説明

電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法

【課題】半導体集積回路におけるマクロ試験時の消費電力を削減すること。
【解決手段】電源供給支援装置100では、試験対象回路110内の電源供給先としてあらかじめ分類されているグループ1〜4のうち、試験対象となる素子を含むグループを抽出することによって、マクロ試験時に正しい試験結果を得るために電源供給先を特定することができる。ここで特定した電源供給先にのみ電源を供給させることによって、マクロ試験時の電源供給を必要最低限に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試験対象回路の試験時の効率的な電源供給を支援する電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの半導体集積回路には消費電力の低減を目的としたパワーゲーティング方式が採用されている。パワーゲーティング方式の半導体集積回路では、システムの動作モードに応じて、半導体集積回路内の使用されていないブロックへの電源供給を一時的に遮断することができる。一般的に、半導体集積回路内の電源供給の対象となるブロック単位はパワードメインと呼ばれている。また、半導体集積回路の内部には、動作モードごとに電源供給先となるパワードメインを選択するための制御回路が用意されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、図30は、従来の制御回路の挿入例を示す回路図である。図30のようにパワードメインが設定されたパワーゲーティング方式の半導体集積回路30には、電源回路31からの電源を選択的に各ドメインへ供給するために論理回路によって制御をおこなう。たとえば、電源回路31のようにドメイン1〜4への電源供給を制御する制御回路として機能させるために出力ポート(PS[0]〜[3])の前段にNOR回路が挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−51804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、パワーゲーティング方式が採用された半導体集積回路であっても、回路試験時には、すべてのパワードメインに対して電源が供給されてしまう。たとえば図30にて説明した半導体集積回路30の場合、回路試験時には、回路試験状態を指示するTAPC(Test Access Port Controller)または専用コントローラからのModeA信号のポートから電源回路31内の各NOR回路へModeA信号=「1」が入力される。したがって、回路試験時には、ModeA信号によってドメイン1〜4すべてに対する電源供給がONになるように制御される。
【0006】
これは、半導体集積回路30内に配置されたFF(Flip Flop)などのロジック回路(図30には不図示)を試験する際に、電源が供給されないパワードメインが存在すると、このパワードメイン内に配置されたFF回路からの出力が不定値になってしまい、正しい試験結果を得られないためである。このように従来の半導体集積回路では、すべてのパワードメインへ電源供給がおこなわれるため、パワーゲーティング方式が採用されていながら、回路試験時には依然として多大な消費電力となることが重大な問題となっていた。
【0007】
そこで、本開示技術は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ロジック回路の出力が影響しないマクロ試験時の消費電力を削減する電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本開示技術は、コンピュータを、試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報とを取得する処理と、取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する処理と、取得された分類情報に基づいて、抽出する処理によって抽出された素子が属するグループを特定する処理と、特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する処理と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本開示技術によれば、試験対象回路内の電源供給先のグループのうち、マクロ試験時に電源供給が必要なグループを抽出して電源供給先を表す電源供給情報を作成する。マクロ試験時にはこの電源供給情報に基づいて電源供給を制御することによって、マクロ試験時の消費電力を必要最低限に抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法によれば、マクロ試験時の消費電力を削減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態にかかる電源供給支援処理の概要を示す説明図である。
【図2】本実施の形態にかかる電源供給支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかる電源供給支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例における試験対象回路の構成を示す回路図である。
【図5】実施例1における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。
【図6】実施例1における電源供給例(AOBなし)を示す回路図である。
【図7】実施例1における電源供給例(AOBあり)を示す回路図である。
【図8】実施例1における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。
【図9】実施例1における制御回路の挿入例を示す回路図である。
【図10】テスト信号のモード例を示すデータテーブルである。
【図11】実施例2における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。
【図12】実施例2における電源供給例を示す回路図である。
【図13】実施例2における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。
【図14】実施例2における制御回路の挿入例を示す回路図である。
【図15】実施例3における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。
【図16】実施例3における電源供給例を示す回路図である。
【図17】実施例3における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。
【図18】実施例3における制御回路の挿入例を示す回路図である。
【図19】実施例4にかかる電源供給支援処理の手順を示す説明図である。
【図20】実施例4における電源供給例を示す回路図である。
【図21】実施例4における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。
【図22】実施例4における制御回路の挿入例を示す回路図である。
【図23】制御回路挿入前のサンプル回路を示す回路図である。
【図24】システムパワー設計情報のデータ構成を示す説明図である。
【図25】使用端子情報のデータ構成を示す説明図である。
【図26】インスタンス情報の抽出例を示す説明図である。
【図27】書き換え後のシステムパワー設計情報を示す説明図である。
【図28】電源供給先のリスト作成の手順を示すフローチャートである。
【図29】制御回路挿入後のサンプル回路を示す回路図である。
【図30】従来の制御回路の挿入例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態にかかる電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法では、試験対象回路内の電源供給先としてあらかじめ分類されているグループのうち、試験対象となる素子を含むグループを抽出することによって、マクロ試験時に正しい試験結果を得るために電源供給先を特定することができる。ここで特定した電源供給先にのみ電源を供給させることによって、マクロ試験時の電源供給を必要最低限に抑えることができる。
【0013】
(電源供給支援処理の概要)
まず、本実施の形態にかかる電源供給支援処理の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる電源供給支援処理の概要を示す説明図である。図1のように、本実施の形態では、電源供給支援装置100によって試験対象回路110に関する情報を取得して、試験対象回路110内の素子のうちマクロ試験時に電源を供給する素子を抽出する(ステップS101)。
【0014】
たとえば、試験対象回路110の場合、グループ1〜グループ4の4つのグループが電源供給対象として分類されている。そして、各グループにはFFやRAMやバッファといった様々な機能をもつ素子が配置されている。ステップS101では、これらの素子のうち、マクロ試験の際に試験対象となる素子と、これら試験対象となる素子を活性化させる、すなわち、試験対象となる素子の前段に接続された素子とが抽出される。
【0015】
つぎに、ステップS101において抽出された各素子が属するグループを特定する(ステップS102)。電源供給支援装置100では、あらかじめ試験対象回路110に関する情報が用意されており、この情報を参照することによって、試験対象回路110内の各素子がいずれのグループに属しているかを特定することができる。図1のような試験対象回路110の場合、抽出された素子が属するグループとして、たとえばグループ1,2などが特定される。
【0016】
最後に、ステップS102によって特定されたグループをマクロ試験時の電源供給先に指定するための制御情報が作成される(ステップS103)。電源供給支援装置100では、電源供給先に指定するための制御情報として、電源供給情報111を作成する。具体的には、試験対象回路110がマクロ試験の実行指示を受け付けた際に、ステップS102によって特定されたグループ(上述の例ではグループ1,2)のみに電源を供給するように指示する情報である。データ構成としては、たとえば、電源供給ON/OFFを表す2値によって「グループ1:1(ON)、グループ2:1(ON)、グループ3:0(OFF)、グループ4:0(OFF)」のような表現のなされたデータ列が提供される。なお、ここで作成される電源供給情報111のデータは、試験対象回路100への電源供給を制御する制御回路130によって処理可能なものであれば、その構成は特に限定されない。
【0017】
そして、電源供給支援装置100によって作成された電源供給情報111は、試験対象回路110へ電源を供給する電源回路120に接続された制御回路130に入力される。制御回路130では、マクロ試験実行指示を受け付けると、電源供給情報111に基づいて、電源回路120の電源供給を制御し、グループ1,2にのみ電源を供給させる。
【0018】
このように、本実施の形態にかかる電源供給支援処理を用いることによって、半導体集積回路のパワードメインのうち、マクロ試験時の電源供給が必要なドメインを特定することができる。従来、半導体集積回路の回路試験時では、回路内すべてのグループへ電源を供給しなければならず、その消費電力の大きさが大きな課題となっていたが、マクロ試験時の電源供給先を本実施の形態によって特定されたドメインに絞ることによって消費電力を大幅に削減することができる。
【0019】
以下に、上述した電源供給支援処理を実現するための具体的な構成ならびに処理内容について説明する。
【0020】
(電源供給支援装置のハードウェア構成)
まず、本実施の形態にかかる電源供給支援装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施の形態にかかる電源供給支援装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、電源供給支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、通信I/F(Interface)206と、入力デバイス207と、出力デバイス208と、を備えている。また、各構成部はバス210によってそれぞれ接続されている。
【0021】
ここで、CPU201は、電源供給支援装置100の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムや、本実施の形態にかかる電源供給支援処理を実現するための電源供給支援プログラムなどの各種プログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータの更新/参照を制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。なお、図2のハードウェア構成では、記録媒体として、磁気ディスク205を用いているが、光ディスクや、フラッシュメモリなど他の記録媒体を利用してもよい。
【0022】
通信I/F206は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク(NET)209に接続され、このネットワーク209を介して他の情報処理装置やその他の外部装置に接続される。そして、通信I/F206は、ネットワーク209と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。通信I/F206の構成例としては、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0023】
入力デバイス207は、電源供給支援装置100に対しての外部からの入力を受け付ける。入力デバイス207としては、具体的には、キーボード、マウスなどが挙げられる。キーボードの場合、たとえば、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウスの場合、たとえば、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。また、ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0024】
出力デバイス208は、電源供給支援装置100に配置されたデータや、シミュレーションの実行結果などを出力する。出力デバイス208としては、具体的には、ディスプレイ、プリンタなどが挙げられる。ディスプレイの場合、たとえば、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイとしてさらに、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。また、プリンタの場合、たとえば、画像データや文書データを印刷する。さらに、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0025】
(電源供給支援装置の機能的構成)
つぎに、電源供給支援装置100の機能的構成について説明する。図3は、本実施の形態にかかる電源供給支援装置の機能的構成を示すブロック図である。図3のように、電源供給支援装置100は、取得部301と、抽出部302と、特定部303と、作成部304と、分別部305と、再設定部306と、検索部307と、を含む構成である。この制御部となる機能(取得部301〜検索部307)は、具体的には、たとえば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205などの記憶領域に記憶された電源供給検証支援プログラムをCPU201に実行させることにより、または、通信I/F206により、その機能を実現する。
【0026】
取得部301は、電源供給情報111を生成するための必要な情報300を取得する機能を有する。具体的には、取得部301は、試験対象回路110の回路情報(たとえば、ネットリスト)と、試験対象回路110内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、試験対象回路110内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報(たとえば、パワードメインを表すシステムパワー設計情報など)とを取得する。なお、取得された各情報は、RAM203、磁気ディスク205などの記憶領域に一旦記憶される。
【0027】
抽出部302は、取得部301によって取得された回路情報から端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する機能を有する。上述したように、端子情報は、試験対象回路110内のマクロ試験時に利用される入出力端子を示す。したがって、抽出部302によって抽出された素子は、マクロ試験時に電源が供給されている必要のある素子であることを意味している。なお、抽出された素子の情報は、RAM203、磁気ディスク205などの記憶領域に一旦記憶される。
【0028】
また、抽出部302によって抽出された素子であっても、グループごとの電源供給とは別に常時電源が供給されるような素子も存在する。このような素子のみが配置されているグループについては、電源供給先に指定する必要はないため、後述する検索部307を利用することによって、他のグループと分けて扱うことができる(詳しくは検索部307において説明する)。
【0029】
特定部303は、取得部301によって取得された分類情報に基づいて、抽出部302によって抽出された素子が属するグループを特定する機能を有する。上述したように、分類情報は、試験対象回路110内の各素子がいずれのグループに属しているかを表す。したがって、特定部303は、抽出部302によって抽出された素子について分類情報から一意的に属するグループを特定することができる。特定されたグループの情報は、RAM203、磁気ディスク205などの記憶領域に一旦記憶される。
【0030】
作成部304は、特定部303によって特定されたグループを試験対象回路110のマクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報111を作成する機能を有する。すなわち、作成部304では、マクロ試験時に特定部303によって特定されたグループに対する電源供給がON状態になるような電源供給情報111を作成する。なお、作成部304によって作成される電源供給情報111のデータ形式は一様ではなく、試験対象回路110への電源供給を制御する制御回路130によって処理可能なデータであればよい。また、作成された電源供給情報111は、RAM203、磁気ディスク205などの記憶領域に一旦記憶される。
【0031】
上述したように、本実施の形態にかかる電源供給支援装置100では、基本的な処理として、取得部301、抽出部302、特定部303および作成部304によってマクロ試験時に電源供給を必要とするすべてのグループに対して同時に電源を供給するための電源供給情報111を作成ことができる。
【0032】
さらに、電源供給支援装置100は、上述の機能部(取得部301〜作成部304)を用いて、マクロ試験時に試験対象となるマクロを構成する素子ごとにマクロ試験を分割して、それぞれのマクロ試験時の電源供給情報111を作成することもできる。すなわち、試験対象回路110内のグループ1,2にそれぞれマクロを構成する素子が含まれている場合、グループ1内の素子を対象としてマクロ試験をおこなう場合の電源供給情報111と、グループ2内の素子を対象としてマクロ試験をおこなう場合の電源供給情報111とをそれぞれ作成する。
【0033】
このとき、たとえばグループ1内の素子を対象としてマクロ試験をおこなう場合には、グループ1に電源供給をおこなうだけでなく、グループ1内の素子に入力する情報を生成する素子が属している他のグループにも電源供給がおこなわれていなければならない。そこで、作成部304では、抽出部302によって抽出されたマクロを構成する素子が属するグループごとに、このグループと、このグループ内の素子を活性化させる素子が属する他のグループとを電源供給対象に指定した電源供給情報111を作成する。
【0034】
このように、マクロを構成する素子が含まれるグループごとにマクロ試験時の電源供給情報111を切り替えることによって、マクロ試験時の電源供給先が分散され、マクロ試験時の消費電力をより低減させることができる。
【0035】
また、電源供給支援装置100では、分別部305と再設定部306とを用いることによって電源供給先となるグループを、必要最低限の素子のみを含んだグループに再設定することができる。具体的には、まず、分別部305によって、抽出部302によって抽出された素子を分類情報に基づいて、同一のグループに属する素子ごとに分別する。そして、再設定部306は、分別部305によって同一のグループに分別された素子同士をあらたなグループとして再設定する。
【0036】
作成部304は、再設定部306によって設定されたあらたなグループを、マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報111を作成する。すなわち、作成部304では、マクロ試験時に電源供給が必要な素子に絞った効率的なグループ単位の電源供給情報111を作成することができる。したがって、既存のグループ分けではマクロ試験時にすべてのグループが電源供給先に指定されてしまい、消費電力の低減が期待できないような場合であっても、上述のように、あらたにグループを再設定することによって、電源供給先となるグループの範囲を縮減し、マクロ試験時の消費電力の低減を可能にすることができる。
【0037】
なお、分別部305および再設定部306によってあらたなグループを再設定した場合も、既存のグループを用いた場合と同様に、試験対象となるマクロを構成する素子が含まれるグループごとに電源供給先を切り替えることができる。このような場合、作成部304は、再設定部306によって再設定されたあらたなグループのうち、マクロを構成する素子が属しているグループごとに、このグループと、このグループに属する素子を活性化させる素子が属している他のグループとを、マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報111を作成すればよい。したがって、作成部304によって作成された電源供給情報111ごとに電源供給をおこなうことによって、マクロ試験時の消費電力をより低減することができる。
【0038】
また、電源供給支援装置100には、検索部307が用意されており、常時電源が供給されるような特殊な素子のみが属しているグループをマクロ試験時に電源供給が必要なグループから除外することができる。具体的には、検索部307は、特定部303によって特定されたグループの中から常時電源が供給される素子のみが属するグループを検索する機能を有する。
【0039】
検索部307によって常時電源が供給される素子のみが属するグループが検索された場合、作成部304は、特定部303によって特定されたグループのうち検索部307によって検索されたグループ以外の他のグループを、マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報111を作成する。したがって、常時電源が供給される素子のみが属するグループへの電源供給の重複を防ぐことができる。
【0040】
以上説明したように、電源供給支援装置100では、マクロ試験時に電源供給が必要なグループのみを抽出して電源供給先を表す電源供給情報111を作成するため、マクロ試験時の電源供給先を必要最低限に抑制することができる。
【0041】
<実施例>
つぎに、上述した構成をもつ電源供給支援装置100による電源供給支援処理の実施例について実施例1〜4の4種類を挙げて説明する。ここで、図4は、本実施例における試験対象回路の構成を示す回路図である。以下の実施例1〜4では、図4に例示したように、試験対象回路400には、マクロを構成するマクロA〜Cの3つのセル(素子)が含まれている。また、試験対象回路400は、パワーゲーティング方式が採用され、パワードメインとして回路内がドメイン1〜4の4つの電源供給先に分類されているものとして、以下に本実施の形態にかかる電源供給支援処理の適応例について説明する。なお、マクロA〜Cにはそれぞれ、各マクロに対して独立した回路試験をおこなうためのテスト機構としてBIST(Built In Self Test)が備えられている。
【0042】
(実施例1)
実施例1では、試験対象回路400からマクロを構成するセルを活性化するドメインを電源供給先とした電源供給情報111を作成する。図5は、実施例1における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。図5のように、実施例1では、まず、回路情報として、試験対象回路400のネットリスト501と、端子情報として、試験時の使用端子情報502とを取得し、各マクロ試験において使用するセルのインスタンス情報503を抽出する(ステップS510)。マクロ試験において使用するセルとは具体的にはRAM、BSR(Boundary Scan Register)、クロック制御回路などが挙げられる。なお、便宜上、以下各実施例では、マクロ試験に使用するセルとしてRAMを抽出するものとする。
【0043】
つぎに、試験対象回路400の分類情報としてシステムパワー設計情報504を取得し、このシステムパワー設計情報504を参照してステップS510によって抽出されたセルが存在するドメインを特定する(ステップS520)。各セルのドメインが特定されると、特定されたドメインからマクロ試験時に電源を供給する電源供給情報111として、電源供給先のドメインのリスト505を作成する(ステップS530)。
【0044】
ここで、図6は、実施例1における電源供給例(AOBなし)を示す回路図であり、図7は、実施例1における電源供給例(AOBあり)を示す回路図である。通常、ステップS520の処理によって試験対象回路400の中のドメインのうち、図6のように、ドメイン1,2,4が電源供給先として特定される。そして、ドメイン3(網掛け部分)は電源供給先から除外される。
【0045】
このとき、ドメイン2には、いずれのマクロも含まれていないが、マクロCを活性化させるバッファ601が配置される。そしてバッファ601は、常時電源が供給されるAOB(Always On Buffer)ではないため、マクロ試験時には、電源を供給しなければならない。したがって、ドメイン2は、電源供給先として特定される。一方、図7に示した試験対象回路400の場合、ドメイン2に配置されているバッファ602はAOBであるため、ドメイン2はマクロ試験時の電源供給先から除外される。
【0046】
そして、図8は、実施例1における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。テーブル800のシステムモードA、B,Cは、試験対象回路400を通常使用する際のドメインの電源供給先を表している。システムモードの情報は、試験対象回路400の動作設定として設計者や利用者によってあらかじめ設定されている。そして、テーブル800のテストモード1,2は、図6,7によって特定したマクロ試験時の電源供給先を表している。テストモード1は、図6のようにドメイン2にAOB以外のバッファが配置されている場合、テストモード2は、図7のようにドメイン2にAOBのバッファのみが配置されている場合のリストである。
【0047】
図5の説明に戻り、つぎに、ステップS530によって作成された電源供給先のドメインのリスト505を利用して、このリストのON/OFFを試験対象回路400への電源供給に反映するため、電源回路120を制御する制御回路130を構成する処理(ステップS540)に移行する。制御回路130では、図8に例示したテーブル800のON/OFFを反映する論理回路が構成される。なお、ON/OFFの真理値に基づいて論理回路を構成する処理については既存の技術であるため、詳細な説明は省略する。そして、電源供給支援装置100では、ステップS540によって構成された制御回路130を含む試験対象回路400のネットリスト506が作成され、一連の処理を終了する。
【0048】
ここで、図9は、実施例1における制御回路の挿入例を示す回路図である。実施例1では、電源供給支援処理をおこなうため、試験対象回路400に電源を供給する電源回路120にあらたに、制御回路130を挿入する。図30と比較すると明らかなように、本実施例(実施例1〜4)に用いられる試験対象回路400は、図30に例示した従来の電源回路31に制御回路130を追加した構成になっている。制御回路130は、たとえばJTAGなどの規格に準拠した信号を利用してTAPC131によって制御回路130内の各論理ゲートを制御する。なお実装例はTAPC131を利用して制御する構成に限定せずに、TAPC131の代わりに、専用のコントローラとしてあらたに制御回路130を準備してもよい。
【0049】
そして、各論理回路からの出力値[1/0]に応じて電源回路120内の電源供給端子PS[0]〜[3]のうち、所望する端子PSからの出力を試験対象回路400に入力させることができる。なお、図10は、テスト信号のモード例を示すデータテーブルである。制御回路130は、図10のテーブル1000の各モードの切り替えをおこなうことによって、TAPC131からは、対応したモードの信号が出力され、電源回路120が適切に制御される。
【0050】
具体的には、たとえば、図30にて説明したすべてのパワードメインを電源供給先とするModeAに加え、下記のような回路試験内容に応じたモード(ModeB〜D)を用意する。
【0051】
ModeB:ロジックテストモード
ModeC:SRAM/ROMテストモード
ModeD:PLLテストモード
【0052】
ModeBでは、試験対対象回路400内のロジック回路の試験を目的とする。したがって、制御回路130からModeB信号=[1]が出力された場合には、ModeAと同様に、すべてのパワードメイン(ドメイン1〜4)へ電源供給がON状態となる。
【0053】
そして、ModeCでは、試験対対象回路400内のマクロ回路の試験を目的とする。したがって、制御回路130からModeC信号=[1]が出力された場合には、ドメイン1,2,4への電源供給がON状態となり、各ドメインが活性化される。
【0054】
また、ModeDでは、試験対対象回路400内のPLL回路の試験を目的とする。したがって、制御回路130からModeD信号=[1]が出力された場合には、ドメイン1への電源供給がON状態となり、ドメイン1が活性化される。なお、試験対象回路400全体を実際に動作させる場合、すなわちシステム動作時には、各Mode信号による制御は不要であるため、各ポートからは[0]が出力される。
【0055】
このように、実施例1によれば、試験対象回路400のパワードメインのうち、マクロ試験時に活性化の必要のないドメインへの電源供給を抑えることによって、試験の正確性を保ちながら消費電力を低減することができる。
【0056】
(実施例2)
実施例2では、あらたなパワードメインを設定して電源供給先を必要最低限の範囲に限定した電源供給情報111を作成する。図11は、実施例2における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。図11のように、実施例2でも、まずは、実施例1と同様に試験対象回路400のネットリスト501と、試験時の使用端子情報502とを取得し、各マクロ試験において使用するセルのインスタンス情報503を抽出する(ステップS1110)。
【0057】
実施例2の場合、つぎに、試験対象回路400の分類情報としてシステムパワー設計情報504を取得すると、インスタンス情報503を用いて、マクロ試験対象となる素子のみ(ここではRAMを構成するセル)を含むドメインを再設定し(ステップS1120)、システムパワー再設計情報507を作成する。
【0058】
その後、システムパワー再設計情報507を参照して、ステップS1110によって抽出されたセルが存在するドメインを特定する(ステップS1130)。各セルのドメインが特定されると、特定したドメインからマクロ試験時に電源を供給する電源供給情報111として、電源供給先のドメインのリスト505を作成する(ステップS1140)。
【0059】
ステップS1150によってリストが作成されると、以下は、実施例1と同様に、電源供給先のドメインのリスト505のON/OFFを試験対象回路400への電源供給に反映するため、電源回路120を制御する制御回路130を構成する処理(ステップS1150)に移行する。すなわち、制御回路130を含む試験対象回路400のネットリスト506を作成することによって、一連の処理を終了する。
【0060】
ここで、図12は、実施例2における電源供給例を示す回路図である。実施例2の場合、ステップS1120の処理によってパワードメインの再設定がおこなわれる。したがって、図12のように、ドメイン1のセルが含まれていない領域1201の内部にマクロA,Bのみを電源供給対象としたドメイン1−1が再設定される。同様にドメイン4内には、マクロCのみを電源供給対象としたドメイン4−1が再設定される。このように、再設定されるドメインは、存在する子階層(たとえば、ドメイン1の子階層ドメイン1−Xというように)に対して行う。
【0061】
そして、図13は、実施例2における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。テーブル1300のように、ドメイン1−1とドメイン4−1が再設定されている。したがって、テストモード1(ここでは、ドメイン2のバッファ1202はAOB以外のセルとし、AOBの場合は省略する)では、ドメイン1−1,2,4−1のみが電源供給先となるリストを作成すればよい。
【0062】
図14は、実施例2における制御回路の挿入例を示す回路図である。図14のように、実施例2の場合も、電源回路120と制御回路130ならびに制御回路130を制御するモード設定は、実施例1と同様であるが、試験対象回路400には、あらたに再設定したドメイン1−1,4−1へ電源供給を反映させるための切り替えスイッチ401,402が追加された構成となっている。スイッチ401,402は、他のスイッチと同様に、システムパワー再設計情報507の情報を元に、レイアウト工程で組み込まれる。
【0063】
実施例2の場合も、回路試験の内容に応じて対応するMode信号から[1]が出力され電源供給先となるドメインが活性化される。なお実施例2の場合、あらたなドメインに再設定されているため、ModeC信号=[1]すなわちSRAM/ROMテストモードの場合は、ドメイン1−1,2,4−1が活性化され、ModeD信号=[1]すなわちPLLテストモードの場合は、ドメイン1,1−1が活性化される。
【0064】
このように、実施例2によれば、試験対象回路400のパワードメインを、電源供給範囲が必要最小限となるようなドメインに再設定する。したがって、試験対象回路400が実施例1の処理をおこなった場合に、電源供給先としてすべてのドメインが特定されてしまうような回路であっても、マクロ試験時の電源供給を抑え、消費電力を低減することができる。
【0065】
(実施例3)
実施例3では、実施例1の処理によって特定された同一のドメイン内のマクロのみを同時に試験をするように、ドメインごとに電源供給情報111を作成する。図15は、実施例3における電源供給支援処理の手順を示す説明図である。図15のように、実施例3でも実施例1と同様に、まず、試験対象回路400のネットリスト501と、試験時の使用端子情報502とを取得し、各マクロ試験において使用するセルのインスタンス情報503を抽出する(ステップS1510)。
【0066】
つぎに、システムパワー設計情報504を取得し、このシステムパワー設計情報504を参照してステップS1510によって抽出されたセルをドメインごとにグループ化する(ステップS1520)。そして、ステップS1520によってグループ化されたグループごとにマクロ試験時に電源を供給するドメインのリスト508を作成する(ステップS1530)。
【0067】
ここで、図16は、実施例3における電源供給例を示す回路図である。実施例3の場合、マクロA,Bを含むドメイン1と、マクロCを含むドメイン4とが特定されるため、ドメイン1内のマクロのみを同時に試験するためのリスト508と、ドメイン4内のマクロのみを同時に試験するためのリスト508とが作成される。図15に戻り、そして、グループ切り替えごとにリストのON/OFFを反映する制御回路を構成する処理に移行する(ステップS1540)。すなわち、制御回路を含む試験対象回路のネットリスト506を作成することにより、一連の処理を終了する。
【0068】
なお、ドメイン4−1内のマクロCを試験するには、ドメイン2内のバッファ601を活性化させる必要があるため、ドメイン2も電源供給先となる。そして、実際のマクロ試験時には試験対象回路400−1と400−2との切り替えがおこなわれ、いずれか一方のドメイン内のマクロを試験対象とする。
【0069】
そして、図17は、実施例3における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。図16にて説明したように、実施例3の場合は、マクロ試験対象となるマクロを含んだドメインごとにそれぞれ独立したテストをおこなうため、テストの切り替えがおこなわれる。したがって、実施例3では、図17のテーブル1700のように、ドメイン1内のマクロを対象としたマクロ試験をおこなうマクロテスト1と、ドメイン4内のマクロを対象としたマクロ試験をおこなうマクロテスト2との、それぞれの電源供給先を反映したリストを作成する。
【0070】
なお、ドメイン1内のマクロを試験対象としたマクロ試験をおこなう場合には、ドメイン1のみに電源を供給すればよいが、ドメイン4内のマクロを試験対象としたマクロ試験をおこなう場合には、マクロCを活性化させる素子を含んだドメイン2にも電源を供給しなければならない。したがって、テーブル1700に示したように、マクロテスト2の場合には、ドメイン2,4を「ON」とするリストを作成する。
【0071】
また、図18は、実施例3における制御回路の挿入例を示す回路図である。図18のように、実施例3の場合、制御回路130にマクロテスト1とマクロテスト2との切り替えをおこなうTGC(Test Group Controller)132が追加されている。TGC132から出力される切り替え信号TGS(Test Group Signal)として[0/1]が出力される。具体的にはマクロテスト1を実行する場合にはTGS[0]=[1(High状態)]を出力させ、マクロテスト2を実行する場合にはTGS[1]=[1(High状態)]を出力する。
【0072】
なお、実施例3では、TGS[0]とTGS[1]の関係は、ワンホット型のデコード論理のように1つのグループのみを選択させる例を用いて説明しているが、もちろん、同一ドメイン内の複数マクロ同士に対し、更にグループを分割させるものであってもよい。同一ドメイン内でグループ分割を行った場合は、パワーゲーティング方式での消費電力の削減はできない。しかしながら、たとえば、TGS信号を利用したクロックゲーティング方式によってクロックを遮断することにより、消費電力を削減できる事は容易に想像できる。また、実施例3では、TGC132によるテストの切り替えが追加されたため、図10のテーブル1000にて説明したTAPC131のModeCの制御が省かれた構成になっている。
【0073】
このように、実施例3では、実施例1の処理によってマクロ試験時に活性化する必要があると特定されたドメインについて、さらに、同一のドメイン内のマクロのみが同時に試験されるように、テスト対象を切り替える機能が追加されている。したがって、マクロ試験時には、選択されたテストのみが実行されるため、消費電力のさらなる低減を実現することができる。
【0074】
(実施例4)
実施例4は、実施例2によって再設定された各ドメインについて、同一のドメイン内のマクロのみを同時に試験をするように、ドメインごとに電源供給情報111を作成する。すなわち、実施例2と実施例3との双方の処理を適用している。図19は、実施例4にかかる電源供給支援処理の手順を示す説明図である。図19のように、実施例4でも、まずは、実施例2と同様に試験対象回路400のネットリスト501と、試験時の使用端子情報502とを取得し、各マクロ試験において使用するセルのインスタンス情報503を抽出する(ステップS1910)。
【0075】
つぎに、試験対象回路400の分類情報としてシステムパワー設計情報504を取得すると、インスタンス情報503を用いて、マクロ試験対象となる素子のみ(ここではRAMを構成するセル)を含むドメインを再設定し(ステップS1920)、システムパワー再設計情報507を作成する。
【0076】
その後、システムパワー再設計情報507を参照して、ステップS1910によって抽出されたセルをドメインごとにグループ化する(ステップS1930)。そして、ステップS1930によってグループ化されたグループごとに、マクロ試験時に電源を供給するドメインのリスト508を作成する(ステップS1940)。
【0077】
そして、ステップS1940によって作成されたグループごとの電源供給先ドメインのリスト508を利用して、グループ切り替えごとに、リストのON/OFFを試験対象回路400への電源供給に反映する。すなわち、リスト508によって、電源回路120を制御する制御回路130を構成する処理(ステップS1950)に移行し、制御回路130を含む試験対象回路400のネットリスト506を作成することによって、一連の処理を終了する。
【0078】
ここで、図20は、実施例4における電源供給例を示す回路図である。実施例4の場合、マクロA,Bを含むドメイン1―1と、マクロCを含むドメイン4―1とが特定される。したがって、ドメイン1―1内のマクロのみを同時に試験するためのリスト508と、ドメイン4―1内のマクロのみを同時に試験するためのリスト508とが作成される。実際のマクロ試験時には試験対象回路400−1と400−2とが切り替えられ、いずれか一方のドメイン内のマクロを試験対象とする。
【0079】
そして、図21は、実施例4における電源供給先ドメインのリスト作成例を示すデータテーブルである。図20に示したように、実施例4の場合は、テストの切り替えがおこなわれる。このとき、実施例4では、実施例2と同様にドメイン1のセルが含まれていない領域1201の内部にマクロA,Bのみを電源供給対象としたドメイン1−1が再設定されている。図21のテーブル2100のように、ドメイン1―1内のマクロを対象としたマクロ試験をおこなうマクロテスト1と、ドメイン4―1内のマクロを対象としたマクロ試験をおこなうマクロテスト2(ドメイン2のバッファ1202はAOB以外のセルとする)との、それぞれの電源供給先を反映したリストを作成する。
【0080】
また、図22は、実施例4における制御回路の挿入例を示す回路図である。図22のように、実施例4の場合も、実施例3と同様に、制御回路130にはマクロテスト1とマクロテスト2との切り替えをおこなうTGC132が追加されている。また、試験対象回路400にも、ドメイン1−1と、ドメイン4−1とを電源供給先とするための、スイッチ401,402とが追加されている。スイッチ401,402は、他のスイッチと同様に、システムパワー再設計情報507の情報を元に、レイアウト工程で組み込まれる。
【0081】
したがって、ModeC信号=[1]すなわちSRAM/ROMテストモードの場合、マクロテスト1であれば、ドメイン1−1が活性化され、マクロテスト2であれば、ドメイン4−1が活性化される。
【0082】
このように、実施例4では、実施例2の処理によって必要最低限の範囲のみに再設定されたドメインについて、さらに、同一のドメイン内のマクロのみが同時に試験されるように、テスト対象を切り替える機能が追加されている。したがって、マクロ試験として、限定されたドメインを試験対象とし、さらに、試験対象を同一のドメイン内のマクロに限定した複数のテストモードが用意される。そして、マクロ試験時には、テストモードのうちの選択されたテストのみが実行されるため、実施例1〜4の中では、マクロ試験時に電源が供給されるドメインの範囲が最小となり、最も少ない消費電力で試験をおこなうことができる。
【0083】
つぎに、上述した実施例1〜4の処理の際に利用した各情報の詳細な構成と、これらの情報を用いた電源供給支援処理を用いて試験対象回路に制御回路を挿入するまでの処理について説明する。なお、図23は、制御回路挿入前のサンプル回路を示す回路図である。以下の説明では、サンプル回路2300の構成を用いて説明をおこなう。
【0084】
まず、サンプル回路2300からインスタンス情報を取得するための処理について説明する。図24は、システムパワー設計情報のデータ構成を示す説明図であり、図25は、使用端子情報のデータ構成を示す説明図である。図24のデータ列2400のように、システムパワー設計情報は、パワードメインの分類を表すPD1〜4について対応する領域の情報が示されている。また、図25のデータ列2500のように、端子情報として、各端子PIN1〜8について、ロジック試験によって使用する場合の入出力情報Lと、マクロ試験によって使用する場合の入出力情報Mとが設定されている。
【0085】
そして、図26は、インスタンス情報の抽出例を示す説明図である。インスタンス情報を抽出するためには、まず、図25にて説明した各端子の接続情報に基づいて、サンプル回路2300のネットリストをバックトレースする。このバックトレース順に素子を表示させたデータ列2610を取得し、さらに、取得したデータ列2610の中から、マクロ試験の対象となるRAMについて固有化したデータ列2620を抽出することによってRAM試験時のインスタンス情報を得ることができる。
【0086】
また、図27は、書き換え後のシステムパワー設計情報を示す説明図である。実施例2,4では、あらかじめ分類されていたドメインを再設定する。したがって、図24のデータ列2400によって表されたシステムパワー設計情報は、データ列2700の網掛け箇所か追加され、以後、各セルのドメインを特定する際には、書き換え後のシステムパワー設計情報が参照される。
【0087】
つぎに、電源供給先のリスト作成の手順について説明する。図28は、電源供給先のリスト作成の手順を示すフローチャートである。図28のフローチャートにおいて、まず、システムパワー設計情報から初期パワードメインのインスタンスを取得する(ステップS2801)。このとき、実施例2,4の場合は、図27のように書き換えられたシステムパワー情報からインスタンスが取得される。
【0088】
つぎに、ステップS2801において取得されたインスタンスがRAM試験時のインスタンス情報内にあるか否かを判断する(ステップS2802)。ここで、取得されたインスタンスがインスタンス情報内にあると判断された場合(ステップS2802:Yes)、取得したインスタンスを電源供給先ドメインに設定する(ステップS2803)。
【0089】
一方、ステップS2802において、取得されたインスタンスがインスタンス情報内にないと判断された場合(ステップS2802:No)、つぎのパワードメインのインスタンスを取得して(ステップS2804)、ステップS2802の処理に移行する。
【0090】
ステップS2803において、電源供給先のドメインが設定されると、つぎに、すべてのパワードメインを調査したか否かを判断する(ステップS2805)。そして、すべてのパワードメインの調査が終了するまで(ステップS2805:No)、ステップS2804の処理に移行し、つぎのパワードメインの調査をおこなう。そして、ステップS2805おいて、すべてのパワードメインの調査が終了したと判断されると(ステップS2805:Yes)、一連の処理を終了する。
【0091】
そして、図29は、制御回路挿入後のサンプル回路を示す回路図である。図28の手順によって、下記のようなリストが作成される。
【0092】
パワードメイン RAM試験時の電源供給
PD1 ON
PD2 ON
PD3 OFF
PD4 ON
【0093】
したがって、サンプル回路2300に、上記のリストが示す電源供給を反映させる制御回路としてUSER PMUの出力を制御するPMU(Power Management Unit)が追加されたサンプル回路2900が作成される。なお、PMUの出力PS[0]等は、既存のパワーゲーティング方式と同様に、レイアウト工程で電源供給の制御スイッチと接続される。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態にかかる電源供給支援プログラム、電源供給支援装置および電源供給支援方法によれば、マクロ試験時に電源供給が必要なグループを抽出して電源供給先を表す電源供給情報を作成する。マクロ試験時にはこの電源供給情報に基づいて電源供給を制御することによって、従来の課題であったマクロ試験時の消費電力を必要最低限に抑制することができる。
【0095】
また、電源供給先として特定されたドメインごとに電源供給先のリストを作成することによって、マクロ試験を対象となるドメインごとに分けておこなうこともできる。このように、マクロ試験を複数回に分けておこなうことによって、マクロ試験の消費電力を分散することができる。
【0096】
さらに、あらかじめ設定されているドメインを、試験対象となるマクロが配置された範囲に絞ったドメインに再設定することによって、電源供給先を必要最低限に抑えることもできる。したがって、試験対象回路のドメインの設定内容にかかわらずに、マクロ試験時の消費電力を確実に低減させることができる。
【0097】
なお、本実施の形態で説明した電源供給支援方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本電源供給支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本電源供給支援プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0098】
また、本実施の形態で説明した電源供給支援装置100は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けIC(以下、単に「ASIC」と称す。)やFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。具体的には、たとえば、上述した電源供給支援装置100の機能(取得部301〜検索部307)をHDL記述によって機能定義し、そのHDL記述を論理合成してASICやPLDに与えることにより、電源供給支援装置100を製造することができる。
【0099】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0100】
(付記1)コンピュータを、
試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出手段、
前記取得手段によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出手段によって抽出された素子が属するグループを特定する特定手段、
前記特定手段によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成手段、
として機能させることを特徴とする電源供給支援プログラム。
【0101】
(付記2)前記抽出手段は、前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子のうち、マクロを構成する素子を抽出し、
前記作成手段は、前記抽出手段によって抽出されたマクロを構成する素子が属するグループごとに、当該グループと、当該グループ内の素子を活性化させる素子が属する他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記1に記載の電源供給支援プログラム。
【0102】
(付記3)前記コンピュータを、さらに、
前記特定手段によって特定されたグループの中から常時電源が供給される素子のみが属するグループを検索する検索手段として機能させ、
前記作成手段は、前記特定手段によって特定されたグループのうち前記検索手段によって検索されたグループ以外の他のグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記1または2に記載の電源供給支援プログラム。
【0103】
(付記4)前記コンピュータを、さらに、
前記抽出手段によって抽出された素子を前記分類情報に基づいて、同一のグループに属する素子ごとに分別する分別手段、
前記分別手段によって同一のグループに分別された素子をあらたなグループとして再設定する再設定手段、として機能させ、
前記作成手段は、前記再設定手段によって設定されたあらたなグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記1に記載の電源供給支援プログラム。
【0104】
(付記5)前記作成手段は、前記再設定手段によって再設定されたあらたなグループのうち、マクロを構成する素子が属しているグループごとに、当該グループと、当該グループに属する素子を活性化させる素子が属している他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記4に記載の電源供給支援プログラム。
【0105】
(付記6)前記検索手段は、前記再設定手段によって設定されたあらたなグループの中から常時電源が供給される素子のみが属するグループを検索し、
前記作成手段は、前記再設定手段によって再設定されたグループのうち前記検索手段によって検索されたグループ以外の他のグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記4または5に記載の電源供給支援プログラム。
【0106】
(付記7)試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出手段と、
前記取得手段によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出手段によって抽出された素子が属するグループを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする電源供給支援装置。
【0107】
(付記8)前記抽出手段は、前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子のうち、マクロを構成する素子を抽出し、
前記作成手段は、前記抽出手段によって抽出されたマクロを構成する素子が属するグループごとに、当該グループと、当該グループ内の素子を活性化させる素子が属する他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記7に記載の電源供給支援装置。
【0108】
(付記9)前記抽出手段によって抽出された素子を前記分類情報に基づいて、同一のグループに属する素子ごとに分別する分別手段と、
前記分別手段によって同一のグループに分別された素子をあらたなグループとして再設定する再設定手段とを、さらに備え、
前記作成手段は、前記再設定手段によって設定されたあらたなグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記7に記載の電源供給支援装置。
【0109】
(付記10)前記作成手段は、前記再設定手段によって再設定されたあらたなグループのうち、マクロを構成する素子が属しているグループごとに、当該グループと、当該グループに属する素子を活性化させる素子が属している他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記9に記載の電源供給支援装置。
【0110】
(付記11)コンピュータが、
試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出工程と、
前記取得工程によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出工程によって抽出された素子が属するグループを特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成工程と、
を実行することを特徴とする電源供給支援方法。
【0111】
(付記12)前記抽出工程では、前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子のうち、マクロを構成する素子を抽出し、
前記作成工程では、前記抽出工程によって抽出されたマクロを構成する素子が属するグループごとに、当該グループと、当該グループ内の素子を活性化させる素子が属する他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記11に記載の電源供給支援方法。
【0112】
(付記13)前記コンピュータが、
前記抽出工程によって抽出された素子を前記分類情報に基づいて、同一のグループに属する素子ごとに分別する分別工程と、
前記分別工程によって同一のグループに分別された素子をあらたなグループとして再設定する再設定工程とを、さらに実行し、
前記作成工程では、前記再設定工程によって設定されたあらたなグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記11に記載の電源供給支援方法。
【0113】
(付記14)前記作成工程では、前記再設定工程によって再設定されたあらたなグループのうち、マクロを構成する素子が属しているグループごとに、当該グループと、当該グループに属する素子を活性化させる素子が属している他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする付記13に記載の電源供給支援方法。
【符号の説明】
【0114】
100 電源供給支援装置
110 試験対象回路
120 電源回路
130 制御回路
131 TAPC(Test Access Port Controller)
132 TGC(Test Group Controller)
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 磁気ディスクドライブ
205 磁気ディスク
206 通信I/F
207 入力ドライブ
208 出力ドライブ
209 ネットワーク(NET)
210 バス
301 取得部
302 抽出部
303 特定部
304 作成部
305 分別部
306 再設定部
307 検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出手段、
前記取得手段によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出手段によって抽出された素子が属するグループを特定する特定手段、
前記特定手段によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成手段、
として機能させることを特徴とする電源供給支援プログラム。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子のうち、マクロを構成する素子を抽出し、
前記作成手段は、前記抽出手段によって抽出されたマクロを構成する素子が属するグループごとに、当該グループと、当該グループ内の素子を活性化させる素子が属する他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の電源供給支援プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、さらに、
前記特定手段によって特定されたグループの中から常時電源が供給される素子のみが属するグループを検索する検索手段として機能させ、
前記作成手段は、前記特定手段によって特定されたグループのうち前記検索手段によって検索されたグループ以外の他のグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の電源供給支援プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、さらに、
前記抽出手段によって抽出された素子を前記分類情報に基づいて、同一のグループに属する素子ごとに分別する分別手段、
前記分別手段によって同一のグループに分別された素子をあらたなグループとして再設定する再設定手段、として機能させ、
前記作成手段は、前記再設定手段によって設定されたあらたなグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の電源供給支援プログラム。
【請求項5】
前記作成手段は、前記再設定手段によって再設定されたあらたなグループのうち、マクロを構成する素子が属しているグループごとに、当該グループと、当該グループに属する素子を活性化させる素子が属している他のグループとを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成することを特徴とする請求項4に記載の電源供給支援プログラム。
【請求項6】
試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出手段と、
前記取得手段によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出手段によって抽出された素子が属するグループを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする電源供給支援装置。
【請求項7】
コンピュータが、
試験対象回路の回路情報と、当該試験対象回路内の端子のうちマクロ試験時に利用される入出力端子を示す端子情報と、当該試験対象回路内の素子のうち同時に電源を供給する素子を表すグループの分類情報と、を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された回路情報から前記端子情報が示す入出力端子間に配置されている素子を抽出する抽出工程と、
前記取得工程によって取得された分類情報に基づいて、前記抽出工程によって抽出された素子が属するグループを特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定されたグループを、前記マクロ試験時の電源供給対象に指定した電源供給情報を作成する作成工程と、
を実行することを特徴とする電源供給支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−204004(P2010−204004A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51875(P2009−51875)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】