説明

電気錠装置

【課題】既設の電子機器類収納用のキャビネットにおけるセキュリティの向上を簡便に実現することができる電気錠装置を提供する。
【解決手段】電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12に、電気錠本体31を設置固定する。解錠信号を入力すると、扉用ロックハンドル14上に延出した開閉金物61を回動して電気錠本体31内に収容し、解錠状態71を形成する。施錠信号を入力すると、開閉金物61を回動して扉用ロックハンドル14上に延出し、施錠状態73を形成する。これにより、扉用ロックハンドル14の引き起こし・回動操作を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器類収納用キャビネットなどの扉に取り付けられる電気錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データーセンター施設や制御設備室などでは、複数のデーター用サーバーや制御機器が備えられており、これらは電子機器類収納用キャビネット内に収容されている。
【0003】
この電子機器類収納用キャビネットの開口部は、扉で閉鎖されており、扉に設けられたハンドルを操作することで当該扉を開閉し、保守点検などを行えるように構成されている。
【0004】
近年、企業や各種組織団体などにおいては情報セキュリティの環境整備が強く求められており、これらの電子機器類収納用キャビネットに最新式の電気錠を設置してセキュリティを高める際には、電気錠付きの扉に交換、あるいは電子機器類収納用キャビネット自体を入れ替えていた。
【0005】
また、什器などにおいては保管庫本体に特殊な加工を施しロック装置を後付けすることにより施錠解錠機能を追加することがある。たとえば保管庫本体に後付け可能な施錠装置として、特許文献1、特許文献2のように格納手段の本体と前面開口部の扉にロック部材を係合させることにより扉の開放を防止するようにしたものがある。
【特許文献1】特開2001−82014号公報
【特許文献2】特開2004−176499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような電子機器類収納用キャビネットの扉の加工や交換、または電子機器類収納用キャビネット自体の入れ替えには、大規模な工事作業が必要となり多大な費用と時間が掛かった。
【0007】
また、特許文献1に開示の特許は保管庫に電気錠を後付けし、キー金具を介して保管庫の扉を押え込むことにより開動作を規制するロック装置であるが、格納手段の本体と扉との相対的な位置関係を考慮しつつロック装置を取り付けなければならず、また扉部開放を阻止するためのロック装置やキー金具自体の機械的強度や精度も必要とされ電子機器類収納用キャビネットへの応用設置は困難である。
【0008】
そして、特許文献2に開示の特許は書類保管事務器に後付けし、遠隔操作によって施錠解錠を可能としたロック機構であるが、装置の取り付け工事が大掛かりなことや筐体側面部に取付け強度を要求するなどの理由から電子機器類収納用キャビネットへの応用設置は困難である。
【0009】
また、同様のキャビネット類が左右側面部に連結された電子機器類収納用キャビネットの場合には、例示された特許文献のそれぞれの方法では装置本体の占有する空間の確保が困難な理由により装置を設置することすらままならない。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、既設の電子機器類収納用のキャビネットにおけるセキュリティの向上を容易に実現することができる電気錠装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の電気錠装置にあっては、扉に設けられたハンドルを操作して当該扉を開放するキャビネットにおいて、前記扉に後付け設置固定可能な電気錠本体を備え、該電気錠本体に、入力に応じて前記ハンドルの操作を阻止した施錠状態と前記ハンドルの操作を許容する解錠状態とを形成するロック手段を設けた。
【0012】
すなわち、データセンター施設等においてシステムが稼働中の電子機器類収納用のキャビネットでのセキュリティの向上を図る際には、このキャビネットの扉に電気錠本体を簡易な工法によるネジ止めもしくは接着にて固定する。これにより、当該電気錠本体は、前記キャビネットに設置される。
【0013】
そして、この電気錠本体によって当該キャビネットの扉の解放を阻止する際には、当該電気錠本体に施錠する旨を入力する。すると、この入力を受けた前記電気錠本体では、当該入力に応じて前記扉に設けられたハンドルの操作を阻止した施錠状態がロック手段によって形成され、当該ハンドルの操作が不能となる。これにより、前記扉の開放が禁止される。
【0014】
一方、前記電気錠本体によって前記キャビネットの扉の解放を許容する際には、前記電気錠本体に解錠する旨を入力する。すると、この入力を受けた前記電気錠本体では、当該入力に応じて前記ハンドルの操作を許容する解錠状態が前記ロック手段によって形成され、当該ハンドルの操作が可能となる。これにより、前記扉の開放を許容することができる。
【0015】
また、請求項2の電気錠装置においては、前記ハンドルを、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成する一方、前記ロック手段を、前記施錠状態で前記ハンドルの引き起こし軌道上に延出され当該ハンドルの引き起こしを阻止するとともに前記解錠状態で前記引き起こし軌道上から退避され前記ハンドルの引き起こしを可能とするロックバーと、該ロックバーを駆動する小型電動機とで構成した。
【0016】
すなわち、前記施錠状態を形成する際には、入力に応じて小型電動機がロックバーを駆動することで、該ロックバーを引起式のハンドルの引き起こし軌道上に延出し、当該ハンドルの引き起こしを阻止する。
【0017】
この状態において、前記ハンドルの引き起こしが前記ロックバーで阻止されるため、前記ハンドルの引き起こし及び当該ハンドルの回動操作が不能となり、前記扉の開放が禁止される。
【0018】
一方、前記解錠状態を形成する際には、入力に応じて小型電動機がロックバーを駆動することで、該ロックバーを前記引き起こし軌道上から退避され、当該ハンドルの引き起こしが可能となる。
【0019】
この状態において、前記ハンドルの引き起こし及び引き起こしたハンドルの回動操作が可能となるため、前記扉の開放が許容される。
【0020】
さらに、請求項3の電気錠装置では、前記ハンドルを、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成する一方、前記ロック手段を、前記施錠状態で前記ハンドルの引き起こし軌道上に延出され当該ハンドルの引き起こしを阻止するとともに前記解錠状態で前記引き起こし軌道上から退避され前記ハンドルの引き起こしを可能とするロックバーと、該ロックバーの操作を阻止可能に許容する電磁石とで構成した。
【0021】
すなわち、前記施錠状態を形成する際には、ロックバーを引起式のハンドルの引き起こし軌道上に延出した状態で、前記入力に応じて電磁石を作動することで、前記ロックバーの操作を阻止する。
【0022】
この状態において、前記ハンドルの引き起こしを禁止した前記ロックバーの操作が不能となるため、前記扉の開放禁止状態が維持される。
【0023】
一方、前記入力に応じて電磁石を作動することにより、前記ロックバーの操作を可能とすることで、このロックバーを前記引き起こし軌道上から退避することができる。
【0024】
この状態において、前記ロックバーを前記引き起こし軌道上から退避することによって、前記扉の開放が許容される。
【0025】
すなわち、前記ハンドルの前段操作である引き起こしを抑制または開放することにより前記キャビネット扉の開放の抑制をするため、キャビネットの構造的強度や閉鎖性能は本来係合されている前記ハンドルの高い性能をそのまま活用することができる。
【0026】
また、電気錠装置と前記ハンドルの係合状態の外観は施錠状態を直感的に知ることができることや、機械式錠があらかじめ備えられている前記ハンドルの場合では二重の施錠も可能であるため、その場合には電子機器類収納用のキャビネットの防犯性も向上する。
【0027】
加えて、請求項4の電気錠装置にあっては、前記電気錠本体に、設置固定された前記扉からの離脱を検出する検出手段を設けた。
【0028】
すなわち、前記電気錠本体には、ネジ止めもしくは接着固定された前記扉からの離脱を検出する検出手段が設けられており、該検出手段が離脱を検出することで、不用意な脱落や、意図的な取り外しや引き剥がしなどの不正操作を検出できる。
【0029】
また、請求項5の電気錠装置においては、前記電気錠本体は、蓄電池からの電源で作動する無線通信機能を内蔵し、電気錠制御装置との無線通信で取得した信号に応じて作動する。
【0030】
これにより、無線通信を用いた前記電気錠制御装置からの遠隔制御や状態監視が可能となる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明の請求項1の電気錠装置にあっては、従来の後付けのロック機構と比較した場合、電子機器類収納用のキャビネット本体と扉との係合に直接関与しない構造のためコンパクトな電気錠装置を形成することができ、このため優れた設置汎用性を持つ。特に操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルが数多く採用されている電子機器類収納用のキャビネットにおいては、複数のキャビネットが隙間なく連結されたものや多種多様な扉を複数有するものなど従来の後付けのロック機構では実現しえなかったキャビネット類に対して電気錠装置の後付け設置が可能となる。このようにしてキャビネットの扉に電気錠装置を設置するだけで、制御信号の入力に応じて扉の開放を禁止した状態と許容した状態を形成する電気制御式機能を容易に付加することができる。
【0032】
すなわち既設のキャビネットの扉を交換、又は当該キャビネットを入れ替えるなどの大規模な工事を行うことなく、簡易な工法によるネジ止めや接着剤による電気錠の設置が可能となり、電気錠の導入コストを大幅に抑えることができる。
【0033】
さらに、前記電気錠本体を前記キャビネットの前記扉に接着固定する場合には、扉や筐体に加工を施す際に切粉が発生する恐れがある場合と比較して、システム稼働中であっても安全かつ容易に既設のキャビネットに電気錠を設けることができる。
【0034】
また、請求項2の電気錠装置においては、入力に応じて小型電動機でロックバーを駆動することで、前記施錠状態と前記解錠状態とを形成し、扉の開放を禁止した状態と許容した状態とを形成することができる。
【0035】
さらに、請求項3の電気錠装置では、入力に応じて電磁石を作動することで、ロックバーの操作を可能にした状態と、前記ロックバーの操作を禁止した状態とを形成することができる。これにより、前記ロックバーの操作を阻止することで、前記扉の開放を禁止した状態を維持することができるとともに、前記ロックバーの操作を可能とすることで、前記扉の開放を許容した状態を形成することができる。
【0036】
このとき、前記ロックバーの操作を手動とすることで、電動でロックバーを駆動する場合と比較して、消費電力を抑えることができる。
【0037】
加えて、請求項4の電気錠装置にあっては、前記電気錠本体に前記扉からの離脱を検出する検出手段を設けることによって、当該電気錠本体の離脱を検出することができる。
【0038】
これにより、前記扉に設置固定された前記電気錠の不用意な脱落や、取り外しや引き剥がしなどの不正操作を知ることができる。
【0039】
また、請求項5の電気錠装置においては、無線通信を用いることによって、前記電気錠本体を前記電気錠制御装置から遠隔制御や状態監視を行うことができる。
【0040】
以上説明したように、既設の電子機器類収納用のキャビネット扉に本発明の電気錠装置を設置することにより扉の施解錠の遠隔操作や状態管理が可能となる。また不正な操作や異常状態なども監視可能となり、セキュリティの向上を実現する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
(第1の実施の形態)
【0042】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる電気錠装置1を利用した電気錠システムを示す図であり、電子機器類収納用キャビネット2に採用した例が示されている。
【0043】
すなわち、この電子機器類収納用キャビネット2の筐体11前面には、保守点検用の開口部が設けられており、この開口部は、キャビネット扉12によって開閉自在に閉鎖されている。該キャビネット扉12は、その一辺が蝶番13,13によって前記筐体11に支持されており、その自由端部には、当該キャビネット扉12を開閉する為の扉用ロックハンドル14が設けられている。
【0044】
この扉用ロックハンドル14は、図2に示すように形成されており、その一端部が前記キャビネット扉12に固定されたロック機構本体15に支持されている。この扉用ロックハンドル14は、当該キャビネット扉12を閉鎖した状態において、その先端部を下方へ向けた状態で前記ロック機構本体15の凹部16内に収容されており、この状態では、当該ロック機構本体15の図外の係合部が前記筐体11と係合し、閉鎖されたキャビネット扉12の開放を阻止できるように構成されている。
【0045】
このキャビネット扉12を開放する際には、前記扉用ロックハンドル14の先端部を手前側に引き起こした引き起こし状態21を形成するとともに、この引き起こし状態21の扉用ロックハンドル14を、図中右方へ回動して回動状態22を形成する。すると、前記筐体11と前記係合部との係合状態が解除され、この状態で前記扉用ロックハンドル14を手前に引くことによって、前記キャビネット扉12を開放できるように構成されており、前記扉用ロックハンドル14は、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成されている。
【0046】
このキャビネット扉12には、図1に示したように、前記電気錠装置1を構成する電気錠本体31が設けられており、該電気錠本体31は、ケーブル32を介して、電気錠制御装置33に接続されている。
【0047】
前記電気錠本体31は、図3に示すように、既設の電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12に後付で取り付けられており、該キャビネット扉12の前記扉用ロックハンドル14の側部に配置されている。この電気錠本体31は、図4に示すように、ケーシング41の底面42がネジ止めもしくは接着剤43によって前記キャビネット扉12の表面44に固定されており、当該キャビネット扉12に設置されている。
【0048】
前記ケーシング41には、図3に示したように、円形開口部51が設けられており、該円形開口部51内には、手動操作用回転つまみ52が回動自在に設けられている。該手動操作用回転つまみ52は、図4に示したように、内部に設けられた駆動部53に接続されており、当該駆動部53の回転軸54を回動できるように構成されている。この駆動部53は、小型電動機を内蔵しており、該小型電動機によって前記回転軸54を回転駆動できるように構成されている。
【0049】
この回転軸54には、平板状のロックバーとして開閉金物61の一端部がネジ62で固定されており、前記駆動部53で前記回転軸54を回転して前記開閉金物61を回動することによって、図3の(a)に示したように、前記開閉金物61を当該電気錠本体31のケーシング41内に格納した解錠状態71と、図3の(b)に示したように、その自由端部を前記ケーシング41側部のスリット72から真横へ向けて延出した施錠状態73を形成できるように構成されており、この施錠状態73において、前記開閉金物61が前記扉用ロックハンドル14上に位置するように当該電気錠本体31が前記扉用ロックハンドル14近傍に配置されている。
【0050】
これにより、前記施錠状態73では、前記扉用ロックハンドル14を引き起こす際に通過する引き起こし軌道上に前記開閉金物61が延出され、当該扉用ロックハンドル14の引き起こしを阻止することによって、該扉用ロックハンドル14の正常な操作を妨げ、前記キャビネット扉12の開放操作を結果的に制限する。一方、前記解錠状態71では、前記開閉金物61が前記引き起こし軌道上から退避され、前記扉用ロックハンドル14の引き起こしを可能とするように構成されており、このように前記開閉金物61を前記引き起こし軌道上に出没することで、前記施錠状態73と前記解錠状態71とを形成できるように構成されている。
【0051】
このケーシング41内には、前記開閉金物61を突出させた状態で固定保持する固定保持機構が設けられており、該固定保持機構は、図4に示したように、電磁石81で構成され、該電磁石81の作動軸82には、ロックリンク83が支持されている。該ロックリンク83は、中途部が回転軸84で支持されており、その自由端部には、ロックピン85が設けられている。
【0052】
これにより、前記作動軸82を後退させた状態で前記ロックリンク83の前記ロックピン85が、前記施錠状態71にある前記開閉金物61の下部に配置されるように構成されており、該開閉金物61の下縁が前記ロックピン85に当接することで、前記開閉金物61の回動操作が阻止されるように構成されており、前記開閉金物61を側方へ突出させた状態で固定保持できるように構成されている。また、前記電磁石81を通電して前記作動軸82を延出した状態では、前記ロックリンク83の前記ロックピン85を前記開閉金物61の移動軌道から退避できるように構成されており(図示省略)、前記開閉金物61の回動操作を許容できるように構成されている。
【0053】
また、前記ケーシング41内には、基板91が設けられており、該基板91には、離脱検出用マイクロスイッチ92が設けられている。該離脱検出用マイクロスイッチ92は、その接触子93が前記底面42に設けられた小穴94を介して当該電気錠本体31から突出するように構成されている。
【0054】
これにより、この電気錠本体31の前記底面42が前記キャビネット扉12に設置固定された状態では、前記離脱検出用マイクロスイッチ92の前記接触子93が前記キャビネット扉12に押圧され、当該離脱検出用マイクロスイッチ92がオン作動する一方、当該電気錠本体31の前記底面42が前記キャビネット扉12から取り外された際には、前記離脱検出用マイクロスイッチ92の前記接触子93が前記キャビネット扉12から離れることによって、当該離脱検出用マイクロスイッチ92がオフ作動するように構成されており、当該電気錠本体31が設置固定された前記キャビネット扉12からの取り外しや引き剥がしを検出する検出手段が構成されている。
【0055】
また、前記基板91には、発光ダイオード101が設けられており、該発光ダイオード101は、前記ケーシング41に設けられた窓102から露出するように構成されている。
【0056】
そして、この発光ダイオード101及び前記離脱検出用マイクロスイッチ92は、当該電気錠本体31内蔵の制御部111に接続されており、該制御部111には、内蔵に蓄電池112からの電源が供給されている。この制御部111は、マイコンを中心に構成されているとともに、前記蓄電池112からの電源で作動する通信回路を備えている。該通信回路は、図1に示したように、前記ケーブル32を介して前記電気錠制御装置33に接続されており、無線通信回路も備えている。
【0057】
これにより、前記制御部111は、前記電気錠制御装置33からの制御信号の入力、あるいは無線通信で取得した制御信号の入力に従って作動するように構成されており、例えば解錠信号を入力した際には、前記電磁石81を通電して前記ロックピン85を前記開閉金物61の移動軌道上から退避するとともに、前記小型電動機で前記駆動部53を作動して前記開閉金物61を回動することで前記解錠状態71を形成した後、前記電磁石81への通電を遮断するように構成されており、この状態で、前記手動操作用回転つまみ52によって前記開閉金物61が回動され前記施錠状態73が形成された際には、前記ロックリンク83が前記開閉金物61に摺接しながら回動することによって、前記ロックピン85が前記開閉金物61の下部に配置された状態を形成できるように構成されている。
【0058】
このとき、前記小型電動機を備えない前記駆動部53にあっては、前記電磁石81作動中に前記手動操作用回転つまみ52を手動で操作し、前記開閉金物61を回動して前記解錠状態71を形成するものとする。
【0059】
一方、施錠信号が入力された際には、前記小型電動機で前記駆動部53を作動して前記開閉金物61を回動することで前記施錠状態73を形成する。このとき、前記ロックリンク83が前記開閉金物61の回動に伴って該開閉金物61に摺接しながら回転することで、前記ロックピン85が前記開閉金物61の下部に配置された状態が形成され、当該開閉金物61の操作が阻止されるように構成されている。
【0060】
また、前記小型電動機を備えない前記駆動部53にあっては、前記手動操作用回転つまみ52を手動で操作し、前記開閉金物61を回動して前記施錠状態73を形成するものとする。
【0061】
これにより、前記開閉金物61と、該開閉金物61を駆動する前記小型電動機を備えた前記駆動部53と、前記開閉金物61の操作を阻止可能に許容する前記電磁石81とによって、入力に応じて前記扉用ロックハンドル14の操作を阻止した前記施錠状態73と前記扉用ロックハンドル14の操作を許容した前記解錠状態71とを形成するロック手段が構成されている。
【0062】
また、前記制御部111は、前記解錠状態71において前記発光ダイオード101を発光するように構成されており、前記施錠状態73及び前記解錠状態71、あるいは前記開閉金物61の手動操作可能状態を目視で確認できるように構成されている。
【0063】
さらに、前記制御部111は、前記離脱検出用マイクロスイッチ92がオフ作動した際のオフ入力を検出することで、前記キャビネット扉12からの当該電気錠本体31の取り外しや引き剥がし、または脱落等の状態情報を検出できるように構成されており、これを検出した際には、その旨を前記電気錠制御装置33へ送信するように構成されている。
【0064】
以上の構成において、データセンター施設等においてシステムが稼働中の電子機器類収納用キャビネット2でのセキュリティの向上を図る際には、この電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12に前記電気錠本体31をキャビネット扉12にネジ止めもしくは接着剤43で固定する。これにより、当該電気錠本体31は、前記電子機器類収納用キャビネット2に設置される。
【0065】
そして、この電気錠装置1によって当該キャビネット扉12の解放を阻止する際には、前記電気錠本体31にケーブル32を介して接続された電気錠制御装置33から施錠信号を出力する。すると、この施錠信号を入力した前記電気錠本体31では、当該入力に応じて前記キャビネット扉12に設けられた扉用ロックハンドル14の操作を阻止した施錠状態73を形成し、当該扉用ロックハンドル14の操作が不能となる。これにより、前記キャビネット扉12の開放が禁止される。
【0066】
一方、前記電気錠装置1によって前記電子機器類収納用キャビネット2の前記キャビネット扉12の解放を許容する際には、前記電気錠本体31にケーブル32を介して接続された電気錠制御装置33から解錠信号を出力する。すると、この解錠信号を入力した前記電気錠本体31では、当該入力に応じて前記扉用ロックハンドル14の操作を許容する解錠状態71を形成し、当該扉用ロックハンドル14の操作が可能となる。これにより、前記キャビネット扉12の開放が許容される。
【0067】
このように、前記電子機器類収納用キャビネット2の前記キャビネット扉12に前記電気錠本体31を設置固定するだけで、入力に応じて前記キャビネット扉12の開放を禁止した施錠状態73と許容した解錠状態71とを形成する電気錠システムを簡単に構築することができる。
【0068】
このため、既設の電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12を交換、又は当該電子機器類収納用キャビネット2を入れ替えるなどの大規模な工事を行うことなく、電気錠システムの設置が可能となり、電気錠システムの導入コストを大幅に抑えることができる。
【0069】
また、前記電気錠本体31は、前記電子機器類収納用キャビネット2の前記キャビネット扉12に接着固定する場合には、前記キャビネット扉12や筐体11に加工を施す際に切粉が発生する恐れがある場合と比較して、システム稼働中であっても安全かつ簡便に、既設の電子機器類収納用キャビネット2に電気錠システムを設けることができる。
【0070】
したがって、既設の電子機器類収納用キャビネット2におけるセキュリティの向上を簡便に実現することができるとともに、前記キャビネット扉12の状態管理も可能となる。
【0071】
また、前記施錠状態73を形成する際には、前記施錠信号の入力に応じて小型電動機が前記開閉金物61を回動することで、該開閉金物61を前記扉用ロックハンドル14の引き起こし軌道上に延出し、当該扉用ロックハンドル14の引き起こしを阻止する。
【0072】
この状態において、前記扉用ロックハンドル14の引き起こしが前記開閉金物61で阻止されるため、前記扉用ロックハンドル14の引き起こし及び当該扉用ロックハンドル14の回動操作が不能となり、これによって前記キャビネット扉12の開放を禁止することができる。
【0073】
一方、前記解錠状態71を形成する際には、前記解錠信号の入力に応じて小型電動機が前記開閉金物61を駆動することで、該開閉金物61を前記引き起こし軌道上から退避され、当該扉用ロックハンドル14の引き起こしが可能となる。
【0074】
この状態において、前記扉用ロックハンドル14の引き起こし及び引き起こした扉用ロックハンドル14の回動操作が可能となるため、前記キャビネット扉12の開放を許容することができる。
【0075】
このように、前記電気錠制御装置33からの入力に応じて前記小型電動機で前記開閉金物61を駆動することで、前記キャビネット扉12の開放を禁止した前記施錠状態73と開放を許容した前記解錠状態71とを形成することができる。
【0076】
このとき、前記開閉金物61を前記扉用ロックハンドル14の引き起こし軌道上に延出した前記施錠状態73で、前記電磁石81をオフ作動することで、前記開閉金物61の操作を阻止することができる。
【0077】
一方、前記解錠状態71を形成する際には、前記電磁石81をオン作動することで、前記開閉金物61の操作が可能となるため、前記小型電動機による電動で又は前記手動操作用回転つまみ52による手動で、前記開閉金物61を前記引き起こし軌道上から退避することができる。
【0078】
このように、前記電磁石81を作動することで、前記施錠状態73にある前記開閉金物61の操作を可能にした状態と、前記開閉金物61の操作を禁止した状態とを形成することができる。
【0079】
これにより、前記開閉金物61の操作を阻止することで、前記キャビネット扉12の開放禁止状態を維持することができるとともに、前記開閉金物61の操作を可能とすることで、前記キャビネット扉12の開放許容状態を形成することができる。
【0080】
このとき、前記小型電動機を廃止して前記開閉金物61の操作を手動のみとすることで、電動で開閉金物61を駆動する場合と比較して、消費電力を抑えることができる。
【0081】
そして、前記電気錠本体31には、設置固定された前記キャビネット扉12からの離脱を検出する離脱検出用マイクロスイッチ92が設けられており、該離脱検出用マイクロスイッチ92のオフ作動を検出することで、当該電気錠本体31の前記キャビネット扉12からの離脱を検出することができる。
【0082】
これにより、前記キャビネット扉12に設置固定された前記電気錠本体31の不用意な脱落や、意図的な取り外しや引き剥がしなどの不正操作を前記電気錠制御装置33で知ることができる。
【0083】
(第2の実施の形態)
【0084】
以下、本発明の第2の実施の形態を図面に従って説明し、第1の実施の形態と同一又は同等部分に付いては同符号を付して説明する。
【0085】
図6は、本実施の形態にかかる電気錠装置1を用いた電気錠システムを示す図であり、データー用サーバーが集中配置されたデーターセンター施設201での採用例が示されている。
【0086】
このデーターセンター施設201では、各社で使用する複数のデーター用サーバーが管理されており、各データー用サーバーは、各電子機器類収納用キャビネット2,・・・内に収容されている。各電子機器類収納用キャビネット2,・・・の筐体11前面には、保守点検用の開口部が設けられており、この開口部は、キャビネット扉12によって開閉自在に閉鎖されている。該キャビネット扉12は、その一辺が蝶番13,13によって前記筐体11に支持されており、その自由端部には、当該キャビネット扉12を開閉する為の扉用ロックハンドル14が設けられている。
【0087】
この扉用ロックハンドル14は、図2に示したように形成されており、その一端部が前記キャビネット扉12に固定されたロック機構本体15に支持されている。この扉用ロックハンドル14は、当該キャビネット扉12を閉鎖した状態において、その先端部を下方へ向けた状態で前記ロック機構本体15の凹部16内に収容されており、この状態では、当該ロック機構本体15の図外の係合部が前記筐体11と係合し、閉鎖されたキャビネット扉12の開放を阻止できるように構成されている。
【0088】
このキャビネット扉12を開放する際には、前記扉用ロックハンドル14の先端部を手前側に引き起こした引き起こし状態21を形成するとともに、この引き起こし状態21の扉用ロックハンドル14を、図中右方へ回動して回動状態22を形成する。すると、前記筐体11と前記係合部との係合状態が解除され、この状態で前記扉用ロックハンドル14を手前に引くことによって、前記キャビネット扉12を開放できるように構成されており、前記扉用ロックハンドル14は、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成されている。
【0089】
前記各電子機器類収納用キャビネット2,・・・のキャビネット扉12,・・・には、図3及び図5に示したように、前記電気錠装置1,・・・を構成する電気錠本体31,・・・が設けられており、各電気錠本体31,・・・は、図5に示したように、電波による無線通信によって無線通信機器211と通信できるように構成されている。この無線通信機器211は、前記電気錠制御装置33に接続されており、該電気錠制御装置33は、IPネットワーク212を介して、電気錠管理コンピュータ213に接続されている。
【0090】
これにより、前記各電子機器類収納用キャビネット2,・・・に設けられた前記各電気錠本体31,・・・は、前記無線通信機器211及びIPネットワーク212を介して、前記電気錠管理コンピュータ213と通信できるように構成されており、当該電気錠管理コンピュータ213によって前記各電子機器類収納用キャビネット2,・・・の各キャビネット扉12,・・・の状態を一括管理できるように構成されている。
【0091】
前記電気錠本体31は、図3に示したように、既設の電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12に後付けで取り付けられており、該キャビネット扉12の前記扉用ロックハンドル14の側部に配置されている。この電気錠本体31は、図4に示したように、ケーシング41の底面42がキャビネット扉12にネジ止めもしくは接着剤43によって前記キャビネット扉12の表面44に固定されており、当該キャビネット扉12に設置されている。
【0092】
前記ケーシング41には、図3に示したように、円形開口部51が設けられており、該円形開口部51内には、例えば手動操作用回転つまみ52が回動自在に設けられている。該手動操作用回転つまみ52は、図4に示したように、内部に設けられた駆動部53に接続されており、当該駆動部53の回転軸54を回動できるように構成されている。この駆動部53は、小型電動機を内蔵しており、該小型電動機によって前記回転軸54を回転駆動できるように構成されている。
【0093】
この回転軸54には、平板状のロックバーとして開閉金物61の一端部がネジ62で固定されており、前記駆動部53で前記回転軸54を回転して前記開閉金物61を回動することによって、図3の(a)に示したように、前記開閉金物61を当該電気錠本体31のケーシング41内に格納した解錠状態71と、図3の(b)に示したように、その自由端部を前記ケーシング41側部のスリット72から真横へ向けて延出した施錠状態73を形成できるように構成されており、この施錠状態73において、前記開閉金物61が前記扉用ロックハンドル14上に位置するように当該電気錠本体31が前記扉用ロックハンドル14近傍に配置されている。
【0094】
これにより、前記施錠状態73では、前記扉用ロックハンドル14を引き起こす際に通過する引き起こし軌道上に前記開閉金物61が延出され、当該扉用ロックハンドル14の引き起こしを阻止することによって、該扉用ロックハンドル14の正常な操作を妨げ、前記キャビネット扉12の開放操作を結果的に制限する。一方、前記解錠状態71では、前記開閉金物61が前記引き起こし軌道上から退避され、前記扉用ロックハンドル14の引き起こしを可能とするように構成されており、このように前記開閉金物61を前記引き起こし軌道上に出没することで、前記施錠状態73と前記解錠状態71とを形成できるように構成されている。
【0095】
このケーシング41内には、前記開閉金物61を突出させた状態で固定保持する固定保持機構が設けられており、該固定保持機構は、図4に示したように、電磁石81で構成され、該電磁石81の作動軸82には、ロックリンク83が支持されている。該ロックリンク83は、中途部が回転軸84で支持されており、その自由端部には、ロックピン85が設けられている。
【0096】
これにより、前記作動軸82を後退させた状態で前記ロックリンク83の前記ロックピン85が、前記施錠状態71にある前記開閉金物61の下部に配置されるように構成されており、該開閉金物61の下縁が前記ロックピン85に当接することで、前記開閉金物61の回動操作が阻止されるように構成されており、前記開閉金物61を側方へ突出させた状態で固定保持できるように構成されている。また、前記電磁石81を通電して前記作動軸82を延出した状態では、前記ロックリンク83の前記ロックピン85を前記開閉金物61の移動軌道から退避できるように構成されており(図示省略)、前記開閉金物61の回動操作を許容できるように構成されている。
【0097】
また、前記ケーシング41内には、基板91が設けられており、該基板91には、離脱検出用マイクロスイッチ92が設けられている。該離脱検出用マイクロスイッチ92は、その接触子93が前記底面42に設けられた小穴94を介して当該電気錠本体31から突出するように構成されている。
【0098】
これにより、この電気錠本体31の前記底面42が前記キャビネット扉12に設置固定された状態では、前記離脱検出用マイクロスイッチ92の前記接触子93が前記キャビネット扉12に押圧され、当該離脱検出用マイクロスイッチ92がオン作動する一方、当該電気錠本体31の前記底面42が前記キャビネット扉12から引き剥がされた際には、前記離脱検出用マイクロスイッチ92の前記接触子93が前記キャビネット扉12から離れることによって、当該離脱検出用マイクロスイッチ92がオフ作動するように構成されており、当該電気錠本体31が設置固定された前記キャビネット扉12からの離脱を検出する検出手段が構成されている。
【0099】
また、前記基板91には、発光ダイオード101が設けられており、該発光ダイオード101は、前記ケーシング41に設けられた窓102から露出するように構成されている。
【0100】
そして、この発光ダイオード101及び前記離脱検出用マイクロスイッチは92、当該電気錠本体31内蔵の制御部111に接続されており、該制御部111には、内蔵に蓄電池112からの電源が供給されている。この制御部111は、マイコンを中心に構成されているとともに、前記蓄電池112からの電源で作動する通信回路を備えている。該通信回路は、前記蓄電池112からの電源で作動する無線通信回路を有しており、電波を用いた無線通信で前記無線通信機器211と通信するとともに、前記IPネットワーク212を介して、前記電気錠管理コンピュータ213と通信できるように構成されている。
【0101】
これにより、各電気錠本体31と前記電気錠制御装置33との無配線化を図り、導入時の作業負担を軽減できるように構成されている。
【0102】
また、前記制御部111は、前記電気錠管理コンピュータ213からの制御信号を前記電気錠制御装置33を経由して無線通信で取得し、この制御信号の入力に従って作動するように構成されており、例えば解錠信号を入力した際には、前記電磁石81を通電して前記ロックピン85を前記開閉金物61の移動軌道上から退避するとともに、前記小型電動機で前記駆動部53を作動して前記開閉金物61を回動することで前記解錠状態71を形成した後、前記電磁石81への通電を遮断するように構成されており、この状態で、前記手動操作用回転つまみ52によって前記開閉金物61が回動され前記施錠状態73が形成された際には、前記ロックリンク83が前記開閉金物61に摺接しながら回動することによって、前記ロックピン85が前記開閉金物61の下部に配置された状態を形成できるように構成されている。
【0103】
このとき、前記小型電動機を備えない前記駆動部53にあっては、前記電磁石81作動中に前記手動操作用回転つまみ52を手動で操作し、前記開閉金物61を回動して前記解錠状態71を形成するものとする。
【0104】
一方、施錠信号が入力された際には、前記小型電動機で前記駆動部53を作動して前記開閉金物61を回動することで前記施錠状態73を形成する。このとき、前記ロックリンク83が前記開閉金物61の回動に伴って該開閉金物61に摺接しながら回転することで、前記ロックピン85が前記開閉金物61の下部に配置された状態が形成され、当該開閉金物61の操作が阻止されるように構成されている。
【0105】
また、前記小型電動機を備えない前記駆動部53にあっては、前記手動操作用回転つまみ52を手動で操作し、前記開閉金物61を回動して前記施錠状態73を形成するものとする。
【0106】
これにより、前記開閉金物61と、該開閉金物61を駆動する前記小型電動機を備えた前記駆動部53と、前記開閉金物61の操作を阻止可能に許容する前記電磁石81とによって、入力に応じて前記扉用ロックハンドル14の操作を阻止した前記施錠状態73と前記扉用ロックハンドル14の操作を許容した前記解錠状態71とを形成するロック手段が構成されている。
【0107】
また、前記制御部111は、前記解錠状態71において前記発光ダイオード101を発光するように構成されており、前記施錠状態73及び前記解錠状態71、あるいは前記開閉金物61の手動操作可能状態を目視で確認できるように構成されている。
【0108】
さらに、前記制御部111は、前記離脱検出用マイクロスイッチ92がオフ作動した際のオフ入力を検出することで、前記キャビネット扉12からの当該電気錠本体31の取り外しや引き剥がし、または脱落等の状態情報を検出できるように構成されており、これを検出した際には、その旨を無線通信を利用することによって、前記無線通信機器211及び前記電気錠制御装置33を介して前記前記電気錠管理コンピュータ213へ送信するように構成されている。
【0109】
以上の構成により、データセンター施設201においてシステムが稼働中の電子機器類収納用キャビネット2でのセキュリティの向上を図る際にも、この電子機器類収納用キャビネット2のキャビネット扉12に前記電気錠本体31を簡易な加工によるネジ止めなどの固定や、接着剤43にて固定をすることにより、当該電気錠本体31を前記電子機器類収納用キャビネット2に設置することができる。
【0110】
これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
加えて、電気錠本体31と前記電気錠制御装置33との間で電波による無線通信を行うことで、遠隔制御・状態監視を行なうことができる。
【0112】
そして、この電気錠本体31を複数の電子機器類収納用キャビネット2,・・・に設置することで、各電子機器類収納用キャビネット2,・・・のキャビネット扉12,・・・の開閉制御および状態監視などを前記電気錠管理コンピュータ213にて一括管理することができる。
【0113】
このため各電子機器類収納用キャビネット2,・・・に機械式の施錠装置を設けて管理する場合と比較して、複数の鍵を持ち歩かなければならない等の煩雑な管理作業の不便さや、開閉記録が残らないなどのセキュリティ上の不具合も解消することができる。
【0114】
なお、前記各実施の形態では、前記電気錠本体31から板状の開閉金物61を回動して延出する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0115】
(第3の実施の形態)
【0116】
すなわち、図6の(a)に示すように、前記電気錠本体31の側部から後退可能に延出する円筒状の開閉金物61で構成しても良い。
【0117】
(第4の実施の形態)
【0118】
また、図6の(b)に示すように、前記駆動部53の前記回転軸54から延出するレバー状の開閉金物61で構成しても良く、この場合には、この開閉金物61を握持することで、当該開閉金物61を直接回動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態の扉用ロックハンドルを示す説明図である。
【図3】(a)は同実施の形態の解錠状態を示す説明図であり、(b)は、施錠状態を示す説明図である。
【図4】同実施の形態の電気錠本体を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】(a)は本発明の第3の実施の形態を示す図であり、(b)は本発明の第4の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1 電気錠装置
2 電子機器類収納用キャビネット
11 筐体
12 キャビネット扉
14 扉用ロックハンドル
21 引き起こし状態
22 回動状態
31 電気錠本体
33 電気錠制御装置
53 駆動部
61 開閉金物(ロックバー)
71 解錠状態
73 施錠状態
81 電磁石
92 離脱検出用マイクロスイッチ
111 制御部
112 蓄電池
211 無線通信機器
213 電気錠管理コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に設けられたハンドルを操作して当該扉を開放するキャビネットにおいて、
前記扉に後付け設置可能な電気錠本体を備え、
該電気錠本体に、入力に応じて前記ハンドルの操作を阻止した施錠状態と前記ハンドルの操作を許容する解錠状態とを形成するロック手段を設けたことを特徴とする電気錠装置。
【請求項2】
前記ハンドルを、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成する一方、
前記ロック手段を、前記施錠状態で前記ハンドルの引き起こし軌道上に延出され当該ハンドルの引き起こしを阻止するとともに前記解錠状態で前記引き起こし軌道上から退避され前記ハンドルの引き起こしを可能とするロックバーと、該ロックバーを駆動する小型電動機とで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気錠装置。
【請求項3】
前記ハンドルを、操作時に引き起こして回動する引起式ハンドルで構成する一方、
前記ロック手段を、前記施錠状態で前記ハンドルの引き起こし軌道上に延出され当該ハンドルの引き起こしを阻止するとともに前記解錠状態で前記引き起こし軌道上から退避され前記ハンドルの引き起こしを可能とするロックバーと、該ロックバーの操作を阻止可能に許容する電磁石とで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気錠装置。
【請求項4】
前記電気錠本体に、設置固定された前記扉からの意図的な取り外しや不用意な離脱を検出する検出手段を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の電気錠装置。
【請求項5】
前記電気錠本体は、蓄電池からの電源で作動する無線通信機能を内蔵し、電気錠制御装置との無線通信で取得した信号に応じて作動することを特徴とした請求項1から4にいずれか記載の電気錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−169626(P2008−169626A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−3990(P2007−3990)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)