説明

電気通信デバイス間のプロファイルデータ共有

【課題】受信デバイスに発呼デバイスに関連づけられたプロファイルデータを伝達する方法を提供する。
【解決手段】発呼デバイスに関連づけられるプロファイルは、電気通信サービス提供業者との通信内にあるプロファイルサーバに格納される。受信デバイスは発呼デバイスから呼を受信し、受信デバイスには呼準備中にプロファイルが提供される。プロファイルの一部又は全部は、受信デバイス上の着呼に関連して使用される。この特徴は強化型発呼者ID又はRCLID(リッチ発呼回線識別)として知られている。プロファイルサーバはWAN(インターネット)を通じて無線ネットワークへ接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には電気通信分野に、より具体的には電気通信デバイスのユーザ間のプロファイルデータ共有に関する。
【背景技術】
【0002】
人々は今日、電気通信機器を幅広く利用している。この国のほぼ全世帯が少なくとも従来の有線電話サービスを利用しており、無線通信サービスを利用する世帯も非常に多い。電話をかけることは非常に頻繁で、多くの人々の一日の日常の一部である。
【0003】
発呼者IDという機能が非常に普及してきており、多くの電気通信の顧客がこれの利用を要求している。多くの人々にとって、電話に出る前に誰が電話をかけているかを知ることは非常に重要である。発呼者IDが開発された当初は、発呼者の電話番号だけが受信側に見えていた。その後、発呼側の氏名が追加された。しかしながら、これまでのところ、技術的な限界とおそらくは創造力の欠如は、受信側への発呼側に関する情報の伝達におけるさらなる進歩を阻んでいた。
【0004】
これまでのところ、受信側への発呼側に関する情報の伝達のための代替の方法及びメカニズムは、当業者にわかっていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、発呼者からの着呼を知らせるための呼準備時に受信側(「受信者」)の送受話器へ送信されることができる情報を含むプロファイルを作成し、保守することを、発呼側(「発呼者」)に可能にする電気通信デバイス及びサービスを対象とする。一態様においては、受信デバイスにプロファイルデータを利用可能にする方法が提供される。この方法はプロファイルサーバとのデータ接続を確立することを含み、プロファイルサーバは電気通信ネットワークを介してリモートデバイスによりアクセス可能である。この方法はプロファイルサーバでプロファイルを作成することをさらに含み、このプロファイルはプロファイルデータを含み、発呼デバイスに関連づけられる。この方法はまたさらに、発呼デバイスから電気通信ネットワークを介し、リモートデバイスへの呼に応じてリモートデバイスにプロファイルデータを利用可能にすることを電気通信ネットワークに指示することを含む。
【0006】
他の態様においては、受信デバイスにおいて、発呼デバイスに関するプロファイルデータを受信する方法が提供される。この方法は、着呼に関連する呼データを受信することを含み、この呼データは発呼デバイスの識別子を含む。この方法はさらに、プロファイルサーバとのデータセッションを開始することと、識別子を用いて発呼デバイスに関連するプロファイルをプロファイルサーバに問い合わせることとを含み、このプロファイルはプロファイルデータを含む。この方法はまたさらに、プロファイルサーバからプロファイルデータを検索することと、着呼に関連してプロファイルデータを使用することとを含む。この方法を実装するために構成された装置もまた想定される。
【0007】
さらに他の態様では、受信デバイスへの発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進するための方法が提供される。この方法は、発呼デバイスから受信デバイスへの呼を確立するための要求を受信することと、受信デバイスに呼を通知することとを含み、この通知は発呼デバイスの識別子を含む。この方法はさらに、識別子に基づき発呼デバイスに関連するプロファイルデータのための受信デバイスからの要求を受信することを含む。この方法はまたさらに、プロファイルデータを検索するため識別子に対応するプロファイルにアクセスすることと、受信デバイスへプロファイルデータを返すこととを含む。この方法を実装するために構成された装置もまた想定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実装を特に適用することができるサンプルモバイルデバイスを概括的に示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、本発明のある実装で使用されるデータがロードされた格納媒体をいくぶんより詳細に示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、起呼側デバイスから呼が受信される場合に被呼側デバイスで行われる告知を起呼側デバイスが指示するよう本発明を実装するシステムの概念図である。
【図4】図4は、本発明の実装で使用できるサンプルメッセージフォーマットを概括的に示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、起呼側デバイスから呼を受信する場合に受信デバイスで再生される特定の呼告知を関連づけるため起呼側デバイスで実行されるプロセスの一実装を概括的に示す動作フロー図である。
【図6】図6は、起呼側デバイスによって識別される呼告知を用いて着呼を告知するプロセスを概括的に示す動作フロー図である。
【図7】図7は、起呼側デバイスによって要求される特定の呼告知で着呼を告知するプロセスをいくぶんより詳細に示す動作フロー図である。
【図8】図8は、発呼デバイスに関する情報を含むリモートプロファイルを作成又は保守するために実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。
【図9】図9は、受信デバイスで発呼デバイスから呼を受信する場合に発呼デバイスに関するリモートプロファイルデータを検索するために実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。
【図10】図10は、受信デバイスへの発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進するために実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は、プロファイル共有のための様々な手法及びメカニズムの詳細な説明である。至極概括的に述べると、ユーザ又はユーザの電気通信デバイス(「発呼デバイス」)に関連づけられたプロファイルを作成し保守することを、ユーザに可能にする通信デバイス及び/又はサービスが提供される。プロファイルは、例えば電気通信サービス提供業者との通信内にあるプロファイルサーバ上に格納される。受信デバイスは発呼デバイスから呼を受信し、受信デバイスには呼準備中にプロファイルが提供される。受信デバイスにおける着呼と関連してプロファイルの一部又は全部が使われる。この基本コンセプトはこれより、ある特定の非制限的実施形態と関連して、より詳しく説明される。
【0010】
先へ進む前に、本発明の実施形態の説明で使われるいくつかの用語を定義すると有益であろう。よって、この特許文書の全体を通じて以下の用語はここで与えられる意味を持つものとする。
【0011】
用語「呼」は2つの電気通信デバイス間の何らかの通信を意味し、電話の呼に限定されない。むしろ用語「呼」はその最も広い意味で使われ、従来の電話呼、ボイス・オーバーIP(VOIP)呼を含み、SMSメッセージ、インスタントメッセージ、eメール等のような、他の2つのデバイス間のメッセージ又は通信を含むこともある。
【0012】
用語「告知」又は「呼告知」は、着呼を示すため電気通信デバイスによって遂行される知覚可能な事象を意味する。告知は、メディアファイル(例えばサウンド又は画像ファイル)、特定の順序で点滅する照明もしくは定常照明、振動、テキストもしくは英数字情報、又は他の何らかの知覚可能なメカニズムである。
【0013】
用語「発呼デバイス」は発信呼を起こす電気通信デバイスを意味する。発呼デバイスという用語は、本文書の全体を通じて用語「発呼側」、「発呼者」、又は「起呼側デバイス」と互換的に使われる。
【0014】
用語「受信デバイス」は着信呼を受信する電気通信デバイスを意味する。受信デバイスという用語は、本文書の全体を通じて用語「被呼側」、「受け手」、又は「受信側」と互換的に使われる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を実装するシステム100の機能ブロック図である。図1に示すのは、サービス提供業者によって運営される無線通信ネットワーク122上で互いに通信するいくつかのモバイルデバイスである。無線ネットワークには、携帯電話機(112、118)やその他のモバイルメッセージングデバイス120等、いくつかの異なるタイプのモバイルデバイスを接続できる。ラップトップコンピュータ116等の計算システムも無線ネットワークに接続される。プロファイルサーバ124も無線ネットワークに接続され、無線ネットワークへ結合されたデバイスはプロファイルサーバ124にアクセスできる。
【0016】
無線ネットワーク122は、インターネット等の公衆ワイドエリアネットワーク123へ結合されている。公衆ワイドエリアネットワーク123へ接続された汎用コンピュータ125等の計算装置は、ネットワークブリッジリンク114を介し、公衆ネットワーク123上のみならず、ことによると無線ネットワーク122上の、プロファイルサーバ124等の他の計算装置へアクセスすることがある。第1のプロファイルサーバ124に加えて、又はこれの代わりに、代替プロファイルサーバ126を公衆ネットワーク123へ接続することもできる。
【0017】
特にこの実装において、プロファイルサーバ(124、126)の一方(又は両方)は、多数のプロファイルを格納するプロファイルストア(128、130)を含む。各プロファイルは1つ以上のモバイルデバイスに応じて保守される。プロファイルストア128については、後ほど図4と関連してさらに詳しく説明する。簡潔に述べると、プロファイルは、連絡情報、呼告知情報及び/もしくはコンテンツ、又は画像等のように、発呼側又は発呼デバイスに関する情報を含む。プロファイルは、ことによると発呼デバイスの電話番号やその他の識別子によって発呼デバイスに関連づけられる。プロファイルサーバ124に格納された情報は、無線ネットワーク122の他のユーザによりアクセスできる場合とそうでない場合とがある。
【0018】
概括的に述べると、ユーザが発呼デバイス(例えば携帯電話機118)から受信デバイス(例えばモバイルメッセージングデバイス120)にかけて呼を行うときに、無線ネットワーク122は、プロファイルサーバ124から該当するプロファイルを検索し、これを呼準備中に受信デバイスへ提示する。このように、着呼を告知するために受信側により多くの情報を提示することができる。例えば、起呼側がプロファイルに画像を含めたなら、受信デバイスに予め写真がインストールされていなくても、受信デバイスで発呼者を写真で識別することができる、受信デバイスにおいて呼告知と組み合わせた画像が表示される。加えて、発呼デバイスの連絡情報は、受信側での皆無かごく僅かの手間で、受信デバイスへ容易に伝えられる。
【0019】
図2は、機能ブロック図であり、より具体的には、通信ネットワークにおいてモバイルデバイスのユーザ間でプロファイルデータを共有するためのシステム200のコンポーネントを図解する。コンポーネントは発呼デバイス218と受信デバイス220とを含む。発呼デバイス218と受信デバイス220は、携帯電話機やモバイルメッセージングデバイス等、少なくとも基礎的な計算能力を備える何らかの電気通信デバイスでよい。2つのデバイスは電気通信ネットワークを介して通信し、この通信ネットワークは、特にこの例ではたまたま無線ネットワーク222である。公衆交換電話網(PSTN)等の有線ネットワークのような、これ以外の多数のコンポーネント、及び他の介在通信ネットワークが無線ネットワーク222の中に組み入れられることは理解されよう。この説明では、電気通信デバイスの通信を可能にするために使われる何らかの通信インフラを概括的に表すため無線ネットワーク222を用いる。
【0020】
プロファイルサーバ224は何らかの方法で無線ネットワーク222へ接続される。例えばプロファイルサーバ224は、移動電話中継局等のような、無線ネットワーク222の1コンポーネントと結合され、配置される。あるいは、プロファイルサーバ224は、ワイドエリアネットワーク等を介して無線ネットワーク222へ間接的に結合される。
【0021】
上述したとおり、プロファイルサーバ224は無線ネットワーク222の特定の加入者又はユーザのプロファイルが置かれるプロファイルストア228を含む。特にこの実装で、発呼デバイス218のユーザはプロファイルサーバ224にアクセスし、発呼デバイス218に関連するプロファイル229を作成する。発呼デバイス218は、発呼デバイス218とプロファイルサーバ224との間のデータ通信をサポートする無線ネットワーク222上でデータ呼201を確立することによってプロファイルサーバ224にアクセスできる。あるいはユーザは、インターネットのようなワイドエリアネットワークを通じて無線ネットワーク222に結合された他の計算装置(図示せず)等、他の何らかのメカニズムを用いてプロファイルサーバ224にアクセスできる。いずれにせよユーザは、プロファイルストア228内のプロファイル229を作成し、保守するため、そしてそのプロファイル229を発呼デバイス218に関連づけるため、プロファイルサーバ224にアクセスする。
【0022】
簡潔に述べると、連絡情報、所望の呼び出し音、画像、簡単なメッセージ等、ユーザが利用可能にすることを望む情報ならほとんどどれでもプロファイル229に含めることができる。いずれの任意の情報を含めることはできるが、呼準備中に情報が配信され得ることを保証するため、サイズ制限がかかることがある。このサイズ制限は、プロファイル情報の検索が行われるネットワーク(例えば無線ネットワーク222)のレイテンシーと使用可能な帯域幅に基づく。プロファイル情報が呼準備以外で配信される実装では、このサイズ制限をなくすことができる。図4には1つのサンプルプロファイルが描かれており、以下で説明する。
【0023】
プロファイル229は、様々なメカニズムのいずれか1つ以上を用いて発呼デバイス218に関連づけることができる。例えば、プロファイル229は、電話番号もしくはモバイル識別番号(MIN)、電子シリアル番号(ESN)又はモバイル機器識別番号(MEID)等のような発呼デバイス218の様々な識別子で関連づけられることができる。この関連づけは、無線ネットワーク222の1つ以上のコンポーネントによって保守される、データベース内の、あるいはことによると加入者データベース内の、プロファイルサーバ224に格納できる。
【0024】
要するにシステム200は、発呼デバイス218のユーザがプロファイルストア228においてプロファイル229を作成又は修正することを可能にする。プロファイル229は、それで、無線ネットワーク222を介して、受信デバイス220等の他のデバイスによりアクセス可能になる。
【0025】
図3は、発呼デバイス218からの呼に関連して受信デバイス220へプロファイルデータを提供するための、図2に図示されたシステム200の運用を示す機能ブロック図である。上記のとおり、プロファイルサーバ224はユーザがプロファイル229を作成したプロファイルストア228を含む。上述したとおり、プロファイル229も発呼デバイス218に関連づけられている。プロファイルサーバ224は、ひいてはプロファイルストア228は、無線ネットワーク222に作動可能な状態で(operatively)結合される。
【0026】
発呼デバイス218から受信デバイス220へ呼301が行われるとき、例えば1つ以上の中継局(図示せず)のような無線ネットワーク222のコンポーネントは、介在通信ネットワークを含む無線ネットワーク222を通じて呼301を受信し、受信デバイス220へ送信する。
【0027】
ネットワークに基づく実装の場合、呼準備中に、無線ネットワーク222は起呼側が誰なのか(すなわち発呼デバイス218)を判断するために呼301を解析する。この判断は、発呼デバイス218の電話番号、ESN、ことによるとMIN等、呼301に埋め込まれた呼データを用いて行うことができる。無線ネットワーク222はそれから、プロファイルストア228から発呼デバイス218のプロファイル229を検索し、少なくともそのプロファイル229の一部分は受信デバイス220へ渡す。用語「プロファイルデータ」は、プロファイル229に格納され、本文書内で検討される用途のために検索されたデータのいずれかの部分を指す。「プロファイルデータ」はプロファイル229の全体であったり、プロファイル229のいずれかの部分であったり、複数の部分の組み合わせであったりする。
【0028】
この実装において、プロファイルデータはことによると多重データメッセージ形式(MDMF)プロトコルの拡張として、呼301に関連して送信される発呼者IDに含めることができ、無線ネットワーク222から受信デバイス220へ送信できる。呼の準備に代替プロトコルが使用される場合は、無線ネットワーク222によって受信デバイス220へ最初に送信されるどのデータパッケージにもプロファイル情報を含めることができる。受信されると、受信デバイス220は、着呼301を告知する、又は受信デバイス220に格納された発呼側の連絡情報を更新するような、何らかの適当な方法でプロファイルデータを利用する。
【0029】
無線ネットワーク222は最初に、受信デバイス220がリモートプロファイル告知を許可するサービスに加入されているか否かを判断することに注意されたい。例えば、無線ネットワーク222を担当するサービス提供業者は、オプションのサービス又は機能に加入されている受信デバイス220だけにプロファイルデータを提供する。この判断は、中継局等(図示せず)によって下すことができる。
【0030】
デバイスに基づく実装の場合、無線ネットワーク222は、受信デバイス220に、実質的に従来型の方法で着呼301を通知する。しかしながら、呼準備中に受信デバイス220は、プロファイルサーバ224へ、ことによるとエボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO)無線データネットワークを用いてデータ呼311を直ちに開始する。この同時データ呼311は、受信デバイス220がプロファイルサーバ224へ接続し、プロファイルストア228上のプロファイル229からプロファイルデータを検索することを可能にする。
【0031】
これらの実装のいずれかで、発呼デバイス218は、受信デバイス220で着呼301がどのように告知されるかを決定又は左右できる。例えば、プロファイル229に個人的な呼び出し音が格納されているなら、その呼び出し音は、受信デバイス220における着呼の告知に使用されうる。より具体的には、データ呼311を用いて、受信デバイス220で直ちにその呼び出し音の再生を開始することを可能にするため、無線ネットワーク222は受信デバイス220へ呼び出し音を「ストリーム」できる。このサービスは、ことによると有料で、受信デバイス220において、呼び出し音が保存されるように構成できる。別の例では、発呼側の写真や発呼側が選ぶアバター等の画像を受信デバイス220に配信し、表示することができる。さらに別の例では、発呼デバイス218のユーザがプロファイル229に連絡情報を含めることができる。これを用いて、受信デバイス220のユーザが何ら余分な手間をかけることなく、発呼側の最新の連絡情報で受信デバイス220を更新できる。
【0032】
プロファイルデータは必ずしも呼準備中に配信する必要がないことに注意されたい。連絡情報の例のような状況において、当初の着呼301が処理されている間に、バックグラウンドでデータ呼311を使ってプロファイルデータを配信できる。これは、着呼301の告知にプロファイルデータが必要ない場合、もしくは使用しない場合に、又は呼準備中に配信するにはプロファイルデータがあまりにも大きい場合に便利である。前者の場合は、音声呼301が起きている際に、プロファイルデータは受信デバイス220によってダウンロードされ、しかるべき場所に格納される。後者の場合は、プロファイルデータは受信デバイス220によってダウンロードされ、呼告知に関係するならば、発呼デバイス218からの以降の呼を告知するため使用される。別の代替案では、受信デバイス220が正常にアイドル状態にある場合のように、音声呼が終了した後に、プロファイルデータを受信デバイス220へダウンロードできる。
【0033】
図4は、本発明の特定の実装によって想定される、1つ以上のプロファイル410が存在するプロファイルストア428を示す機能ブロック図である。上述したとおり、プロファイルストア428は電気通信ネットワークとの通信を実行するプロファイルサーバ(図示せず)によって保守される。
【0034】
各プロファイルは、ユーザが他者へ利用可能にすることを望むいずれかの任意のデータを含む「プロファイルデータ」を含む。プロファイル410は、ユーザが他者へ利用可能にすることを望まない情報をさらに含むこともある。プロファイルデータは、呼告知412及び/又は連絡情報414をおそらく含むことが想定される。呼告知412は、音楽や特徴的な可聴音(一般的に「呼び出し音」と呼ばれる)等、着呼を告知するため再生されるメディアファイルであってよい。着呼の識別に使うことができる、多くの異なるフォーマットにおいて、いくつかの異なる形式のメディアファイルがある。例えば、MIDI、CMX、RTTTL、AIFF、SMAF、PCM、MP3、WAV等、異なるフォーマットで、モノフォニック又はポリフォニックオーディオファイルを利用できる。
【0035】
ここではオーディオファイルとして呼告知412が説明されるが、呼告知412は、いずれかの知覚可能な形式の告知のための記述情報を含む、いずれの形式のリソースであってもよいことは理解されよう。例えば、もしもモバイルデバイスが特徴的な振動告知で着呼を告知するなら、それぞれの呼告知412は異なる振動の記述を含む。同様に、もしもモバイルデバイスが特徴的な点滅照明で着呼を告知するなら、呼告知412は、点滅照明もしくは色付き照明の特徴的なパターン、又は2つの何らかの組み合わせをそれぞれ記述する。これらはしかし、例に過ぎず、通常の実験により他のものも明らかとなるであろう。
【0036】
連絡情報414は、個人又は実体(entities)を記述するデータを含む。プロファイル410に格納できる連絡情報414の例は、プロファイル410に関連する当人の氏名、当人を雇っている会社、当人の電話番号及び住所、当人のeメールアドレス、並びにその他の情報である。
【0037】
プロファイル410はまた、プロファイル410に関連する当人の写真である画像416を含む。画像416は、当人が望む他の人物又は物の写真であってもよい。画像416は、当人が望むアバター又はその他のアイコン等のクリップアート画像であってもよい。そのようなクリップアート画像は、電子フォーラム、掲示板、及びインスタントメッセージングサービスに関連してよく使われている。
【0038】
プロファイル410はまた、ユーザが他者へ利用可能にすることを望む何らかの他のデータ418を含む。例えば、簡単なテキストメッセージ(その他)をプロファイル410に含めることができる。プロファイル410をプロファイルストア428にある他のプロファイルと一意に区別するため、プロファイル410とともにインデックス420が含まれる。インデックス420はどんな形式の識別子であってもよい。
【0039】
プロファイルストア428はこの実装において、発呼側の識別子をプロファイルのインデックスに対応させるプロファイルテーブル430をも含む。電話番号、MIN、ESN、又はMEID等のように、発呼側識別子はあるひとつの発呼デバイスを別の発呼デバイスから一意に区別するものならどんな形式の情報であってもよい。インデックスは、インデックス420のように、各プロファイルに関連づけられた特定のインデックスである。プロファイルテーブル430は、呼を行うために使われる特定の電気通信デバイスにプロファイルを対応づける。
【0040】
図5は、本発明の実装を特に適用できる携帯電話機等のサンプルモバイルデバイス501を概括的に示す機能ブロック図である。モバイルデバイス501は、携帯電話機、モバイルメッセージングデバイス、個人用デジタル補助装置、ポータブルミュージックプレーヤー、又は全地球測位衛星(GPS)装置等、どんな手持ち型計算装置であってもよい。ここでは手持ち型計算装置の状況で説明するが、本発明の実装は、従来の有線電話システムのような他の分野に等しく応用できることは理解されたい。
【0041】
この例で、モバイルデバイス501は、プロセッサユニット504、メモリ506、格納媒体513、及びオーディオユニット531を含む。プロセッサユニット504は、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はマイクロプロセッサを有利に含むが、代替案においてはいずれの従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。
【0042】
プロセッサユニット504は、プロセッサユニット504によって実行されるソフトウェア命令を保持するRAMメモリとして有利に実装されるメモリ506へ結合される。本実施形態では、メモリ506に格納されるソフトウェア命令は、リモートプロファイルマネージャ511と、ランタイム環境又はオペレーティングシステム510、及び1つ以上のその他のアプリケーション512を含む。メモリ506はオンボードRAMであってよく、あるいはASICにプロセッサユニット504とメモリ506をまとめることもできる。メモリ506は代替の実施形態において、ファームウェア又はフラッシュメモリからなる。
【0043】
プロセッサユニット504は、ほんの数例を挙げると、ROMメモリ、フラッシュメモリ、又は磁気ディスクドライブのような何らかの不揮発性メモリとして実装される格納媒体513へ結合される。格納媒体513はまた、キャッシュ(RAM)メモリが付属する磁気ディスクドライブのように、それらの技術や他の技術の何らかの組み合わせとして実装される。特にこの実施形態において、格納媒体513は、モバイルデバイス501の電源がオフになっているときに、又は電力がない期間中に、データを格納するために使われる。格納媒体513は、連絡情報又は呼び出し音のような呼告知を格納するために使うこともできる。
【0044】
モバイルデバイス501はまた、モバイルデバイス501と1つ以上の他の計算装置との双方向通信を可能にする通信モジュール521を含む。通信モジュール521は、携帯電話網、Bluetooth(登録商標)接続、無線ローカルエリアネットワーク、又はことによると無線ワイドエリアネットワークのような、RF又はその他無線通信を可能にするコンポーネントを含むことがある。代わりに通信モジュール521は、イーサネット(登録商標)接続、RJ−11接続、ユニバーサルシリアルバス接続、又はIEEE 1394(ファイヤーワイヤー)接続等のような、固定又は有線ネットワーク接続を可能にするコンポーネントを含むことがある。これらは非網羅的一覧として意図されており、このほかにも数多くの代替案が可能である。
【0045】
オーディオユニット531は、アナログ形式とデジタル形式との間で信号を変換するよう構成されたモバイルデバイス501の1コンポーネントである。オーディオユニット531は、スピーカー532を使って音を出力し、マイクロフォン533から入力信号を受け取るために、モバイルデバイス501によって使用される。着呼の可聴告知はオーディオユニット531及びスピーカー532を使って作成することができる。例えば、特徴的な呼び出し音を再生することによって着呼を告知できる。様々な音楽の音色又は曲を使うこともできる。
【0046】
この実装では着呼を聞こえるように告知するが、これ以外のメカニズムを使用することもできる。例えば、異なる発呼者に特有の方法でモバイルデバイス501を振動させることによって呼を告知するために、振動メカニズム(図示せず)を使用することができる。あるいは、照明システムを、独特の順序で、又は異なる色により点滅して使用できる。本発明の範囲には、あらゆる知覚可能なメカニズム又は手法を用いて伝えられる告知が含まれると想定される。
【0047】
リモートプロファイルマネージャ511は、発呼側の識別情報を識別するため着呼を評価するように構成されたユーティリティ又はサービスである。リモートプロファイルマネージャ511はさらに、通信モジュール521を使用し、リモートプロファイルサーバに向けてデータ呼を開始する形に、又はリモートプロファイルサーバからデータ呼を受け付ける形に、構成される。リモートプロファイルマネージャ511は、呼識別情報をもとにリモートプロファイルサーバから発呼側のプロファイルデータを引き出す形に構成される。
【0048】
リモートプロファイルマネージャ511は、プロファイルデータを処理又は消費するためにその他のアプリケーション512と連携することもできる。例えば、プロファイルデータが呼び出し音を含む場合、リモートプロファイルマネージャ511は、着呼の告知を担当するOS 510のコンポーネントにその呼び出し音を引き渡す。プロファイルデータが連絡情報を含む場合、リモートプロファイルマネージャ511は、ローカルコンタクトデータストア(格納媒体513)への包含のために、プロファイルデータをコンタクトマネージャ(その他のアプリケーション512の中)に引き渡す。
【0049】
図6は、リモートプロファイルを作成し、保守するための特定のシステムの構成部分によって遂行される一連の操作を概括的に示すプロセス図である。このプロセスに関わる構成部分は、モバイルデバイス650、無線ネットワーク655、及びプロファイルサーバ660を含む。これら3つの構成部分それぞれは、上で詳述した対照物(counterparts)に構成と機能の点で類似してよい。プロセスはステップ601で始まる。
【0050】
ステップ601では、モバイルデバイス650は、ローカルに格納されたプロファイルを作成又は修正するために使用される。特にこの実装において、モバイルデバイス650は、モバイルデバイス650のユーザに任意のデータの入力を許す、プロファイルを構築するために用いるデータストア又はテンプレートを含む。例えば、モバイルデバイス650からの呼を告知するために使われるデフォルトの呼び出し音は、プロファイルに格納される。モバイルデバイス650から呼を告知するために他の個人によって使用されるある付加的な呼び出し音を含めることもできる。モバイルデバイス650のユーザを記述する連絡情報を含めることもできる。プロファイルで変更の有無を判断するのに役立てるため、プロファイルの「署名」をプロファイルと関連して格納することもできる。この「署名」は、ハッシュ、摘要、又はタイムスタンプ等、特定のプロファイル状態を一意に識別するために用いられる何らかの情報である。図7に関連して後述するとおり、この情報は、以降の呼に関連してプロファイルを検索するか否かを判断するために、受信デバイスによって使用される。
【0051】
ステップ603では、モバイルデバイス650と無線ネットワーク655との間でデータ呼は開始され、確立される。一実施形態においては、同時音声呼、及びデータ呼をサポートするEV−DO技術を用いてデータ呼を確立できる。あるいは、モバイルデバイス650と無線ネットワーク655との間で通常のデータ接続が確立される。
【0052】
ステップ605では、今しがた確立されたデータ呼を介して、モバイルデバイス650はプロファイルサーバ660に接続する。この接続は、モバイルデバイス上に存在するブラウザ方式のソフトウェアか他の何らかの専用ソフトウェアを用いて行うことができる。この接続には、TCP/IP接続を介したHTTPや他の何らかの転送プロトコルのように、パケット方式プロトコルと組み合わせてハイパーテキスト転送メカニズムを使用する。一例においては、プロファイルサーバ660は、ユニバーサルリソースロケーター(URL)又はユニバーサルリソース識別子(URI)によって識別され、ユーザは、プロファイルサーバ660へナビゲートするブラウザソフトウェアにこのURL又はURIを入力する。接続にはさらに、セキュリティとデータの保全性を強化するため、暗号化された安全なバージョンの転送プロトコルを使用することもできる。
【0053】
ステップ607では、モバイルデバイス650はステップ601で作成したプロファイルをプロファイルサーバ660へ送信する。一例において、モバイルデバイス650は、プロファイルをプロファイルサーバ660へアップロードすることにより、そして新規プロファイルを作成するか、又は既存のプロファイルを修正することにより、プロファイルを送信する。あるいは、プロファイルは、最初にモバイルデバイス650でローカルにプロファイルを作成するのではなく、プロファイルサーバ660でダイレクトに作成又は修正することもできる。プロファイルサーバ660へ接続されている間、モバイルデバイス650は、プロファイルに関連するその他の設定を変更することもできる。例えばユーザは、プロファイルへのアクセスを制限するため、何らかの特権又は許可を付加することを望むかもしれない。
【0054】
ステップ609では、モバイルデバイス650とプロファイルサーバ660間のデータセッションが終了する。ステップ611では、モバイルデバイス650と無線ネットワーク655間のデータ呼は、切断するか、又は休止状態に入る。データ呼は手動で、あるいはことによるとタイムアウトイベントの結果として切断される。
【0055】
ここで説明する図6に描かれたプロセスはひとつの選択肢に過ぎず、これ以外の代替案も可能であることを理解されたい。例えば、モバイルデバイス650を使ってプロファイルを作成し保守するよりもむしろ、ユーザは、ことによるとイントラネットやインターネット等の従来のネットワークを介しプロファイルサーバ660へ接続する従来の汎用コンピュータを用いて、プロファイルを作成し保守できる。
【0056】
さらに、ある実施形態においては、プロファイルサーバ660は、切り離されたシステム上にあるよりもむしろ、モバイルデバイス650自体の一部として組み込まれる。このような代替案において、後ほどより詳しく説明するとおり、モバイルデバイス650は、他の受信デバイスに対して呼を行うことに関連して、自身のプロファイルデータを直接、提供できる。かかる代替実施形態は、したがって当然、切り離された場所でプロファイルデータを保守することや切り離された場所へプロファイルデータをアップロードすることに関係する図6に示された操作が不要である。
【0057】
図7は、着呼に応じてリモートプロファイルを検索するため、特定のシステム構成部品によって実行される一連の操作を概括的に示すプロセス図である。このプロセスにかかわる特別の構成部品は、モバイルデバイス750と、無線ネットワーク755と、プロファイルサーバ760と、受信デバイス765とを含む。これら4つの構成部品のそれぞれは、上で詳述した対照物(counterparts)に構成と機能の点で類似してよい。プロセスはステップ701で始まる。
【0058】
ステップ701では、モバイルデバイス750から無線ネットワーク755に対し音声呼要求が発行される。この音声呼要求は、モバイルデバイス750のESN及びMINのような、モバイルデバイス750を識別する情報を含む。加えて要求は、被呼番号を、すなわち受信デバイス765の電話番号(又はことによるとMIN)を含む。
【0059】
ステップ703では、無線ネットワーク755は着信呼要求を受信デバイス765に通知する。無線ネットワーク755は、モバイルデバイス750から提供された被呼番号に基づき、受信デバイス765に音声呼要求を渡す。受信デバイス765に渡される音声呼要求は、発呼者ID情報等、モバイルデバイス750を識別する識別情報を含むことがある。ある強化策において、このステップで送信される通知は、上述したように予め作成されたプロファイルの署名を含むことがある。
【0060】
ステップ704では、リモートデバイス765は、着呼に関連して表示するため、呼び出し音又は連絡情報のような情報を自身のローカルデータ格納装置で検索する。例えばリモートデバイス765には、モバイルデバイス750からの着呼に関連して使用するために格納された特定の告知が既にあるかもしれない。そうでない場合、又は着呼が到着するたびにチェックを行うようにリモートデバイス765が構成されている場合、プロセスは継続する。予めプロファイルの署名を受け取っている場合、リモートデバイス765は、プロファイルがローカルにあるか否かの判断に加え、ローカルプロファイルが最新のものか否かを判断できる。
【0061】
ステップ705では、リモートデバイス765と無線ネットワーク755との間でデータ呼は開始され、確立される。一実施形態において、データ呼は、同時音声呼、及びデータ呼をサポートするEV−DO技術を用いて確立される。プロファイルサーバ760がモバイルデバイス750に埋め込まれる代替案において、データ呼は、リモートデバイス765と起呼側モバイルデバイス750との間で事実上(effectively)確立される。この代替案は、無線ネットワーク755と起呼側モバイルデバイス750との間で第2のデータ呼(図示せず)を確立することを含む。たとえプロファイルサーバ760がモバイルデバイス750に内蔵される場合でも、又はモバイルデバイス750と併置される場合でも、後述する残りのステップが等しく当てはまることは理解されよう。さらに他の代替案では、例えばローカルに格納された連絡情報を周期的に更新するように、着信音声呼とは関係ない任意の、又は所定のときに、リモートデバイス765と起呼側モバイルデバイス750との間でデータ呼は確立される。
【0062】
ステップ707では、今しがた確立したデータ呼を介して、受信デバイス765はプロファイルサーバ760に接続する。この接続には、TCP/IP接続を介したHTTP又は他の何らかの転送プロトコルのような、パケット方式プロトコルと組み合わせたハイパーテキスト転送メカニズムを使用できる。
【0063】
ステップ709において、受信デバイス765はプロファイルサーバ760にプロファイルデータのためのクエリーを発行する。受信デバイス765は、モバイルデバイス750の着信電話番号等を用いて注目するプロファイルを識別できる。一つの強化策において、このクエリーは、データ転送をより効率化するための情報を含む。例えば、受信デバイス750に、1つのバージョンのプロファイルデータが既に存在する場合、クエリーとともにローカルバージョンのプロファイルデータの署名(例えばハッシュ)をことによると送信する。このように、プロファイルサーバ760は、受信デバイス765がプロファイルサーバ760にあるプロファイルデータを最後に検索した後に、プロファイルデータに変更が施されたか否かを判断するために署名を使用する。
【0064】
ステップ711において、プロファイルサーバ760は、プロファイルデータを返すことによって受信デバイス765に応答する。一例において、プロファイルデータが呼び出し音のような呼告知を含む場合、プロファイルサーバ760は、リモートデバイス765へ呼告知のストリーミングを直ちに開始できる。あるいは、プロファイルデータが連絡情報を含む場合、プロファイルサーバ760はその連絡情報を送信できる。もうひとつの代替案において、プロファイルデータは画像を、ことによると多重解像度形式(例えばJPEG2000形式)で含む。この場合、リモートデバイス765がサポートできる解像度までに続く詳細さのレベルの各画像を送信するうち、プロファイルサーバ760は、最も低い詳細さの解像度レベルの画像の送信から開始する。このように、リモートデバイス765は、全体のフル解像度の画像を待たなければならない場合より早く画像の再生を開始することができる。
【0065】
ステップ712では、適切であれば、プロファイルデータは着呼の告知に使用される。上記の例を用いて、呼び出し音は呼を告知するため再生され、連絡情報は発呼者を識別するため用いられ、及び/又は画像は発呼者の肖像(又はその他の像)を表示するために使用される。
【0066】
ステップ713では、受信デバイス765は、プロファイルサーバ760とのデータセッションを切断する。ステップ715では、受信デバイス765が無線ネットワーク755とのデータ呼を切断し、又はデータ呼が休止状態に入る。
【0067】
ステップ717では、受信デバイス765はモバイルデバイス750からの着信音声呼を受け付け、したがって受信デバイス765のユーザとモバイルデバイス750のユーザとの間の音声(又はその他、例えば映像)通信が可能になる。ステップ719では、2ユーザ間の会話が終わる場合、受信デバイス765とモバイルデバイス750との間の音声呼が終了する。
【0068】
ステップ713及び715は、ステップ717及び719に関して、必ずしも特定の順序で遂行する必要がないことに注意されたい。換言すると、特定の技術を使用することによりデータ接続と音声呼は同時に維持できる。かかる技術を使用すれば、音声呼を処理する前にデータ呼を終了させる必要はない。
【0069】
ステップ720において、受信デバイス765は、呼び出し音や連絡情報といったプロファイルデータの保存を促すことができる。ある特定の実装においては、プロファイルデータの保存にかかる料金をリモートデバイス765の勘定に請求することができる。
【0070】
図8は、プロファイルデータを受信デバイスに提供するプロセスによって実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。このプロセスは、通信デバイスのユーザが、電気通信ネットワーク上で共有されることを意図したプロファイルを作成又は修正することで始まる。プロセスはステップ810で始まる。
【0071】
ステップ810では、電気通信ネットワークを介してリモートデバイスによりアクセス可能なプロファイルサーバとのデータ接続が確立される。データ接続は、プロファイルに関連するモバイルデバイスを使って確立され、あるいは代わりに、データ接続は、プロファイルサーバへ作動可能な状態で(operatively)結合された計算装置を使って確立される。
【0072】
ステップ820では、プロファイルはプロファイルサーバで作成される。この実装において、プロファイルは発呼デバイスに関連づけられ、発呼デバイスの特性、受信デバイスの特有の挙動条件、又は他の何らかの任意のデータを記述するプロファイルデータ含む。
【0073】
ステップ830では、電気通信ネットワークは、発呼デバイスからリモートデバイスにプロファイルデータを利用可能にすることを指示される。一例においては、発呼デバイスからリモートデバイスへの呼に応じて、プロファイルデータはリモートデバイスに利用可能にされる。換言すると、発呼デバイスからの呼は、プロファイルデータにアクセスするための受信デバイスへの暗黙的な許可の構成要素となる。
【0074】
図9は、受信デバイスで発呼デバイスに関するプロファイルデータを受信するためのプロセスによって実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。このプロセスは、発呼デバイスのユーザが受信デバイスに対し、音声呼等の呼を開始する場合に始まる。プロセスはステップ910で始まる。
【0075】
ステップ910では、着呼に関連する呼データは受信デバイスにて受信される。この呼データは発呼デバイスの識別子を含む。識別子の例は、電話番号又は発呼デバイスのMIN及びESNを含む。
【0076】
ステップ920では、プロファイルサーバとのデータセッションが開始される。このデータセッションは、電気通信ネットワーク上での同時データ呼によってサポートされる。一例においては、EV−DO通信技術はデータ呼をサポートすることに用いられる。
【0077】
ステップ930では、プロファイルサーバは、発呼デバイスに関連するプロファイルを問い合わせられる。発呼デバイスの識別子は、注目するプロファイルを識別するために用いられる。プロファイルは呼告知、連絡情報、又は画像等を含むプロファイルデータを包含する。
【0078】
ステップ940では、プロファイルデータはプロファイルサーバから検索される。一例において、プロファイルデータは、ストリーミングオーディオ形式で受信デバイスへストリームされる。別の例では、プロファイルデータは、テキスト連絡情報又は画像もしくはアバター等として受信デバイスへ配信される。
【0079】
ステップ950では、プロファイルデータは着呼に関連して使用される。一例において、プロファイルデータは、呼び出し音としてストリーミングオーディオファイルを再生することによってのように、着信音声呼を告知できる。加えて、プロファイルデータは、受信デバイスに格納された発呼デバイスの連絡情報を更新することに用いられる。
【0080】
図10は、受信デバイスへ発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進するためのプロセスにより実行されるステップを概括的に示すプロセス図である。一実装において、プロセスは、無線ネットワーク等の電気通信ネットワークのコンポーネントによって実行される。プロセスはステップ1010で始まる。
【0081】
ステップ1010では、発呼デバイスから受信デバイスへの呼を確立するための要求が受信される。この要求は、被呼番号、発呼番号(例えば発呼デバイスのMIN)、及び発呼デバイスのESNを含む発呼デバイスからの従来の呼要求の形式をとる。
【0082】
ステップ1020では、受信デバイスは呼を通知される。一例において、電気通信ネットワークは受信デバイスとの音声呼の準備を開始する。通知は発呼デバイスの識別子(例えば発呼デバイスのMIN/ESNペア)を含む。
【0083】
ステップ1030では、発呼デバイスに関連するプロファイルデータのための要求が受信デバイスから受信される。この要求は、電気通信ネットワークとの同時データ呼を介して送信され、識別子を含むことができる。
【0084】
ステップ1040では、識別子に対応するプロファイルは、プロファイルデータを検索するためにアクセスされる。プロファイルは、ことによるとワイドエリアネットワークを介して、電気通信ネットワークで作動する(operative)通信内のプロファイルサーバに格納される。
【0085】
ステップ1050では受信デバイスにプロファイルデータが返され、そこでプロファイルデータは、着呼を告知すること又は受信デバイスで発呼デバイスの連絡情報を更新するように何らかの適当な方法で使用される。
【0086】
これまで特定の実施形態及び実装を参照して本発明を説明してきたが、これらは例証に過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されないことを理解されたい。上述した実施形態には数多くの変形、修正、追加、及び改良が可能である。これらの変形、修正、追加、及び改良は、添付の特許請求の範囲の中で詳述する本発明の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信デバイスにプロファイルデータを利用可能にする方法であって、
通信ネットワークを介しリモートデバイスによってアクセス可能であるプロファイルサーバとのデータ接続を確立することと、
プロファイルデータを含み、発呼デバイスに関連づけられるプロファイルを前記プロファイルサーバにおいて作成することと、
前記発呼デバイスから前記電気通信ネットワークを介し前記リモートデバイスに前記プロファイルデータを利用可能にすることを前記通信ネットワークに指示することを具備する方法。
【請求項2】
前記データ接続は、無線ネットワーク上で確立される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データ接続は、有線ネットワーク上で確立される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記プロファイルサーバは、前記発呼デバイスか前記リモートデバイスのいずれかに存在する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記データ接続は、ワイドエリアネットワーク上で確立される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記プロファイルデータは、前記発呼デバイスから前記リモートデバイスへの呼に応じて前記リモートデバイスに利用可能にされる請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記プロファイルデータは、前記発呼デバイスから前記リモートデバイスへの音声通信とは無関係に前記リモートデバイスに利用可能にされる請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記電気通信ネットワークは、無線通信ネットワークを具備する請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記プロファイルデータは、前記電気通信ネットワーク上で共有されることが意図された情報を含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記情報は、呼告知、連絡情報、画像、及びメッセージのうち、少なくとも1つを具備する請求項9記載の方法。
【請求項11】
受信デバイスにおいて発呼デバイスに関するプロファイルデータを受信する方法であって、
前記発呼デバイスの識別子を含み、着呼に関連する呼データを受信することと、
プロファイルサーバとのデータセッションを開始することと、
前記プロファイルデータを含み、前記識別子を用いて前記発呼デバイスに関連するプロファイルに関して前記プロファイルサーバに問い合わせることと、
前記プロファイルサーバから前記プロファイルデータを検索することと、
前記着呼に関連して前記プロファイルデータを使用することとを具備する方法。
【請求項12】
前記データセッションを開始するステップ、前記プロファイルサーバに問い合わせるステップ、及び前記プロファイルデータを検索するステップは、電気通信ネットワークのコンポーネントによって実行される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記コンポーネントは、前記受信デバイスを具備する請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記コンポーネントは、前記電気通信ネットワーク内の中継局を具備する請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記識別子は、選択される1つ以上の電話番号、移動体識別番号、電子シリアル番号、及び/又は移動体機器識別番号を具備する請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記プロファイルデータは、呼告知、連絡情報、画像、及びメッセージのうち少なくとも1つを具備する請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記呼告知はオーディオファイルを具備し、前記プロファイルデータを検索することは、前記オーディオファイルをストリーミングデータとして受信することを具備する請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記プロファイルデータを使用することは、ストリーミングオーディオデータを受信することと、前記ストリーミングオーディオデータを使って前記着呼を告知することとを具備する請求項11記載の方法。
【請求項19】
前記受信デバイスにおいて前記プロファイルデータの保存を促すことをさらに具備する請求項11記載の方法。
【請求項20】
前記プロファイルデータの保存を促すことは、前記着呼の完了に際して行われる請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記プロファイルデータを使用することは、前記受信デバイスにおいて前記発呼デバイスに関する連絡情報を更新することを具備する請求項11記載の方法。
【請求項22】
受信デバイスに対する発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進する方法であって、
前記発呼デバイスから前記受信デバイスへの呼を確立するための要求を受信することと、
前記受信デバイスに前記呼を前記発呼デバイスの識別子を含めて通知することと、
前記識別子に基づき前記発呼デバイスに関連するプロファイルデータに関する前記受信デバイスからの要求を受信することと、
前記プロファイルデータを検索するため前記識別子に対応するプロファイルにアクセスすることと、
前記プロファイルデータを前記受信デバイスに返すこととを具備する方法。
【請求項23】
前記識別子は、選択される1つ以上の電話番号、移動体識別番号、電子シリアル番号、及び/又は移動体機器識別番号を具備する請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記プロファイルデータは、呼告知、連絡情報、画像、及びメッセージのうち少なくとも1つを具備する請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記呼告知はオーディオファイルを具備し、前記プロファイルデータを返すことは、前記受信デバイスへ前記オーディオファイルをストリームすることを具備する請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記プロファイルにアクセスすることは、プロファイルサーバへの接続を確立することと、前記プロファイルデータに関して前記プロファイルサーバに問い合わせることとを具備する請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記プロファイルデータを返すことは、前記受信デバイスへ前記発呼デバイスに関する連絡情報を送信することを具備する請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記プロファイルデータを返すことは、前記受信デバイスへメッセージを送信することを具備する請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記プロファイルデータを返すことは、前記受信デバイスへ画像を送信することを具備する請求項22記載の方法。
【請求項30】
前記受信デバイスが、署名情報に基づいて前記プロファイルデータを検索するための権限が与えられていることを判断することをさらに具備する請求項22記載の方法。
【請求項31】
前記プロファイルデータは、前記受信デバイスに明確に関連づけられた呼告知を含む請求項22記載の方法。
【請求項32】
前記プロファイルはさらに、別の受信デバイスに関連づけられた別の呼告知を具備する請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記受信デバイスからの前記要求は、同時データ呼を介して受信される請求項22記載の方法。
【請求項34】
呼を受信するためのデバイスであって、
無線ネットワークと通信するための通信モジュールと、
プロファイルデータを格納するための格納媒体と、
コンピュータコードを実行するためのプロセッサと、
前記プロセッサによる読み取りが可能で且つ実行可能命令を含むメモリとを具備し、該実行可能命令は、
発呼デバイスの識別子を含み、着呼に関連する呼データを受信することと、
前記無線ネットワークを介してプロファイルサーバとのデータセッションを開始することと、
前記プロファイルデータを含み、前記識別子を用いて前記発呼デバイスに関連するプロファイルに関して前記プロファイルサーバに問い合わせることと、
前記データセッションを用いて前記プロファイルサーバから前記プロファイルデータを検索することと、
前記着呼に関連して前記プロファイルデータを使用することとを前記プロセッサに実行させるよう構成されるデバイス。
【請求項35】
前記識別子は、選択される1つ以上の電話番号、移動体識別番号、電子シリアル番号、及び/又は移動体機器識別番号を具備する請求項34記載のデバイス。
【請求項36】
前記プロファイルデータは、呼告知、連絡情報、画像、及びメッセージのうち少なくとも1つを具備する請求項34記載のデバイス。
【請求項37】
前記呼告知は、オーディオファイルを具備し、前記プロファイルデータは、ストリーミングオーディオデータとして検索される請求項36記載のデバイス。
【請求項38】
前記プロファイルデータは、前記着呼を告知するため使用される請求項34記載のデバイス。
【請求項39】
前記プロファイルデータは、前記発呼デバイスのローカルに格納された連絡情報を更新するため使用される請求項34記載のデバイス。
【請求項40】
受信デバイスへのプロファイルデータの配信を促進するシステムであって、前記システムは、
発呼デバイス及び受信デバイスと通信するための通信モジュールを含むサーバと、
プロファイルデータを含むプロファイルを格納するための格納媒体と、
コンピュータコードを実行するためのプロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を収容するメモリとを具備し、
前記コンピュータ実行可能命令は前記プロセッサによって実行される場合に、前記発呼デバイスから前記受信デバイスへの呼を確立するための要求を受信することと、
前記受信デバイスに前記呼について前記発呼デバイスの識別子を含めて通知することと、
前記識別子に基づいて前記発呼デバイスに関連するプロファイルデータのための前記受信デバイスからの要求を受信することと、
前記プロファイルデータを検索するための前記識別子に対応するプロファイルにアクセスすることと、
前記プロファイルデータを前記受信デバイスに返すこととを実行するよう作用するシステム。
【請求項41】
受信デバイスにおいて着呼を告知するためのデバイスであって、
着呼に関連する呼データを受信するための手段と、
特定の呼告知が要求されたか否かを判断するため前記呼データを解析するための手段と、
前記特定の呼告知が要求されている場合に、前記要求された呼告知が前記受信デバイス上にローカルに存在するか否かを判断するための手段と、
前記要求された呼告知がローカルに存在する場合に、前記要求された呼告知を用いて前記呼を告知するための手段とを具備するデバイス。
【請求項42】
受信デバイスへの発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進するためのシステムであって、
前記発呼デバイスから前記受信デバイスへの呼を確立するための要求を受信するための手段と、
前記受信デバイスに前記呼について前記発呼デバイスの識別子を含めて通知するための手段と、
前記識別子に基づいて前記発呼デバイスに関連するプロファイルデータのための前記受信デバイスからの要求を受信するための手段と、
前記プロファイルデータを検索するための前記識別子に対応するプロファイルにアクセスするための手段と、
前記プロファイルデータを前記受信デバイスに返すための手段とを具備するシステム。
【請求項43】
受信デバイスにおいて発呼デバイスに関するプロファイルデータを受信するためのコンピュータ実行可能命令が符号化されたコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
前記発呼デバイスの識別子を含み、着呼に関連する呼データを受信することと、
プロファイルサーバとのデータセッションを開始することと、
前記識別子を用いて前記発呼デバイスに関連し、前記プロファイルデータを含むプロファイルを前記プロファイルサーバに問い合わせることと、
前記プロファイルサーバから前記プロファイルデータを検索することと、
前記着呼に関連して前記プロファイルデータを使用することとを具備するコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
受信デバイスへの発呼デバイスに関するプロファイルデータの配信を促進するコンピュータ実行可能命令が符号化されたコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
前記発呼デバイスから前記受信デバイスへの呼を確立するための要求を受信することと、
前記受信デバイスに前記呼について前記発呼デバイスの識別子を含めて通知することと、
前記識別子に基づいて前記発呼デバイスに関連するプロファイルデータのための前記受信デバイスからの要求を受信することと、
前記プロファイルデータを検索するため前記識別子に対応するプロファイルにアクセスすることと、
前記プロファイルデータを前記受信デバイスに返すこととを具備するコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−59030(P2013−59030A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198727(P2012−198727)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−556574(P2008−556574)の分割
【原出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】