説明

電池及び電池の製造方法

【課題】 電極体と電池ケース本体との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やさずに電池ケース内への異物の混入を防止した電池、及び、このような電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 電池1は、電極体40と、これを収容し、矩形有底筒状の電池ケース本体12、及び、この電池ケース本体の矩形状の開口HMを封口する封口蓋16を有する電池ケース10と、電極体と電池ケース本体との間に介在する絶縁シート部材20とを備え、電池ケースは、電池ケース本体の開口部13と封口蓋の周縁部17との間に対向間隙Sを形成してなり、かつ、開口部と周縁部とを溶接してなる溶接部11を有し、開口部は、対向間隙の内側間隙部SXに面する内側開口部13Xを含み、周縁部は、内側開口部13Xに対向する内側周縁部17Xを含み、内側開口部と内側周縁部とは、封口蓋の周方向の一部で絶縁シート部材のシート延在部21を介して圧接してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体と、金属からなる矩形箱状で、電池ケース本体及び封口蓋を有する電池ケースと、絶縁樹脂シートからなり、電極体と電池ケース本体との間に介在する絶縁シート部材とを備え、電池ケースが電池ケース本体と封口蓋との間を気密に溶接してなる溶接部を有する電池、及び、この電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両や、ノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、充放電可能な電池が利用されている。
このような電池として、金属からなる矩形箱状の電池ケースを備える角型の電池が知られている。この角型の電池では、その電池ケースの内部に収容する電極体と電池ケース本体との絶縁を図るため、電極体と電池ケース本体との間に、絶縁樹脂シートからなる絶縁シート部材を介在させた電池も知られている。
一方、特許文献1には、ろう材を用いて容器本体(電池ケース本体)と蓋材(封口蓋)とを接合するにあたり、蓋材のうち容器本体内に嵌合させる部分に樹脂製のインナーシールを貼付したアルミニウム製電池ケースの接合方法が開示されている。この技術によれば、インナーシールが、容器本体と蓋材との間に介在するので、異物(ろう材等)が電極体を収容する電池ケースの内部に入り込むのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−67161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1の技術では、蓋材(封口蓋)に貼付するインナーシールを、封口蓋とは別に用意する必要があり、その分、部品点数が増えてしまう。
【0005】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであって、電極体と電池ケース本体との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やさずに電池ケース内への異物の混入を防止した電池、及び、このような電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電極体と、上記電極体を内部に収容してなる矩形箱状の電池ケースであって、金属からなり上記電極体を収容可能な矩形有底筒状の電池ケース本体、及び、金属からなり上記電池ケース本体の矩形状の開口を封口する矩形板状の封口蓋、を有する電池ケースと、絶縁樹脂シートからなり、上記電極体と上記電池ケース本体との間に介在して両者を絶縁する絶縁シート部材と、を備え、上記電池ケースは、上記電池ケース本体の上記開口をなす開口部と上記封口蓋の周縁部との間に、両者が対向する対向間隙を形成してなり、かつ、上記開口部と上記周縁部とを、外部から上記周縁部の一周にわたり気密に溶接してなる溶接部を有する電池であって、上記電池ケース本体の上記開口部は、上記対向間隙のうち、上記溶接部よりも上記電池ケースの内側に位置する内側間隙部に面する内側開口部を含み、上記封口蓋の上記周縁部は、上記対向間隙の上記内側間隙部に面し、上記内側開口部と対向する内側周縁部を含み、上記内側開口部と上記内側周縁部とは、上記封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記絶縁シート部材の一部が上記封口蓋側に延びてなるシート延在部を介して圧接してなる電池である。
【0007】
上述の電池では、絶縁シート部材のシート延在部が、電池ケース本体の内側開口部と封口蓋の内側周縁部との間に介在しているので、絶縁シート部材で電極体と電池ケース本体との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やすことなく、少なくとも絶縁シート部材のシート延在部が介在している部分からの電池ケース内への異物混入を防止することができる。
【0008】
なお、電極体としては、例えば、それぞれ帯状の正極板と負極板とを、セパレータを介して軸線の周りに捲回した捲回型の電極体や、複数の正極板と複数の負極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型の電極体が挙げられる。なお、このうち、捲回型の電極体の形状として、例えば、円筒形状や扁平な長円柱形状が挙げられる。
また、絶縁シート部材の材質としては、電解液に膨潤したり侵されにくい材質、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が挙げられる。
【0009】
さらに、上述の電池であって、前記内側開口部は、矩形状で前記開口の径方向内側を向く内向き内側開口部であり、上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側開口部を含み、前記内側周縁部は、矩形状で前記封口蓋の径方向外側を向く外向き内側周縁部であり、上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側周縁部を含み、上記内向き内側開口部と上記外向き内側周縁部とは、上記短辺内側開口部と上記短辺内側周縁部との間で、それぞれ前記絶縁シート部材の前記シート延在部を介して圧接してなる電池とすると良い。
【0010】
ところで、金属からなる矩形箱状の電池ケースを備える電池の製造において、電池ケース本体の開口を封口蓋で封口するにあたり、電池ケース本体の開口内に封口蓋を挿入し、その後、電池ケース本体と封口蓋とを溶接するものがある。その際、開口の長辺方向について、開口の内寸よりも大きな寸法の封口蓋を、電池ケース本体の開口内に圧入し、開口内で電池ケース本体に封口蓋を長手方向に圧接させ、封口蓋を電池ケース本体に保持させる場合がある。
しかるに、このようにして電池ケース本体の開口内に封口蓋を配置しようとすると、電池ケース本体の内側開口部のうち、開口の短辺をなす部位(短辺内側開口部)と、封口蓋の内側周縁部のうち、その短辺をなす部位(短辺内側周縁部)との間で接触して擦れるので、封口蓋或いは電池ケース本体から金属異物が生じ、電池ケース内に入り込む虞がある。
【0011】
これに対し、上述の電池において、内向き内側開口部と外向き内側周縁部とは、短辺内側開口部と短辺内側周縁部との間で、それぞれ絶縁シート部材のシート延在部を介して圧接してなる。このため、封口蓋を電池ケース本体の開口に圧入する際にも、シール延在部が介在しているので、短辺内側開口部と短辺内側周縁部とが当接し、擦れて金属異物が生じるのを防止できる。また、たとえ金属異物が生じた場合でも、シート延在部によって、短辺内側開口部と短辺内側周縁部との間から金属異物が電池ケース内へ入り込むのを防止することができる。
【0012】
さらに、上述の電池であって、前記内向き内側開口部は、前記開口の長辺をなす一対の長辺内側開口部を含み、前記外向き内側周縁部は、前記封口蓋の長辺をなす一対の長辺内側周縁部を含み、上記封口蓋は、前記電池ケース本体の上記開口に、上記長辺内側周縁部が上記長辺内側開口部に対して隙間ばめとなる形態ではめ込まれてなる電池とすると良い。
【0013】
上述の電池では、電池ケース本体の開口と封口蓋とは、長辺内側開口部と長辺内側周縁部とが隙間ばめとなっている。このため、製造の際、長辺内側開口部と長辺内側周縁部との間で接触して擦れることなく、封口蓋を電池ケース本体の開口内に挿入できるので、これらから金属異物が発生し難い。従って、電池ケース内への異物の混入を抑制した電池とすることができる。
【0014】
本発明の他の態様は、電極体と、上記電極体を内部に収容してなる矩形箱状の電池ケースであって、金属からなり上記電極体を収容可能な矩形有底筒状の電池ケース本体、及び、金属からなり上記電池ケース本体の矩形状の開口を封口する矩形板状の封口蓋、を有する電池ケースと、絶縁樹脂シートからなり、上記電極体と上記電池ケース本体との間に介在して両者を絶縁する絶縁シート部材と、を備え、上記電池ケースは、上記電池ケース本体の上記開口をなす開口部と上記封口蓋の周縁部との間に、両者が対向する対向間隙を形成してなり、かつ、上記開口部と上記周縁部とを、外部から上記周縁部の一周にわたり気密に溶接してなる溶接部を有し、上記電池ケース本体の上記開口部は、上記対向間隙のうち、上記溶接部よりも上記電池ケースの内側に位置する内側間隙部に面する内側開口部を含み、上記封口蓋の上記周縁部は、上記対向間隙の上記内側間隙部に面し、上記内側開口部と対向する内側周縁部を含み、上記内側開口部と上記内側周縁部とは、上記封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記絶縁シート部材の一部が上記封口蓋側に延びてなるシート延在部を介して圧接してなる電池の製造方法であって、溶接前封口蓋を溶接前ケース本体の上記開口に配置し、上記溶接前ケース本体の上記開口をなす溶接前開口部と上記溶接前封口蓋の溶接前周縁部との間に、両者が対向する溶接前対向間隙を構成すると共に、上記内側開口部と上記内側周縁部とを、上記溶接前封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記シート延在部を介して圧接させる圧接工程と、上記内側開口部と上記内側周縁部とを圧接させた状態で、上記溶接前開口部のうち、上記溶接前対向間隙のうち上記内側間隙部よりも外側の部位に面する外側開口部と、上記溶接前周縁部のうち、上記溶接前対向間隙の上記外側の部位に面して、上記外側開口部に対向する外側周縁部とを、外部から上記溶接前周縁部の一周にわたり気密に溶接する溶接工程と、を備える電池の製造方法である。
【0015】
上述の電池の製造方法では、上述した圧接工程と溶接工程とを備えるので、電極体と電池ケース本体との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やすことなく、少なくとも絶縁シート部材のシート延在部が介在している部分から電池ケース内への異物の混入を防止した電池を製造することができる。
【0016】
さらに、上述の電池の製造方法であって、前記内側開口部は、矩形状で前記開口の径方向内側を向く内向き内側開口部であり、上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側開口部を含み、前記内側周縁部は、矩形状で前記封口蓋の径方向外側を向く外向き内側周縁部であり、上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側周縁部を含み、上記内向き内側開口部と上記外向き内側周縁部とは、上記短辺内側開口部と上記短辺内側周縁部との間で、それぞれ前記絶縁シート部材の前記シート延在部を介して圧接してなる電池の製造方法とすると良い。
【0017】
上述の電池の製造方法では、電池ケース本体の内向き内側開口部と封口蓋の外向き内側周縁部とは、短辺内側開口部と短辺内側周縁部との間で、それぞれ絶縁シート部材のシート延在部を介して圧接してなる。このため、圧接工程の際、短辺内側開口部と短辺内側周縁部とが当接し、擦れて金属異物が生じるのを防止して電池を製造できる。
また、たとえ金属異物が生じた場合でも、絶縁シート部材のシート延在部の介在によって、短辺内側開口部と短辺内側周縁部との間から金属異物が電池ケース内へ入り込むのを防止した電池を製造できる。
さらに、内側開口部が開口の径方向内側を向く内向き内側開口部で、内側周縁部が開口内に位置する封口蓋の径方向外側を向く外向き内側周縁部である。このため、短辺内側開口部と短辺内側周縁部とが、溶接の際、外部からの力を要せずに自立して圧接した状態を保つことができるので、溶接が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態及び変形形態1,3にかかる電池の斜視図である。
【図2】実施形態及び変形形態1,3にかかる電池の上面図である。
【図3】実施形態にかかる電池の、図2のA−A矢視断面における部分拡大断面図である。
【図4】実施形態及び変形形態1,3にかかる電池の、図2のB−B矢視断面における部分拡大断面図である。
【図5】実施形態にかかる電池の拡大断面図(図3のC部)である。
【図6】実施形態及び変形形態1〜6の絶縁シート部材の斜視図である。
【図7】実施形態及び変形形態1〜6にかかる電池の製造方法に用いる溶接前封口蓋の斜視図である。
【図8】実施形態及び変形形態1〜6にかかる電池の製造方法に用いる溶接前ケース本体の斜視図である。
【図9】実施形態及び変形形態1,2にかかる電池の製造方法のうち、圧接工程の説明図である。
【図10】実施形態及び変形形態1にかかり、溶接前封口蓋を溶接前ケース本体の開口に挿入した状態を示す説明図である。
【図11】実施形態にかかり、溶接前封口蓋が絶縁シート部材を介して溶接前ケース本体と圧接している状態を示す説明図(図10のD−D矢視部分拡大断面図)である。
【図12】実施形態及び変形形態1にかかり、溶接前封口蓋と溶接前ケース本体との間に隙間を生じている様子を示す説明図(図10のE−E矢視断面図)である。
【図13】実施形態及び変形形態1にかかる電池の製造方法のうち、溶接工程の説明図である。
【図14】変形形態1にかかる電池の、図2のA−A矢視断面における部分拡大断面図である。
【図15】変形形態2,4〜6にかかる電池の斜視図である。
【図16】変形形態2,4〜6にかかる電池の上面図である。
【図17】変形形態2にかかる電池の、図16のF−F矢視断面における部分拡大断面図である。
【図18】変形形態2,4〜6にかかる電池の製造方法のうち、溶接工程の説明図である。
【図19】変形形態3にかかる電池の、図2のA−A矢視断面における部分拡大断面図である。
【図20】変形形態4にかかる電池の、図16のF−F矢視断面における部分拡大断面図である。
【図21】変形形態5にかかる電池の、図16のF−F矢視断面における部分拡大断面図である。
【図22】変形形態6にかかる電池の、図16のF−F矢視断面における部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態にかかる電池1について、図1〜5を参照して説明する。
この電池1は、扁平な長円柱形状の電極体40と、矩形箱状の電池ケース10と、絶縁樹脂シートからなる袋状の絶縁シート部材20とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1参照)。
【0020】
このうち、電極体40は、帯状の正極板41及び負極板42が、帯状のセパレータ43を介して扁平形状に捲回されてなる捲回型の電極体である(図1参照)。なお、この電極体40では、正極板41と負極板42とがセパレータ43を介して対向している。また、この電極体40の正極板41及び負極板42はそれぞれ、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材91又は負極集電部材92と接合している(図1参照)。
【0021】
ポリエチレンからなる帯状のセパレータ43は、正極板41と負極板42との間に介在して、これらを離間させている。このセパレータ43には、全体に電解液(図示しない)が含浸させてある。なお、この電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、体積比でEC:EMC:DMC=1:1:1に調製した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオンを1mol/lの濃度とした非水電解液である。
【0022】
また、正極板41は、帯状のアルミニウム箔(図示しない)と、このアルミニウム箔の両主面上に形成された、帯状の2つの正極活物質層(図示しない)とを有している。このうち正極活物質層は、LiNi1/3Co1/3Mn1/32からなる正極活物質粒子、アセチレンブラックからなる導電材、及び、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる結着材を含む。
【0023】
一方、負極板42は、帯状の銅箔(図示しない)と、この銅箔の両主面上に形成された、帯状の2つの負極活物質層(図示しない)とを有している。なお、このうち負極活物質層は、天然黒鉛からなる負極活物質粒子、及び、カルボキシメチルセルロース(CMC)からなる結着材を含む。
【0024】
上述した電極体40を内部に収容してなる電池ケース10は、共にアルミニウム製の電池ケース本体12及び封口蓋16と、これら電池ケース本体12及び封口蓋16の溶接により形成された溶接部11とを有する(図1,2参照)。
このうち、電池ケース本体12は、電極体40全体を収容可能な矩形有底筒状である(図1,2参照)。具体的には、この電池ケース本体12は、図1中、下方に位置する矩形板状の底部12Gと、この底部12Gの四方の縁のうちの短辺縁から垂直に立ち上がる平板状の2つの第1壁部12H,12Hと、底部12Gの長辺縁から垂直に立ち上がる平板状の2つの第2壁部12J,12Jとからなる。また、この電池ケース本体12は、矩形状の開口HMをなす開口部13を有する(図2〜5参照)。
【0025】
一方、封口蓋16は矩形板状であり、電池ケース本体12の開口HM内に位置して、この開口HMを封口している(図1,2参照)。また、この封口蓋16は、自身の四方の縁をなす周縁部17を有する(図2参照)。
なお、この封口蓋16には、電極体10と接続している正極集電部材91及び負極集電部材92のうち、それぞれ先端側に位置する正極端子部91A及び負極端子部92Aが、この封口蓋16を貫通して、図1中、上方に向く蓋表面16aから突出している。また、これら正極端子部91A及び負極端子部92Aと封口蓋16との間には、それぞれ絶縁性の樹脂からなる絶縁部材95が介在し、両者を絶縁している。さらに、この封口蓋16には矩形板状の安全弁97も封着されている。
【0026】
図3〜5に示すように、電池ケース10のうち、電池ケース本体12の開口部13と封口蓋16の周縁部17との間には、両者が対向する対向間隙Sが形成されている。また、この対向間隙Sのうち、溶接部11よりも電池ケース10の内側に位置する部位を内側間隙部SXとする(図3〜5参照)。
なお、電池ケース本体12の開口部13、及び、封口蓋16の周縁部17は、その内側対向間隙SXにそれぞれ面する内側開口部13X、及び、内側周縁部17Xを含んでいる(図3〜5参照)。
【0027】
さらに、電池ケース本体12の内側開口部13Xは、開口HMのうちの短辺をなす2つの短辺内側開口部13XA,13XA、及び、開口HMのうちの長辺をなす2つの長辺内側開口部13XB,13XBからなる(図3〜5参照)。また、この内側開口部13Xは、電池ケース本体12において、矩形状の開口HMの径方向内側(図5中、左側から右側)を向く内向き内側開口部である。
一方、封口蓋16の内側周縁部17Xは、封口蓋16の短辺縁をなす2つの短辺内側周縁部17XA,17XA、及び、封口蓋16の長辺縁をなす2つの長辺内側周縁部17XB,17XBからなる(図3〜5参照)。また、この内側周縁部17Xは、封口蓋16において、自身の径方向外側(図5中、右側から左側)を向く外向き内側周縁部である。
【0028】
また、電池ケース10の溶接部11は、図2に示すように、電池ケース本体12と封口蓋16との間に、矩形環状に形成されている。また、この溶接部11は、図4,5に示すように、前述した電池ケース本体12の内側開口部13X(短辺内側開口部13XA,長辺内側開口部13XB)、及び、封口蓋16の内側周縁部17X(短辺内側周縁部17XA,長辺内側周縁部17XB)にそれぞれ隣在している。この溶接部11は、後述する溶接前ケース本体12Fの溶接前開口部13Fにおける外側開口部13Yと、溶接前封口蓋16Fの溶接前周縁部17Fにおける外側周縁部17Yとを、電池ケース10の外部から周縁部17(溶接前周縁部17F)の一周にわたり気密に溶接して形成される。
【0029】
ところで、図1に示すように、前述した電極体40と、電池ケース10のうち電池ケース本体12との間には、厚みが0.05mmのポリプロピレン(PP)のシートからなる絶縁シート部材20が介在して両者を絶縁している。
この絶縁シート部材20は、図6に示すように、電極体40を収容可能な矩形有底筒状のシート本体部22と、このシート本体部22から、図6中、上方に一部延出する2つのシート延在部21,21とを有する。このうち、シート本体部22は、図6中、下方に位置する矩形板状のシート底部22Gと、このシート底部22Gの四方の縁のうちの短辺縁から垂直に立ち上がる平板状の2つの第1シート壁部22H,22Hと、シート底部22Gの長辺縁から垂直に立ち上がる平板状の2つの第2シート壁部22J,22Jとからなる。また、シート延在部21は、これらのうち、2つの第1シート壁部22H,22Hから、図6中、上方にそれぞれ延出してなる部位である。
【0030】
また、この絶縁シート部材20のシート本体部22は、前述した電池ケース本体12の内側に接するように配置されている。即ち、シート本体部22のシート底部22Gは電池ケース本体12の底部12Gに、シート本体部22の第1シート壁部22Hは電池ケース本体12の第1壁部12Hに、シート本体部22の第2シート壁部22Jは電池ケース本体12の第2壁部12Jに、それぞれ電池ケース本体12の内側から接している(図1参照)。
【0031】
加えて、本実施形態にかかる電池1では、図5に示すように、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間に生じる典型的な隙間t1(短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの寸法差の半分)が、絶縁シート部材20の厚み(0.05mm)よりも小さくされている。これにより、電池ケース本体12の内側開口部13Xにおける短辺内側開口部13XAと、封口蓋16の内側周縁部17Xにおける短辺内側周縁部17XAとは、絶縁シート部材20のシート延在部21を介して圧接している。かくして、この電池1では、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間には、シート延在部21が介在しているため、電池ケース10内に通じてはいない。
【0032】
一方、この電池1において、電池ケース10は、図4に示すように、電池ケース本体12の内側開口部13Xにおける長辺内側開口部13XBと、封口蓋16の内側周縁部17Xにおける長辺内側周縁部17XBとは、わずかに離間している。つまり、これら長辺内側開口部13XBと長辺内側周縁部17XBとの間に、わずかな隙間(前述した内側間隙部SX)が生じている。これは、後述するように、電池ケース本体12の開口HMに、長辺内側周縁部17XBと長辺内側開口部13XBとが隙間ばめとなる形態で、溶接前封口蓋16Fを溶接前ケース本体12Fの開口HMにはめ込んでいるためである。
【0033】
この本実施形態にかかる電池1では、絶縁シート部材20のシート延在部21が、電池ケース本体12の内側開口部13X(短辺内側開口部13XA)と、封口蓋16の内側周縁部17X(短辺内側周縁部17XA)との間に介在している。このため、絶縁シート部材20で電極体40と電池ケース本体12との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やすことなく、少なくとも絶縁シート部材20のシート延在部21が介在している部分(短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間)からの電池ケース10内への異物混入を防止することができる。
【0034】
また、この電池1において、内側開口部13Xと内側周縁部17Xとは、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間で、それぞれ絶縁シート部材20のシート延在部21を介して圧接してなる。このため、封口蓋16を電池ケース本体12の開口HMに圧入する際にも、シール延在部21が介在しているので、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとが当接し、擦れて金属異物が生じるのを防止できる。また、たとえ金属異物が生じた場合でも、シート延在部21によって、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間から金属異物が電池ケース内へ入り込むのを防止することができる。
【0035】
また、この電池1では、電池ケース本体12の開口HMと封口蓋16とは、長辺内側開口部13XBと長辺内側周縁部17XBとが隙間ばめとなっている。このため、製造の際、長辺内側開口部13XBと長辺内側周縁部17XBとの間で接触して擦れることなく、封口蓋16を電池ケース本体12の開口HM内に挿入できるので、これらから金属異物が発生し難い。このため、電池ケース10内への異物の混入を抑制した電池1とすることができる。
【0036】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法について、図7〜13を参照しつつ説明する。
まず、電極体40をなす正極板41を作製する。具体的には、正極活物質粒子、結着剤及び導電剤を溶媒中で混練してできたペースト(図示しない)を、帯状のアルミニウム箔(図示しない)の両主面に塗布し、その後、ペーストを乾燥させた。なお、ペーストは、アルミニウム箔の幅方向一方の側縁側を帯状に空けて、アルミニウム箔の両主面に塗布した。
さらに、図示しないロールプレスで、アルミニウム箔の両主面上で乾燥させたペーストを圧縮して、正極板41を作製した。
【0037】
一方、負極板42を作製する。具体的には、負極活物質粒子及び結着剤を溶媒中で混練してできたペースト(図示しない)を、帯状の銅箔(図示しない)の両主面に塗布し、その後、ペーストを乾燥させた。なお、ペーストは、銅箔の幅方向一方の側縁側を帯状に空けて、銅箔の両主面に塗布した。
さらに、図示しないロールプレスで、銅箔の両主面上で乾燥させたペーストを圧縮して、負極板42を作製した。
【0038】
続いて、上述のように作製した正極板41及び負極板42を、前述した2つの帯状のセパレータ43,43と共に円筒形状に捲回し、その後、側面(円筒面)を外部から押し潰して、扁平な長円柱形状の電極体40を製造した(図1参照)。
【0039】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうちの圧接工程について説明する。
この圧接工程では、溶接前封口蓋16F及び溶接前ケース本体12Fを用いる。このうち溶接前封口蓋16Fは、図7に示すように、矩形板状であり、自身の四方の縁をなす溶接前周縁部17Fを有する。なお、本実施形態では、溶接前封口蓋16Fに、正極集電部材91及び負極集電部材92を、絶縁部材95を介して予め貫通、固着させておく(図7参照)。
一方、溶接前ケース本体12Fは、図8に示すように、矩形有底筒状の形状であり、矩形状の開口HMをなす溶接前開口部13Fを有する。
【0040】
圧接工程に先立ち、封口蓋加工工程を行う。この封口蓋加工工程では、溶接前封口蓋16Fに貫通する正極集電部材91及び負極集電部材92に、電極体40を公知の方法で接合(溶接)する。そして、溶接前封口蓋16Fと一体となった電極体40の周りを、前述した絶縁シート部材20で覆う(図9参照)。具体的には、絶縁シート部材20のシート本体部22内に電極体40全体を収容する。なお、このとき、シート本体部22のシート底部22Gの一部と電極体40とを接着する。
【0041】
次いで、圧接工程を行う。即ち、絶縁シート部材20で覆った電極体40を溶接前ケース本体12F内に挿入し、溶接前封口蓋16Fを、溶接前ケース本体12Fの開口HMに配置する(図9参照)。
その際、開口HMの長辺方向について、開口HMの内寸よりも大きな寸法の溶接前封口蓋16Fを、溶接前ケース本体12Fの開口HM内に圧入する。具体的には、図9に示すように、溶接前ケース本体12Fの溶接前周縁部17Fに対し、開口HMの長手方向両側から力F1を加えて、開口HMの短手方向における内寸を一時的に大きくする。このようにすることで、溶接前ケース本体12Fの溶接前開口部13Fのうちの長辺をなす部位(長辺内側開口部13XB、及び、後述する長辺外側開口部13YB)と、溶接前封口蓋16Fの溶接前周縁部17Fのうちの長辺をなす部位(長辺内側周縁部17XB、及び、後述する長辺外側周縁部17YB)とを接触させないで、溶接前封口蓋16Fを開口HM内に配置することができる。
【0042】
図10に、溶接前封口蓋16Fを開口HMに配置した後の、溶接前封口蓋16F及び溶接前ケース本体12Fの上面図を示す。開口HMの短手方向について、溶接前封口蓋16Fと溶接前ケース本体12Fとの間には、わずかな隙間が生じている。
【0043】
溶接前ケース本体12Fと溶接前封口蓋16Fとの関係について、図11,12を参照してさらに説明する。
図10のD−D断面の部分拡大図である図11に示すように、溶接前ケース本体12Fの溶接前開口部13Fと溶接前封口蓋16Fの溶接前周縁部17Fとは、これらの間に、両者が対向する溶接前対向間隙SFを構成している。この溶接前対向間隙SFは、前述した内側間隙部SXのほか、この内側間隙部SXよりも外側に位置する外側間隙部SYを有している(図11参照)。
【0044】
また、溶接前ケース本体12Fの溶接前開口部13Fは、図11に示すように、開口HMの短辺をなす、前述した内側開口部13Xの短辺内側開口部13XAの他に、外側間隙部SYに面する外側開口部13Yの短辺外側開口部13YAを有する。また、溶接前封口蓋16Fの溶接前周縁部17Fは、図11に示すように、溶接前封口蓋16Fの短辺をなす、前述した内側周縁部17Xの短辺内側周縁部17XAの他に、外側間隙部SYに面し、外側開口部13Yに対向する外側周縁部17Yの短辺外側周縁部17YAを有している。
なお、短辺外側開口部13YAは、溶接前ケース本体12Fにおいて、短辺内側開口部13XAと同じく、矩形状の開口HMの径方向内側(図11中、左側から右側)を向く、内向き外側開口部である。また、短辺外側周縁部17YAは、溶接前封口蓋16Fにおいて、短辺内側周縁部17XAと同じく、溶接前封口蓋16Fの径方向外側(図11中、右側から左側)に向く、外向き外側周縁部である。
【0045】
一方、図10のE−E断面の部分拡大図である図12に示すように、溶接前ケース本体12Fの溶接前開口部13Fは、開口HMの長辺をなす、前述した内側開口部13Xの長辺内側開口部13XBの他に、外側間隙部SYに面する外側開口部13Yの長辺外側開口部13YBを有する。また、溶接前封口蓋16Fの溶接前周縁部17Fは、図12に示すように、溶接前封口蓋16Fの長辺をなす、前述した内側周縁部17Xの長辺内側周縁部17XBの他に、外側間隙部SYに面し、外側開口部13Yに対向する外側周縁部17Yの長辺外側周縁部17YBを有している。
なお、長辺外側開口部13YBは、溶接前ケース本体12Fにおいて、長辺内側開口部13XBと同じく、矩形状の開口HMの径方向内側(図12中、左右方向外側から内側)を向く、内向き外側開口部である。また、長辺外側周縁部17YBは、溶接前封口蓋16Fにおいて、長辺内側周縁部17XBと同じく、溶接前封口蓋16Fの径方向外側(図12中、左右方向内側から外側)に向く、外向き外側周縁部である。
【0046】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、溶接工程について説明する。
この溶接工程では、前述した圧接工程の後、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとを圧接させた状態で、溶接前開口部13Fのうち外側開口部13Yと、溶接前周縁部17Fのうち外側周縁部17Yとを、外部から溶接前周縁部17Fの一周にわたり気密に溶接する。具体的には、短辺外側開口部13YAと短辺外側周縁部17YA、及び、長辺外側開口部13YBと長辺外側周縁部17YBに、それぞれYAGレーザ光LBを照射して溶接する(図13参照)。
なお、長辺外側開口部13YBと長辺外側周縁部17YBとを溶接する際、図13に示すように、溶接前ケース本体12Fの溶接前周縁部17Fに対し、開口HMの短手方向両側から力F2を加えて、長辺外側開口部13YBと長辺外側周縁部17YBとの間の隙間を減少させる。このようにすると、長辺外側開口部13YBと長辺外側周縁部17YBとをより確実に溶接させることができる。
【0047】
上述した溶接工程の後、図示しない電解液を電池ケース内に注入し、封口蓋16の蓋表面16aに安全弁97を封着して、電池1ができあがる(図1参照)。
【0048】
以上より、本実施形態にかかる電池1の製造方法では、前述した圧接工程と溶接工程とを備える。このため、電極体40と電池ケース本体12との間の絶縁をしつつ、部品点数を増やすことなく、絶縁シート部材20のシート延在部21が介在している部分(短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間)から電池ケース10内への異物の混入を防止した電池1を製造することができる。
【0049】
また、この製造方法では、電池ケース本体12の内側開口部13Xと封口蓋16の内側周縁部17Xとは、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間で、それぞれ絶縁シート部材20のシート延在部21を介して圧接してなる。このため、圧接工程の際、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとが当接し、擦れて金属異物が生じるのを防止して電池1を製造できる。
また、たとえ金属異物が生じた場合でも、絶縁シート部材20のシート延在部21の介在によって、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間から金属異物が電池ケース10内へ入り込むのを防止した電池1を製造できる。
【0050】
さらに、内側開口部13Xが開口HMの径方向内側を向く内向き内側開口部で、内側周縁部17Xが開口HM内に位置する封口蓋16の径方向外側を向く外向き内側周縁部である。このため、短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとが、溶接の際、外部からの力を要せずに自立して圧接した状態を保つことができるので、溶接が容易である。
【0051】
(変形形態1)
次に、本発明の変形形態1にかかる電池について、図1,2,4,6〜10,12〜14を参照しつつ説明する。なお、本変形形態1にかかる電池101は、電池ケース本体(溶接前ケース本体)と封口蓋(溶接前封口蓋)の形状が、前述した実施形態の電池1のものと異なる。
即ち、この電池101における電池ケース本体112は、内側開口部113Xの短辺内側開口部113XAが、開口HMの径方向に、溶接部11よりも封口蓋116側(図14中、左側から右側)に突出した形状とされている。
一方、封口蓋116は、内側周縁部117Xの短辺内側周縁部117XAが、溶接部11よりも封口蓋116自身の径方向内側(図14中、左側から右側)に入り込んだ形状とされている。
なお、電池ケース本体112の短辺内側開口部113XAと封口蓋116の短辺内側周縁部117XAとは、実施形態と同様、これら短辺内側開口部113XAと短辺内側周縁部117XAとの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図14参照)。
【0052】
さらに、この電池101の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋116Fについて言えば、溶接前周縁部117Fの外側周縁部117Yのうちの短辺外側周縁部117YA(図14中、破線で示す部位)が、溶接前封口蓋116Fの径方向に、短辺内側周縁部117XAよりも溶接前ケース本体112F側(図14中、右側から左側)に突出した形状とされている。
一方、溶接前ケース本体112Fに関しては、短辺内側開口部113XAが、開口HMの径方向に、溶接前開口部113Fの外側開口部113Yのうちの短辺外側開口部113YA(図14中、破線で示す部位)よりも溶接前封口蓋116F側(図14中、右側から左側)に突出した形状とされている。
【0053】
なお、圧接工程において、実施形態と同様にして、溶接前封口蓋116Fを溶接前ケース本体112Fの開口HM内に圧入する。このようにして、溶接前ケース本体112Fの短辺内側開口部113XAと溶接前封口蓋116Fの短辺内側周縁部117XAとを、実施形態と同様、これら短辺内側開口部113XAと短辺内側周縁部117XAとの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接する。
【0054】
(変形形態2)
次に、本発明の変形形態2にかかる電池について、図6〜9,15〜18を参照しつつ説明する。なお、本変形形態2にかかる電池201は、電池ケース本体(溶接前ケース本体)と封口蓋(溶接前封口蓋)の形状が、前述した実施形態の電池1、及び、変形形態1の電池101と異なる。
【0055】
即ち、この電池201における電池ケース本体212は、内側開口部213Xの短辺内側開口部213XAが、開口HMの径方向に、溶接部211よりも封口蓋116側(図17中、左側から右側)に突出した形状とされている。
一方、封口蓋216の周縁部は、内側周縁部217Xの短辺内側周縁部217XAが、溶接部211よりも封口蓋216自身の径方向内側(図17中、左側から右側)に入り込んだ形状とされている。
【0056】
なお、電池ケース本体212の短辺内側開口部213XAと封口蓋216の短辺内側周縁部217XAとは、実施形態及び変形形態1と同様、これら短辺内側開口部213XAと短辺内側周縁部217XAとの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図17参照)。
また、この電池201では、溶接部211が電池ケース210の側面に位置している点で、溶接部11が電池ケース10の上面に位置している実施形態や変形形態1と異なる(図15参照)。
【0057】
さらに、この電池201の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋216Fについては、溶接前周縁部217Fの外側周縁部217Yのうちの短辺外側周縁部217YA(図17中、破線で示す部位)が、溶接前封口蓋216Fの径方向に、短辺内側周縁部217XAよりも溶接前ケース本体212F側(図17中、右側から左側)に突出した形状とされている。
一方、溶接前ケース本体212Fにおいて、溶接前開口部213Fの外側開口部213Yのうちの短辺外側開口部213YA(図17中、破線で示す部位)が、溶接前周縁部217Fの短辺外側周縁部217YAの、図17中、下方に位置する形態とされている。
【0058】
なお、圧接工程において、実施形態と同様にして、溶接前封口蓋216Fを溶接前ケース本体212Fの開口HM内に圧入する。このようにして、溶接前ケース本体212Fの短辺内側開口部213XAと溶接前封口蓋216Fの短辺内側周縁部217XAとを、実施形態及び変形形態1と同様、これら短辺内側開口部213XAと短辺内側周縁部217XAとの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接する。
また、本変形形態2の溶接工程では、できあがる電池ケース210の側面に位置する外側開口部213Y及び外側周縁部217Yに向けて、YAGレーザ光LBを照射して溶接する(図18参照)。
【0059】
(変形形態3)
次に、本発明の変形形態3にかかる電池について、図1,2,4,6〜8,19を参照しつつ説明する。なお、実施形態にかかる電池1は、前述した内向き内側開口部である電池ケース本体12の短辺内側開口部13XAと、前述した外向き内側周縁部である封口蓋16の短辺内側周縁部17XAとの間で、絶縁シート部材20のシート延在部21を介して圧接してなる。つまり、開口HM(又は封口蓋16)の径方向について互いに対向する短辺内側開口部13XAと短辺内側周縁部17XAとの間にシート延在部21を介在している(図5参照)。
これに対して、本変形形態3にかかる電池301は、図19に示すように、開口HM(又は封口蓋316)の奥行き方向について互いに対向する、電池ケース本体312の短辺内側開口部313XAと封口蓋316の短辺内側周縁部317XAとの間にシート延在部21が介在している。
【0060】
即ち、この電池301における電池ケース本体312は、内側開口部313Xの短辺内側開口部313XAが、開口HMの径方向に、溶接部11よりも封口蓋316側(図19中、左側から右側)に突出した形状とされている。
一方、封口蓋316は、内側周縁部317Xの短辺内側周縁部317XAが、溶接部11よりも封口蓋316自身の径方向内側(図19中、左側から右側)に入り込んだ形状とされている。
また、短辺内側開口部313XAと短辺内側周縁部317XAとは、開口HM(又は封口蓋316)の奥行き方向(図19中、上下方向)に対向し合い、これら短辺内側開口部313XAと短辺内側周縁部317XAとの間にシート延在部21を介在して圧接している(図19参照)。
なお、電池ケース本体312の短辺内側開口部313XAと封口蓋316の短辺内側周縁部317XAとは、実施形態及び変形形態1,2と同様、これら短辺内側開口部313XAと短辺内側周縁部317XAとの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図19参照)。
【0061】
さらに、この電池301の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋316Fについては、溶接前周縁部317Fの外側周縁部317Yのうちの短辺外側周縁部317YA(図19中、破線で示す部位)が、溶接前封口蓋316Fの径方向に、短辺内側周縁部317XAよりも溶接前ケース本体312F側(図19中、右側から左側)に突出した形状とされている。
一方、溶接前ケース本体312Fに関しては、短辺内側開口部313XAが、開口HMの径方向に、溶接前開口部313Fの外側開口部313Yのうちの短辺外側開口部313YA(図19中、破線で示す部位)よりも溶接前封口蓋316F側(図19中、右側から左側)に突出した形状とされている。
【0062】
また、この電池301の製造方法の圧接工程において、溶接前ケース本体312Fに外部から力をかけずに、溶接前封口蓋316Fを溶接前ケース本体312Fの開口HMに配置する。なお、このとき、絶縁シート部材20のシート延在部21を、図19に示すように、溶接前封口蓋316Fの溶接前周縁部317Fの短辺内側周縁部317XAに沿って屈曲させながら、溶接前封口蓋316Fで溶接前ケース本体312Fの開口HMを封口する。
【0063】
また、電池301の製造方法の溶接工程では、実施形態とは異なり、開口HM(又は溶接前封口蓋316F)の奥行き方向(図19中、上下方向)に、溶接前封口蓋316Fと溶接前ケース本体312Fとを押さえ付けた状態でこれらを溶接する。これにより、実施形態及び変形形態1,2と同様、溶接前ケース本体312Fの短辺内側開口部313XAと溶接前封口蓋316Fの短辺内側周縁部317XAとが、これらの間にシート延在部21を介在して圧接した電池301を製造できる。
【0064】
(変形形態4)
次に、本発明の変形形態4にかかる電池について、図6〜8,15,16,18,20を参照しつつ説明する。なお、本変形形態4にかかる電池401は、電池ケース本体(溶接前ケース本体)と封口蓋(溶接前封口蓋)の形状が、前述した変形形態3の電池301のものと異なる。
【0065】
即ち、この電池401における電池ケース本体412は、内側開口部413Xの短辺内側開口部413XAが、溶接部211よりも開口HMの径方向内側(20中、左側から右側)に位置している形態とされている。
一方、封口蓋116は、内側周縁部117Xの短辺内側周縁部117XAが、溶接部211よりも封口蓋116自身の径方向内側(図20中、左側から右側)に位置している形態とされている。
なお、電池ケース本体412の短辺内側開口部413XAと封口蓋416の短辺内側周縁部417XAとは、実施形態及び変形形態1〜3と同様、これらの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図20参照)。
【0066】
さらに、この電池401の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋416Fについては、溶接前周縁部417Fの外側周縁部417Yのうちの短辺外側周縁部417YA(図20中、破線で示す部位)と短辺内側周縁部417XAとが、溶接前封口蓋416Fの径方向(図20中、左右方向)に並んだ形態とされている。
一方、溶接前ケース本体412Fに関しては、溶接前開口部413Fの外側開口部413Yのうちの短辺外側開口部413YA(図20中、破線で示す部位)と短辺内側開口部413XAとが、開口HMの径方向(図20中、左右方向)に並んだ形態とされている。
【0067】
また、溶接工程では、変形形態3と同様、開口HM(又は溶接前封口蓋416F)の奥行き方向(図20中、上下方向)に、溶接前封口蓋416Fと溶接前ケース本体412Fとを押さえ付けた状態でこれらを溶接する。これにより、実施形態及び変形形態1〜3と同様、溶接前ケース本体412Fの短辺内側開口部413XAと溶接前封口蓋416Fの短辺内側周縁部417XAとが、これらの間にシート延在部21を介在して圧接した電池401を製造できる。
【0068】
(変形形態5)
次に、本発明の変形形態5にかかる電池について、図6〜8,15,16,18,21を参照しつつ説明する。なお、本変形形態5にかかる電池501は、前述した変形形態4と同様、電池ケース本体(溶接前ケース本体)と封口蓋(溶接前封口蓋)の形状が、前述した変形形態3の電池301のものと異なる。
【0069】
即ち、この電池501における電池ケース本体512は、内側開口部513Xの短辺内側開口部513XAが、開口HMの奥行き方向(図21中、上下方向)に、溶接部211よりも電池ケース本体512側(図21中、下方)に入り込んだ形状とされている。
一方、封口蓋516は、内側周縁部517Xの短辺内側周縁部517XAが、封口蓋516の奥行き方向(図21中、上下方向)に、溶接部211よりも電池ケース本体512側(図21中、上方)に突出した形状とされている。
なお、電池ケース本体512の短辺内側開口部513XAと封口蓋516の短辺内側周縁部517XAとは、実施形態及び変形形態1〜4と同様、これらの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図21参照)。
【0070】
さらに、この電池501の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋516Fについては、短辺内側周縁部517XAが、溶接前封口蓋516Fの奥行き方向に、溶接前周縁部517Fの外側周縁部517Yのうちの短辺外側周縁部517YA(図21中、破線で示す部位)よりも溶接前ケース本体512F側(図21中、下方)に突出した形状とされている。
一方、溶接前ケース本体512Fに関しては、溶接前開口部513Fの外側開口部513Yのうちの短辺外側開口部513YA(図21中、破線で示す部位)が、開口HMの奥行き方向に、短辺内側開口部513XAよりも溶接前封口蓋516F側(図21中、上方)に突出した形状とされている。
【0071】
また、溶接工程では、変形形態3,4と同様、開口HMの奥行き方向(図21中、上下方向)に、溶接前封口蓋516Fと溶接前ケース本体512Fとを押さえ付けた状態でこれらを溶接する。これにより、実施形態及び変形形態1〜4と同様、溶接前ケース本体512Fの短辺内側開口部513XAと溶接前封口蓋516Fの短辺内側周縁部517XAとが、これらの間にシート延在部21を介在して圧接した電池501を製造できる。
【0072】
(変形形態6)
次に、本発明の変形形態6にかかる電池について、図6〜8,15,16,18,22を参照しつつ説明する。なお、本変形形態6にかかる電池601は、前述した変形形態4,5と同様、電池ケース本体(溶接前ケース本体)と封口蓋(溶接前封口蓋)の形状が、前述した変形形態3の電池301のものと異なる。
【0073】
即ち、この電池601における電池ケース本体612は、内側開口部613Xの短辺内側開口部613XAが、開口HMの奥行き方向(図22中、上下方向)に、溶接部211よりも封口蓋616側(図22中、上方)に突出した形状とされている。
一方、封口蓋616は、内側周縁部617Xの短辺内側周縁部617XAが、封口蓋616の奥行き方向(図22中、上下方向)に、溶接部211よりも封口蓋616側(図22中、下方)に入り込んだ形状とされている。
なお、電池ケース本体612の短辺内側開口部613XAと封口蓋616の短辺内側周縁部617XAとは、実施形態及び変形形態1〜5と同様、これらの間に絶縁シート部材20のシート延在部21を介在して圧接している(図22参照)。
【0074】
さらに、この電池601の製造方法のうちの圧接工程に用いる溶接前封口蓋616Fについては、溶接前周縁部617Fの外側周縁部617Yのうちの短辺外側周縁部617YA(図22中、破線で示す部位)が、溶接前封口蓋616Fの奥行き方向に、短辺内側周縁部617XAよりも溶接前ケース本体612F側(図22中、下方)に突出した形状とされている。
一方、溶接前ケース本体612Fに関しては、短辺内側開口部613XAが、開口HMの奥行き方向に、溶接前開口部613Fの外側開口部613Yのうちの短辺外側開口部613YA(図22中、破線で示す部位)よりも溶接前封口蓋616F側(図22中、上方)に突出した形状とされている。
【0075】
また、溶接工程では、変形形態3〜5と同様、開口HMの奥行き方向(図22中、上下方向)に、溶接前封口蓋616Fと溶接前ケース本体612Fとを押さえ付けた状態でこれらを溶接する。これにより、実施形態及び変形形態1〜5と同様、溶接前ケース本体612Fの短辺内側開口部613XAと溶接前封口蓋616Fの短辺内側周縁部617XAとが、これらの間にシート延在部21を介在して圧接した電池601を製造できる。
【0076】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態1〜6に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態及び変形形態1〜6では、捲回型の電極体40を示したが、例えば、複数の正極板と複数の負極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型の電極体としても良い。また、扁平な長円柱形状の捲回型の電極体40を示したが、例えば、円筒形状としても良い。
また、絶縁シート部材20の材質をポリプロピレン(PP)としたが、このポリプロピレンのほか、例えば、ポリエチレン(PE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が挙げられる。
【0077】
また、実施形態の圧接工程では、溶接前封口蓋16Fに予め貫通、固着させておいた正極集電部材91及び負極集電部材92に電極体40を接合(溶接)した。しかし、例えば、電極体40に正極集電部材91及び負極集電部材92を接合(溶接)した後に、これら正極集電部材91及び負極集電部材92を溶接前封口蓋16Fに貫通、固着させても良い。
また、溶接前封口蓋16Fと一体となった電極体40の周りを絶縁シート部材20で覆った後に、この絶縁シート部材20と共に電極体40を溶接前ケース本体12F内に挿入した。しかし、例えば、溶接前ケース本体12Fの内に絶縁シート部材20を予め配置させておき、電極体40を溶接前ケース本体12F及び絶縁シート部材20内に挿入しても良い。
【符号の説明】
【0078】
1,101,201,301,401,501,601 リチウムイオン二次電池(電池)
10,110,210,310,410,510,610 電池ケース
11,211 溶接部
12,112,212,312,412,512,612 電池ケース本体
12F,112F,212F,312F,412F,512F,612F 溶接前ケース本体
13,113,213,313,413,513,613 開口部
13F,113F,213F,313F,413F,513F,613F 溶接前開口部
13X,113X,213X,313X,413X,513X,613X 内側開口部(内向き内側開口部)
13XA,113XA,213XA,313XA,413XA,513XA,613XA 短辺内側開口部
13XB 長辺内側開口部
13Y,113Y,213Y,313Y,413Y,513Y,613Y 外側開口部
16,116,216,316,416,516,616 封口蓋
16F,116F,216F,316F,416F,516F,616F 溶接前封口蓋
17,117,217,317,417,517,617 周縁部
17F,117F,217F,317F,417F,517F,617F 溶接前周縁部
17X,117X,217X,317X,417X,517X,617X 内側周縁部(外向き内側周縁部)
17XA,117XA,217XA,317XA,417XA,517XA,617XA 短辺内側周縁部
17XB 長辺内側周縁部
17Y,117Y,217Y,317Y,417Y,517Y,617Y 外側周縁部
20 絶縁シート部材
21 シート延在部
40 電極体
S 対向間隙
SF 溶接前対向間隙
SX 内側間隙部
SY 外側間隙部(溶接前対向間隙のうち、内側間隙部よりも外側の部位)
HM 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
上記電極体を内部に収容してなる矩形箱状の電池ケースであって、
金属からなり上記電極体を収容可能な矩形有底筒状の電池ケース本体、及び、
金属からなり上記電池ケース本体の矩形状の開口を封口する矩形板状の封口蓋、を有する
電池ケースと、
絶縁樹脂シートからなり、上記電極体と上記電池ケース本体との間に介在して両者を絶縁する絶縁シート部材と、を備え、
上記電池ケースは、
上記電池ケース本体の上記開口をなす開口部と上記封口蓋の周縁部との間に、両者が対向する対向間隙を形成してなり、かつ、
上記開口部と上記周縁部とを、外部から上記周縁部の一周にわたり気密に溶接してなる溶接部を有する
電池であって、
上記電池ケース本体の上記開口部は、
上記対向間隙のうち、上記溶接部よりも上記電池ケースの内側に位置する内側間隙部に面する内側開口部を含み、
上記封口蓋の上記周縁部は、
上記対向間隙の上記内側間隙部に面し、上記内側開口部と対向する内側周縁部を含み、
上記内側開口部と上記内側周縁部とは、上記封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記絶縁シート部材の一部が上記封口蓋側に延びてなるシート延在部を介して圧接してなる
電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池であって、
前記内側開口部は、
矩形状で前記開口の径方向内側を向く内向き内側開口部であり、
上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側開口部を含み、
前記内側周縁部は、
矩形状で前記封口蓋の径方向外側を向く外向き内側周縁部であり、
上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側周縁部を含み、
上記内向き内側開口部と上記外向き内側周縁部とは、
上記短辺内側開口部と上記短辺内側周縁部との間で、それぞれ前記絶縁シート部材の前記シート延在部を介して圧接してなる
電池。
【請求項3】
請求項2に記載の電池であって、
前記内向き内側開口部は、
前記開口の長辺をなす一対の長辺内側開口部を含み、
前記外向き内側周縁部は、
前記封口蓋の長辺をなす一対の長辺内側周縁部を含み、
上記封口蓋は、
前記電池ケース本体の上記開口に、上記長辺内側周縁部が上記長辺内側開口部に対して隙間ばめとなる形態ではめ込まれてなる
電池。
【請求項4】
電極体と、
上記電極体を内部に収容してなる矩形箱状の電池ケースであって、
金属からなり上記電極体を収容可能な矩形有底筒状の電池ケース本体、及び、
金属からなり上記電池ケース本体の矩形状の開口を封口する矩形板状の封口蓋、を有する
電池ケースと、
絶縁樹脂シートからなり、上記電極体と上記電池ケース本体との間に介在して両者を絶縁する絶縁シート部材と、を備え、
上記電池ケースは、
上記電池ケース本体の上記開口をなす開口部と上記封口蓋の周縁部との間に、両者が対向する対向間隙を形成してなり、かつ、
上記開口部と上記周縁部とを、外部から上記周縁部の一周にわたり気密に溶接してなる溶接部を有し、
上記電池ケース本体の上記開口部は、
上記対向間隙のうち、上記溶接部よりも上記電池ケースの内側に位置する内側間隙部に面する内側開口部を含み、
上記封口蓋の上記周縁部は、
上記対向間隙の上記内側間隙部に面し、上記内側開口部と対向する内側周縁部を含み、
上記内側開口部と上記内側周縁部とは、上記封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記絶縁シート部材の一部が上記封口蓋側に延びてなるシート延在部を介して圧接してなる
電池の製造方法であって、
溶接前封口蓋を溶接前ケース本体の上記開口に配置し、上記溶接前ケース本体の上記開口をなす溶接前開口部と上記溶接前封口蓋の溶接前周縁部との間に、両者が対向する溶接前対向間隙を構成すると共に、上記内側開口部と上記内側周縁部とを、上記溶接前封口蓋の周方向の少なくとも一部において、上記シート延在部を介して圧接させる圧接工程と、
上記内側開口部と上記内側周縁部とを圧接させた状態で、上記溶接前開口部のうち、上記溶接前対向間隙のうち上記内側間隙部よりも外側の部位に面する外側開口部と、上記溶接前周縁部のうち、上記溶接前対向間隙の上記外側の部位に面して、上記外側開口部に対向する外側周縁部とを、外部から上記溶接前周縁部の一周にわたり気密に溶接する溶接工程と、を備える
電池の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電池の製造方法であって、
前記内側開口部は、
矩形状で前記開口の径方向内側を向く内向き内側開口部であり、
上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側開口部を含み、
前記内側周縁部は、
矩形状で前記封口蓋の径方向外側を向く外向き内側周縁部であり、
上記矩形の短辺をなす一対の短辺内側周縁部を含み、
上記内向き内側開口部と上記外向き内側周縁部とは、
上記短辺内側開口部と上記短辺内側周縁部との間で、それぞれ前記絶縁シート部材の前記シート延在部を介して圧接してなる
電池の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−186005(P2012−186005A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48086(P2011−48086)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】