電池の内圧状態検出装置
【課題】ガス発生による内部圧力上昇状態を検出するために、構造の簡単化を図ることができる電池の内圧状態検出装置を提供する。
【解決手段】第1の弁6は、電池セル1の内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セル1の内部圧力に応じて開放する。圧力動作部7は、導電する接点部を有し、第1の弁6よりもガスの流下する下流側に設けられ、第1の弁6が開放すると同時に、または第1の弁6が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される。圧力動作部7は、電池セル1の端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線9の一部として形成されている。電池監視装置100は、圧力動作部7が接点部解除状態になると、電圧検出線9を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。
【解決手段】第1の弁6は、電池セル1の内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セル1の内部圧力に応じて開放する。圧力動作部7は、導電する接点部を有し、第1の弁6よりもガスの流下する下流側に設けられ、第1の弁6が開放すると同時に、または第1の弁6が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される。圧力動作部7は、電池セル1の端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線9の一部として形成されている。電池監視装置100は、圧力動作部7が接点部解除状態になると、電圧検出線9を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常な内部圧力状態となった場合に、当該状態を検出可能とする電池の内圧状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の従来技術は、蓄電池の外装ケースに設けられた圧力感応部が蓄電池の内部応力に連動して変位し、この変位に伴いセンサ線を介して送られる信号を用いて、蓄電池の内部圧力が上昇した状態を検出するものである。
【0003】
特許文献1の従来技術について、以下に具体的な構成を説明する。蓄電池の外装ケースの上端面には、肉厚を薄く形成した圧力感応部が設けられている。圧力感応部は、蓄電池の内部圧力の変化に応じて容易に変形し、上下に変位することができる。圧力感応部の中央部には、検出電極が一体に設けられており、その一端は蓄電池内部のセパレータに常時接触し、他端は蓄電池外部に突出している。したがって、検出電極は、圧力感応部の変位に連動して上下に変位するようになっている。
【0004】
蓄電池外部に設けられている金属接片は、充電制御回路に接続されている。検出電極が上方に変位した場合、検出電極の上端部と金属接片とが接触し、電気接点が形成される。金属接片の一部は、出力端子に接続されている。出力端子には、充電制御回路に送られる信号の経路となるセンサ線が接続されている。
【0005】
蓄電池は、正常充電状態には蓄電池内部が減圧状態となっているため、出力端子は無電圧であり、センサ線を通して無電圧を示す信号が充電制御回路に送信される。充電が進行し、充電終期や異常時のガス発生等により蓄電池の内部圧力が上昇して圧力感応部が上方に変位すると、これとともに検出電極も上方に変位し金属接片と導通状態となる。このように電気接点が閉じた場合、出力端子には電源電圧があらわれ、この電源電圧の信号はセンサ線を通して充電制御回路に送信され、充電が遮断されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−5122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の蓄電池は、内部圧力上昇状態を検出するために、専用のセンサ線を必要とするものであり、内部圧力上昇状態を検出するための構造が複雑になるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス発生による内部圧力上昇状態を検出するために、構造の簡単化を図ることができる電池の内圧状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に係る電池の内圧状態検出装置の発明は、供給された電力を充電するとともに、蓄電した電力を放電する機能を有する電池セルと、電池セルの端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線と、電池セルの内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セルの内部圧力に応じて開放する弁機構と、導電する接点部を有し、弁機構よりもガスの流下する下流側に設けられ、弁機構が開放すると同時に、または弁機構が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部と、電圧検出線を通じて検出される電気信号により電池セルの端子間電圧を検出する電圧監視装置と、を備え、
圧力動作部は電圧検出線の一部として形成されており、
電圧監視装置は、圧力動作部が接点部解除状態になると、電圧検出線を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、電池セルの内部圧力が低い通常圧力状態であると、弁機構は閉じたままで、圧力動作部は接点部を形成するが、電池セルの内部圧力がガスの発生により上昇していくと、内部空間を連通する弁機構がある内部圧力のときに開放して、さらにガスが圧力動作部に作用する。圧力動作部は、弁機構の開放と同時に、または弁機構の開放後でさらに内部圧力が上昇したときに接点部解除状態になる。
【0011】
さらに、圧力動作部は電圧検出線の一部として形成されていることにより、通常圧力状態では、導電する接点部を形成するため、電圧監視装置によって電池セルの端子間電圧を検出することができる。一方、圧力動作部が接点部解除状態になった場合には、電圧検出線は導電しないため、電圧監視装置は、通常圧力状態の時とは大きく異なる電気信号を検出するようになり、接点部解除状態であることを明確に検出することができる。このように本発明によれば、上記の圧力動作部の機能を併せ持った電圧検出線を備える装置を提供できる。したがって、電池セルの通常圧力状態におけるセル電圧の検出機能と、電池セルの内部圧力上昇状態を検出する機能とを、構造の簡単化が図れる装置によって実現することができる。
【0012】
請求項2の発明によると、弁機構は、電池セルの外装ケースに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、圧力動作部は、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線の他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、低耐圧壁部である弁機構は、低耐圧検出線部である圧力動作部は、電池セルの内部圧力が作用した場合に、他の部位よりも先に破断し、他の部位に比べて低い圧力で破断が起こり始める部分である。さらに、圧力動作部は弁機構に隣接するため、ガスの発生により電池セルの内部圧力が上昇して第1の弁が破断した場合に、即座に圧力動作部に対して当該内部圧力が作用し得る構造が得られる。このため、第1の弁の開放とともに圧力動作部に即座に内部圧力が作用するので、第1の弁の開放に伴って圧力動作部が動作しやすく、内部圧力の上昇状態に対して迅速な検出を実現できる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、低耐圧壁部は、壁部の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であり、低耐圧検出線部は、電圧検出線の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であることを特徴とする。この発明によれば、第1の弁と圧力動作部の両方を薄肉部位によって形成するため、電池セルの内部圧力を検出するための要部を、複雑な機構を採用しないで、かつ少ない部品点数によって製作することができる。したがって、生産性及び製造コスト面において有用な構造を備える電池の内圧状態検出装置を提供できる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2に記載の発明において、低耐圧検出線部は、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されていることを特徴とする。この発明によれば、圧力動作部は電圧検出線の一部としての低耐圧検出線部であって、外装ケースの低耐圧壁部の破断と同時に破断する強度に設定されている部分である。このため、ガスの発生により電池セルの内部圧力が上昇すると、第1の弁と低耐圧検出線部が同時に破断し、即座に接点部解除状態を検出することができる。低耐圧検出線部は、例えば、電圧検出線と異なる当該部分の材料を適切に選定することにより、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定することができる。
【0016】
請求項5の発明によると、弁機構は第1の弁機構であり、さらに第2の弁機構を備える。第2の弁機構は、圧力動作部よりもガスの流下する下流側に設けられ、圧力動作部が接点部解除状態になった後であって、さらに電池セルの内部圧力が上昇したときに、電池セルの内部圧力に応じて開放することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ガス等の発生により電池セルの内部圧力が上昇するに伴い、第1の弁機構が開放し、次に圧力動作部の接点部が離れる。電池監視装置は、電圧検出線を通じて入力される電気信号によって接点部解除状態であることを検出することができる。さらに、ガスの発生が促進して、電池セルの内部圧力がさらに上昇すると、第2の弁機構が開放して電池セル内部の密閉状態が破れ、ガスが電池セル外部に噴き出されるようになる。このように、当該内部圧力が非常に高圧になる前に、内部圧力上昇状態を検出するとともに、外部にガスを放出させることにより、外装ケースの急激な破裂や、外装ケースの予期しない箇所からの破損により、電池の内蔵物が無作為に飛び散る事態を回避できるのである。
【0018】
請求項6の発明によると、ラミネートフィルムで形成される電池セルの外装ケースであって、当該ラミネートフィルム同士を熱溶着して貼り合わせることにより電池セルの内部空間を形成する外装ケースを備え、
第1の弁機構は、熱溶着を施さないでラミネートフィルム同士を合わせただけの他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位によって構成され、
第2の弁機構は、ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部の一部に形成された部位であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第1の弁機構はラミネートフィルム同士を合わせただけの重ね部であるので、他の部位である熱溶着部に比べて、非常に簡易な構造によって低耐圧部を構成することができる。したがって、第1の弁機構について製造上有用な構造を提供できる。さらに、ラミネートフィルムの熱溶着部によって第2の弁機構を低耐圧部位に設定することにより、第2の弁機構を構成する熱溶着部に関わるラミネートフィルムの厚み寸法、溶着面積等を選択することによって第2の弁機構の開弁圧力の設定を容易に行うことができる。
【0020】
請求項7の発明によると、圧力動作部が接点部解除状態になった場合でも、電圧監視装置が電圧検出線を通じて電気信号を検出可能なように電圧検出線に接続された電気抵抗体を備えることを特徴とする。この発明によれば、圧力動作部が接点部解除状態になった場合に、電圧検出線を通じて電池セルの端子間電圧を間接的に検出することができる。この場合に、端子間電圧は、電気抵抗体には固有の抵抗値に応じた電圧がかかるため、実際の端子間電圧よりも、電気抵抗体にかかる電圧分低く検出されることになる。したがって、電気抵抗体の抵抗値を用いれば、接点部解除状態であっても、実際の電池セルの端子間電圧を検出することができる。このため、現在の電池セルの状態を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る電池セルについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。
【図2】図1におけるII−II断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部及び周辺部の構成を示す断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部及び周辺部を示す断面図である。
【図4】通常圧力状態とは異なり、電池セルの内部圧力が上昇して圧力動作部が解除された状態を示す断面図である。
【図5】電池セルの電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の電池セルについて、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態の電池セルについて、電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の電池セルについて、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【図9】本発明を適用した第3実施形態に係る電池セルについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。
【図10】第3実施形態における圧力動作部及び周辺部の構成を示す断面図である。
【図11】図10に示す圧力動作部及び周辺部についての他の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
【0023】
(第1実施形態)
本発明に係る電池の内圧状態検出装置を適用した第1実施形態の電池セル1について説明する。複数個の電池セル1は、電気的に接続されて一体の組電池11を構成し、組電池11は、例えば、電動機のみによって走行する電気自動車(EV)、電動機と内燃機関とを併用して走行駆動力とするプラグインハイブリッド自動車(PHV)等に搭載される車両用蓄電池、あるいは住宅における蓄電池用の定置用蓄電池として用いることができる。
【0024】
以下、第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電池セル1について、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。図2は、図1におけるII−II断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部7及び周辺部の構成を示す断面図である。図3は、図1におけるIII−III断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部7及び周辺部を示す断面図である。図4は、通常圧力状態とは異なり、電池セル1の内部圧力が上昇して圧力動作部が解除された状態を示す断面図である。図5は、電池セルの電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【0025】
電池セル1は、走行により生成した電力や外部の給電装置等から供給される電力を充電することができ、さらに蓄電力を外部に放電して負荷機器を動作させることができる蓄電池である。図1に示すように、電池セル1は、電極積層体2と、電極積層体2を内部に収容する外装ケース5と、正極端子3と、負極端子4と、正極端子3と負極端子4の間の電圧を検出するために電気伝導性の高い導体材料でできている電圧検出線9と、電池セル1の内部圧力に応じて動作する圧力動作部7と、を備えている。電極積層体2は、正極活物質を有する正極層と、負極活物質を有する負極層と、正極層と負極層の間に介在する媒体である電解質層と、正極層と負極層とを電気的に短絡しないように別々に仕切って配されるセパレータと、を積層することにより構成されている。電池セル1は、例えば、外形が四角形状をなして板状(扁平状)に形成された充放電可能な二次電池であり、本実施形態では、リチウムイオン電池とする。なお、電池セル1は、ニッケル水素電池等の他の二次電池で構成してもよい。
【0026】
正極端子3は、電極積層体2の正極層に接続された端子であって外装ケース5から突出するように設けられている。負極端子4は、電極積層体2の負極層に接続された端子であって外装ケース5から突出するように設けられている。正極端子3と負極端子4には、電圧検出線9の一方の端部と他方の端部とがそれぞれ接続されている。電圧検出線9は、正極端子3と負極端子4の間で電圧検出部10に接続されている。電圧検出部10は、正極端子3と負極端子4の間の電圧を電気信号として検出するための信号線であり、当該電気信号は電池監視装置100に入力される。
【0027】
電圧検出線9は、その一部が外装ケース5の内部に含まれる。例えば、電圧検出線9は、正極端子3との接続部分から電圧検出部10との接続部分に至る間で、外装ケース5と一体となっている。電圧検出線9は、各電池セル1の正極端子3及び負極端子4に電気的に接続されているため、組電池11としては多数接続されており、端子または端子と結合する導電体の一部にかしめ、溶接、圧着、ばね力を利用した保持による結合等により固定される。
【0028】
外装ケース5は、外観が平板状体であり、例えば、二つ折りにされたラミネートフィルムの端部同士を熱溶着することによって当該端部同士を封止して熱溶着部51を形成し、電池セル1内部に密閉された内部空間を形成している。熱溶着部51は、図1に示すように、外装ケース5の外周全体に所定幅の寸法で形成されている。熱溶着部51は、電極積層体2を収容する内部空間である密閉空間を形成するとともに、正極端子3、負極端子4、及び電圧検出線9の一部を安定的に保持する。
【0029】
ラミネートフィルムは、例えば、アルミニウム層とポリプロピレン層とを交互に積層したシートである。厚み方向の両端の表面層はポリプロピレン層であり、ポリプロピレン層が熱溶着されてラミネートフィルム同士が貼り合わされることになる。なお、ポリプロピレン層は、ポリエチレン層、ポリエチレンテレフタラート層等であってもよい。
【0030】
電池セル1の内部空間には、電極積層体2、電極積層体2と正極端子3及び負極端子の接続部分が収容されている。さらに外装ケース5には、電池セル1の内部圧力が所定圧以上に上昇すると大きく膨らんで通路を開放する安全弁が設けられている。また、熱溶着は、熱溶着されるラミネートフィルムの端部同士を合わせて加圧した状態で、繰り返しの充放電によって電池特性が低下しない所望の気密性能が得られるように、適正な所定温度かつ所定時間、加熱処理すること、超音波処理すること等により実施する。
【0031】
図1及び図2に示すように、安全弁は、電極積層体2等が収容される内部空間に近接する第1の弁6と、熱溶着部51の一部であって第1の弁6よりも外側に位置する外装ケース5の端部に形成される第2の弁8と、から構成される。第1の弁6は、第1の弁機構であり、ラミネートフィルム同士が熱溶着されないで互いに当接して接触しているだけの部分であり、電池セル1の内部空間とつながっている。したがって、過充電時等に当該内部空間に発生するガスにより内部圧力が上昇するにつれて、ガスが当該内部空間から第1の弁6側に流入し、所定の内部圧力以上になると、接触状態のラミネートフィルム間にガスが入り込んで当該ラミネートフィルム同士を押し広げ、第1の弁6が開放するようになる。
【0032】
一方、第2の弁8は、第1の弁6よりも電池セル1の内部空間から離れた位置に設けられている第2の弁機構である。第2の弁8は、電池セル1の内部にガス等が発生した場合に、第1の弁6よりも当該ガスの流下しうる下流側に位置する。第1の弁6と第2の弁8の間には、圧力動作部7が設けられている。したがって、第1の弁6、圧力動作部7、及び第2の弁8と並ぶ部分は、熱溶着部51が形成される外周全体のうちの一部分である。さらに、第2の弁8は、熱溶着部51における外周縁の一部に相当し、第1の弁6と第2の弁8が並ぶ方向の熱溶着の幅寸法が熱溶着部51の他の部分よりも短く設定されている。
【0033】
圧力動作部7は、電圧検出線9の一部分であって外装ケース5に一体に設けられている。圧力動作部7は、電圧検出線9に接続された支持板71と、支持板71と一体であり突出するように設けられた接点片72と、支持板71と対向するように設けられるとともに接点片72に当接している接点部形成板73と、を備えて構成されている。支持板71、接点片72、及び接点部形成板73は、電気伝導性の高い導体材料から形成されている。
【0034】
接点片72と接点部形成板73は、電池セル1の内部圧力が第1の弁6が開放する第1の所定圧力よりも低いときには、接触して接点部を形成するように設定されている(図2及び図3参照)。接点部が形成されている状態では、正極端子3に接続する側の電圧検出線9と負極端子4に接続する側の電圧検出線9とは通電するため、電圧検出部10によって電池セル1の正確な電圧を検出することができる。
【0035】
支持板71は、第1の弁6よりも外側に位置する部位のラミネートフィルムの内表面に接着されており、当該部位のラミネートフィルムとともに変位する。接点部形成板73は、支持板71が接着されているラミネートフィルムの部位に対向する部位のラミネートフィルムの内表面に接着されており、当該部位のラミネートフィルムとともに変位する。すなわち、支持板71と接点部形成板73は、それぞれラミネートフィルムに固定されている。したがって、電池セル1の内部圧力が第1の弁6が開放する第1の所定圧力以上になると、内部圧力の上昇に伴って、対向し合うラミネートフィルムの間隔が大きくなり、支持板71と接点部形成板73も互いに離れるように変位するので、接点片72と接点部形成板73とが接触しない接点部解除状態になる(図4参照)。
【0036】
すなわち、圧力動作部7は、第1の弁6が開放した後、電池セル1の内部圧力が、圧力動作部7を形成する部位のラミネートフィルム間に作用すると接点部が離れるように動作する。この動作に対応する情報は電池監視装置100に入力されて、ガス圧等による電池セル1の内部圧力異常状態等を検出することができるようになる。この非接触状態では、正極端子3に接続する側の電圧検出線9と負極端子4に接続する側の電圧検出線9とは、通電しないため、電圧検出部10は電池セル1の正確な電圧を検出することができない。電池監視装置100には、例えば0Vの検出電圧が入力される。
【0037】
第1の弁6は、予め定めた第1の所定圧力(第1の弁6の開弁圧力)以上の内部圧力が作用したときに開放して、ガスが下流側の圧力動作部7に流下するように設定されている。第2の弁8は、第1の所定圧力よりも高い値に設定された第2の所定圧力(第2の弁8の開弁圧力)以上の内部圧力が作用したときに開放して、ガスを外部に放出するように設定されている。圧力動作部7は、第1の所定圧力以上、第2の所定圧力未満の範囲に含まれる内部圧力(圧力動作部7の動作圧力)が作用したときに、接点部解除状態になるように設定されている。したがって、電池セル1の内部にガス等が発生して内部圧力が上昇し続けた場合には、最初に第1の弁6が開放し、この内部圧力が圧力動作部7の収容される部分に作用して接点部分が離れるようになる。さらに内部圧力が上昇すると、最後に溶着状態のラミネートフィルム同士が離れはじめて第2の弁8が開放し始め、ついには第2の弁8が完全に開いてガスが外部に放出されるようになる。
【0038】
電池監視装置100は、本発明の電圧監視装置であり、各電池セル1の状態、例えば電圧の他、電池温度を監視し、複数の電池セル1の状態に関する情報を検出するために電池セル1側に設置された検出端子から延びる複数の検出線を介して、組電池11に接続されている。複数の検出線は、電圧検出線9を含む、電池セル1の電圧、温度等の情報を電池監視装置100に送信するための各種の通信線である。検出端子は、電池セル1の状態に関わる情報を検出する電圧計測素子、温度センサ、電流センサ、その他の各種センサである。電池監視装置100には、温度センサが検出する各電池セル1の温度情報、電流センサが検出する組電池11の電流情報、電圧検出部10が検出する電圧情報、内部抵抗情報、周囲温度情報等が入力される。
【0039】
充放電制御装置101は、コンピューターによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピューターによって提供されるECUであり、組電池11が適切に使用されるように電池セル1への充電、及び走行用の電動機や補機類への放電を実行する充放電装置を制御する。充放電制御装置101は、電池監視装置100に入力される温度、電圧、電流等の各電池セル1の状態に応じて上記の各装置を制御して組電池11の充放電を実行する。
【0040】
次に、電池セル1の充電時、及び放電時における内部圧力監視制御の例を図6にしたがって説明する。図6は、第1実施形態の電池セル1について、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【0041】
図6に示すように、内部圧力監視制御を開始すると、ステップ10において、電池監視装置100は、電圧検出線9を介して電圧検出部10により検出された検出信号から各電池セル1の電圧値を読み込む。ステップ20で電池監視装置100は、読み込んだ電圧検出値が0Vか否かを判定する。当該電圧検出値が0Vでない場合は、ステップ10に戻り、引継ぎ各電池セル1の電圧値を読み込む。ステップ10及び20は、充電中または放電中には継続的に実行されて、電池状態の監視が継続的に行われる。
【0042】
ステップ20で、0Vの電圧値を検出したと判定すると、圧力動作部7が接点部解除状態になっていると判定し、電池監視装置100は当該状態に該当する電池セル1が存在する情報を充放電制御装置101に指令する。充放電制御装置101は、ステップ30で充電運転または放電運転を停止する処理を実行する。さらに充放電制御装置101は、ステップ40で、報知手段の一例である表示装置102に当該情報を表示する処理を実行し、図6のフローチャートを終了する。この警告表示により、これを認識したドライバー等のユーザーは、電池セル1に何らかの問題が生じている可能性が高いことを認識し、組電池11の修理、保守点検等の適切な措置を迅速に講じることができる。
【0043】
ステップ30においては、充放電制御装置101は、充電運転または放電運転を停止する処理を実行するが、これに代えて充電運転または放電運転の出力を低減する処理を実行するようにしてもよい。また、ステップ40においては、表示装置102の画面に警告表示を表示しているが、このような実施形態に限定されず、以下のような処理を実行してもよい。すなわち、ステップ40では、例えば、音声案内による明確な警告報知、警報音の発生、警告用のランプの点灯または点滅等を実行し、このような報知手段を構成してもよい。
【0044】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。電池の内圧状態検出装置は、充電及び放電機能を有する電池セル1と、電池セル1の端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線9と、電池セル1の内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セル1の内部圧力に応じて開放する第1の弁6(特許請求の範囲の弁機構)と、導電する接点部を有し、第1の弁6よりもガスの流下する下流側に設けられ、第1の弁6が開放すると同時に、または第1の弁6が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部7と、電圧検出線9を通じて検出される電気信号により電池セル1の端子間電圧を検出する電池監視装置100と、を備える。圧力動作部7は電圧検出線9の一部として形成されている。電池監視装置100は、圧力動作部7が接点部解除状態になると、電圧検出線9を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。
【0045】
これによれば、電池セル1の内部圧力が低い通常圧力状態であると、第1の弁6は閉じたままで圧力動作部7には当該内部圧力は作用せず、圧力動作部7は接点部を形成する。一方、電池セルの内部圧力がガスの発生により上昇していき、所定の内部圧力以上になると電池セル1の内部空間と連通する第1の弁6が開放して、さらにガスが圧力動作部7に作用するようになる。圧力動作部7は、第1の弁6の開放と同時に、または第1の弁6の開放後でさらに内部圧力が上昇したときに接点部解除状態になる。
【0046】
さらに、圧力動作部7は電圧検出線9の一部として形成されている。この構成により、通常圧力状態では、導電する接点部を形成するため、電池監視装置100によって電池セル1の端子間電圧を検出することができる。一方、圧力動作部7が接点部解除状態になった場合には、電圧検出線9は断線するので導電しない。このため、電池監視装置100は、通常圧力状態の時とは大きく異なる電気信号(例えば、0V電圧に相当する電気信号)を検出するようになり、接点部解除状態であることを明確に検出することができる。したがって、電池セル1の内部圧力状態を検出するために、圧力動作部7の機能を併せ持った電圧検出線9を備える装置を提供でき、装置における構造の簡単化を図ることができる。
【0047】
また、第2の弁8は、圧力動作部7よりもガスの流下する下流側に設けられ、圧力動作部7が接点部解除状態になった後であって、さらに電池セル1の内部圧力が上昇したときに、電池セル1の内部圧力に応じて開放するように設定されている。
【0048】
この構成によれば、ガス等の発生により電池セル1の内部圧力が上昇して、第1の弁機構である第1の弁6が開放し、次に圧力動作部7に第1の所定圧力以上の圧力が作用すると接点部が離れ、電池監視装置100は、電圧検出線9を通じて入力される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。さらに、ガスの発生が促進して、電池セル1の内部圧力が上昇して第2の弁8に第2の所定圧力以上が作用すると、第2の弁8が開放してセル内部の密閉状態が破れ、ガスが電池セル1外部に噴き出されるようになる。このように、当該内部圧力が非常に高圧になる前に、内部圧力上昇状態を検出するとともに、外部にガスを放出させることにより、外装ケース5が激しく破裂したり、外装ケース5が予期しない箇所から破損して電池セル1の内蔵物が周囲へ無作為に飛び散ったりする事態を回避することができる。
【0049】
また、外装ケース5はラミネートフィルムによって形成され、ラミネートフィルム同士を熱溶着して接着することにより電池セル1の内部空間を形成している。第1の弁6は、熱溶着を施さないでラミネートフィルム同士を合わせることで形成され、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位となる。第2の弁8は、ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部51の一部に形成された低耐圧部位である。
【0050】
これによれば、第1の弁6は熱溶着されていないラミネートフィルムの重ね部であるので、外装ケース5の他の部位である熱溶着部51に比べて耐圧力の小さい部分である。このように非常に簡易な構造によって低耐圧部を構成することができる。したがって、第1の弁6について製造上有用な構造を提供できる。また、第2の弁8をラミネートフィルムの貼り合わせによる熱溶着部51における低耐圧部位に設定することにより、第2の弁8を構成する熱溶着部51の一部に関わるラミネートフィルムの厚み寸法、材質、種類等を選択することによって、第2の弁8が開放するときの開弁圧力(第2の所定圧力)を容易設定することができる。また、外装ケース5における第2の弁8の場所を容易に設定することも可能である。
【0051】
また、第2の弁8が形成されている低耐圧部位は、他の部位と比べて貼り合わせの面積が小さく設定された熱溶着部51の一部とすることができる。これによれば、安全弁をラミネートフィルムの貼り合わせ面積の大小に応じて設定することにより、例えば、溶着幅の寸法等を調整することによって他の部分よりも内部圧力に対して弱い部分を形成することが可能である。したがって、第2の弁8について製造上有用な構造を提供できる。
【0052】
また、第2の弁8は、ラミネートフィルムの厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位に設定してもよい。この薄肉部位によって構成される第2の弁8は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、当該薄肉部位は、過充電時、短絡の異常事態等によるガスの発生により、電池セル1の内部圧力が異常な圧力になったときに、熱溶着部51の他の部位が破損するよりも先に接着状態が破壊されて、当該破損部分からガスを外部に逃がすことができる。また、ラミネートフィルムの厚み寸法を調整することによって、第2の弁8が開放する内部圧力条件の設定を容易とすることができる。したがって、第2の弁8について製造上有用な構造を提供できる。
【0053】
(第2実施形態)
第2実施形態について、図7及び図8にしたがって説明する。図7は、第2実施形態の電池セル1に関する、電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。図8は、第2実施形態の電池セル1に関する、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。本実施形態で特に説明しない構成、作用、制御、同じステップ符号を付した処理等は、第1実施形態と同様であるとし、その作用効果も同様である。
【0054】
第2実施形態は、第1実施形態に対して、圧力動作部7Aの構成が異なる。図7に示すように、圧力動作部7Aは、予め設定された抵抗値を有する電気抵抗体12を備えている。この電気抵抗体12は、電圧検出線9に対して直列に接続され、圧力動作部7に対して並列に接続されている。電気抵抗体12は、接点片72と接点部形成板73の接触状態が解除されても、支持板71に接続される側の電圧検出線9と接点部形成板73に接続される側の電圧検出線9とを接続するように設けられている。つまり、接点片72と接点部形成板73の接触状態が解除された場合でも、両方の電圧検出線9は電気抵抗体12によって直列に連結されており、電気抵抗体12を介して電池セル1の電圧値を検出することができるようになっている。
【0055】
したがって、接点片72と接点部形成板73が接触状態であるときは、電池セル1の内部圧力は通常圧力状態であって、検出される電池セル1の端子間電圧は、電気抵抗体12側に電流が流れにくいため、電池セル1の実際の電圧値に近い値として検出される。一方、接点部解除状態であるときは、電池セル1の内部圧力は異常な状態であり、電気抵抗体12は電池セル1に対して直列に接続されることになる。このため、検出される電池セル1の端子間電圧は、電気抵抗体12にかかる電圧分低い値になる。この電圧値に当該抵抗値分の電圧(抵抗値と電流値の積)を加えた値が、電池セル1の実際の電圧値として検出することができる。このように、電気抵抗体12の所定の抵抗値を比較的大きな値に設定することにより、接点部接触状態では電気抵抗体12に側に電流が流れにくくなり、接点部解除状態では電圧検出部10の検出値を微小電圧にすることができる。電圧検出部10によって当該微小電圧が検出された場合には、電池セル1が何らかの異常状態にあることを知ることができる。
【0056】
本実施形態における「内部圧力監視制御に係るフローチャート」は、図8に示すように、第1実施形態の図6に記載のフローに対して、ステップ20A1、20A2、30Aが異なる。
【0057】
以下、第1実施形態の制御と異なる点について説明する。図8に示すように、ステップ20A1では電気抵抗体12に掛かる電圧分を差し引かれた微小電圧値を検出したか否かを判定する。ステップ20A1で、微小電圧値を検出したと判定すると、圧力動作部7が接点部解除状態になっていると判定し、ステップ20A2で、実際の電圧値を算出する処理を実行する。実際の電圧値は、上述したように、検出した電圧値に電気抵抗体12の抵抗値分の電圧(抵抗値と電流値の積)を加えて算出する。第1実施形態では電池セル1の内部圧力が異常な状態では、電池セル1の実際の電圧を求めることができず、電池セル1が充電機能または放電機能を果たしうる状態にあるかどうか判断できなかった。そこで、本実施形態では、ステップ20A2の処理によって、電池セル1の実際の電圧を求めることができる。したがって、電池セル1が充電機能または放電機能を果たしうる状態にあるか否かを判断することも可能である。
【0058】
次に電池監視装置100は内部圧力異常状態に該当する電池セル1が存在する情報を充放電制御装置101に指令する。充放電制御装置101は、ステップ30Aで充電運転または放電運転の出力を低減する処理を実行する。さらに充放電制御装置101は、第1実施形態と同様にステップ40で、表示装置102に当該情報を表示する処理を実行し、図8のフローチャートを終了する。
【0059】
なお、ステップ30Aは、ステップ20A2で算出した電池セル1の実際の電圧値に基づいて、電池セル1が充電機能または放電機能を完全に果たせない状態まで劣化しているときには、充電または放電を停止する処理を実行するようにしてもよい。
【0060】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。電池の内圧状態検出装置は、圧力動作部7Aが接点部解除状態になった場合でも、電池監視装置100が電圧検出線9を通じて電気信号を検出可能なように電圧検出線9に接続された電気抵抗体12を備える。
【0061】
この構成によれば、圧力動作部7Aが接点部解除状態になった場合に、電池監視装置100は電圧検出線9を通じて電池セル1の端子間電圧を検出することができる。この場合に検出された端子間電圧は、電気抵抗体12には固有の抵抗値に応じた電圧がかかるため、実際の端子間電圧よりも、電気抵抗体12にかかる電圧分低い値に検出される。したがって、電気抵抗体12の抵抗値を用いた計算によって、接点部解除状態であっても、実際の電池セルの端子間電圧を検出することができる。このように、現在の電池セル1の状態(例えば、現在の電池セル1の充電能力や放電能力、電池セル1の劣化度合い等)を正確に検出することができる。
【0062】
(第3実施形態)
第3実施形態について、図9〜図11にしたがって説明する。図9は、第3実施形態に係る電池セル1Aについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。図10は、図9のX方向からみた部分断面図であり、第3実施形態における圧力動作部7B及び周辺部の構成を示している。なお、図9の×で示した部分が、図10の要部である。図11は、他の形態の圧力動作部7C及び周辺部の構成を示す断面図である。本実施形態で特に説明しない構成、作用、制御等は、第1実施形態または第2実施形態と同様であるとし、その作用効果も同様である。
【0063】
第3実施形態は、電池セル1Aの外装ケース5Aの側面に形成した第1の弁15及び第2の弁16と、第1の弁15と第2の弁16の間に挟まれた圧力動作部7Bと、を備える形態である。外装ケース5Aは、図10に示すように、電圧検出線9Aが内在する部位の断面構造が、電極積層体2側に位置する内側壁5A1と、内側壁5A1によりも外側に位置する外側壁5A2からなる構造となっている。内側壁5A1と外側壁5A2の間には、部分的に電圧検出線9Aが介在している。したがって、電池セル1Aにおいて、内側から外側に向かって内側壁5A1、電圧検出線9A、外側壁5A2の順に配列されている。なお、外装ケース5Aは、図10のごとく、電圧検出線9Aが存在する部位における断面構造が内側壁5A1と外側壁5A2とに分かれているが、電圧検出線9Aが内在していない部位においては、一つの壁を構成している。
【0064】
第1の弁15は、外装ケース5Aの内側壁5A1における厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位である。この薄肉部位によって構成される第1の弁15は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、第1の弁15は、過充電時、短絡の異常事態等によるガスの発生により、電池セル1の内部圧力が異常値になったときに、外装ケース5Aの他の部位が破断するよりも先に破断して、破断した部分からガスの圧力が電圧検出線9Aに作用することになる。この薄肉部位の厚み寸法を調整することによって、第1の弁15が開放する内部圧力条件を容易に設定することができる。
【0065】
電圧検出線9Aは、厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位に形成された圧力動作部7Bを備えている。この薄肉部位、例えば他の部位よりも小さい直径寸法で形成された圧力動作部7Bは、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、圧力動作部7Bは、電池セル1の内部圧力が異常値になったときに、第1の弁15が開放し、当該開放された部分からガスの圧力が電圧検出線9Aに作用した場合に破断することにより、接点部解除状態に至ることになる。
【0066】
第2の弁16は、外装ケース5Aの外側壁5A2における厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位である。この薄肉部位によって構成される第2の弁16は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、第2の弁16は、電池セル1の内部圧力が異常値になり、第1の弁15及び圧力動作部7Bが破断した後、さらに内部圧力が上昇すると、最後に第2の弁16が完全に開いてガスが外部に放出されるようになる。このように、電池セル1Aの内部圧力の上昇に伴い、内側から順に、第1の弁15、圧力動作部7B、第2の弁16が破断するように、各部の外圧に対する強度を設定している。
【0067】
また、図11に示すように、圧力動作部7Cは、通常圧力状態において、正極端子3に接続される側の電圧検出線9Aの端部と、負極端子4に接続される側の電圧検出線9Aの端部とを接触させて形成するようにしてもよい。
【0068】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。第1の弁15は、電池セル1の外装ケース5に形成された、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部である。圧力動作部7B,7Cは、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線9Aの他の部位よりも耐圧が小さい低耐圧検出線部である。低耐圧壁部や低耐圧検出線部は、電池セル1の内部圧力が作用した場合に、他の部位よりも先に破断され易く、他の部位に比べて、低い圧力で破断が起こり始める部分である。
【0069】
この構成によれば、ガスの発生により電池セル1の内部圧力が上昇して第1の弁15が破断した場合に、即座に圧力動作部7B,7Cに対して当該内部圧力が作用し得る構造を提供することができる。このため、第1の弁15の開放とともに圧力動作部7B,7Cに即座に内部圧力が作用するので、第1の弁15の開放に伴って圧力動作部7B,7Cが動作しやすく、内部圧力の上昇状態に対して迅速な検出を実現できるのである。
【0070】
また、第1の弁15は、外装ケース5Aにおける耐圧強度の弱い部位であり、破裂させ易い加工等を施した部位とすることができる。さらに、圧力動作部は、当該部位に表面に電圧検出線9Aを張り付けることによっても実施できる。この場合には、電圧検出線9Aは、第1の弁15が破断したとともに、圧力動作部を断線するようにすることができる。
【0071】
また、上記の低耐圧壁部は、内側壁5A1の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位である。上記の低耐圧検出線部は、電圧検出線9Aの他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位である。この構成によれば、第1の弁15と圧力動作部7Bの両方を薄肉部位によって形成するため、複雑な機構が不要で、しかも少ない部品点数によって電池の内圧状態装置の要部を製作することができる。したがって、生産性に優れ、製造コストにおいて有用な構造を提供することができる。
【0072】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0073】
第3実施形態では、第1の弁15は、電池セル1の外装ケース5Aに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、圧力動作部7Bは、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線9Aの他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部である。そして、この低耐圧検出線部は、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されているものであってもよい。例えば、低耐圧検出線部は、電圧検出線とは異なる材料を適切に選定することにより、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定することができる。すなわち、当該材料は、外力に対して電圧検出線よりも強度的にもろい材料であり、焼結合金を用いることができる。したがって、このような材料で形成された低耐圧検出線部は、図10に示す圧力動作部7Bのように他の部位に対して線径の細い電圧検出線の一部でなくてもよく、他の部分と同等以上の線径で形成することができる。
【0074】
この構成によれば、圧力動作部は外装ケースの低耐圧壁部の破断と同時に破断する強度に設定されている低耐圧検出線部である。このため、ガスの発生により電池セル1の内部圧力が上昇していくと、第1の弁15と当該低耐圧検出線部が同時に破断する状況が起こるので、第1の弁15の破断発生に伴う接点部解除状態の即時検出を実現できる。
【0075】
第3実施形態では、第1の弁15、圧力動作部7B、または第2の弁16は、厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位であるが、この形態の他、当該部位に切込みを形成して、他の部位と比べて外部からの圧力に対して強度が弱い部位としてもよい。
【0076】
第3実施形態においては、内部圧力の上昇に伴い、第1の弁15、圧力動作部7B、第2の弁16の順に破断する形態であるが、第1の弁15、圧力動作部7B及び第2の弁16がほぼ同時に破断するように、各部の強度を設定してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…電池セル
5…外装ケース
6…第1の弁(弁機構、第1の弁機構)
7,7A…圧力動作部
7B…圧力動作部(低耐圧検出線部)
8…第2の弁(第2の弁機構)
15…第1の弁(弁機構、第1の弁機構、低耐圧壁部)
51…熱溶着部
100…電池監視装置(電圧監視装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常な内部圧力状態となった場合に、当該状態を検出可能とする電池の内圧状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の従来技術は、蓄電池の外装ケースに設けられた圧力感応部が蓄電池の内部応力に連動して変位し、この変位に伴いセンサ線を介して送られる信号を用いて、蓄電池の内部圧力が上昇した状態を検出するものである。
【0003】
特許文献1の従来技術について、以下に具体的な構成を説明する。蓄電池の外装ケースの上端面には、肉厚を薄く形成した圧力感応部が設けられている。圧力感応部は、蓄電池の内部圧力の変化に応じて容易に変形し、上下に変位することができる。圧力感応部の中央部には、検出電極が一体に設けられており、その一端は蓄電池内部のセパレータに常時接触し、他端は蓄電池外部に突出している。したがって、検出電極は、圧力感応部の変位に連動して上下に変位するようになっている。
【0004】
蓄電池外部に設けられている金属接片は、充電制御回路に接続されている。検出電極が上方に変位した場合、検出電極の上端部と金属接片とが接触し、電気接点が形成される。金属接片の一部は、出力端子に接続されている。出力端子には、充電制御回路に送られる信号の経路となるセンサ線が接続されている。
【0005】
蓄電池は、正常充電状態には蓄電池内部が減圧状態となっているため、出力端子は無電圧であり、センサ線を通して無電圧を示す信号が充電制御回路に送信される。充電が進行し、充電終期や異常時のガス発生等により蓄電池の内部圧力が上昇して圧力感応部が上方に変位すると、これとともに検出電極も上方に変位し金属接片と導通状態となる。このように電気接点が閉じた場合、出力端子には電源電圧があらわれ、この電源電圧の信号はセンサ線を通して充電制御回路に送信され、充電が遮断されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−5122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の蓄電池は、内部圧力上昇状態を検出するために、専用のセンサ線を必要とするものであり、内部圧力上昇状態を検出するための構造が複雑になるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス発生による内部圧力上昇状態を検出するために、構造の簡単化を図ることができる電池の内圧状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に係る電池の内圧状態検出装置の発明は、供給された電力を充電するとともに、蓄電した電力を放電する機能を有する電池セルと、電池セルの端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線と、電池セルの内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セルの内部圧力に応じて開放する弁機構と、導電する接点部を有し、弁機構よりもガスの流下する下流側に設けられ、弁機構が開放すると同時に、または弁機構が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部と、電圧検出線を通じて検出される電気信号により電池セルの端子間電圧を検出する電圧監視装置と、を備え、
圧力動作部は電圧検出線の一部として形成されており、
電圧監視装置は、圧力動作部が接点部解除状態になると、電圧検出線を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、電池セルの内部圧力が低い通常圧力状態であると、弁機構は閉じたままで、圧力動作部は接点部を形成するが、電池セルの内部圧力がガスの発生により上昇していくと、内部空間を連通する弁機構がある内部圧力のときに開放して、さらにガスが圧力動作部に作用する。圧力動作部は、弁機構の開放と同時に、または弁機構の開放後でさらに内部圧力が上昇したときに接点部解除状態になる。
【0011】
さらに、圧力動作部は電圧検出線の一部として形成されていることにより、通常圧力状態では、導電する接点部を形成するため、電圧監視装置によって電池セルの端子間電圧を検出することができる。一方、圧力動作部が接点部解除状態になった場合には、電圧検出線は導電しないため、電圧監視装置は、通常圧力状態の時とは大きく異なる電気信号を検出するようになり、接点部解除状態であることを明確に検出することができる。このように本発明によれば、上記の圧力動作部の機能を併せ持った電圧検出線を備える装置を提供できる。したがって、電池セルの通常圧力状態におけるセル電圧の検出機能と、電池セルの内部圧力上昇状態を検出する機能とを、構造の簡単化が図れる装置によって実現することができる。
【0012】
請求項2の発明によると、弁機構は、電池セルの外装ケースに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、圧力動作部は、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線の他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、低耐圧壁部である弁機構は、低耐圧検出線部である圧力動作部は、電池セルの内部圧力が作用した場合に、他の部位よりも先に破断し、他の部位に比べて低い圧力で破断が起こり始める部分である。さらに、圧力動作部は弁機構に隣接するため、ガスの発生により電池セルの内部圧力が上昇して第1の弁が破断した場合に、即座に圧力動作部に対して当該内部圧力が作用し得る構造が得られる。このため、第1の弁の開放とともに圧力動作部に即座に内部圧力が作用するので、第1の弁の開放に伴って圧力動作部が動作しやすく、内部圧力の上昇状態に対して迅速な検出を実現できる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、低耐圧壁部は、壁部の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であり、低耐圧検出線部は、電圧検出線の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であることを特徴とする。この発明によれば、第1の弁と圧力動作部の両方を薄肉部位によって形成するため、電池セルの内部圧力を検出するための要部を、複雑な機構を採用しないで、かつ少ない部品点数によって製作することができる。したがって、生産性及び製造コスト面において有用な構造を備える電池の内圧状態検出装置を提供できる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2に記載の発明において、低耐圧検出線部は、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されていることを特徴とする。この発明によれば、圧力動作部は電圧検出線の一部としての低耐圧検出線部であって、外装ケースの低耐圧壁部の破断と同時に破断する強度に設定されている部分である。このため、ガスの発生により電池セルの内部圧力が上昇すると、第1の弁と低耐圧検出線部が同時に破断し、即座に接点部解除状態を検出することができる。低耐圧検出線部は、例えば、電圧検出線と異なる当該部分の材料を適切に選定することにより、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定することができる。
【0016】
請求項5の発明によると、弁機構は第1の弁機構であり、さらに第2の弁機構を備える。第2の弁機構は、圧力動作部よりもガスの流下する下流側に設けられ、圧力動作部が接点部解除状態になった後であって、さらに電池セルの内部圧力が上昇したときに、電池セルの内部圧力に応じて開放することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ガス等の発生により電池セルの内部圧力が上昇するに伴い、第1の弁機構が開放し、次に圧力動作部の接点部が離れる。電池監視装置は、電圧検出線を通じて入力される電気信号によって接点部解除状態であることを検出することができる。さらに、ガスの発生が促進して、電池セルの内部圧力がさらに上昇すると、第2の弁機構が開放して電池セル内部の密閉状態が破れ、ガスが電池セル外部に噴き出されるようになる。このように、当該内部圧力が非常に高圧になる前に、内部圧力上昇状態を検出するとともに、外部にガスを放出させることにより、外装ケースの急激な破裂や、外装ケースの予期しない箇所からの破損により、電池の内蔵物が無作為に飛び散る事態を回避できるのである。
【0018】
請求項6の発明によると、ラミネートフィルムで形成される電池セルの外装ケースであって、当該ラミネートフィルム同士を熱溶着して貼り合わせることにより電池セルの内部空間を形成する外装ケースを備え、
第1の弁機構は、熱溶着を施さないでラミネートフィルム同士を合わせただけの他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位によって構成され、
第2の弁機構は、ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部の一部に形成された部位であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第1の弁機構はラミネートフィルム同士を合わせただけの重ね部であるので、他の部位である熱溶着部に比べて、非常に簡易な構造によって低耐圧部を構成することができる。したがって、第1の弁機構について製造上有用な構造を提供できる。さらに、ラミネートフィルムの熱溶着部によって第2の弁機構を低耐圧部位に設定することにより、第2の弁機構を構成する熱溶着部に関わるラミネートフィルムの厚み寸法、溶着面積等を選択することによって第2の弁機構の開弁圧力の設定を容易に行うことができる。
【0020】
請求項7の発明によると、圧力動作部が接点部解除状態になった場合でも、電圧監視装置が電圧検出線を通じて電気信号を検出可能なように電圧検出線に接続された電気抵抗体を備えることを特徴とする。この発明によれば、圧力動作部が接点部解除状態になった場合に、電圧検出線を通じて電池セルの端子間電圧を間接的に検出することができる。この場合に、端子間電圧は、電気抵抗体には固有の抵抗値に応じた電圧がかかるため、実際の端子間電圧よりも、電気抵抗体にかかる電圧分低く検出されることになる。したがって、電気抵抗体の抵抗値を用いれば、接点部解除状態であっても、実際の電池セルの端子間電圧を検出することができる。このため、現在の電池セルの状態を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る電池セルについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。
【図2】図1におけるII−II断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部及び周辺部の構成を示す断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部及び周辺部を示す断面図である。
【図4】通常圧力状態とは異なり、電池セルの内部圧力が上昇して圧力動作部が解除された状態を示す断面図である。
【図5】電池セルの電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の電池セルについて、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態の電池セルについて、電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の電池セルについて、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【図9】本発明を適用した第3実施形態に係る電池セルについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。
【図10】第3実施形態における圧力動作部及び周辺部の構成を示す断面図である。
【図11】図10に示す圧力動作部及び周辺部についての他の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
【0023】
(第1実施形態)
本発明に係る電池の内圧状態検出装置を適用した第1実施形態の電池セル1について説明する。複数個の電池セル1は、電気的に接続されて一体の組電池11を構成し、組電池11は、例えば、電動機のみによって走行する電気自動車(EV)、電動機と内燃機関とを併用して走行駆動力とするプラグインハイブリッド自動車(PHV)等に搭載される車両用蓄電池、あるいは住宅における蓄電池用の定置用蓄電池として用いることができる。
【0024】
以下、第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電池セル1について、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。図2は、図1におけるII−II断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部7及び周辺部の構成を示す断面図である。図3は、図1におけるIII−III断面の矢視図であり、通常圧力状態における圧力動作部7及び周辺部を示す断面図である。図4は、通常圧力状態とは異なり、電池セル1の内部圧力が上昇して圧力動作部が解除された状態を示す断面図である。図5は、電池セルの電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。
【0025】
電池セル1は、走行により生成した電力や外部の給電装置等から供給される電力を充電することができ、さらに蓄電力を外部に放電して負荷機器を動作させることができる蓄電池である。図1に示すように、電池セル1は、電極積層体2と、電極積層体2を内部に収容する外装ケース5と、正極端子3と、負極端子4と、正極端子3と負極端子4の間の電圧を検出するために電気伝導性の高い導体材料でできている電圧検出線9と、電池セル1の内部圧力に応じて動作する圧力動作部7と、を備えている。電極積層体2は、正極活物質を有する正極層と、負極活物質を有する負極層と、正極層と負極層の間に介在する媒体である電解質層と、正極層と負極層とを電気的に短絡しないように別々に仕切って配されるセパレータと、を積層することにより構成されている。電池セル1は、例えば、外形が四角形状をなして板状(扁平状)に形成された充放電可能な二次電池であり、本実施形態では、リチウムイオン電池とする。なお、電池セル1は、ニッケル水素電池等の他の二次電池で構成してもよい。
【0026】
正極端子3は、電極積層体2の正極層に接続された端子であって外装ケース5から突出するように設けられている。負極端子4は、電極積層体2の負極層に接続された端子であって外装ケース5から突出するように設けられている。正極端子3と負極端子4には、電圧検出線9の一方の端部と他方の端部とがそれぞれ接続されている。電圧検出線9は、正極端子3と負極端子4の間で電圧検出部10に接続されている。電圧検出部10は、正極端子3と負極端子4の間の電圧を電気信号として検出するための信号線であり、当該電気信号は電池監視装置100に入力される。
【0027】
電圧検出線9は、その一部が外装ケース5の内部に含まれる。例えば、電圧検出線9は、正極端子3との接続部分から電圧検出部10との接続部分に至る間で、外装ケース5と一体となっている。電圧検出線9は、各電池セル1の正極端子3及び負極端子4に電気的に接続されているため、組電池11としては多数接続されており、端子または端子と結合する導電体の一部にかしめ、溶接、圧着、ばね力を利用した保持による結合等により固定される。
【0028】
外装ケース5は、外観が平板状体であり、例えば、二つ折りにされたラミネートフィルムの端部同士を熱溶着することによって当該端部同士を封止して熱溶着部51を形成し、電池セル1内部に密閉された内部空間を形成している。熱溶着部51は、図1に示すように、外装ケース5の外周全体に所定幅の寸法で形成されている。熱溶着部51は、電極積層体2を収容する内部空間である密閉空間を形成するとともに、正極端子3、負極端子4、及び電圧検出線9の一部を安定的に保持する。
【0029】
ラミネートフィルムは、例えば、アルミニウム層とポリプロピレン層とを交互に積層したシートである。厚み方向の両端の表面層はポリプロピレン層であり、ポリプロピレン層が熱溶着されてラミネートフィルム同士が貼り合わされることになる。なお、ポリプロピレン層は、ポリエチレン層、ポリエチレンテレフタラート層等であってもよい。
【0030】
電池セル1の内部空間には、電極積層体2、電極積層体2と正極端子3及び負極端子の接続部分が収容されている。さらに外装ケース5には、電池セル1の内部圧力が所定圧以上に上昇すると大きく膨らんで通路を開放する安全弁が設けられている。また、熱溶着は、熱溶着されるラミネートフィルムの端部同士を合わせて加圧した状態で、繰り返しの充放電によって電池特性が低下しない所望の気密性能が得られるように、適正な所定温度かつ所定時間、加熱処理すること、超音波処理すること等により実施する。
【0031】
図1及び図2に示すように、安全弁は、電極積層体2等が収容される内部空間に近接する第1の弁6と、熱溶着部51の一部であって第1の弁6よりも外側に位置する外装ケース5の端部に形成される第2の弁8と、から構成される。第1の弁6は、第1の弁機構であり、ラミネートフィルム同士が熱溶着されないで互いに当接して接触しているだけの部分であり、電池セル1の内部空間とつながっている。したがって、過充電時等に当該内部空間に発生するガスにより内部圧力が上昇するにつれて、ガスが当該内部空間から第1の弁6側に流入し、所定の内部圧力以上になると、接触状態のラミネートフィルム間にガスが入り込んで当該ラミネートフィルム同士を押し広げ、第1の弁6が開放するようになる。
【0032】
一方、第2の弁8は、第1の弁6よりも電池セル1の内部空間から離れた位置に設けられている第2の弁機構である。第2の弁8は、電池セル1の内部にガス等が発生した場合に、第1の弁6よりも当該ガスの流下しうる下流側に位置する。第1の弁6と第2の弁8の間には、圧力動作部7が設けられている。したがって、第1の弁6、圧力動作部7、及び第2の弁8と並ぶ部分は、熱溶着部51が形成される外周全体のうちの一部分である。さらに、第2の弁8は、熱溶着部51における外周縁の一部に相当し、第1の弁6と第2の弁8が並ぶ方向の熱溶着の幅寸法が熱溶着部51の他の部分よりも短く設定されている。
【0033】
圧力動作部7は、電圧検出線9の一部分であって外装ケース5に一体に設けられている。圧力動作部7は、電圧検出線9に接続された支持板71と、支持板71と一体であり突出するように設けられた接点片72と、支持板71と対向するように設けられるとともに接点片72に当接している接点部形成板73と、を備えて構成されている。支持板71、接点片72、及び接点部形成板73は、電気伝導性の高い導体材料から形成されている。
【0034】
接点片72と接点部形成板73は、電池セル1の内部圧力が第1の弁6が開放する第1の所定圧力よりも低いときには、接触して接点部を形成するように設定されている(図2及び図3参照)。接点部が形成されている状態では、正極端子3に接続する側の電圧検出線9と負極端子4に接続する側の電圧検出線9とは通電するため、電圧検出部10によって電池セル1の正確な電圧を検出することができる。
【0035】
支持板71は、第1の弁6よりも外側に位置する部位のラミネートフィルムの内表面に接着されており、当該部位のラミネートフィルムとともに変位する。接点部形成板73は、支持板71が接着されているラミネートフィルムの部位に対向する部位のラミネートフィルムの内表面に接着されており、当該部位のラミネートフィルムとともに変位する。すなわち、支持板71と接点部形成板73は、それぞれラミネートフィルムに固定されている。したがって、電池セル1の内部圧力が第1の弁6が開放する第1の所定圧力以上になると、内部圧力の上昇に伴って、対向し合うラミネートフィルムの間隔が大きくなり、支持板71と接点部形成板73も互いに離れるように変位するので、接点片72と接点部形成板73とが接触しない接点部解除状態になる(図4参照)。
【0036】
すなわち、圧力動作部7は、第1の弁6が開放した後、電池セル1の内部圧力が、圧力動作部7を形成する部位のラミネートフィルム間に作用すると接点部が離れるように動作する。この動作に対応する情報は電池監視装置100に入力されて、ガス圧等による電池セル1の内部圧力異常状態等を検出することができるようになる。この非接触状態では、正極端子3に接続する側の電圧検出線9と負極端子4に接続する側の電圧検出線9とは、通電しないため、電圧検出部10は電池セル1の正確な電圧を検出することができない。電池監視装置100には、例えば0Vの検出電圧が入力される。
【0037】
第1の弁6は、予め定めた第1の所定圧力(第1の弁6の開弁圧力)以上の内部圧力が作用したときに開放して、ガスが下流側の圧力動作部7に流下するように設定されている。第2の弁8は、第1の所定圧力よりも高い値に設定された第2の所定圧力(第2の弁8の開弁圧力)以上の内部圧力が作用したときに開放して、ガスを外部に放出するように設定されている。圧力動作部7は、第1の所定圧力以上、第2の所定圧力未満の範囲に含まれる内部圧力(圧力動作部7の動作圧力)が作用したときに、接点部解除状態になるように設定されている。したがって、電池セル1の内部にガス等が発生して内部圧力が上昇し続けた場合には、最初に第1の弁6が開放し、この内部圧力が圧力動作部7の収容される部分に作用して接点部分が離れるようになる。さらに内部圧力が上昇すると、最後に溶着状態のラミネートフィルム同士が離れはじめて第2の弁8が開放し始め、ついには第2の弁8が完全に開いてガスが外部に放出されるようになる。
【0038】
電池監視装置100は、本発明の電圧監視装置であり、各電池セル1の状態、例えば電圧の他、電池温度を監視し、複数の電池セル1の状態に関する情報を検出するために電池セル1側に設置された検出端子から延びる複数の検出線を介して、組電池11に接続されている。複数の検出線は、電圧検出線9を含む、電池セル1の電圧、温度等の情報を電池監視装置100に送信するための各種の通信線である。検出端子は、電池セル1の状態に関わる情報を検出する電圧計測素子、温度センサ、電流センサ、その他の各種センサである。電池監視装置100には、温度センサが検出する各電池セル1の温度情報、電流センサが検出する組電池11の電流情報、電圧検出部10が検出する電圧情報、内部抵抗情報、周囲温度情報等が入力される。
【0039】
充放電制御装置101は、コンピューターによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピューターによって提供されるECUであり、組電池11が適切に使用されるように電池セル1への充電、及び走行用の電動機や補機類への放電を実行する充放電装置を制御する。充放電制御装置101は、電池監視装置100に入力される温度、電圧、電流等の各電池セル1の状態に応じて上記の各装置を制御して組電池11の充放電を実行する。
【0040】
次に、電池セル1の充電時、及び放電時における内部圧力監視制御の例を図6にしたがって説明する。図6は、第1実施形態の電池セル1について、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。
【0041】
図6に示すように、内部圧力監視制御を開始すると、ステップ10において、電池監視装置100は、電圧検出線9を介して電圧検出部10により検出された検出信号から各電池セル1の電圧値を読み込む。ステップ20で電池監視装置100は、読み込んだ電圧検出値が0Vか否かを判定する。当該電圧検出値が0Vでない場合は、ステップ10に戻り、引継ぎ各電池セル1の電圧値を読み込む。ステップ10及び20は、充電中または放電中には継続的に実行されて、電池状態の監視が継続的に行われる。
【0042】
ステップ20で、0Vの電圧値を検出したと判定すると、圧力動作部7が接点部解除状態になっていると判定し、電池監視装置100は当該状態に該当する電池セル1が存在する情報を充放電制御装置101に指令する。充放電制御装置101は、ステップ30で充電運転または放電運転を停止する処理を実行する。さらに充放電制御装置101は、ステップ40で、報知手段の一例である表示装置102に当該情報を表示する処理を実行し、図6のフローチャートを終了する。この警告表示により、これを認識したドライバー等のユーザーは、電池セル1に何らかの問題が生じている可能性が高いことを認識し、組電池11の修理、保守点検等の適切な措置を迅速に講じることができる。
【0043】
ステップ30においては、充放電制御装置101は、充電運転または放電運転を停止する処理を実行するが、これに代えて充電運転または放電運転の出力を低減する処理を実行するようにしてもよい。また、ステップ40においては、表示装置102の画面に警告表示を表示しているが、このような実施形態に限定されず、以下のような処理を実行してもよい。すなわち、ステップ40では、例えば、音声案内による明確な警告報知、警報音の発生、警告用のランプの点灯または点滅等を実行し、このような報知手段を構成してもよい。
【0044】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。電池の内圧状態検出装置は、充電及び放電機能を有する電池セル1と、電池セル1の端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線9と、電池セル1の内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する電池セル1の内部圧力に応じて開放する第1の弁6(特許請求の範囲の弁機構)と、導電する接点部を有し、第1の弁6よりもガスの流下する下流側に設けられ、第1の弁6が開放すると同時に、または第1の弁6が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部7と、電圧検出線9を通じて検出される電気信号により電池セル1の端子間電圧を検出する電池監視装置100と、を備える。圧力動作部7は電圧検出線9の一部として形成されている。電池監視装置100は、圧力動作部7が接点部解除状態になると、電圧検出線9を通じて検出される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。
【0045】
これによれば、電池セル1の内部圧力が低い通常圧力状態であると、第1の弁6は閉じたままで圧力動作部7には当該内部圧力は作用せず、圧力動作部7は接点部を形成する。一方、電池セルの内部圧力がガスの発生により上昇していき、所定の内部圧力以上になると電池セル1の内部空間と連通する第1の弁6が開放して、さらにガスが圧力動作部7に作用するようになる。圧力動作部7は、第1の弁6の開放と同時に、または第1の弁6の開放後でさらに内部圧力が上昇したときに接点部解除状態になる。
【0046】
さらに、圧力動作部7は電圧検出線9の一部として形成されている。この構成により、通常圧力状態では、導電する接点部を形成するため、電池監視装置100によって電池セル1の端子間電圧を検出することができる。一方、圧力動作部7が接点部解除状態になった場合には、電圧検出線9は断線するので導電しない。このため、電池監視装置100は、通常圧力状態の時とは大きく異なる電気信号(例えば、0V電圧に相当する電気信号)を検出するようになり、接点部解除状態であることを明確に検出することができる。したがって、電池セル1の内部圧力状態を検出するために、圧力動作部7の機能を併せ持った電圧検出線9を備える装置を提供でき、装置における構造の簡単化を図ることができる。
【0047】
また、第2の弁8は、圧力動作部7よりもガスの流下する下流側に設けられ、圧力動作部7が接点部解除状態になった後であって、さらに電池セル1の内部圧力が上昇したときに、電池セル1の内部圧力に応じて開放するように設定されている。
【0048】
この構成によれば、ガス等の発生により電池セル1の内部圧力が上昇して、第1の弁機構である第1の弁6が開放し、次に圧力動作部7に第1の所定圧力以上の圧力が作用すると接点部が離れ、電池監視装置100は、電圧検出線9を通じて入力される電気信号によって接点部解除状態であることを検出する。さらに、ガスの発生が促進して、電池セル1の内部圧力が上昇して第2の弁8に第2の所定圧力以上が作用すると、第2の弁8が開放してセル内部の密閉状態が破れ、ガスが電池セル1外部に噴き出されるようになる。このように、当該内部圧力が非常に高圧になる前に、内部圧力上昇状態を検出するとともに、外部にガスを放出させることにより、外装ケース5が激しく破裂したり、外装ケース5が予期しない箇所から破損して電池セル1の内蔵物が周囲へ無作為に飛び散ったりする事態を回避することができる。
【0049】
また、外装ケース5はラミネートフィルムによって形成され、ラミネートフィルム同士を熱溶着して接着することにより電池セル1の内部空間を形成している。第1の弁6は、熱溶着を施さないでラミネートフィルム同士を合わせることで形成され、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位となる。第2の弁8は、ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部51の一部に形成された低耐圧部位である。
【0050】
これによれば、第1の弁6は熱溶着されていないラミネートフィルムの重ね部であるので、外装ケース5の他の部位である熱溶着部51に比べて耐圧力の小さい部分である。このように非常に簡易な構造によって低耐圧部を構成することができる。したがって、第1の弁6について製造上有用な構造を提供できる。また、第2の弁8をラミネートフィルムの貼り合わせによる熱溶着部51における低耐圧部位に設定することにより、第2の弁8を構成する熱溶着部51の一部に関わるラミネートフィルムの厚み寸法、材質、種類等を選択することによって、第2の弁8が開放するときの開弁圧力(第2の所定圧力)を容易設定することができる。また、外装ケース5における第2の弁8の場所を容易に設定することも可能である。
【0051】
また、第2の弁8が形成されている低耐圧部位は、他の部位と比べて貼り合わせの面積が小さく設定された熱溶着部51の一部とすることができる。これによれば、安全弁をラミネートフィルムの貼り合わせ面積の大小に応じて設定することにより、例えば、溶着幅の寸法等を調整することによって他の部分よりも内部圧力に対して弱い部分を形成することが可能である。したがって、第2の弁8について製造上有用な構造を提供できる。
【0052】
また、第2の弁8は、ラミネートフィルムの厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位に設定してもよい。この薄肉部位によって構成される第2の弁8は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、当該薄肉部位は、過充電時、短絡の異常事態等によるガスの発生により、電池セル1の内部圧力が異常な圧力になったときに、熱溶着部51の他の部位が破損するよりも先に接着状態が破壊されて、当該破損部分からガスを外部に逃がすことができる。また、ラミネートフィルムの厚み寸法を調整することによって、第2の弁8が開放する内部圧力条件の設定を容易とすることができる。したがって、第2の弁8について製造上有用な構造を提供できる。
【0053】
(第2実施形態)
第2実施形態について、図7及び図8にしたがって説明する。図7は、第2実施形態の電池セル1に関する、電圧検出に係る制御構成を示すブロック図である。図8は、第2実施形態の電池セル1に関する、充放電運転で実施する内部圧力監視制御に係るフローチャートである。本実施形態で特に説明しない構成、作用、制御、同じステップ符号を付した処理等は、第1実施形態と同様であるとし、その作用効果も同様である。
【0054】
第2実施形態は、第1実施形態に対して、圧力動作部7Aの構成が異なる。図7に示すように、圧力動作部7Aは、予め設定された抵抗値を有する電気抵抗体12を備えている。この電気抵抗体12は、電圧検出線9に対して直列に接続され、圧力動作部7に対して並列に接続されている。電気抵抗体12は、接点片72と接点部形成板73の接触状態が解除されても、支持板71に接続される側の電圧検出線9と接点部形成板73に接続される側の電圧検出線9とを接続するように設けられている。つまり、接点片72と接点部形成板73の接触状態が解除された場合でも、両方の電圧検出線9は電気抵抗体12によって直列に連結されており、電気抵抗体12を介して電池セル1の電圧値を検出することができるようになっている。
【0055】
したがって、接点片72と接点部形成板73が接触状態であるときは、電池セル1の内部圧力は通常圧力状態であって、検出される電池セル1の端子間電圧は、電気抵抗体12側に電流が流れにくいため、電池セル1の実際の電圧値に近い値として検出される。一方、接点部解除状態であるときは、電池セル1の内部圧力は異常な状態であり、電気抵抗体12は電池セル1に対して直列に接続されることになる。このため、検出される電池セル1の端子間電圧は、電気抵抗体12にかかる電圧分低い値になる。この電圧値に当該抵抗値分の電圧(抵抗値と電流値の積)を加えた値が、電池セル1の実際の電圧値として検出することができる。このように、電気抵抗体12の所定の抵抗値を比較的大きな値に設定することにより、接点部接触状態では電気抵抗体12に側に電流が流れにくくなり、接点部解除状態では電圧検出部10の検出値を微小電圧にすることができる。電圧検出部10によって当該微小電圧が検出された場合には、電池セル1が何らかの異常状態にあることを知ることができる。
【0056】
本実施形態における「内部圧力監視制御に係るフローチャート」は、図8に示すように、第1実施形態の図6に記載のフローに対して、ステップ20A1、20A2、30Aが異なる。
【0057】
以下、第1実施形態の制御と異なる点について説明する。図8に示すように、ステップ20A1では電気抵抗体12に掛かる電圧分を差し引かれた微小電圧値を検出したか否かを判定する。ステップ20A1で、微小電圧値を検出したと判定すると、圧力動作部7が接点部解除状態になっていると判定し、ステップ20A2で、実際の電圧値を算出する処理を実行する。実際の電圧値は、上述したように、検出した電圧値に電気抵抗体12の抵抗値分の電圧(抵抗値と電流値の積)を加えて算出する。第1実施形態では電池セル1の内部圧力が異常な状態では、電池セル1の実際の電圧を求めることができず、電池セル1が充電機能または放電機能を果たしうる状態にあるかどうか判断できなかった。そこで、本実施形態では、ステップ20A2の処理によって、電池セル1の実際の電圧を求めることができる。したがって、電池セル1が充電機能または放電機能を果たしうる状態にあるか否かを判断することも可能である。
【0058】
次に電池監視装置100は内部圧力異常状態に該当する電池セル1が存在する情報を充放電制御装置101に指令する。充放電制御装置101は、ステップ30Aで充電運転または放電運転の出力を低減する処理を実行する。さらに充放電制御装置101は、第1実施形態と同様にステップ40で、表示装置102に当該情報を表示する処理を実行し、図8のフローチャートを終了する。
【0059】
なお、ステップ30Aは、ステップ20A2で算出した電池セル1の実際の電圧値に基づいて、電池セル1が充電機能または放電機能を完全に果たせない状態まで劣化しているときには、充電または放電を停止する処理を実行するようにしてもよい。
【0060】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。電池の内圧状態検出装置は、圧力動作部7Aが接点部解除状態になった場合でも、電池監視装置100が電圧検出線9を通じて電気信号を検出可能なように電圧検出線9に接続された電気抵抗体12を備える。
【0061】
この構成によれば、圧力動作部7Aが接点部解除状態になった場合に、電池監視装置100は電圧検出線9を通じて電池セル1の端子間電圧を検出することができる。この場合に検出された端子間電圧は、電気抵抗体12には固有の抵抗値に応じた電圧がかかるため、実際の端子間電圧よりも、電気抵抗体12にかかる電圧分低い値に検出される。したがって、電気抵抗体12の抵抗値を用いた計算によって、接点部解除状態であっても、実際の電池セルの端子間電圧を検出することができる。このように、現在の電池セル1の状態(例えば、現在の電池セル1の充電能力や放電能力、電池セル1の劣化度合い等)を正確に検出することができる。
【0062】
(第3実施形態)
第3実施形態について、図9〜図11にしたがって説明する。図9は、第3実施形態に係る電池セル1Aについて、電圧検出に係る構成を説明するための正面図である。図10は、図9のX方向からみた部分断面図であり、第3実施形態における圧力動作部7B及び周辺部の構成を示している。なお、図9の×で示した部分が、図10の要部である。図11は、他の形態の圧力動作部7C及び周辺部の構成を示す断面図である。本実施形態で特に説明しない構成、作用、制御等は、第1実施形態または第2実施形態と同様であるとし、その作用効果も同様である。
【0063】
第3実施形態は、電池セル1Aの外装ケース5Aの側面に形成した第1の弁15及び第2の弁16と、第1の弁15と第2の弁16の間に挟まれた圧力動作部7Bと、を備える形態である。外装ケース5Aは、図10に示すように、電圧検出線9Aが内在する部位の断面構造が、電極積層体2側に位置する内側壁5A1と、内側壁5A1によりも外側に位置する外側壁5A2からなる構造となっている。内側壁5A1と外側壁5A2の間には、部分的に電圧検出線9Aが介在している。したがって、電池セル1Aにおいて、内側から外側に向かって内側壁5A1、電圧検出線9A、外側壁5A2の順に配列されている。なお、外装ケース5Aは、図10のごとく、電圧検出線9Aが存在する部位における断面構造が内側壁5A1と外側壁5A2とに分かれているが、電圧検出線9Aが内在していない部位においては、一つの壁を構成している。
【0064】
第1の弁15は、外装ケース5Aの内側壁5A1における厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位である。この薄肉部位によって構成される第1の弁15は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、第1の弁15は、過充電時、短絡の異常事態等によるガスの発生により、電池セル1の内部圧力が異常値になったときに、外装ケース5Aの他の部位が破断するよりも先に破断して、破断した部分からガスの圧力が電圧検出線9Aに作用することになる。この薄肉部位の厚み寸法を調整することによって、第1の弁15が開放する内部圧力条件を容易に設定することができる。
【0065】
電圧検出線9Aは、厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位に形成された圧力動作部7Bを備えている。この薄肉部位、例えば他の部位よりも小さい直径寸法で形成された圧力動作部7Bは、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、圧力動作部7Bは、電池セル1の内部圧力が異常値になったときに、第1の弁15が開放し、当該開放された部分からガスの圧力が電圧検出線9Aに作用した場合に破断することにより、接点部解除状態に至ることになる。
【0066】
第2の弁16は、外装ケース5Aの外側壁5A2における厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位である。この薄肉部位によって構成される第2の弁16は、他の部位よりも内部圧力に対する強度が弱い。この設定強度の違いのために、第2の弁16は、電池セル1の内部圧力が異常値になり、第1の弁15及び圧力動作部7Bが破断した後、さらに内部圧力が上昇すると、最後に第2の弁16が完全に開いてガスが外部に放出されるようになる。このように、電池セル1Aの内部圧力の上昇に伴い、内側から順に、第1の弁15、圧力動作部7B、第2の弁16が破断するように、各部の外圧に対する強度を設定している。
【0067】
また、図11に示すように、圧力動作部7Cは、通常圧力状態において、正極端子3に接続される側の電圧検出線9Aの端部と、負極端子4に接続される側の電圧検出線9Aの端部とを接触させて形成するようにしてもよい。
【0068】
本実施形態の電池の内圧状態検出装置がもたらす作用効果について説明する。第1の弁15は、電池セル1の外装ケース5に形成された、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部である。圧力動作部7B,7Cは、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線9Aの他の部位よりも耐圧が小さい低耐圧検出線部である。低耐圧壁部や低耐圧検出線部は、電池セル1の内部圧力が作用した場合に、他の部位よりも先に破断され易く、他の部位に比べて、低い圧力で破断が起こり始める部分である。
【0069】
この構成によれば、ガスの発生により電池セル1の内部圧力が上昇して第1の弁15が破断した場合に、即座に圧力動作部7B,7Cに対して当該内部圧力が作用し得る構造を提供することができる。このため、第1の弁15の開放とともに圧力動作部7B,7Cに即座に内部圧力が作用するので、第1の弁15の開放に伴って圧力動作部7B,7Cが動作しやすく、内部圧力の上昇状態に対して迅速な検出を実現できるのである。
【0070】
また、第1の弁15は、外装ケース5Aにおける耐圧強度の弱い部位であり、破裂させ易い加工等を施した部位とすることができる。さらに、圧力動作部は、当該部位に表面に電圧検出線9Aを張り付けることによっても実施できる。この場合には、電圧検出線9Aは、第1の弁15が破断したとともに、圧力動作部を断線するようにすることができる。
【0071】
また、上記の低耐圧壁部は、内側壁5A1の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位である。上記の低耐圧検出線部は、電圧検出線9Aの他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位である。この構成によれば、第1の弁15と圧力動作部7Bの両方を薄肉部位によって形成するため、複雑な機構が不要で、しかも少ない部品点数によって電池の内圧状態装置の要部を製作することができる。したがって、生産性に優れ、製造コストにおいて有用な構造を提供することができる。
【0072】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0073】
第3実施形態では、第1の弁15は、電池セル1の外装ケース5Aに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、圧力動作部7Bは、低耐圧壁部に隣接し、電圧検出線9Aの他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部である。そして、この低耐圧検出線部は、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されているものであってもよい。例えば、低耐圧検出線部は、電圧検出線とは異なる材料を適切に選定することにより、低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定することができる。すなわち、当該材料は、外力に対して電圧検出線よりも強度的にもろい材料であり、焼結合金を用いることができる。したがって、このような材料で形成された低耐圧検出線部は、図10に示す圧力動作部7Bのように他の部位に対して線径の細い電圧検出線の一部でなくてもよく、他の部分と同等以上の線径で形成することができる。
【0074】
この構成によれば、圧力動作部は外装ケースの低耐圧壁部の破断と同時に破断する強度に設定されている低耐圧検出線部である。このため、ガスの発生により電池セル1の内部圧力が上昇していくと、第1の弁15と当該低耐圧検出線部が同時に破断する状況が起こるので、第1の弁15の破断発生に伴う接点部解除状態の即時検出を実現できる。
【0075】
第3実施形態では、第1の弁15、圧力動作部7B、または第2の弁16は、厚み寸法が他の部位と比べて小さい薄肉部位であるが、この形態の他、当該部位に切込みを形成して、他の部位と比べて外部からの圧力に対して強度が弱い部位としてもよい。
【0076】
第3実施形態においては、内部圧力の上昇に伴い、第1の弁15、圧力動作部7B、第2の弁16の順に破断する形態であるが、第1の弁15、圧力動作部7B及び第2の弁16がほぼ同時に破断するように、各部の強度を設定してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…電池セル
5…外装ケース
6…第1の弁(弁機構、第1の弁機構)
7,7A…圧力動作部
7B…圧力動作部(低耐圧検出線部)
8…第2の弁(第2の弁機構)
15…第1の弁(弁機構、第1の弁機構、低耐圧壁部)
51…熱溶着部
100…電池監視装置(電圧監視装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された電力を充電するとともに、蓄電した電力を放電する機能を有する電池セルと、
前記電池セルの端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線と、
前記電池セルの内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する前記電池セルの内部圧力に応じて開放する弁機構と、
導電する接点部を有し、前記弁機構よりも前記ガスの流下する下流側に設けられ、前記弁機構が開放すると同時に、または前記弁機構が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、前記接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部と、
前記電圧検出線を通じて検出される電気信号により前記電池セルの端子間電圧を検出する電圧監視装置と、
を備え、
前記圧力動作部は前記電圧検出線の一部として形成されており、
前記電圧監視装置は、前記圧力動作部が前記接点部解除状態になると、前記電圧検出線を通じて検出される電気信号によって前記接点部解除状態であることを検出することを特徴とする電池の内圧状態検出装置。
【請求項2】
前記弁機構は、前記電池セルの外装ケースに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、
前記圧力動作部は、前記低耐圧壁部に隣接し、前記電圧検出線の他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部であることを特徴とする請求項1に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項3】
前記低耐圧壁部は、前記壁部の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であり、
前記低耐圧検出線部は、前記電圧検出線の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であることを特徴とする請求項2に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項4】
前記低耐圧検出線部は、前記低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項5】
前記弁機構は、第1の弁機構であり、
前記圧力動作部よりも前記ガスの流下する下流側に設けられ、前記圧力動作部が前記接点部解除状態になった後で、さらに前記電池セルの内部圧力が上昇したときに、前記電池セルの内部圧力に応じて開放する第2の弁機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項6】
ラミネートフィルムで形成される前記電池セルの外装ケースであって、当該ラミネートフィルム同士を熱溶着して貼り合わせることにより前記電池セルの内部空間を形成する外装ケースを備え、
前記第1の弁機構は、前記熱溶着を施さないで前記ラミネートフィルム同士を合わせただけの他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位によって構成され、
前記第2の弁機構は、前記ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部の一部に形成された部位であることを特徴とする請求項5に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項7】
前記圧力動作部が前記接点部解除状態になった場合でも、前記電圧監視装置が前記電圧検出線を通じて電気信号を検出可能なように前記電圧検出線に接続された電気抵抗体を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項1】
供給された電力を充電するとともに、蓄電した電力を放電する機能を有する電池セルと、
前記電池セルの端子間電圧を電気信号として検出するように設けられた電圧検出線と、
前記電池セルの内部空間に連通し、当該内部空間で発生するガスによって上昇する前記電池セルの内部圧力に応じて開放する弁機構と、
導電する接点部を有し、前記弁機構よりも前記ガスの流下する下流側に設けられ、前記弁機構が開放すると同時に、または前記弁機構が開放する作動圧力よりも高い内部圧力のときに、前記接点部が離れて接点部解除状態になるように設定される圧力動作部と、
前記電圧検出線を通じて検出される電気信号により前記電池セルの端子間電圧を検出する電圧監視装置と、
を備え、
前記圧力動作部は前記電圧検出線の一部として形成されており、
前記電圧監視装置は、前記圧力動作部が前記接点部解除状態になると、前記電圧検出線を通じて検出される電気信号によって前記接点部解除状態であることを検出することを特徴とする電池の内圧状態検出装置。
【請求項2】
前記弁機構は、前記電池セルの外装ケースに設けられた、他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧壁部であり、
前記圧力動作部は、前記低耐圧壁部に隣接し、前記電圧検出線の他の部位よりも耐圧が小さく設定された低耐圧検出線部であることを特徴とする請求項1に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項3】
前記低耐圧壁部は、前記壁部の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であり、
前記低耐圧検出線部は、前記電圧検出線の他の部位と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位であることを特徴とする請求項2に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項4】
前記低耐圧検出線部は、前記低耐圧壁部が破断したと同時に破断する強度に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項5】
前記弁機構は、第1の弁機構であり、
前記圧力動作部よりも前記ガスの流下する下流側に設けられ、前記圧力動作部が前記接点部解除状態になった後で、さらに前記電池セルの内部圧力が上昇したときに、前記電池セルの内部圧力に応じて開放する第2の弁機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項6】
ラミネートフィルムで形成される前記電池セルの外装ケースであって、当該ラミネートフィルム同士を熱溶着して貼り合わせることにより前記電池セルの内部空間を形成する外装ケースを備え、
前記第1の弁機構は、前記熱溶着を施さないで前記ラミネートフィルム同士を合わせただけの他の部位よりも耐圧の小さい低耐圧部位によって構成され、
前記第2の弁機構は、前記ラミネートフィルムの端部を熱溶着して一体に貼り合わせる熱溶着部の一部に形成された部位であることを特徴とする請求項5に記載の電池の内圧状態検出装置。
【請求項7】
前記圧力動作部が前記接点部解除状態になった場合でも、前記電圧監視装置が前記電圧検出線を通じて電気信号を検出可能なように前記電圧検出線に接続された電気抵抗体を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電池の内圧状態検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−195084(P2012−195084A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56673(P2011−56673)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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