説明

電池及び電池の製造方法

【課題】 製造の際には、電極体を電池ケース内に容易に挿入でき、しかも、電池特性の低下を抑制した電池の製造方法、及び、電池を提供する。
【解決手段】 電池1の第1ケース壁部13は、板厚TWが長辺方向端部13Eから中央部13Cに向かうに連れて漸減する形状を有し、挿入前電池ケース本体11Bは、電極体対向面14が外側に凸の形態とされてなる。電池1の製造方法は、電池外の押圧部材60で第1ケース壁部を押圧して、その外側面15が内側に凸となり、電極体主平面30SF全体に電極体対向面が当接する形態に反転変形させ、押圧部材により第1ケース壁部を介して電極体30を厚み方向DNに圧縮する変形圧縮工程と、第1ケース壁部による電極体の圧縮を継続させる圧縮継続処理を行う圧縮継続処理工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体と、有底矩形箱形の電池ケース本体を有する電池ケースとを備える電池、及び、この電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両の駆動用電源に、充放電可能なリチウムイオン二次電池(以下、単に電池ともいう)が利用されている。
このような電池として、例えば、特許文献1には、角型ケースの開口部の周縁を構成する側壁のうち、一対の長辺側壁の端部が、その長辺側壁の中央部よりも肉厚に形成された電池が開示され、これにより、角型ケース内の正しい位置に電極体ユニットを傾けずに収容できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−259450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
なお、この特許文献1に記載の電池は、一対の長辺側壁同士がなしている内寸のうち、各長辺側壁の中央部同士間の内寸が、端部同士間の内寸より大きい形態である(特許文献1の図5を参照)。このため、電池を製造する際、開口部を通じて電極体ユニットを角型ケースに挿入し易い。
【0005】
しかしながら、特許文献1の電池では、長辺側壁の中央部と電極体ユニット(電極体)との間に隙間が生じており、一対の長辺側壁同士で電極体の厚み方向に荷重を加えることができない。ところで、電池に初期充電などを行うと電極体内にガスが発生することがある。すると、厚み方向に荷重の加えられていない(圧縮されていない)電極体では、このガスが正極板或いは負極板とセパレータとの間に滞留し易く、この滞留したガスが正極板と負極板との間の電池反応を妨害するため、電池特性が低下してしまう場合がある。
【0006】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであって、製造の際には、電極体を電池ケース内に容易に挿入でき、しかも、電池特性の低下を抑制した電池の製造方法、及び、電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、自身の厚み方向に直交する一対の電極体主平面を有する電極体と、上記電極体を収容し、上記一対の電極体主平面にそれぞれ対向する一対の電極体対向面をなす一対の第1ケース壁部を含む有底矩形箱形の電池ケース本体、及び、上記電池ケース本体の矩形状の開口を封止した封口蓋を有する電池ケースと、を備え、上記一対の第1ケース壁部により、上記電極体のうち上記一対の電極体主平面同士間全体が上記厚み方向に圧縮されてなる電池の製造方法であって、上記一対の第1ケース壁部は、各々の板厚が、自身の端部のうち、上記開口の長辺方向の両端側にそれぞれ位置する長辺方向端部から、上記長辺方向の中央部に向かうに連れて漸減する形状を有し、上記電池ケース本体のうち、上記電極体を挿入する前の挿入前電池ケース本体は、上記一対の第1ケース壁部のうち上記一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸の形態とされてなり、上記挿入前電池ケース本体内に、上記電極体を挿入する挿入工程と、上記挿入工程後、上記挿入前電池ケース本体の上記開口を上記封口蓋で封口する封口工程と、電池外の押圧部材で上記一対の第1ケース壁部を押圧して、その各外側面がそれぞれ内側に凸となり、上記電極体の上記一対の電極体主平面全体にそれぞれ上記電極体対向面が当接する形態に反転変形させ、上記押圧部材により上記第1ケース壁部を介して上記電極体を上記厚み方向に圧縮する変形圧縮工程と、上記押圧部材の除去後も、上記一対の第1ケース壁部による上記電極体の圧縮を継続させる圧縮継続処理を行う圧縮継続処理工程と、を備える電池の製造方法である。
【0008】
上述の電池の製造方法のうち挿入工程では、一対の第1ケース壁部の電極体対向面がそれぞれ外側に凸とされた形態、即ち、一対の電極体対向面間の寸法が、長辺方向端部から中央部に向かうに連れて漸増している形態の挿入前電池ケース本体を用い、これに電極体を挿入する。このため、電池ケース本体(挿入前電池ケース本体)内に電極体を容易に挿入して電池を製造することができる。
【0009】
しかもその後、変形圧縮工程では、押圧部材で一対の第1ケース壁部を押圧して、これらを反転変形させ、第1ケース壁部を介して押圧部材により厚み方向に電極体を圧縮する。このため、反転変形した一対の第1ケース壁部の電極体対向面で電極体を厚み方向に均一に圧縮できる。しかも、圧縮継続処理を行うことで、反転変形した一対の第1ケース壁部が、電極体対向面を通じて電極体を圧縮し続ける。このため、電極体においてガスが発生しても、電極体外に放出されやすいので、正極板或いは負極板とセパレータとの間にガスが介在して、電池特性が低下するのを抑制した電池を製造できる。
【0010】
なお、第1ケース壁部を「反転変形」させるとは、板厚が長辺方向端部から中央部に向かうに連れて漸減する第1ケース壁部について、電極体対向面(第1ケース壁部の内側面)が外側に凸とされた形態であったものを、第1ケース壁部の外側面が内側に凸となり、電極体の一対の電極体主平面全体にそれぞれ電極体対向面が当接する形態に変化させることをいう。なお、電池ケース本体の弾性変形或いは塑性変形のいずれによって、「反転変形」がなされているものも含む。
【0011】
また、「圧縮継続処理」としては、例えば、第1ケース壁部をプレスして、その長辺方向端部の外側面(端部外側面)に、第1ケース壁部の反転変形を維持可能に配置形成された、複数の、円形形状,多角形状,棒状などの凹部または凸部を含む凹凸パターンをなす凹凸部を形成する処理が挙げられる。また、例えば、一対の第1ケース壁部に塑性変形を加える処理や、電池ケースの内圧を大気圧よりも低い状態で封止する処理が挙げられる。
【0012】
さらに、上述の電池の製造方法であって、前記圧縮継続処理工程は、前記電池ケース内を減圧した後に封止する減圧封止工程である電池の製造方法とすると良い。
【0013】
上述の電池の製造方法のうち圧縮継続処理工程が、電池ケース内を減圧した後に封止する減圧封止工程である。このため、大気圧と内圧との圧力差により、一対の第1ケース壁部が電極体対向面を通じて電極体を確実に圧縮し続ける電池を製造できる。
【0014】
なお、「電池ケース内を減圧」する手法としては、例えば、電解液の注液孔など電池ケースの内外を連通する連通孔を有する電池ケースを真空チャンバ内に入れ、真空チャンバ内を減圧することで、連通孔を通じて電池ケース内を減圧する手法が挙げられる。このとき、電池ケースは、第1ケース壁部が押圧部材で押圧されている状態である。また、「封止」する手法としては、例えば、電池ケースの内部を減圧した状態で、金属からなる金属部材で連通孔を覆って、溶接等により金属部材を電池ケースに固着する手法が挙げられる。
【0015】
さらに、上述のいずれかの電池の製造方法であって、前記圧縮継続処理工程は、前記押圧部材の除去後も、前記変形圧縮工程で生じさせた前記第1ケース壁部の反転変形を維持し、上記第1ケース壁部に前記電極体を圧縮させる凹凸部を、前記第1ケース壁部の前記外側面のうち、前記長辺方向端部の端部外側面に形成する凹凸形成工程を含む電池の製造方法とすると良い。
【0016】
上述の電池の製造方法のうち圧縮継続処理工程は上述の凹凸形成工程を含む。このため、一対の第1ケース壁部が電極体対向面を通じて電極体を確実に圧縮し続ける電池を製造できる。
【0017】
さらに、本発明の他の一態様は、自身の厚み方向に直交する一対の電極体主平面を有する電極体と、上記電極体を収容し、一対の上記電極体主平面にそれぞれ対向する一対の電極体対向面をなす一対の第1ケース壁部を含む有底矩形箱形の電池ケース本体、及び、上記電池ケース本体の矩形状の開口を封止した封口蓋を有する電池ケースと、を備える電池であって、上記一対の第1ケース壁部は、各々の板厚が、自身の端部のうち、上記開口の長辺方向の両端側にそれぞれ位置する長辺方向端部から、上記長辺方向の中央部に向かうに連れて漸減する形状を有し、上記一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸とされた形態から、上記一対の第1ケース壁部の外側面がそれぞれ内側に凸となり、上記電極体の上記一対の電極体主平面全体にそれぞれ上記電極体対向面が当接する形態に反転変形され、上記一対の第1ケース壁部により上記電極体を上記厚み方向に圧縮してなる電池である。
【0018】
上述の電池は、一対の第1ケース壁部により、一対の電極体主平面同士間全体が厚み方向に圧縮されてなる。このため、電極体の正極板或いは負極板とセパレータとの間にガスが溜まるのを防止でき、電池特性の低下を抑制した電池とすることができる。
【0019】
また、上述の電池では、一対の第1ケース壁部の各板厚が、長辺方向端部から中央部に向かうに連れて漸減している。また、一対の第1ケース壁部は、一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸となる形態から、一対の第1ケース壁部の外側面がそれぞれ内側に凸となり、電極体の一対の電極体主平面全体にそれぞれ電極体対向面が当接する形態に反転変形され、一対の第1ケース壁部で電極体を厚み方向に圧縮してなる。このため、一対の第1ケース壁部が電極体の電極体主平面同士間全体を確実に圧縮できる。
また、反転変形させる前の電池ケース本体は、一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸となる形態、即ち、一対の電極体対向面間の寸法が、長辺方向端部から中央部に向かうに連れて漸増している形態である。このため、例えば、製造の際、電池ケース本体内に電極体を容易に挿入できるので、製造容易の電池とすることができる。
【0020】
さらに、上述の電池であって、前記電池ケースは、その内圧が大気圧よりも低い状態で封止されてなる電池とすると良い。
【0021】
上述の電池では、電池ケースの内圧が大気圧よりも低い状態で封止されてなるため、大気圧と内圧との圧力差により、一対の第1ケース壁部が電極体対向面を通じて電極体を確実に圧縮し続ける電池とすることができる。
【0022】
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記電池ケースは、前記第1ケース壁部の前記外側面のうち、前記長辺方向端部の端部外側面に、上記第1ケース壁部の反転変形を維持し、上記第1ケース壁部に前記電極体を圧縮させる凹凸部を有する電池とすると良い。
【0023】
上述の電池では、第1ケース壁部の外側面のうち端部外側面に凹凸部を有するため、一対の第1ケース壁部が電極体対向面を通じて電極体を確実に圧縮し続ける電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態にかかる電池の部分切欠斜視図である。
【図2】実施形態,変形形態にかかる電池の断面図(図1,8のA−A矢視断面)である。
【図3】実施形態,変形形態にかかる電池の断面図(図2のB−B矢視断面)である。
【図4】実施形態,変形形態にかかる電池の製造方法のうち、挿入工程を示す説明図である。
【図5】挿入工程に用いる挿入前電池ケース本体の上面図である。
【図6】実施形態,変形形態にかかる電池の製造方法のうち、変形圧縮工程を示す説明図である。
【図7】実施形態にかかる電池の製造方法のうち、減圧封止工程を示す説明図である。
【図8】変形形態にかかる電池の部分切欠斜視図である。
【図9】変形形態にかかる電池の製造方法のうち、凹凸形成工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態)
次に、本実施形態にかかる電池1について、図1〜3を参照しつつ説明する。
この電池1は、電極体30と、この電極体30を収容する電池ケース10とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1〜3参照)。この電池1は、そのほかに、電極体30の正極板31に接続された正極端子部材41、及び、負極板32に接続された負極端子部材42を備える(図1,2参照)。
【0026】
このうち電極体30は、いずれも帯状の正極板31及び負極板32が、ポリエチレンからなる帯状のセパレータ33を介して、捲回軸AXの周りに扁平形状に捲回してなり、断面PJが長円形状の扁平捲回型の電極体である(図1参照)。なお、図1に示すように、この電極体30の厚み方向は、長円形状の断面PJの短径方向DNである。
この電極体30をなす帯状の正極板31は、アルミニウムからなる正極箔(図示しない)、及び、正極活物質粒子を含む正極活物質層(図示しない)からなる。また、帯状の負極板32は、銅からなる負極箔(図示しない)、及び、負極活物質粒子を含む負極活物質層(図示しない)からなる。
【0027】
なお、この電極体30は、図2に示すように、捲回軸AXに沿う軸線方向DXの一方端側に、正極板31をなす正極箔の一部がセパレータ33から露出してなり(露出正極箔31V)、また、軸線方向DXの他方端側に、負極板32をなす負極箔の一部がセパレータ33から露出してなる(露出負極箔32V)。
なお、本実施形態では、この電極体30を、図2に示すように、捲回軸AXが電池ケース10(電池ケース本体11)のケース底部12及び封口蓋21にそれぞれ直交する状態で、電池ケース10内に収容されている。そして、この電池ケース10において、電極体30の露出正極箔31Vが封口蓋21に近い側に、露出負極箔32Vが電池ケース10(電池ケース本体11)のケース底部12に近い側(つまり、封口蓋21に遠い側)にそれぞれ位置している(図2参照)。
【0028】
また、この電極体30は、長円形状の断面PJの長径方向DMの両端部にそれぞれ位置し、正極板31、負極板32及びセパレータ33が、それぞれR状に湾曲して配置された2つの湾曲捲回部30R,30Rと、これら2つの湾曲捲回部30R,30Rの間に位置し、正極板31等がいずれも平板状に並ぶ中央捲回部30Sとを有する(図2参照)。
このうち、中央捲回部30Sの外表面は、図3に示すように、電極体30の厚み方向(短径方向)DNに直交する平面形状の一対の中央電極体主平面30SF,30SFである。この2つの中央電極体主平面30SF,30SFはいずれも、次述する電池ケース10(電池ケース本体11)における第1ケース壁部13の内側面14に密接している。
【0029】
電池ケース10は、共にアルミニウム製の電池ケース本体11及び封口蓋21を有する(図1,2参照)。なお、この電池ケース10(電池ケース本体11)と電極体30との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)が介在させてある。
【0030】
電池ケース10の封口蓋21は矩形板状であり、電池ケース本体11の矩形の開口19を封止して、この電池ケース本体11に溶接されている。
この封口蓋21は、正極端子部材41を電池ケース10の内部から外部に貫通させるための第1貫通孔26、負極端子部材42を電池ケース10の内部から外部に貫通させるための第2貫通孔27、及び、これら第1貫通孔26と第2貫通孔27との間に位置する第3貫通孔29Hを有する(図2参照)。なお、第1貫通孔26において、封口蓋21と正極端子部材41との間、及び、第2貫通孔27において、封口蓋21と負極端子部材42との間には、それぞれ絶縁性の樹脂からなる絶縁部材28が介在し、互いを絶縁している。また、第3貫通孔29Hは、矩形板状の安全弁29によって閉塞されている。
【0031】
さらに、この封口蓋21には、この封口蓋21を電池ケース本体11に溶接して電池ケース10を作製した後、外部から電池ケース10内に電解液(図示しない)を注液するための注液孔22を設けている(図2参照)。但し、図1〜3に示す、できあがった電池1では、注液孔22は封止されている。具体的には、アルミニウム製で円板形状の金属部材24が、電池ケース10の外側から注液孔22を覆った状態で、封口蓋21の蓋表面21Fに固着している。
【0032】
また、電池ケース本体11は有底矩形箱形である。具体的には、この電池ケース本体11は、自身の底面をなすケース底部12を有している。また、このケース底部12の長辺端縁12Lから、このケース底部12に対して垂直に立ち上がる一対の第1ケース壁部13,13、及び、ケース底部12の短辺端縁12Sから、ケース底部12に対して垂直に立ち上がる一対の第2ケース壁部17,17を有している(図1参照)。
【0033】
このうち、第1ケース壁部13は、電池ケース本体11の内側に位置する内側面14と、逆に、電池ケース本体11の外側に位置する外側面15とを有する。なお、図3に示すように、一対の第1ケース壁部13,13の各内側面14,14は、前述した一対の中央電極体主平面30SF,30SFにそれぞれ対向して当接している。
【0034】
また、第1ケース壁部13の板厚TWは、自身の端部のうち、前述した開口19の長辺方向DLの両端側にそれぞれ位置する長辺方向端部13E,13Eから、長辺方向DLの中央部13Cに向かうに連れて徐々に薄くなっている(図3参照)。
そして、電池ケース本体11の第1ケース壁部13は、図3に示すように、内側面14及び外側面15がいずれも電池ケース本体11の内側に凸となり、各内側面14,14がそれぞれ電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SF全体に当接する形態である。この形態は、次述する挿入前電池ケース本体11B(図4参照)の第1ケース壁部13Bを反転変形させてできた形態である。
【0035】
次いで、図4に示す斜視図、及び、その上面図(図5参照)を用いて、挿入前電池ケース本体11Bを説明する。この挿入前電池ケース本体11Bの第1ケース壁部13Bは、電池ケース本体11の第1ケース壁部13と同様、板厚TWが各長辺方向端部13E,13Eから中央部13Cに向かうに連れて徐々に薄くなっている(図4,5参照)。但し、以下の点で、電池ケース本体11の第1ケース壁部13と異なる。即ち、図5に示すように、この第1ケース壁部13Bの外側面15が平面とされる一方、内側面14が挿入前電池ケース本体11Bの外側に凸となる形態になっている(図5参照)。
【0036】
また、本実施形態の電池1では、電池ケース10が大気圧よりも低い内圧で封止され、電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SFが、第1ケース壁部13の内側面14を介して大気(図3中の矢印)により圧縮されている。つまり、電池ケース本体11の第1ケース壁部13は、例えば、押圧用の構造体(例えば、2枚のプレートで電池を挟持して、電池ケースを介して電極体に荷重を加える構造とした押圧具、等)によらないで、電極体30の厚み方向DNに電極体30を圧縮し続けている。
このため、電極体30において、この厚み方向DNに、正極板31或いは負極板32とセパレータ33とを互いに密接させることができる。従って、初期充電等の充電によって電極体30内に発生するガスが、正極板31或いは負極板32とセパレータ33との間に滞留せずに、電極体30外に放出し易い。
【0037】
以上により、本実施形態にかかる電池1は、一対の第1ケース壁部13,13により、一対の中央電極体主平面30SF,30SF同士間全体が厚み方向DNに圧縮されてなる。このため、電極体30の正極板31或いは負極板32とセパレータ33との間にガスが溜まるのを防止でき、電池特性の低下を抑制した電池1とすることができる。
【0038】
また、この電池1では、一対の第1ケース壁部13,13の板厚TWが、長辺方向端部13Eから中央部13Cに向かうに連れて漸減している。また、一対の第1ケース壁部13,13は、内側面14,14がそれぞれ外側に凸となる形態から、一対の第1ケース壁部13,13の外側面15,15がそれぞれ内側に凸となり、電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SF全体にそれぞれ内側面14,14が当接する形態に反転変形され、一対の第1ケース壁部13,13で電極体30を厚み方向DNに圧縮してなる。このため、一対の第1ケース壁部13,13が電極体30の中央電極体主平面30SF,30SF同士間全体を確実に圧縮できる。
【0039】
また、反転変形させる前の電池ケース本体である前述した挿入前電池ケース本体11Bは、一対の内側面14,14間の寸法が、長辺方向端部13Eから中央部13Cに向かうに連れて漸増している形態である。このため、例えば、製造の際(後述する挿入工程において)、電池ケース本体(挿入前電池ケース本体11B)内に電極体30を容易に挿入できるので、製造容易の電池1とすることができる。
【0040】
また、電池ケース10の内圧が大気圧よりも低い状態で封止されてなるため、大気圧と内圧との圧力差により、一対の第1ケース壁部13,13が内側面14,14を通じて電極体30を確実に圧縮し続ける電池1とすることができる。
【0041】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
まず、電極体30を公知の手法で作製する。具体的には、いずれも帯状の正極板31及び負極板32を、2つの帯状のセパレータ33,33と共に、円筒形状の芯材(図示しない)の周りに捲回して、捲回軸を有する円筒形状の捲回体(図示しない)を作製した。その後、捲回体から芯材を抜き取り、円筒面を両側から押し潰して、断面が長円形状である扁平捲回型の電極体30を作製した。
【0042】
その後、電極体30の正極板31に正極端子部材41を、負極板32に負極端子部材42をそれぞれ溶接する。そして、絶縁部材28を介して、正極端子部材41を封口蓋21の第1貫通孔26に、負極端子部材42を封口蓋21の第2貫通孔27にそれぞれ挿通して、封口蓋21に電極体30を固定した(図4参照)。
【0043】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、挿入工程について図4を用いて説明する。
この挿入工程では、まず、電極体30を挿入する前の挿入前電池ケース本体11Bを用意する(図4,5参照)。この挿入前電池ケース本体11Bは、前述したように、第1ケース壁部13Bの板厚TWが各長辺方向端部13E,13Eから中央部13Cに向かうに連れて徐々に薄くなっている(図4,5参照)。また、この第1ケース壁部13Bの外側面15が平面とされる一方、内側面14が挿入前電池ケース本体11Bの外側に凸となる形態になっている。
この挿入前電池ケース本体11Bの内側に、前述した箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)を配置した後、封口蓋21に固定した電極体30を電池ケース本体11に挿入した(図4参照)。
【0044】
次いで、封口工程について説明する。この封口工程では、上述した挿入工程の後、電池ケース本体11の開口19を封口蓋21で封口して、電池ケース10を封止する。具体的には、挿入工程の後、レーザ溶接を用いて、電池ケース本体11と、この電池ケース本体11の開口19を覆うように配置した封口蓋21とを接合し、電池ケース本体11を封止した。かくして、内部に電極体30を収容した電池ケース10が完成した。
その後、この電池ケース10(封口蓋21の蓋表面21F)に、矩形板状の安全弁29を固着した。
【0045】
次に、電池ケース10内に電解液(図示しない)を注液する。具体的には、電極体30を内部に収容した電池ケース10を真空チャンバ内に収容して、この真空チャンバ内を減圧する。そして、注液用ノズル(図示しない)を封口蓋21の注液孔22内に挿入して、注液用ノズルから電池ケース10内に電解液(図示しない)を注液した。その後、真空チャンバを大気圧に戻して、電池ケース10を真空チャンバから取り出した。
【0046】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、変形圧縮工程について図6を用いて説明する。
この変形圧縮工程では、金属からなる2つの拘束板60,60を用いる。これらの拘束板60,60はいずれも、板状部61と突出部65とからなる。このうち板状部61は、電池ケース10の第1ケース壁部13Bよりも広面積の矩形板状である。この板状部61の四方の角部62,62にはそれぞれ、貫通孔63が設けてある。
また、板状部61の中央付近から矩形状に突出した板状の突出部65は、突出方向DYを向く突出主面66を有する。この突出主面66は、2組ある一対の両端のうちの1組の一対の両端(主面端部66E)から中央部(主面中央部66C)に向かうに連れて徐々に凸となっている(図6参照)。
【0047】
変形圧縮工程では、電極体30を内部に収容した電池ケース10について、厚み方向DNの両側から、2つの拘束板60,60で挟み込み、一対の第1ケース壁部13B,13Bを押圧する(図6参照)。具体的には、2つの拘束板60,60の突出部65,65を互いに対向させ、これらの間に電池ケース10を配置した。なお、このとき、突出部65の突出主面66のうち、主面端部66Eを第1ケース壁部13Bの長辺方向端部13Eに、主面中央部66Cを第1ケース壁部13Bの中央部13Cにそれぞれ当接させた。
電池ケース10を配置した後、複数の貫通孔63,63にそれぞれボルトBTを挿通・締結し、2つの拘束板60,60を連結して、これら2つの拘束板60,60で電池ケース10を挟持する。
これにより、一対の第1ケース壁部13,13を、各内側面14,14がそれぞれ電池ケース本体11の外側に凸とされた形態から(図5参照)、各外側面15,15がそれぞれ内側に凸となり、電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SF全体に内側面14,14がそれぞれ当接する形態(図3参照)に反転変形させた。なお、この時点では、2つの拘束板60,60が、第1ケース壁部13を介して電池ケース10内の電極体30を厚み方向DNに圧縮している。
【0048】
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、減圧封止工程について図7を用いて説明する。
この減圧封止工程は、電池ケース10内を減圧する工程である。即ち、真空チャンバVCの内部に電池ケース10を収めた後、真空チャンバVCの内部を減圧する。なお、このときの電池ケース10は、注液孔22が封止されていないため、この注液孔22を通じて電池ケース10内が減圧される。また、図7に示すように、2つの拘束板60,60に挟まれた状態で、電池ケース10を真空チャンバVCに収容するので、一対の第1ケース壁部13,13が上述した反転変形したまま、電池ケース10内が減圧される。
【0049】
減圧した後、円板形状の金属部材24で注液孔22を覆い、レーザ溶接を用いて、この金属部材24の周縁を電池ケース10(封口蓋21の蓋表面21F)に溶接した。その後、真空チャンバVC内を大気圧に戻してから電池ケース10を取り出し、2つの拘束板60,60を電池ケース10から除去した。
かくして、電池ケース10が大気圧よりも低い内圧で封止され、第1ケース壁部13により電極体30を厚み方向DNに圧縮してなる電池1ができあがる(図1〜3参照)。
【0050】
以上により、電池1の製造方法のうち挿入工程では、一対の内側面14,14間の内法TNが、長辺方向端部13Eから中央部13Cに向かうに連れて漸増している形態の挿入前電池ケース本体11Bを用い、これに電極体30を挿入する。このため、電池ケース本体11(挿入前電池ケース本体11B)内に電極体30を容易に挿入して電池1を製造することができる。
【0051】
しかも、その後の変形圧縮工程では、2つの拘束板60,60で一対の第1ケース壁部13,13を押圧して、これらを反転変形させ、第1ケース壁部を介して拘束板60により厚み方向DNに電極体30を圧縮する。このため、反転変形した一対の第1ケース壁部13,13の内側面14,14で電極体30を厚み方向DNに均一に圧縮できる。しかも、圧縮継続処理(本実施形態では、電池ケース10の内圧を大気圧よりも低い状態で封止する処理)を行うことで、反転変形した一対の第1ケース壁部13,13が、内側面14,14を通じて電極体30を圧縮し続ける。このため、電極体30においてガスが発生しても、電極体30外に放出されやすいので、電池特性が低下するのを抑制した電池1を製造できる。
【0052】
また、圧縮継続処理工程が、電池ケース10内を減圧した後に封止する減圧封止工程である。このため、大気圧と内圧との圧力差により、一対の第1ケース壁部13,13が内側面14,14を通じて電極体30を確実に圧縮し続ける電池1を製造できる。
【0053】
(変形形態)
次に、本発明の変形形態について、図面を参照しつつ説明する。
本変形形態は、第1ケース壁部をプレスして、その長辺方向端部の外側面(端部外側面)に、第1ケース壁部の反転変形を維持可能に配置形成された、複数の円形形状の凹部を加える処理を行っている点で、上述した実施形態と異なる。
そこで、実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略又は簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
【0054】
本変形形態にかかる電池101は、前述した実施形態と同様、電極体30と、この電極体30を収容する電池ケース110とを備えるリチウムイオン二次電池である(図2,3,8参照)。このうち電池ケース110は、電池ケース本体111と、実施形態と同様の封口蓋21とを有する(図2,8参照)。
【0055】
電池ケース本体111は、前述した実施形態と同様、有底矩形箱形である。また、この電池ケース本体111の第1ケース壁部113は、実施形態と同様、内側面14,14が電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SFにそれぞれ対向して当接している。
また、第1ケース壁部113の板厚TWは、実施形態と同様、長辺方向端部113E,13Eから、長辺方向DLの中央部13Cに向かうに連れて徐々に薄くなっている(図3参照)。そして、第1ケース壁部113は、実施形態と同様、内側面14及び外側面15がいずれも電池ケース本体11の内側に凸となり、各内側面14,14がそれぞれ電極体30の一対の中央電極体主平面30SF,30SF全体に当接する形態である。
【0056】
但し、第1ケース壁部113の各外側面15,15に、円形形状に窪んだ凹部70を有する点で、実施形態と異なる。
具体的には、図8に示すように、外側面15のうち長辺方向端部13Eの外側面である端部外側面15Eに、複数の凹部70,70を有している。この凹部70が第1ケース壁部113の反転変形を維持するため、電池ケース本体111の第1ケース壁部113が、例えば押圧用の構造体によらないで、厚み方向DNに電極体30を圧縮し続ける。従って、実施形態と同様、電極体30において、この厚み方向DNに、正極板31或いは負極板32とセパレータ33とを互いに密接させることができる。
【0057】
かくして、本変形形態にかかる電池101では、第1ケース壁部113の外側面のうち端部外側面15Eに凹部70を有するため、一対の第1ケース壁部113,113が内側面14,14を通じて電極体30を確実に圧縮し続ける電池101とすることができる。
なお、本変形形態にかかる電池101は、電池ケース110が大気圧よりも低い内圧で封止されていると共に、一対の第1ケース壁部113,113にそれぞれ凹部70を有している。このため、例えば、電池の充放電により電池ケース110内にガスが発生して電池ケース110の内圧が上昇した場合でも、凹部70が第1ケース壁部113,113の反転変形を確実に維持することができる。
【0058】
次いで、本変形形態にかかる電池101の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
なお、電池101の製造方法のうち、電極体30の作製から変形圧縮工程までは、前述した実施形態と同様にして行ったため、説明を省略する。
【0059】
次いで、本変形形態にかかる電池101の製造方法のうち、減圧封止工程について図7,9を用いて説明する。
この減圧封止工程は、まず、実施形態と同様、真空チャンバVCの内部に電池ケース110を収めた後、真空チャンバVCの内部を減圧して、注液孔22を通じて電池ケース110内を減圧した。そして、注液孔22を覆う金属部材24を電池ケース110(封口蓋21)に溶接した後、大気圧に戻した真空チャンバVCから電池ケース110を取り出し、2つの拘束板60,60を電池ケース110から除去した。
【0060】
但し、本変形形態の減圧封止工程に、電池ケース110に凹部70を形成する凹凸形成工程を含む点で、実施形態とは異なる。具体的には、図9に示すプレス金型PMを用いて、拘束板60を除去した電池ケース110の外側面15のうち端部外側面15Eに、円形形状に窪んだ凹部70を形成する。
かくして、電池ケース110が大気圧よりも低い内圧で封止されると共に、一対の第1ケース壁部113,113の各端部外側面15E,15Eにそれぞれ凹部70を有し、一対の第1ケース壁部113,113により電極体30を厚み方向DNに圧縮してなる電池101ができあがる(図2,3,8参照)。
【0061】
本変形形態にかかる電池101の製造方法のうち減圧封止工程は上述の凹凸形成工程を含む。このため、一対の第1ケース壁部113,113が内側面14,14を通じて電極体30を確実に圧縮し続ける電池101を製造できる。
【0062】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態等では、扁平捲回型の電極体30を備える電池1,101を示した。しかし、いずれも平板状の正極板、負極板及びセパレータを積層方向に積層してなる積層型の電極体を備える電池としても良い。なお、この場合、電極体において、正極板等が積層する積層方向が電極体の厚み方向である。
また、変形形態では、減圧封止された電池ケース110の第1ケース壁部113に凹部70を有する電池101を示した。しかし、内外で同じ圧力の電池ケースについて、第1ケース壁部の端部外側面に凹部(凹凸部)を有する電池としても良い。
【符号の説明】
【0063】
1,101 電池
10,110 電池ケース
11,111 電池ケース本体
11B 挿入前電池ケース本体
13,113 第1ケース壁部
13B (挿入前電池ケース本体の)第1ケース壁部
13E 長辺方向端部
13C 中央部
14 内側面(電極体対向面)
15 外側面
15E 端部外側面
19 開口
21 封口蓋
30 電極体
30SF 中央電極体主平面(電極体主平面)
60 拘束板(押圧部材)
70 凹部(凹凸部)
DL (開口の)長辺方向
DN 短径方向((電極体の)厚み方向)
TW (第1ケース壁部の)板厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の厚み方向に直交する一対の電極体主平面を有する電極体と、
上記電極体を収容し、上記一対の電極体主平面にそれぞれ対向する一対の電極体対向面をなす一対の第1ケース壁部を含む有底矩形箱形の電池ケース本体、及び、上記電池ケース本体の矩形状の開口を封止した封口蓋を有する電池ケースと、を備え、
上記一対の第1ケース壁部により、上記電極体のうち上記一対の電極体主平面同士間全体が上記厚み方向に圧縮されてなる
電池の製造方法であって、
上記一対の第1ケース壁部は、
各々の板厚が、自身の端部のうち、上記開口の長辺方向の両端側にそれぞれ位置する長辺方向端部から、上記長辺方向の中央部に向かうに連れて漸減する形状を有し、
上記電池ケース本体のうち、上記電極体を挿入する前の挿入前電池ケース本体は、
上記一対の第1ケース壁部のうち上記一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸の形態とされてなり、
上記挿入前電池ケース本体内に、上記電極体を挿入する挿入工程と、
上記挿入工程後、上記挿入前電池ケース本体の上記開口を上記封口蓋で封口する封口工程と、
電池外の押圧部材で上記一対の第1ケース壁部を押圧して、その各外側面がそれぞれ内側に凸となり、上記電極体の上記一対の電極体主平面全体にそれぞれ上記電極体対向面が当接する形態に反転変形させ、上記押圧部材により上記第1ケース壁部を介して上記電極体を上記厚み方向に圧縮する変形圧縮工程と、
上記押圧部材の除去後も、上記一対の第1ケース壁部による上記電極体の圧縮を継続させる圧縮継続処理を行う圧縮継続処理工程と、を備える
電池の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電池の製造方法であって、
前記圧縮継続処理工程は、
前記電池ケース内を減圧した後に封止する減圧封止工程である
電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電池の製造方法であって、
前記圧縮継続処理工程は、
前記押圧部材の除去後も、前記変形圧縮工程で生じさせた前記第1ケース壁部の反転変形を維持し、上記第1ケース壁部に前記電極体を圧縮させる凹凸部を、前記第1ケース壁部の前記外側面のうち、前記長辺方向端部の端部外側面に形成する凹凸形成工程を含む
電池の製造方法。
【請求項4】
自身の厚み方向に直交する一対の電極体主平面を有する電極体と、
上記電極体を収容し、一対の上記電極体主平面にそれぞれ対向する一対の電極体対向面をなす一対の第1ケース壁部を含む有底矩形箱形の電池ケース本体、及び、上記電池ケース本体の矩形状の開口を封止した封口蓋を有する電池ケースと、を備える
電池であって、
上記一対の第1ケース壁部は、
各々の板厚が、自身の端部のうち、上記開口の長辺方向の両端側にそれぞれ位置する長辺方向端部から、上記長辺方向の中央部に向かうに連れて漸減する形状を有し、
上記一対の電極体対向面がそれぞれ外側に凸とされた形態から、上記一対の第1ケース壁部の外側面がそれぞれ内側に凸となり、上記電極体の上記一対の電極体主平面全体にそれぞれ上記電極体対向面が当接する形態に反転変形され、上記一対の第1ケース壁部により上記電極体を上記厚み方向に圧縮してなる
電池。
【請求項5】
請求項4に記載の電池であって、
前記電池ケースは、
その内圧が大気圧よりも低い状態で封止されてなる
電池。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の電池であって、
前記電池ケースは、
前記第1ケース壁部の前記外側面のうち、前記長辺方向端部の端部外側面に、上記第1ケース壁部の反転変形を維持し、上記第1ケース壁部に前記電極体を圧縮させる凹凸部を有する
電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−97988(P2013−97988A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239215(P2011−239215)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】