電池判別装置及びこれを備えた撮像装置
【課題】電池収容室に挿入された電池の種類を判別する。
【解決手段】電池収容室10の側面に接点スイッチ19を設け、上面に接点スイッチ22を設ける。接点スイッチ22は電池が挿入された場合にONとなる。接点スイッチ19は定常状態において内側に突出するスイッチ部19aを有し、挿入前にはレバー16により突出が規制される。電池が挿入されるとレバー16が上方に移動し、スイッチ部19aの突出が許容される。一次電池の場合には電池側面で突出が再び規制され、二次電池の場合には側面の凹部により突出が許容されることで一次電池と二次電池が判別される。
【解決手段】電池収容室10の側面に接点スイッチ19を設け、上面に接点スイッチ22を設ける。接点スイッチ22は電池が挿入された場合にONとなる。接点スイッチ19は定常状態において内側に突出するスイッチ部19aを有し、挿入前にはレバー16により突出が規制される。電池が挿入されるとレバー16が上方に移動し、スイッチ部19aの突出が許容される。一次電池の場合には電池側面で突出が再び規制され、二次電池の場合には側面の凹部により突出が許容されることで一次電池と二次電池が判別される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の種類を判別する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラ等の撮像装置その他の携帯機器において、電池収容室内に挿入された電池の種類を判別し、判別結果に応じて適切な充電制御を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、下記の特許文献には、一次電池と2種類の二次電池の合計3種類の電池を判別することが記載されており、電池収容部に装着された電池の形状に基づいて電池の種類を判別することが記載されている。具体的には、ニッケル−カドミウム電池またはニッケル−水素電池等の二次電池と、リチウムイオン電池はそれぞれ異なる位置に凸部が形成されており、それぞれの凸部に対応する接点スイッチのON/OFFにより一次電池と二次電池の判別、及び二次電池の種類の判別を行うことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−219933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、電池の外観と係合するスイッチを設けることで電池の種類を簡易に判別することが可能であるが、電池によっては正確に判別することが困難となる。例えば、単三型との互換性を持たせるため一次電池には単三型を2本並列に一体化したものと類似した型の電池(以下、これを「CR−V3」と称する)のように側面が平面になっているものが存在する。同じ単三電池を2本電池収容室に挿入した場合にはその側面は凹部となり、上記の文献のような接点スイッチを用いると単三電池2本挿入時には接点スイッチがOFFに、CR−V3挿入時には接点スイッチがONとなってしまい、同じ一次電池であるにもかかわらず異なる判別結果となってしまう。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、より多様な種類の電池にも対応し得る電池判別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、定常状態で前記電池収容室内側に突出するように設けられた検出スイッチと、前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を抑止する第1の位置に弾性力で付勢されるとともに、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して前記弾性力に抗して前記第1の位置から前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を許容する第2の位置へ移動する移動部材とを有し、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときの前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出あるいは非突出は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記突出あるいは非突出に応じて電池の種別を判別することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、検出スイッチと、前記検出スイッチに対向して配置され、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して弾性力に抗して前記接点スイッチの方向に移動することで前記検出スイッチを作動させる移動部材とを有し、前記移動部材の移動は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記検出スイッチの作動状態に応じて電池の種別を判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電池の挿入に伴って移動する移動部材と検出スイッチとの組み合わせにより簡易に電池の種類を判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1に、本実施形態における電池判別装置の構成を示す。電池判別装置は、デジタルカメラの電池収容室10近傍に配設される。電池判別装置は、大別して2つのスイッチを有する。第1スイッチは電池が電池収容室10内に挿入されたことを検出するスイッチであり、第2スイッチは挿入された電池の種類を判別するスイッチである。
【0012】
第1スイッチは、電池収容室10の上面(電池挿入方向から見ると電池収容室の底面)に設けられたスイッチ基板20と、スイッチ基板20上に設けられた接点スイッチ22から構成される。第2スイッチは、電池収容室10の1つの側面に設けられたスイッチ基板12と、前記スイッチ基板12上に設けられた接点スイッチを含む。接点スイッチ近傍にはスプリング18で電池挿入方向と反対方向に弾性付勢されたレバー16と、このレバー16の移動方向を規制するガイド14が設けられる。ガイド14はスイッチ基板12から電池挿入方向に沿って(電池収容室10の長手方向に沿って)延在し、レバー16はこのガイド14内をスプリング18の弾性力に抗して移動する。
【0013】
図2A及び図2Bに、第1スイッチ及び第2スイッチの構成を示す。図2Aは第1スイッチの構成であり、スイッチ基板20上にスプリング26で付勢支持された平板状のレバー24を有し、レバー24の下方、すなわちレバー24とスイッチ基板20との間に接点スイッチ22が設けられる。定常状態ではレバー24はスプリング26の弾性力により折点スイッチ22から離間しており、接点スイッチ22はOFF状態となる。電池が電池収容室10内に挿入されると、電池の底面がレバー24に接し、レバー24に接した状態からさらに電池を挿入すると、レバー24はスプリング26の弾性力に抗してスイッチ基板20の方向に移動し、レバー24の下面が接点スイッチ22に接し、接点をON状態にする。これにより電池の挿入を検出する。
【0014】
図2Bは第2スイッチの構成であり、接点スイッチ19とレバー16の形状及び接点スイッチ19とレバー16との係合状態を示す。接点スイッチ19は定常状態において電池収容室10の内側に向けて突出した揺動自在なスイッチ部19aを有する。また、レバー16は平板部16a、及び平板部16aから立設したレバー部を有し、レバー部において図1に示すスプリング18が連結し、レバー16を電池挿入方向とは反対方向に付勢する。平板部16aは接点スイッチ19及びスイッチ部19aに電池収容室10の内側から当接する。電池が挿入されていない初期状態では図2Bに示すようにスプリング18の弾性力によりレバー16の平板部16aがスイッチ部19aに当接してスイッチ部19aの電池収容室10内側への突出を規制する(非突出状態)。すなわち、レバー16がスイッチ部19aのカバーとなってその突出を規制する。レバー16の平板部16aは、電池側面に形成された平面部と係合可能な量だけ電池収容室10の内側に張り出しており、電池が電池収容室10に挿入されると、レバー16の平板部16aと電池側面に形成された平面部とが係合し、電池の挿入に伴ってレバー16が図中矢印方向(電池挿入方向)にスプリング18の弾性力に抗して移動する。レバー16の電池挿入方向への移動により、レバー16の平板部16aとスイッチ部19aとの位置関係が変化し、やがてレバー16の平板部16aがスイッチ部19aから乖離する位置に達すると、スイッチ部19aの電池収容室10内側への突出が許容される。本実施形態では、このような第1スイッチ及び第2スイッチの状態に応じて電池収容の有無、及び挿入された電池の種別を判別する。
【0015】
図3A〜図3Cに、本実施形態で判別する電池の外観を示す。本実施形態のデジタルカメラの電池収容室10に挿入できる電池は3種類であり、図3Aに示す単三電池100(2本)、図3Bに示すCR−V3型電池200、図3Cに示す専用二次電池(例えばリチウムイオン電池)300である。図3Bに示すCR−V3型電池200と専用二次電池300はともに側面に平面部200a、300a及び端子202、302が設けられているが、専用二次電池300には平面部300aにさらに凹部304が設けられている。第2スイッチは、平面部200a、300aに係合して動作するとともに、凹部304の有無に応じてCR−V3型電池200と専用二次電池300とを判別する。すなわち、平面部200a、300aによりレバー16が初期位置(接点スイッチ19の突出規制位置)から所定位置(接点スイッチ19の突出許容位置)まで移動するとともに、凹部304によりスイッチ部19aの突出/非突出が決定される。なお、図3Aに示す単三電池100の場合には側面に平面部が存在しないのでレバー16は電池の側面と係合せず、初期位置のままとなる。
【0016】
以下、図4A、図4Bに示すように、接点スイッチ19のスイッチ部19aが電池収容室10の内側に突出していない状態(非突出状態)を接点スイッチ19のON状態、スイッチ部19aが突出した状態を接点スイッチ19のOFF状態として、図3A〜図3Cに示す各電池を電池収容室10内に挿入した場合の動作を具体的に説明する。
【0017】
図5A及び図5Bは、電池を挿入した場合の第1スイッチ及び第2スイッチの状態を示す。図5Aは電池を挿入する前の初期状態であり、第1スイッチの接点スイッチ22はレバー24がスプリング26により付勢されていてレバー24が接点スイッチ22に当接していないためOFF状態にある。また、第2スイッチの接点スイッチ19はレバー16が初期位置にありレバー16の平板部16aがスイッチ部19aに当接して電池収容室10内側への突出を規制しているためON状態にある。接点スイッチ19及び接点スイッチ22の検出信号はともにデジタルカメラの図示しないマイクロコンピュータに供給される。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がOFF状態であるため電池は挿入されていないと判定する。
【0018】
図5Bは電池を挿入した状態であり、第1スイッチのレバー24が電池に当接し、電池に押されて接点スイッチ22はOFF状態からON状態に遷移する。一方、第2スイッチのレバー16はその平板部16aが電池収容室10の内側に張り出すように位置しており、挿入された電池の側面に設けられた平面部に当接し、電池の挿入とともにレバー部に懸架されたスプリング18の弾性力に抗して矢印方向に移動する。レバー16の移動により接点スイッチ19のスイッチ部19aが内側に突出し、接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため電池が挿入されたと判定し、かつ、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移したため特定の電池が挿入されたと判定する。電池側面に平面が形成されていない電池、例えば単三型電池100の場合には電池側面とレバー16とは当接せず、電池を挿入してもレバー16は初期位置を維持するため接点スイッチ19はON状態のままである。
【0019】
図6A及び図6Bに、図3Aに示す単三電池100を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22はレバー24が電池100により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は電池100の側面が凹部であってレバー16が電池100の側面と係合しないためON状態のままとなる。図5Bではレバー16が初期位置から図中上方に移動しているにもかかわらず、図6Bではレバー16は初期位置のまま移動していない点に留意されたい。上記のとおり接点スイッチ19及び接点スイッチ22からの検出信号はマイクロコンピュータに供給される。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置のまま移動せず、接点スイッチ19がON状態のまま(ON状態からOFF状態に遷移していない)であるため単三電池100が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。
【0020】
図7A及び図7Bに、図3Bに示すCR−V3型電池200を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22は、レバー24が電池200により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は、レバー16の平板部16aの下縁が電池200の側面に形成された平面部200aの上縁部に当接し、電池200の挿入に伴ってレバー16が押し上げられる。これにより、レバー16の平板部16aは接点スイッチ19の上方に位置するようになり、スイッチ部19aは平板部16aに当接せず、スイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出可能となる。但し、電池200の平面部200aが平板部16aに代わってスイッチ部19aに当接するようになり、スイッチ部19aの突出を規制してON状態を維持する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置から移動しており、接点スイッチ19がON状態のままであるためCR−V3型電池200が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。電池200はスプリング18の弾性力によって排出方向に付勢されるため排出が容易化される。
【0021】
図8A及び図8Bに、図3Cに示す専用二次電池300を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22は、レバー24が電池300により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は、レバー16の平板部16aの下縁が電池300の側面に形成された平面部300aの上縁部に当接し、電池300の挿入に伴ってレバー16が押し上げられる。これにより、レバー16の平板部16aは接点スイッチ19の上方に位置するようになり、スイッチ部19aは平板部16aに当接せず、スイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出可能となる。そして、上記のように電池200の場合には平面部200aに凹部が形成されていないためスイッチ部19aは平面部200aに当接して突出が規制されるが、電池300においては平面部300aに凹部304が形成されているため、この凹部の位置でスイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出する。これにより、接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置から移動しており、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移しているため専用二次電池300が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。電池300はスプリング18の弾性力によって排出方向に付勢されるため排出が容易化される。
【0022】
以上、3種類の電池の挿入の有無、及び電池種類の判別のアルゴリズムをまとめると以下のようになる。
(1)接点スイッチ22がOFF状態からON状態に遷移すると電池が挿入されていると判定する。
(2)レバー16が初期位置から移動するとCR−V3型電池200あるいは専用二次電池300が挿入されており、レバー16が初期位置から移動していないと単三電池100が挿入されていると判定する。
(3)接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移すると専用二次電池300が挿入されており、接点スイッチ19がON状態のままであるとCR−V3型電池200が挿入されていると判定する。
【0023】
接点スイッチ19、22のON/OFF、レバー16の静止/移動と電池の種別との関係は以下のとおりである。
【表1】
【0024】
このように、本実施形態では、3種類の電池の外観形状、具体的には側面に平面部が形成されているか否か、及び平面部が形成されている場合にさらにその平面部内に凹部が形成されているか否かをメカ機構により検出することで電池の種類を確実に判別できる。
【0025】
なお、電池の判別は主に挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別して、二次電池の場合には外部電源からの電力により充電する場合に必要となる。このためには、単に一次電池か二次電池かを判別すればよく、一次電池が単三電池100であるかCR−V3型電池200であるかを判別する必要がない。本実施形態では、表1からも分かるように、単三電池100及びCR−V3型電池200の場合には接点スイッチ19はON状態を維持し、専用二次電池300の場合に接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。したがって、マイクロコンピュータは、接点スイッチ22及び接点スイッチ19からの検出信号に基づき、電池の挿入の有無、及び挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することができる。具体的には、接点スイッチ22がON状態に遷移し、かつ、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移した場合に、マイクロコンピュータは専用二次電池が挿入されたと判定してデジタルカメラの充電回路を作動させて外部電源からの電力により専用二次電池300を充電する。あるいはデジタルカメラがドックにセットされている場合、マイクロコンピュータはドック側のマイクロコンピュータに専用二次電池300が挿入されている旨のコマンドを送信し、ドック側のマイクロコンピュータが充電回路の動作を制御して専用二次電池300の充電を実行してもよい。
【0026】
また、接点スイッチ19は専用二次電池300が挿入されない限りレバー16によってON状態に維持されるため、マイクロコンピュータは単に接点スイッチ19からの検出信号のみに応じて専用二次電池300が挿入されたか否かを判定してもよい。充電制御するか否かを判定する際には、マイクロコンピュータは接点スイッチ19からの検出信号のみに応じて判定すればよく、接点スイッチ22は必要ない。
【0027】
さらに、一次電池と二次電池とを判別することを目的とした場合、第2スイッチの構成としては上記のような接点スイッチ19及びレバー16の組み合わせではなく、専用二次電池300の平面部300aに形成された凹部304と係合して接点がONあるいはOFFする任意の構成を用いることができる。
【0028】
<第2実施形態>
図9A〜図9Cに、本実施形態における第2スイッチの他の構成を示す。図9Aは電池が挿入されていない初期状態である。第2スイッチは、接点スイッチ50及びレバー52から構成される。接点スイッチ50は電池収容室10の側面に配設され、接点スイッチ50と対向する位置にレバー52が設けられる。レバー52は接点スイッチ50の方向に移動自在に支持され、かつ、スプリング等の弾性部材で接点スイッチ50から離間する方向に付勢支持される。レバー52はテーパ面が形成され、電池が挿入されるとレバー52のテーパ面が電池の側面に当接する。電池挿入の有無を検出する接点スイッチ22は図1と同様である。初期状態において、接点スイッチ22及び接点スイッチ50はともにOFF状態である。
【0029】
図9Bに、CR−V3型電池200を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ50)の状態を示す。電池200が挿入されると接点スイッチ22がON状態になる。一方、接点スイッチ50は、レバー52が電池200の側面に形成された平面部200aに当接し、弾性力に抗して接点スイッチ50の方向に移動して接点をONするためOFF状態からON状態に遷移する。
【0030】
図9Cに、専用二次電池300を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ50)の状態を示す。電池300が挿入されると接点スイッチ22はON状態になる。一方、接点スイッチ50は、レバー52が電池300の側面に形成された平面部300aに当接し、弾性力に抗して接点スイッチ50の方向に移動して接点をONするが、やがて平面部300aに形成された凹部304の位置に達すると弾性力により元の位置に復帰し、接点を再びOFFする。したがって、接点スイッチ50はOFF状態からON状態を経て再びOFF状態となる。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22からの検出信号により電池挿入の有無を判定するとともに、接点スイッチ50がON状態の場合には一次電池が挿入され、OFF状態の場合には二次電池が挿入されたと判定する。
【0031】
接点スイッチ50、22のON/OFFと電池の種別との関係は以下のとおりである。
【表2】
【0032】
表2において、単三型電池100と専用二次電池300ではON/OFF状態が同一であるが、専用二次電池300の場合にはOFF状態からON状態に遷移した後にOFF状態となるので、この状態遷移を検出することで両者の判別が可能である。もちろん、レバー52の移動の有無を検出して判別してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態におけるデジタルカメラの電池収容室の斜視図である。
【図2A】図1における第1スイッチの構成図である。
【図2B】図1における第2スイッチの構成図である。
【図3A】単三電池の斜視図である。
【図3B】CR−V3型電池の斜視図である。
【図3C】専用二次電池の斜視図である。
【図4A】第2スイッチのON状態説明図である。
【図4B】第2スイッチのOFF状態説明図である。
【図5A】電池挿入前の初期状態におけるスイッチ状態説明図である。
【図5B】電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図6A】単三電池挿入時の斜視図である。
【図6B】単三電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図7A】CR−V3型電池挿入時の斜視図である。
【図7B】CR−V3型電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図8A】専用二次電池挿入時の斜視図である。
【図8B】専用二次電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図9A】他の実施形態における電池挿入前の初期状態におけるスイッチ状態説明図である。
【図9B】他の実施形態におけるCR−V3型電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図9C】他の実施形態における専用二次電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 電池収容室、12 スイッチ基板、14 ガイド、16 レバー、18 スプリング、19 接点スイッチ、20 スイッチ基板、22 接点スイッチ、24 レバー、26 スプリング、100 単三電池、200 CR−V3型電池、300 専用二次電池。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の種類を判別する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラ等の撮像装置その他の携帯機器において、電池収容室内に挿入された電池の種類を判別し、判別結果に応じて適切な充電制御を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、下記の特許文献には、一次電池と2種類の二次電池の合計3種類の電池を判別することが記載されており、電池収容部に装着された電池の形状に基づいて電池の種類を判別することが記載されている。具体的には、ニッケル−カドミウム電池またはニッケル−水素電池等の二次電池と、リチウムイオン電池はそれぞれ異なる位置に凸部が形成されており、それぞれの凸部に対応する接点スイッチのON/OFFにより一次電池と二次電池の判別、及び二次電池の種類の判別を行うことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−219933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、電池の外観と係合するスイッチを設けることで電池の種類を簡易に判別することが可能であるが、電池によっては正確に判別することが困難となる。例えば、単三型との互換性を持たせるため一次電池には単三型を2本並列に一体化したものと類似した型の電池(以下、これを「CR−V3」と称する)のように側面が平面になっているものが存在する。同じ単三電池を2本電池収容室に挿入した場合にはその側面は凹部となり、上記の文献のような接点スイッチを用いると単三電池2本挿入時には接点スイッチがOFFに、CR−V3挿入時には接点スイッチがONとなってしまい、同じ一次電池であるにもかかわらず異なる判別結果となってしまう。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、より多様な種類の電池にも対応し得る電池判別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、定常状態で前記電池収容室内側に突出するように設けられた検出スイッチと、前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を抑止する第1の位置に弾性力で付勢されるとともに、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して前記弾性力に抗して前記第1の位置から前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を許容する第2の位置へ移動する移動部材とを有し、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときの前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出あるいは非突出は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記突出あるいは非突出に応じて電池の種別を判別することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、検出スイッチと、前記検出スイッチに対向して配置され、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して弾性力に抗して前記接点スイッチの方向に移動することで前記検出スイッチを作動させる移動部材とを有し、前記移動部材の移動は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記検出スイッチの作動状態に応じて電池の種別を判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電池の挿入に伴って移動する移動部材と検出スイッチとの組み合わせにより簡易に電池の種類を判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1に、本実施形態における電池判別装置の構成を示す。電池判別装置は、デジタルカメラの電池収容室10近傍に配設される。電池判別装置は、大別して2つのスイッチを有する。第1スイッチは電池が電池収容室10内に挿入されたことを検出するスイッチであり、第2スイッチは挿入された電池の種類を判別するスイッチである。
【0012】
第1スイッチは、電池収容室10の上面(電池挿入方向から見ると電池収容室の底面)に設けられたスイッチ基板20と、スイッチ基板20上に設けられた接点スイッチ22から構成される。第2スイッチは、電池収容室10の1つの側面に設けられたスイッチ基板12と、前記スイッチ基板12上に設けられた接点スイッチを含む。接点スイッチ近傍にはスプリング18で電池挿入方向と反対方向に弾性付勢されたレバー16と、このレバー16の移動方向を規制するガイド14が設けられる。ガイド14はスイッチ基板12から電池挿入方向に沿って(電池収容室10の長手方向に沿って)延在し、レバー16はこのガイド14内をスプリング18の弾性力に抗して移動する。
【0013】
図2A及び図2Bに、第1スイッチ及び第2スイッチの構成を示す。図2Aは第1スイッチの構成であり、スイッチ基板20上にスプリング26で付勢支持された平板状のレバー24を有し、レバー24の下方、すなわちレバー24とスイッチ基板20との間に接点スイッチ22が設けられる。定常状態ではレバー24はスプリング26の弾性力により折点スイッチ22から離間しており、接点スイッチ22はOFF状態となる。電池が電池収容室10内に挿入されると、電池の底面がレバー24に接し、レバー24に接した状態からさらに電池を挿入すると、レバー24はスプリング26の弾性力に抗してスイッチ基板20の方向に移動し、レバー24の下面が接点スイッチ22に接し、接点をON状態にする。これにより電池の挿入を検出する。
【0014】
図2Bは第2スイッチの構成であり、接点スイッチ19とレバー16の形状及び接点スイッチ19とレバー16との係合状態を示す。接点スイッチ19は定常状態において電池収容室10の内側に向けて突出した揺動自在なスイッチ部19aを有する。また、レバー16は平板部16a、及び平板部16aから立設したレバー部を有し、レバー部において図1に示すスプリング18が連結し、レバー16を電池挿入方向とは反対方向に付勢する。平板部16aは接点スイッチ19及びスイッチ部19aに電池収容室10の内側から当接する。電池が挿入されていない初期状態では図2Bに示すようにスプリング18の弾性力によりレバー16の平板部16aがスイッチ部19aに当接してスイッチ部19aの電池収容室10内側への突出を規制する(非突出状態)。すなわち、レバー16がスイッチ部19aのカバーとなってその突出を規制する。レバー16の平板部16aは、電池側面に形成された平面部と係合可能な量だけ電池収容室10の内側に張り出しており、電池が電池収容室10に挿入されると、レバー16の平板部16aと電池側面に形成された平面部とが係合し、電池の挿入に伴ってレバー16が図中矢印方向(電池挿入方向)にスプリング18の弾性力に抗して移動する。レバー16の電池挿入方向への移動により、レバー16の平板部16aとスイッチ部19aとの位置関係が変化し、やがてレバー16の平板部16aがスイッチ部19aから乖離する位置に達すると、スイッチ部19aの電池収容室10内側への突出が許容される。本実施形態では、このような第1スイッチ及び第2スイッチの状態に応じて電池収容の有無、及び挿入された電池の種別を判別する。
【0015】
図3A〜図3Cに、本実施形態で判別する電池の外観を示す。本実施形態のデジタルカメラの電池収容室10に挿入できる電池は3種類であり、図3Aに示す単三電池100(2本)、図3Bに示すCR−V3型電池200、図3Cに示す専用二次電池(例えばリチウムイオン電池)300である。図3Bに示すCR−V3型電池200と専用二次電池300はともに側面に平面部200a、300a及び端子202、302が設けられているが、専用二次電池300には平面部300aにさらに凹部304が設けられている。第2スイッチは、平面部200a、300aに係合して動作するとともに、凹部304の有無に応じてCR−V3型電池200と専用二次電池300とを判別する。すなわち、平面部200a、300aによりレバー16が初期位置(接点スイッチ19の突出規制位置)から所定位置(接点スイッチ19の突出許容位置)まで移動するとともに、凹部304によりスイッチ部19aの突出/非突出が決定される。なお、図3Aに示す単三電池100の場合には側面に平面部が存在しないのでレバー16は電池の側面と係合せず、初期位置のままとなる。
【0016】
以下、図4A、図4Bに示すように、接点スイッチ19のスイッチ部19aが電池収容室10の内側に突出していない状態(非突出状態)を接点スイッチ19のON状態、スイッチ部19aが突出した状態を接点スイッチ19のOFF状態として、図3A〜図3Cに示す各電池を電池収容室10内に挿入した場合の動作を具体的に説明する。
【0017】
図5A及び図5Bは、電池を挿入した場合の第1スイッチ及び第2スイッチの状態を示す。図5Aは電池を挿入する前の初期状態であり、第1スイッチの接点スイッチ22はレバー24がスプリング26により付勢されていてレバー24が接点スイッチ22に当接していないためOFF状態にある。また、第2スイッチの接点スイッチ19はレバー16が初期位置にありレバー16の平板部16aがスイッチ部19aに当接して電池収容室10内側への突出を規制しているためON状態にある。接点スイッチ19及び接点スイッチ22の検出信号はともにデジタルカメラの図示しないマイクロコンピュータに供給される。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がOFF状態であるため電池は挿入されていないと判定する。
【0018】
図5Bは電池を挿入した状態であり、第1スイッチのレバー24が電池に当接し、電池に押されて接点スイッチ22はOFF状態からON状態に遷移する。一方、第2スイッチのレバー16はその平板部16aが電池収容室10の内側に張り出すように位置しており、挿入された電池の側面に設けられた平面部に当接し、電池の挿入とともにレバー部に懸架されたスプリング18の弾性力に抗して矢印方向に移動する。レバー16の移動により接点スイッチ19のスイッチ部19aが内側に突出し、接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため電池が挿入されたと判定し、かつ、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移したため特定の電池が挿入されたと判定する。電池側面に平面が形成されていない電池、例えば単三型電池100の場合には電池側面とレバー16とは当接せず、電池を挿入してもレバー16は初期位置を維持するため接点スイッチ19はON状態のままである。
【0019】
図6A及び図6Bに、図3Aに示す単三電池100を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22はレバー24が電池100により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は電池100の側面が凹部であってレバー16が電池100の側面と係合しないためON状態のままとなる。図5Bではレバー16が初期位置から図中上方に移動しているにもかかわらず、図6Bではレバー16は初期位置のまま移動していない点に留意されたい。上記のとおり接点スイッチ19及び接点スイッチ22からの検出信号はマイクロコンピュータに供給される。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置のまま移動せず、接点スイッチ19がON状態のまま(ON状態からOFF状態に遷移していない)であるため単三電池100が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。
【0020】
図7A及び図7Bに、図3Bに示すCR−V3型電池200を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22は、レバー24が電池200により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は、レバー16の平板部16aの下縁が電池200の側面に形成された平面部200aの上縁部に当接し、電池200の挿入に伴ってレバー16が押し上げられる。これにより、レバー16の平板部16aは接点スイッチ19の上方に位置するようになり、スイッチ部19aは平板部16aに当接せず、スイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出可能となる。但し、電池200の平面部200aが平板部16aに代わってスイッチ部19aに当接するようになり、スイッチ部19aの突出を規制してON状態を維持する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置から移動しており、接点スイッチ19がON状態のままであるためCR−V3型電池200が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。電池200はスプリング18の弾性力によって排出方向に付勢されるため排出が容易化される。
【0021】
図8A及び図8Bに、図3Cに示す専用二次電池300を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ19)の状態を示す。第1スイッチの接点スイッチ22は、レバー24が電池300により押し下げられるためON状態となる。一方、第2スイッチの接点スイッチ19は、レバー16の平板部16aの下縁が電池300の側面に形成された平面部300aの上縁部に当接し、電池300の挿入に伴ってレバー16が押し上げられる。これにより、レバー16の平板部16aは接点スイッチ19の上方に位置するようになり、スイッチ部19aは平板部16aに当接せず、スイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出可能となる。そして、上記のように電池200の場合には平面部200aに凹部が形成されていないためスイッチ部19aは平面部200aに当接して突出が規制されるが、電池300においては平面部300aに凹部304が形成されているため、この凹部の位置でスイッチ部19aは電池収容室10の内側に突出する。これにより、接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22がON状態であるため何らかの電池が挿入されていると判定し、レバー16が初期位置から移動しており、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移しているため専用二次電池300が挿入されたと判定する。電池排出時には、接点スイッチ22はレバー24がスプリング26の弾性力により初期位置に戻るためOFF状態に遷移する。また、接点スイッチ19はレバー16がスプリング18の弾性力により初期位置に戻るためON状態に遷移する。電池300はスプリング18の弾性力によって排出方向に付勢されるため排出が容易化される。
【0022】
以上、3種類の電池の挿入の有無、及び電池種類の判別のアルゴリズムをまとめると以下のようになる。
(1)接点スイッチ22がOFF状態からON状態に遷移すると電池が挿入されていると判定する。
(2)レバー16が初期位置から移動するとCR−V3型電池200あるいは専用二次電池300が挿入されており、レバー16が初期位置から移動していないと単三電池100が挿入されていると判定する。
(3)接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移すると専用二次電池300が挿入されており、接点スイッチ19がON状態のままであるとCR−V3型電池200が挿入されていると判定する。
【0023】
接点スイッチ19、22のON/OFF、レバー16の静止/移動と電池の種別との関係は以下のとおりである。
【表1】
【0024】
このように、本実施形態では、3種類の電池の外観形状、具体的には側面に平面部が形成されているか否か、及び平面部が形成されている場合にさらにその平面部内に凹部が形成されているか否かをメカ機構により検出することで電池の種類を確実に判別できる。
【0025】
なお、電池の判別は主に挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別して、二次電池の場合には外部電源からの電力により充電する場合に必要となる。このためには、単に一次電池か二次電池かを判別すればよく、一次電池が単三電池100であるかCR−V3型電池200であるかを判別する必要がない。本実施形態では、表1からも分かるように、単三電池100及びCR−V3型電池200の場合には接点スイッチ19はON状態を維持し、専用二次電池300の場合に接点スイッチ19はON状態からOFF状態に遷移する。したがって、マイクロコンピュータは、接点スイッチ22及び接点スイッチ19からの検出信号に基づき、電池の挿入の有無、及び挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することができる。具体的には、接点スイッチ22がON状態に遷移し、かつ、接点スイッチ19がON状態からOFF状態に遷移した場合に、マイクロコンピュータは専用二次電池が挿入されたと判定してデジタルカメラの充電回路を作動させて外部電源からの電力により専用二次電池300を充電する。あるいはデジタルカメラがドックにセットされている場合、マイクロコンピュータはドック側のマイクロコンピュータに専用二次電池300が挿入されている旨のコマンドを送信し、ドック側のマイクロコンピュータが充電回路の動作を制御して専用二次電池300の充電を実行してもよい。
【0026】
また、接点スイッチ19は専用二次電池300が挿入されない限りレバー16によってON状態に維持されるため、マイクロコンピュータは単に接点スイッチ19からの検出信号のみに応じて専用二次電池300が挿入されたか否かを判定してもよい。充電制御するか否かを判定する際には、マイクロコンピュータは接点スイッチ19からの検出信号のみに応じて判定すればよく、接点スイッチ22は必要ない。
【0027】
さらに、一次電池と二次電池とを判別することを目的とした場合、第2スイッチの構成としては上記のような接点スイッチ19及びレバー16の組み合わせではなく、専用二次電池300の平面部300aに形成された凹部304と係合して接点がONあるいはOFFする任意の構成を用いることができる。
【0028】
<第2実施形態>
図9A〜図9Cに、本実施形態における第2スイッチの他の構成を示す。図9Aは電池が挿入されていない初期状態である。第2スイッチは、接点スイッチ50及びレバー52から構成される。接点スイッチ50は電池収容室10の側面に配設され、接点スイッチ50と対向する位置にレバー52が設けられる。レバー52は接点スイッチ50の方向に移動自在に支持され、かつ、スプリング等の弾性部材で接点スイッチ50から離間する方向に付勢支持される。レバー52はテーパ面が形成され、電池が挿入されるとレバー52のテーパ面が電池の側面に当接する。電池挿入の有無を検出する接点スイッチ22は図1と同様である。初期状態において、接点スイッチ22及び接点スイッチ50はともにOFF状態である。
【0029】
図9Bに、CR−V3型電池200を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ50)の状態を示す。電池200が挿入されると接点スイッチ22がON状態になる。一方、接点スイッチ50は、レバー52が電池200の側面に形成された平面部200aに当接し、弾性力に抗して接点スイッチ50の方向に移動して接点をONするためOFF状態からON状態に遷移する。
【0030】
図9Cに、専用二次電池300を挿入した場合の第1スイッチ(接点スイッチ22)及び第2スイッチ(接点スイッチ50)の状態を示す。電池300が挿入されると接点スイッチ22はON状態になる。一方、接点スイッチ50は、レバー52が電池300の側面に形成された平面部300aに当接し、弾性力に抗して接点スイッチ50の方向に移動して接点をONするが、やがて平面部300aに形成された凹部304の位置に達すると弾性力により元の位置に復帰し、接点を再びOFFする。したがって、接点スイッチ50はOFF状態からON状態を経て再びOFF状態となる。マイクロコンピュータは、接点スイッチ22からの検出信号により電池挿入の有無を判定するとともに、接点スイッチ50がON状態の場合には一次電池が挿入され、OFF状態の場合には二次電池が挿入されたと判定する。
【0031】
接点スイッチ50、22のON/OFFと電池の種別との関係は以下のとおりである。
【表2】
【0032】
表2において、単三型電池100と専用二次電池300ではON/OFF状態が同一であるが、専用二次電池300の場合にはOFF状態からON状態に遷移した後にOFF状態となるので、この状態遷移を検出することで両者の判別が可能である。もちろん、レバー52の移動の有無を検出して判別してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態におけるデジタルカメラの電池収容室の斜視図である。
【図2A】図1における第1スイッチの構成図である。
【図2B】図1における第2スイッチの構成図である。
【図3A】単三電池の斜視図である。
【図3B】CR−V3型電池の斜視図である。
【図3C】専用二次電池の斜視図である。
【図4A】第2スイッチのON状態説明図である。
【図4B】第2スイッチのOFF状態説明図である。
【図5A】電池挿入前の初期状態におけるスイッチ状態説明図である。
【図5B】電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図6A】単三電池挿入時の斜視図である。
【図6B】単三電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図7A】CR−V3型電池挿入時の斜視図である。
【図7B】CR−V3型電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図8A】専用二次電池挿入時の斜視図である。
【図8B】専用二次電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図9A】他の実施形態における電池挿入前の初期状態におけるスイッチ状態説明図である。
【図9B】他の実施形態におけるCR−V3型電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【図9C】他の実施形態における専用二次電池挿入時のスイッチ状態説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 電池収容室、12 スイッチ基板、14 ガイド、16 レバー、18 スプリング、19 接点スイッチ、20 スイッチ基板、22 接点スイッチ、24 レバー、26 スプリング、100 単三電池、200 CR−V3型電池、300 専用二次電池。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、
定常状態で前記電池収容室内側に突出するように設けられた検出スイッチと、
前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を抑止する第1の位置に弾性力で付勢されるとともに、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して前記弾性力に抗して前記第1の位置から前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を許容する第2の位置へ移動する移動部材と、
を有し、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときの前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出あるいは非突出は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記突出あるいは非突出に応じて電池の種別を判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記検出スイッチは、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときに一次電池あるいは二次電池のいずれか一方において前記電池収容室内側に突出し、他方において非突出するものであり、
前記検出スイッチの突出あるいは非突出に応じて挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記一次電池は、側面が凹状の第1電池と側面に平面部が形成された第2電池を含み、
前記二次電池は、側面に平面部が形成されるとともに前記平面部に凹部が形成された第3電池を含み、
前記検出スイッチは、前記第1電池及び前記第2電池が前記電池収容室内に挿入された場合に非突出し、前記第3電池が前記電池収容室内に挿入された場合に突出することで挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の装置において、さらに、
前記電池収容室に電池が挿入されたことを検出する第2検出スイッチと、
を有することを特徴とする電池判別装置。
【請求項5】
電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、
検出スイッチと、
前記検出スイッチに対向して配置され、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して弾性力に抗して前記接点スイッチの方向に移動することで前記検出スイッチを作動させる移動部材と、
を有し、前記移動部材の移動は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記検出スイッチの作動状態に応じて電池の種別を判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、
前記検出スイッチは、前記移動部材が一次電池あるいは二次電池のいずれか一方において前記接点スイッチを作動させ、他方に応じて非作動とするものであり、
前記検出スイッチの作動あるいは非作動に応じて挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の電池判別装置を備える撮像装置。
【請求項1】
電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、
定常状態で前記電池収容室内側に突出するように設けられた検出スイッチと、
前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を抑止する第1の位置に弾性力で付勢されるとともに、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して前記弾性力に抗して前記第1の位置から前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出を許容する第2の位置へ移動する移動部材と、
を有し、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときの前記検出スイッチの前記電池収容室内側への突出あるいは非突出は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記突出あるいは非突出に応じて電池の種別を判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記検出スイッチは、前記移動部材が前記第2の位置に移動したときに一次電池あるいは二次電池のいずれか一方において前記電池収容室内側に突出し、他方において非突出するものであり、
前記検出スイッチの突出あるいは非突出に応じて挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記一次電池は、側面が凹状の第1電池と側面に平面部が形成された第2電池を含み、
前記二次電池は、側面に平面部が形成されるとともに前記平面部に凹部が形成された第3電池を含み、
前記検出スイッチは、前記第1電池及び前記第2電池が前記電池収容室内に挿入された場合に非突出し、前記第3電池が前記電池収容室内に挿入された場合に突出することで挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の装置において、さらに、
前記電池収容室に電池が挿入されたことを検出する第2検出スイッチと、
を有することを特徴とする電池判別装置。
【請求項5】
電池収容室内に挿入された電池の種別を判別する電池判別装置であって、
検出スイッチと、
前記検出スイッチに対向して配置され、前記電池収容室内への電池の挿入時に電池の側面と係合して弾性力に抗して前記接点スイッチの方向に移動することで前記検出スイッチを作動させる移動部材と、
を有し、前記移動部材の移動は前記電池収容室内に挿入された電池の外観形状に応じて決定され、前記検出スイッチの作動状態に応じて電池の種別を判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、
前記検出スイッチは、前記移動部材が一次電池あるいは二次電池のいずれか一方において前記接点スイッチを作動させ、他方に応じて非作動とするものであり、
前記検出スイッチの作動あるいは非作動に応じて挿入された電池が一次電池か二次電池かを判別することを特徴とする電池判別装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の電池判別装置を備える撮像装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公開番号】特開2007−265942(P2007−265942A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93085(P2006−93085)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
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