説明

電池とその製造方法

【課題】 集電体と外装缶とを確実に溶接することで内部抵抗の低減と良好な集電性能を図ることによって、優れた性能発揮が期待できる電池と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 負極集電体5を、その主面aを負極板2と対向配置し、且つ、他方の主面bを各突起部51で外装缶底部62に当接するように配置する。そして当該突起部51に囲まれた中央部50の中心を外装缶底部62側に撓んで接触した状態で抵抗溶接し、溶接領域Bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池とその製造方法に関し、特に集電体およびその周辺の構成の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケルカドミウム(Ni-Cd)二次電池、ニッケル水素化物(Ni-MH)二次電池などに代表されるアルカリ二次電池は、電動工具、電動自転車、或いは電動バイク等の電源として広く使用されている。これらの用途では、しばしば大電流での充放電特性が要求されるので、電池性能として可能な限り内部抵抗を低減する必要がある。
アルカリ二次電池の一般的な製造方法としては、特許文献1および2、非特許文献1に示される通りであって、まず帯状の正極板および負極板を、セパレータを介在させて巻回し、発電要素(電極体)を形成する。この電極体の上下軸方向において、内部抵抗を下げ且つ集電性を上げるために、集電体を正負各電極に対してそれぞれ接続し、これを金属製外装缶に収納する。そして、正極集電体を封口体に設けられた端子(正極端子)と溶接し、負極集電体を外装缶底部(負極端子)と溶接する。その後は電解液を注液し、封口体を外装缶の開口部に装着してカシメ加工することによって、密閉型のアルカリ二次電池が作製される。
【0003】
このように集電体を用いることで、高い電池性能の発揮が期待される。
【特許文献1】特開2002-280057号公報
【特許文献2】特開平6-275253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記構成を持つ従来のアルカリ二次電池では、以下のような課題が存在する。
すなわち、外装缶と集電体との溶接工程においては、その構造上の特性や、製造上の誤差の問題から、溶接強度の不足や溶接効果にバラツキが出やすく、電池個体間で差が生じやすい。これを具体的に説明する。
【0005】
図4は、従来の外装缶底部に配される集電体(負極集電体)とその抵抗溶接時の様子を示す模式図である。x1、x2は抵抗溶接用電極を示す。図4(a)、図4(c)において、集電体に設けられた切り込み部より内側の中央部に溶接部が確保されるようになっている。従来の負極集電体としては、図4(a)の面接触型と、図4(c)の点接触型が挙げられる。
【0006】
なお実際には、電極体が外装缶内部に収納された状態で溶接がなされるが、ここでは説明の便宜上不図示とする。
まず、平坦な表面を有する面接触型集電体(図4(a))を用いる場合には、その平坦中央部が外装缶底部と広く面接触するが、その接触面積が必要以上に大きくなりやすい。接触面積が大きくなると抵抗溶接電極の給電時に電流が分散してしまい、溶接に寄与しない電流、いわゆる無効電流が大きくなり、結果的に溶接強度および通電性が不足した溶接部分が形成される(図4(b))。この対策としては、電極x1、x2への供給電力を引き上げることが考えられるが、大電流により溶接部分がバックヒートし、いわゆる爆飛が生じる別の問題を誘発し、不要なショートの原因となる場合もあるので望ましくない。
【0007】
一方、図4(c)の集電体は、その表面に複数の突起部を密集させて設けたものであって、溶接時には、前記複数の突起部を外装缶底部に点接触するように当接させ、当該点接触部分を良好に溶接させることを意図しているが(図4(d))、実際には抵抗溶接用電極x1直下付近に位置する突起部でしか良好に溶接されにくい。そのため、製造上の誤差により抵抗溶接用電極x1が負極集電体と接触する位置がバラツキを生じることにより、前記溶接部分の位置も比較的顕著にバラツキを生じやすい面がある。このため、溶接位置電池の個体間において、均一で安定した電池性能が得られにくい。
【0008】
以上のことから、外装缶と、これに溶接される集電体との抵抗溶接については、改善すべき課題が残されている。
なお、このような課題はアルカリ二次電池に限らず、一般的な電池についても同様に存在する。
本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであって、その目的は、集電体と外装缶とを確実に抵抗溶接することで内部抵抗の低減と良好な集電性能を図ることによって、優れた性能発揮が期待できる電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、電極体から延設された板状集電体を外装缶底部に接触させ、これらを互いに溶接する溶接ステップを経る電池の製造方法であって、溶接ステップの前において、溶接部分を囲む集電体と外装缶の少なくともいずれかに、複数の突起を多角形頂点となる位置に配設し、且つ集電体表面において、突起に囲まれる位置に平坦面を配設しておき、前記溶接ステップでは、前記集電体と外装缶底部とを前記複数の突起で点接触させつつ、前記集電体の平坦面を抵抗溶接用電極で押圧して撓ませ、これを外装缶底部に面接触させることで抵抗溶接するものとした。
【0010】
ここで前記電極体は、正負極板をセパレータを介して巻回してなる巻回体であり、前記外装缶は、前記巻回体を収納する円筒型金属缶であって、前記溶接ステップでは、巻回体の巻芯跡の孔に前記抵抗溶接用電極を挿入して、集電体を円筒型外装缶の底部に抵抗溶接する構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電池の製造方法では、溶接ステップの前において、溶接部分を囲む集電体と外装缶の少なくともいずれかに、複数の突起を多角形頂点となる位置に配設し、且つ集電体表面において、突起に囲まれる位置に平坦面を配設しておき、前記溶接ステップでは、前記集電体と外装缶底部とを前記複数の突起で点接触させつつ、前記集電体の平坦面を抵抗溶接用電極で押圧して撓ませ、これを外装缶底部に面接触させることで抵抗溶接するものとしたので、従来より電池の個体間でのバラツキを抑制し、均一で優れた抵抗溶接をすることが可能となっている。
【0012】
さらに、このような本発明の電池の製造方法における集電体は、具体的には当該集電体の表面に前記切り込み部を形成することで、電池外部より何らかの衝撃が加わった際にも溶接部分でのショックが弾性力により減衰されるので、前記溶接部分の破壊を回避する効果も奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
1-1.アルカリ二次電池の構成
図1は、実施の形態1である円筒型Ni-Cd二次電池(以下、単に「電池」と言う。)の断面斜視図である。ここではアルカリ二次電池に本発明を適用する場合について説明するが、本発明はこれ以外の種類の電池であってもよい。
【0014】
当該電池は、一例としてSCサイズの円筒型金属製外装缶6を有しており、これに電極体4と、電解液等が収納された構成を持つ。公称容量は2.5Ahとすることができる。電解液の構成例には水酸化カリウムを主体とするアルカリ水溶液を用いることが可能である。
円筒型外装缶6は、NiメッキしたFeからなる材料を有底筒状に加工したものであるが、これ以外にも電池の種類や特性を考慮して、ステンレス、アルミニウム等、適宜選出した金属材料を用いることができる。
外装缶6の内部には、底部62に対して負極集電体5が抵抗溶接により電気的に接続される。また、外装缶6上方の開口部60は、絶縁・密閉用ガスケット11および封口体12を嵌合したのち、カシメ加工等により隙間無く封止されている。
【0015】
外装缶6上端の開口部60において、封口体12には、その周囲が絶縁ガスケット11によって囲まれている。封口体12には中央に開口部(ガス抜き孔)14が設けられ、これを覆うように皿状の正極端子13が装着される。このとき封口体12と正極端子13とは電気的に接続された状態となる。
封口体12と正極端子13の内部空間には、下から上に向かって弁板8、押さえ板9、コイルスプリング10がこの順に載置される。このうち、弁板8と押さえ板9はコイルスプリング10の弾性力によって上記中央開口部14の周囲に押圧されることで、安全弁として作用するようになっている。なお、弁板8、押さえ板9、コイルスプリング10の代わりにゴム等のエラストマーからなる弁体を用いてもよい。
【0016】
電極体4は、帯状の正極板1と負極板2とをセパレータ3を介して渦巻き状に巻回されてなる巻回体である。
正極板1は、パンチングメタルの基板表面にニッケル焼結多孔体を形成した後、化学含浸法により水酸化ニッケルを主体とする活物質を前記焼結多孔体内に充填して製造した焼結式ニッケル正極板である。そして、外装缶6の開口部60付近に配された円盤状の正極集電体7と楕円状リード部15および上記封口体12を介して、正極端子13に電気的に接続されている。
【0017】
正極集電体7の周囲には、エラストマー材料からなる防振リング16が配され、電極体4を位置ずれ防止し、不要な絶縁を抑制するようになっている。なおこれ以外にも、例えば正極端子13を穿孔加工した封口体12に配し、当該正極端子13の電池内部側端部を直接リード部15と接続する構成としてもよい。
負極板2は、化学含浸法により水酸化カドミウムを主体とする活物質を、パンチングメタルの基板表面に配した前記焼結多孔体内に充填して製造した焼結式カドミウム負極板である。当該負極板2は、外装缶6の底部62と対向する位置に配された円盤状の負極集電体5によって、前記底部62に接続されている。この構成により外装缶底部62は負極端子となるが、電極体4を上下逆に接続することにより、外装缶底部を正極端子、封口体12側の端子を負極端子とすることもできる。
【0018】
セパレータ3は、例えばナイロン製やポリプロピレン製の絶縁性に優れる不織布を加工してなるものであって、電解液を良好に含浸し、かつ正極板1および負極板2とを電気的に絶縁するために用いる。
なお、電極体4の軸方向には、空隙である巻芯跡40が残されているが、これは後述の抵抗溶接時において、抵抗溶接用電極x1の挿入経路として利用される。
【0019】
ここで本実施の形態1の電池は、負極集電体5周辺の構成に特徴を有する。
以下、当該負極集電体5について具体的に説明する。

1-2.負極集電体の構成と効果
図2は、本実施の形態1における負極集電体の構成を示す図である。図2(a)は正面図、同図(b)は斜視図であり、同図(c)は、A−A‘断面からの負極集電体周辺の部分拡大図をそれぞれ示す。
【0020】
負極集電体5は、たとえば厚み0.2mmのNiメッキ加工したFe鋼板を円盤状に打ち抜き加工してなる。そのサイズ例としては、外装缶がSCサイズの場合、直径を20〜21mmとすることができる。
負極集電体5の円盤状主面a、bには、その周縁部54と、周縁部54より内側に、平坦部として、中央部50がそれぞれ配設されている。このうち、中央部50の周囲には、一例として約7mmの径を有する程度に、放物線状に切り込み部53が形成されている。当該切り込み部53は、電池に外部より衝撃が加わった場合に、中央部50の中心に設けられる溶接部52に当該衝撃が伝わり、溶接強度に悪影響が出るのを防止する緩衝手段等の目的で設けられる。
【0021】
中央部50には、一方の主面bにおいて、半球状の突起部51(一例として直径1.2mm、高さ0.5mmのサイズを有する)が、互いに4mm間隔ごとに、多角形状(ここでは矩形状)の各頂点をなすように突出して設けられている。
このような構成を持つ負極集電体5は、スポット溶接等により負極板2から延設されたのち、外装缶底部62において図2(c)に示すように、その主面aが負極板2と対向配置され、且つ、他方の主面bが各突起部51において外装缶底部62に当接するように配置される。そして、当該突起部51に囲まれた中央部50の中心が、外装缶底部62側に撓んで接触した状態で面接触して抵抗溶接され、これによって溶接領域Bが形成されている。
【0022】
図3は、このような溶接領域Bが具体的に形成される様子を示す、抵抗溶接時の電池断面図である。図3(a)は溶接直前、図3(b)は溶接中の様子をそれぞれ示す。
抵抗溶接用電極x2は、公知の形状であって、先端に平坦部が設けられており、外装缶底部62に対して外部から面接触するように押圧して配置される。
一方、抵抗溶接用電極x1はいわゆる電極棒であって、外装缶開口部60より、電極体4の軸方向に設けられた巻芯跡40を経路として挿入され(図3(a))、その先端で負極集電体5の中央部50を押圧し撓めて外装缶底部62に接触させる(図3(b))。ここで電極x1、x2に給電すると、電流の最短経路である電極x1直下における負極集電体5、および外装缶底部62との接触部分を中心にジュール熱が発生し、高温となる。そして図3(b)に示すように、負極集電体5および外装缶6の両部材が溶融・固化することで、集電体5表面では円形の溶接領域Bが形成される。
【0023】
ここで、通常の製造工程では、このような抵抗溶接に際し、負極集電体5と電極x1との相対位置に若干の誤差が生じることがある。この場合、従来の図4(c)、(d)に示すように、複数の突起部の点接触により外装缶底部と溶接する構成では、電極x1と突起部との相対位置にばらつきが生じるので溶接点数や各溶接点での強度にばらつきが生じ、外装缶底部と負極集電体の溶接強度が安定しないなどの問題があったが、本発明の負極集電体5ではたとえ、このような電極x1の位置に誤差が発生したとしても、突出部51に囲まれた中央部50が外装缶底部62側に撓んで溶接部を形成するので、負極集電体5と電極x1との相対位置の誤差によらず、常に一定の溶接部を形成できる。
【0024】
なお、突起部51とこれに囲まれる溶接部52の配置関係については、溶接用電極x1の押圧力により中央部50の中心が適切な面接触をなす(例えば、中央部50による接触面積は、各突出部51の点接触面積より大きい面積となる)ように撓ませるため、溶接部52に対して突起部51が近すぎない距離に設ける必要がある。
或いは、負極集電体5の部材厚みを考慮して、電極x1の押圧時に中央部50の撓みが突起部51の高さに対して十分大きくなる(すなわち十分外装缶底部62に接触しうる)ように調整するのも望ましい。

1-3.実施例
ここでは上記実施の形態1の負極集電体を備える電池を、実際に実施例として作製し、比較例とともに性能測定を行った結果について説明する。
【0025】
<実施例電池の作製方法>
まずパンチングメタル表面にニッケル焼結多孔体を形成した後、化学含浸法により水酸化ニッケルを主体とする活物質を前記焼結多孔体内部に充填して、焼結式ニッケル正極板を得た。
一方、化学含浸法により水酸化カドミウムを主体とする活物質を焼結多孔体内部に充填、焼結式カドミウム負極板を得た。
【0026】
こうして得た正極板と負極板を、セパレータを介して巻回し、電極体を作製した。そして、電極体の軸方向上方には、正極板と正極集電体を抵抗溶接した。一方、電極体の軸方向下方には、負極板と負極集電体とを抵抗溶接した。
そして、これを外装缶の内部に収納し、直径1.5mmの銅製抵抗溶接用電極x1と、銅製抵抗溶接用電極x2を用い、負極集電体を外装缶底部と抵抗溶接した。その後は、正極集電体の周囲を覆うように防振リングを挿入し、正極集電体とリード部とを、互いにスポット溶接した。
【0027】
その後は、外装缶開口部を絶縁ガスケットを介して封口体で封口し、リード部と正極端子とを抵抗溶接し、外装缶開口部を封口体でカシメ加工して密封することにより、実施例電池を得た。
<比較例電池の作製>
比較例電池は、負極集電体以外は実施例電池と同様に作製した。ここで比較例の負極集電体として、前記図2(a)に示す面接触型を備えるものを比較例1(実施例の負極集電体の突起部を無くしたもの)、図2(c)に示す点接触型を備えるものを比較例2(切り込み部内部に実施例の形状の突起を間隔約0.5mmで矩形状に並べたもの)とした。
【0028】
<測定実験>
これらの実施例電池および比較例電池について、溶接強度、ショート率、溶接はずれ不良率について測定実験を行った。
なお、各測定実験は次のように行い、算出した。
<溶接強度>
電流値を1.5kAとして、負極終電体を電池外装缶へ抵抗溶接した。その後、各電池10セルずつ引張試験装置を用いて、当該溶接部分おける溶接強度を測定し、その各平均値を算出した。なお、このときの率計算は、比較例1の強度の平均値を100とした場合の強度割合として算出した。
【0029】
<ショート率>
実施例、比較例其々のSC電池について10万個を作製したときのショートした電池の割合を計測した。
<溶接はずれ不良率>
負極集電体溶接不良のうち、溶接はずれに起因するものを計測した。
上記測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

この表の結果に示されるように、まず溶接強度に関しては、実施例が比較例1、2より強度向上の点で優れていることが分かる。これは実施例電池において本発明の製造方法を用いたことにより、抵抗溶接時に無効電流の発生や溶接点位置のばらつきによる溶接不良を抑制し、良好な溶接部分が形成されていることを示していると思われる。
【0031】
また、ショート率に関しても、実施例電池では抵抗溶接時の無効電流の低減が図られているため、溶接箇所でのスパッタ発生が防止されているので、その分比較例1、2に比べて改善がみられる。
さらに、溶接はずれ不良率に関しては、実施例電池では負極集電体と外装缶底部において、適正な溶接面積を持ち、且つ、抵抗溶接時の給電不足を回避して良好な強度を持つ溶接部が確保されており、更に溶接位置のばらつきがあっても強度が一定に保たれるため、面接触型の比較例1および点接触型の比較例2のいずれと比べても良好な性能を示している。
【0032】
このような測定実験により、本発明の有効性が明らかにされた。
(その他の事項)
上記実施の形態では、アルカリ二次電池への適用例について説明したが、これ以外の種類の電池、たとえばLi-ion電池等の非水系二次電池、マンガン電池などの一次電池等にも適用可能であり、この場合もほぼ同様の効果が期待できる。
【0033】
また上記実施の形態では、負極集電体のみに複数の突起部を設ける構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、この他に負極集電体と外装缶底部との対向表面において、当該両者の両方、もしくは外装缶底部のみに設けるようにしてもよい。ただし、突起部の配設位置は上記の通り、抵抗溶接時に集電体の中央部を撓ませて溶接部が形成されるような場所を考慮して設ける必要がある。
【0034】
突起部の形状としては、複数の突起部を連続的に設けることで、全体として帯状となる構成も含むものとする。具体的には、たとえば中央部周囲を取り囲むように無数の突起部を設け、全体としてリング状の突起が形成されるようにしても、本発明の効果が得られる。ただし、無効電流削減の観点から、接触部位の面積は小さい方が望ましい。さらに、突起部に絶縁性の樹脂を塗布したり、突起自体を絶縁性材料で形成したりすることにより、一層無効電流が低減される。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、一般電源用途に用いられるNi-Cd電池或いはNi-MH電池等のアルカリ二次電池に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態1における円筒型アルカリ二次電池の断面斜視図である。
【図2】負極集電体及びその周辺の構成を示す図である。
【図3】抵抗溶接時の様子を示す図である。
【図4】従来の負極集電体と抵抗溶接時の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 正極板
x1、x2 抵抗溶接用電極
2 負極板
3 セパレータ
4 電極体
5 負極集電体
6 外装缶
7 正極集電体
12 封口体
15 防振リング
40 巻芯跡
50 中央部
51 突起部
52 溶接部
53 切り込み部
54 周縁部
62 外装缶底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体から延設された板状集電体を外装缶底部に接触させ、これらを互いに溶接する溶接ステップを経る電池の製造方法であって、
溶接ステップの前において、溶接部分を囲む集電体と外装缶の少なくともいずれかに、複数の突起を多角形頂点となる位置に配設し、且つ集電体表面において、突起に囲まれる位置に平坦面を配設しておき、
前記溶接ステップでは、前記集電体と外装缶底部とを前記複数の突起で点接触させつつ、前記集電体の平坦面を抵抗溶接用電極で押圧して撓ませ、これを外装缶底部に面接触させることで抵抗溶接する
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】
前記電極体は、正負極板をセパレータを介して巻回してなる巻回体であり、前記外装缶は、前記巻回体を収納する円筒型金属缶であって、
前記溶接ステップでは、巻回体の巻芯跡の孔に前記抵抗溶接用電極を挿入して、集電体を円筒型外装缶の底部に抵抗溶接する
ことを特徴とする請求項1に記載の電池の製造方法。






【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−100214(P2006−100214A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287907(P2004−287907)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】