説明

電波検出装置、管理装置及び干渉回避ネットワークシステム

【課題】通信システムにおける通信が、この通信システムに属しない電波発生源からの電波によって、妨げられてしまうことを防止すること。
【解決手段】電波検出装置110と管理装置130とは、移動手段に搭載される。電波検出装置110は、キャリアセンスを行い、無線ネットワーク171に属していない電波発生源180から出力される干渉候補電波181を検出する。電波検出装置110は、干渉候補電波181を検出した周波数帯を示す情報を、通信ネットワーク170を介して、管理装置130に送信する。管理装置130では、無線ネットワークの無線通信で使用する電波の周波数帯を、干渉候補電波181と重複しない周波数帯に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信で使用される電波の干渉を防止するための電波検出装置、管理装置及び干渉回避ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11(The Institute of Electric and Electronics Engineers 802.11)の無線LAN等、一般的な無線通信システムでは、無線通信機が、通信シーケンスを開始したり、通信パケットを送信したりする場合には、無線通信機は、使用する無線周波数帯においてキャリアセンスを行う。そして、無線通信機は、キャリアセンスにより、他の無線通信機からの電波による干渉が発生しないことを確認してから、通信パケットを送信している。
例えば、特許文献1に記載の技術では、一方の通信システムに属する複数の無線通信機と、他方の通信システムに属する複数の無線通信機とが、同じ無線チャンネルを使用している場合に、一方の通信システムに属する無線通信機が、他方の通信システムに属する無線通信機からの電波を検出したときには、一方の通信システムに属する他の無線通信機に、電波を検知したことを通知する。この通知を受けた他の無線通信機は、通信パケットの送信を中止する。このようにすることで、この技術は、通信システム間での電波の干渉を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−18170号公報(段落0046〜0054、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、一方の通信システムの無線通信機は、他方の通信システムの無線通信機からの電波が検出されなくなるまで、通信パケットを送信することができなくなってしまい、一方の通信システムにおける通信が妨げられてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、無線ネットワークにおける無線通信が、このシステムに属しない電波発生源からの電波によって、妨げられることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明に係る電波検出装置は、
管理装置が所属する通信ネットワークに所属し、前記管理装置と同じ移動手段に備えられる電波検出装置であって、
前記管理装置が所属する無線ネットワークの無線通信で使用可能な各々の周波数帯においてキャリアセンスを行い、前記無線ネットワークに所属していない電波発生源から出力される干渉候補電波を検出する干渉候補電波検出部と、
前記干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を生成する干渉候補電波情報生成部と、
前記管理装置が、前記干渉候補電波検出部が前記干渉候補電波を検出した位置に到達する前に、前記通信ネットワークを介して、前記干渉候補電波情報を前記管理装置に送信する干渉候補電波情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無線ネットワークにおける無線通信が、このシステムに属しない電波発生源からの電波によって、妨げられてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る干渉回避ネットワークシステムのシステム構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1における電波検出装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図3】実施の形態1における管理装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図4】実施の形態1における無線通信機の機能を概略的に示すブロック図である。
【図5】実施の形態1において、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
【図6】(A)〜(C)は、実施の形態1における干渉回避ネットワークシステムの動作例を説明する概略図である。
【図7】実施の形態2に係る干渉回避ネットワークシステムのシステム構成を示す概略図である。
【図8】実施の形態2における電波検出装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図9】実施の形態2における干渉候補電波情報の概略図である。
【図10】実施の形態2における管理装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図11】実施の形態2において、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
【図12】実施の形態3に係る干渉回避ネットワークシステムのシステム構成を示す概略図である。
【図13】実施の形態3における電波検出装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図14】実施の形態3における干渉候補電波情報の概略図である。
【図15】実施の形態3における管理装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【図16】実施の形態3において、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る干渉回避ネットワークシステム100のシステム構成を示す概略図である。干渉回避ネットワークシステム100は、電波検出装置110と、管理装置130とを少なくとも有する。電波検出装置110及び管理装置130は、通信ネットワーク170を介して、相互に接続されている。通信ネットワーク170は、有線であっても無線であってもよい。本実施の形態では、通信ネットワーク170が、有線である場合を説明する。
さらに、管理装置130は、無線ネットワーク171を介して、無線通信機150A、150B、・・・(以下、これらを特に区別しない場合には、無線通信機150という)と無線通信を行うことができる。干渉回避ネットワークシステム100は、無線通信機150を含む場合もある。
【0010】
電波検出装置110と、管理装置130と、無線通信機150とは、同一方向に同じ速度で移動される。例えば、1編成の列車に、電波検出装置110と、管理装置130と、無線通信機150とが、配置される。
一般には、1編成の列車において、電波検出装置110は、先頭車両の先頭部、言い換えれば、先頭車両の先端から予め定められた範囲内、に搭載される。また、管理装置130は、先頭車両及び後続車両の少なくとも1つに搭載される。なお、管理装置130は、列車の進行方向において、電波検出装置110よりも後方に搭載される。
【0011】
電波発生源180は、干渉候補電波181を発生している外部の装置である。電波検出装置110は、干渉候補電波181を検出すると、干渉候補電波181を検出した周波数帯を示す情報を管理装置130に送信する。この周波数帯が、無線ネットワーク171の無線通信で使用されている周波数帯と重複する場合は、管理装置130は、無線ネットワーク171の無線通信で使用されている周波数帯を変更する。この結果、無線ネットワーク171では、干渉候補電波181による影響を受けることなく、安定した通信を行うことができるようになる。
なお、電波発生源180は、通信ネットワーク170及び無線ネットワーク171のいずれにも所属していないアクセスポイント、無線通信機、その他の機器である。電波発生源180は、通信ネットワーク170とは異なり、且つ、無線ネットワーク171とは異なる無線ネットワークに所属する機器であってもよい。
【0012】
図2は、電波検出装置110の機能を概略的に示すブロック図である。電波検出装置110は、干渉候補電波検出部111と、識別情報記憶部112と、干渉候補電波情報生成部113と、干渉候補電波情報送信部114とを備える。
【0013】
干渉候補電波検出部111は、無線ネットワーク171に所属していない電波発生源180から送出される干渉候補電波181を検出する。例えば、干渉候補電波検出部111は、予め定められた周波数帯毎にキャリアセンスを行う。電波が検出されると、干渉候補電波検出部111は、このキャリアセンスにより検出された電波から復調された信号に、識別情報記憶部112に記憶されている無線ネットワーク171の識別情報や、管理装置130及び無線通信機150の識別情報が含まれていない場合等に、検出した電波を干渉候補電波と判断する。なお、通信ネットワーク170が無線である場合には、識別情報記憶部112に、通信ネットワークの識別情報及び電波検出装置110の識別情報も記憶しておけばよい。
【0014】
干渉候補電波検出部111がキャリアセンスを行う周波数帯は、無線ネットワーク171の無線通信で使用可能な周波数帯である。例えば、無線ネットワーク171がARIB標準規格STD−T66又はSTD−T33に準拠する方式であったとすると、2.4GHz帯に、中心周波数が約5MHzずれたチャンネルが14チャンネル存在する。干渉候補電波検出部111は、これらの各々のチャンネルにおいて使用される周波数帯でキャリアセンスを行う。
【0015】
干渉候補電波検出部111で検出された電波は、無線ネットワーク171における通信にあまり影響を与えない場合もある。例えば、干渉候補電波検出部111で検出された電波が、短い時間だけ検出された単発の電波である場合、又は周期的に検出された電波であっても、周期毎に短い時間だけ検出されるような電波である場合等には、このような電波による干渉の影響は少ない。そこで、干渉候補電波検出部111は、電波が検出された場合、この電波が検出された周波数帯において、キャリアセンスを所定時間継続して行う。そして、干渉候補電波検出部111は、その所定時間において、電波が検出された時間が、予め定められた閾値時間以上の場合に、干渉候補電波を検出した、と判断してもよい。
例えば、干渉候補電波検出部111は、干渉候補電波が検出されたら、100msecの時間、キャリアセンスを行う。そして、干渉候補電波検出部111は、その期間内の10%、つまり10msec以上干渉候補電波が検出されたら、干渉候補電波が検出された、と判断する。
なお、キャリアセンスを継続して行う時間が、一定の時間ではない場合(例えば、ランダムに設定される時間である場合)、干渉候補電波検出部111は、このキャリアセンスを継続して行う時間に対する干渉候補電波が検出された時間の割合が、予め定められた閾値以上のときに、干渉候補電波を検出した、と判断してもよい。
【0016】
干渉候補電波検出部111は、干渉候補電波が検出されたら、速やかに、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯(干渉候補電波周波数帯)とを干渉候補電波情報生成部113に通知する。
【0017】
識別情報記憶部112は、無線ネットワーク171の識別情報と、電波検出装置110、管理装置130及び無線通信機150の識別情報とを記憶する。例えば、無線ネットワーク171の識別情報は、SSID(Service Set IDentifier)であり、電波検出装置110、管理装置130及び無線通信機150の識別情報は、MAC(Media Access Control)アドレスである。
これらの識別情報は、予め識別情報記憶部112に記憶されていてもよい。また、電波検出装置110は、無線ネットワーク171の識別情報、管理装置130及び無線通信機150の識別情報を管理装置130より取得してもよい。
【0018】
干渉候補電波情報生成部113は、干渉候補電波検出部111より、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを示す通知を受けると、この干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を生成する。干渉候補電波情報生成部113は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0019】
干渉候補電波情報送信部114は、通信ネットワーク170を介して、管理装置130と通信を行う。例えば、干渉候補電波情報送信部114は、干渉候補電波情報生成部113より与えられた干渉候補電波情報をパケット化することで、干渉候補電波情報パケットを生成する。そして、干渉候補電波情報送信部114は、この干渉候補電波情報パケットを、通信ネットワーク170を介して、管理装置130に送信する。
【0020】
図3は、管理装置130の機能を概略的に示すブロック図である。管理装置130は、干渉候補電波情報受信部131と、装置間距離情報提供部132と、移動速度情報提供部133と、干渉開始予想時間算出部134と、非干渉周波数帯決定部135と、非干渉周波数帯情報記憶部136と、無線通信部137とを備える。
【0021】
干渉候補電波情報受信部131は、通信ネットワーク170を介して、電波検出装置110と通信を行う。
例えば、干渉候補電波情報受信部131は、電波検出装置110より送信された干渉候補電波情報パケットを受信する。干渉候補電波情報受信部131は、干渉候補電波情報パケットを受信した場合、干渉候補電波情報が受信されたことを干渉開始予想時間算出部134に通知する。また、干渉候補電波情報受信部131は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出する。干渉候補電波情報受信部131は、この干渉候補電波情報を非干渉周波数帯決定部135に与える。
【0022】
装置間距離情報提供部132は、電波検出装置110と管理装置130との間の距離を示す装置間距離情報を干渉開始予想時間算出部134に提供する。この距離は、予め設定された固定値であってもよく、また、管理装置130が電波検出装置110との間で距離測定を行って得られた値でもよい。本実施の形態では、この距離は、予め設定されている固定値である場合を説明する。距離の値を予め定められた固定値とする場合には、装置間距離情報提供部132は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶部により構成することができる。
【0023】
移動速度情報提供部133は、管理装置130の移動速度を示す移動速度情報を干渉開始予想時間算出部134に提供する。移動速度情報提供部133が管理装置130の移動速度を取得する方法は、特に限定されない。例えば、移動速度情報提供部133は、管理装置130を搭載している列車の車両システム(図示せず)が車輪の回転速度から算出した列車の移動速度を、この車輌システムより取得して、この列車の移動速度を管理装置130の移動速度としてもよい。また、移動速度情報提供部133は、管理装置130の位置を示す位置情報を入手できるGPS(Global Positioning System)機能等を有し、特定の時間における位置の変化量(移動距離)から、管理装置130の移動速度を算出してもよい。
【0024】
干渉開始予想時間算出部134は、装置間距離情報提供部132から提供される装置間距離情報で示される距離と、移動速度情報提供部133から提供される移動速度情報で示される移動速度とから、干渉候補電波が検出されてから、干渉候補電波による干渉が始まると予想される時までの時間である干渉開始予想時間を算出する。この干渉開始予想時間は、装置間距離情報で示される距離を移動速度情報で示される移動速度で除算することによって算出される。干渉開始予想時間算出部134は、干渉候補電波情報受信部131から、干渉候補電波情報が受信されたことを示す通知を受けたら、干渉開始予想時間を算出する。干渉開始予想時間算出部134は、この干渉開始予想時間を、非干渉周波数帯決定部135に与える。
【0025】
非干渉周波数帯決定部135は、非干渉周波数帯情報を生成し、生成した非干渉周波数帯情報を非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶させる。例えば、非干渉周波数帯決定部135は、無線通信部137が使用することのできる各々の周波数帯において、無線通信部137にキャリアセンスを行わせる。無線通信部137は、各々の周波数帯においてキャリアセンスを行った結果として、キャリアセンスを行った周波数帯と、この周波数帯でキャリアセンスを行った時間と、この周波数帯で電波が検出された時間とを特定する。非干渉周波数帯決定部135は、無線通信部137より、キャリアセンスを行った周波数帯と、この周波数帯でキャリアセンスを行った時間と、この周波数帯で電波が検出された時間と、を示す情報を取得する。ここで、キャリアセンスにより電波が検出されなかった周波数帯では、電波が検出された時間は最小値、例えば、「0」となる。
そして、非干渉周波数帯決定部135は、各々の周波数帯において、キャリアセンスを行った時間に対する電波が検出された時間の割合である干渉割合を算出する。
さらに、非干渉周波数帯決定部135は、この干渉割合が予め定められた閾値よりも小さい周波数帯を特定する。そして、非干渉周波数帯決定部135は、特定した周波数帯と、この周波数帯における干渉割合と、を示す非干渉周波数帯情報を生成する。
なお、非干渉周波数帯決定部135は、予め定められた時に、例えば周期的に、非干渉周波数帯情報を生成し、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている情報を更新することが望ましい。
【0026】
非干渉周波数帯決定部135は、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉するか否かを判断する。例えば、非干渉周波数帯決定部135は、干渉候補電波情報に含まれる干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯が、無線通信部137で使用されている周波数帯と少なくとも一部において重複する場合には、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉すると判断する。
上述のように、無線ネットワーク171が、ARIB標準規格STD−T66又はSTD−T33に準拠する方式である場合には、無線通信部137は、各々のチャンネルにおいて、中心周波数の前後の11MHz(合計22MHz)の周波数帯を使用する。従って、非干渉周波数帯決定部135は、無線通信部137が使用中のチャンネルの中心周波数の前後の11MHzの周波数帯に干渉候補電波の周波数帯の少なくとも一部が入っている場合には、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉すると判断する。
【0027】
非干渉周波数帯決定部135は、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉すると判断した場合には、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上であるか否かを判断する。本実施の形態では、非干渉周波数帯決定部135は、干渉開始予想時間算出部134より与えられた干渉開始予想時間を、干渉が発生するまでの時間とする。
【0028】
非干渉周波数帯決定部135は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上であると判断した場合には、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない各々の周波数帯において、無線通信部137に、キャリアセンスを行わせる。
そして、非干渉周波数帯決定部135は、キャリアセンスの結果として、無線通信部137より、キャリアセンスを行った周波数帯と、この周波数帯においてキャリアセンスを行った時間と、この周波数帯において電波が検出された時間とを示す情報を取得する。
さらに、非干渉周波数帯決定部135は、各々の周波数帯において、この周波数帯においてキャリアセンスを行った時間に対する電波が検出された時間の割合である干渉割合を算出する。そして、非干渉周波数帯決定部135は、この干渉割合が最も小さい周波数帯を、新たに使用する周波数帯として選択する。
一方、非干渉周波数帯決定部135は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間未満であると判断した場合には、キャリアセンスを行わせずに、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯のうち、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複せず、干渉割合が最も小さい周波数帯を、新たに使用する周波数帯として選択する。
そして、非干渉周波数帯決定部135は、このようにして選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成して、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。
また、非干渉周波数帯決定部135は、このようにして選択した周波数帯に変更する要求である周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0029】
なお、非干渉周波数帯決定部135は、干渉開始予想時間算出部134より干渉開始予想時間が与えられると、計時を行い、干渉開始予想時間が経過する前に、周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
さらに、これらの周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求は、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯の変更が干渉開始予想時間が経過するまでに完了できるような時間内に、無線通信部137に与えられるようにすることが望ましい。周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求が与えられてから、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯が変更されるまでの時間は、予め定められた一定時間としてもよい。この場合には、非干渉周波数帯決定部135は、干渉開始予想時間からこの一定時間を差し引いた時間までに、周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0030】
ここで、電波検出装置110と管理装置130との間の距離は、管理装置130の移動速度に応じて、管理装置130が干渉候補電波情報を受信してから、無線通信部137で使用される周波数帯が変更されるまでの時間以上の時間がとれるような距離にしておくことが望ましい。例えば、電波検出装置110と管理装置130との間の距離を、管理装置130の移動速度で除算した移動時間が、管理装置130が干渉候補電波情報を受信してから、無線通信部137で使用される周波数帯が変更されるまでの時間以上の時間となるようにすることが望ましい。なお、ここでは、管理装置130が搭載される列車の平均速度又は最高速度等を移動速度とすればよい。
【0031】
非干渉周波数帯情報記憶部136は、周波数帯と、この周波数帯における干渉割合と、を示す非干渉周波数帯情報を記憶する。上述のように、非干渉周波数帯情報は、非干渉周波数帯決定部135により生成される。
【0032】
無線通信部137は、無線ネットワーク171を介して、無線通信機150と無線通信を行う。
また、無線通信部137は、非干渉周波数帯決定部135の指示に応じて、無線通信部137で使用可能な周波数帯の各々につき、キャリアセンスを行い、その結果として、キャリアセンスを行った周波数帯と、この周波数帯でキャリアセンスを行った時間と、この周波数帯で電波が検出された時間とを特定し、これらを示す情報を非干渉周波数帯決定部135に与える。
【0033】
無線通信部137は、非干渉周波数帯決定部135から周波数帯変更指示情報が与えられた場合、この周波数帯変更指示情報をパケット化した周波数帯変更指示情報パケットを、無線ネットワーク171に接続されている無線通信機150に送信する。
また、無線通信部137は、非干渉周波数帯決定部135から周波数帯変更要求が与えられた場合、無線通信で使用する周波数帯を、この周波数帯変更要求で示される周波数帯に変更する。なお、無線通信部137は、干渉開始予想時間が経過する前に周波数帯の変更を完了することが望ましい。
【0034】
以上のように、管理装置130では、移動速度情報提供部133が提供する移動速度情報と、装置間距離提供部132が提供する装置間距離情報とにより、電波検出装置110が干渉候補電波を検出してから、管理装置130がこの干渉候補電波の影響を受け始めるまでの干渉開始予想時間が算出可能となる。そして、管理装置130は、干渉開始予想時間が経過する前に、無線通信部137で使用される周波数帯を、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯に変更する。このことにより、無線ネットワーク171では、干渉候補電波による影響が低減される。
【0035】
なお、管理装置130は、アクセスポイントであってもよい。管理装置130がアクセスポイントである場合には、管理装置130は、アクセスポイントにおける通信全般を制御する通信制御部(図示せず)をさらに備える。
この場合には、管理装置130は、通信ネットワーク170を介して、電波検出装置110に情報を送信するための送信部(図示せず)をさらに備えることが望ましい。そして、通信制御部が、送信部を介して、無線ネットワーク171の識別情報と、管理装置130及び無線通信機150の識別情報とを電波検出装置110に送信することで、電波検出装置110は、識別情報記憶部112に記憶すべき情報を取得することができる。
なお、管理装置130の通信制御部は、無線通信機150が、アソシエーションや再アソシエーションにより、管理装置130に帰属したタイミングで、この無線通信機150の識別情報を電波検出装置110に送信すればよい。
【0036】
図4は、無線通信機150の機能を概略的に示すブロック図である。無線通信機150は、無線通信部151と、処理部152とを備える。
【0037】
無線通信部151は、無線ネットワーク171を介して、管理装置130と無線通信を行う。例えば、無線通信部151は、無線ネットワーク171を介して、管理装置130より周波数帯変更指示情報パケットを受信すると、この周波数帯変更指示情報パケットを解析して、周波数帯変更指示情報を抽出する。そして、無線通信部151は、この周波数帯変更指示情報を処理部152に与える。
【0038】
処理部152は、無線通信機150で行う処理を制御する。例えば、処理部152は、無線通信部151より周波数帯変更指示情報が与えられると、この周波数帯変更指示情報で指示されている周波数帯を用いるように、無線通信部151に指示を出す。このような指示を受けた無線通信部151は、無線通信に使用する周波数帯を、処理部152より指示された周波数帯に変更する。
【0039】
図5は、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
まず、電波検出装置110の干渉候補電波検出部111は、無線ネットワーク171で使用可能な周波数帯毎に、キャリアセンスを行い、干渉候補電波を検出する(S10)。そして、干渉候補電波検出部111は、干渉候補電波を検出すると、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを干渉候補電波情報生成部113に通知する。
【0040】
次に、干渉候補電波情報生成部113は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を生成する(S11)。干渉候補電波情報生成部113は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0041】
干渉候補電波情報送信部114は、干渉候補電波情報をパケット化することで、干渉候補電波情報パケットを生成し、この干渉候補電波情報パケットを、通信ネットワーク170を介して、管理装置130に送信する(S12)。
【0042】
管理装置130の干渉候補電波情報受信部131は、電波検出装置110より送信されてきた干渉候補電波情報パケットを受信する(S13)。そして、干渉候補電波情報受信部131は、干渉候補電波情報パケットを受信した場合、干渉候補電波情報が受信されたことを干渉開始予想時間算出部134に通知する。また、干渉候補電波情報受信部131は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出し、抽出した干渉候補電波情報を非干渉周波数帯決定部135に与える。
【0043】
干渉開始予想時間算出部134は、干渉候補電波情報が受信されたことを示す通知を受けると、干渉開始予想時間を算出する(S14)。干渉開始予想時間算出部134は、装置間距離情報提供部132から装置間距離情報の提供を受け、移動速度情報提供部133から移動速度情報の提供を受けて、干渉開始予想時間を算出する。例えば、干渉開始予想時間は、装置間距離情報で示される距離を移動速度情報で示される移動速度で除算することによって算出される。干渉開始予想時間算出部134は、この干渉開始予想時間を、非干渉周波数帯決定部135に与える。
【0044】
非干渉周波数帯決定部135は、干渉候補電波情報に含まれる干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯に含まれる電波が、無線通信部137で使用されている周波数帯に含まれる電波と干渉するか否かを判断する(S15)。本シーケンスでは、これらの電波が干渉するものとして説明する。これらの電波が干渉しない場合には、本シーケンスは終了する。
【0045】
次に、非干渉周波数帯決定部135は、無線ネットワーク171において新たに使用する周波数帯を選択する(S16)。ここで、非干渉周波数帯決定部135は、ステップS14で算出された干渉開始予想時間が予め定められた時間以上である場合には、無線通信部137にキャリアセンスを行わせて、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。一方、非干渉周波数帯決定部135は、この干渉開始予想時間が予め定められた時間未満である場合には、キャリアセンスを行わないで、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯から、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。
【0046】
次に、非干渉周波数帯決定部135は、ステップS16で選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成する(S17)。そして、非干渉周波数帯決定部135は、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。
【0047】
無線通信部137は、周波数帯変更指示情報をパケット化した周波数帯変更指示情報パケットを、無線ネットワーク171に接続されている無線通信機150に送信する(S18)。
【0048】
また、非干渉周波数帯決定部135は、ステップS16で選択した周波数帯に変更する要求である周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。無線通信部137は、無線通信で使用する周波数帯を、この周波数帯変更要求で示された周波数帯に変更する(S19)。
【0049】
無線通信機150の無線通信部151は、周波数帯変更指示情報パケットを受信する(S20)。そして、無線通信部151は、この周波数帯変更指示情報パケットから周波数帯変更指示情報を抽出して、この周波数帯変更指示情報を処理部152に与える。
【0050】
処理部152は、周波数帯変更指示情報で指示されている周波数帯を用いるように、無線通信部151に指示を出す。このような指示を受けた無線通信部151は、無線通信に使用する周波数帯を、処理部152より指示された周波数帯に変更する(S21)。
【0051】
図6(A)〜(C)は、実施の形態1における干渉回避ネットワークシステム100の動作例を、電波検出装置110と、管理装置130と、電波発生源180との位置関係に基づいて説明する概略図である。
【0052】
図6(A)〜(C)に示すように、電波検出装置110、管理装置130及び無線通信機150は、移動手段MMによりD方向に移動されているものとする。
電波検出装置110が、図6(A)に示す位置P1にあるときは、電波検出装置110は、電波発生源180から送出された干渉候補電波を検出していないものとする。言い換えると、電波検出装置110の干渉候補電波検出部111が、位置P1で行うキャリアセンスにおいて、電波発生源180から送出された干渉候補電波の受信電力レベルは、予め定められた閾値よりも低くなっている。
【0053】
そして、図6(B)に示すように、電波検出装置110が、位置P1よりも電波発生源180に近づいた位置P2に至ると、電波検出装置110は、電波発生源180から送出された干渉候補電波を検出する。電波検出装置110は、干渉候補電波が検出されたら、通信ネットワーク170を介して、干渉候補電波情報を管理装置130に送信する。このとき、管理装置130は、電波検出装置110よりも後方にあるため、電波発生源180から送出される干渉候補電波による影響を受けていない。言い換えると、管理装置130は、電波発生源180から送出された干渉候補電波の受信電力レベルが予め定められた閾値以上となる範囲に入っていない。
【0054】
管理装置130は、干渉候補電波情報を受信したら、移動速度及び装置間の距離より、干渉開始予想時間を算出する。そして、管理装置130は、無線ネットワーク171の無線通信で使用される周波数帯と、干渉候補電波の周波数帯とが重複し、これらの周波数帯に含まれる電波が干渉することが予想されるならば、この干渉開始予想時間以内に、無線ネットワーク171の無線通信で使用される周波数帯を変更する処理を行う。
【0055】
図6(C)に示すように、電波検出装置110が干渉候補電波を検出した位置P2に、管理装置130が至ったときは、電波発生源180が送出する干渉候補電波は、管理装置130に到達する。しかしながら、無線ネットワーク171において使用されている周波数帯は、既に干渉候補電波の周波数帯とは重複しない周波数帯に変更されており、無線ネットワーク171では、干渉候補電波による影響を受けずに、安定して通信を行うことができる。
【0056】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る干渉回避ネットワークシステム200のシステム構成を示す概略図である。干渉回避ネットワークシステム200は、電波検出装置210と、管理装置230とを備える。実施の形態2に係る干渉回避ネットワークシステム200は、電波検出装置210及び管理装置230の構成において、実施の形態1に係る干渉回避ネットワークシステム100と異なっている。
【0057】
図8は、電波検出装置210の機能を概略的に示すブロック図である。電波検出装置210は、干渉候補電波検出部111と、識別情報記憶部112と、干渉候補電波情報生成部213と、干渉候補電波情報送信部114と、時刻情報提供部215とを備える。実施の形態2に係る電波検出装置210は、干渉候補電波情報生成部213での処理の点、また、時刻情報提供部215がさらに備えられている点において、実施の形態1に係る電波検出装置110と異なっている。
【0058】
時刻情報提供部215は、時刻を算出して、算出した時刻を示す時刻情報を干渉候補電波情報生成部213に提供する。時刻情報提供部215が算出する時刻は、後述する管理装置230の時刻情報提供部238が算出する時刻と同期していることが望ましい。時刻情報提供部215が提供する時刻情報は、例えば、日本標準時等の標準時刻系の時刻を示すものであってもよく、また、システム時刻等のクロックカウンタ値であってもよい。
【0059】
干渉候補電波情報生成部213は、干渉候補電波検出部111より、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを示す通知を受けると、速やかに、時刻情報提供部215より時刻情報を取得して、取得した時刻情報で示される時刻を検出時刻とする。そして、干渉候補電波情報生成部213は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、検出時刻を示す検出時刻情報とを含む干渉候補電波情報を生成する。干渉候補電波情報生成部213は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0060】
図9は、干渉候補電波情報IRD1の概略図である。干渉候補電波情報IRD1は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報IFDと、検出時刻を示す検出時刻情報TDとを含む。
【0061】
以上のように、電波検出装置210は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、干渉候補電波が検出された検出時刻を示す検出時刻情報とを含む干渉候補電波情報を管理装置230に送信することができる。そして、管理装置230は、干渉候補電波情報に基づいて、干渉候補電波による干渉が始まると予想される時刻の算出と、干渉候補電波の影響を受けない周波数帯の選択とを行うことができるようになる。
【0062】
図10は、管理装置230の機能を概略的に示すブロック図である。管理装置230は、干渉候補電波情報受信部231と、装置間距離情報提供部132と、移動速度情報提供部133と、非干渉周波数帯決定部235と、非干渉周波数帯情報記憶部136と、無線通信部137と、干渉開始予想時刻算出部238と、時刻情報提供部239とを備える。実施の形態2に係る管理装置230は、干渉候補電波情報受信部231での処理の点、及び干渉開始予想時間算出部134の代わりに干渉開始予想時刻算出部238が設けられている点において、実施の形態1に係る管理装置130と異なっている。
【0063】
干渉候補電波情報受信部231は、通信ネットワーク170を介して、電波検出装置210と通信を行う。例えば、干渉候補電波情報受信部231は、電波検出装置210より干渉候補電波情報パケットを受信する。そして、干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出する。干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波情報より干渉候補電波周波数帯情報及び検出時刻情報を取得する。干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波周波数情報を非干渉周波数帯決定部235に与え、検出時刻情報を干渉開始予想時刻算出部238に与える。
【0064】
干渉開始予想時刻算出部238は、干渉候補電波情報受信部231より与えられた検出時刻情報で示される検出時刻と、装置間距離情報提供部132から提供される装置間距離情報で示される距離と、移動速度情報提供部133から提供される移動速度情報で示される移動速度とから、干渉候補電波による干渉が始まると予想される時刻である干渉開始予想時刻を算出する。この干渉開始予想時刻は、装置間の距離を移動速度で除算することによって算出される干渉開始予想時間を、検出時刻に加算することにより算出される。干渉開始予想時刻算出部238は、この干渉開始予想時刻を、非干渉周波数帯決定部235に与える。
【0065】
非干渉周波数帯決定部235は、実施の形態1と同様に、非干渉周波数帯情報を生成し、この非干渉周波数帯情報を非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶させる。
【0066】
また、非干渉周波数帯決定部235は、実施の形態1と同様に、干渉候補電波と、無線通信部137で使用されている周波数帯の電波とが干渉するか否かを判断する。
【0067】
非干渉周波数帯決定部235は、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている電波と干渉すると判断した場合には、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上であるか否かを判断する。例えば、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始予想時刻算出部238より干渉開始予想時刻が与えられると、時刻情報提供部239より時刻情報を取得する。そして、非干渉周波数帯決定部235は、実施の形態1とは異なり、干渉開始予想時刻から、時刻情報で示される時刻を差し引いた時間である干渉開始残時間を、干渉が発生するまでの時間とする。
【0068】
そして、非干渉周波数帯決定部235は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上であると判断した場合には、実施の形態1と同様に、無線通信部137にキャリアセンスを行わせ、干渉候補電波が検出された周波数帯とは重複しない周波数帯の中から、干渉割合が最も小さい周波数帯を、新たに使用する周波数帯として選択する。
一方、非干渉周波数帯決定部235は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間未満であると判断した場合には、実施の形態1と同様に、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯のうち、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複せず、干渉割合が最も小さい周波数帯を新たに使用する周波数帯として選択する。そして、非干渉周波数帯決定部235は、実施の形態1と同様に、このようにして選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成して、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。また、非干渉周波数帯決定部235は、このようにして選択した周波数帯に変更する要求である周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0069】
なお、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始残時間を算出すると、計時を行い、干渉開始残時間が経過する前に、周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。ここで、周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求は、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯の変更が干渉開始残時間の経過前に完了できるような時間内に、無線通信部137に与えられるようにすることが望ましい。周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求が与えられてから、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯が変更されるまでの時間は、予め定められた一定時間としてもよい。従って、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始残時間からこの一定時間を差し引いた時間までに、周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0070】
以上のように、管理装置230は、装置間距離提供部132が提供する装置間距離情報と、移動速度情報提供部133が提供する移動速度情報とにより、電波検出装置210が干渉候補電波を受信してから、管理装置230がこの干渉候補電波の影響を受け始めるまでの干渉開始予想時間を算出することができる。そして、管理装置230は、電波検出装置210より取得された干渉候補電波情報に含まれている干渉候補電波の検出時刻に干渉開始予想時間を加えることで、干渉候補電波による干渉が始まると予想される干渉開始予想時刻を算出することができる。管理装置230は、干渉開始予想時刻までに、無線通信部137で使用される周波数帯を、干渉候補電波情報で示される周波数帯と重複しない周波数帯に変更することにより、無線ネットワーク171では、干渉候補電波による影響が低減される。
【0071】
図11は、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
まず、電波検出装置210の干渉候補電波検出部111は、無線ネットワーク171で使用可能な周波数帯毎に、キャリアセンスを行い、干渉候補電波を検出する(S30)。そして、干渉候補電波検出部111が、干渉候補電波を検出すると、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを干渉候補電波情報生成部213に通知する。
【0072】
次に、干渉候補電波情報生成部213は、時刻情報提供部215より時刻情報を取得し、取得した時刻情報で示される時刻を検出時刻とする(S31)。
【0073】
次に、干渉候補電波情報生成部213は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、検出時刻を示す検出時刻情報とを含む干渉候補電波情報を生成する(S32)。干渉候補電波情報生成部213は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0074】
干渉候補電波情報送信部114は、干渉候補電波情報をパケット化することで、干渉候補電波情報パケットを生成し、この干渉候補電波情報パケットを、通信ネットワーク170を介して、管理装置230に送信する(S33)。
【0075】
管理装置230の干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波情報パケットを受信する(S34)。そして、干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出する。干渉候補電波情報受信部231は、この干渉候補電波情報から、干渉電波周波数帯情報及び検出時刻情報を取得する。干渉候補電波情報受信部231は、干渉電波周波数帯情報を非干渉周波数帯決定部235に与え、検出時刻情報を干渉開始予想時刻算出部238に与える。
【0076】
干渉開始予想時刻算出部238は、検出時刻情報が与えられると、干渉開始予想時刻を算出する(S35)。干渉開始予想時刻算出部238は、装置間距離情報提供部132から装置間距離情報の提供を受け、また、移動速度情報提供部133から移動速度情報の提供を受けて、干渉開始予想時刻を算出する。干渉開始予想時刻は、装置間距離情報で示される距離を移動速度情報で示される移動速度で除算することによって算出される干渉開始予想時間を、検出時刻情報で示される検出時刻に加算することで算出される。干渉開始予想時刻算出部238は、この干渉開始予想時刻を、非干渉周波数帯決定部235に与える。
【0077】
次に、非干渉周波数帯決定部235は、干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯に含まれる電波が、無線通信部137が使用している周波数帯に含まれる電波と干渉するか否かを判断する(S36)。本シーケンスでは、これらの電波が干渉するものとして説明する。これらの電波が干渉しない場合には、本シーケンスは終了する。
【0078】
次に、非干渉周波数帯決定部235は、無線ネットワーク171において新たに使用する周波数帯を選択する(S37)。
ここで、非干渉周波数帯決定部235は、時刻情報提供部239より時刻情報を取得する。次に、非干渉周波数帯決定部235は、ステップS35で算出された干渉開始予想時刻から、時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する。
そして、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始残時間が予め定められた時間以上である場合には、無線通信部137にキャリアセンスを行わせて、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。一方、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始残時間が予め定められた時間未満である場合には、キャリアセンスを行わせずに、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯から、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。
【0079】
次に、非干渉周波数帯決定部235は、ステップS37で選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成する(S38)。そして、非干渉周波数帯決定部235は、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。
【0080】
無線通信部137は、周波数帯変更指示情報をパケット化した周波数帯変更指示情報パケットを、無線ネットワーク171に接続されている無線通信機150に送信する(S39)。
【0081】
また、非干渉周波数帯決定部235は、ステップS37で選択した周波数帯に変更する要求である周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。無線通信部137は、無線通信に使用する周波数帯を、この周波数帯変更要求で示された周波数帯に変更する(S40)。
【0082】
無線通信機150の無線通信部151は、周波数帯変更指示情報パケットを受信する(S41)。そして、無線通信部151は、この周波数帯変更指示情報パケットから周波数帯変更指示情報を抽出し、抽出した周波数帯変更指示情報を処理部152に与える。
【0083】
処理部152は、周波数帯変更指示情報で指示されている周波数帯を用いるように、無線通信部151に指示を出す。このような指示を受けた無線通信部151は、無線通信に使用する周波数帯を、処理部152より指示された周波数帯に変更する(S42)。
【0084】
以上のように、本実施の形態においては、電波検出装置210から送信されてくる干渉候補電波情報に検出時刻を示す検出時刻情報が含まれているため、管理装置230において、干渉候補電波による影響が発生し始める干渉開始予想時刻を正確に算出することができる。
【0085】
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る干渉回避ネットワークシステム300のシステム構成を示す概略図である。干渉回避ネットワークシステム300は、電波検出装置310と、管理装置330とを備える。実施の形態3に係る干渉回避ネットワークシステム300は、電波検出装置310及び管理装置330の構成において、実施の形態1に係る干渉回避ネットワークシステム100と異なっている。
【0086】
図13は、電波検出装置310の機能を概略的に示すブロック図である。電波検出装置310は、干渉候補電波検出部311と、識別情報記憶部112と、干渉候補電波情報生成部313と、干渉候補電波情報送信部114と、時刻情報提供部315と、装置間距離情報提供部316と、移動速度情報提供部317と、干渉開始予想時刻算出部318とを備える。実施の形態3に係る電波検出装置310は、干渉候補電波検出部311及び干渉候補電波情報生成部313での処理の点、時刻情報提供部315、装置間距離情報提供部316、移動速度情報提供部317及び干渉開始予想時刻算出部318がさらに備えられている点において、実施の形態1に係る電波検出装置110と異なっている。
【0087】
干渉候補電波検出部311は、実施の形態1と同様の機能を果たすほか、干渉電波発生源180から送出された干渉候補電波181を検出すると、速やかに、干渉候補電波が検出されたことを干渉開始予想時刻算出部318に通知する。
【0088】
時刻情報提供部315は、時刻を算出して、算出した時刻を示す時刻情報を干渉開始予想時刻算出部318に提供する。
時刻情報提供部315が算出する時刻は、後述する管理装置330の時刻情報提供部338が算出する時刻と同期していることが望ましい。時刻情報提供部315が提供する時刻情報は、例えば、日本標準時等の標準時刻系の時刻を示すものであってもよく、また、システム時刻等のクロックカウンタ値であってもよい。
【0089】
装置間距離情報提供部316は、電波検出装置310と管理装置330との間の距離を示す装置間距離情報を、干渉開始予想時刻算出部318に提供する。この距離は、予め設定された固定値であってもよく、また、電波検出装置310が管理装置330との間で距離測定を行って得られた値でもよい。本実施の形態では、この距離は、予め設定されている固定値である場合を説明する。
【0090】
移動速度情報提供部317は、管理装置330の移動速度を示す移動速度情報を干渉開始予想時刻算出部318に提供する。移動速度情報提供部317が管理装置330の移動速度を取得する方法は、特に限定されない。例えば、移動速度情報提供部317は、管理装置330を搭載している列車の車両システム(図示せず)が車輪の回転速度から算出した列車の移動速度を、この車両システムより取得して、この列車の移動速度を管理装置330の移動速度としてもよい。また、移動速度情報提供部317は、電波検出装置310の位置を示す位置情報を入手できるGPS機能等を有し、特定の時間における位置の変化量(移動距離)から、電波検出装置310の移動速度を算出し、この移動速度を管理装置330の移動速度としてもよい。
【0091】
干渉開始予想時刻算出部318は、干渉候補電波検出部311から干渉候補電波が検出されたことを示す通知を受けると、時刻情報提供部315から時刻情報を取得し、この時刻情報で示される時刻を検出時刻とする。
そして、干渉開始予想時刻算出部318は、この検出時刻と、装置間距離情報提供部316から提供される装置間距離情報で示される距離と、移動速度情報提供部317から提供される移動速度情報で示される移動速度とから、干渉候補電波による干渉が始まると予想される時刻である干渉開始予想時刻を算出する。この干渉開始予想時刻は、装置間の距離を移動速度で除算することによって算出される干渉開始予想時間を、検出時刻に加算することにより算出される。干渉開始予想時刻算出部318は、この干渉開始予想時刻を、干渉候補電波情報生成部313に与える。
【0092】
干渉候補電波情報生成部313は、干渉候補電波検出部311より、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを示す通知を受け、さらに、干渉開始予想時刻算出部318から干渉開始予想時刻を受けると、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報とを含む干渉候補電波情報を生成する。干渉候補電波情報生成部313は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0093】
図14は、干渉候補電波情報IRD2の概略図である。干渉候補電波情報IRD2は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報IFDと、干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報ITDとを含む。
【0094】
以上のように、電波検出装置310は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報とを含む干渉候補電波情報を管理装置330に送信することができる。そして、管理装置330は、干渉候補電波情報に基づいて、干渉候補電波による干渉が始まるまでの残り時間の算出と、干渉候補電波の影響のない周波数帯の選択とを行うことができるようになる。
【0095】
図15は、管理装置330の機能を概略的に示すブロック図である。管理装置330は、干渉候補電波情報受信部331と、非干渉周波数帯決定部335と、非干渉周波数帯情報記憶部136と、無線通信部137と、時刻情報提供部339とを備える。実施の形態3に係る管理装置330は、干渉候補電波情報受信部331及び非干渉周波数帯決定部335での処理の点、装置間距離情報提供部132、移動速度情報提供部133及び干渉開始予想時間算出部134が備えられていない点において、実施の形態1に係る管理装置130と異なっている。
【0096】
干渉候補電波情報受信部331は、通信ネットワーク170を介して、電波検出装置310と通信を行う。例えば、干渉候補電波情報受信部331は、電波検出装置310より干渉候補電波情報パケットを受信する。そして、干渉候補電波情報受信部331は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出する。そして、干渉候補電波情報受信部331は、この干渉候補電波情報から干渉候補電波周波数帯情報及び干渉開始予想時刻情報を取得する。干渉候補電波情報受信部231は、干渉候補電波周波数帯情報及び干渉開始予想時刻情報を非干渉周波数帯決定部235に与える。
【0097】
非干渉周波数帯決定部335は、実施の形態1と同様に、非干渉周波数帯情報を生成し、この非干渉周波数帯情報を非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶させておく。
【0098】
また、非干渉周波数帯決定部335は、実施の形態1と同様に、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉するか否かを判断する。
【0099】
非干渉周波数帯決定部335は、干渉候補電波が無線通信部137で使用されている周波数帯の電波に干渉すると判断した場合には、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上あるか否かを判断する。例えば、非干渉周波数帯決定部335は、干渉候補電波情報受信部331より干渉開始予想時刻情報が与えられると、時刻情報提供部315より時刻情報を取得する。そして、非干渉周波数帯決定部335は、実施の形態1とは異なり、干渉開始予想時刻情報で示される干渉開始予想時刻から、時刻情報で示される時刻を差し引いた時間である干渉開始残時間を、干渉が発生するまでの時間とする。
【0100】
そして、非干渉周波数帯決定部335は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上あると判断した場合には、実施の形態1と同様に、無線通信部137にキャリアセンスを行わせ、干渉候補電波が検出された周波数帯とは重複しない周波数帯の中から、干渉割合が最も小さい周波数帯を新たに使用する周波数帯として選択する。
一方、非干渉周波数帯決定部335は、干渉が発生するまでの時間が、予め定められた時間以上はないと判断した場合には、実施の形態1と同様に、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯のうち、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複せず、干渉割合が最も小さい周波数帯を新たに使用する周波数帯として選択する。そして、非干渉周波数帯決定部335は、実施の形態1と同様に、以上のようにして選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成して、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。また、非干渉周波数帯決定部335は、以上のようにして選択した周波数帯を示す周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0101】
なお、非干渉周波数帯決定部335は、干渉開始残時間を算出すると、計時を行い、干渉開始残時間が経過する前に、周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。ここで、これらの周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求は、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯の変更が干渉開始残時間が経過するまでに完了できるような時間内に、無線通信部137に与えられるようにすることが望ましい。周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求が与えられてから、無線通信部137及び無線通信機150で使用される周波数帯が変更されるまでの時間は、予め定められた一定時間としてもよい。従って、非干渉周波数帯決定部335は、干渉開始残時間からこの一定時間を差し引いた時間までに、周波数帯変更指示情報及び周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。
【0102】
以上のように、管理装置330は、電波検出装置310から通知される干渉開始予想時刻までに、無線通信部137で使用する周波数帯を、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯に変更することにより、無線ネットワーク171における無線通信では、干渉候補電波による影響が低減される。
【0103】
図16は、干渉候補電波が検出された際の処理を示すシーケンス図である。
まず、電波検出装置310の干渉候補電波検出部311は、無線ネットワーク171で使用可能な周波数帯毎に、キャリアセンスを行い、干渉候補電波を検出する(S50)。そして、干渉候補電波検出部311が、干渉候補電波を検出すると、干渉候補電波が検出されたことと、干渉候補電波が検出された周波数帯とを干渉候補電波情報生成部313に通知するとともに、干渉候補電波が検出されたことを干渉開始予想時刻算出部318に通知する。
【0104】
次に、干渉開始予想時刻算出部318は、干渉候補電波による干渉が始まると予想される時刻である干渉開始予想時刻を算出する(S51)。干渉開始予想時刻算出部318は、時刻情報提供部339から時刻情報の提供を受け、装置間距離情報提供部316から装置間距離情報の提供を受け、また、移動速度情報提供部317から移動速度情報の提供を受けて、干渉開始予想時刻を算出する。干渉開始予想時刻算出部318は、この干渉開始予想時刻を、干渉候補電波情報生成部313に与える。
【0105】
次に、干渉候補電波情報生成部313は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報と、ステップS51で算出された干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報とを含む干渉候補電波情報を生成する(S52)。干渉候補電波情報生成部313は、この干渉候補電波情報を干渉候補電波情報送信部114に与える。
【0106】
干渉候補電波情報送信部114は、干渉候補電波情報をパケット化することで、干渉候補電波情報パケットを生成し、この干渉候補電波情報パケットを、通信ネットワーク170を介して、管理装置330に送信する(S53)。
【0107】
管理装置330の干渉候補電波情報受信部331は、干渉候補電波情報パケットを受信する(S54)。そして、干渉候補電波情報受信部331は、干渉候補電波情報パケットを解析して、干渉候補電波情報を抽出する。そして、干渉候補電波情報受信部331は、この干渉候補電波情報から干渉電波周波数帯情報及び干渉開始予想時刻情報を取得する。干渉候補電波情報受信部331は、干渉電波周波数帯情報及び干渉開始予想時刻情報を非干渉周波数帯決定部335に与える。
【0108】
次に、非干渉周波数帯決定部335は、干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯に含まれる電波が、無線通信部137が使用している周波数帯に含まれる電波と干渉するか否かを判断する(S55)。本シーケンスでは、これらの電波が干渉するものとして説明する。これらの電波が干渉しない場合には、本シーケンスは終了する。
【0109】
次に、非干渉周波数帯決定部335は、無線ネットワーク171において新たに使用する周波数帯を選択する(S56)。ここで、非干渉周波数帯決定部335は、時刻情報提供部339より時刻情報を取得する。非干渉周波数帯決定部335は、ステップS54で与えられた干渉開始予想時刻情報で示される干渉開始予想時刻から、時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する。
そして、非干渉周波数帯決定部335は、干渉開始残時間が予め定められた時間以上である場合には、無線通信部137にキャリアセンスを行わせて、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。一方、非干渉周波数帯決定部235は、干渉開始残時間が予め定められた時間未満である場合には、キャリアセンスを行わせず、非干渉周波数帯情報記憶部136に記憶されている非干渉周波数帯情報で示される周波数帯から、干渉候補電波が検出された周波数帯と重複しない周波数帯を選択する。
【0110】
次に、非干渉周波数帯決定部335は、ステップS56で選択した周波数帯を示す周波数帯変更指示情報を生成する(S57)。そして、非干渉周波数帯決定部335は、この周波数帯変更指示情報を無線通信部137に与える。
【0111】
無線通信部137は、周波数帯変更指示情報をパケット化した周波数帯変更指示情報パケットを、無線ネットワーク171に接続されている無線通信機150に送信する(S58)。
【0112】
また、非干渉周波数帯決定部235は、ステップS56で選択した周波数帯に変更する要求である周波数帯変更要求を無線通信部137に与える。無線通信部137は、無線通信に使用する周波数帯を、この周波数帯変更要求で示された周波数帯に変更する(S59)。
【0113】
無線通信機150の無線通信部151は、周波数帯変更指示情報パケットを受信する(S60)。そして、無線通信部151は、この周波数帯変更指示情報パケットから周波数帯変更指示情報を抽出して、抽出した周波数帯変更指示情報を処理部152に与える。
【0114】
処理部152は、周波数帯変更指示情報で指示されている周波数帯を用いるように、無線通信部151に指示を出す。このような指示を受けた無線通信部151は、無線通信に使用する周波数帯を、処理部152より指示された周波数帯に変更する(S61)。
【0115】
以上のように、本実施の形態においては、電波検出装置310から送信されてくる干渉候補電波情報に干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報が含まれているため、管理装置330において、干渉候補電波による影響が発生し始めるまでの残り時間である干渉開始残時間を正確に算出することができる。
【0116】
以上に記載した実施の形態1から3では、電波検出装置110、210、310と、管理装置130、230、330と、無線通信機150とは、列車に搭載されるものとして説明した。しかしながら、電波検出装置110、210、310、管理装置130、230、330及び無線通信機150は、自動車や船舶等の移動手段に搭載されていてもよい。このような場合には、電波検出装置110、210、310は、移動手段の先頭部、言い換えれば、移動手段の進行方向の先端から予め定められた範囲内に搭載され、管理装置130、230、240は、進行方向において、電波検出装置110、210、310よりも後方に搭載されるようにすればよい。
【0117】
以上に記載した実施の形態1から3では、電波検出装置110、210、310は、干渉候補電波が検出された周波数帯を示す情報を干渉候補電波情報に含めて、管理装置130、230、330に送信するようにしているが、干渉候補電波が検出されたチャンネルを示す情報を干渉候補電波情報に含めて、管理装置130、230、330に送信するようにしてもよい。
また、管理装置130、230、330は、干渉候補電波が検出されたチャンネルが、無線ネットワーク171で使用されているチャンネルと重複するか否かを判断して、重複すると判断した場合に、干渉候補電波が検出されたチャンネルと重複しないチャンネルに、無線ネットワーク171で使用されているチャンネルを変更するようにしてもよい。このような場合、管理装置130、230、330の非干渉周波数帯決定部135、235、335は、無線通信部137に、無線通信部137で使用可能なチャンネルの各々につき、キャリアセンスを行わせ、その結果として、キャリアセンスを行ったチャンネルと、このチャンネルでキャリアセンスを行った時間と、このチャンネルで電波が検出された時間と、を特定させて、これらを示す情報を報告させるようにすればよい。
【0118】
以上に記載した実施の形態1から3では、非干渉周波数帯決定部135、235、335は、干渉割合が予め定められた閾値よりも小さい周波数帯を特定して、特定した周波数帯と、この周波数帯における干渉割合と、を示す非干渉周波数帯情報を生成するようにしているが、非干渉周波数帯情報は、このような情報に限定されない。例えば、非干渉周波数帯決定部135、235、335は、干渉割合を予め定められた閾値と比較することなく、キャリアセンスが行われた各々の周波数帯と、この周波数帯における干渉割合と、を示す非干渉周波数帯情報を生成するようにしてもよい。
【0119】
以上に記載した実施の形態1から3では、非干渉周波数帯決定部135、235、335は、無線通信部137にキャリアセンスを行わせて、その結果として、キャリアセンスを行った周波数帯と、この周波数帯でキャリアセンスを行った時間と、この周波数帯で電波が検出された時間と、を特定させて、これらを示す情報を報告させるようにしているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、管理装置130、230、330に無線通信部137とは別の無線通信部を備えておき、この別の無線通信部でキャリアセンスを行わせるようにすることもできる。このように別の無線通信部でキャリアセンスを行わせることで、無線通信部137が無線通信を行っている間も、キャリアセンスを行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0120】
100,200,300:干渉回避ネットワークシステム、 110,210,310:電波検出装置、 111,311:干渉候補電波検出部、 112:識別情報記憶部、 113,213,313:干渉候補電波情報生成部、 114:干渉候補電波情報送信部、 215,315:時刻情報提供部、 316:装置間距離情報提供部、 317:移動速度情報提供部、 318:干渉開始予想時刻算出部、 130,230,330:管理装置、 131,231,331:干渉候補電波情報受信部、 132:装置間距離情報提供部、 133:移動速度情報提供部、 134:干渉開始予想時間算出部、 135,235,335:非干渉周波数帯決定部、 136:非干渉周波数帯情報記憶部、 137:無線通信部、 238:干渉開始予想時刻算出部、 239,339:時刻情報提供部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置が所属する通信ネットワークに所属し、前記管理装置と同じ移動手段に備えられる電波検出装置であって、
前記管理装置が所属する無線ネットワークの無線通信で使用可能な各々の周波数帯においてキャリアセンスを行い、前記無線ネットワークに所属していない電波発生源から出力される干渉候補電波を検出する干渉候補電波検出部と、
前記干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を生成する干渉候補電波情報生成部と、
前記管理装置が、前記干渉候補電波検出部が前記干渉候補電波を検出した位置に到達する前に、前記通信ネットワークを介して、前記干渉候補電波情報を前記管理装置に送信する干渉候補電波情報送信部と
を備えることを特徴とする電波検出装置。
【請求項2】
前記移動手段が移動する方向において、前記管理装置よりも前方に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の電波検出装置。
【請求項3】
前記干渉候補電波検出部は、前記干渉候補電波が検出された場合には、前記干渉候補電波が検出された周波数帯において、前記キャリアセンスを所定時間継続して行い、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記所定時間において、前記干渉候補電波が検出された時間が予め定められた閾値時間よりも長い場合に、前記干渉候補電波情報を生成すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電波検出装置。
【請求項4】
時刻情報を提供する時刻情報提供部をさらに備え、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記時刻情報で示される時刻を検出時刻とし、当該検出時刻を示す検出時刻情報を前記干渉候補電波情報に含めること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電波検出装置。
【請求項5】
時刻情報を提供する時刻情報提供部と、
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記装置間距離情報で示される距離と、前記移動速度情報で示される移動速度とから干渉開始予想時間を算出し、前記時刻情報で示される時刻に前記干渉開始予想時間を加算することで、干渉開始予想時刻を算出する干渉開始予想時刻算出部と
をさらに備え、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報を前記干渉候補電波情報に含めること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電波検出装置。
【請求項6】
電波検出装置が所属する通信ネットワークに所属し、且つ、無線ネットワークに所属し、前記電波検出装置と同じ移動手段に備えられる管理装置であって、
前記電波検出装置より、前記通信ネットワークを介して、前記干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を受信する干渉候補電波情報受信部と、
前記無線ネットワークに所属する無線通信機と無線通信を行う無線通信部と、
前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と、前記無線通信部が行う無線通信で使用されている周波数帯とが重複する場合には、前記無線通信部が無線通信で使用できる複数の周波数帯のうち、前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と重複しない他の周波数帯を選択する非干渉周波数帯決定部と
を備え、
前記無線通信部は、前記非干渉周波数帯決定部が前記他の周波数帯を選択すると、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする管理装置。
【請求項7】
前記移動手段が移動する方向において、前記電波検出装置よりも後方に配置されていること
を特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記無線通信部は、前記干渉周波数帯決定部の指示に応じて、キャリアセンスを行い、
前記干渉周波数帯決定部は、前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と重複しない周波数帯のうち、前記キャリアセンスが行われた時間に対する電波が検出された時間の割合が最も小さい周波数帯を、前記他の周波数帯として選択すること
を特徴とする請求項6又は7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記干渉候補電波情報を前記干渉候補電波情報受信部が受信すると、前記装置間距離情報で示される距離と、前記移動速度情報で示される移動速度とから干渉開始予想時間を算出する干渉開始予想時間算出部と
をさらに備え、
前記無線通信部は、前記干渉開始予想時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記干渉候補電波情報を前記干渉候補電波情報受信部が受信すると、前記装置間距離情報で示される距離を、前記移動速度情報で示される移動速度で除算することで干渉開始予想時間を算出する干渉開始予想時間算出部と、
時刻情報を提供する時刻情報提供部と
をさらに備え、
前記干渉候補電波情報には、前記干渉候補電波が検出された検出時刻を示す検出時刻情報がさらに含まれており、
前記非干渉周波数帯決定部は、
前記検出時刻情報で示される検出時刻に、前記干渉開始予想時間を加算することで干渉開始予想時刻を算出する処理と、
前記干渉開始予想時刻から前記時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する処理と
をさらに行い、
前記無線通信部は、前記干渉開始残時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項11】
時刻情報を提供する時刻情報提供部をさらに備え、
前記干渉候補電波情報には、前記干渉候補電波による干渉が始まると予想される時刻である干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報が含まれており、
前記非干渉周波数帯決定部は、前記干渉開始予想時刻情報で示される干渉開始予想時刻から、前記時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する処理と、をさらに行い、
前記無線通信部は、前記干渉開始残時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項12】
電波検出装置と、当該電波検出装置と同じ通信ネットワークに所属し、当該電波検出装置と同じ移動手段に備えられる管理装置とを備える干渉回避ネットワークシステムであって、
前記電波検出装置は、
前記管理装置が所属する無線ネットワークの無線通信で使用可能な各々の周波数帯においてキャリアセンスを行い、前記無線ネットワークに所属していない電波発生源から出力される干渉候補電波を検出する干渉候補電波検出部と、
前記干渉候補電波が検出された周波数帯を示す干渉候補電波周波数帯情報を含む干渉候補電波情報を生成する干渉候補電波情報生成部と、
前記管理装置が、前記干渉候補電波検出部が前記干渉候補電波を検出した位置に到達する前に、前記通信ネットワークを介して、前記干渉候補電波情報を前記管理装置に送信する干渉候補電波情報送信部と
を備え、
前記管理装置は、
前記電波検出装置より、前記通信ネットワークを介して、前記干渉候補電波情報を受信する干渉候補電波情報受信部と、
前記無線ネットワークに所属する無線通信機と無線通信を行う無線通信部と、
前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と、前記無線通信部が行う無線通信で使用されている周波数帯とが重複する場合には、前記無線通信部が無線通信で使用できる複数の周波数帯のうち、前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と重複しない他の周波数帯を選択する非干渉周波数帯決定部と
を備え、
前記無線通信部は、前記非干渉周波数帯決定部が前記他の周波数帯を選択すると、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする干渉回避ネットワークシステム。
【請求項13】
前記電波検出装置は、前記移動手段が移動する方向において、前記管理装置よりも前方に配置されていること
を特徴とする請求項12に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項14】
前記無線通信部は、前記干渉周波数帯決定部の指示に応じて、キャリアセンスを行い、
前記干渉周波数帯決定部は、前記干渉候補電波周波数帯情報で示される周波数帯と重複しない周波数帯のうち、前記キャリアセンスが行われた時間に対する電波が検出された時間の割合が最も小さい周波数帯を、前記他の周波数帯として選択すること
を特徴とする請求項12又は13に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項15】
前記干渉候補電波検出部は、前記干渉候補電波が検出された場合には、前記干渉候補電波が検出された周波数帯において、前記キャリアセンスを所定時間継続して行い、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記所定時間において、前記干渉候補電波が検出された時間が予め定められた閾値時間よりも長い場合に、前記干渉候補電波情報を生成すること
を特徴とする請求項12から14の何れか一項に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項16】
前記管理装置は、
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記干渉候補電波情報を前記干渉候補電波情報受信部が受信すると、前記装置間距離情報で示される距離と、前記移動速度情報で示される移動速度とから干渉開始予想時間を算出する干渉開始予想時間算出部と
をさらに備え、
前記無線通信部は、前記干渉開始予想時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項12から14の何れか一項に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項17】
前記電波検出装置は、
第1時刻情報を提供する第1時刻情報提供部をさらに備え、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記第1時刻情報で示される時刻を検出時刻とし、当該検出時刻を示す検出時刻情報を前記干渉候補電波情報に含め、
前記管理装置は、
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記干渉候補電波情報を前記干渉候補電波情報受信部が受信すると、前記装置間距離情報で示される距離と、前記移動速度情報で示される移動速度とから干渉開始予想時間を算出する干渉開始予想時間算出部と、
第2時刻情報を提供する第2時刻情報提供部と
をさらに備え、
前記非干渉周波数帯決定部は、
前記検出時刻情報で示される検出時刻に、前記干渉開始予想時間を加算することで干渉開始予想時刻を算出する処理と、
前記干渉開始予想時刻から前記第2時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する処理と、をさらに行い、
前記無線通信部は、前記干渉開始残時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項12から14の何れか一項に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項18】
前記電波検出装置は、
第1時刻情報を提供する第1時刻情報提供部と、
前記管理装置と前記電波検出装置との間の距離を示す装置間距離情報を提供する装置間距離情報提供部と、
前記管理装置の移動速度を示す移動速度情報を提供する移動速度情報提供部と、
前記装置間距離情報で示される距離と、前記移動速度情報で示される移動速度とから干渉開始予想時間を算出し、前記第1時刻情報で示される時刻に前記干渉開始予想時間を加算することで、干渉開始予想時刻を算出する干渉開始予想時刻算出部と
をさらに備え、
前記干渉候補電波情報生成部は、前記干渉開始予想時刻を示す干渉開始予想時刻情報を前記干渉候補電波情報に含め、
前記管理装置は、
第2時刻情報を提供する第2時刻情報提供部をさらに備え、
前記非干渉周波数帯決定部は、前記干渉開始予想時刻情報で示される干渉開始予想時刻から、前記第2時刻情報で示される時刻を差し引くことで、干渉開始残時間を算出する処理をさらに行い、
前記無線通信部は、前記干渉開始残時間が経過する前に、無線通信で使用する周波数帯を、前記他の周波数帯に変更すること
を特徴とする請求項12から14の何れか一項に記載の干渉回避ネットワークシステム。
【請求項19】
前記電波検出装置は、1編成の列車における先頭車両の先頭部に搭載されており、
前記管理装置は、前記列車の移動方向において、前記電波検出装置よりも後方に搭載されていること
を特徴とする請求項12から18の何れか一項に記載の干渉回避ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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