧ケーブル
11a,11b,11c 高電圧ケーブル
12 断路器
12A 高圧交流負荷開閉器
13a,13b,13c 内部の高電圧ケーブル
14 真空遮断器
17 電気設備の換気装置
18 電気設備の電気入力機器
19 外部警報装置
20 サーモパイル式のIRセンサー
20A,20B 監視領域
21 フィルタレンズ
22 サーモパイル
23 内部回路
30 消火装置
40 制御装置
40A 制御盤
41 PLC
42 A/D変換器
43 ブザー
44 点火リレー
45 火災検知ランプ
46 消火装置作動ランプ
47 点火電源
47 専用の点火電源
48 制御系の動作電源(24V電源)
49 表示灯
60A 散乱式煙検知器
60B 透過式煙検知器
61 発光素子
62 受光素子
63 信号処理部
64 制御回路
66 リレー
70 紫外線センサー(UVセンサー)
71 UVトロン管
72 信号処理部
73 制御回路
75 リレー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、
前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、
前記非接触式赤外線センサーに接続される制御装置と、
前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置と
を備え、
前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、
前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項2】
高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、
前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、
前記高電圧受変電設備の天井側に配置される煙センサーと、
前記非接触式赤外線センサー及び前記煙センサーに接続される制御装置と、
前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置と
を備え、
前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、
前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、
前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項3】
高電圧で電力の供給を受ける高電圧受変電設備と、
前記高電圧受変電設備に配置される高電圧ケーブルを監視する非接触式赤外線センサーと、
前記高電圧受変電設備に配置される煙センサーと、
前記高電圧受変電設備の天井側に配置される紫外線センサーと、
前記非接触式赤外線センサー、前記煙センサー及び前記紫外線センサーに接続される制御装置と、
前記高電圧受変電設備に配置され、前記制御装置の指令に基づいて消火剤を噴射する消火装置と
を備え、
前記非接触式赤外線センサーは、前記高電圧ケーブルから放射される温度に応じた強度の赤外線を集光し、集光された前記赤外線を電圧、電流に変換し、変換された前記電圧、電流をアナログ電流信号に変換し、
前記制御装置は、前記アナログ電流信号から前記温度を逆算し、第1閾値に達すると、異常報知信号を出力し、前記温度の逆算値が前記第1閾値を超えて第2閾値と達すると、火災報知信号を出力し、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、
前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、
前記紫外線センサーは、火炎を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、
前記制御装置は、前記制御装置の指令に基づいて作動する異常報知出力部を備え、
前記第1閾値に達すると、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令、通報指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、
前記制御装置は、作動時に点灯する消火装置作動ランプを備え、
前記第2閾値に達すると、前記消火装置作動ランプへ点灯指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、
前記煙センサーは、煙を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令を出力し、前記消火装置作動ランプへ点灯指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項7】
請求項3乃至請求項5の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、
前記紫外線センサーは、火炎を感知すると、前記制御装置に火災報知信号を出力し、前記制御装置は、前記消火装置に消火剤噴射指令を出力し、前記異常報知出力部に対し、前記高電圧受変電設備の火災検知灯への点灯指令、前記高電圧受変電設備のブザーへの鳴動指令、前記高電圧受変電設備の換気装置への停止指令、前記高電圧受変電設備への入力通電遮断指令を出力し、前記消火装置作動ランプへの点灯指令を出力する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか記載の電気設備火災抑制装置において、
前記高電圧受変電設備は、外部から導入される高電圧ケーブル及び内部の高電圧ケーブルをそれぞれ接続する断路器又は高電圧交流負荷開閉器を備えるキュービクルであり、
前記非接触式赤外線センサーは、前記キュービクルに設けられ、前記断路器又は高電圧交流負荷開閉器に接続される高電圧ケーブルを監視する
ことを特徴とする電気設備火災抑制装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−103018(P2013−103018A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249915(P2011−249915)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390037224)日本工機株式会社 (43)
【Fターム(参考)】