説明

電池及びその製造装置

【課題】正負極の電極シートとこれらに挟まれるセパレータシートとを複数積層してなる電池及びその製造装置において、少ない労力で電極シートのバリによるセパレータシートの損傷を抑止し、かつ電極シートの外縁形状の自由度を確保する。
【解決手段】セパレータシート2の上面21における電極シート1の外縁部13と対向する部分に枠状のシート強化部17を形成し、このシート強化部17に電極シート1の外縁部13からシート厚さ方向で突出するバリ14を突き刺して係合させる。シート強化部17は、ディスペンスロールにてセパレータ原反に補強樹脂を転写して形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正負極の電極シートとこれらに挟まれるセパレータシートとを複数積層してなる電池及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記電池において、電極シート外縁の切断時に生じるバリがセパレータシートを突き破りショートを起こすことを防止するために、例えば特許文献1では、電極シートのバリをパルス電流で溶断除去するようにしている。その他にも、各種のバリ取り手段を採用したりバリ自体の大きさを抑えたりする方法が考案されている。
一方、例えば特許文献2では、セパレータシートの外縁部を折り返して二層構造の強化部とし、この強化部に電極シートのバリを接触させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3741334号公報
【特許文献2】特開2001−283897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電極シートを所定形状に切り出す際、それがせん断による場合は特に、バリの発生を抑えることはできてもゼロにすることは原理的に不可能である。そして、切断後にバリを完全に除去するには多大な労力が必要である。
一方、セパレータシートの外縁部を折り返して二重構造の強化部を形成する場合、この強化部の形成自由度が低く、強化部の形成が困難になったり電極シートの外縁形状に制約を生じさせたりするという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、正負極の電極シートとこれらに挟まれるセパレータシートとを複数積層してなる電池及びその製造装置において、少ない労力で電極シートのバリによるセパレータシートの損傷を抑止し、かつ電極シートの外縁形状の自由度を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明は、所定形状に切断した電極シートとセパレータシートとを重ね合わせて電極シート組体とし、この電極シート組体を正負極で交互に複数積層してなる電池であって、前記セパレータシートの一側面における前記電極シートの外縁部と対向する部分に枠状のシート強化部を形成し、このシート強化部に前記電極シートの外縁部からシート厚さ方向で突出するバリを突き刺して係合させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記バリの前記シート強化部に対する係合力により、前記電極シートと前記セパレータシートとを一体的に結合することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記セパレータシートにおける前記電極シートと反対側の他側面又は前記シート強化部よりも前記他側面側の部位に、前記シート強化部よりも硬質の第二シート強化部を設けることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、所定形状に切断した電極シートとセパレータシートとを重ね合わせて電極シート組体とし、この電極シート組体を正負極で交互に複数積層してなる電池の製造装置であって、帯状の電極原反を巻回した電極ロールと、この電極ロールから前記電極原反を工程下流側に巻き出す電極巻き出しロールと、この電極巻き出しロールが巻き出した前記電極原反から所定形状の前記電極シートを切り出す電極カッターロールと、この電極カッターロールが切り出した前記電極シートを前記セパレータシートとの結合位置に案内する電極ガイドと、を備え、帯状のセパレータ原反を巻回したセパレータロールと、このセパレータロールから前記セパレータ原反を工程下流側に巻き出すセパレータ巻き出しロールと、このセパレータ巻き出しロールが巻き出した前記セパレータ原反の一側面に液状の補強樹脂を前記電極シートの外縁形状に沿う枠状に転写するディスペンスロールと、このディスペンスロールが転写した補強樹脂を硬化させてシート強化部を形成する樹脂硬化装置と、前記シート強化部を形成したセパレータ原反における前記シート強化部の状態を検査する検査装置と、を備え、前記電極シートをその外縁部が前記シート強化部に対向するように前記シート強化部が形成されたセパレータ原反に重ね合わせると共にこれらを互いに押し付けて一体的に結合するプレスロールと、前記電極シートが結合されたセパレータ原反の表裏を反転させる反転機構と、前記電極シートが結合されたセパレータ原反の表裏面の状態を検査する両面検査装置と、前記電極シートが結合されたセパレータ原反を前記電極シート組体毎に切断するカッターロールと、このカッターロールが切断した前記電極シート組体を工程下流側に送り出す送り出しロールと、この送り出しロールが送り出した前記電極シート組体を受け取るトレイと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電池よれば、セパレータシートにおける電極シート外縁のバリが当たる部位(電極シート外縁に沿う部位)に、予め所定幅の枠状のシート強化部を形成し、このシート強化部に電極シートのバリを突き刺すことで、電極シートのバリがセパレータシートを突き破ることを抑止できる。
また、電極シート外縁のバリをセパレータシートのシート強化部に突き刺して係合させることで、このバリを介して電極シートとセパレータシートとを一体的に結合することが可能となり、これらを別途接着剤等を用いて結合する場合と比べて、電極シート及びセパレータシートの結合作業を容易にできる。
さらに、シート強化部は電極シートの外縁形状に合わせて自由に形成できるので、従来の如くセパレータシートの外縁部を折り込んで強化部を形成するような場合と比べて、電極シート外縁に沿うシート強化部の形状自由度を確保できる。
さらにまた、バリをシート強化部に突き刺すことによる電極シート及びセパレータシートの一体的な結合を可能としながら、電極シートのバリがセパレータシートを突き破ることをより確実に抑止できる。
【0011】
また、本発明の電池の製造装置によれば、連続するセパレータ原反に対し、電極シートの外縁形状に沿う枠状の補強樹脂をディスペンスロールにより素早く連続して転写することが可能となり、多数の電極シート組体を正確かつ容易に製作できる。また、トレイを除く各構成を正負極毎に設け、正負極の電極シート組体を交互にトレイに投入することで、正負電極を交互に積層した積層体をトレイ内で構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における電極原反から電極シートを切り出す工程の平面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるセパレータ原反からセパレータシートを切り出す工程の平面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるセパレータシートに電極シートを結合する工程の断面図であり、(a)は各シートの結合直前を、(b)は各シートの結合時をそれぞれ示す。
【図4】本発明の実施形態におけるセパレータシートの強化部の変形例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態における電池の製造装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、例えばパック型の二次電池における電極シート1を、電極ロール10より巻き出した電極原反11から切り出す工程の概略を示す平面図であり、図2は、前記電極シート1と交互に積層されるセパレータシート2を、セパレータロール15より巻き出したセパレータ原反16から、電極シート1を結合した状態で切り出す工程の概略を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、電極原反11は、電極芯材に活物質粉末を塗布・乾燥処理により固着させてなる。この電極原反11を所定長さ毎にカットすると共に、例えば一側辺を適宜切り欠くことで、電力を入出力する接続端子(タブ)12を突設した矩形状の電極シート1が形成される。
【0015】
一方、セパレータ原反16は、イオンを移動可能な例えば多孔質の絶縁フィルム(ポーラスシート)からなる。
図2に示すように、セパレータ原反16の所定長さ毎(セパレータシート2毎)に、電極シート1の外縁形状に対応するシート強化部17を形成して強化セパレータ原反18とし、その後に前記所定形状の電極シート1を一体的に結合して電極付きセパレータ原反19とし、これを所定長さ毎にカットすることで、所定形状の電極シート1及びセパレータシート2を一体的に結合した電極シート組体3を製作する。
【0016】
なお、例えば前記接続端子12の位置を変更することで、正負極用の電極シート1及びセパレータシート2がそれぞれ形成され、かつこれらを正負極毎にそれぞれ一体的に結合することで、正負極用の電極シート組体3がそれぞれ形成される。
【0017】
そして、正負極用の電極シート組体3を交互に積層して適宜パックすることで、出荷単位の二次電池が組み立てられる。組み立て後の二次電池は活性化工程に移送され、充電・放電・室温放置エージング及び高温放置エージング等を繰り返した後に出荷に至る。
【0018】
ここで、図3に示すように、電極シート1の外縁部13にバリ取り加工を施さない場合、外縁部13には、その厚さ方向で起立(突出)するバリ14が残存する。このバリ14は、セパレータシート2を突き破って正負極の電極シート1間を短絡させる虞がある。
そこで、本実施形態では、電極シート組体3毎に、電極シート1のバリ14をセパレータシート2に向けると共に、セパレータシート2の上面21(電極シート1との合わせ面)における電極シート1の外縁部13と対向する部位に、電極シート1の外縁形状に沿って所定幅で延びる枠状のシート強化部17を設けている。
【0019】
シート強化部17は、例えばセパレータシート2(セパレータ原反16)の上面21に液状の補強樹脂を前記枠状に塗布してこれを硬化させてなる(図2参照)。前記樹脂としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂及び乾燥硬化性樹脂等が考えられる。
【0020】
シート強化部17は、例えばセパレータ原反16の上面21に溝23を形成して補強樹脂を流入、硬化させてなる。
なお、図4に示すように、セパレータシート2に補強樹脂を染み込ませて硬化させたものをシート強化部17としてもよい。この構成は、セパレータシート2がポーラスシートではなく不織布であるときに好適である。
また、補強樹脂は接着剤であってもよく、この場合、補強樹脂に粘着性を残しておき、これを電極シート1との結合に利用してもよい。
【0021】
図2,3に示すように、セパレータシート2は電極シート1よりも大判であり、セパレータシート2の外縁から所定幅だけ内周方に入った部位にシート強化部17が形成される。シート強化部17の内周方における補強樹脂を塗布しない領域は、二次電池における電解液を流動可能な有効領域24とされる。有効領域24は、補強樹脂の塗布により精度良く画定されるため、電極シート組体3毎の性能のバラツキが抑えられて長寿命化を期待できる。なお、シート強化部17がセパレータシート2の外縁まで至る構成であってもよい。
【0022】
図3に示すように、セパレータシート2(セパレータ原反16)の下面22(又は厚さ方向中間部)には、前記補強樹脂よりも硬質の樹脂からなる第二シート強化部25が設けられる。第二シート強化部25は、セパレータシート2の下面22に設けられることで、シート強化部17に突き刺した電極シート1のバリ14がセパレータシート2を突き破ることを防止する。
【0023】
第二シート強化部25は、図3ではセパレータシート2の下面22に形成された所定厚さの樹脂層として構成されるが、シート強化部17と同様、セパレータシート2の下面22に溝23を形成して樹脂を流入、硬化させた構成としたり、セパレータシート2に樹脂を染み込ませて硬化させた構成としてもよい。また、シート強化部17よりも下面22側であれば、セパレータシート2のシート厚さ方向中間部に第二シート強化部25を設けてもよい。
なお、各シート強化部17,25をセパレータ原反16に予め設置したり、樹脂によらずセパレータ原反16の該当箇所の密度を上げる等により強度を上げてシート強化部を形成してもよい。
【0024】
このように、セパレータシート2の一側面における電極シート1の外縁部13と対向する部分に枠状のシート強化部17を形成し、このシート強化部17に前記電極シート1の外縁部13からシート厚さ方向で突出するバリ14を突き刺して係合させ、前記バリ14の前記シート強化部17に対する係合力により、前記電極シート1と前記セパレータシート2とを一体的に結合することで、電極シート1のバリ14がセパレータシート2を突き破ることを抑止できると共に、電極シート1とセパレータシート2とを別途接着剤等を用いて結合する場合と比べてこれらの結合作業を容易にできる。また、シート強化部17は電極シート1の外縁形状に合わせて自由に形成できるので、従来の如くセパレータシート2の外縁部を折り込んで強化部を形成するような場合と比べて、電極シート1外縁に沿うシート強化部17の形状自由度を確保できる。
【0025】
さらに、前記セパレータシート2におけるシート厚さ方向で前記シート強化部17を挟んで前記電極シート1と反対側に位置する部位に、前記シート強化部17よりも硬質の第二シート強化部25を設けることで、バリ14をシート強化部17に突き刺すことによる電極シート1及びセパレータシート2の一体的な結合を可能としながら、電極シート1のバリ14がセパレータシート2を突き破ることをより確実に抑止できる。
【0026】
次に、上記二次電池の製造装置30について説明する。
図5に示すように、製造装置30は、帯状の電極原反11から所定形状の電極シート1を切り出す電極準備工程31と、帯状のセパレータ原反16に電極シート1の外縁形状に沿う枠状のシート強化部17を形成して強化セパレータ原反18とするセパレータ準備工程36と、強化セパレータ原反18に電極シート1を結合して電極付きセパレータ原反19とした後にこれを電極シート組体3毎に切断する電極シート組体製作工程41と、を有する。
【0027】
電極準備工程31は、帯状の電極原反11を巻回した電極ロール10と、電極ロール10から電極原反11を工程下流側に巻き出す電極巻き出しロール32と、電極巻き出しロール32が巻き出した電極原反11から前記一側辺の切片4を切除すると共に所定長さにカットして電極シート1を切り出す電極カッターロール33と、電極カッターロール33が切り出した電極シート1をセパレータシート2との結合位置(重ね合わせ位置)に案内する電極ガイド34と、を備える。なお、図中符号35は前記切片4を回収する切片受けを、符号F1は電極原反11の搬送方向をそれぞれ示す。
【0028】
セパレータ準備工程36は、帯状のセパレータ原反16を巻回したセパレータロール15と、セパレータロール15からセパレータ原反16を工程下流側に巻き出すセパレータ巻き出しロール37と、セパレータ巻き出しロール37が巻き出したセパレータ原反16の上面21に液状の補強樹脂を電極シート1の外縁形状に沿う枠状に塗布(転写)するディスペンスロール38と、ディスペンスロール38が塗布した補強樹脂を乾燥や熱処理等により硬化させてシート強化部17を形成する樹脂硬化装置39と、シート強化部17を形成したセパレータ原反16(強化セパレータ原反18)におけるシート強化部17の欠損等の有無を検査するカメラ等の検査装置40と、を備える。なお、図中符号F2はセパレータ原反16の搬送方向を示す。また、図示は略すが、例えばディスペンスロール38と樹脂硬化装置39との間には第二シート強化部25を形成(転写)するための手段が設けられる。
【0029】
電極シート組体製作工程41は、電極シート1をその外縁部13がシート強化部17に対向するように強化セパレータ原反18に重ね合わせると同時に(図3(a)参照)これらを互いに押し付けて一体的に結合する(図3(b)参照)プレスロール42と、電極シート1が結合されたセパレータ原反16(電極付きセパレータ原反19)の上下を逆にする反転機構43と、例えば反転機構43中に設けられて電極付きセパレータ原反19の両面の異常の有無を検査するカメラ等の両面検査装置44と、電極付きセパレータ原反19を電極シート組体3毎に切断するヒートカッターロール45と、ヒートカッターロール45が切断した電極シート組体3を工程下流側に送り出す送り出しロール46と、送り出しロール46が送り出した電極シート組体3を受け取るトレイ47と、を備える。
【0030】
なお、図5では正負極の一方の電極分のみの構成を示すが、正負極の他方の電極分の構成(トレイ47を除く)も同様に設置し、正負極の電極シート組体3を交互にトレイ47に投入することで、正負電極を交互に積層した積層体をトレイ47内で構成することもできる。また、両面検査カメラは反転機構43の上流側又は下流側に設けてもよい。さらに、電極付きセパレータ原反19を枚葉に切断するものはヒートカッターロール45に限らない。
【0031】
プレスロール42にて電極シート1と強化セパレータ原反18とを押し付ける際、電極シート1の外縁部13に形成されたバリ14は、強化セパレータのシート強化部17に押し付けられて食い込む(図3(b)参照)。このとき、前記第二シート強化部25を設けておくことで、バリ14がシート強化部17ひいてはセパレータシート2を突き破って反対側に飛び出すことがなく、正負電極間の短絡が防止される。
また、電極シート1外周のバリ14がセパレータシート2に係合することで、これらを一体的に結合することも可能である。なお、シート強化部17は補強樹脂の種類、量及び硬さ等で仕様を変更でき、かつ電極シート1の外縁形状に合わせて自由に形成できる。
【0032】
本実施形態では、製造装置30のレイアウト上、電極シート1がセパレータ原反16の上面21に接合される。電極シート1のバリ14のシート強化部17への食い込み量は、補強樹脂の硬度とプレスロール42の加圧力とで制御される。電極準備工程31では、電極シート1のバリ14が所定高さで安定して発生するような制御が必要であるが、これはバリ14を無くす制御よりもはるかに容易である。
【0033】
セパレータシート2は空孔率が高く(密度が低く)、吸盤ハンドでは把持(吸着)し難い。そこで、密度が高く吸着し易い金属製の電極シート1と上下を反転させることで、これらを共釣り状態にした安全チャックを可能とし、積層工程のロボットハンドリングに有利な構成としている。なお、前記空孔率とは、セパレータシート2の実体積を見かけの体積から引いて空孔の体積を求め、この空孔の体積をセパレータシート2の見かけの体積で除して得られる値である。
【0034】
本実施形態では、連続するセパレータ原反16に対し、電極シート1の外縁形状に沿う枠状の補強樹脂をディスペンスロール38により素早く連続して転写することで、多数の電極シート組体3を正確かつ容易に製作できる。
【符号の説明】
【0035】
1 電極シート
2 セパレータシート
3 電極シート組体
10 電極ロール
11 電極原反
13 外縁部
14 バリ
15 セパレータロール
16 セパレータ原反
17 シート強化部
21 上面(一側面)
22 下面(他側面)
25 第二シート強化部
30 製造装置(電池の製造装置)
32 電極巻き出しロール
33 電極カッターロール
34 電極ガイド
37 セパレータ巻き出しロール
38 ディスペンスロール
39 樹脂硬化装置
40 検査装置
42 プレスロール
43 反転機構
44 両面検査装置
45 ヒートカッターロール(カッターロール)
46 送り出しロール
47 トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状に切断した電極シートとセパレータシートとを重ね合わせて電極シート組体とし、この電極シート組体を正負極で交互に複数積層してなる電池であって、
前記セパレータシートの一側面における前記電極シートの外縁部と対向する部分に枠状のシート強化部を形成し、このシート強化部に前記電極シートの外縁部からシート厚さ方向で突出するバリを突き刺して係合させることを特徴とする電池。
【請求項2】
前記バリの前記シート強化部に対する係合力により、前記電極シートと前記セパレータシートとを一体的に結合することを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記セパレータシートにおける前記電極シートと反対側の他側面又は前記シート強化部よりも前記他側面側の部位に、前記シート強化部よりも硬質の第二シート強化部を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
所定形状に切断した電極シートとセパレータシートとを重ね合わせて電極シート組体とし、この電極シート組体を正負極で交互に複数積層してなる電池の製造装置であって、
帯状の電極原反を巻回した電極ロールと、この電極ロールから前記電極原反を工程下流側に巻き出す電極巻き出しロールと、この電極巻き出しロールが巻き出した前記電極原反から所定形状の前記電極シートを切り出す電極カッターロールと、この電極カッターロールが切り出した前記電極シートを前記セパレータシートとの結合位置に案内する電極ガイドと、を備え、
帯状のセパレータ原反を巻回したセパレータロールと、このセパレータロールから前記セパレータ原反を工程下流側に巻き出すセパレータ巻き出しロールと、このセパレータ巻き出しロールが巻き出した前記セパレータ原反の一側面に液状の補強樹脂を前記電極シートの外縁形状に沿う枠状に転写するディスペンスロールと、このディスペンスロールが転写した補強樹脂を硬化させてシート強化部を形成する樹脂硬化装置と、前記シート強化部を形成したセパレータ原反における前記シート強化部の状態を検査する検査装置と、を備え、
前記電極シートをその外縁部が前記シート強化部に対向するように前記シート強化部が形成されたセパレータ原反に重ね合わせると共にこれらを互いに押し付けて一体的に結合するプレスロールと、前記電極シートが結合されたセパレータ原反の表裏を反転させる反転機構と、前記電極シートが結合されたセパレータ原反の表裏面の状態を検査する両面検査装置と、前記電極シートが結合されたセパレータ原反を前記電極シート組体毎に切断するカッターロールと、このカッターロールが切断した前記電極シート組体を工程下流側に送り出す送り出しロールと、この送り出しロールが送り出した前記電極シート組体を受け取るトレイと、を備えることを特徴とする電池の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252925(P2012−252925A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125718(P2011−125718)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】