説明

電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置

【課題】電流をシンクしたり、供給したりすることができる電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置を提供する。
【解決手段】可変電源185と、第1入力端子が前記可変電源に接続される第1アンプ183と、前記第1アンプ183の出力端子と外部端子との間に接続されるセンシング抵抗Rsと、前記センシング抵抗Rsの両端に第1入力端子及び第2入力端子がそれぞれ接続され、出力端子が前記第1アンプ183の第2入力端子に接続される第2アンプ184と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関し、特に、画素に電流を供給したり、シンクしたりするための電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重さと体積を減らすことができる各種平板表示装置が開発されている。平板表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel)及び有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display)などが挙げられる。
【0003】
平板表示装置のうち、有機電界発光表示装置は電子と正孔の再結合によって光を発生する有機発光ダイオードを用いて映像を表示する。このような有機電界発光表示装置は、高い応答速度を有すると同時に、低い消費電力で駆動されるという長所がある。
【0004】
図1は、従来の有機電界発光表示装置の画素を示す回路図である。
【0005】
図1を参照すれば、従来の有機電界発光表示装置の画素4は、有機発光ダイオードOLEDと、データ線Dm及び走査線Snに接続されて有機発光ダイオードOLEDを制御するための画素回路2とを備える。
【0006】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路2に接続され、カソード電極は第2電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路2から供給される電流に対応する輝度で発光する。
【0007】
画素回路2は、走査線Snに走査信号が供給される時に、データ線Dmに供給されるデータ信号に対応して有機発光ダイオードOLEDに供給される電流量を制御する。
【0008】
このために、画素回路2は第1電源ELVDDと有機発光ダイオードOLEDとの間に接続された第2トランジスタM2と、第2トランジスタM2、データ線Dm及び走査線Snの間に接続された第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2のゲート電極と第1電極との間に接続されたストレージキャパシタCstとを備える。
【0009】
第1トランジスタM1のゲート電極は走査線Snに接続され、第1電極はデータ線Dmに接続される。そして、第1トランジスタM1の第2電極はストレージキャパシタCstの一側端子に接続される。
【0010】
ここで、第1電極はソース電極及びドレイン電極のいずれか1つに設定され、第2電極は第1電極と異なる電極に設定される。例えば、第1電極がソース電極に設定されると、第2電極はドレイン電極に設定される。走査線Sn及びデータ線Dmに接続された第1トランジスタM1は、走査線Snから走査信号が供給される時にターンオンされてデータ線Dmから供給されるデータ信号をストレージキャパシタCstに供給する。このとき、ストレージキャパシタCstはデータ信号に対応する電圧を充電する。
【0011】
第2トランジスタM2のゲート電極はストレージキャパシタCstの一側端子に接続され、第1電極はストレージキャパシタCstの他側端子及び第1電源ELVDDに接続される。そして、第2トランジスタM2の第2電極は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続される。
【0012】
このような第2トランジスタM2は、ストレージキャパシタCstに格納された電圧値に対応して、第1電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2電源ELVSSに流れる電流量を制御する。このとき、有機発光ダイオードOLEDは第2トランジスタM2から供給される電流量に対応する光を生成する。
【0013】
しかしながら、このような従来の有機電界発光表示装置は、有機発光ダイオードOLEDの劣化による効率変化によって所望の輝度の映像を表示できないという問題がある。
【0014】
実際に、時間が経過するにつれて有機発光ダイオードOLEDが劣化し、これにより、同一のデータ信号に対応して次第に低い輝度の光が生成されるという問題が発生する。また、従来は画素4のそれぞれに含まれる駆動トランジスタM2の閾値電圧/移動度の不均一によって均一な輝度の画像を表示できないという問題がある。
【0015】
このような問題を解決するために、有機発光ダイオードに電流を供給しながら有機発光ダイオードの劣化情報を抽出し、電流をシンクしながら第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報を抽出する特許(韓国出願番号2007-0035012、2007-0084730)が出願された。
【0016】
しかしながら、従来の発明では電流をシンクするために、1つ以上のシンク電流源、電流を供給するために1つ以上のソース電流源がそれぞれ設置されなければならないため、回路が複雑になり、製造コストが増加するという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2008−0066421号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電流をシンクしたり、供給したりすることができる電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するために、本発明の第1観点による電流源は、可変電源と、第1入力端子が前記可変電源に接続される第1アンプと、前記第1アンプの出力端子と外部端子との間に接続されるセンシング抵抗と、前記センシング抵抗の両端に第1入力端子及び第2入力端子がそれぞれ接続され、出力端子が前記第1アンプの第2入力端子に接続される第2アンプとを備える。
【0020】
好ましくは、前記センシング抵抗を経由して前記外部端子に電流を供給したり、前記外部端子を経由して電流をシンクしたりするために、前記可変電源は正極性又は負極性の電圧に変換され得る。前記第1入力端子は正極性入力端子に設定され、前記第2入力端子は負極性入力端子に設定される。前記第2アンプの第1入力端子は前記センシング抵抗と前記第1アンプの出力端子との間に接続され、第2入力端子は前記センシング抵抗と前記外部端子との間に接続される。前記第1アンプの第2入力端子と前記第2アンプの出力端子との間に接続される第1抵抗と、前記第1アンプの第2入力端子と前記第1アンプの出力端子との間に接続される第1キャパシタとを更に備える。
【0021】
本発明の第2観点による有機電界発光表示装置は、画素と、前記画素に第1電流を供給したり、前記画素から第2電流をシンクしたりするための電流源と、前記第1電流が前記画素に含まれている有機発光ダイオードを経由して供給される時に印加される第1電圧を第1デジタル値に変換し、前記第2電流が前記画素に含まれている駆動トランジスタを経由してシンクされる時に印加される第2電圧を第2デジタル値に変換するためのアナログデジタル変換部と、第1デジタル値及び第2デジタル値を格納するためのメモリと、前記メモリに格納された第1デジタル値及び第2デジタル値を用いて入力データを校正データに変換するための変換回路と、前記校正データを用いてデータ信号を生成し、前記データ信号を前記画素に供給するためのデータ駆動部とを備え、前記電流源は可変電源と、第1入力端子が前記可変電源に接続される第1アンプと、前記アナログデジタル変換部及び前記画素間のノードと前記第1アンプの出力端子との間に接続されるセンシング抵抗と、前記センシング抵抗の両端に第1入力端子及び第2入力端子がそれぞれ接続され、出力端子が前記第1アンプの第2入力端子に接続される第2アンプとを備える。
【0022】
好ましくは、前記校正データは、前記有機発光ダイオードの劣化、前記駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度が補償されるようにビット値が設定される。前記センシング抵抗を経由して前記画素に第1電流を供給したり、前記画素から第2電流をシンクしたりするために、前記可変電源は正極性又は負極性の電圧に変換され得る。前記第1入力端子は正極性入力端子に設定され、前記第2入力端子は負極性入力端子に設定される。前記第2アンプの第1入力端子は前記センシング抵抗と前記第1アンプの出力端子との間に接続され、第2入力端子は前記センシング抵抗と前記ノードとの間に接続される。前記第1アンプの第2入力端子と前記第2アンプの出力端子との間に接続される第1抵抗と、前記第1アンプの第2入力端子と前記第1アンプの出力端子との間に接続される第1キャパシタとを更に備える。それぞれのチャネル毎に設置され、前記データ駆動部と前記画素との間に位置する第1スイッチング素子と、前記それぞれのチャネル毎に設置され、前記ノードと前記画素との間に位置する第2スイッチング素子とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明の電流源及びこれを用いた有機電界発光表示装置によれば、1つの電流源を用いて電流を供給したりシンクしたりでき、回路を単純化できるという効果を奏する。また、本発明の電流源を用いる場合、製造コストを低減できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の画素を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置を示す図である。
【図3】図2に示した画素を示す回路図である。
【図4】図2に示したスイッチング部、センシング部及び変換部を詳細に示す図である。
【図5】図4に示した電流源の接続関係を示す図である。
【図6】図4に示した電流源の実施形態を示す図である。
【図7】図4に示した電流源の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる、好適な実施形態が添付された図2〜図7を参照して詳細に説明すれば、以下の通りである。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置を示す図である。
【0027】
図2を参照すれば、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置は、走査線S1〜Sn、発光制御線E1〜En、感知線CL1〜CLn及びデータ線D1〜Dmと接続される画素140を含む画素部130と、走査線S1〜Sn及び発光制御線E1〜Enを駆動するための走査駆動部110と、感知線CL1〜CLnを駆動するための感知線駆動部160と、データ線D1〜Dmを駆動するためのデータ駆動部120と、走査駆動部110、データ駆動部120及び感知線駆動部160を制御するためのタイミング制御部150とを備える。
【0028】
また、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置は、画素140のそれぞれに含まれる有機発光ダイオードの劣化情報、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報を抽出するためのセンシング部180と、センシング部180とデータ駆動部120を選択的にデータ線D1〜Dmに接続させるためのスイッチング部170と、センシング部180でセンシングされた情報を格納し、これを用いて有機発光ダイオードの劣化、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度と関係なく、均一な輝度の映像を表示できるように入力データを変換する変換部190と、を更に備える。
【0029】
画素部130は、走査線S1〜Sn、発光制御線E1〜En及びデータ線D1〜Dmの交差部に位置する画素140を備える。画素140は、外部から第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受ける。このような画素140は、データ信号に対応して第1電源ELVDDから有機発光ダイオードを経由して第2電源ELVSSに供給される電流量を制御する。そして、有機発光ダイオードで所定輝度の光が生成される。
【0030】
走査駆動部110は、タイミング制御部150の制御によって走査線S1〜Snに走査信号を供給する。また、走査駆動部110は、タイミング制御部150の制御を受けて、発光制御線E1〜Enに発光制御信号を供給する。
【0031】
感知線駆動部160は、タイミング制御部150の制御を受けて、感知線CL1〜CLnに感知信号を供給する。
【0032】
データ駆動部120は、タイミング制御部150の制御を受けて、データ線D1〜Dmにデータ信号を供給する。
【0033】
スイッチング部170は、センシング部180とデータ駆動部120を選択的にデータ線D1〜Dmに接続させる。このために、スイッチング部170はデータ線D1〜Dmのそれぞれと(即ち、それぞれのチャネル毎に)接続される、一対のスイッチング素子を備える。
【0034】
センシング部180は、画素140のそれぞれに含まれる有機発光ダイオードの劣化情報を抽出し、抽出された劣化情報を変換部190に供給する。また、センシング部180は、画素140のそれぞれに含まれる駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報を抽出し、抽出された閾値電圧及び移動度情報を変換部190に供給する。このために、センシング部180はデータ線D1〜Dmのそれぞれと(即ち、それぞれのチャネル毎に)接続される、電流源を備える。
【0035】
ここで、前記有機発光ダイオードの劣化情報を抽出する段階は、有機電界発光表示装置に電源が印加された後、映像が表示される前の第1非表示期間に行われることが好ましい。即ち、有機発光ダイオードの劣化情報の抽出は、有機電界発光表示装置に電源が印加される度に実行され得る。
【0036】
これに対し、前記駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報を抽出する段階は、有機電界発光表示装置に電源が印加された後、映像が表示される前の第2非表示期間に実行され得る。または、当該閾値電圧及び移動度情報を抽出する段階は、最初の有機電界発光表示装置が製品として出荷される前に行われ、それによる閾値電圧及び移動度情報が製品の出荷時に予め設定された情報としても提供され得る。即ち、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報の抽出は有機電界発光表示装置に電源が印加される度に行われるか、又は製品の出荷前に実行結果が予め格納されることで、電源が印加される度に前記閾値電圧及び移動度情報の抽出を実行せず、前記予め格納された情報を利用することもできる。
【0037】
変換部190は、センシング部180から供給される劣化情報、閾値電圧及び移動度情報を格納する。ここで、前記変換部190は、あらゆる画素に含まれる有機発光ダイオードの劣化情報、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報を格納する。このために、変換部190は、メモリと、前記メモリに格納された情報を用いて有機発光ダイオードの劣化、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度と関係なく、均一な輝度の映像を表示できるようにタイミング制御部から入力されるデータDataを校正データData’に変換する変換回路を備える。
【0038】
タイミング制御部150は、データ駆動部120、走査駆動部110及び感知線駆動部160を制御する。
【0039】
また、外部から入力されてタイミング制御部150から出力されるデータDataは、前記変換部190により有機発光ダイオードの劣化、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度を補償するように校正データData’に変換されてデータ駆動部120に供給される。そして、データ駆動部120は、前記変換された校正データData'を用いてデータ信号を生成し、生成されたデータ信号を画素140に供給する。
【0040】
図3は、図2に示した画素の実施形態を示しており、説明の便宜上、第mのデータ線Dm及び第nの走査線Snに接続された画素を示す。
【0041】
図3を参照すれば、本発明の実施形態に係る画素140は、有機発光ダイオードOLEDと、有機発光ダイオードOLEDに電流を供給するための画素回路142とを備える。
【0042】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路142に接続され、カソード電極は第2電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路142から供給される電流に対応して所定輝度の光を生成する。
【0043】
画素回路142は、走査線Snに走査信号が供給される時にデータ線Dmに供給されるデータ信号の供給を受ける。また、画素回路142は、感知線CLnに感知信号が供給される時に、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報又は駆動トランジスタ(即ち、第2トランジスタM2)の閾値電圧及び移動度情報をセンシング部180に提供する。このために、画素回路142は、4つのトランジスタM1〜M4及びストレージキャパシタCstを備える。
【0044】
第1トランジスタM1のゲート電極は走査線Snに接続され、第1電極はデータ線Dmに接続される。そして、第1トランジスタM1の第2電極は、ストレージキャパシタCstの第1端子に接続される。このような第1トランジスタM1は、走査線Snに走査信号が供給される時にターンオンされる。ここで、走査信号は第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報がセンシングされる期間、データ信号がストレージキャパシタCstに格納される期間に供給される。
【0045】
第2トランジスタM2のゲート電極はストレージキャパシタCstの第1端子に接続され、第1電極はストレージキャパシタCstの第2端子及び第1電源ELVDDに接続される。このような第2トランジスタM2は、ストレージキャパシタCstに格納された電圧値に対応して、第1電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2電源ELVSSに流れる電流量を制御する。このとき、有機発光ダイオードOLEDは、第2トランジスタM2から供給される電流量に対応する光を生成する。
【0046】
第3トランジスタM3のゲート電極は発光制御線Enに接続され、第1電極は第2トランジスタM2の第2電極に接続される。そして、第3トランジスタM3の第2電極は、有機発光ダイオードOLEDに接続される。このような第3トランジスタM3は、発光制御線Enに発光制御信号が供給される時にターンオフされ、発光制御信号が供給されない時にターンオンされる。ここで、発光制御信号はストレージキャパシタCstにデータ信号に対応する電圧が充電される期間、及び、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報がセンシングされる間に供給される。
【0047】
第4トランジスタM4のゲート電極は感知線CLnに接続され、第1電極は第3トランジスタM3の第2電極に接続される。また、第4トランジスタM4の第2電極はデータ線Dmに接続される。このような第4トランジスタM4は、感知線CLnに感知信号が供給される時にターンオンされ、その他の場合にターンオフされる。ここで、感知信号は有機発光ダイオードOLEDの劣化情報がセンシングされる期間、第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報がセンシングされる間に供給される。
【0048】
図4は、図2に示したスイッチング部、センシング部及び変換部を詳細に示す図である。図4では説明の便宜上、第mのデータ線Dmと接続される構成を示す。
【0049】
図4を参照すれば、スイッチング部170のそれぞれのチャネルには一対のスイッチング素子SW1、SW2が備えられる。センシング部180のそれぞれのチャネルには電流源181及びアナログデジタル変換部(Analog−Digital Converter:以下、「ADC」という)182が備えられる。ここで、ADCは多数のチャネル当たり1つ、又は全てのチャネルが1つのADCを共有して使用できる。変換部190は、メモリ191及び変換回路192を備える。
【0050】
スイッチング部170の第1スイッチング素子SW1は、データ駆動部120とデータ線Dmとの間に位置する。このような第1スイッチング素子SW1は、データ駆動部120を介してデータ信号が供給される時にターンオンされる。即ち、第1スイッチング素子SW1は、有機電界発光表示装置が所定の映像を表示する期間にターンオン状態を維持する。
【0051】
スイッチング部170の第2スイッチング素子SW2は、センシング部180とデータ線Dmとの間に位置する。このような第2スイッチング素子SW2は、センシング部180を介して画素部130の各画素140から、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報又は第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報がセンシングされる間にターンオンされる。
【0052】
このとき、第2スイッチング素子SW2は、有機電界発光表示装置に電源が印加された後に映像が表示される前までの非表示期間にターンオン状態を維持するか、又は製品が出荷される前の非表示期間にターンオン状態を維持する。
【0053】
更に詳細に説明すれば、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報のセンシングは、有機電界発光表示装置に電源が印加された後、映像が表示される前の第1非表示期間に行われることが好ましい。即ち、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報センシングは、有機電界発光表示装置に電源が印加される度に実行され得る。
【0054】
これに対し、前記駆動トランジスタの移動度及び閾値電圧情報をセンシングする場合には、有機電界発光表示装置に電源が印加された後、映像が表示される前の第2非表示期間に実行され得るだけでなく、最初の有機電界発光表示装置が製品として出荷される前にも実行され得る。
【0055】
電流源181は、画素140に電流を供給して有機発光ダイオードOLEDの劣化情報をセンシングするか、画素140から電流をシンクして駆動トランジスタの移動度及び閾値電圧情報をセンシングする。
【0056】
このような電流源181は、図5に示すように、第2スイッチSW2とADC182との間の第1ノードN1に接続され、第1電流を供給したり、第2電流をシンクしたりする。言い換えると、電流源181は、第1電流を供給するときには電流が電流源181から画素140に向かう方向(図示右方向)に流れ、第2電流をシンクするときには電流が画素140から電流源181に向かう方向(図示左方向)に流れる。従って、本明細書で電流をシンクするということは、電流が画素140から電流源181に向かう方向に流れることを意味する。
【0057】
第1電流が画素140に供給されると、データラインDmに所定電圧(第1電圧)が生成され、この電圧がADC182に供給される。第1電流は、画素140に含まれる有機発光ダイオードOLEDを経由して供給される。従って、第1電圧には有機発光ダイオードOLEDの劣化情報が含まれることになる。
【0058】
これを詳細に説明すれば、有機発光ダイオードOLEDが劣化するほど、有機発光ダイオードOLEDの抵抗値が変化される。従って、有機発光ダイオードOLEDの劣化に対応して第1電圧の電圧値が変化され、これにより、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報を抽出できる。
【0059】
一方、第1電流の電流値は、定められた時間内に所定の電圧が印加されるように、多様に設定され得る。例えば、第1電流は画素140が最大輝度で発光する時、有機発光ダイオードOLEDに流れなければならない電流値に設定され得る。
【0060】
第2電流が画素140からシンクされると、データラインDmに所定電圧(第2電圧)が生成され、この電圧がADC182に供給される。第2電流は、画素140に含まれる第2トランジスタM2を経由して供給される。従って、第2電圧には第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報が含まれる。一方、第2電流は、駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度情報が安定して抽出され得るように電流値が設定される。例えば、第2電流は第1電流と同じ電流値に設定され得る。
【0061】
ADC182は、第1電圧を第1デジタル値に変換し、第2電圧を第2デジタル値に変換して、変換部190に供給する。
【0062】
変換部190は、メモリ191及び変換回路192を備える。
【0063】
メモリ191は、ADC182から供給される第1デジタル値及び第2デジタル値を格納する。実際に、メモリ191は、画素部130に含まれる全ての画素140のそれぞれの第2トランジスタM2の閾値電圧及び移動度情報と、有機発光ダイオードOLEDの劣化情報が格納される。
【0064】
変換回路192は、メモリ191に格納された第1デジタル値及び第2デジタル値を用いて有機発光ダイオードOLEDの劣化、駆動トランジスタM2の閾値電圧及び移動度と関係なく、均一な輝度の映像を表示できるようにタイミング制御部150から伝達を受けた入力データDataを校正データData’に変換する。
データ駆動部120は前記校正データData’を用いてデータ信号を生成し、生成されたデータ信号を画素140に供給する。
【0065】
図6は、図4に示した電流源を詳細に示す図である。
【0066】
図6を参照すれば、本発明の実施形態に係る電流源181は、可変電源185、第1アンプ183、第2アンプ184及びセンシング抵抗Rsを備える。
【0067】
可変電源185は、正極性及び負極性に変換される電源で、ユーザによって多様な電圧に調節可能である。
【0068】
第1アンプ183の第1入力端子(+)(正極性入力端子)は可変電源183に接続され、出力端子はセンシング抵抗Rsに接続される。
【0069】
センシング抵抗Rsは、第1アンプ183の出力端子と第1ノードN1(又は外部端子)との間に接続される。センシング抵抗Rsには、第1アンプ183から供給される電流に対応する電圧が印加される。
【0070】
第2アンプ184の第1入力端子(+)及び第2入力端子(−)(負極性入力端子)は、センシング抵抗Rsの両端にそれぞれ接続される。詳細に説明すれば、第2アンプ184の第1入力端子(+)は、第1アンプ183の出力端子とセンシング抵抗Rsとの間に接続され、第2入力端子(−)はセンシング抵抗Rsと第1ノードN1との間に接続される。そして、第2アンプ184の出力端子は、第1アンプ183の第2入力端子(−)に接続される。このような第2アンプ184は、センシング抵抗Rsに印加される電圧を第1アンプ183の第2入力端子(−)に供給する。
【0071】
電流源181の動作過程を詳細に説明する。まず可変電源185から第1アンプ183の第1入力端子(+)に正極性の電圧が印加される。ここで、第1アンプ183は、第1入力端子(+)と第2入力端子(−)が等電位(同じ電圧)に設定されるように出力電圧(又は出力電流)を制御する。従って、第2アンプ184のゲインを「1」に設定する場合、センシング抵抗Rsの電圧が可変電源185の電圧と同一になるまでセンシング抵抗Rsの電圧が変化される。この場合、センシング抵抗Rsの電圧が変化する間に流れる電流が、第1ノードN1に供給される。即ち、可変電源185の電圧が正極性の電圧に設定される場合、所定の電流が第1ノードN1に供給される。
【0072】
また、可変電源185から第1アンプ183の第1入力端子(+)に負極性の電圧が印加される場合、第1アンプ183は、第1入力端子(+)と第2入力端子(−)が等電位(同じ電圧)に設定されるように出力電圧(又は出力電流)を制御する。この場合、センシング抵抗Rsの電圧が変化される間に所定の電流が第1ノードN1からシンクされる。実際に、第1ノードN1に流れる電流は、式1によって決定される。
【0073】
【数1】

【0074】
式1において、Vinは可変電源185を意味し、Gは第2アンプ184のゲインを意味する。ここで、ゲインG及びセンシング抵抗Rsの抵抗値は固定されたものであり、第1ノードN1に流れる電流は可変電源185によって決定される。
【0075】
前述したように、本発明の電流源181は可変電源185の電圧を制御しながら電流を供給したり、電流をシンクしたりできるという長所がある。また、可変電源185の電圧を制御して電流の量を自由に調節できるという長所がある。
【0076】
一方、本発明の電流源181は、図7のように、第1アンプ183の第2入力端子(−)と第2アンプ184の出力端子との間に接続される第1抵抗R1と、第1アンプ183の第2入力端子(−)と出力端子との間に接続される第1キャパシタC1を追加で備えることができる。このような第1抵抗R1と第1キャパシタC1は、第1アンプ183が発振するのを防止して安全性を確保できる。
【0077】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0078】
S1〜Sn:走査線、
E1〜En:発光制御線、
CL1〜CLn:感知線、
D1〜Dm:データ線、
140:画素、
130: 画素部、
110:走査駆動部、
CL1〜CLn:感知線
160:感知線駆動部160、
120:データ駆動部、
150:タイミング制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変電源と、
第1入力端子が前記可変電源に接続される第1アンプと、
前記第1アンプの出力端子と外部端子との間に接続されるセンシング抵抗と、
前記センシング抵抗の両端に第1入力端子及び第2入力端子がそれぞれ接続され、出力端子が前記第1アンプの第2入力端子に接続される第2アンプと
を備えることを特徴とする電流源。
【請求項2】
前記センシング抵抗を経由して前記外部端子に電流を供給し、または前記外部端子を経由して電流をシンクするために、前記可変電源は正極性又は負極性の電圧に変換されることを特徴とする請求項1に記載の電流源。
【請求項3】
前記第1入力端子は正極性入力端子に設定され、前記第2入力端子は負極性入力端子に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の電流源。
【請求項4】
前記第2アンプの第1入力端子は前記センシング抵抗と前記第1アンプの出力端子との間に接続され、第2入力端子は前記センシング抵抗と前記外部端子との間に接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電流源。
【請求項5】
前記第1アンプの第2入力端子と前記第2アンプの出力端子との間に接続される第1抵抗と、
前記第1アンプの第2入力端子と前記第1アンプの出力端子との間に接続される第1キャパシタと
を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電流源。
【請求項6】
画素と、
前記画素に第1電流を供給し、または前記画素から第2電流をシンクするための電流源と、
前記第1電流が前記画素に含まれている有機発光ダイオードを経由して供給される時に印加される第1電圧を第1デジタル値に変換し、前記第2電流が前記画素に含まれている駆動トランジスタを経由してシンクされる時に印加される第2電圧を第2デジタル値に変換するためのアナログデジタル変換部と、
第1デジタル値及び第2デジタル値を格納するためのメモリと、
前記メモリに格納された第1デジタル値及び第2デジタル値を用いて入力データを校正データに変換するための変換回路と、
前記校正データを用いてデータ信号を生成し、前記データ信号を前記画素に供給するためのデータ駆動部と、を備え、
前記電流源は、
可変電源と、
第1入力端子が前記可変電源に接続される第1アンプと、
前記アナログデジタル変換部及び前記画素間のノードと前記第1アンプの出力端子との間に接続されるセンシング抵抗と、
前記センシング抵抗の両端に第1入力端子及び第2入力端子がそれぞれ接続され、出力端子が前記第1アンプの第2入力端子に接続される第2アンプと
を備えることを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項7】
前記校正データは、前記有機発光ダイオードの劣化、前記駆動トランジスタの閾値電圧及び移動度が補償されるようにビット値が設定されることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記センシング抵抗を経由して前記画素に第1電流を供給し、または前記画素から第2電流をシンクするために、前記可変電源は正極性又は負極性の電圧に可変されることを特徴とする請求項6または7に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記第1入力端子は正極性入力端子に設定され、前記第2入力端子は負極性入力端子に設定されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第2アンプの第1入力端子は前記センシング抵抗と前記第1アンプの出力端子との間に接続され、第2入力端子は前記センシング抵抗と前記ノードとの間に接続されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1アンプの第2入力端子と前記第2アンプの出力端子との間に接続される第1抵抗と、
前記第1アンプの第2入力端子と前記第1アンプの出力端子との間に接続される第1キャパシタと、
を更に備えることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
それぞれのチャネル毎に設置され、前記データ駆動部と前記画素との間に位置する第1スイッチング素子と、
前記それぞれのチャネル毎に設置され、前記ノードと前記画素との間に位置する第2スイッチング素子と
を備えることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−22550(P2011−22550A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246957(P2009−246957)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】