説明

電気集塵装置

【課題】特別な装置を付加することなく、ディーゼル排出粒子(DEP)等のナノクラスの超微粒子を効率よく捕集することの可能な電気集塵装置を提供する。
【解決手段】帯電部と、集塵部とを前後段に配置して構成した電気集塵装置において、前記集塵部を、処理空気の流れる空間を介して対向して平行配置した平板状の高電圧電極と接地電極とにより構成し、前記両電極の少なくとも一方の電極の全面に多数の打ち抜き穴を分散して設けるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋内、トンネルなどにおける微細な粉塵や各種の浮遊粒子などで汚染された空気またはガスからこれらの汚染物質を除去して空気またはガスを浄化するための電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、自動車道のトンネル内の空気は、通行車両から排出される排気ガス中に含まれる煤煙や、車両の走行に伴って発生するタイヤや路面のアスファルト舗装材の磨耗粉塵などの微細な浮遊粒子によって汚染されている。このような汚染空気中の浮遊粒子などの汚染物質を除去するために帯電部と集塵部とを備えた二段構成の電気集塵装置が用いられる。
【0003】
一般的な二段構成の電気集塵装置は、図9に示すように構成されている。
【0004】
電気集塵装置10は、帯電部20と集塵部30とを備える。帯電部20は、平行に置かれた平板または線状の放電電極21と平板接地電極22とに直流の高電圧を印加して正または負のコロナ放電を発生させて、両電極間に流される空気をイオン化し、これに含まれる浮遊粒子を正または負の単極性に帯電させる。集塵部30は、平行に置かれた平板状の高電圧電極31と接地電極32間に直流の高電圧を加えて静電界を形成し、接地電極32が帯電部20で帯電された浮遊粒子をクーロン力により吸引して捕集する。これにより、帯電部20の上流の集塵装置10の入口11から送風機等により浮遊粒子を含有した汚染空気を供給すると、集塵部30の下流の集塵装置10の出口12から浮遊粒子の除かれた清浄な空気を取り出すことができる。
【0005】
このような、電気集塵装置は、1μm以下の微粒子に対しても集塵効率が高く、また大流量の空気の処理にも適しているので、自動車道トンネルの空気を清浄にするための電気集塵装置として使用される。
【0006】
ところで、自動車道トンネル内の空気には、ディーゼル車等から排出されるディーゼル排出粒子(DEP)が大量に含まれている。このDEPは、粒径が100nm以下の超微粒子や、粒径が50nm以下のナノ粒子であり、質量が軽いため、電気集塵装置によっても効率よく捕集できない問題がある。そして、このDEPのような超微粒子やナノ粒子は人の健康に悪影響を及ぼすため、これを効率よく捕集して除去することが強く要望されている。
【0007】
従来から集塵効率を高めるための手段として、集塵極板に多数の打ち抜き穴を分散して設けることが行なわれている(特許文献1参照)。
【0008】
特許文献1では、打ち抜き穴は、その全開口面積が集塵極板の面積に対して10〜50%を占めるように設けられる。そして、特許文献1には、この打ち抜き穴を設けることにより、放電極板からの電流は打ち抜き穴の間の部分に集中し、付着した塵埃がより成長しようとしても付着する集塵極板の面積が少なく、また、打ち抜き穴を通しての空気の流れによって過大な塵埃の成長は抑制されるので、集塵極板に付着した塵埃は落下し、集塵の成長が見られないため、長期の使用によっても集塵効率の低下が見られないと記載されている。
【特許文献1】特許第3427165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、従来の電気集塵装置では、集塵極板に多数の打ち抜き穴を分散して設けることにより集塵効率を高める工夫がなされているが、超微粒子やナノ粒子の集塵効率を高めることについては考慮されていない。
【0010】
そこで、この発明の課題は、このような問題を解決するために、特別な装置の付加を必要とすることなく、ディーゼル排出粒子(DEP)等の超微粒子やナノ粒子を効率よく捕集することの可能な電気集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するため、この発明は、帯電部と、集塵部とを前後段に配置して構成した電気集塵装置において、前記集塵部を、処理空気の流れる空間を介して対向して平行配置した平板状の高電圧電極と接地電極とにより構成し、前記両電極の少なくとも一方の電極の全面に多数の打ち抜き穴を分散して設け、前記打ち抜き穴の開口直径を、開口の周縁近傍の電界強度が強くなる領域が、電界強度が弱くなる領域よりも大きくなる範囲の値としたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0012】
請求項1の発明において、前記打ち抜き穴の開口直径は、2〜10mmであることが良い(請求項2)。さらに、請求項1または2の発明において、前記打ち抜き穴は前記高電圧電極に設けることが良い(請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、処理空気に含まれる浮遊粒子を捕集する集塵部の両電極の少なくとも一方の電極の全面に多数の打ち抜き穴を分散して設けるだけの簡単な構成により、電極板の打ち抜き穴の周縁部に電界が集中するため、集塵部の電極間の電界が均一電界とならず、高電界と低電界分布する不平等電界部となり、この高電界となる部分でナノメータクラスの超微細な浮遊粒子を効率よく捕集することできるようになり、通常では捕集しにくい超微粒子の捕集(集塵)効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の実施の形態を図に示す実施例について説明する。
【0015】
図1は、この発明の実施例による電気集塵装置の基本的な構成を示す構成図である。
【0016】
図1において、10は、帯電部20と集塵部30とを備えた電気集塵装置である。帯電部20は、筐体11内に、平行に置かれたステンレス線で構成された放電電極25と平板状の接地電極22との間に直流の高電圧を印加してコロナ放電を発生させて、両電極間に流される空気をイオン化し、これに含まれる浮遊粒子を単極性に帯電させる。集塵部30は、平行に置かれた、平板状電極に多数の打ち抜き穴35hを分散して設けた高電圧電極35と平板状の接地電極32との間に直流の高電圧を加えて静電界を形成し、接地電極32が帯電部20で帯電された空気中の浮遊粒子をクーロン力により吸引して捕集する。これにより、帯電部20の上流に位置する集塵装置10の入口11から送風機等により浮遊粒子を含有した汚染空気を供給すると、集塵部30の下流に位置する集塵装置10の出口12から浮遊粒子の除かれた清浄空気を取り出すことができる。
【0017】
この発明による電気集塵装置は、基本的に従来の電気集塵装置とほとんど変わらない。ただ、この発明における集塵部30の高電圧電極35が、図2に示すように、ステンレス鋼等の平板状電極板35からなり、全面に分散して打ち抜き穴35hが多数設けられている点で従来装置と異なっている。この打ち抜き穴35hは、均等に設けることが好ましい。
【0018】
発明者等は、種々の実験から、集塵部30における高電圧電極35に多数の打ち抜き穴35hを設けることにより、高電圧電極35の打ち抜き穴35hの開口周縁部に電界の集中が発生し、この打ち抜き穴35hの周縁部での電界の集中によって、より微細な浮遊粒子の捕集が可能となる知見を得た。
【0019】
この発明はこのような知見に基づくものであり、集塵部の両電極の少なくとも一方の電極の全面に打ち抜き穴を分散して多数設けるだけの簡単な構成により、電気集塵装置における、超微粒子やナノ粒子の捕集効率を高めることができ、トンネル内の空気処理に使用することによりディーゼル排出粒子(DEP)の除去率を高めることができることを突き止めたのである。
【0020】
次に、この発明の電気集塵装置による集塵実験の結果について説明する。
【0021】
この発明の電気集塵装置による集塵実験装置の構成を図3に示す。この実験装置は、ディーゼルエンジン50から排出される排気ガス中に含まれるディーゼル排出粒子を捕集して排気ガスを浄化するものである。
【0022】
ディーゼルエンジン50の排気ガスは、空気混合器51により外気と混合して薄められ、ファン52によって流速7m/sで電気集塵装置10へ送られる。電気集塵装置10では、送られてきた排気ガスを処理し、これに含まれるディーゼル排出粒子等の浮遊粒子を分離捕集して、浄化された排気ガスを排出する。この電気集塵装置10の集塵効率を測定するために、集塵装置10の排気ガスの流入する入口(上流)と排出される出口(下流)とにそれぞれ、浮遊粒子の個数を粒径別に計数することのできる粒子計数装置61および62を設けている。
【0023】
電気集塵装置10の上流側に設けられた計数装置61の計数値をNu、下流側に設けられた計数装置62の計数値をNdとしたとき、次の(1)式により電気集塵装置10の集塵効率η(%)を求めることができる。
【0024】
η = (1−Nd/Nu) × 100 (%) (1)
この集塵実験に使用した電気集塵装置の帯電部20および集塵部30の具体的な電極の構成を図4に示す。
【0025】
帯電部20は、幅×高さが65mm×70mmのステンレス鋼の平板状電極からなる接地電極22と直径0.26mmのタングステン線からなる放電電極25とを9.5mmの間隙をおいて配置して構成されている。放電電極25と接地電極22との間に−9kVの直流高電圧を与え、負のコロナ放電を行わせる。
【0026】
集塵部30は、幅×高さが160mm×70mmのステンレス鋼の平板状電極からなる接地電極32と同じ大きさのステンレス鋼の平板状電極からなる高電圧電極35とを9mmの間隙をおいて空気流に平行に配置して構成されている。なお、空気流が多い場合には、接地電極32と高電圧電極35は交互に複数枚配置される。積層接地電極32と高電圧電極35との間には−7.5kVの直流電圧を加えている。
【0027】
表1および表2に、この発明の集塵実験において、高電圧電極35として使用した試料電極の諸元を示す。表1および表2において、試料番号S0で示す比較電極は、打ち抜き穴が設けられていない平板電極である。
【0028】
【表1】




【0029】
表1における試料番号SA1〜SA4で示す試料電極群は、大きさが160mm×70mmの平板電極に設ける打ち抜き穴35hの個数を21個に固定して、穴の直径をそれぞれ2.5mm〜13mmの間で変更したものである。この場合は、打ち抜き穴35hの個数(開口数)が21個に固定されているので、表1に示すとおり、穴の開口直径が大きくなるにしたがって、開口総面積、開口率および開口の総周縁長Lが大きくなる。
【0030】
【表2】



【0031】
表2における試料番号SB1〜SB3の試料電極群は、同じ大きさの平板電極に設ける打ち抜き穴の開口率〔(打ち抜き穴の開口総面積/電極面積)×100(%)〕を17.2%に固定して、打ち抜き穴の直径を2.5mm〜10mmの間で変更したものである。この場合は、開口率が17.2%に固定されるため、表2に示すとおり、穴の開口直径が大きくなるにしたがって、穴の個数(開口数)および開口の総周縁長Lは、小さくなり、開口総面積は大きくなる。
【0032】
表1および表2に示す試料電極SA1〜SA4およびSB1〜SB3をそれぞれ集塵部の高電圧電極35とした電気集塵装置10について、前記した実験装置(図3参照)によりそれぞれ集塵実験を行い、ディーゼル排出粒子(DEP)(粒径が超微粒子やナノ粒子)の粒径別の集塵効率η(%)を測定した。
【0033】
表1に示す試料番号SA1〜SA4の試料電極群(打ち抜き穴の個数(開口数)を一定とした電極)を高電圧電極とした電気集塵装置の集塵効率の測定結果を図5に示す。
【0034】
この図5は、横軸に集塵する微粒子の粒子径d(nm)をとり、縦軸にこれに対する集塵効率η(%)をとって、各高電圧電極(S0,SA1〜SA4)の微粒子の粒子径に対す
る集塵効率特性を示すグラフである。集塵効率の定義は前記(1)式のとおりである。
【0035】
この図5から明らかなとおり、打ち抜き穴を設けた試料電極SA1ないしSA4を高電圧電極に用いた場合、粒径が100nm以下の超微粒子や50nm以下のナノ粒子に対する集塵効率は、打ち抜き穴を設けていない比較電極S0を高電圧電極とした場合に対して高くなっている。なお、実験結果では、試料電極SA1(開口直径2.5mm)を高電圧電極とした場合は、粒径が100nm付近の超微粒子の集塵効率が、比較電極S0を高電圧電極とした場合より低くなる部分があるが、測定誤差であると考えられる。
【0036】
このように、打ち抜き穴を設けることにより集塵効率が高くなるのは、次に理由によるものと考えられる。
【0037】
打ち抜き穴を設けると、開口の周縁近傍で電界強度が強くなる領域が発生し、開口部中心付近で電界強度が弱くなる領域が発生する。電界強度の強い領域では帯電粒子の移動速度が速くなり、集塵効率が向上するのである。この電界強度が強くなる領域と電界強度が弱くなる領域は、開口直径の大きさによって変化する。
【0038】
図8は、開口直径と電界強度が強くなる領域、電界強度が弱くなる領域との関係を説明するためのグラフである。図8のグラフは、20mm×20mmの高電圧電極の両側に9mmの間隔をおいて20mm×20mmの接地電極を配置し、高電圧電極の中央に開口直径が2.5〜13mmの打ち抜き穴を設け、打ち抜き穴を設けていない平板電極の電界強度8.3×105V/mよりも電界強度が大きい領域の面積、小さい領域の面積が開口直径の大きさによって変化することを測定し、解析したものである。
【0039】
図8のグラフは、接地電極と高電圧電極間の面積S(図1において、上から見た接地電極32と高電圧電極35との間の面積)と、打ち抜き穴を設けていない平板電極の電界強度8.3×105V/mよりも電界強度が強くなる領域の面積Ssとの面積比〔Ss/S×100(%)〕をRs(電界強度の強くなる領域の面積比)とし、接地電極と高電圧電極間の面積Sと電界強度が弱くなる領域の面積Swとの面積比〔Sw/S×100(%)〕をRw(電界強度の弱くなる領域の面積比)として、横軸に開口直径をとり、縦軸に面積比Rs、Rwをとって、開口直径に対する面積比Rs、Rwの変化を示している。
【0040】
図8のグラフに示すとおり、開口直径が小さいときには、電界強度が強くなる領域は電界強度が弱くなる領域よりも大きい。しかし、開口直径が大きくなって11mmを超えると、電界強度が強くなる領域は電界強度が弱くなる領域よりも小さくなる。これは、接地電極と高電圧電極間の距離(この実験では9mm)に対して開口直径が十分大きくなったためと考えられる。
【0041】
以上のことから、集塵効率を向上させるためには、電界強度が強くなる領域を大きくし、帯電粒子の移動速度を速くすること、すなわち、打ち抜き穴の開口直径を大きくし、開口の総周縁長Lを長くすれば良いことが分かる。その場合、開口直径の上限は接地電極と高電圧電極間の距離を考慮して決定すれば良いことが分かる。
【0042】
そして、図5に示すとおり、高電圧電極における打ち抜き穴の開口の総周縁長Lが857mmと最も長い試料電極SA4を使用した電気集塵装置によれば、粒径が30〜100nmの超微粒子、ナノ粒子の集塵効率が60%以上となる高い集塵性能を得ることができる。
【0043】
しかし、開口の総周縁長Lを長くするために打ち抜き穴の開口直径を大きくした場合、電極面積の減少、電極板の強度低下という問題が生じる。
【0044】
次に、表2に示す試料番号SB1〜SB3の第2の試料電極群(開口率を一定にした電極)を高電圧電極とした電気集塵装置の集塵効率の測定結果を図6に示す。
【0045】
この図6は、前記の図5と同様に各高電圧電極(S0,SB1〜SB3)の集塵する微粒子の粒子径d(nm)に対する集塵効率特性を示すグラフである。
【0046】
この図6から明らかなとおり、この発明にしたがって打ち抜き穴を設けた試料電極SB1ないしSB3を高電圧電極に用いた場合、粒径が100nm以下の超微粒子やナノ粒子に対する集塵効率ηが、打ち抜き穴を設けていない比較電極S0を高電圧電極とした場合に対して10%以上も高くなっている。特に、開口の総周縁長Lが長い開口直径が2.5mmや5mmの試料番号SB1、SB2では20%も高くなっている。
【0047】
従って、この事実により、この発明においては、開口径の小さい打ち抜き穴をより多く設けて、開口の総周縁長Lを長くするようにした方が、より集塵効率を高めることが可能となることが理解できよう。
【0048】
次に、図7に前記の集塵実験の結果に基づいて、開口率が一定(17,2%)の場合の平板状電極に設ける打ち抜き穴の開口の総周縁長L(mm)と集塵効率η(%)との関係を示す。ここでの集塵効率は、粒径に関係なく微粒子全体の集塵効率を示している。
【0049】
図7では、総周縁長Lが0mm(打ち抜き穴のない平板電極)の時、集塵効率は48%であるが、総周縁長Lが長くなるにしたがって集塵効率は向上し、1319mm以上で飽和傾向を示している。集塵効率は、総周縁長Lが2638mmにおいて74%となっている。総周縁長Lが長くなるにしたがって飽和傾向を示すのは、開口直径が小さくなることや開口数が多くなり開口部間の距離が小さくなるため、開口の周縁部電界が緩和されるためと考えられる。
【0050】
以上の結果から、打ち抜き穴の開口直径を小さくし、開口数を増やし、開口の総周縁長Lを長くすることにより集塵効率の向上が図れるが、開口直径の上限は、集塵効率60%を得るためには10mmが上限である。また、開口直径を2.5mm以下にしても集塵効率の向上は図れず、加工作業の手間、高電圧極板の強度低下等を考えると、下限は2mmである。
【0051】
この発明においては、高電圧電極に打ち抜き穴を設けるだけでなく、集塵部の接地電極に打ち抜き穴を設けるようにしてもよく、または、高電圧電極および接地電極の両方の電極に打ち抜き穴を設けるようにしてもよいのである。
【0052】
以上のとおり、この発明によれば、電気集塵装置の高電圧電極と接地電極により構成された集塵部における少なくとも一方の電極に打ち抜き穴を電極の全面に分散して多数設けるだけの簡単な構成により、何ら新たなエネルギーおよび装置を付加することなく、超微粒子ヤナノ粒子の集塵効率を高めることができるので、ディーゼル排出粒子のような超微粒子やナノ粒子の発生の多い自動車道トンネル内の空気浄化に使用する電気集塵装置に適用すれば、集塵性能の向上ができるだけでなく、装置の小形化が図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施例の電気集塵装置の基本構成を示す構成図である。
【図2】この発明で使用する高電圧電極を示す正面図である。
【図3】この発明の電気集塵装置による集塵実験装置を示す構成図である。
【図4】この発明の電気集塵装置の帯電部と集塵部の電極の実施例の構成を示す斜視図であり、(a)は帯電部を、そして(b)は集塵部を示す。
【図5】この発明の第1の試料電極群の高電圧電極を使用した電気集塵装置の集塵する微粒子の粒子径に対する集塵効率特性を示す線図である。
【図6】この発明の第2の試料電極群の高電圧電極を使用した電気集塵装置の集塵する微粒子の粒子径に対する集塵効率特性を示すグラフである。
【図7】この発明による電気集塵装置の高電圧電極の打ち抜き穴の開口の総周縁長に対する集塵効率特性を示すグラフである。
【図8】この発明による電気集塵装置の高電圧電極の打ち抜き穴の開口周縁の電界強度を説明するグラフである。
【図9】従来の電気集塵装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0054】
10:電気集塵装置
20:帯電部
22:接地電極
25:放電電極
30:集塵部
32:接地電極
35:高電圧電極
35h:打ち抜き穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電部と、集塵部とを前後段に配置して構成した電気集塵装置において、前記集塵部を、処理空気の流れる空間を介して対向して平行配置した平板状の高電圧電極と接地電極とにより構成し、前記両電極の少なくとも一方の電極の全面に多数の打ち抜き穴を分散して設け、前記打ち抜き穴の開口直径を、開口の周縁近傍の電界強度が強くなる領域が、電界強度が弱くなる領域よりも大きくなる範囲の値としたことを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
前記打ち抜き穴の開口直径は、2〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記打ち抜き穴は、前記高電圧電極に設けることを特徴とする請求項1または2に記載の電気集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−72772(P2009−72772A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219806(P2008−219806)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【出願人】(505286316)
【Fターム(参考)】