説明

電池

【課題】電池を提供する。
【解決手段】缶(11)と、蓋(12)と、シール(13)と、を備える電池(1)であって、閉じられた内部容積でハウジングを組み立てるために缶(11)に適合する前記蓋(12)と、相互に関連する蓋(12)及び缶(11)を密封する前記シール(13)と、を有する。多孔質膜(14)は缶(11)及び蓋(12)の主表面に平行に配置され、前記内部容積を2つのサブセル(15、16)に分割するが、それぞれのサブセル(15、16)は1つ又は複数の電解質層と1つ又は複数の層構造体とを含む。少なくとも部分的に活物質で覆われ、1つ又は複数の貫通孔を含む導電膜を、後者は備える。更に、層構造体は前記多孔質膜(14)に平行に配置され、導電膜は缶(11)又は蓋(12)の何れかに接続される。この構造は、活物質と電解質との間、並びに電解質と多孔質膜との間の大きな接触面積を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶と、蓋と、シールとを備える電池に関し、閉じられた内部容積でハウジングを組み立てるために缶に適合する蓋と、相互に関連する蓋及び缶を密封するシールと、缶及び蓋の主表面に平行であり、内部容積を2つのサブセルに分割する多孔質膜と、を有し、それぞれのサブセルは、1つ又は複数の電解質層と1つ又は複数の層構造体とを含み、後者は少なくとも部分的に活物質で覆われた導電膜を備える。
【背景技術】
【0002】
一次電池(再充電できない)又は蓄電池(多数回再充電可能である)の何れかであるボタンセル形状の電池は、現在では通常、例えばリストウォッチ、ポケット電卓及び補聴器など長いサービス寿命を必要とする携帯用電子機器の独立した小さい電源として使用される。通常の電池と同様に、それらは閉鎖回路で電流を発生する並列接続の多数のガルバニック要素から成る。これらは通常、次いで円形の蓋及びシールによって閉じられる円筒形の缶の内部に配置されるが、シールは缶と蓋の間の電気的絶縁及び気密性の閉鎖を提供する。
【0003】
最先端の設計において、並列接続のガルバニック要素は、平行且つ垂直な壁を伴う同心円状で中空の金属円環体から成る。円環体はそれぞれ、セパレータ材料層(つまり塩橋)でその内部が覆われ、カソード材料を含む。アノード材料は円環体間に配置される。アノード及びカソード材料間のイオン交換を許容するために、円環体の垂直壁はセパレータ材料層によって内部から閉じられた穴によって貫通される。それ故に、円環体は缶の側面及び底部と導電的に接続され、そして陽極になるが、一方アノード材料のリングは蓋の内部表面に導電的に連結され、陰極を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の設計は、多くの欠点を有する。第1に、任意のガルバニックセルの内部抵抗は、アノード及びカソード材料の両方に接触するセパレータ層の表面積に反比例する。アノード材料のセパレータ層への接続を許容するために円環体の壁を貫通することは、化学反応が起こり得る面積を低減する。何れの動作設計もそれ故に、電流の製造を最適化するために、穴面積に対して妥協してバランスされた壁面積を有する。第2に、円環体と缶との間の導電接続は円環体を直接缶の底部又は壁上に配置することによって容易に実現可能である一方、アノード材料層と蓋との間の導電リンクはより複雑である。それは大抵、蓋内部の下面に溶接されアノード材料まで延びた一連の薄片によって達成される。これらの薄片間の接触は動作モードを制限しない一方、薄片と円環体との間の接触はショート回路を提供する可能性があり、厳重に回避されなければならない。これは薄片間に配置された非導電性充填材料によって達成され得るが、一方それはアセンブリを大幅に複雑にする。第3に、缶と蓋との間の比較的小さい密封領域は、初めは気密性のシールを提供するが、容易に破壊され、アノード及び絶縁材料は分割され、電池の性能が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題はそれ故に、導入部において述べた技術分野に関し、アノード及びカソード材料の両方に接触するセパレータ層の表面積を最大化すると同時に、アノード又はカソード材料と缶又は蓋との間の単純ではあるが効果的な導電接続を許容する電池の構築にある。
【0006】
課題の解決策は請求項1の特徴によって提供される。本発明によると、1つ又は複数の層構造体は多孔質膜に平行に配置され、一方導電膜はそれぞれ蓋又は缶に接続され、1つ又は複数の層構造体の少なくとも1つは1つ又は複数の共通の貫通孔を含む。
【0007】
2つのサブセル、つまりアノードのサブセル及びカソードのサブセルはともに、電気化学的セルを形成する。
【0008】
間に電解質を伴う多孔質膜に平行な層構造体の配置は、電解質と膜との間に大きな相互作用面積を提供することによって、2つのサブセル間の効果的なイオン交換を保証する。これは同様に、高品質な電池の顕著な特徴である、電池によって生じる非常に安定な電流及び高い性能比をもたらす。導電膜の缶又は蓋への接続は、アノードとカソードとの間に電流を流すのに必須であるが、それはアノードに接続された導電膜内部で電子が自由であり、カソードを通って後者の導電膜へと移動する必要があるからである。共通の貫通孔は電解質の良好な循環を可能にし、層構造体の多孔質膜に対して遠い面上に生成されたイオンがとにかく膜に到達するのを許容し、この場合も先と同様に、良好な電池性能を保証する。
【0009】
好ましい実施形態では、サブセルの少なくとも1つで使用される層構造体は、リンクによって接続された多数のディスク形状であり、活物質で覆われた多数のディスク面を有する。これは、電解質に接触する活物質の表面積の最大化を許容する。更に、導電材料のディスク間の良好な電子伝導性はこれらのリンクを通して維持されるが、それは高い電池性能のための必要条件である。
【0010】
代わりに、導電材料は別の形態になり得るが、その場合は電解質に接触する活物質の表面と導電膜の面積との間の比率が最適ではないため、より劣った電池性能をもたらし得る。
【0011】
好ましくは、層構造体の終端のディスクの1つは片面のみ活物質で覆われるが、他の全てのディスクは両面を活物質で覆われる。これは、前記ディスクと缶又は蓋の主表面との間の大面積接続を可能にし、非常に良好な電子伝達、故に安定な電流をもたらす。
【0012】
代替の実施形態では、層構造体の全てのディスクは両面を活物質で覆われ、導電膜と缶又は蓋の主表面との間の接続の数及び面積を低減する。
【0013】
有利に、サブセルの少なくとも1つの内容物は、間に電解質を伴いながら前記層構造体のディスクを重ね合わせて積層することで生成される。この配置は、結果として生じるサブセルの容積に対する表面積全体の最適な比率を示し、それと同時に活物質と電解質との間の接触面積を最大化する。結果として、このように組み立てられたサブセルの非常に高い性能が達成され得る。この実施形態では、ディスクを重ね合わせて配置することを許容するために、これらのリンクは曲げられることが要求される。2つのディスク間に少なくとも1つのリンクが必要であるが、それはディスクを積層する際に最大の曲げやすさを提供するため、これは好ましい選択である。
【0014】
代わりに、層構造体は平坦な配置で使用され得る。
【0015】
好ましくは、覆われていない面を伴うディスクは、サブセルとは反対側に覆われていない面を伴ってサブセルの上部又は底部の何れかにある。これは活物質と電解質との間の接触面積を最大化し、サブセルと缶又は蓋の何れかの主表面との間の大面積導電接続を更に許容し、非常に高くて安定な電子の流れをもたらし、それは同様に高い電池性能につながる。
【0016】
優先的に、リンクは缶又は蓋の何れかの内壁に導電的に接続される。結果として、電流は導電膜から缶又は蓋の何れかへの複数の異なる手段による流れを有し、サブセルの性能を高める。更に、電子は導電材料の各ディスクから直接缶又は蓋へと流れることができ、導電的に缶又は蓋に接続されたそれらのディスクにおける電子の蓄積を回避する。後者は電池性能を制限し、不安定な電流につながり得る。
【0017】
代わりに、リンクは活物質で覆われた一方のディスクから他方へ、最終的には缶又は蓋を伴う導電膜の導電接続へと電子を導く役割のみ行う。
【0018】
好ましくは、片面のみ活物質で覆われたディスクは、蓋の内部主表面又は缶の内部主表面の何れかに導電的に接続される。導電膜と缶又は蓋との間のこのような大面積導電接続は、効果的且つ非常に安定な電流を保証し、並びにこのような接続において電子の蓄積をもたらす問題を低減する。
【0019】
第2の好ましい実施形態では、サブセルの少なくとも1つで使用される層構造体は、実質的に缶及び蓋の主表面の形状であり、少なくとも片面を活物質で覆われた多数の導電膜ディスクを備える。これは、活物質と電解質との間の接触面積の最大化、故に高い電池性能をもたらす。上述の第1実施形態とは対照的に、この実施形態は導電膜のディスク間の直接的な電気的接続を含まない。
【0020】
代わりに、これらの膜ディスクは実質的な主表面以外の任意の形となるが、それは活物質と電解質との間の接触面積を低減する。
【0021】
好ましくは、膜ディスクの縁に隣接する領域に活物質が存在しないように、導電膜は部分的にのみ活物質で覆われる。このようなコーティングの形態は、活物質と電解質との間の接触面積を最大化する。更に、微細な空隙をもたらす、堅い固体材料間、すなわち活物質と缶又は蓋の内壁との間の接触を回避することで、有効な容積を非常に良好に利用することができる。
【0022】
代替の実施形態では、導電膜は両面を活物質で完全に覆われる。
【0023】
有利に、サブセルの少なくとも1つの内容物は、間に電解質層を伴いながら複数の層構造体を重ね合わせて積層することで生成される。このような配置は、活物質と電解質との間の接触面積を最大化し、またサブセルの容積に対する全表面の良好な比率をもたらす。
【0024】
代わりに、層構造体は並んで配置され、電解質層によって囲まれる。しかしこれにより、サブセルの全表面は大きくなり、低減された容積を有することになる。
【0025】
好ましくは、導電膜の外縁は缶又は蓋の何れかの内壁に、導電的に連結される。導電膜を缶又は蓋の何れかの内壁に接続するこの方法は、電流を導電膜へ又は導電膜から流すことを許容する単純且つ効果的な方法を示すだけでなく、非常に大きな接続断面積を提供することによって導電膜における電子の蓄積を回避する。
【0026】
代わりに、導電膜は通常の導体の手段によって、缶又は蓋に接続される。
【0027】
好ましい実施形態では、貫通孔は丸い形であり、それらの軸はディスク表面に対して垂直である。これは層構造体の2つの面間の接続を生成する最も単純な方法を示し、サブセル内部の電解質の循環を許容する。
【0028】
代わりに、貫通孔の形は任意の他の幾何学的形状を有し、及び/又は前記貫通孔の軸の方向は垂直から一定角度それる。
【0029】
好ましくは、貫通孔の数は5であり、それらは正方形、菱形、又は偏菱形の中心及び角に配置される。これらの貫通孔は電解質の循環に必要であるため、それらの数及び断面積の増加は良好な循環をもたらす。しかし一方、各貫通孔は活物質と電解質との間の接触面積を低減する。それ故に、貫通孔の最適数は前述の効果をバランスする。それらの配置の均等な(even)分配は効果的な循環を許容する。ディスクにおける5つの孔の均等な配置は、ディスクの円形形状からのずれに応じて、ディスクの中心と一致した中心を有する正方形、菱形、又は偏菱形の中心及び角にそれらを配置する結果になる。
【0030】
代替の実施形態では、異なる数及び/又は配置の孔が使用され得る。
【0031】
好ましい実施形態では、電解質は溶液であり、その溶液はキャリアに吸収される。このようなキャリアは、例えば発泡プラスチック、繊維状ガーゼ、スポンジ又は同様のものなどで作られ得る。これは使用した及び未使用の電解質の良好な混合、並びに多孔質膜へのイオンの高速且つ効果的な輸送を可能にするが、それはともに電池性能を改善する。加えて、キャリアは層構造体を分離し、電池ハウジング内の位置にそれらを保持する。
【0032】
代わりに、例えばポリマー電解質などの固体電解質が使用され得る。
【0033】
好ましくは、缶及び蓋は両方とも円筒形構造である。このような幾何学的形状は圧倒的に最も一般的な電池の形状であり、それ故に幅広い応用に適している。更に、それは電解質の均等な分配を許容する。当然ながら、他の形状も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による電池を垂直に切断した図である。
【図2】電池の上面図である。
【図3】第1実施形態による導電膜の垂直断面図である。
【図4】第1実施形態による導電膜の上面図である。
【図5】第1実施形態による導電膜で達成される層構造体の垂直断面図である。
【図6】第2実施形態による導電膜の垂直断面図である。
【図7】第2実施形態による導電膜の上面図である。
【図8】第2実施形態による導電膜で達成される層構造体の垂直断面図である。
【図9】その層構造体が第1実施形態による導電膜で達成される電池の垂直断面図である。
【図10】その層構造体が第2実施形態による導電膜で達成される電池の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、好ましい実施形態及び本発明の特徴の組合せを更にもたらす説明並びに集合的な特許請求の範囲について詳述する。
【0036】
原則、異なる図面における類似の部分は類似の符号で参照される。
【0037】
図1及び2はそれぞれ、両方ともが例えば銅などの金属で作られた缶11及び蓋12を備える電池1の垂直断面及び上面を示し、蓋12は缶11の高さの略半分の高さを有し、且つ缶11の内部に適合する。有機ポリマーとセメントとの結合に基づくシール13は、缶11に対して蓋12を気密の方法で固定し、蓋12と缶11との間の壁領域全体を覆い、2つの部分が同様に電気的に絶縁されるようにする。このように作り出された容積内部では、イオン輸送を許容する多孔質膜14が缶11及び蓋12の上部及び底部の表面に平行に置かれ、容積を2つのサブセル15、16に分割する。これら2つのサブセル15、16のそれぞれは、異なる実施形態による活物質で覆われた導電膜と、その間に配置された電解質との層構造体で満たされる。図示された電池は、略2.5mmの直径及び略1.1mmの高さを有する。層構造体は以下で詳細に説明される。
【0038】
図3及び4はそれぞれ、第1実施形態による層構造体20の垂直断面及び上面を示し、金属導電膜21は、一直線に配置されリンクによって接続された3つの大体円形であるディスク20.1、20.2、20.3から成る。導電膜21の材料は例えば、カソードとしてはアルミニウム、又はアノードとしては銅であり得る。導電膜21の2つの連続したディスク20.1、20.2は、活物質22、例えばアノードとしての使用には炭素又はカソードとしての使用にはコバルト酸リチウム(LiCoO)、で両面を覆われ、ディスクの中心及びディスクの中心からおよそ半径の半分の距離にある菱形の角に配置された、それらの表面に垂直な5つの貫通孔23を含む。前記ディスクの列の終端にある導電膜21のディスク20.3の1つは片面のみ活物質22で覆われ、孔を全く含まない。ディスク20.1、20.2、20.3は単に大体円形であるが、隣接するディスクにリンクによって接続される面で、ディスク20.1、20.2、20.3の中心を接続する直線に垂直なコードを伴うセグメントを切断する。この特異な形状は、リンクを曲げることと、その幅がディスク20.1、20.2、20.3の直径によって与えられる容積内にディスク20.1、20.2、20.3を重ね合わせて同心円状に配置することと、を許容する空間を発生させるために必要である。
【0039】
図5は図3及び4で示された前記第1実施形態による層構造体20の垂直断面を示し、それはサブセルを発生させるために折り畳まれ、間に電解質24を伴う。導電膜21のディスク及び活物質22がストラップを曲げることによって重なり合って同心円状に配置されることで、それぞれの孔23が互いに対応し、2つのディスク毎に間に電解質層24が伴われる。層は繊維状ガーゼから作られたキャリアによって構成される。ガーゼの内部に吸収された電解質自体の組成は、従来技術からそのようなものとして知られているが、とりわけ電極に使用される材料に適合する。この図はまた、ディスクの特異な形状、つまりその幅がディスクの直径によって画定される容積内で導電膜21のリンクの曲げを許容するのに役立つセグメントの切断、の必要性を示す。更に、片面のみ覆われ、孔を全く含まないディスクが、層構造体とは反対側に覆われていない面を伴って層構造体の底部に配置されるが、それは缶又は蓋の内部に配置する際に、導電材料21と缶又は蓋の何れかとの間の直接的且つ効果的な導電接続を許容する。
【0040】
図6及び7はそれぞれ、両面を活物質32で覆われた導電材料31の円形ディスク状の第2実施形態による層構造体30の垂直断面及び上面を示す。このコーティングは、ディスクの縁に隣接する環状区域を覆われていない状態で残す方法で達成される。5つの貫通孔33はこの複合ディスクの中心及びディスクの中心からおよそ半径の半分の距離にある正方形の角に配置される。
【0041】
図8は図6及び7で示された第2実施形態による層構造体30を積み重ねることによって達成されるサブセルを示し、間に電解質層34を伴って同心円状に重ね合わせられる。
【0042】
図9は、そのサブセル15、16が図3から5で示された第1実施形態による層構造体を用いることによってともに達成されたサブセルを含む、電池の垂直断面を示す。2つのサブセルは、2つのサブセル15、16の間のイオン輸送を許容する多孔質膜14によって分離される。
【0043】
図10は、そのサブセル15、16が図6から8で示された第2実施形態による層構造体を用いることによってともに達成されたサブセルを含む、電池の垂直断面を示す。この場合も先と同様に、層構造体は多孔質膜14によって分離される。
【0044】
層構造体の形状は本発明の範囲内で修正され得、例えば第1実施形態のディスクは楕円形状であり得るが、その場合小さい準主軸がセグメントの切断を不必要にする。
【0045】
第1実施形態におけるディスクは一直線になる必要はないが、任意の配置において2つのディスク間のリンクによる接続を許容し得る。
【0046】
何れかの実施形態による層構造体及びサブセルにおいて使用されるディスクの数は、とりわけ電池の寸法に応じて任意に変化させ得る。
【0047】
第2実施形態による層構造体を使用するサブセルは、サブセルとは反対側に覆われていない面を有する山積みの層構造体の底部又は上部に、片面のみ活物質で覆われた導電膜の追加ディスクを使用することができ、それ故に導電膜と缶又は蓋との間の大面積の導電接続を作り出す。
【0048】
2つの実施形態の何れかを使用して組み立てられたサブセルは、多孔質膜とその隣接する活物質の層との間に追加の電解質層を含み得る。
【0049】
要約すると、本発明はアノード及びカソード材料の両方に接触するセパレータ層の表面積を最大化すると同時に、アノード又はカソード材料と缶又は蓋との間の単純であるが効果的な導電接続を許容する電池を作り出すという結論に至る。
【符号の説明】
【0050】
1 電池
11 缶
12 蓋
13 シール
14 多孔質膜
15、16 サブセル
20、30 層構造体
20.1、20.2、20.3 ディスク
21、31 金属導電膜、導電材料
22、32 活物質
23、33 貫通孔
24、34 電解質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶(11)と、蓋(12)と、シール(13)と、を備える電池(1)であって、
a)閉じられた内部容積を伴うハウジングを組み立てるために前記缶(11)に適合する前記蓋(12)と、
b)相互に関連する前記蓋(12)及び前記缶(11)を密封する前記シール(13)と、
c)前記缶(11)及び前記蓋(12)の主表面に平行であり、前記内部容積を2つのサブセル(15、16)に分割する多孔質膜(14)と、
d)1つ又は複数の電解質層(24、34)と、少なくとも部分的に活物質(22、32)で覆われた導電膜(21、31)を備える1つ又は複数の層構造体(20、30)と、を含むそれぞれのサブセル(15、16)と、
を有し、
e)前記1つ又は複数の層構造体(20、30)は前記多孔質膜(14)に平行に配置され、一方、前記導電膜(21、31)はそれぞれ前記蓋(12)又は前記缶(11)に接続され、
f)前記1つ又は複数の層構造体(20、30)の少なくとも1つは、1つ又は複数の共通の貫通孔(23、33)を含む、
ことを特徴とする、缶(11)と、蓋(12)と、シール(13)と、を備える電池(1)。
【請求項2】
前記サブセル(15、16)の少なくとも1つで使用される前記層構造体(20)はリンクによって接続された多数のディスク状であり、活物質(22)で覆われた多数のディスク側面を有することを特徴とする、請求項1に記載の電池(1)。
【請求項3】
前記層構造体(20)の終端の前記ディスクの1つは片面のみ活物質(22)で覆われる一方、他の前記ディスクの全ては両面を活物質(22)で覆われることを特徴とする、請求項2に記載の電池(1)。
【請求項4】
前記サブセル(15、16)の少なくとも1つの内容物は、間に電解質(24)を伴いながら前記層構造体(20)の前記ディスクを重ね合わせて積層することで生成されることを特徴とする、請求項2又は3の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項5】
覆われていない面を伴う前記ディスクは、前記サブセルとは反対側に前記覆われていない面を伴って前記サブセルの上部又は底部の何れかにあることを特徴とする、請求項3及び4に記載の電池(1)。
【請求項6】
前記リンクは前記缶(11)又は前記蓋(12)の何れかの内壁に導電的に接続されることを特徴とする、請求項4又は5の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項7】
片面のみ活物質(22)で覆われた前記ディスクは、前記蓋(12)の内部主表面又は前記缶(11)の内部主表面の何れかに導電的に接続されることを特徴とする、請求項5又は6の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項8】
前記サブセル(15、16)の少なくとも1つで使用される前記層構造体(30)は、実質的に前記缶(11)及び前記蓋(12)の主表面の形状であり、少なくとも片面が活物質(32)で覆われた多数の導電膜(31)を備えることを特徴とする、請求項1から7の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項9】
前記導電膜(31)は、前記膜ディスクの縁に隣接する領域に活物質(32)が存在しないように、部分的にのみ活物質(32)で覆われることを特徴とする、請求項8に記載の電池(1)。
【請求項10】
前記サブセル(15、16)の少なくとも1つの内容物は、間に電解質層(34)を伴いながら複数の層構造体(30)を重ね合わせて積層することによって生成されることを特徴とする、請求項8又は9の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項11】
前記導電膜(31)の外縁は、前記缶(11)又は前記蓋(12)の何れかの内壁に導電的に連結されることを特徴とする、請求項10に記載の電池(1)。
【請求項12】
前記貫通孔(23、33)は円形であり、それらの軸は前記ディスクの表面に垂直であることを特徴とする、請求項1から11の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項13】
前記貫通孔(23、33)の数は5であり、それらは正方形、菱形、又は偏菱形の中心及び角に配置されることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項14】
前記電解質(24、34)はキャリアに吸収された溶液であることを特徴とする、請求項1から13の何れか1項に記載の電池(1)。
【請求項15】
前記缶(11)及び前記蓋(12)はともに円筒形構造であることを特徴とする、請求項1から14の何れか1項に記載の電池(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−138357(P2012−138357A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−274531(P2011−274531)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(511217429)スイスバット・アーゲー (2)
【Fターム(参考)】