電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法
【課題】本発明は、力学特性、電波性能、及び透視性等の必要性能を満たすことができる電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電波吸収体10の枠体30は、電波吸収体10の輪郭に対応した形状のベース部分と、ベース部分の電波入射面側の縁部に所定の間隔をもって設けられ電波吸収体10の縁部に当接して電波吸収体10を支持する断面L字形状の複数の爪部36、36…とから構成される。そして、爪部36の長さaを電波長λに対して、a≦2λに設定し、爪部の幅bを、b≦15mmに設定し、爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))を、c≦60%に設定する。
【解決手段】本発明の電波吸収体10の枠体30は、電波吸収体10の輪郭に対応した形状のベース部分と、ベース部分の電波入射面側の縁部に所定の間隔をもって設けられ電波吸収体10の縁部に当接して電波吸収体10を支持する断面L字形状の複数の爪部36、36…とから構成される。そして、爪部36の長さaを電波長λに対して、a≦2λに設定し、爪部の幅bを、b≦15mmに設定し、爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))を、c≦60%に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法に係り、特に不要電波を吸収するための電波吸収体を支持する枠体、及びこの電波吸収体の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の一つとして、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)を利用したETC(Electronic Toll Collection)の普及が目覚ましく、ノンストップ自動料金支払いシステムで利用されている。このETCのアンテナ設備周囲には、アンテナ間の電波多重反射に起因するシステム誤動作を防止するために、電波吸収体を種々構造体に設置されていることが多い。すなわち、DSRCは、5.8GHzの電波を使用しているが、この電波の乱反射に起因する不要電波による機器の誤動作低減を目的に、システム周囲に不要電波を吸収するための電波吸収体が設置されている。
【0003】
電波吸収体には、特許文献1の如く塩化ビニリデン系合成繊維を使用したもの、特許文献2の如くカーボン含有発泡体を使用したもの、及び特許文献3、4の如くポリカーボネート複層材を使用したものなどが知られている。
【0004】
合成繊維を使ったもの、発泡系の吸収体は、紫外線による劣化を防いだり、水の侵入を防ぐため、特許文献2、5、6、7の如くケースの中に入れたり、全面に保護材を取り付けたりして使われることが多い。また、特許文献1の図6、図8ように、また、特許文献2の図5の如く、そのケースに構造体への設置用の取り付け金具がつけられている。
【0005】
一方、ポリカーボネート複層材では、特許文献4の図10の如く、ポリカーボネート複層材に穴を開け、ボルトで構造体に固定をしたり、金属やFRPなどの枠材によりパネル化をしたりして、特許文献8の如くH鋼支柱に落とし込む施工方法が行われている。
【特許文献1】特許3459630号公報
【特許文献2】特許3288999号公報
【特許文献3】特許3993486号公報
【特許文献4】特開2003−289220号公報
【特許文献5】特許3802353号公報
【特許文献6】特開2003−41523号公報、
【特許文献7】特許3459630号公報
【特許文献8】“ETC用透明電波吸収体の開発” 三菱電線工業時報 第101号 P53、fig.12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、合成繊維を使ったもの、発泡系の吸収体は、ケースに入れられ、ケースに取付け機構を設けられることが多いが、耐久性の富む電波吸収体(例えばガラス製吸収体)はケースが不要であるし、ケースの利用はコストアップに繋がるという欠点があった。
【0007】
また、ガラスやポリカーボネートのような比較的重い材料を、ケースに入れた場合、料金所天井に水平に設置した時に、構造的な不安が残るという問題がある。ケースは、電波透過性を求められるため、低誘電率の薄い材料が用いられることが、特許文献5において知られており、重い材料の保持に適さない。
【0008】
更に、ポリカーボネート複層材におけるボルトタイプの場合は、孔からの水の浸入による抵抗膜の劣化の問題があった。特許文献4の段落〔0044〕では、膜の劣化を防ぐため貫通孔の端面にシール材を設置することを推奨している。また、電波吸収体がガラス製の場合は孔をあけることは難しくコストアップになるという問題があった。
【0009】
更にまた、枠落とし込みタイプの場合、電波入射面の枠体自身の反射がある。特に電波吸収体を大型化した場合には、枠体も大型化するため、電波吸収性能が落ちるという欠点があった。特に透視性を向上させるためには、透明の電波吸収体を大型化して枠体の部分の面積の相対的な減少が求められていた。
【0010】
なお、特許文献7の段落〔0030〕、〔0034〕に記載された電波吸収体は、表面に金属枠体が比較的大面積で露出するため、吸収体の性能劣化が懸念されるという問題があった。
【0011】
一方でガラス製電波吸収体が提案されている。この電波吸収体は、繊維系、発泡系の吸収体と異なり、剛性が高く、耐久性にも富むため、導電膜をケースに入れたり、前面に保護材を付けたりしなくても利用可能である。また、同様に剛性が高いポリカーボネート製吸収体と比較しもて、耐久性、耐擦傷性などに関して優れた性能を有する。
【0012】
しかしながら、道路構造体への簡易、各種性能を損なわない確実な施工方法が見出されていなかった。すなわち、ガラス製電波吸収体は、穴明け加工の難しさや、穴明け加工した場合、その部分への応力集中を考慮する必要があるためである。この場合、枠体等の枠体を介して、ガラス製電波吸収体を構造体に設置することが考えられるが、力学特性、枠体からの電波反射を極力小さくするという電波性能、透視性等の必要性能を満たす枠体が見出されていなかった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、力学特性、電波性能、及び透視性等の必要性能を満たすことができる電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記目的を達成するために、電波吸収体を支持する電波吸収体の枠体において、前記電波吸収体の電波入射しない面の周縁部に設置された枠体のベース部分と、前記枠体のベース部分から電波吸収体の側面を経て電波入射面側の縁部まで、所定の間隔をもって設けられ前記電波吸収体の縁部に当接して電波吸収体を支持する断面L字形状の複数の爪部とからなり、前記爪部の長さaは電波長λに対して、a≦2λであり、前記爪部の幅bは、b≦15mmであり、爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))は、c≦60%であることを特徴とする電波吸収体の枠体を提供する。
【0015】
また、本発明によれば、前記電波吸収体の枠体がETC設備に使用される場合は、a≦104mmに設定されることが好ましい。
【0016】
更に、本発明によれば、前記枠は、金属製であることが好ましい。
【0017】
更にまた、本発明によれば、前記電波吸収体は、ガラス製であることが好ましい。
【0018】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体の枠体を、電波吸収体の製造工場にて電波吸収体に取り付け、該枠体が取り付けられた電波吸収体を施工現場に搬送し、該施工現場に構築された構造体に前記枠体を介して電波吸収体を固定することを特徴とする電波吸収体の施工方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電波吸収体の枠体によれば、枠体の本体を枠体としたので、耐風圧強度に寄与する強度を有し、また、電波吸収体の縁部を支える爪部は枠体に所定の間隔で設けたので、強度を保持しつつ、電波吸収性能を低下させないという効果がある。また、爪部は、断面L字形状に形成されているため、すなわち、枠体の下部が切り抜きしてあるために、水抜きが不要となる。水抜きが不要になると、電波吸収体として合せガラスを適用した場合、そのガラス板に挟持された抵抗膜、導電膜に対する劣化低減効果があり、湿気で抵抗膜、導電膜が劣化するという電波吸収体の耐久性低下を招く原因を解消できる。
【0020】
また、枠体を金属製とすることにより、枠体の強度が上がるため、大型の電波吸収体の枠体として好適となる。
【0021】
更に、電波吸収体をガラス製等の透明部材とすると、電波吸収体を正面から見て枠体が占める面積が電波吸収体の面積と比較して小さいため、透視性に優れ、開放的な電波吸収体となる。
【0022】
更にまた、電波吸収体がガラス製の場合、枠体をガラス製造工場にて事前に取り付けることにより、電波吸収体の搬送時の破損防止、及び施工現場での施工性向上が図られる。また、比較的重い材料を、電波的な悪影響なく、構造体に不安なく、天井に水平に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明に係る電波吸収体の枠体、電波吸収体の施工方法の一例としてETCを例に取り、好ましい実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、実施の形態に係る電波吸収体の枠体に支持される電波吸収体10の断面図である。また、図2は、ETC施設の概略を示したもので、キャノピー13や、路側アンテナ構造体(ガントリー)12の天井面に、電波吸収体の枠体に支持された電波吸収体10が設置されている。なお、この電波吸収体10が設置されるETC施設は路側アンテナ構造体12、キャノピー13の天井面に限定されず、料金所アイランドの透明の隔壁等のETC施設に設置することもできる。
【0025】
電波吸収体10は、図1の如くPVB又はEVA製の樹脂シートである中間膜14を2枚のガラス板16、18によって挟み込むことにより構成された合わせガラスである。ここでガラス板16は電波入射側のガラス板あり、ガラス板16の中間膜14との接触面には所定の抵抗値を有する導電膜20が形成され、ガラス板18の中間膜14との接触面には所定の抵抗値を有する導電膜22が形成されている。
【0026】
導電膜20のシート抵抗値は、導電膜22のシート抵抗値よりも大きく設定され、吸収対象とする電波が導電膜20を透過し、導電膜22で反射され、反射された電波によって打ち消しあうように構成されている。
【0027】
これらの導電膜20、22は、透視性を有し、Sn、InおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物を主成分とする膜であり、例えばFドープSnO2(ここで単に酸化錫ともいう)、アンチモンドープSnO2 、SnドープIn2 O3 (ITO)、アルミドープZnO、ガリウムドープZnOなどを挙げることができる。実施の形態では、透明の酸化錫(SnO2)であり、CVD法によりガラス面にコーティングされている。
【0028】
電波吸収体10の製造方法は、酸化錫の導電膜20、22がCVD法によりコーティングされた2枚のガラス板16、18によって中間膜14を挟み込み、これをオートクレーブにて所定の温度に加熱するとともに所定の圧力でプレスすることにより製造される。この製法は、合わせガラスの製法と基本的に同一である。
【0029】
樹脂シートである中間膜14は、建築用の合わせガラスに使われるPVB、EVA膜等が利用される。ガラス小口が露出する場合は、水の影響が少ないEVA膜の利用が適している。
【0030】
図3(A)は、電波吸収体10が実施の形態の枠体30に支持されて、ETC施設に構築された柱(構造体)32、32に、枠体30を介してボルト(不図示)で設置された正面図が示されている。また、図3(B)は、図3(A)の1−1線に沿う断面図であり、図3(C)は、図3(A)の2−2線に沿う断面図である。更に、図3(D)は、図3(A)の要部拡大図である。
【0031】
図3(A)に示した電波吸収体10は、その電波吸収体10の製造工場である合わせガラス製造工場において、枠体30が事前に取り付けられる。これにより、枠体30付き電波吸収体10の搬送時の破損防止、及び施工現場での施工性が向上する。
【0032】
電波吸収体10の枠体30は、電波吸収体10の輪郭に対応した形状の金属製のベース部分と、このベース部分の電波入射面側の縁部に所定の間隔をもって設けられ電波吸収体10の縁部に当接して電波吸収体10を支持する断面L字形状の複数の爪部36、36…とから構成されている。ベース部分と爪部36とは一体的に製造してもよいが、双方が金属製の場合には溶接等によって接合してもよい。
【0033】
図4にも示すように枠体30の爪部36は、所定の間隔をもって設けられている。すなわち、電波吸収体10の爪部36が当接される面以外の面は、爪部36が切り抜きされているため、電波吸収体10の水抜きが不要となる。水抜きが不要になると、合わせガラスの電波吸収体10では、そのガラス板に挟持された導電膜20、22に対する劣化低減効果があり、湿気で導電膜20、22が劣化するという電波吸収体10の耐久性低下を招く原因を解消できる。
【0034】
爪部36に支持された電波吸収体10は、その爪部36の爪長さ範囲a(図3(D)参照)内において、図3(B)の如くセッティングブロック38を介して爪部36に支持されるとともに、爪部36と電波吸収体10との間の隙間に配置されたガスケット40、及びベース部分と電波吸収体10との間の隙間に配置されたガスケット42によって枠体30に密着される。すなわち、爪部36が存在しない範囲位置での電波吸収体10と枠体30との配置関係は、図3(C)の如く電波吸収体10に対してベース部分が離間した位置関係となる。
【0035】
また、図3(D)に示すように、枠体30の爪部36の長さaは電波長λに対して、a≦2λ(104mm)に設定され、爪部36の幅bは、b≦15mmに設定され、爪率c(a/(a+隣接する爪部36の隙間長さd))は、c≦60%に設定されている。また、この枠体30がETC設備に使用される場合は、2λ=104mmのとき、つまりa≦104mmに設定されている。更に、力学特性、電波性能の観点から爪部36の長さaは、1.5λ(78mm)が好ましく、爪率cは50%が好ましい。
【0036】
以下、実験に基づく電波吸収体10の枠体30の実施例、比較例について説明する。
【0037】
<実施例>
次の実験により発明の効果のうち、“電波吸収性能を低下させない”ことを確認した。
【0038】
実験装置の概要を図5に示す。同図に示す実験装置44は、半径約2mのアーチ46に、円偏波ホーンアンテナ46、46が設置されている。アンテナ46、46を含む測定系は電波吸収体で作られた電波暗箱48の中にあり、試験体50の設置台52も、吸収体や反射の少ない発泡スチロールで構成されている。
【0039】
金属反射板をレファレンスとし、ベクトルネットワークアナライザのタイムドメイン機能を用い、不要伝播波の影響を排除した5.8GHzにおける電波吸収性能を得た。また、図6の如く電波吸収体に対する入射角度Φは4、20、45、55度とした。
【0040】
実際の使用にあたり、電波吸収体には様々な電波入射の形態が考えられるため、図7(a)、(b)、(c)に示す3種のパターンで実験実施し、性能を確認した。例えば、図7(a)は複数の電波吸収体(500mm×500mmの4枚の電波吸収体)を組み合わせて構成した形態であって、ベース部分、34…の隅部が集中する部分Aに電波が照射される場合を想定している。図7(b)、(c)も同様に複数の電波吸収体10、10を組み合わせた評価であるが、図7(b)は隣接する電波吸収体10、10のベース部分、34の中央部Aに電波が照射される場合を想定している。そして、図7(c)は電波吸収体10の中央部Aに電波が照射される場合を想定している。なお、これらの図に示す電波吸収体10、10間の隙間は10mmとした。
【0041】
性能の判定基準として、図8に示すJHスペック(旧日本道路公団.ETC対策工法書初版.Ver.1.0(00/10/17).2000.)のType−Bを採用した。
【0042】
また、図9の表に実施例、比較例の仕様、図10の表に結果の一覧、図11(A)、(B)、(C)に結果代表例をそれぞれ示している。
【0043】
比較例、実施例ともに、ガラス製の電波吸収体(厚さ9mm)を用いた。比較例1〜5は爪部の加工をしていない、一般的なC型チャンネル状の枠である。枠体の枠体としては、SUS304と、FRP材を用いた。FRPは優良な強度特性を有する連続引き抜き成型によるものを採用した。SUS304、FRP材の厚さは夫々、構造的な要求から2mm、6mmとした。
【0044】
実施例1、2、比較例5はSUS304を用いた爪部のある枠体である。
【0045】
比較例1〜5、実施例1、2で用いた枠体に、図3(B)で示されるようなセッティングブロック38と、ガスケット材40、42を用いてガラスを保持している。爪部の溝幅は23mmであり、ガラスが溝の中央に来るように、EPDM製のガスケット40、42を用いている。またセッティングブロック38には厚さ3mmのクロロプレンゴムを用いた。
【0046】
図10、図11(A)、(B)に示すように、実施例1、2は、参考例である枠体を使わないガラス吸収体単体の性能とほぼ、同様の性能を示した。また爪部を持たない枠体を用いた比較例2〜4、及び爪率が60%を超える比較例5は、いずれも性能が劣化することが判明した。
【0047】
また、枠体は、その爪部の加工の仕方により、図3(C)のように、電波入射方向から見て、ガラス背後にあるベース部分が見えない場合と、見える場合がある。図表には示していないが、実施例1、2の場合、いずれの仕様もJISスペックを満たすことが判明した。
【0048】
なお、実施の形態では電波吸収体として合わせガラスを使用したが、これに限られるものではなく、不透明で剛性のあるガラス、樹脂製のものでも適用できる。また、枠体をFRP製としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施の形態に係る電波吸収体の断面図
【図2】ETC施設の概略構造図
【図3】実施の形態の枠体に支持された電波吸収体の構造を示す図
【図4】実施の形態の枠体に支持された電波吸収体の要部斜視図
【図5】実験装置の概要図
【図6】電波の入射角度を説明するために用いた図
【図7】実験実施した3種のパターンの電波吸収体を示した説明図
【図8】JHスペックのType−Bの性能規格値を説明した表図
【図9】実施例、比較例の仕様を説明した表図
【図10】実験結果の一覧を示した表図
【図11】実験結果の代表例を示した表図
【符号の説明】
【0050】
10…電波吸収体、12…路側アンテナ構造体、13…キャノピー、14…中間膜、16…ガラス板、18…ガラス板、20…導電膜、22…導電膜、30…枠体、32…柱、34…ベース部分、36…爪部、38…セッティングブロック、40…ガスケット、42…ガスケット、44…実験装置、46…アンテナ、48…電波暗箱、50…試験体、52…設置台
【技術分野】
【0001】
本発明は電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法に係り、特に不要電波を吸収するための電波吸収体を支持する枠体、及びこの電波吸収体の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の一つとして、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)を利用したETC(Electronic Toll Collection)の普及が目覚ましく、ノンストップ自動料金支払いシステムで利用されている。このETCのアンテナ設備周囲には、アンテナ間の電波多重反射に起因するシステム誤動作を防止するために、電波吸収体を種々構造体に設置されていることが多い。すなわち、DSRCは、5.8GHzの電波を使用しているが、この電波の乱反射に起因する不要電波による機器の誤動作低減を目的に、システム周囲に不要電波を吸収するための電波吸収体が設置されている。
【0003】
電波吸収体には、特許文献1の如く塩化ビニリデン系合成繊維を使用したもの、特許文献2の如くカーボン含有発泡体を使用したもの、及び特許文献3、4の如くポリカーボネート複層材を使用したものなどが知られている。
【0004】
合成繊維を使ったもの、発泡系の吸収体は、紫外線による劣化を防いだり、水の侵入を防ぐため、特許文献2、5、6、7の如くケースの中に入れたり、全面に保護材を取り付けたりして使われることが多い。また、特許文献1の図6、図8ように、また、特許文献2の図5の如く、そのケースに構造体への設置用の取り付け金具がつけられている。
【0005】
一方、ポリカーボネート複層材では、特許文献4の図10の如く、ポリカーボネート複層材に穴を開け、ボルトで構造体に固定をしたり、金属やFRPなどの枠材によりパネル化をしたりして、特許文献8の如くH鋼支柱に落とし込む施工方法が行われている。
【特許文献1】特許3459630号公報
【特許文献2】特許3288999号公報
【特許文献3】特許3993486号公報
【特許文献4】特開2003−289220号公報
【特許文献5】特許3802353号公報
【特許文献6】特開2003−41523号公報、
【特許文献7】特許3459630号公報
【特許文献8】“ETC用透明電波吸収体の開発” 三菱電線工業時報 第101号 P53、fig.12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、合成繊維を使ったもの、発泡系の吸収体は、ケースに入れられ、ケースに取付け機構を設けられることが多いが、耐久性の富む電波吸収体(例えばガラス製吸収体)はケースが不要であるし、ケースの利用はコストアップに繋がるという欠点があった。
【0007】
また、ガラスやポリカーボネートのような比較的重い材料を、ケースに入れた場合、料金所天井に水平に設置した時に、構造的な不安が残るという問題がある。ケースは、電波透過性を求められるため、低誘電率の薄い材料が用いられることが、特許文献5において知られており、重い材料の保持に適さない。
【0008】
更に、ポリカーボネート複層材におけるボルトタイプの場合は、孔からの水の浸入による抵抗膜の劣化の問題があった。特許文献4の段落〔0044〕では、膜の劣化を防ぐため貫通孔の端面にシール材を設置することを推奨している。また、電波吸収体がガラス製の場合は孔をあけることは難しくコストアップになるという問題があった。
【0009】
更にまた、枠落とし込みタイプの場合、電波入射面の枠体自身の反射がある。特に電波吸収体を大型化した場合には、枠体も大型化するため、電波吸収性能が落ちるという欠点があった。特に透視性を向上させるためには、透明の電波吸収体を大型化して枠体の部分の面積の相対的な減少が求められていた。
【0010】
なお、特許文献7の段落〔0030〕、〔0034〕に記載された電波吸収体は、表面に金属枠体が比較的大面積で露出するため、吸収体の性能劣化が懸念されるという問題があった。
【0011】
一方でガラス製電波吸収体が提案されている。この電波吸収体は、繊維系、発泡系の吸収体と異なり、剛性が高く、耐久性にも富むため、導電膜をケースに入れたり、前面に保護材を付けたりしなくても利用可能である。また、同様に剛性が高いポリカーボネート製吸収体と比較しもて、耐久性、耐擦傷性などに関して優れた性能を有する。
【0012】
しかしながら、道路構造体への簡易、各種性能を損なわない確実な施工方法が見出されていなかった。すなわち、ガラス製電波吸収体は、穴明け加工の難しさや、穴明け加工した場合、その部分への応力集中を考慮する必要があるためである。この場合、枠体等の枠体を介して、ガラス製電波吸収体を構造体に設置することが考えられるが、力学特性、枠体からの電波反射を極力小さくするという電波性能、透視性等の必要性能を満たす枠体が見出されていなかった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、力学特性、電波性能、及び透視性等の必要性能を満たすことができる電波吸収体の枠体、及び電波吸収体の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記目的を達成するために、電波吸収体を支持する電波吸収体の枠体において、前記電波吸収体の電波入射しない面の周縁部に設置された枠体のベース部分と、前記枠体のベース部分から電波吸収体の側面を経て電波入射面側の縁部まで、所定の間隔をもって設けられ前記電波吸収体の縁部に当接して電波吸収体を支持する断面L字形状の複数の爪部とからなり、前記爪部の長さaは電波長λに対して、a≦2λであり、前記爪部の幅bは、b≦15mmであり、爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))は、c≦60%であることを特徴とする電波吸収体の枠体を提供する。
【0015】
また、本発明によれば、前記電波吸収体の枠体がETC設備に使用される場合は、a≦104mmに設定されることが好ましい。
【0016】
更に、本発明によれば、前記枠は、金属製であることが好ましい。
【0017】
更にまた、本発明によれば、前記電波吸収体は、ガラス製であることが好ましい。
【0018】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体の枠体を、電波吸収体の製造工場にて電波吸収体に取り付け、該枠体が取り付けられた電波吸収体を施工現場に搬送し、該施工現場に構築された構造体に前記枠体を介して電波吸収体を固定することを特徴とする電波吸収体の施工方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電波吸収体の枠体によれば、枠体の本体を枠体としたので、耐風圧強度に寄与する強度を有し、また、電波吸収体の縁部を支える爪部は枠体に所定の間隔で設けたので、強度を保持しつつ、電波吸収性能を低下させないという効果がある。また、爪部は、断面L字形状に形成されているため、すなわち、枠体の下部が切り抜きしてあるために、水抜きが不要となる。水抜きが不要になると、電波吸収体として合せガラスを適用した場合、そのガラス板に挟持された抵抗膜、導電膜に対する劣化低減効果があり、湿気で抵抗膜、導電膜が劣化するという電波吸収体の耐久性低下を招く原因を解消できる。
【0020】
また、枠体を金属製とすることにより、枠体の強度が上がるため、大型の電波吸収体の枠体として好適となる。
【0021】
更に、電波吸収体をガラス製等の透明部材とすると、電波吸収体を正面から見て枠体が占める面積が電波吸収体の面積と比較して小さいため、透視性に優れ、開放的な電波吸収体となる。
【0022】
更にまた、電波吸収体がガラス製の場合、枠体をガラス製造工場にて事前に取り付けることにより、電波吸収体の搬送時の破損防止、及び施工現場での施工性向上が図られる。また、比較的重い材料を、電波的な悪影響なく、構造体に不安なく、天井に水平に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明に係る電波吸収体の枠体、電波吸収体の施工方法の一例としてETCを例に取り、好ましい実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、実施の形態に係る電波吸収体の枠体に支持される電波吸収体10の断面図である。また、図2は、ETC施設の概略を示したもので、キャノピー13や、路側アンテナ構造体(ガントリー)12の天井面に、電波吸収体の枠体に支持された電波吸収体10が設置されている。なお、この電波吸収体10が設置されるETC施設は路側アンテナ構造体12、キャノピー13の天井面に限定されず、料金所アイランドの透明の隔壁等のETC施設に設置することもできる。
【0025】
電波吸収体10は、図1の如くPVB又はEVA製の樹脂シートである中間膜14を2枚のガラス板16、18によって挟み込むことにより構成された合わせガラスである。ここでガラス板16は電波入射側のガラス板あり、ガラス板16の中間膜14との接触面には所定の抵抗値を有する導電膜20が形成され、ガラス板18の中間膜14との接触面には所定の抵抗値を有する導電膜22が形成されている。
【0026】
導電膜20のシート抵抗値は、導電膜22のシート抵抗値よりも大きく設定され、吸収対象とする電波が導電膜20を透過し、導電膜22で反射され、反射された電波によって打ち消しあうように構成されている。
【0027】
これらの導電膜20、22は、透視性を有し、Sn、InおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物を主成分とする膜であり、例えばFドープSnO2(ここで単に酸化錫ともいう)、アンチモンドープSnO2 、SnドープIn2 O3 (ITO)、アルミドープZnO、ガリウムドープZnOなどを挙げることができる。実施の形態では、透明の酸化錫(SnO2)であり、CVD法によりガラス面にコーティングされている。
【0028】
電波吸収体10の製造方法は、酸化錫の導電膜20、22がCVD法によりコーティングされた2枚のガラス板16、18によって中間膜14を挟み込み、これをオートクレーブにて所定の温度に加熱するとともに所定の圧力でプレスすることにより製造される。この製法は、合わせガラスの製法と基本的に同一である。
【0029】
樹脂シートである中間膜14は、建築用の合わせガラスに使われるPVB、EVA膜等が利用される。ガラス小口が露出する場合は、水の影響が少ないEVA膜の利用が適している。
【0030】
図3(A)は、電波吸収体10が実施の形態の枠体30に支持されて、ETC施設に構築された柱(構造体)32、32に、枠体30を介してボルト(不図示)で設置された正面図が示されている。また、図3(B)は、図3(A)の1−1線に沿う断面図であり、図3(C)は、図3(A)の2−2線に沿う断面図である。更に、図3(D)は、図3(A)の要部拡大図である。
【0031】
図3(A)に示した電波吸収体10は、その電波吸収体10の製造工場である合わせガラス製造工場において、枠体30が事前に取り付けられる。これにより、枠体30付き電波吸収体10の搬送時の破損防止、及び施工現場での施工性が向上する。
【0032】
電波吸収体10の枠体30は、電波吸収体10の輪郭に対応した形状の金属製のベース部分と、このベース部分の電波入射面側の縁部に所定の間隔をもって設けられ電波吸収体10の縁部に当接して電波吸収体10を支持する断面L字形状の複数の爪部36、36…とから構成されている。ベース部分と爪部36とは一体的に製造してもよいが、双方が金属製の場合には溶接等によって接合してもよい。
【0033】
図4にも示すように枠体30の爪部36は、所定の間隔をもって設けられている。すなわち、電波吸収体10の爪部36が当接される面以外の面は、爪部36が切り抜きされているため、電波吸収体10の水抜きが不要となる。水抜きが不要になると、合わせガラスの電波吸収体10では、そのガラス板に挟持された導電膜20、22に対する劣化低減効果があり、湿気で導電膜20、22が劣化するという電波吸収体10の耐久性低下を招く原因を解消できる。
【0034】
爪部36に支持された電波吸収体10は、その爪部36の爪長さ範囲a(図3(D)参照)内において、図3(B)の如くセッティングブロック38を介して爪部36に支持されるとともに、爪部36と電波吸収体10との間の隙間に配置されたガスケット40、及びベース部分と電波吸収体10との間の隙間に配置されたガスケット42によって枠体30に密着される。すなわち、爪部36が存在しない範囲位置での電波吸収体10と枠体30との配置関係は、図3(C)の如く電波吸収体10に対してベース部分が離間した位置関係となる。
【0035】
また、図3(D)に示すように、枠体30の爪部36の長さaは電波長λに対して、a≦2λ(104mm)に設定され、爪部36の幅bは、b≦15mmに設定され、爪率c(a/(a+隣接する爪部36の隙間長さd))は、c≦60%に設定されている。また、この枠体30がETC設備に使用される場合は、2λ=104mmのとき、つまりa≦104mmに設定されている。更に、力学特性、電波性能の観点から爪部36の長さaは、1.5λ(78mm)が好ましく、爪率cは50%が好ましい。
【0036】
以下、実験に基づく電波吸収体10の枠体30の実施例、比較例について説明する。
【0037】
<実施例>
次の実験により発明の効果のうち、“電波吸収性能を低下させない”ことを確認した。
【0038】
実験装置の概要を図5に示す。同図に示す実験装置44は、半径約2mのアーチ46に、円偏波ホーンアンテナ46、46が設置されている。アンテナ46、46を含む測定系は電波吸収体で作られた電波暗箱48の中にあり、試験体50の設置台52も、吸収体や反射の少ない発泡スチロールで構成されている。
【0039】
金属反射板をレファレンスとし、ベクトルネットワークアナライザのタイムドメイン機能を用い、不要伝播波の影響を排除した5.8GHzにおける電波吸収性能を得た。また、図6の如く電波吸収体に対する入射角度Φは4、20、45、55度とした。
【0040】
実際の使用にあたり、電波吸収体には様々な電波入射の形態が考えられるため、図7(a)、(b)、(c)に示す3種のパターンで実験実施し、性能を確認した。例えば、図7(a)は複数の電波吸収体(500mm×500mmの4枚の電波吸収体)を組み合わせて構成した形態であって、ベース部分、34…の隅部が集中する部分Aに電波が照射される場合を想定している。図7(b)、(c)も同様に複数の電波吸収体10、10を組み合わせた評価であるが、図7(b)は隣接する電波吸収体10、10のベース部分、34の中央部Aに電波が照射される場合を想定している。そして、図7(c)は電波吸収体10の中央部Aに電波が照射される場合を想定している。なお、これらの図に示す電波吸収体10、10間の隙間は10mmとした。
【0041】
性能の判定基準として、図8に示すJHスペック(旧日本道路公団.ETC対策工法書初版.Ver.1.0(00/10/17).2000.)のType−Bを採用した。
【0042】
また、図9の表に実施例、比較例の仕様、図10の表に結果の一覧、図11(A)、(B)、(C)に結果代表例をそれぞれ示している。
【0043】
比較例、実施例ともに、ガラス製の電波吸収体(厚さ9mm)を用いた。比較例1〜5は爪部の加工をしていない、一般的なC型チャンネル状の枠である。枠体の枠体としては、SUS304と、FRP材を用いた。FRPは優良な強度特性を有する連続引き抜き成型によるものを採用した。SUS304、FRP材の厚さは夫々、構造的な要求から2mm、6mmとした。
【0044】
実施例1、2、比較例5はSUS304を用いた爪部のある枠体である。
【0045】
比較例1〜5、実施例1、2で用いた枠体に、図3(B)で示されるようなセッティングブロック38と、ガスケット材40、42を用いてガラスを保持している。爪部の溝幅は23mmであり、ガラスが溝の中央に来るように、EPDM製のガスケット40、42を用いている。またセッティングブロック38には厚さ3mmのクロロプレンゴムを用いた。
【0046】
図10、図11(A)、(B)に示すように、実施例1、2は、参考例である枠体を使わないガラス吸収体単体の性能とほぼ、同様の性能を示した。また爪部を持たない枠体を用いた比較例2〜4、及び爪率が60%を超える比較例5は、いずれも性能が劣化することが判明した。
【0047】
また、枠体は、その爪部の加工の仕方により、図3(C)のように、電波入射方向から見て、ガラス背後にあるベース部分が見えない場合と、見える場合がある。図表には示していないが、実施例1、2の場合、いずれの仕様もJISスペックを満たすことが判明した。
【0048】
なお、実施の形態では電波吸収体として合わせガラスを使用したが、これに限られるものではなく、不透明で剛性のあるガラス、樹脂製のものでも適用できる。また、枠体をFRP製としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施の形態に係る電波吸収体の断面図
【図2】ETC施設の概略構造図
【図3】実施の形態の枠体に支持された電波吸収体の構造を示す図
【図4】実施の形態の枠体に支持された電波吸収体の要部斜視図
【図5】実験装置の概要図
【図6】電波の入射角度を説明するために用いた図
【図7】実験実施した3種のパターンの電波吸収体を示した説明図
【図8】JHスペックのType−Bの性能規格値を説明した表図
【図9】実施例、比較例の仕様を説明した表図
【図10】実験結果の一覧を示した表図
【図11】実験結果の代表例を示した表図
【符号の説明】
【0050】
10…電波吸収体、12…路側アンテナ構造体、13…キャノピー、14…中間膜、16…ガラス板、18…ガラス板、20…導電膜、22…導電膜、30…枠体、32…柱、34…ベース部分、36…爪部、38…セッティングブロック、40…ガスケット、42…ガスケット、44…実験装置、46…アンテナ、48…電波暗箱、50…試験体、52…設置台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波吸収体を支持する電波吸収体の枠体において、
前記電波吸収体の電波入射しない面の周縁部に設置された枠体のベース部分と、
前記枠体のベース部分から電波吸収体の側面を経て電波入射面側の縁部まで、所定の間隔をもって設けられ前記電波吸収体の縁部に当接して電波吸収体を支持する断面L字形状の複数の爪部とからなり、
前記爪部の長さaは電波長λに対して、a≦2λであり、
前記爪部の幅bは、b≦15mmであり、
爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))は、c≦60%であることを特徴とする電波吸収体の枠体。
【請求項2】
前記電波吸収体の枠体がETC設備に使用される場合は、a≦104mmに設定される請求項1に記載の電波吸収体の枠体。
【請求項3】
前記枠は、金属製である請求項1、又は2に記載の電波吸収体の枠体。
【請求項4】
前記電波吸収体は、ガラス製である請求項1、2又は3のいずれかに記載の電波吸収体の枠体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体の枠体を、電波吸収体の製造工場にて電波吸収体に取り付け、該枠体が取り付けられた電波吸収体を施工現場に搬送し、該施工現場に構築された構造体に前記枠体を介して電波吸収体を固定することを特徴とする電波吸収体の施工方法。
【請求項1】
電波吸収体を支持する電波吸収体の枠体において、
前記電波吸収体の電波入射しない面の周縁部に設置された枠体のベース部分と、
前記枠体のベース部分から電波吸収体の側面を経て電波入射面側の縁部まで、所定の間隔をもって設けられ前記電波吸収体の縁部に当接して電波吸収体を支持する断面L字形状の複数の爪部とからなり、
前記爪部の長さaは電波長λに対して、a≦2λであり、
前記爪部の幅bは、b≦15mmであり、
爪率c(a/(a+隣接する爪部の隙間長さd))は、c≦60%であることを特徴とする電波吸収体の枠体。
【請求項2】
前記電波吸収体の枠体がETC設備に使用される場合は、a≦104mmに設定される請求項1に記載の電波吸収体の枠体。
【請求項3】
前記枠は、金属製である請求項1、又は2に記載の電波吸収体の枠体。
【請求項4】
前記電波吸収体は、ガラス製である請求項1、2又は3のいずれかに記載の電波吸収体の枠体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体の枠体を、電波吸収体の製造工場にて電波吸収体に取り付け、該枠体が取り付けられた電波吸収体を施工現場に搬送し、該施工現場に構築された構造体に前記枠体を介して電波吸収体を固定することを特徴とする電波吸収体の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−238852(P2009−238852A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80356(P2008−80356)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【出願人】(599093524)旭ビルウォール株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【出願人】(599093524)旭ビルウォール株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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