説明

電池収容部蓋

【課題】部品点数が少なく、製造手間の掛からない電池収容部蓋を提供する。
【解決手段】電池で駆動する装置の電池収容部を塞ぐ蓋部材2と、蓋部材2に内装されると共に、装置に係止して蓋部材2を装置に固定可能な係止部31aを有するロック部材3と、を備え、蓋部材2に、ロック部材3の被係合部33と係合してロック部材3を回転可能に支持する係合部23と、ロック部材3の回転により係止部31aが出退する開口部26とを一体的に形成し、ロック部材3を、開口部26から蓋部材2に圧入し、蓋部材2に係合させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池で駆動する装置の電池収容部を塞ぐ電池収容部蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すごとく、電池で駆動する装置(文献では「ポータブル型ガス警報器」)の電池収容部(文献では「電池受入部」)を塞ぐ蓋部材(文献では「ベース部材」)と、装置に係止して蓋部材を装置に固定可能な係止部(文献では「鍔部分」)を有するロック部材(文献では「回転板状ストッパ部材」)と、を備え、蓋部材に、ロック部材の被係合部(文献では「回転軸部」)と係合してロック部材を回転可能に支持する係合部(文献では「ザグリ孔」)を備えた電池収容部蓋があった。
【0003】
この電池収容部蓋においては、ロック部材が、円盤形状の柱状部分と、ツマミ部の外周両側に板状に延出された鍔部分と、を備え、鍔部分を上面側から押さえ込んだ状態で、左右の案内支持部材を蓋部材に固定してある。この結果、ロック部材は蓋部材に回転可能に支持され、ロック部材を回転させると鍔部分が蓋部材から出退する。よって、ロック部材を回転させることにより、電池収容部蓋を装置に固定したり、装置から外したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−249502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、左右の案内支持部材で鍔部分を上面側から押さえ込むことによってロック部材を蓋部材に回転可能に支持してあるため、部品点数が多い。また、ロック部材を蓋部材に設置した後に、左右の案内支持部材を蓋部材に超音波溶着等しなければならず、製造手間がかかる。
【0006】
上記実情を鑑み、本発明は、部品点数が少なく、製造手間の掛からない電池収容部蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電池収容部蓋の第一特徴構成は、電池で駆動する装置の電池収容部を塞ぐ蓋部材と、前記蓋部材に内装されると共に、前記装置に係止して前記蓋部材を前記装置に固定可能な係止部を有するロック部材と、を備え、前記蓋部材に、前記ロック部材の被係合部と係合して前記ロック部材を回転可能に支持する係合部と、前記ロック部材の回転により前記係止部が出退する開口部とを一体的に形成し、前記ロック部材を、前記開口部から前記蓋部材に圧入し、前記蓋部材に係合させた点にある。
【0008】
本構成によると、ロック部材に、被係合部と装置に係止可能な係止部とを形成し、蓋部材に、被係合部と係合してロック部材を回転可能に支持する係合部と、ロック部材の回転により係止部が出退する開口部とを一体的に形成しさえすれば、構成部品としては蓋部材とロック部材とのみで足りる。また、蓋部材は、開口部から圧入されて蓋部材に回転可能に内装される。よって、部品点数が少なく、製造手間の掛からない電池収容部蓋を提供できる。
【0009】
本発明に係る電池収容部蓋の第二特徴構成は、前記ロック部材が、前記係止部を有する板状の基部と前記基部から立設された回転操作用のツマミ部とを備え、前記蓋部材が、前記ロック部材を回転操作するときに前記ツマミ部の端部を案内するガイド部を備えた点にある。
【0010】
使用者がロック部材を回転操作する際はツマミ部を操作するが、手動であるため力の入れ方にはバラつきがある。よって、係合部と係止部との係合だけでは、回転操作時にロック部材がガタついて操作性が低下する虞がある。しかし、本構成であると、ツマミ部の端部がガイド部によって案内されるため、回転操作時にロック部材がガタつくことがない。しかも、ガイド部は蓋部材に備えられるため、部品点数も増えない。
【0011】
本発明に係る電池収容部蓋の第三特徴構成は、前記基部を楕円形状に形成すると共に、前記ツマミ部を前記楕円形状の短軸もしくは長軸に沿い、かつ、平面視で前記楕円形状の短径と同じ長さを有する長方形形状に形成し、前記ツマミ部の回転軌跡に沿った内周面を有すると共に、前記基部の上面を部分的に覆うフランジ部を前記蓋部材に形成し、前記内周面を、前記ツマミ部の端部の側面を案内する前記ガイド部とした点にある。
【0012】
本構成によると、基部を楕円形状に形成すると共に、基部の上面を部分的に覆うフランジ部を、ツマミ部の回転軌跡に沿った内周面を有するよう、蓋部材に形成してある。即ち、基部のうちフランジ部に覆われる面積が非常に小さい。よって、ロック部材が蓋部材から外れ出すことを防ぎつつ、圧入時にロック部材に作用する力が最小限に抑えられて圧入が容易である。また、フランジ部の内周面はガイド部としても機能し、簡易な構成で操作性の良い電池収容部蓋とすることができる。
【0013】
本発明に係る電池収容部蓋の第四特徴構成は、前記基部と前記ツマミ部とを一体的に形成した点にある。
【0014】
本構成によると、ツマミ部は基部と一体的に形成されるため、部品点数を増加させることなく、使用者が操作しやすい電池収容部蓋とすることができる。
【0015】
本発明に係る電池収容部蓋の第五特徴構成は、前記蓋部材の裏側に電池用端子を備えた点にある。
【0016】
本構成によると、蓋部材の裏側には電池用端子が備えられている。よって、電池収容部蓋の着脱によって、電池に対する電池用端子のセッティングも同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電池収容ケースの平面図である。
【図2】電池収容ケースの側断面図である。
【図3】電池収容ケースの斜視図であって、(a)は蓋を取り外した状態を示し、(b)は蓋を固定した状態を示す。
【図4】蓋の分解斜視図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】長軸側端部が収容部に最も引退したときの蓋の平面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】長軸側端部が収容部から最も突出したときの蓋の平面図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る電池収容部蓋の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
〔全体構成について〕
「電池収容部蓋」としての蓋1は、図1,2に示すごとく、「電池」としての乾電池B(図3(a)参照)で駆動する「装置」としての電子機器Aにおいて、乾電池Bを収容する電池収容部C1に蓋をするものである。電池収容部C1は電池収容ケースCによって形成されている。本実施形態においては、電池収容ケースCは、電子機器Aに対して取外し可能であって、種々の電子機器Aに対して汎用性を有する。電池収容ケースCはビス等によって電子機器Aに着脱可能である。
【0020】
図2,図3(a)に示すごとく、電池収容部C1の電池挿入口の平面形状は、蓋1の平面形状に対応させてあり、電池挿入口の両側面にはロック用穴C2が形成されている。また、電池収容部C1の電池挿入口は、電池収容ケースCに固定されたときに蓋1が電池収容部C1の表面から飛び出さないよう、その深さが設定されている。
【0021】
蓋1は、蓋部材2とロック部材3とを備えている。ロック部材3は、蓋部材2に対して回転可能に支持されており、図3に示すごとく、ロック部材3を回転させることにより、ロック部材3の一部である係止部31aが蓋部材2から出退する。
【0022】
乾電池Bを装着・交換等した後は、図3(a)に示すごとく、後述する係止部31aを蓋部材2に最も引退させた状態で、電池収容部C1に蓋1を嵌め込む。そして、図3(b)に示すごとく、ロック部材3を蓋部材2に対して回転させて係止部31aを突出させる。これにより、係止部31aがロック用穴C2に係止し、蓋1は電池収容ケースCに固定される。蓋1を外すときは、ロック部材3を蓋部材2に対して回転させて係止部31aを蓋部材2に引退させる。これにより、係止部31aとロック用穴C2との係止が外れて、蓋1を電池収容ケースCから外すことができる。
【0023】
〔ロック部材及び蓋部材について〕
ロック部材3は、図4に示すごとく、基部31と、ロック部材3を回転操作するためのツマミ部32とを一体的に備えている。基部31の平面形状は、長径がa、短径がbの楕円形状である。基部31の厚みは略一定である。ツマミ部32は、基部31の短軸に沿って短軸の一方の端部から他方の端部に亘るよう、基部31の表面から立設してある。即ち、ロック部材3は、長軸側からの側面視では、逆向きのT字形状である。ロック部材3の裏面に、楕円形状の中心L(以下、「楕円中心L1」と称する)を中心とする「被係合部」としての支持用凹部33を凹設してある。
【0024】
蓋部材2は、図4に示すごとく、電池収容部C1に蓋をする本体部21と、ロック部材3を内装する収容部22とを備えている。本体部21の下部周囲には弾性シール部材4を取り付け、電池収容部C1に対する防塵性・防水性を確保してある。収容部22の一部を上面から覆うように、本体部21の長手方向両側からフランジ部25を延出してある。収容部22は、図6,8に示すごとく、長辺がc、短辺がdの平面視略長方形の空間であり、その長辺側の側面は外部に開放されている。ロック部材3が収容部22の内部で回転可能なよう、長辺の長さcは、基部31の長径aよりも大きく設定する。係止部31aが収容部22に対して出退可能なよう、短辺の長さdは、基部31の短径b以上に、かつ、基部31の長径aよりも小さく設定する。即ち、「基部31の短径b」≦「収容部22の短辺d」<「基部31の長径a」<「収容部22の長辺c」の関係が成り立つ。本実施形態では、図6に示すごとく、「収容部22の短辺d」=「基部31の短径b」としてある。
【0025】
図4,7,9に示すごとく、収容部22の底面22aの中心Lに、ロック部材3の被係合部に対応した形状の「係合部」としての支持用凸部23を凸設してある。また、図4,6,8に示すごとく、フランジ部25は、その内周面25aが、中心Lを中心とする直径がeの円を構成するよう形成してある。直径eの長さは、ロック部の基部31の短径bよりも僅かに大きい程度に設定してある。フランジ部25の内周面25aの一部は、収容部22が外部に開放された側面と同じ側で切り欠いてある。この切欠きの幅は、図4,6に示すごとく、ロック部材3のツマミ部32の幅よりも僅かに大きい。この切欠きは、収容部22のうち外部に開放された部分と一体となって、図4に示すごとく、側面視逆向きのT字形状の開口を構成している。この開口が、本発明に係る「開口部26」に相当する。
【0026】
収容部22の底面22aは、図4に示すごとく、中心Lを境として、開口部26の側に傾斜させてある。即ち、図5に示すごとく、収容部22の底面22aとフランジ部25の裏面との距離は、中心Lから開口部26の側に近付くに従って広くなる。収容部22は、中心Lにおける収容部22の底面22aとフランジ部25の裏面との距離が、ロック部材3の基部31の厚みと略同じとなるよう設定してある。即ち、開口部26における収容部22の底面22aとフランジ部25の裏面との距離は、ロック部材3の基部31の厚みよりも大きい。また、収容部22の中心Lの付近において、収容部22は、基部31の厚みよりも支持用凸部23の高さ分だけ狭い。
【0027】
〔電極について〕
図7,9に示すごとく、蓋部材2の本体部21の裏面に「電池用端子」としての電極5を備えてある。電極5は、プラス電極5aとマイナス電極5bとを備えている。図示はしないが、電池収容ケースCの側には、両電極5に対応したマイナス電極及びプラス電極を備えてある。マイナス電極5bは、コイルスプリング状の電極であって、乾電池Bを電池収容ケースCのプラス電極の側に付勢する。プラス電極5aは、フラットではあるものの渦巻き状に形成してある。また、本体部21の裏面のうち、プラス電極5aが配設される部分を座繰りしてある。よって、乾電池Bにはプラス電極5aによる付勢力も作用する。このように両電極5a,5bが付勢力を有することで、電子機器Aに衝撃等が加わった場合でも、乾電池Bが電極5から離間することが防止される。即ち、電流の瞬断が防止される。
【0028】
〔ロック部材と蓋部材との組付について〕
図4に示すごとく、ロック部材3は、ツマミ部32が開口部26を通過するような姿勢で、開口部26の側から収容部22に挿入される。ロック部材3が中心Lの付近まで挿入されると、基部31の短軸側端部31bが支持用凸部23に接触する。そこで、ロック部材3が支持用凸部23を乗り越えるよう、ロック部材3を収容部22に圧入する。これにより、支持用凹部33が支持用凸部23に係合し、中心Lと楕円中心L1とが一致する。この結果、ロック部材3は、中心Lの周りに回転自在な状態で蓋部材2に支持される。これにより、図6,8に示すごとく、ロック部材3を回転操作することで、ロック部材3の長軸側端部31aが開口部26から出退可能となる。即ち、ロック部材3の長軸側端部31aが、本発明に係る「係止部」に相当する。
【0029】
ロック部材3は、支持用凸部23と支持用凹部33との係合によって、収容部22から開口部26の側に抜け出すことはない。図6,8からも明らかなように、ロック部材3が回転操作されても、フランジ部25が基部31の上面の一部を常時押さえ込むため、ロック部材3が収容部22から上面方向に抜け出すこともない。
【0030】
上述したように、収容部22の底面22aを傾斜させてあるため、ロック部材3は、長辺に平行であって中心Lを通過する線上においてのみでしか底面22aに接しない。よって、ロック部材3と底面22aとの摩擦抵抗が軽減されて、ロック部材3の回転操作性が向上する。また、開口部26における底面22aとフランジ部25の裏面との距離が、ロック部材3の基部31の厚みよりも大きいため、ロック部材3を収容部22に挿入しやすい。
【0031】
また、基部31の形状を楕円形状とし、かつ、「フランジ部の直径e」≒「基部31の短径b」としたことによって、基部31の形状を楕円形状以外の形状とした場合等と比べて、フランジ部25の基部31に対する被り面積が小さくなる。この結果、圧入時の基部31に対する押さえ込み力が必要最小限に抑えられ、ロック部材3の圧入がしやすい。
【0032】
なお、基部31の裏面の出隅、支持用凹部33の出隅、支持用凸部23の出隅等圧入時に互いに接触する部分は、圧入によって欠損しないよう、面取りをしてある。
【0033】
〔蓋の着脱操作について〕
蓋1を電池収容ケースCから着脱する際の操作について詳述する。蓋1を電池収容ケースCから取り外すとき、もしくは、電池収容ケースCに取り付けるときは、図6に示すごとく、ツマミ部32が開口部26に対して直交する位置までロック部材3を回転させる。これにより、ロック部材3の長軸側端部31aは収容部22に最も引退する。また、ロック部材3の短軸側端部31bは開口部26から外側に突出していない。よって、図3(a)に示すごとく、蓋1は電池収容ケースCに対して取外し、または取り付け自在となる。
【0034】
蓋1を電池収容ケースCに固定するときは、先ず蓋1を電池収容ケースCに嵌め込む。図8に示すごとく、ツマミ部32が開口部26に対して平行となる位置までロック部材3を回転させる。これにより、ロック部材3の長軸側端部31aが開口部26から最も突出する。よって、図3(b)に示すごとく、長軸側端部31aが電池収容ケースCのロック用穴C2に係止し、蓋1が電池収容ケースCに固定される。
【0035】
当然、長軸側端部31aが径脱可能なよう、ロック用穴C2は、少なくとも長軸側端部31aよりも大きく形成してある。しかし、電池収容部C1に乾電池Bが収容されているときは、電極5及び電池収容ケースCの側の電極の付勢力によって、蓋1は取り外し側に付勢される。よって、蓋1が電池収容ケースCに対してガタつくことはない。
【0036】
また、図4に示すように、ロック部材3の裏面において、楕円中心L1を中心とする同心円上に感触用凹部34を凹設してある。感触用凹部34は、90°毎に長軸上と短軸上とに四箇所設けてある。一方、図4に示すように、収容部22の底面22aにおいて、中心Lを中心とし、かつ、感触用凹部34が設けられた円と同じ径の円上に感触用凸部24を凸設してある。感触用凸部24は、長辺に平行で中心Lを通過する線上と、それと90°をなす位置との二箇所に設けてある。感触用凸部24と感触用凹部34とは対応した形状であり、両者の係合により、ロック部材3が90°回転する毎に抵抗が与えられる。つまり、感触用凸部24と感触用凹部34とによって、図6,7のように長軸側端部31aが収容部22に最も引退した状態となる毎に、及び、図8,9のように長軸側端部31aが開口部26から最も突出した状態となる毎に、使用者にクリック感を与えることができる。また、感触用凸部24と感触用凹部34とは、ロック部材3を回転させ過ぎるのを防止するストッパーの役割もなす。さらに、感触用凹部34を90°毎に四箇所設けているので、ロック部材3を時計回り及び半時計回りの何れの方向にどれだけ回転操作しても上述の効果が得られる。
【0037】
なお、感触用凹部34の出隅と感触用凸部24との出隅は、互いの径脱動作によって欠損・磨耗しないよう、面取りをしてある。
【0038】
〔ガイド部について〕
図6,7の状態のときは、ツマミ部32の端部の側面32aは、蓋部材2の何れにも接触していない。しかし、「フランジ部の直径e」≒「基部31の短径b」であるため、ロック部材3が回転操作されるや否や、側面32aが内周面25aに案内され、ロック部材3の回転操作が円滑に行える。即ち、内周面25aが、本発明に係る「ガイド部」に相当する。
【0039】
〔その他の構成について〕
図5に示すごとく、ツマミ部32は、本体部21の表面から飛び出ないように高さを設定してある。また、フランジ部25は本体部21の表面を収容部22の側へ凹入した位置に形成してある。これにより、ツマミ部32を本体部21の表面から飛び出さなくしても、使用者はツマミ部32をつまみ易い。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態において、収容部22の短辺dの長さを基部31の短径bと同じ値に設定したが、これに限られるものではない。ロック部材3の回転途中において、ロック部材3の基部31の一部が開口部26から突出する状態と、基部31の全てが収容部22に収容される状態が存在するように構成すれば良い。図示はしないが、例えば、短辺の長さを、基部の短径よりも大きく、かつ、基部の長径よりも小さくなるよう設定しても良い。また、基部の形状は楕円形状である必要もない。図示はしないが、例えば、基部の形状は菱形形状や長方形形状であっても良い。
【0041】
(2)上述の実施形態において、ツマミ部32は、基部31の短軸に沿って短軸の一方の端部から他方の端部に亘るよう、基部31の表面から立設したが、これに限られるものではない。図示はしないが、例えば、ツマミ部は、基部の長軸に沿いつつ、楕円中心を中心として短径の長さと同じ長さのものであっても良い。
【0042】
(3)上述の実施形態において、基部31とツマミ部32とは一体形成したが、これに限られない。図示はしないが、基部とツマミ部とを別途に形成し、基部を収容部に圧入してから、基部にツマミ部を固着しても構わない。
【0043】
(4)上述の実施形態において、感触用凸部24の数は二箇所としたが、ロック部材3に付与すべき抵抗力に応じて、一箇所としても、三箇所としても、あるいは四箇所としても良い。また、感触用凸部及び感触用凹部はなくても構わない。さらに、感触用凸部及び感触用凹部は、必ずしも基部31の裏面及び収容部22の底面22aに備えた凹凸である必要はない。図示はしないが、例えば、フランジ部の内周面及び基部の外周面に備えた凹凸であっても良い。
【0044】
(5)上述の実施形態において、ロック部材3の回転方向及び回転範囲が制限されないよう構成したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、ロック部材の回転可能な範囲を、例えば、90°以下の一定範囲に制限しても構わない。
【0045】
(6)上述の実施形態では、支持用凸部23を蓋部材2に設け、支持用凹部33をロック部材3に設けた。しかし、図示はしないが、支持用凸部をロック部材に設け、支持用凹部を蓋部材に設けてあっても良い。同様に、感触用凸部をロック部材に設け、感触用凹部を蓋部材に設けてあっても良い。
【0046】
(7)電池としては、乾電池等の一次電池に限られず、充放電可能な二次電池でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、電池式の装置であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
A 電子機器(装置)
C1 電池収容部
1 電池収容部蓋
2 蓋部材
3 ロック部材
5 電極(電池用端子)
23 支持用凸部(係合部)
25 フランジ部
25a 内周面(ガイド部)
26 開口部
31 基部
31a 長軸側端部(係止部)
32 ツマミ部
32a 側面
33 支持用凹部(被係合部)
b 短径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池で駆動する装置の電池収容部を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材に内装されると共に、前記装置に係止して前記蓋部材を前記装置に固定可能な係止部を有するロック部材と、を備え、
前記蓋部材に、前記ロック部材の被係合部と係合して前記ロック部材を回転可能に支持する係合部と、前記ロック部材の回転により前記係止部が出退する開口部とを一体的に形成し、
前記ロック部材を、前記開口部から前記蓋部材に圧入し、前記蓋部材に係合させてある電池収容部蓋。
【請求項2】
前記ロック部材が、前記係止部を有する板状の基部と前記基部から立設された回転操作用のツマミ部とを備え、
前記蓋部材が、前記ロック部材を回転操作するときに前記ツマミ部の端部を案内するガイド部を備えた請求項1に記載の電池収容部蓋。
【請求項3】
前記基部を楕円形状に形成すると共に、前記ツマミ部を前記楕円形状の短軸もしくは長軸に沿い、かつ、平面視で前記楕円形状の短径と同じ長さを有する長方形形状に形成し、
前記ツマミ部の回転軌跡に沿った内周面を有すると共に、前記基部の上面を部分的に覆うフランジ部を前記蓋部材に形成し、
前記内周面を、前記ツマミ部の端部の側面を案内する前記ガイド部としてある請求項2に記載の電池収容部蓋。
【請求項4】
前記基部と前記ツマミ部とを一体的に形成してある請求項2または3に記載の電池収容部蓋。
【請求項5】
前記蓋部材の裏側に電池用端子を備えた請求項1から4の何れか一項に記載の電池収容部蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−119130(P2011−119130A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275831(P2009−275831)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】