説明

電池用電極の製造方法および電池の製造方法

【課題】活物質材料を含む塗布液の塗布により電池用電極を製造する技術において、パターン間の接触を回避しつつ、従来より狭い間隔でストライプ状パターンを形成する。
【解決手段】集電体となる基材11上に、活物質材料を含む塗布液をノズルスキャン法により塗布して、互いに平行でY方向に沿って延びるストライプ状の活物質パターンP1,P3,P5,…,を形成する。塗布液から液体成分を揮発させてパターン裾部分の広がりを収縮させてから、既設パターンの間に塗布液をストライプ状に塗布して、パターンP2,P4,P6,…,を形成する。これにより、隣接パターンを同時に形成した場合に裾部分同士が近接しパターンが接触するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、活物質材料を含む塗布液を基材に塗布して電池用電極を製造する方法および該電極を用いて電池を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばリチウムイオン電池のような化学電池を製造する方法として、本願出願人は、集電体となる基材の表面に活物質材料を含む塗布液をストライプ状に塗布して一方電極を形成し、これに電解質層や他方電極を積層する技術を先に開示した(特許文献1参照)。この技術においては、所定方向に多数の吐出口を配列したノズルを基材表面に対して走査移動させるとともに各吐出口から塗布液を吐出させるノズルスキャン方式により、活物質材料を含む塗布液を基材表面に塗布し、互いに平行な多数のストライプ状の活物質パターンを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−070788号公報(例えば、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノズルを基材表面に対して走査移動させつつ塗布液を吐出させるノズルスキャン方式では、特に塗布液の粘度が低い場合や基材に対する濡れ性が良好な場合に、塗布直後の塗布液が基材上で周囲に広がることがある。上記従来技術では、隣接するパターン間の間隔を設定するに際してこのことを考慮する必要がある。
【0005】
その一方で、電池性能、より具体的には電池容量および充放電特性をさらに向上させるために、活物質パターンの高密度化も求められており、平行なパターン間の間隔をより狭めることが必要となっている。この場合、上記従来技術では、塗布直後の塗布液の広がりによって隣接するパターン同士が接触してしまう可能性があり、このようなパターンの高密度化の要求に対して対応が難しい場合があるという点で、上記従来技術は改善の余地が残されている。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、活物質材料を含む塗布液の塗布により電池用電極を製造する技術において、パターン間の接触を回避しつつ、従来より狭い間隔でストライプ状パターンを形成して、電池の性能向上に寄与することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の態様は、基材の表面に互いに平行な複数のストライプ状の活物質パターンを配してなる電池用電極の製造方法において、上記目的を達成するため、液体に活物質の材料を混入させた塗布液を吐出するノズルを前記基材の表面に対して相対的に所定の走査方向に走査移動させて、前記塗布液を前記基板表面にストライプ状に塗布する第1塗布工程と、前記塗布液の前記液体成分を揮発させて、前記活物質による第1の活物質パターンを形成する揮発工程と、活物質の材料を含む塗布液を吐出するノズルを前記基材の表面に対して相対的に前記走査方向に走査移動させて、前記塗布液を前記基材表面の前記第1の活物質パターンの隣接位置にストライプ状に塗布し、前記第1の活物質パターンに隣接する第2の活物質パターンを形成する第2塗布工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、互いに隣接する活物質パターンの形成を同時に行わず、第1の活物質パターンを形成するための塗布液の塗布(第1塗布工程)と、これに隣接する第2の活物質パターンを形成するための塗布液の塗布(第2塗布工程)との間に、先に塗布された塗布液から液体成分を揮発させる揮発工程を設けている。
【0009】
本願発明者らの知見によれば、液体に活物質材料を分散させてなる活物質パターン形成用の塗布液では、ノズルから吐出された塗布液は基材上で一時的に広がるため、塗布直後のパターンの幅は吐出口の幅よりも若干大きくなっている。その後、液体成分の揮発に伴ってパターンが収縮するため、乾燥後のパターン幅は塗布直後よりも小さくなる。
【0010】
互いに隣接するパターンを形成するための塗布液の塗布を同時に、または液体成分が揮発するのに十分な時間間隔をおかずに行った場合、特にパターン間の間隔が小さいときパターン同士が互いに接触してしまう可能性が高くなる。これは、上記のように塗布直後のパターンの幅が広がることに加えて、両パターンが共に流動性を有して表面形状が変化しやすくなっているからである。また、パターン間に液体成分またはその蒸気が介在することにより、静電的な引力や分子間力等によって両パターンが互いに引き寄せられることも考えられる。そのため、パターン間の間隔を十分に小さくすることが難しい。
【0011】
一方、両パターンの塗布の間に揮発工程を設けると、先に形成された活物質パターンの幅が収縮により小さくなっており、またその流動性も低くなっている。そのため、後の工程で塗布される塗布液が基材上で広がったとしても、形成済みの活物質パターンと接触するに至る確率は大きく低減されている。これにより、従来よりもパターン間隔を小さくすることが可能である。このように、本発明によれば、パターン間の接触を回避しつつ、従来より狭い間隔で高密度なストライプ状パターンを有する電池用電極を製造することが可能である。
【0012】
この発明では、例えば、第1塗布工程では塗布液を互いに平行な複数のストライプ状に塗布し、第2塗布工程では、第1塗布工程で形成された複数のストライプの間に塗布液を塗布するようにしてもよい。例えば、多数本のストライプ状パターンを形成する場合、最終的に形成されるパターンの並びにおいて奇数番目のものを第1塗布工程で、偶数番目のものを第2塗布工程で形成するようにすることができる。こうすることで、互いに隣接するパターン間では揮発工程を挟んでそれぞれが形成されることとなるため、パターン同士の接触を未然に回避することができる。
【0013】
その具体的態様の第1の例としては、第1塗布工程ではノズルの基材表面に対する走査移動と、ノズルを基材表面に対し相対的に走査方向と直交する方向へ所定ピッチ移動させるピッチ送り動作とを交互に実行することで、塗布液を複数のストライプ状に塗布し、第2塗布工程ではノズルの基材表面に対する走査移動と、第1塗布工程におけるピッチ送り動作と同じ方向へのピッチ送り動作とを交互に実行することで、複数の第1の活物質パターンの間に塗布液をストライプ状に塗布することが考えられる。
【0014】
この場合の第1塗布工程では、基材に対するノズルの位置を走査方向と直交する方向にピッチ送りしながらノズルの走査移動を繰り返すことで、互いに平行な複数の活物質パターンが基材上に順次形成される。このとき互いに隣接配置されるパターンは、最終的に製造される電池用電極において隣接するものではない。すなわち、こうして形成されたパターンのそれぞれに隣接するパターンが、第2塗布工程により、第1塗布工程と同様にして順次形成される。
【0015】
この場合、第1および第2塗布工程におけるピッチ送り動作方向を同じとすることで、第1塗布工程で先に塗布形成されるパターンと、これに隣接する位置に第2塗布工程で塗布形成されるパターンとの間には、その形成タイミングに十分な時間間隔が生じることとなる。このインターバルが先に塗布された塗布液から液体成分を揮発させるための塗布工程の少なくとも一部となるため、揮発工程のために別途設けるべき処理時間を短縮または省略することが可能となる。
【0016】
また、本発明の具体的態様の第2の例としては、第1塗布工程では塗布液を吐出する吐出口が走査方向と直交する方向に等間隔で複数配列されたノズルを走査方向に走査移動させて塗布液を複数のストライプ状に塗布し、第2塗布工程では、第1塗布工程で使用したノズルを走査方向と直交する方向に吐出口の配列ピッチの半分だけ移動させてから走査方向に走査移動させて、複数の第1の活物質パターンの間に塗布液をストライプ状に塗布することが考えられる。
【0017】
このような動作では、1回のノズルの走査移動で複数のパターンを同時に形成することができるので、多数のパターンを有する電池用電極を短時間で製造することが可能である。この場合、最終的に基材上で隣接するパターンを同時に形成するのではなく、それらの並びにおいて1つおきのパターンが同時に形成され、その間に配置されるパターンが先のパターンの揮発工程を経て形成されることで、隣接パターン間の接触が回避される。
【0018】
これらの発明において、揮発工程では、例えば基材表面に塗布された塗布液の加熱または周囲雰囲気の減圧により、液体成分を揮発させるようにしてもよい。塗布後時間をおくことにより塗布液の液体成分は次第に揮発するが、塗布液を加熱、または周囲雰囲気を減圧することで、液体成分の揮発をより促進させて、処理時間を短縮することができる。
【0019】
また、これらの発明では、例えば、第1の活物質パターンの始端位置と、第2の活物質パターンの始端位置とを、走査方向において互いに異ならせるようにしてもよい。塗布液を吐出するノズルを基材に対して走査移動させることでストライプ状の塗布を行う場合、塗布開始位置で塗布液が過剰に基材に付着し、パターン始端部の幅が他の部分よりも大きくなることがある。隣り合うパターンのそれぞれにおいてこのようなパターン幅の増大が生じるとパターン間が接触することがあるが、隣接パターン間で走査方向における始端位置を異ならせることにより、この問題を未然に回避することが可能である。
【0020】
また、この発明にかかる第2の態様は、上記したいずれかの製造方法により、電極を製造する電極製造工程と、前記電極の前記活物質パターンを形成された面に、電解質材料を含む塗布液を塗布して前記活物質パターンを覆う電解質層を形成する電解質層形成工程とを備えることを特徴とする電池の製造方法である。
【0021】
このように構成された発明では、上記のように隣接パターンの接触がなく、しかもパターン間の間隔が小さいストライプ状の活物質パターンを有する電極に、他の機能層が塗布により積層されて電池が製造される。すなわち、この発明によれば、高密度のストライプ状パターンに形成された表面積の大きな活物質層を有する高性能の電池を製造することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
この発明にかかる電池用電極および電池の製造方法によれば、互いに接触することなく、しかも近接して配置された複数のストライプ状活物質パターンを有する電池用電極を製造することが可能であり、これを用いる電池の容量や充放電特性等の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明を用いて製造される電池の構成例を示す図である。
【図2】この実施形態におけるモジュール製造方法を示すフローチャートである。
【図3】ノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図4】パターン間隔を小さくした場合に生じうる問題点を説明するための図である。
【図5】この実施形態における負極活物質層の形成処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の処理で形成される活物質パターンの外観を模式的に示す図である。
【図7】図5の処理で形成される活物質パターンの断面形状を模式的に示す図である。
【図8】本実施形態にかかるパターン形成の第1および第2の例を示す図である。
【図9】本実施形態にかかるパターン形成の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1はこの発明を用いて製造される電池の構成例を示す図である。より詳しくは、図1(a)はこの発明にかかる電池の製造方法の一実施形態により製造されるリチウムイオン電池モジュールの断面の概略構造を示す図である。また図1(b)は、この発明にかかる電池用電極の製造方法の一実施形態によって製造されて図1(a)に示す電池モジュールに使用される電極の概略構造を示す図である。このリチウムイオン電池モジュール1は、負極集電体11の上に負極活物質層12、固体電解質層13、正極活物質層14および正極集電体15を順番に積層した構造を有している。この明細書では、X、YおよびZ座標方向をそれぞれ図1(a)に示すように定義する。
【0025】
図1(b)は負極集電体11表面に負極活物質層12を形成してなる負極電極10の構造を示す斜視図である。図1(b)に示すように、負極活物質層12はY方向に沿って延びるストライプ状のパターン120がX方向に一定間隔を空けて多数並んだ、ラインアンドスペース構造となっている。一方、固体電解質層13は固体電解質によって形成された略一定の厚さを有する薄膜であり、上記のように負極集電体11の上に負極活物質層12が形成されてなる負極電極10表面の凹凸に追従するように、該電極10上面のほぼ全体を一様に覆っている。
【0026】
また、正極活物質層14は、その下面側は固体電解質層13上面の凹凸に沿った凹凸構造を有するが、その上面は略平坦となっている。そして、このように略平坦に形成された正極活物質層14の上面に正極集電体15が積層されて、リチウムイオン電池モジュール1が形成される。このリチウムイオン電池モジュール1に適宜タブ電極が設けられたり、複数のモジュールが積層されてリチウムイオン電池が構成される。
【0027】
ここで、各層を構成する材料としては、リチウムイオン電池の構成材料として公知のものを用いることが可能であり、負極集電体11、正極集電体15としては、例えば銅箔、アルミニウム箔をそれぞれ用いることができる。また、正極活物質としては例えばLiCoO2(LCO)を主体とするものを、負極活物質としては例えばLi4Ti512(LTO)を主体としたものを、それぞれ用いることができる。また、固体電解質層13としては、例えばポリエチレンオキサイドとポリスチレンとの混合物を用いることができる。なお、各機能層の材質についてはこれらに限定されるものではない。
【0028】
このような構造を有するリチウムイオン電池モジュール1は、薄型で折り曲げ容易である。また、負極活物質層12を図示したような凹凸を有する立体的構造として、その体積に対する表面積を大きくしているので、薄い固体電解質層13を介した正極活物質層14との対向表面積を大きく取ることができ、高効率・高出力が得られる。このように、上記構造を有するリチウムイオン電池は小型で高性能を得ることができるものである。
【0029】
図2はこの実施形態におけるモジュール製造方法を示すフローチャートである。この製造方法では、まず負極集電体11となる金属箔、例えば銅箔を準備する(ステップS101)。薄い銅箔を使用する場合はその搬送や取り扱いが難しいので、例えば片面をガラス板や樹脂シート等のキャリアに貼り付ける等により搬送性を高めておくことが好ましい。
【0030】
続いて、銅箔の一方面に、負極活物質を含む塗布液をノズルディスペンス法、中でも塗布液を吐出するノズルを塗布対象面に対し相対移動させるノズルスキャン法により塗布する(ステップS102)。塗布液としては、例えば、前記した負極活物質を含む有機系LTO材料(有機・無機複合材料)を用いることができる。塗布液には、負極活物質の他に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。なお、負極活物質材料としては上記したLTOの他に例えば黒鉛、金属リチウム、SnO2、合金系などを用いることが可能である。
【0031】
図3はノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。より詳しくは、図3(a)はノズルスキャン法による塗布の様子を側面から見た図、図3(b)は同じ様子を斜め上方から見た図である。ノズルスキャン法によって塗布液を基材に塗布する技術は公知であり、本方法においてもそのような公知技術を適用することが可能であるので、装置構成については説明を省略する。
【0032】
ノズルスキャン法では、塗布液を吐出するための吐出口を1つまたは複数穿設されたノズル21を銅箔11の上方に配置し、吐出口から一定量の塗布液22を吐出させながら、ノズル21を銅箔11に対し相対的に矢印方向Dsに一定速度で走査移動させる。こうすることで、銅箔11上には塗布液22がY方向に沿ったストライプ状に塗布される。ノズル21に複数の吐出口を設ければ1回の走査移動で複数のストライプを形成することができ、必要に応じて走査移動を繰り返すことで、銅箔11の全面にストライプ状に塗布液を塗布することができる。これを乾燥硬化させることで、銅箔11の上面に負極活物質層12が形成される。また、塗布液に光硬化性樹脂を添加し塗布後に光照射して硬化させるようにしてもよい。
【0033】
この時点では、略平坦な銅箔11の表面に対して負極活物質層12を盛り上げた状態となっており、単に上面が平坦となるように塗布液を塗布する場合に比べて、活物質の使用量に対する表面積を大きくすることができるので、後に形成される正極活物質との対向面積を大きくして高出力を得ることができる。
【0034】
図2のフローチャートの説明を続ける。こうして形成された、銅箔11に負極活物質層12を積層してなる積層体(負極電極)10の上面に対し、適宜の塗布方法、例えばスピンコート法により電解質塗布液を塗布する(ステップS103)。電解質塗布液としては、前記した高分子電解質材料、例えばポリエチレンオキサイド、ポリスチレンなどの樹脂、支持塩としての例えばLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)および溶剤としての例えばジエチレンカーボネートなどを混合したものを用いることができる。
【0035】
こうして形成された、銅箔11、負極活物質層12、固体電解質層13を積層してなる積層体に対して、適宜の方法、例えば公知のナイフコート法により正極活物質を含む正極活物質塗布液が塗布されて、正極活物質層14が形成される(ステップS104)。正極活物質を含む塗布液としては、例えば、前記した正極活物質と、導電助剤としての例えばアセチレンブラック、結着剤としてのSBR、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)および溶剤としての純水などを混合した水系LCO材料を用いることができる。正極活物質材料としては、上記したLCOの他、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=Mxyz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。また、塗布方法としては、例えばナイフコート法、バーコート法やスピンコート法のように、平面上に平坦な膜を形成することが可能な公知の塗布方法を適宜採用することができる。
【0036】
このようにして正極活物質を含む塗布液を積層体に塗布することで、下面が固体電解質層13の凹凸に沿った凹凸を有する一方、上面が略平坦な正極活物質層14が形成される。こうして形成された正極活物質層14の上面に、正極集電体15となる金属箔、例えばアルミニウム箔を積層する(ステップS105)。このとき、先のステップS104で形成された正極活物質層14が硬化しないうちに、その上面に正極集電体15を重ねることが望ましい。こうすることで、正極活物質層14と正極集電体15とを互いに密着させて接合することができる。また正極活物質層14の上面は平らに均されているので、正極集電体15を隙間なく積層することが容易となっている。以上のようにして、図1(a)に示したリチウムイオン電池モジュール1を製造することができる。
【0037】
上記したリチウムイオン電池の製造方法は、基本的に前述の特許文献1(特開2011−070788号公報)のものと同じである。ただし、本実施形態においては、多数のストライプ状の活物質パターン120の間隔を従来よりも短くして活物質層12における活物質パターン120の高密度化を図るために、ステップS102での負極活物質層12の製造工程を以下のように構成している。
【0038】
図4はパターン間隔を小さくした場合に生じうる問題点を説明するための図である。ノズル21からの塗布液の吐出により基材としての銅箔11上に形成される活物質パターン120の断面形状は、厳密にはノズル吐出口の形状および塗布液の粘度に依存するが、例えば図4(a)に示すように上向きに凸の略半円形状となる。ただし、塗布直後の流動性の高い状態から硬化後まで同じ形状をしているわけではない。すなわち、塗布直後の液体成分を多く含み流動性の高い状態では、図4(b)に示すように、略半円形状の断面における裾の部分121がパターン延設方向と直交する方向、すなわちX方向に広がった状態となっている。
【0039】
その後、乾燥が進むと、液体成分の揮発に伴ってパターンは若干収縮し、図4(c)に示すように、特にパターンの裾部分121がほとんど消滅し、図4(a)に示すような本来の断面形状が得られる。しかしながら、隣接するパターン120間の間隔が小さくなると、図4(d)に示すように、塗布液が流動性を維持した状態のまま裾部分121同士が接触し、結果として隣接パターンが電気的につながった状態となってしまうことがある。特に、塗布液の流動性が高い状態では、1箇所で接触があると表面張力の作用により2つのパターンが広範囲で接触し、場合によっては完全に一体化してしまう。
【0040】
隣接するパターンが互いに同一組成の活物質である場合にはこのような接触は大きな問題とならないとも考えられるが、接触があると活物質パターンの表面積が想定された値と大きく異なってしまい、また製品ごとのばらつきも大きくなってしまうので、性能の安定した電池を製造するという観点からはデメリットとなる。
【0041】
そこで、この実施形態では、以下に説明する方法によって負極活物質層を形成することでこの問題の解消を図っている。その原理は以下の通りである。先に示したように、基材11に塗布された塗布液120は裾部分121が一時的に周囲に広がり、その後収縮して裾部分121はほぼ消滅する。そして、パターンの接触は、隣接パターンの裾同士が流動性の高い状態で近接することによって発生しやすくなる。これは、近接する流動体同士の間の静電気力や分子間力に起因する相互間の吸引力や、パターン間に介在する溶剤蒸気等の作用によるものと考えられる。
【0042】
したがって、隣接するパターンの少なくとも一方が流動性を有していなければ、パターン間の接触が起こる確率は大きく低減される。すなわち、最終的には互いに隣接することになるパターンのうち一方を先に塗布により形成して液体成分を揮発させてしまった後に、もう一方を塗布により形成するようにすれば、隣接パターン間での接触の危険性は極めて小さくなる。
【0043】
図5はこの実施形態における負極活物質層の形成処理を示すフローチャートである。また、図6および図7は、図5の処理で形成される活物質パターンの外観および断面形状をそれぞれ模式的に示す図である。図5に示す処理は、図2のステップS102の処理をより詳細に示すものである。先のステップS102の説明では単にノズルスキャン法により負極活物質層12を形成する、としたが、実際にはこの処理は図5に示す各処理ステップに細分化される。この処理では、基材としての銅箔11上に形成される多数の活物質パターン120は同時に形成されるのでなく、隣接するパターン間で時間差を設けて形成される。
【0044】
すなわち、図5に示すように、最終的に基材11上に並べて形成されるパターン120のうち、その並び順において奇数番目のものに対応するストライプ状パターンをまずノズル21の走査移動によって塗布・形成する(ステップS201)。そして、これらのパターンに含まれる液体成分を揮発させる揮発工程を実行した後に(ステップS202)、基材11に対するノズル21のX方向位置をノズル21における吐出口の配列ピッチの半分だけシフト移動させてから(ステップS203)、再びノズル21の走査移動を行って、既設パターンの間に最終的に偶数番目のパターンとなるストライプ状パターンを形成する(ステップS204)。
【0045】
この処理のステップS201まで実行された状態では、図6(a)および図7(a)に示すように、基材11上に塗布された奇数番目のパターンP1,P3,P5,…,は流動性を維持しており、該流動性によりそれぞれの裾部分がX方向に広がった断面形状となっている。
【0046】
ステップS202の揮発工程では、塗布液を塗布された基材11を、例えば乾燥雰囲気下で所定時間静置する、加熱する、または周囲雰囲気を減圧する等の方法により、塗布液により形成されたパターンP1,P3,P5,…,から液体成分を揮発させる。その結果、図6(b)および図7(b)に示すように、パターンの裾部分の広がりは消滅し、略半円断面の硬化したパターンP1,P3,P5,…,となる。図6および図7では、液体成分が揮発し硬化したパターンにはドットによるハッチングを付すことで、未硬化のパターンと区別をしている。
【0047】
この状態でステップS204における塗布が実行される。このとき、図6(c)および図7(c)に示すように、このステップで塗布されたパターンP2,P4,P6,…,はその流動性により裾部分に広がりを生じるが、これに隣接するパターンP1,P3,P5,…,の裾部分の広がりは既に解消されている。このため、隣接パターン間で裾部分同士が接近し接触することは防止されている。
【0048】
このように、この実施形態では、最終的に形成される電極10では互いに隣接することになる2つのストライプ状パターンを異なるタイミングで塗布形成し、しかも両者の塗布の間に、先に塗布された塗布液から液体成分を揮発させるための工程を設けている。こうすることで、隣接パターン間の接触が回避されるため、パターン間の間隔を従来よりも狭くして、ストライプ状の活物質パターンを従来よりも高密度に形成することができる。
【0049】
なお、液体成分の揮発によって消滅するパターンの裾部分には、若干の活物質材料が含まれていると考えられる。したがって、液体成分の揮発後の基材11上には部分的に薄い活物質材料の膜が残留している場合もあり、これにより隣接パターン間が接続されてしまうこともあり得る。しかしながら、例えばプリント基板における配線パターン間の短絡とは異なり、これらのパターンは電池用電極における同組成の活物質パターンであることから、その影響は限定的なものに留まると考えられる。
【0050】
次に、上記のような原理に基づく電池用電極の具体的な製造方法のいくつかの態様について、図8および図9を参照して順に説明する。
【0051】
図8は本実施形態にかかるパターン形成の第1および第2の例を示す図である。上記のように隣接するパターンを異なるタイミングで形成する方法としては、例えば図3に示した塗布方法を応用したものが考えられる。すなわち、図3(b)に示すように、塗布液を吐出する吐出口をX方向に多数配列したノズル21を基材11の表面に対してY方向に走査移動させることで、互いに平行でY方向に沿って延びる複数のストライプ状パターン22を形成することが可能である(第1塗布工程)。そして、こうして複数のパターンを形成した後、基材11に対するノズル21のX方向位置を、既設パターンのX方向配列ピッチ、すなわちノズル21における吐出口の配列ピッチの1/2だけ移動させる。その後、再びY方向への走査移動を行うことにより、既設のパターンの間にそれぞれさらに1本ずつ新たなパターンを形成することができる(第2塗布工程)。これにより、従来の2倍の密度(すなわち1/2の配列ピッチ)でパターンを形成することが可能である。
【0052】
このとき、図8(a)に示すように、塗布開始時における基材11に対するノズル21のY方向位置を異ならせる。このようにすると、隣接パターン間でY方向におけるパターン始端位置が交互に異なる、千鳥配置のパターンが形成される。このようにする理由は以下の通りである。すなわち、基材に対して相対移動するノズルから塗布液を吐出させて塗布液を基材に塗布するノズルスキャン法においては、塗布開始時のノズル開口での塗布液の滞留や走査移動との動作タイミングの関係で、最初に基材上に着液した塗布液が周囲に流れ広がってしまい、結果としてパターン始端部の幅が本来よりも広がってしまうことがある。
【0053】
特に、パターン間隔をこれまでより小さくする場合、パターン始端部の広がりに起因して隣接するパターンが接触してしまうことがある。前記したように、同一組成のパターン間での部分的な接触は大きな問題とはならなくても、この場合のパターン始端部における接触では、塗布液の表面張力および既設パターンに対する濡れ性によって塗布液が既設パターン側に引き寄せられてしまう。そのため、そのままの状態でノズル走査移動を行っても、いったん接触したパターンが分離することは期待できず、所定の間隔を空けたパターンを形成することができない。
【0054】
互いに隣接するパターンの始端位置をY方向に異ならせることで、このようなパターンの広がりに起因するパターン間の接触を回避することができる。始端位置を千鳥配置とすることは必須の要件ではないが、互いに平行な多数のパターンを、しかも隣接パターン間で始端位置を異ならせて形成するためには、このような千鳥配置とするのが合理的であり、また図8に示す例のように吐出口が一列に配置された単一のノズルを用いて全体のパターン形成を行うことが可能である。なお、前後の走査移動でそれぞれ形成されるパターンの間での位置関係には、次の2通りが考えられる。
【0055】
図8(a)に示す第1の例では、1回目の走査で基材11表面に形成された既設パターン221の始端位置よりもノズル21の走査移動方向Dsにおける上流側(図において左下)から、2回目のパターン222の塗布が開始される。この場合には、2回目の走査で塗布される塗布液は、1回目の走査で形成されたパターン始端部の間を通って下流側に向けて塗布される。このようにした場合、2回目の走査で塗布される塗布液は、既設パターンから離れた位置で広がった後、塗布幅の安定した状態で既設パターンの間に塗布されてゆくため、塗布液が広がることにより既設パターンと接触するのを確実に防止することができる。
【0056】
そして、1回目の走査と2回目の走査との間に、1回目の走査で塗布された塗布液から液体成分を揮発させパターンを収縮させる工程を設けることにより、X方向へ広がる各パターンの裾部分に起因するパターン間の接触を未然に防止して、ストライプ状パターンを高密度に形成することが可能である。
【0057】
一方、図8(b)に示す第2の例では、1回目の走査で基材11に形成された既設パターン223の始端位置よりもノズル21の走査移動方向Dsにおける下流側から、2回目のパターン224の塗布が開始される。このようにした場合にも、塗布液が既設パターンと接触するのを防止することが可能であり、またノズル21の先端が既設パターンの始端部の間を通過するときに既設パターンと接触し損傷させることがない。
【0058】
図9は本実施形態にかかるパターン形成の第3の例を示す図である。上記各例ではX方向に複数の吐出口を配列したノズルを用いて複数のパターンを同時に形成しているが、単一の吐出口を有するノズルを用いても、同様の構成を有する電極10を製造することが可能である。すなわち、図9(a)に示すように、単一の吐出口を有するノズル28を、基材11に対するX方向位置を一定の送りピッチで変更しながら、その都度Y方向への走査移動を行わせることで、互いに平行でY方向に延びる複数のパターン291を形成する(第1塗布工程)。
【0059】
その後、最初に形成したパターン2911と2番目に形成したパターン2912との間で、しかもこれらのパターンの始端位置とはY方向位置を異ならせた位置にノズル28を移動させ、上記と同じ送りピッチでノズル28の基材11に対するX方向位置を変更しながら、その都度ノズル28をY方向に走査移動させる(第2塗布工程)。こうすることによって、既設パターン291の間に新たなパターン292を形成することができる。先の例と同様、新たなパターン292の始端位置は既設パターン291の始端位置の走査移動方向Dsにおける上流側、下流側のいずれともすることができる。
【0060】
この例では、第1塗布工程において複数のパターン291を1本ずつ順に形成した後、最初の位置に隣接する位置にノズル28を戻して第2塗布工程が実行される。このため、第1塗布工程で形成されるパターン291と、これに隣接する位置に第2塗布工程で形成されるパターン292との間で形成タイミングに大きな差が生じている。このため、第1塗布工程が終了する時点、つまり第1塗布工程における最後のパターン形成が終わった時点では、最初のうちに形成されたパターンからの液体成分の揮発がある程度進んでいると考えられる。また、第1塗布工程の遅い時期に形成されたパターンについても、第2塗布工程におけるパターン形成が順次進行する間に液体成分の揮発が進むことが期待される。
【0061】
このことから、第1塗布工程と第2塗布工程との間に設ける揮発工程にかけるべき時間は上記例よりも短縮することが可能であり、パターンを1本ずつ形成することによって生じるスループットの増大を抑制することが可能である。特に、第1塗布工程終了時点で最初に形成されたパターンからの液体成分の揮発が十分に進行しているような状況においては、第1塗布工程の終了後、直ちに第2塗布工程に移行することができる。この場合、第1塗布工程によりパターンの形成を行いつつ、形成済みのパターンについての揮発工程を同時に実行していると言うことができる。
【0062】
なお、これらの塗布例において、パターンの終端位置については特に限定されず、Y方向の同じ位置で終端させて構わない。塗布の終了位置においては開始位置と同様のパターンの顕著な広がりは見られず、また仮に終端部でパターンの広がりによる接触が生じたとしても接触はその位置のみに限定されるからである。
【0063】
以上のように、この実施形態では、最終的に形成される電極上で隣接配置されることになるパターンを同時に形成するのではなく、一方のパターンを塗布により形成した後、液体成分が十分に揮発するような揮発工程を経てから他方のパターンを塗布により形成する。こうすることで、先に形成されたパターンの裾部分が収縮してほとんど消滅した後に、それに隣接するパターンが形成されることとなるため、これらを同時に形成した場合に裾部分同士が近接することに起因するパターンの接触が回避される。
【0064】
そのため、従来よりも狭い間隔で活物質パターンを形成することができる。その結果、この実施形態では、容量および充放電特性の良好な電池を製造するための電池用電極を製造することが可能である。
【0065】
以上説明したように、この実施形態においては、図6におけるパターンP1,P3,P5,…、図8(a)におけるパターン221、図8(b)におけるパターン223、図9(a)におけるパターン291等が本発明の「第1の活物質パターン」に相当している。また、図6におけるパターンP2,P4,P6,…、図8(a)におけるパターン222、図8(b)におけるパターン224、図9(b)におけるパターン292等が本発明の「第2の活物質パターン」に相当している。
【0066】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態は、説明した方法により形成した負極電極10に固体電解質層、正極活物質層および正極集電体を順次積層することで全固体電池を製造する方法に本発明を適用したものであるが、このような固体電解質を用いるもののみならず、電解液による電解質層を有する電池を製造する技術およびそのための電極を製造する技術に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0067】
また、上記実施形態では、Y方向におけるパターンの始端位置を隣接パターン間で互いに異ならせているが、このようにパターンの始端位置を変えた構造のみならず、Y方向における始端位置を揃えたパターンを形成する場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0068】
また、上記実施形態で例示した集電体、活物質、電解質等の材料はその一例を示したものであってこれに限定されず、リチウムイオン電池の構成材料として用いられる他の材料を使用してリチウムイオン電池を製造する場合においても、本発明の製造方法を好適に適用することが可能である。また、リチウムイオン電池に限らず、他の材料を用いた化学電池の製造およびそれに用いられる電極の製造全般に対して、本発明を適用することが可能である。
【0069】
また上記説明では、発明の原理を理解しやすくするために基材に対してノズルを走査移動させる態様を例示しているが、基材とノズルとの相対移動は、ノズル、基材のいずれを移動させることによっても実現可能である。むしろ、ノズルに振動が加わることによる塗布の乱れを防止するという観点からは、ノズルを固定し基材を移動させる構成とするのが好ましいと言える。
【産業上の利用可能性】
【0070】
この発明は、活物質を用いた電池用電極および該電極を用いた電池の製造技術に好適に適用することができ、特に基材上に複数のストライプ状の活物質パターンを高密度に形成して、容量および充放電特性の良好な電池を提供することを可能とするものである。
【符号の説明】
【0071】
10 電極(電池用電極)
11 基材
21,28 ノズル
221,223,291 活物質パターン(第1の活物質パターン)
222,224,292 活物質パターン(第2の活物質パターン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に互いに平行な複数のストライプ状の活物質パターンを配してなる電池用電極の製造方法において、
液体に活物質の材料を混入させた塗布液を吐出するノズルを前記基材の表面に対して相対的に所定の走査方向に走査移動させて、前記塗布液を前記基板表面にストライプ状に塗布する第1塗布工程と、
前記塗布液の前記液体成分を揮発させて、前記活物質による第1の活物質パターンを形成する揮発工程と、
活物質の材料を含む塗布液を吐出するノズルを前記基材の表面に対して相対的に前記走査方向に走査移動させて、前記塗布液を前記基材表面の前記第1の活物質パターンの隣接位置にストライプ状に塗布し、前記第1の活物質パターンに隣接する第2の活物質パターンを形成する第2塗布工程と
を備えることを特徴とする電池用電極の製造方法。
【請求項2】
前記第1塗布工程では、前記塗布液を互いに平行な複数のストライプ状に塗布し、
前記第2塗布工程では、前記第1塗布工程で形成された複数のストライプの間に前記塗布液を塗布する請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
【請求項3】
前記第1塗布工程では、前記ノズルの前記基材表面に対する走査移動と、前記ノズルを前記基材表面に対し相対的に前記走査方向と直交する方向へ所定ピッチ移動させるピッチ送り動作とを交互に実行することで、前記塗布液を前記複数のストライプ状に塗布し、
前記第2塗布工程では、前記ノズルの前記基材表面に対する走査移動と、前記第1塗布工程におけるピッチ送り動作と同じ方向へのピッチ送り動作とを交互に実行することで、前記複数の第1の活物質パターンの間に前記塗布液をストライプ状に塗布する請求項2に記載の電池用電極の製造方法。
【請求項4】
前記第1塗布工程では、前記塗布液を吐出する吐出口が前記走査方向と直交する方向に等間隔で複数配列された前記ノズルを前記走査方向に走査移動させて前記塗布液を前記複数のストライプ状に塗布し、
前記第2塗布工程では、前記第1塗布工程で使用した前記ノズルを前記走査方向と直交する方向に前記吐出口の配列ピッチの半分だけ移動させてから前記走査方向に走査移動させて、前記複数の第1の活物質パターンの間に前記塗布液をストライプ状に塗布する請求項2に記載の電池用電極の製造方法。
【請求項5】
前記揮発工程では、前記基材表面に塗布された前記塗布液の加熱または周囲雰囲気の減圧により、前記液体成分を揮発させる請求項1ないし4のいずれかに記載の電池用電極の製造方法。
【請求項6】
前記第1の活物質パターンの始端位置と、前記第2の活物質パターンの始端位置とを、前記走査方向において互いに異ならせる請求項1ないし5のいずれかに記載の電池用電極の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の電池用電極の製造方法により、電極を製造する電極製造工程と、
前記電極の前記活物質パターンを形成された面に、電解質材料を含む塗布液を塗布して前記活物質パターンを覆う電解質層を形成する電解質層形成工程と
を備えることを特徴とする電池の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−65533(P2013−65533A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204944(P2011−204944)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】