説明

電波伝搬特性推測支援システム、電波伝搬特性推測支援方法及び電波伝搬特性推測支援装置

【課題】任意の地域の電波伝搬特性を、他の地域の測定データを基に、推定する作業を支援する。
【解決手段】電波伝搬特性推測支援システムは、記憶部と、属性情報入力部と、出力部と、を備える。記憶部は、地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する。属性情報入力部は、電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する。出力部は、記憶部に記憶されている情報を検索して、属性情報入力部により入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の地域の電波伝搬特性を推測する処理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の電波状況を測定し、その結果を収集する技術が、種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、通信エリア内の電波状況(受信電波の強度)を把握するシステムを開示する。このシステムは、車両等に搭載された電波状況情報収集装置と、この電波状況情報収集装置と無線通信が可能な管理センタとから構成される。各電波状況情報収集装置は、無線基地局から送信された電波の受信強度(受信電界強度)を表す受信強度情報を生成する。各電波状況情報収集装置は、生成した受信強度情報と受信地点を示す地点情報と現在時刻を示す時刻情報とから構成される電波状況情報を生成し、管理センタに送信する。管理センタは、地点情報に基づいて、受信強度情報が示す受信強度が測定されたエリアを判定し、ユーザが視覚的に把握できるように、地図上に受信強度の分布を表示する。
【0004】
また、特許文献2は、携帯端末から受信強度を示すデータを収集するシステムを開示している。このシステムは、複数の携帯端末と、移動体通信網と、電波測定システムとから構成される。移動体通信網の交換機は、調査対象エリアの内の携帯端末の発信時に、携帯端末より、受信レベルデータと位置データとを収集し、時刻情報等を付加して、電波測定システムに送信する。電波測定システムは、受信した情報を解析して、該当エリアの電波状況をリアルタイムに把握する。
【0005】
ところで、移動体通信事業者等が、ある地域で新規に移動体通信事業を行う場合、当該地域の電波伝搬特性、例えば、伝搬損失等を推測する必要がある。その際、上記の技術等を用いて測定した他の地域のデータを参考にすることがある。
【0006】
しかしながら、上記公開公報は、通信事業を実際に行っている地域の電波状況を示すデータを収集する技術を開示するのみで、収集したデータを用いて、他の任意の地域の電波伝搬特性を推定する技術を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−232344号公報
【特許文献2】特許第3495025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、任意の地域の電波伝搬特性を、他の地域の測定データを基に、推定する作業を支援する電波伝搬特性推測支援システム、電波伝搬特性推測支援方法及び電波伝搬特性推測支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電波伝搬特性推測支援システムは、
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力部と、
前記記憶部に記憶されている情報を検索して、前記属性情報入力部により入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2の観点に係る電波伝搬特性推測支援方法は、
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された情報を検索して、前記属性情報入力ステップにおいて入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第3の観点に係る電波伝搬特性推測支援装置は、
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を検索して、前記属性情報入力手段により入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電波状況が測定されていない地域の地域情報を指定することにより、地域の電波伝搬特性を推測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電波伝搬特性推測支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】測定用端末装置が生成する電波状況情報の構成を示す図である。
【図3】測定用端末装置が生成する測定データの構成を示す図である。
【図4】測定データ記憶部に保存される地域別測定データの構成を示す図である。
【図5】地域情報記憶部に保存される情報を示す図である。
【図6】(a)は、地域情報記憶部に保存される地域特徴情報の構成を示す図である。(b)は、地域情報記憶部に保存されるサブ地域の地域特徴情報の構成を示す図である。
【図7】(a)ないし(c)は、地域に地域特徴情報を付与する方法について説明するための図である。
【図8】参考情報記憶部に記憶される電波伝搬特性情報の例を示す図である。
【図9】電波伝搬特性情報の問合わせ画面の一例である。
【図10】(a)及び(b)は、測定用端末装置による電波状況の測定開始からデータ蓄積装置に地域別測定データが保存されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】地域別測定データ生成の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】電波伝搬特性情報更新の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】(a)及び(b)は、解析用端末装置からデータ蓄積装置の電波伝搬特性情報を検索する処理手順を示すフローチャートである。
【図14】(a)及び(b)は、解析用端末装置において表示される応答情報の一例を示す図である。
【図15】(a)及び(b)は、第2の実施形態における、測定用端末装置による電波状況の測定開始からデータ蓄積装置に地域別測定データが保存されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】アップロード問合わせ画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態に係る電波伝搬特性推測支援システム1を詳細に説明する。
第1の実施形態に係る電波伝搬特性推測支援システム1は、i)移動体通信事業を実施済みの各地域について電波状況を実測して蓄積し、ii)ある地域で新規に移動体通信事業を開始する場合に、その地域と同様の属性を有するサービス実施済地域の電波伝搬特性を、蓄積している情報の中から抽出して提示する。これにより、この電波伝搬特性推測支援システム1は、ユーザが任意の地域の伝搬特性等を推測する処理を支援する。
【0015】
電波伝搬特性推測支援システム1は、図1に示すように、測定用端末装置10と、データ蓄積装置20と、解析用端末装置30と、を備える。測定用端末装置10とデータ蓄積装置20とは、インターネット等の第1のネットワーク40に接続され、相互に通信可能である。また、データ蓄積装置20と解析用端末装置30とは、インターネット等の第2のネットワーク50に接続され、相互に通信可能である。なお、測定用端末装置10と、データ蓄積装置20と、解析用端末装置30とが、共通のネットワークに接続された構成も採用できる。
【0016】
測定用端末装置10は、移動体通信事業を実施済みの地域について電波状況(信号強度、無線品質、通信速度)を実測して、データを蓄積する装置である。測定用端末装置10は、車両(例えば、自動車や電車等)105に搭載され、車両105の移動範囲内の各地点の電波状況を測定し、測定した電波状況を示す測定データを生成して、データ蓄積装置20に送信する。
【0017】
測定用端末装置10は、機能的には、無線通信部100と、位置情報取得部101と、データ記憶部102と、通信部103と、制御部104と、を備える。
【0018】
無線通信部100(電波状況測定部)は、PCカード(PCMCIAカードともいう)等を備え、例えば、基地局500を介して携帯電話ネットワーク501と通信する機能を有する。無線通信に使用する通信方式としては、例えば、W−CDMA、CDMA2000、HSPA(High Speed Packet Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、等を採用できる。
【0019】
無線通信部100は、さらに、通信時の電波状況を測定する機能を有する。ここで、電波状況とは、受信電波の信号強度(Received Signal Strength Indicator)、伝搬損失から判断される無線品質、パケット送受信速度等の通信速度を意味する。無線通信部100は、測定した電波状況に通信先の基地局500の識別子を付加して、図2に示す電波状況情報を生成し、出力する。
【0020】
位置情報取得部101は、GPS(Global Positioning System)受信機を備え、GPS受信機が受信したGPS電波から測定用端末装置10の現在位置(緯度、経度)を測位し、位置情報を出力する。また、位置情報取得部101は、自律航法機能も備える。具体的には、位置情報取得部101は、車速パルスセンサやジャイロスコープ等を備え、これらが検出した信号に基づいて、GPS電波が得られない場合に現在位置を求め、あるいは、GPS電波に基づいて測位した現在位置を補正する。
【0021】
データ記憶部102は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置を備え、無線通信部100が出力した電波状況情報と位置情報取得部101が出力した位置情報とを含む測定データを図3に示すように記憶する。
【0022】
通信部103は、所定の通信方式により、データ蓄積装置20と第1のネットワーク40を介して、データの送受を行う。
【0023】
制御部104は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを備え、ROM等に記憶されているソフトウェアプログラムに従って、測定用端末装置10全体の制御を行う。例えば、図10Aのフローチャートに示す処理を行い、無線通信部100が出力した図2に示す電波状況情報と位置情報取得部101が出力した位置情報とを連結して図3に示す測定データを生成し、データ記憶部102に格納する。
【0024】
データ蓄積装置20は、i)測定用端末装置10が測定及び収集した測定データを加工して、移動体通信事業を実施済みの各地域について電波伝搬特性を求めて蓄積し、ii)解析用端末装置30から、任意の地域(通常、新規に移動体通信事業を開始するエリア内の任意の地域)の属性を受信し、受信した属性と同様の属性を有する地域に関する情報を蓄積している情報のうちから抽出して、解析用端末装置30に送信する装置である。
【0025】
データ蓄積装置20は、ワークステーション装置や、サーバ装置等の情報処理装置から構成され、機能的には、データベース200と、測定データ受信部201と、解析用データ送受信部202と、制御部203と、を備える。
【0026】
データベース200は、ハードディスク等の記憶装置から構成され、機能的に、測定データ記憶部210と、地域情報記憶部211と、参考情報記憶部212と、を備える。
【0027】
測定データ記憶部210は、地域別測定データを記憶する。地域別測定データは、図4に示すように、図3に示す測定データに、そのデータが得られた地点の地名を付加したデータである。地域別測定データは、制御部203により生成される。
【0028】
地域情報記憶部211は、図5に示すように、地域情報と地域特徴情報を記憶する。地域情報は、一般に提供されている地図情報(地形図、標高情報等)、官公庁等から発行されている行政区画(例えば、州、郡、市)別の人口密度情報、土地利用形態情報、各地に設置されている基地局や電波塔に関する情報等を含む。
【0029】
一方、地域特徴情報は、地域情報に基づいて、制御部203によって予め作成されたデータである。以下、図6Aないし図7Cを参照して、地域特徴情報の詳細を説明する。
【0030】
地域特徴情報は、図6Aに示すように、予め設定されている地域別に、その地域の座標範囲と、地域名称と、人口密度と、建物率と、土地の起伏等の情報を含む。この地域特徴情報は、地域情報等を用いて以下のようにして生成されている。まず、図7Aに示すように、地図上に一辺が1kmの正方形の区画を設定し、各区画を1つの地域とする。次に、その地域の座標(緯度Yと経度X)の範囲を求める。次に、その地域の名称(地名)を、地域情報を参照して求める。なお、その地域(区画)内に複数の地名のエリアが混在している場合には、例えば、最も広い面積のエリアの地名を設定する。次に、地域情報等を用いて、その区画内の人口密度を求め、例えば、人口密度10000人/km以上の地域には、「高」、人口密度5000人/km以上10000人/km未満の地域には、「中」、人口密度5000人/km未満の地域には、「低」のラベルを付与する。
【0031】
さらに、図6Aの行R1のように「人口密度低」のラベルが付与された地域については、図7B、図7Cに示すように、各地域を縦横それぞれ6つ(計36個)の区画(以下、サブ地域という。)に分割し、その座標範囲と地名を図6Bに示すように設定する。次に、統計情報として発表されている土地利用形態情報を基に、図7Bに示すように、各サブ地域を、建物が建てられている領域である「建物」と建物が建てられていない「非建物」の何れかに分類する。また、図7Cに示すように、地図情報や土地利用形態情報を基に、各サブ地域が「山間部」に該当するか否かを判断する。このようにしてラベルが付与されたサブ地域のデータが、図6Bに示すように、生成される。
【0032】
図6Bのテーブルに基づいて、人口密度「低」の地域を構成するサブ地域のうち、「建物」に分類される比率が70%以上ならば、建物率「高」、30%以上70%未満ならば、建物率「中」、30%未満ならば、建物率「低」のラベルを当該地域に付与し、図6Aのテーブルに設定する。同様に、サブ地域のうち「山間部」に分類される比率が70%以上ならば、起伏「高」、30%以上70%未満ならば、起伏「中」、30%未満ならば、起伏「低」のラベルを当該地域に付与し、図6Aのテーブルに設定する。
【0033】
図7Aないし図7Cの例で示すと、図7Aの人口密度「低」の地域A1を構成するサブ領域の土地利用形態が図7Bに示す形態であるとすると、サブ地域のうち、「建物」に分類される比率が14/36で30%以上70%未満である。従って、地域A1には、建物率「中」のラベルが付される。また、地域A1を構成するサブ領域の山間部該当状態が図7Cに示す状態であるとすると、サブ地域のうち「山間部」に分類される比率が5/36で30%未満である。このため、地域A1には、起伏「低」のラベルが付される。
【0034】
つまり、図7Aの地域A1には「人口密度低/建物率中/起伏低」というラベルが付与される。こうして制御部203により生成された地域特徴データが地域情報記憶部211に記憶される。
【0035】
図1に示す参考情報記憶部212は、図8に示すように、地域(区画)別に、その地域に類似する地域の電波伝搬特性を推定する際の参考となる情報を格納する。具体的には、参考情報記憶部212は参考情報として、その地域での電波伝搬特性を推定するための電波伝搬特性情報を記憶する。さらに、具体的には、例えば、伝搬損失を示す計算式(伝搬損失計算式)を記憶する。この伝搬損失計算式は、制御部203が、測定データ記憶部210に記憶された地域別測定データ、及び地域情報記憶部211に記憶されている地域情報(基地局情報)等を用いて、地域(図7Aの区画)別に作成したものである。
【0036】
図1に示す測定データ受信部201は、所定の通信方式により、測定用端末装置10と、第1のネットワーク40を介してデータの送受を行う。
【0037】
解析用データ送受信部202は、所定の通信方式により、解析用端末装置30と、第2のネットワーク50を介してデータの送受を行う。
【0038】
制御部203は、CPUと、RAMと、ROMとを備え、ROM等に記憶されているソフトウェアプログラムに従って、データ蓄積装置20全体の制御を行う。例えば、制御部203は、測定端末装置10から送られてくる図3に示す測定データに、地域情報記憶部211が記憶する地域特徴情報を参照して、「地名」のラベルを付与し、図4に示すように、地域別測定データを生成する。制御部203は、生成した地域別測定データを測定データ記憶部210に記憶させる。
【0039】
また、制御部203は、測定データ記憶部210に記憶された地域別測定データを用いて、その地域での電波伝搬特性情報を作成し、作成した電波伝搬特性情報を地域別に参考情報記憶部212に記憶させる。なお、電波伝搬特性情報を求める処理については後述する。
【0040】
図1に示す解析用端末装置30は、主に、移動体通信サービスを開始するための作業を行っている者により操作される。ユーザは、電波伝搬特性を推定したい地域(注目地域)がある場合、その地域の属性を解析用端末装置30に入力する。解析用端末装置30は、入力された属性をデータ蓄積装置20に伝達する。データ蓄積装置20は、入力された属性とほぼ一致する属性を有する地域を検索し、その地域とその地域の電波伝搬特性情報を、解析用端末装置30に通知する。解析用端末装置30は、通知された電波伝搬特性情報等を、表示する。ユーザは、表示された、注目している地域と同様の特徴を有するサービス実施済みの地域の電波状況などを参考にしつつ、注目している領域の電波伝搬特性を推定する。
【0041】
解析用端末装置30は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現され、I/F部300と、データ蓄積装置対応部301と、制御部302と、を備える。
【0042】
I/F部300は、モニタ等の表示装置を備え、種々のデータや画像を表示する。例えば、I/F部300は、図9に示すような条件問い合わせ画面をモニタ等に表示する。ユーザが電波伝搬特性を推定したい地域の属性を検索条件として入力すると、I/F部300は入力された条件を受け付ける。また、入力された条件に該当する地域のデータが存在する場合には、I/F部300はそのデータを表示する。
【0043】
データ蓄積装置対応部301は、所定の通信方式により、データ蓄積装置20と、第2のネットワーク50を介してデータの送受信を行う。具体的には、ユーザが電波伝搬特性を推定したい地域の条件(属性)を入力すると、データ蓄積装置対応部301は、データ蓄積装置20に、検索要求と入力された属性とを送信し、データ蓄積装置20から送信された応答(検索された地域とその地域の属性と電波伝搬特性情報)を受信する。
【0044】
制御部302は、CPUと、RAMと、ROMとを備え、ROM等に記憶されているソフトウェアプログラムに従って、解析用端末装置30全体の制御を行う。制御部302は、例えば、後述する図13Aのフローチャートに示す処理を行う。
【0045】
次に、上記構成を有する電波伝搬特性推測支援システム1を用いて、通信サービス提供済みのエリアの各地点において、電波状況を測定し、測定データを取得する処理について説明する。この処理は、主に、測定用端末装置10により実行される。
【0046】
測定用端末装置10のユーザが測定用プログラム(制御部104のROM等に記憶されている)を起動すると、測定用端末装置10(制御部104)は、図10Aに示す処理を開始する。先ず、制御部104は、無線通信部100に無線通信を開始させる(ステップS101)。また、位置情報取得部101に現在位置の位置情報の取得を開始させる(ステップS102)。続いて、制御部104は、無線通信部100が測定した図2に示す電波状況(電波強度、伝搬損失、通信速度)を受信し(ステップS103)、位置情報取得部101が測定した位置情報を受信する(ステップS104)。
【0047】
制御部104は、受信した電波状況と位置情報とを連結し、図3に示す測定データを生成し、データ記憶部102に保存する(ステップS105)。
【0048】
続いて、制御部104は、ユーザから測定を終了する旨の指令が入力されたか否かを判別する(ステップS106)。終了の指令が無ければ(ステップS106;NO)、ステップS103以降の処理を繰り返す。ユーザから終了の指示があると(ステップS106;YES)、制御部104は、無線通信部100に無線通信を終了させ(ステップS107)、位置情報取得部101に現在位置の取得を終了させ(ステップS108)、今回の一連の処理を終了させる。
【0049】
一方、制御部104は、ステップS105でデータ記憶部102に保存した測定データを、例えば、一定周期毎に或いは一定のデータ量が蓄積される毎に、通信部103を介して、データ蓄積装置20に送信(アップロード)する(ステップS111)。
また、測定終了の指令があったと判別された後(ステップS106;YES)、データ記憶部102に記憶されている測定データのアップロードが完了すると、制御部104は、データ蓄積装置20にアップロード終了を通知する(ステップS112)。
【0050】
データ蓄積装置20は、稼動状態にあるときは、図10Bに示す処理を繰り返して実行しており、測定用端末装置10からの測定データの受信を待機している。
データ蓄積装置20の制御部203は、測定データ受信部201を介して、測定用端末装置10から測定データを受信すると、内部メモリに一時的に保存する(ステップS201)。
【0051】
以降、制御部203は、測定用端末装置10からアップロード終了の通知を受領するまで、アップロードされた測定データを順次受信し、内部メモリに蓄積する。
【0052】
制御部203は、測定用端末装置10からのアップロード終了通知を受けると、内部メモリに蓄積した各測定データに、測定地点の地名のラベルを付与して、図4に示す地域別測定データを作成し、測定データ記憶部210に既に記憶されている地域別測定データに追加する(ステップS202)。この処理を、図11を参照して説明する。
【0053】
まず、制御部203は、今回受信した測定データのうちの1つを処理対象として特定する(ステップS301)。次に、制御部203は、処理対象として特定した測定データに含まれている測定地点の座標を抽出する(ステップS302)。続いて、制御部203は、抽出した測定地点の座標をキーに、測定地点の地名を、図6A、6Bに示す地域特徴情報を検索して特定する(ステップS303)。制御部203は、特定した地名を測定データに付加して地域別測定データを生成する(ステップS304)。
【0054】
制御部203は、生成した地域別測定データを内部メモリに一旦記憶する(ステップS305)。
【0055】
続いて、制御部203は、今回受信した全ての測定データの処理が終了したか否かを判別する(ステップS306)。終了していなければ、即ち、未処理の測定データが残っていれば(ステップS306;NO)、ステップS301で次の処理対象測定データを特定し、同様の処理を実行する。
【0056】
最終的に、受信した全ての測定データの処理が終了すると(ステップS306;YES)、制御部203は、生成した地域別測定データを測定データ記憶部210に追加保存する(ステップS307)。続いて、制御部203は、更新された地域別測定データを、測定地点の座標をキーにソートして、各地域(区画)別にグループ化し(ステップS308)、処理を終了する。
【0057】
制御部203は、図11の処理を終了すると、周期的に、或いは、非周期的に、参考情報記憶部212に記憶されている電波伝搬特性情報を更新する。この処理を、図12を参照して説明する。
【0058】
まず、制御部203は、処理対象の地域(図7Aに示す区画)を1つ特定する(ステップS401)。次に、制御部203は、処理対象として特定した地域を測定地点とする地域別測定データを読み出す(ステップS402)。制御部203は、抽出した地域別測定データが、前回の処理のときから変化したか否かを判別する(ステップS403)。変化していなければ(ステップS403;NO)、ステップS407に進む。
【0059】
一方、前回の処理のときから変化がある場合(地域別測定データが追加されている場合:ステップS403;YES)、その地域の電波伝搬特性情報を更新するため、制御部203は、特定した地域又はその近傍の電波塔の電波塔情報を、地域情報記憶部211から読み出す(ステップS404)。
【0060】
次に、制御部203は、電波塔情報で特定されている位置から電波塔情報で特定されるエネルギーの電波が放射されていると仮定した場合に、その地域内の各測定地点で測定された電波強度、伝搬損失、通信速度との誤差の小さい論理値が得られるような、論理モデル(式)を求める(ステップS405)。例えば、ある地域内にn点の測定点が存在し、第iの測定点で測定された電波強度、伝搬損失、通信速度をそれぞれ(ui、vi、wi)とすると、測定値の群(u1、v1、w1)〜(un,vn,wn)との全体としての誤差が最も小さくなるような論理モデル(式)Fを求める。また、予め用意されている複数(ここでは、m個とする)の論理モデル(式)F1...Fmのうちから、電波塔情報で特定される放射電波の放射電波の情報(放射位置、電波塔高、放射エネルギー、指向性等)と複数の実測値とが最も一致する論理モデル(式)を選択し、且つ、その論理モデル(式)に含まれている各係数を特定するようにしてもよい。例えば、制御部203は、伝搬損失計算式の各係数を、回帰法を用いて求める。
具体的には、放射位置からの距離、電波塔高、周波数等のパラメータの線形和で表された伝搬損失計算式を用いる。制御部203は、この伝搬損失計算式が算出する論理値と実測値の誤差が最も小さくなるように、伝搬損失計算式のパラメータの各係数を求める(北尾光司郎、市坪信一、“第4世代移動通信システムの市街地伝搬損失推定式”、第485回電波研連F分科会資料、2004年6月18日)。
【0061】
制御部203は、求めた伝搬損失計算式を、電波伝搬特性情報として参考情報記憶部212に格納する(ステップS406)。
【0062】
続いて、制御部203は、全ての地域についての処理が終了したか否かを判別する(ステップS407)。終了していなければ、即ち、未処理の地域(区画)が残っていれば(ステップS407;NO)、ステップS401で次の処理対象地域を特定し、同様の処理を実行する。
【0063】
最終的に、全ての地域についての処理が終了すると(ステップS407;YES)、処理を終了する。
こうして、参考情報記憶部212には、図8に示すように、地域(区画)単位で、その区画の電波伝搬特性を最も良く表すモデルの情報が格納される。
【0064】
続いて、新規に通信事業のサービスの開設を予定している者が、予定エリア内の任意の地域の電波伝搬特性を推測するために、サービス実施済みのエリアの中から、注目している地域に類似する地域の電波伝搬特性情報を検索する処理について図13Aと13Bを参照して説明する。
【0065】
まず、ユーザは、電波伝搬特性を推測するエリアを1km×1kmのサイズに区画する。次に、各区画について属性(人口密度、土地利用区分(建物か否か)、山間部と平野部の別)を求める。
【0066】
続いて、ユーザは、解析用端末装置30を操作し、図13Aに示す処理を開始させ、制御部302は、I/F部300に、図9に示すような問合わせ画面(検索キー入力画面)400を表示させる。制御部302は、この状態で、ユーザの入力を待機する(ステップS501)。ユーザは、問い合わせ画面400に、わかる範囲内で、電波伝搬特性を予測したい領域(区画)の属性を入力し、入力が終了すると、「検索」ボタン401を押下する。
【0067】
この操作に応答して、解析用端末装置30の制御部302は、検索要求と入力された属性情報とを、データ蓄積装置対応部301を介して、データ蓄積装置20に送信する(ステップS511)。
【0068】
データ蓄積装置20の制御部203は、データ蓄積装置対応部301を介して、送信された検索要求と属性情報とを受信する。
【0069】
制御部203は、受信した検索要求に応答し、検索要求に付随している属性をキーとして、データベース200の参考情報記憶部212を検索し、受信した属性に属性が合致する地域を検索する(ステップS601)。
【0070】
次に、制御部203は、受信した属性に一致する(又は一定の類似度を有する)属性を有する地域が検索できたか否かを判別する(ステップS602)。属性が一致する地域を検索できた場合(ステップS602;YES)、制御部203は、検索された地域の電波伝達特性情報を参考情報記憶部212から読み出す(ステップS603)。
【0071】
制御部203は、検索された1又は複数の地域に関する情報と各地域の電波伝搬特性情報とを含む応答情報を解析用端末装置30に送信する(ステップS612)。一方、ステップS602で該当する地域が検索できなかった場合(ステップS602;NO)、制御部203は、その旨を示す応答情報を解析用端末装置30に送信する(ステップS611)。
【0072】
解析用端末装置30は、データ蓄積装置20からの応答情報を受信すると、その内容をチェックし、検索された地域情報が含まれているか否かをする(ステップS502)。
【0073】
応答情報が検索された地域情報を含んでいる場合(ステップS502;YES)、制御部302は、応答情報に含まれている地域と電波伝搬特性情報とを、例えば、図14Aに示すように、I/F部300に表示させる(ステップS503)。この表示例において、ユーザが「詳細」ボタンを押下すると、例えば、制御部302は、データ蓄積装置20に、選択された「地域」に関する情報を要求し、受信した情報を加工して、図14Bに例示するような詳細画面を表示する。この詳細画面には、ユーザが、今からサービスを開始する注目するエリアと、表示されたエリアの諸条件とを比較しやすいように情報が配列される。また、外部情報へのリンクが適宜埋め込まれる。さらに、その地域で提供されるサービスの種類・会社、基地局の位置やパワーなどの情報も掲載される。
【0074】
ユーザは、検索された地域の情報を参考にして、今注目している新規サービス開始予定対象地域の電波伝達特性を検討し、例えば、基地局の数、基地局の配置位置、各基地局の出力等を検討する。
一方、ステップS502で、地域が検索できなかったと判別された場合(ステップS502;NO)、制御部302は、その旨を示すメッセージをI/F部300に表示させる(ステップS504)。
【0075】
ここで、例えば、ユーザが図9の画面において人口密度「低」、建物率「中」、起伏「低」を指定し、「検索」ボタンを押下したとする。データ蓄積装置20の制御部203は、この属性と同様の属性を有する地域を図6Aの地域別特徴データから検索する。図6Aの例では、行R1の地域の属性が入力された属性に一致する。
そこで、制御部203は、行R1に登録されている座標情報、地名情報、属性、各サブ地域の情報等を読み込む。さらに、図8に示す参考情報記憶部212の行R2から、同一のその地域の電波伝搬特性情報を読み出す。制御部203は、これらの情報を応答情報に含め、解析用端末装置30に送信する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の電波伝搬特性推測支援システム1によれば、ユーザは、今から無線通信サービスを提供したい任意の地域(ターゲット地域)に関して、無線通信サービスが提供済のエリアのうちから、ターゲット地域と同一の属性を有する地域を検索することができる。ユーザは、ターゲット地域の電波伝搬特性等を推測する際に、参考にする地域を容易に特定することが可能となる。
【0077】
また、電波伝搬特性推測支援システム1は、携帯電話ネットワーク以外の、例えば、PHSネットワークや、無線LAN等におけるターゲット地域の電波伝搬特性等の推測に適用することも可能である。
【0078】
また、電波伝搬特性推測支援システム1は、検索した地域の電波伝搬特性情報をユーザに提示する。ユーザは、提示された電波伝搬特性情報等を、ターゲット地域の電波伝搬特性を推測する際に、参考にすることが可能となり、推測が容易となる。従って、ターゲット地域に最適な無線通信システムが設計可能となる。
【0079】
また、電波伝搬特性推測支援システム1は、測定用端末装置10が新たな測定データを得る度に、データ蓄積装置20に蓄積されている電波伝搬特性情報を自動的に更新することもできる。従って、データ蓄積装置20の記憶する電波伝搬特性情報を最新で最適なものに維持することができる。
【0080】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形及び応用が可能である。例えば、以上の説明では、地域を「1km×1km」の区画としたが、そのサイズや形状は任意であり、例えば、任意のサイズの長方形を一区画とすることができる。また、各地域に地域名を付したが、地域名を付さなくても良い。
【0081】
また、各地域の属性として、「人口密度」、「建物率」、「土地の起伏」を採用したが、他の属性を採用することも可能である。例えば、属性として、地域の平均的な建物の高さを採用することも可能である。
また、各属性について、「低」、「中」、「高」の三段階のいずれかのレベルを設定したが、段階数は任意である。例えば、「低」、「高」の二段階、「極低」、「低」、「中」、「高」「極高」の5段階、数値そのものを設定するなどしてもよい。
【0082】
また、本実施の形態では、人口密度が低いと認定された地域(区画)について、土地利用区分と山間部と平野部の別という属性を付加したが、全ての地域(区画)について、土地利用区分と山間部と平野部の別という属性を付加してもよい。
【0083】
また、例えば、人口密度が低いと認定された地域(区画)についてのみ土地利用区分の属性を付加し、全ての地域(区画に)と山間部と平野部の別という属性を付加してもよい。
【0084】
(第2の実施形態)
上記実施の形態においては、測定用端末装置10は、データ蓄積装置20に、測定データを自動的に送信したが、測定用端末装置10が測定データをデータ蓄積装置20に送信するタイミングや契機は任意である。
以下、測定用端末装置10が、測定データを収集後、ユーザの指示に応答して、測定データをデータ蓄積装置20に送信する実施形態について説明する。
【0085】
ユーザが、測定用端末装置10の測定用プログラムを起動すると、制御部104は、図15Aに示す処理を開始する。先ず、制御部104は、無線通信部100に無線通信を開始させ(ステップS701)、位置情報取得部101に現在位置の位置情報の取得を開始させる(ステップS702)。そして、制御部104は、無線通信部100が測定した電波状況を受信し(ステップS703)、位置情報取得部101から出力される位置情報を受信する(ステップS704)。
【0086】
制御部104は、受信した電波状況と位置情報とを連結して測定データを生成し、データ記憶部102に保存する(ステップS705)。
【0087】
続いて、制御部104は、ユーザから測定を終了する旨の指令が入力されたか否かを判別する(ステップS706)。終了の指令が無ければ(ステップS706;No)、ステップS703以降の処理を繰り返す。ユーザからの終了の指示があると(ステップS706;YES)、制御部104は、無線通信部100に無線通信を終了させ(ステップS707)、位置情報取得部101に現在位置の位置情報の取得を終了させる(ステップS708)。
【0088】
続いて、制御部104は、図16に示すような、測定データをアップロードするか否かを問い合わせるための画面(アップロード問合わせ画面)を測定用端末装置10のモニタ等に表示させる(ステップS709)。ここで、ユーザが、“はい”を選択すると(ステップS710;YES)、制御部104は、データ記憶部102に保存した測定データを、通信部103を介して、データ蓄積装置20に送信(アップロード)する(ステップS711)。一方、ユーザが、“いいえ”を選択すると(ステップS710;NO)、制御部104は、アップロードを行わずに、本処理を終了する。
【0089】
データ蓄積装置20の制御部203は、測定用端末装置10からのアップロードされた測定データを受け付ける。制御部203は、測定データに測定地点が属す地域のラベルを付与して、地域別測定データを生成する。次に、制御部203は、生成した地域別測地データをデータベース200の測定データ記憶部210に記憶させ、地域別測定データを更新する(ステップS712)。
【0090】
以上のように、測定データをまとめてデータ蓄積装置20に送信することで、測定用端末装置10の処理負荷が低減され、通信効率を向上することができる。
【0091】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
【0092】
例えば、上記実施形態においては、測定データを収集する装置と、検索対象のデータベースを生成する装置と、検索装置とを、全体で1つの装置としたが、別個の装置としてもよい。例えば、測定用端末装置10を1つの装置とし、データ蓄積装置20の検索用のデータを生成する部分を1つの装置とし、生成された検索用のデータを検索する装置を1つのスタンドアロン型の装置とする等してもよい。
【0093】
また、データの送受信を、ネットワークを介さずに、地域別測定データの内容の更新をDVD等の媒体によって行うことも可能である。また、第三者によって計測されたデータを、測定データとして用いることも可能である。
【0094】
また、上記各実施形態で説明したフローチャートにおける各処理は、その順序に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に順序を変更することができる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態の電波伝搬特性推測支援システム1では、測定用端末装置10からアップロードされた測定データは、データ蓄積装置20が、地域の特徴を示す地域情報と共に地域別測定データとして保存する。また、地域別測定データから作成された、地域別に電波伝搬特性を推測するための情報をデータ蓄積装置20が保存し、ユーザは地域の属性を指定することによって電波伝搬特性を推測するための情報を得ることができる。本実施形態によれば、ユーザが、未だ電波状況が計測されていない地域において、基地局の配置等を検討する際に、その地域における電波伝搬特性を推測することができる。
【0096】
本実施形態の電波伝搬特性推測支援システム1は、各地域の電波伝搬特性(伝搬損失計算式)を予め求めておき、検索された地域に対応付けられている電波伝搬特性をユーザに提示する。この発明は、これに限定されない。ユーザが、注目している地域に類似する地域を簡単に特定し、類似地域の情報を参考にして、注目地域の電波伝搬特性を推測できるならば、システム1が提供する情報は任意である。例えば、電波伝搬特性推測支援システム1は、計算済みの電波伝搬特性情報の代わりに、検索された地域の地図情報(例えば、土地の起伏の参考となる)、土地利用形態情報(たとえば、建物率の参考となる)、基地局情報(基地局の位置や送信ワット数の参考となる)、測定データ(生データ)などを参考情報として提示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 電波伝搬特性推測支援システム
10 測定用端末装置
100 無線通信部
101 位置情報取得部
102 データ記憶部
103 通信部
104 制御部
105 車両
20 データ蓄積装置
200 データベース
210 測定データ記憶部
211 地域情報記憶部
212 参考情報記憶部
201 測定データ受信部
202 解析用データ送受信部
203 制御部
30 解析用端末装置
300 I/F部
301 データ蓄積装置対応部
302 制御部
40 第1のネットワーク
50 第2のネットワーク
400 問合わせ画面
401 「検索」ボタン
500 基地局
501 携帯電話ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力部と、
前記記憶部に記憶されている情報を検索して、前記属性情報入力部により入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする電波伝搬特性推測支援システム。
【請求項2】
前記参考情報は信号の伝搬損失を計算する式である
ことを特徴とする請求項1に記載の電波伝搬特性推測支援システム。
【請求項3】
前記属性には人口密度が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の電波伝搬特性推測支援システム。
【請求項4】
電波状況を測定する電波状況測定部と、
前記電波状況を測定する測定位置を取得する位置情報取得部と、
前記電波状況の情報と前記測定位置の情報とを、前記測定位置が属する地域に分類して記憶する測定データ記憶部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電波伝搬特性推測支援システム。
【請求項5】
前記電波状況の情報と前記測定位置の情報とに基づいて前記参考情報を作成する参考情報作成部
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電波伝搬特性推測支援システム。
【請求項6】
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された情報を検索して、前記属性情報入力ステップにおいて入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする電波伝搬特性推測支援方法。
【請求項7】
地域の属性情報と該地域における電波伝搬特性を推定するために有用な参考情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
電波伝搬特性を推定したい地域の属性情報を入力する属性情報入力手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を検索して、前記属性情報入力手段により入力された属性情報に合致する属性を有する地域を特定し、特定した地域に対応付けられている参考情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする電波伝搬特性推測支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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