説明

電気転てつ機の動作かん転換機構

【課題】電気転てつ機の動作の安定化、構造の簡略化、組み立ての容易化を図る。
【解決手段】駆動ローラ16と、カム組立体12と、ガイドレール13,14との組み合わせを有している。駆動ローラ16は、ポイントの転換時に反位又は定位方向へ移動するものであり、カム組立体12は、拘束カムの対を有し、動作かん10の一部に組み付けられたものであり、拘束カムは、ポイントの転換時に動作かん10を拘束し、駆動ローラ16の動きを動作かん10に伝え、その移動送りの終端で動作かん10の拘束を解除するものである。ガイドレール13,14は、第1又は第2の拘束カムのロック、アンロックの制御を行い、ロック時には拘束カムを一定の姿勢に保持して動作かん10を拘束し、アンロック時には、拘束カムの保持を開放して動作かん10の拘束を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転換鎖錠器を使用した割り出し機能を有する電気転てつ機、例えば、YS形電気転てつ機の動作かん転換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
YS形電気転てつ機は、転換鎖錠器(YS形)および回路制御器(YS形)と併用され、本線以外のポイントの転換に使用することを目的した電気転てつ機であり、背向割り出しが可能である。YS形電気転てつ機においては、電気転てつ機が転換装置であり、転換機構、減速機構及び誘導電動機から構成されている。また、転換鎖錠器(YS形)は、鎖錠装置であり、回路制御器(YS形)が密着照査装置である。
【0003】
従来のYS形電気転てつ機に組み込まれた転換機構の構成はおよそ以下のとおりである。すなわち、誘導電動機の回転は、減速機構で減速され、転換機構は、その回転力によって駆動されるが、減速機構の最終段である転換歯車41には転換ローラ42が固定されている。図10(a)のように転換歯車41の回転に伴って転換ローラ42は一体回転し、一定角度回転したときに図10(b)のように転換クランク43を一体回転させ、オフセットリンクを介して転換クランク43の60°の回転変位を転換鎖錠器のクランクに伝えてポイントの転換を行うようになっているものであり、図10(c)に示すように60°回転したときにカム44の溝内から転換ローラ42が離脱し、動作かんを介して転換クランク43の60°の回転変位を転換鎖錠器のクランクに伝えてポイントの転換を行うようになっているものである。
【0004】
転換ローラ42はカム44の溝から完全に抜け出して転換が完了すると、制動機構によって停止する。したがって、転換クランク43はポイントからの力に対しては、全くフリーとなっているので、割り出しの際はカム44と共に転換歯車41とは、関係なく転換される。このようにポイントの転換終了後は、背向割り出しに備えて転換ローラ42は転換クランク43のカム溝からは完全に抜けてフリーな状態になっているのであるが、転換ローラ42がフリーな状態になっていることが原因になって、割り出し後、転換クランク43が一定の位置にないとき、すなわち、転換クランク43が転換途中の位置にあるときには、手動、電動のいずれであっても転換クランク43を通常状態に復帰することができないという問題がある(非特許文献1、2参照)。
【0005】
このようなときに従来は、やむなく、バールなどを用いてトングレールを正規の位置に戻すことによって、転換クランク43を通常状態に復帰させていたのである。従来より本線に使用される電気転てつ機に関しては、小型軽量化を図る試みがあったことは認められるものの、本線以外に使用される背向割り出し機能を有する電気転てつ機に関して、トングレールが背向割り出しされたときの問題には着目されたことはなかった。このような問題点を解決するために、1つの試みとしてポイントの転換終了後、動作かんをフリーな状態にして割り出しを可能とし、割り出し後、動作かんが転換途中の任意の位置にあったとしても、人手を要することなく、自動的に次の転換動作に対応できる装置が開発された(特許文献1参照)。
【0006】
図11において、特許文献1に記載された装置は要するに、転換ローラ35と、動作かんカム34との組み合わせを有するものであって、転換ローラ35は、一定のストローク範囲にわたって直線方向に駆動される動作かん30の移動方向と平行に移動送りが与えられるものであり、動作かんカム34は、動作かん30の一部に取り付けられ、ポイント転換時に直線方向を移動してきた前記転換ローラ35を動作かんカム34の凹部34a内に受け入れ、動作かん30を拘束し、動作かん30を定位から反位、或いは反位から定位の方向に向けて送り移動させるものである。
【0007】
そして、ポイントの反位又は定位転換後、転換ローラ35は、動作かんカム34の凹部34a内から脱出して動作かん30の拘束を解放するため、動作かん30は軸方向に自由に移動できるようになり、トングレールの背向割り出しが可能となる。この機構によればポイントの転換後、カムの拘束から脱した転換ローラ35がどのような位置にあっても、次の動作を支障なく行うことが可能となり、電気転てつ機の動作かん転換機能を改善し、保守を大幅に軽減することができる。
【0008】
ところで、YS形電気転てつ機は、生産開始から長期間経過したことから、その製作コスト、組み立てコストのさらなる見直しが必要な時期になり、電気転てつ機の質量軽減、構造の簡略化、組み立ての容易を含めた改良の要請がある。特許文献1に記載された転換機構は、構造としてかなり簡素化されているものの、動作かん30の定位から反位へ、あるいは反位から定位への転換動作および反転後の動作かん30の拘束解除動作に圧縮コイルばね31、スプリング36のバネ力を利用するものであるために、動作の安定性はもっぱらばねの性能に依存し、また、実際の使用時において、動作かんカム34の凹部34a内に転換ローラ35を受け入れる際に、圧縮コイルばね36の反発動作によって騒音が発生するといった点に改良の余地があると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許公開2008−239027
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】(社)日本鉄道電気技術協会 「転てつ装置」 平成4年5月10日 P39〜P47
【非特許文献2】動力転てつ機の話、社団法人信号保安協会 昭和44年 P95〜100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、背向割り出し機能を有する電気転てつ機の動作かん転換機構に関しては、特許文献1に記載されたような構造によって、従来の動作かん転換機構の簡略化を図ることができるものの、動作の安定化、質量軽減、構造の簡略化、組み立ての容易化に関してはさらなる改善の余地があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による電気転てつ機の動作かん転換機構においては、1対の拘束カムの組み合わせを用い、動作かんが反位位置から定位位置まで、あるいは逆に定位位置から反位位置までの移動中は、拘束カムで拘束して動作かんを一方向に移動送りが与えられる駆動ローラと一体に移動させ、定位又は反位転換終了後、拘束カムによる動作かんの拘束を解除して背向割り出しを可能にしたことをもっとも主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による電気転てつ機の動作かん転換機構は、対をなす第1及び第2の拘束カムと、両拘束カムの姿勢制御用ガイドレールとの組を有し、動作かんを反位位置から定位方向に方向転換するとき、あるいは逆に定位位置から反位方向に方向転換するときには、姿勢制御用のガイドレールによって第1又は第2の拘束カムに一定の姿勢を保たせて動作かんに移動送りを与え、転換後はいずれも動作かんの拘束を解除するため、ポイントの背向割り出しが可能である。
【0014】
そして、背向割り出しをされたポイントを復帰させるときには、定位又は反位方向へのポイント転換動作に従って動作かんの位置ずれを解消することができる。また本発明によれば、拘束カムの姿勢をガイドレールで制御して動作かんの拘束並びに拘束の解除の制御を行うため、騒音の発生がなく、動作の安定化を図り、さらなる質量軽減、構造の簡略化、組み立ての容易化の要請に応ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の動作かん転換機構を装備した電気転てつ機の平面図であり、ポイントの定位転換時の状態を示す図である。
【図2】本発明の動作かん転換機構を装備した電気転てつ機の平面図であり、ポイントの反位転換時の状態を示す図である。
【図3】(a)は本発明による動作かん転換機構部分の正面図、(b)は同縦断面図である。
【図4】(a)はカム組立体の正面図、(b)は同側面図である。(c)は駆動軸の正面図、(d)は同側面図である。(e)は第1及び第2のガイドレールの正面図、(f)は同側面図である。(g)は第1及び第2のガイドレールとシャッターとの関係を示す図、(h)は同側面図である。
【図5−1】カム組立体とガイドレールの分解斜視図である。
【図5−2】カム組立体とガイドレールとの組み合わせ状態を示す側面図である。
【図5−3】第1及び第2の拘束カムの形状と配置を示す図である。
【図5−4】第1及び第2のアームの形状と配置を示す図である。
【図6−1】(a)〜(f)はポイントの反位から定位への通常転換時の動作を順に示す図である。
【図6−2】(g)〜(k)はポイントの反位から定位への通常転換時の動作を順に示す図である。
【図7】(a)はポイントの反位における動作かんの位置を示す図、(b)はポイントが反位において背向割り出しによって動作かんの位置が定位側に少しずれた状態を示す図、(c)はポイントが反位において背向割り出しによって動作かんの位置が定位側に大きくずれた状態を示す図である。
【図8】(a)〜(f)は背向割り出しによって動作かんの位置のずれを復元させる動作を示す図である。
【図9】(a)〜(f)は動作かんの途中逆転の動作を順に示す図である。
【図10】(a)〜(c)は従来のYS形電気転てつ機に組み込まれた転換機構の構成を示す図である。
【図11】特許文献1に記載された動作かん転換機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ポイントの転換動作を行い、転換終了後は、列車の背向割り出しを可能とし、さらに背向割り出しによって、動作かんが転換途中の任意の位置にずれたとしても、次のポイントの転換動作によって修正して支障を生じさせないという目的を、動作かんに取り付けた対をなす拘束カムのロックアンロックの制御を行い、ロック時には一方の拘束カムを一定の姿勢に保持し、アンロック時には当該拘束カムの保持を開放して動作かんの拘束を解除する機構を用いることによって実現した。
【実施例1】
【0017】
(1)電気転てつ機と転換鎖錠器との関係
図1は、本発明による背向割り出し機能を有する電気転てつ機(以下電気転てつ機という)の設置例を示す図である。図1において、本線以外のヤードの仕分線や側線において、基本レール1a,1b間の枕木2の上には、転換鎖錠器3が据え付けられ、基本レール1a,1bの一側方に張り出した枕木2の張り出し部分には本発明による動作かん転換機構を備えた電気転てつ機4が設置されている。
【0018】
転換鎖錠器3の上部クランクの第1クランク5aには、第1リンク6aを介して一方のトングレール7aにつながれ、上部クランクの第2クランク5bは、第2リンク6bを介して他方のトングレール7bにつながれている。また、下部クランク8はオフセットリンク9を介して電気転てつ機4の動作かん10に連結されている点は従来と同じである。
【0019】
図1は定位転換時の状態を示している。図1において、ポイントの定位位置では基本レール1bにトングレール7bが密着し、トングレール7aは基本レール1aから離れている。ポイントの転換は、電気転てつ機4の転換力で動作かん10を直線方向に駆動することによって行われる。すなわち、動作かん10が直線方向に変位すると、その直線方向の動きがオフセットリンク9を介して転換鎖錠器3の下部クランク8を転回させ、同軸上の上部クランクの第1リンク6a、第2リンク6bが一体転回し、トングレール7bを基本レール1bから引き離し、トングレール7aを基本レール1a側に押し付けることによってポイントは反位に転換される。図2に反位転換時の状態を示す。図2において、ポイントの反位位置では基本レール1aにトングレール7aが密着し、トングレール7bは基本レール1bから離れている。
【0020】
(2)動作かん転換機構の構成
図3に電気転てつ機4の器体に内蔵された転換機構、図4にカム組立体12の構成、図5−1にカム組立体12とガイドレール13、14との組み合わせ要領を示し、図5−2にカム組立体12とガイドレール13、14の組み合わせの構造を示す。本発明による転換機構は、駆動軸11と、カム組立体12と、第1及び第2のガイドレール13、14と、第1及び第2のシャッター15a、15bとの組み合わせからなっている。
【0021】
図5−1、図5−2において、駆動軸11は、例えば、電気転てつ機4の器体に据え付けられた電動機25にて駆動されるボールねじであり、ボールねじの回転により正逆方向に送り移動が与えられるナットをスライダー11aとして備えている。スライダー11aには駆動ローラ16が取り付けられている。駆動ローラ16は、駆動軸11の回転によって反位から定位方向あるいは定位から反位方向への送り移動が与えられるものである。
【0022】
動作かん10は、駆動ローラ16の正逆方向の進退動を受けて、直線方向に進退動し、ポイントを定位から反位へあるいは、逆に反位から定位への転換切り替えを行うものであり、カム組立体12は、動作かん10の拘束手段として動作かん10の一部に組み付けられたものである。図4(a)、(b)において、動作かん10の一部には、その中心線O−Oを挟んでその上下方向に拡大したパネル部17が形成され、カム組立体12は、このパネル部17の板面に組み付けられているものである(図5−1参照)。
【0023】
カム組立体12は、第1及び第2のガイドローラ18、19の対と、第1及び第2のアーム20、21の組と、第1及び第2の拘束カム22、23の組とを有し、第1及び第2のアーム20、21と、第1及び第2の拘束カム22、23とはそれぞれ枢軸P1、P2によってパネル部17の板面に支持され、第1及び第2のガイドローラ18、19は、動作かん10の移動ラインであるパネル部17の中心線O−O上でそれぞれ第1及び第2のアーム20、21の腕端のボスに枢軸A1、A2によって回転可能に支持させたものである。
【0024】
第1及び第2の拘束カム22、23は、そのいずれか一方が、ポイントの転換時に動作かん10を拘束しつつ、前記駆動ローラ16の動きを動作かん10に伝え、その移動送りの終端で動作かん10の拘束を解除するものである。本発明において、第1の拘束カム22は、ポイントを定位から反位へ転換させるときに動作かん10を拘束して駆動ローラ16の直線運動を動作かん10に伝え、第2の拘束カム23は、ポイントを反位から定位へ転換させるときに動作かん10を拘束して駆動ローラ16の直線運動を動作かん10に伝えるものである。第1の拘束カム22と第2の拘束カム23とは、パネル部17の中心線O−O上を中心として対称位置に配置されている。
【0025】
本発明において、第1の拘束カム22と第2の拘束カム23とは、枢軸P1、P2の軸間距離だけ位置をずらせ、且つパネル部17の中心線O−O上を中心として対称位置に配置されていて、構成は同じで動作方向を異にするだけの違いであるため、以下の説明では主として第1の拘束カム22及び第1の拘束カム22に関連する第1のガイドローラ18及び第1のアーム20について、その構成を説明し、第2の拘束カム23、及び第2の拘束カム23に関連する第第2のガイドローラ19及び第2のアーム21の構成部分については、詳細な説明を省略する。なお、ガイドローラ、アーム、拘束カムなどについての第1、第2の区別は専ら説明の都合上の区別であって、いずれが第1であってもかまわない。
【0026】
図5−1において、パネル部17の一面で第1のアーム20を支える枢軸P1は、パネル部17の板面を通して他面に突出し、前記第1の拘束カム22は、パネル部17の他方の板面から突出した枢軸P1に回転可能に軸支されているものである。第1のガイドローラ18は第1のアーム20の腕端から下向きに伸びる枢軸A1に取り付けられている。同様に第2のアーム21、第2の拘束カム23は枢軸P2に支えられ、第2のガイドローラ19は第2のアーム21の枢軸A2に取り付けられている。
【0027】
第1の拘束カム22は、120°の角度をなす山形(図5−1では上凸の山形)をなし、図5−3に示すように山形の内側の一方の面を第1直線誘導面22a、他方の面を第2直線誘導面22bとし、両直線誘導面22a、22bが交差する中央部分は、駆動ローラ16の円周面の一定範囲を支える受入面22cとなっている。両直線誘導面22a、22bは、後述するように第1の拘束カム22のアンロック時(開錠時)に、定位方向又は反位方向に移動する駆動ローラ16を誘導して第1の拘束カム22を反転させるものであり、受入面22cは、第1の拘束カム22のロック時(施錠時)に定位方向又は反位方向に移動する駆動ローラ16を受け入れ、第1の拘束カム22を駆動ローラ16とともに一体に移動させるものである。第2の拘束カム23についても同じ要領でアンロック時(開錠時)に、駆動ローラ16を誘導する直線誘導面23a、23b及びロック時(施錠時)に駆動ローラ16を受け入れる受入面23cを有している。
【0028】
なお、第1又は第2の拘束カム22、23は、ロック区間においては、第1又は第2のガイドレール13、14に支えられた第1又は第2のアーム20、21に規制されてそれぞれパネル部17の板面の範囲内で一定の姿勢に保持される。
【0029】
一方、第1のガイドローラ18はパネル部17の中心線O−O上で枢軸A1に軸支され、第2のガイドローラ19は中心線O−O上で枢軸A2に軸支される。第1のガイドローラ18を取り付ける第1のアーム20のボスには、図5−4に示すようにその外周面の一部に掬い部とし外方に突出する凸縁20aが形成されている。同様に第2のガイドローラ19を取り付ける第2のアーム21のボスには、その外周面の一部に掬い部とし外方に突出する凸縁21aが形成されている。
【0030】
本発明において、第1及び第2のアーム20、21の枢軸P1、P2間の軸間距離は、それぞれ第1及び第2のアーム20、21に支えられた第1及び第2の拘束カム22、23の転回運動の妨げにならないように一定距離を確保させることが必要である。枢軸P1、P2間の軸間距離を長く設定すれば第1及び第2の拘束カム22、23の転回運動の妨げにはならないが、軸間距離を増大させた分だけパネル部17に長さが必要となり、ひいては電気転てつ機4に大きな容量のケースを用いなければならない。
【0031】
この実施例においては、第1及び第2の拘束カム22、23が互いに干渉することがないようにそれぞれアームの一部に切欠きを設けて枢軸P1、P2間の軸間距離を可能な限り接近させて第1及び第2の拘束カム22、23を設置した例を示している。駆動軸11は、図4(c)、(d)及び図5−1に示すように、ボールねじの回転により正逆方向の直線送りが与えられるナットをスライダー11aとして備えている。前記駆動ローラ16は、スライダー11aに取り付けられたものである。
【0032】
前記第1及び第2のガイドレール13、14は、図4(e)、(f)に示すように、動作かん10の正方向、逆方向の移動に際し、それぞれ第1又は第2の拘束カム22、23のロック制御及びアンロック制御を行う。
【0033】
ロック制御は、駆動ローラ16の押圧力を受けた拘束カム22または23に一定の姿勢を保持させて一定の区間に渡り動作かん10を拘束する制御であり、アンロック制御は、駆動ローラ16の押圧力を受けた第1又は第2の拘束カム22または23の保持を開放して動作かん10の拘束を解除する制御である。
【0034】
したがって、ロック時は、第1又は第2の拘束カム22、23を一定の姿勢に保持して動作かん10を拘束し、アンロック時では、第1又は第2の拘束カム22、23の保持を開放して動作かん10の拘束を解除する。第1のガイドレール13には、一定間隔をおいて、湾曲凹面の凹所13aと13bとが反位側および定位側に形成されている。反位側に形成された凹所13aは、反位から定位又は定位から反位への通常転換の際にガイドローラ18を受け入れて第1のアーム20を転回させるためのものであり、定位側に形成された凹所13bは、ポイントが反位時において、背向割り出しがあった後、定位方向への掬い動作の際にガイドローラ18を受け入れて第1のアーム20を転回させるためのものである。
【0035】
凹所13bは、常時はスプリング24aで押圧されたシャッター15aによって塞がれており、シャッター15aは、背向割り出しの掬い動作の際に動作かん10が反位側から定位側に向けて移動する際に、第1のアーム20のボスに設けた掬い部の凸縁20aに押されて開かれる。同様に第2のガイドレール14には、一定間隔をおいて湾曲凹面の第1の凹所14aが反位側に、第2の凹所14bが定位側に形成されている。
【0036】
定位側に形成された第2の凹所14bは、反位から定位又は定位から反位への通常転換の際にガイドローラ19を受け入れて第2のアーム21を転回させるためのものであり、反位側に形成された第1の凹所14aは、背向割り出しがあった後の反位から定位転換の際にガイドローラ19を受け入れて第2のアーム21を転回させるためのものである。第1の凹所14aは、常時はスプリング24bで押圧されたシャッター15bによって塞がれており、シャッター15bは、背向割り出しの掬い動作の際に第2のアーム21のボスに設けた掬い部の凸縁21aに押されて開かれる。
【0037】
すなわち、第1又は第2のアーム20、21がスプリング24a又は24bが付勢する方向からシャッター15a又は15bに向けて移動してきたときには、シャッター15a又は15bは開かれず、第1のガイドレール13の第2の凹所13b又は第2のガイドレール14の第1の凹所14a内へのガイドローラ18又は19の受け入れが不能となり、その結果第1又は第2のアーム20又は21は一定の姿勢に保たれるのである。
【0038】
逆に第1又は第2のアーム20、21がスプリング24a又は24bの付勢方向に対し反対方向から移動してきたときには、シャッター15a又は15bの先端が第1又は第2のアーム20又は21のボスに設けた凸縁20a又は21aに押され、スプリング24a又は24bが押し縮められ、シャッター15a又は15bが開き、第1のガイドレール13の第2の凹所13b又は第2のガイドレール14の第1の凹所14a内にガイドローラ18又は19が受け入れられて第1又は第2のアーム20又は21の転回が可能となる(拘束カム22、23のロックが解除される)。
【0039】
なお、第1又は第2の拘束カム22、23は、それぞれロックされた区間においては、第1又は第2のガイドレール13、14に支えられた第1又は第2のアーム20又は21によって、パネル部17の板面の範囲内で一定の姿勢に保持されている。
【0040】
以下に本発明による動作かん転換機構による転てつ器のポイント転換動作を説明する。
【0041】
(3)通常転換の場合
(a)反位から定位への転換
図6−1(a)は、ポイントが図2の状態、すなわちポイントが反位に転換された状態を示している。このとき、駆動ローラ16は、カム組立体12の基端であるパネル部17の図上左端(反位側)に位置し、動作かん10は、軸方向を自由に移動でき、ポイントの背向割り出しが可能となっている。
【0042】
反位にあるポイントが定位に転換される場合には、電動機25の駆動により駆動ローラ16を定位方向に押し出して図6−1(b)の矢印方向に移動させると、駆動ローラ16は、まず第1の拘束カム22の一辺の直線誘導面22aに沿って移動し、ついで図6−1(c)に示すように湾曲誘導面22cを経て、そのまま更に山形の他辺の直線誘導面22bを押しながら移動を続ける。第1の拘束カム22が引き続き駆動ローラ16に押されると、ガイドローラ18が第1のガイドレール13の第1の凹所13a内に進入して第1のアーム20の転回が可能となる(第1の拘束カム22のロックが解かれる)。
【0043】
第1のアーム20が枢軸P1を中心に転回することによって第1の拘束カム22は駆動ローラ16に押されながら枢軸P1を中心に反時計方向に転回する(図6−1(d))。駆動ローラ16が更に正方向に移動すると、駆動ローラ16は第1の拘束カム22の他辺の直線誘導面22bに沿って移動を続け、ついで第2の拘束カム23の一方の直線誘導面23bに乗り上げ(図6−1(e))、第1の拘束カム22を最初から60°転回させて第1の拘束カム22を抜け、同時に第2の拘束カム23の一方の直線誘導面23bに沿って移動を続ける(図6−1(e)参照)。
【0044】
続いて駆動ローラ16は、第2の拘束カム23の湾曲誘導面23cに受け入れられ(図6−1(f))、その後も移動を続けると、第2の拘束カム23は駆動ローラ16に押されて転回しようとするが、第2のガイドレール14の第1の凹所14aは、スプリング24bの押圧力を受けたシャッター15bによって塞がれているため、第2のアーム21のガイドローラ19が第2のガイドレール14の第1の凹所14a内に進入することができず、したがって、第2の拘束カム23はロックされて転回することができず、動作かん10を拘束したまま駆動ローラ16に押されて定位方向に移動を続ける(図6−2(g))。
【0045】
そして、第2のアーム21のガイドローラ19が第2のガイドレール14の第2の凹所14bの直前位置に達したときに、動作かん10は反位から定位位置に転換が終了する(図6−2(h))。その後、駆動ローラ16がさらにその延長方向に移動を続けると、第2のアーム21のガイドローラ19が第2のガイドレール14の第2の凹所14b内に受け入れられて第2のアーム21の転回が可能となる。
【0046】
駆動ローラ16が更に同方向に移動することによって第2の拘束カム23のロックが解かれて時計方向に転回し(図6−2(i))、最初から60°回転させたのち、駆動ローラ16は、第2の拘束カム23の湾曲誘導面23cから他方の直線誘導面23aに誘導されて第2の拘束カム23を抜け、その結果、動作かん10の拘束が解かれ(図6−2(j))、そのまま駆動ローラ16が送り終端に達し、ポイントは図1に示す定位に転換され、定位位置での背向割り出しが可能となる(図6−2(k)参照)。
【0047】
ポイントの定位から反位への転換は、図6−2(k)の状態から、図6−1(a)の状態に戻る転換動作である。その動作は、第1の拘束カム22と第2の拘束カム23との動作が逆転するだけの違いであるため、具体的な動作の説明は省略する。
【0048】
要するに、定位から反位転換時には、駆動ローラ16は定位から反位方向(逆方向)に移動して最初に第2の拘束カム23を押したときに第2のアーム21のガイドローラ19は、第2のガイドレール14の第2の凹所14b内に進入し、第2のアーム21を転回させつつ、第2の拘束カム23を転回させ、駆動ローラ16は動作かん10を拘束することなく第2の拘束カム23を抜けて移動するが、駆動ローラ10が第1の拘束カム22の湾曲誘導面22cに受け入れられた後は、第1のアーム20のガイドローラ18は第1のガイドレール13の第2の凹所13b内に進入することができず、したがって、第1の拘束カム22は転回しないまま、駆動ローラ16に押され、動作かん10を拘束しつつ反位方向に移動するということである。
【0049】
(4)背向割り出しに対する対応
ポイントに背向割り出しがあったときの動作要領を図7に示す。図7(a)は、ポイントが反位にあるときの駆動ローラ16と、動作かんのカム組立体12との関係を示している。例えばポイントが反位位置にあるときには、図7(a)に示したように駆動ローラ16は、パネル部17の一端(図上左端、反位側)に位置し、動作かん10の拘束は解かれている。
【0050】
この状態で列車が背向側からポイントに進入したとき、したがって図2における基本レール1aと、トングレール7b間に列車の車輪が入り込むと、トングレール7bには矢印Fに示す方向に力がかかり、トングレール7bを基本レール1bの方向に押し広げてゆく。このときに第2リンク6bがトングレール7bにより引っ張られ、上部クランクの第2クランク5bを回転させることにより、転換鎖錠器3を定位方向に転換させ、この力を受けて動作かん10が電気転てつ機4内に押し込まれる。
【0051】
ポイントの割り出しによって、図7(b)のように動作かん10が反位から定位転換の途中までd1の距離を移動する場合と、図7(c)のように動作かん10が反位転換までd2の距離(d1<d2)まで移動する場合とがある。いずれの場合でも背向割り出し後の動作かん10は、通常の転換動作によって復元できる。
【0052】
図8(a)において、駆動ローラ16を反位位置から定位側に移動させると、動作かん10が図7(b)に示す反位から定位転換の途中までd1の距離を移動した場合には、駆動ローラ16は、その移動途中で第1の拘束カム22に突き当たり、そのまま定位転換位置まで移動する。また、図7(c)に示すように動作かん10が定位転換位置まで最初からd2の距離を移動したときには、第1のアーム20のボスに突設された掬い部の凸縁20aが第1のガイドレール13の第2の凹所13bに達する。
【0053】
このとき、第1のガイドレール13の第2の凹所13bは、常時はシャッター15aで塞がれているが、第1のアーム20の転回方向がシャッター15aを押圧するスプリング24aの押圧方向と反対のため、第1の拘束カム22は、駆動ローラ16に押されるにしたがって、第1のアーム20の凸縁20aがシャッター15aを押し、スプリング24aを押し縮めてシャッター15aを開き(図8(b))、第1のガイドレール13の第2の凹所13b内への第1のアーム20のガイドローラ18の受け入れが可能となる(第1の拘束カム22のロックが解除される)。
【0054】
これによって第1のアーム20が枢軸P1を中心に反時計回りに転回し、第1のアーム20の転回に伴って第1の拘束カム22も枢軸P1を中心に同方向に転回し(図8(c))、駆動ローラ16は第1の拘束カム22を潜り抜けて第2の拘束カム23に向けてさらに移動する(図8(d))。第1のアーム20のガイドローラ18が第1のガイドレール13の第2の凹所13bを抜けると、シャッター15aはスプリング24aに押し戻されて該第2の凹所13bを塞ぐ(図8(e))。
【0055】
駆動ローラ16がさらに定位方向に移動すると、先の通常転換時の動作と同様に駆動ローラ16が第2の拘束カム23を押し、これを時計方向に最初から60°回転させて第2の拘束カム23を抜け、そのまま駆動ローラ16が送り終端に達し、動作かん10の拘束が解かれて定位転換終了時の位置になり、駆動ローラ16を逆方向に移動させると、通常転換時の動作により反位位置に移動し、背向割り出しの前の状態に戻すことができる(図8(f)参照)。
【0056】
(5)途中逆転の場合
途中逆転は、ポイントの転換途中で転換前の位置に戻す場合である。ポイントが反位にあるときには、図9(a)に示すように駆動ローラ16は、カム組立体12の基端であるパネル部17の図上左端に位置している。この状態で電気転てつ機4を扱って手動操作で定位方向に転換を開始したのち、転換途中で反位位置に戻す場合を説明する。もっとも、電動機25の駆動による転換途中で逆転を行っても動作は同じである。
【0057】
駆動ローラ16を定位方向に移動させると、その移動途中で第1の拘束カム22を転回させ、これを抜けたのち、駆動ローラ16は第2の拘束カム23の湾曲誘導面23cに受け入れられる(図9(b))。その後も移動を続けると、第2の拘束カム23は駆動ローラ16に押されて転回しようとするが、第2のガイドレール14の第1の凹所14aは、スプリング24bの押圧力を受けたシャッター15bによって塞がれているため、第2のアーム21のガイドローラ19が第2のガイドレール14の第1の凹所14a内に進入することができず、したがって、第2の拘束カム23はロックされて転回しないまま、駆動ローラ16に押され、動作かん10が拘束されて定位方向に駆動ローラ16と一体に移動する。ここまでの動作は、反位から定位へ向けての通常転換時の動作と同じである。
【0058】
途中逆転は、動作かん10を転換途中で移動方向を反転して元に戻す場合である。例えば、図9(c)に示す位置で動作かん10の移動方向を反転して元に戻すときには、駆動ローラ16を逆方向(反位方向)に向けて移動させると、駆動ローラ16は第1の拘束カム22を押しながら一体に移動して動作かん10を反位側に移動させる(図9(d))。そして動作かん10が反位位置に戻された時には第1アーム20のガイドローラ18が第1のガイドレール13の第1凹所13aに達する(図9(e))。
【0059】
駆動ローラ16がさらに反位方向に移動を続けると、第1のアーム20のガイドローラ18が第1のガイドレール13の第1の凹所13a内に受け入れられ、第1のアーム20の転回が可能となり、駆動ローラ16が更に反位方向に移動することによって第1の拘束カム22のロックが解除されて、時計方向に転回し、駆動ローラ16は、第1の拘束カム22を抜け、動作かん10の拘束が解かれ、そのまま駆動ローラ16が送り終端に達して動作前の状態になる。また背向割り出しが可能となる(図9(f)参照)。
【0060】
動作かん10を転換途中で移動方向を反転して元にもどすという操作は万一の場合に備えてのものであって、実際には動作かん10を定位又は反位方向への移動途中でその移動方向を逆転させる必要性はほとんどない。しかし本発明によればこのような特殊な動作に対しても対応が可能である。
【0061】
以上実施例ではポイントが反位位置にあるときに手動操作で動作かん10を定位側に移動させ、その移動途中で再び反位位置に戻す場合を説明した。ポイントが定位位置にあるときに手動操作で動作かん10を反位側に移動させ、その移動途中で再び定位位置に戻す場合においても同じである。
【0062】
本発明によれば、通常のポイントの転換動作はもとより、ポイントへの背向割り出しその他の状況によって、駆動ローラ16とカム組立体12との関係位置がどのようにずれていても、駆動ローラ16を定位位置から反位位置あるいは逆に反位位置から定位位置に移動させる間に上記関係位置のずれは、自ら正規の位置に矯正され、ポイントの転換動作にはまったく影響を与えることがない。本発明は、使用により定位から反位へあるいは反位から定位への移動途中は、動作かん10を拘束して移動させ、転換後は動作かん10の拘束を開放することによって背向割り出しを可能にするものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、特に本線以外のヤードの仕分線や側線の転てつ機に適用してポイントに背向割り出しが行われた後の復帰を無理なく行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
1a,1b レール、2 枕木、3 転換鎖錠器、4 電気転てつ機、4a 器体、5a,5b クランク、6a,6b リンク、7a,7b トングレール、8 下部クランク、9 オフセットリンク、10 動作かん、11 駆動軸、12 カム組立体、13 第1のガイドレール、13a 第1の凹所、13b 第2の凹所、14 第2のガイドレール、14a 第1の凹所、14b 第2の凹所、15a,15b シャッター、16 駆動ローラ、17 パネル部、18 第1のガイドローラ、19 第2のガイドローラ、20 第1のアーム、21 第2のアーム、20a,21a 凸縁、22 第1の拘束カム、23 第2の拘束カム、22a,23a 第1直線誘導面、22b,23b 第2直線誘導面、22c,23c 受入面、24a,24b スプリング、25 電動機、A1,A2,P1,P2 枢軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ローラと、カム組立体と、ガイドレールとの組み合わせを有する電気転てつ機の動作かん転換機構であって、
駆動ローラは、ポイントの転換時に反位から定位方向へ、あるいは定位から反位方向へ向けて直線方向に移動するものであり、
カム組立体は、第1及び第2の拘束カムの対を有し、動作かんの一部に組み付けられたものであり、
第1及び第2の拘束カムは、そのいずれか一方が、ポイントの転換時に動作かんを拘束し、反位から定位方向へ、あるいは定位から反位方向に向けて移動する前記駆動ローラの動きを動作かんに伝え、その移動送りの終端で動作かんの拘束を解除するものであり、
前記第1及び第2のガイドレールは、第1又は第2の拘束カムのロック、アンロックの制御を行い、ロック時には拘束カムを一定の姿勢に保持して動作かんを拘束し、アンロック時には、拘束カムの保持を開放して動作かんの拘束を解除するものであることを特徴とする電気転てつ機の動作かん転換機構。
【請求項2】
前記カム組立体は、第1及び第2の拘束カムの対と、第1及び第2のアームの対と第1及び第2のガイドローラの対とを有し、
第1の拘束カムと、第1のアームと、第1のガイドローラとが組をなし、
第2の拘束カムと、第2のアームと、第2のガイドローラとが組をなし、
第1の拘束カムと第2の拘束カムとは、一定の間隔をおいて動作かんの移動軸線に対し、互いに逆向きの姿勢でそれぞれ第1又は第2のアームの一端に回転可能に支持され、
前記第1及び第2のガイドローラは、それぞれ第1又は第2のアームの各他端に回転可能に支持され、
前記ガイドレールは、第1のガイドレールと第2のガイドレールとの組み合わせであり、第1又は第2のガイドレール上にそれぞれ第1又は第2のガイドローラを支えて、それぞれ拘束カムのロック制御およびアンロック制御を行うものであり、
ロック制御は、駆動ローラの押圧力を受けた拘束カムに一定の姿勢を保持させて一定の区間に渡り動作かんを拘束し、
アンロック制御は、駆動ローラの押圧力を受けた拘束カムの保持を解除して動作かんの拘束を解除することを特徴とする請求項1に記載の電気転てつ機の動作かん転換機構。
【請求項3】
前記第1及び第2の拘束カムは、いずれも120°の角度をなす山形をなし、山形の内側の面を第1直線誘導面、第2直線誘導面とし、両直線誘導面が交差する中央部分は、駆動ローラの円周面の一定範囲を支える受入面となっており、
両直線誘導面は、第1又は第2の拘束カムのアンロック時に、定位方向又は反位方向に移動する駆動ローラを誘導して第1又は第2の拘束カムを反転させるものであり、
受入面は、第1又は第2の拘束カムのロック時に定位方向又は反位方向に移動する駆動ローラを受け入れ、第1又は第2の拘束カムを駆動ローラとともに一体に移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の電気転てつ機の動作かん転換機構。
【請求項4】
前記第1又は第2のガイドレールには、動作かんのアンロック時に第1又は第2のアームを転回させるために反位側又は定位側で前記第1又は第2のガイドローラを受け入れる湾曲凹面の凹所が形成されているものであることを特徴とする請求項2に記載の電気転てつ機の動作かん転換機構。
【請求項5】
第1のガイドローラを取り付ける第1のアームのボスには、その外周面の一部に掬い部とし外方に突出する凸縁が形成され、第2のガイドローラを取り付ける第2のアームのボスには、その外周面の一部に掬い部とし外方に突出する凸縁が形成され、
前記第1、第2のガイドレールには、反位側及び定位側にそれぞれ第1又は第2の拘束カムのアンロック時に前記第1又は第2のガイドローラを受け入れる第1及び第2の凹所が形成されており、第1のガイドレールの定位側の第2の凹所および第2のガイドレールの反位側の第1の凹所は、それぞれスプリングで1方向に付勢されたシャッターにて塞がれており、
第1及び第2のガイドレールの凹所を塞ぐシャッターは、ポイントの正規の転換時において当該凹所内への前記第1又は第2のガイドローラの受け入れを阻止し、背向割り出しがあった後、定位又は反位転換の際にロック状態にある第1又は第2のアームに形成されたボスの凸縁に押されて塞がれたシャッターを開き、当該凹所内への第1又は第2のガイドローラの受け入れを可能として拘束カムのロックを解除するものであることを特徴とする請求項4に記載の電気転てつ機の動作かん転換機構。
【請求項6】
前記カム組立体は、動作かんの一部に設けられたパネル部の板面に組み付けられ、第1又は第2の拘束カムは、ロック区間において第1又は第2のガイドローラを介して第1又は第2のガイドレールに支えられた第1又は第2のアームによってパネル部の範囲内で一定の姿勢に保持されるものであることを特徴とする請求項2に記載の電気転てつ機の動作かん転換機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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