説明

電源管理サーバ、及び電源管理処理プログラム

【課題】緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させる。
【解決手段】電源管理サーバ10が、あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11を備え、緊急レベルの指定を受け付け、電源管理マスタを参照して、受け付けた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定し、特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワーク30を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバ、及び電源管理処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各所に設置された電気機器の電源を制御するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、スケジュール管理テーブルを設け、スケジュールにあわせた管理を行うことにより、待機電力を低減しつつ利便性を高めた電気機器の電力管理を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−20989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のシステムでは、あらかじめ定められたスケジュールに従って電源を制御するものであるため、早急に消費電力を低減させなければならない場合などの緊急事態に適切に対応することはできないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解消し、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電源管理サーバは、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバであって、あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、緊急レベルの指定を受け付ける緊急レベル受付手段と、前記電源管理マスタを参照して、前記緊急レベル受付手段によって受け付けられた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定する電気機器特定手段と、該電気機器特定手段によって特定された電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
上記の構成としたことで、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させることができるようになる。
【0008】
前記電力供給停止命令送信手段は、電気機器を管理する電気機器管理端末に対して電力供給停止命令を送信し、
前記電気機器管理端末は、電力供給停止命令に従って、通信ネットワークを介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示する構成とされていてもよい。
【0009】
電力供給停止信号を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を受けた前記電気機器管理端末から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を受信する電力供給停止完了報告受信手段と、電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知する電力供給停止完了報知手段とを含む構成とされていてもよい。
【0010】
電源管理マスタでは、例えば、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末を特定可能な端末特定情報に対応付けされている。
【0011】
前記電源管理マスタでは、例えば、複数段階のうち緊急性が最も低い緊急レベルに、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうち緊急性がより高い緊急レベルに当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされる。
【0012】
前記緊急レベル受付手段は、電力会社が管理するサーバ装置からの通知により、緊急レベルの指定を受け付ける構成とされていてもよい。
【0013】
また、本発明の電源管理処理プログラムは、供給電力により稼働する電気機器の電源を電源管理サーバに管理させるための電源管理処理プログラムであって、前記電源管理サーバに、緊急レベルの指定を受け付ける緊急レベル受付処理と、あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段に記憶された当該電源管理マスタを参照して、前記緊急レベル受付処理にて受け付けた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定する電気機器特定処理と、該電気機器特定処理にて特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態における電源管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】電源管理マスタの例を示す説明図である。
【図3】電源供給停止処理の例を示すフローチャートである。
【図4】電力供給停止指示命令設定画面の例を示す説明図である。
【図5】電力供給停止完了状況表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電源管理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、電源管理システム100は、電源管理サーバ10と、店舗端末21と、店舗端末21に接続された電気機器21a〜21gとを含む。図1では、店舗A内に設置された店舗端末21及び店舗端末21に接続された電気機器21a〜21gのみが開示されているが、他の1又は2以上の店舗にそれぞれ設置された店舗端末とその店舗端末に接続された電気機器を含む構成としてもよい。また、図1では電気機器21a〜21gを例示しているが、電力供給を受けて稼働する機器であれば、どのようなものであってもよい。
【0018】
電源管理サーバ10、および店舗端末21は、それぞれ、例えばLANやインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。また、電気機器21a〜21gは、例えばLANや無線LANなどの通信ネットワーク40により店舗端末21と接続されている。
【0019】
電源管理サーバ10は、本システム100のシステム管理者によって管理され、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。また、店舗端末21は、店舗Aによって管理され、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。
【0020】
電源管理サーバ10は、緊急時に、各店舗に設置されている電気機器への電力供給を停止させるための各種の処理などを実行する。また、電源管理サーバ10は、後述する電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11を備えている。電源管理マスタDB11は、電源管理サーバ10の内部にあっても外部にあってもよい。
【0021】
図2は、電源管理マスタの例を示す説明図である。図2に示すように、電源管理マスタには、各店舗に設置されている制御可能な電気機器のID(電気機器ID)と、その電気機器の名称とが対応付けされた電気機器情報が登録されている。また、図2に示すように、電源管理マスタには、各店舗毎にその店舗に設置されている電気機器の電気機器情報が設定されるとともに、緊急レベル毎(本例ではレベル1〜3の3段階)に電力供給停止対象の電気機器の電気機器情報が設定される。
【0022】
電力供給を停止しても店舗の営業に支障がない電気機器ほど、より低い緊急レベルに対応付けされる。本例では、3段階の緊急レベルが設定されており、電力供給を停止しても店舗の営業に支障がない電気機器は、最低レベルのレベル1に対応付けされている。また、電力供給を停止した場合に店舗の営業に支障が出るが営業を継続することが可能な程度の支障である電気機器は、中間レベルのレベル2に対応付けされている。そして、電力供給を停止した場合に店舗の営業を継続することが不可能な程度の支障が出る電気機器は、最高レベルのレベル3に対応付けされている。各電気機器をどのレベルに対応付けするかについては、あらかじめシステム管理者等によって決定され、この決定に従って電源管理マスタが設定される。
【0023】
なお、本例では、緊急レベルを3段階としているが、2段階としても、4段階以上としてもよい。また、図2において、各電気機器が対応付けされているレベルは一例であり、他のレベルに対応付けされていてもよい。
【0024】
ここで、「緊急レベル」は、対象エリア(例えば該当店舗が位置するエリアに電力供給を行っている電力会社が管轄するエリア:具体的には、例えば北海道)全体の供給電力に対する使用電力の割合が高まっていることなどによって、電力使用量を低減させる必要が生じたときの対応の緊急性を示すレベルを意味する。よって、例えば、対象エリア全体の供給電力に対する使用電力の割合が極めて高い(例えば98%)場合には、電力使用量を早急に大幅に低減させる必要が生じているため、緊急レベルは最高レベルとなる。例えば、対象エリア全体の供給電力に対する使用電力の割合が所定の閾値より高い(例えば90%)場合には、電力使用量を念のため低減させる必要が生じているため、緊急レベルは最低レベルとなる。本例においては、例えば、対象エリア全体の供給電力に対する使用電力の割合が90%になるとレベル1と判断され、95%になるとレベル2と判断され、98%になるとレベル3と判断されるものとする。この判断は、電源管理サーバ10を管理する管理者によって判断されるようにしてもよいし、電力会社が管理するサーバ装置からの通知(対象エリア全体の供給電力に対する使用電力の割合の通知)を受けた電源管理サーバ10によって自動的に判断されるようにしてもよい。
【0025】
次に、本例の電源管理システム100の動作について説明する。
【0026】
図3は、本例の電源管理システム100における電源管理処理の例を示すフローチャートである。ここでは、電源管理サーバ10を管理する管理者Xの操作に応じて、電源管理サーバ10が、店舗端末21に対して強制的に電力供給を提示する指示を電気機器に対して行うよう命令(すなわち、ここでは、電源管理マスタに店舗Aに関する情報のみが登録されているものとする。)し、店舗端末21の指示により電気機器への電力供給を緊急停止する場合を例に説明する。なお、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。
【0027】
電源管理処理において、先ず、電源管理サーバ10は、管理者Xの操作に応じて電力供給停止指示命令設定画面を自己が備える表示装置に表示し、この電力供給停止指示命令設定画面において緊急レベルを受け付ける(ステップS101)。
【0028】
図4は、電力供給停止指示命令設定画面の例を示す説明図である。図4に示すように、電力供給停止指示命令設定画面には、緊急レベルを入力する緊急レベル入力領域101と、電源管理マスタを確認する際に押下される電源管理マスタ確認ボタン102と、緊急レベル入力領域101に入力した緊急レベルにて電気機器への電力供給を停止させるための処理を実行する際に押下される電力供給停止実行ボタン103とが設けられている。緊急レベル入力領域101は、例えばプルダウンメニューなどによって、設定されている緊急レベルの何れかを選択できるように構成される。
【0029】
電力供給停止指示命令設定画面において、管理者Xは、例えば対象エリア全体の供給電力に対する使用電力の割合を確認し(例えば電力会社が提供しているリアルタイム情報によって確認する)、その割合に応じた緊急レベルを決定し、決定した緊急レベルを緊急レベル入力領域101に入力する。緊急レベルを入力すると、管理者Xは、電力供給停止実行ボタン103を押下する。なお、電源管理マスタの内容を確認したい場合には、管理者Xは、電源管理マスタ確認ボタン102を押下する。電源管理マスタ確認ボタン102が押下されると、電源管理サーバ10は、自己が備える表示装置に電源管理マスタの内容を表示する電源管理マスタ表示画面を表示する。
【0030】
緊急レベル入力領域101に緊急レベルが入力され、電力供給停止実行ボタン103が押下されると、電源管理サーバ10は、電源管理マスタDB11に格納されている電源管理マスタを参照し、入力された緊急レベル以下の全ての緊急レベル(例えば、レベル2が入力された場合には、レベル1及びレベル2)に対応付けされている電気機器を電力供給の停止対象とする電気機器として特定する(ステップS102)。
【0031】
電力供給の停止対象とする電気機器を特定すると、電源管理サーバ10は、電力供給の停止対象とする電気機器に接続されている店舗端末21に対して、電力供給の停止対象とする電気機器の電気機器IDを提示して、提示した電気機器IDが示す電気機器に対する電力供給を強制的に停止する指示を行うよう命令するための強制電力供給停止指示命令を送信する(ステップS103)。
【0032】
強制電力供給停止指示命令を受信すると、店舗端末21は、提示された電気機器IDがそれぞれ示す各電気機器に対して、電力供給の停止(電源スイッチオフ)を指示するための電力供給停止信号を送信する(ステップS104)。
【0033】
各電気機器は、電力供給停止信号を受信すると、電力供給の停止処理を実行することにより電力供給の停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を店舗端末21に送信したあと、電力供給の停止処理(電源スイッチをオフ状態にする処理)を実行する。
【0034】
店舗端末21は、各電気機器の全てから電力供給停止完了通知を受信すると(ステップS105)、該当する全ての電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を電源管理サーバ10に対して送信する(ステップS106)。なお、一定期間待機しても、一部の電気機器から電力供給停止完了通知が送信されてこない場合には、店舗端末21は、電力供給を停止させることが完了した電気機器をそれぞれ示す電気機器IDを含む電力供給停止完了報告を送信するようにすればよい。
【0035】
電力供給停止完了報告を受信すると、電源管理サーバ10は、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知するための電力供給停止完了状況表示画面を作成し、作成した電力供給停止完了状況表示画面を自己が備える表示装置に表示する。電力供給停止完了状況表示画面に表示される電力供給停止完了状況は、例えば複数の店舗端末から電力供給停止完了報告を受ける場合には、電力供給停止完了報告を受ける毎に更新される。
【0036】
図5は、電力供給停止完了状況表示画面の例を示す説明図である。図5に示すように、電力供給停止完了状況表示画面には、電力供給停止完了状況を表示する表示領域201と、電力供給停止により低減された電力総量を表示する表示領域201と、電力供給停止完了状況表示画面を閉じる際に押下される終了ボタン203とが設けられている。
【0037】
管理者Xは、電力供給停止完了状況表示画面の表示領域201を閲覧することによって電力供給停止完了状況を把握し、表示領域201を閲覧することによって低減された電力総量を把握する。
【0038】
上記のようにして、電源管理サーバ10を管理する管理者Xの操作に応じて、電源管理サーバ10が、店舗端末21に対して強制的に電力供給を提示する指示を電気機器に対して行うよう命令し、店舗端末21の指示により電気機器への電力供給を緊急停止する処理が実行される。
【0039】
上記の例では、主として、電源管理サーバ10が一つの店舗端末21に対して強制的に電力供給を提示する指示を電気機器に対して行うよう命令する場合について説明したが、電源管理サーバ10が複数の店舗端末に対して強制的に電力供給を提示する指示を電気機器に対して行うよう命令するようにしてもよい。図2に示したような電源管理マスタが登録されている場合には、店舗A,店舗B、及び店舗Cがそれぞれ管理する各店舗端末に対して、それぞれ強制的に電力供給を提示する指示を電気機器に対して行うよう命令する処理が実行される。
【0040】
上記の例では、電源管理サーバ10から店舗端末21を介して各電器機器に電力供給を緊急停止するための指示を行う構成としていたが、電源管理サーバ10から各電器機器に直接電力供給を緊急停止するための指示を行う構成としてもよい。
【0041】
上記の例では、小売店の店舗に設置された電器機器への電力供給を強制的に停止する処理について説明したが、電器機器の設置場所は小売店の店舗でなく他の施設であってもよい。
【0042】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバ10が、あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11を備え、緊急レベルの指定を受け付け、電源管理マスタを参照して、受け付けた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定し、特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワーク30を介して送信する構成としたので、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させることができるようになる。
【0043】
すなわち、あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを参照して、受け付けた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定し、特定した電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワーク30を介して送信する構成としてので、電源管理マスタに従って緊急レベルに合致した適切な電気機器を迅速に特定することができ、その電気機器の電力供給を緊急停止させることが可能となる。よって、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させることができるようになるのである。
【0044】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電気機器を管理する電気機器管理端末(例えば店舗端末21)に対して電力供給停止命令(強制電力供給停止指示命令:ステップS103参照)を送信し、電気機器管理端末が、電力供給停止命令に従って、通信ネットワーク40を介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示(ステップS104参照)する構成としたので、電気機器管理端末単位で電力供給停止命令を送信することが可能となり、電源管理サーバ10の処理負荷を軽減することができるようになる。
【0045】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電力供給停止信号(ステップS104参照)を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知(ステップS105参照)を受けた電気機器管理端末(例えば店舗端末21)から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告(ステップS106参照)を受信し、電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知(ステップS107参照)する構成とされているので、該当する電気機器の電力供給が停止したことを認識させることが可能となる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、電源管理マスタでは、電気機器情報が、その電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末(例えば店舗端末21)を特定可能な端末特定情報(例えば店舗名や店舗ID)に対応付けされた構成としたので、電力供給を停止する対象となった電気機器を管理する端末を容易に特定することが可能となり、迅速に処理を行うことができるようになる。
【0047】
また、上述した実施の形態では、電源管理マスタでは、複数段階のうち緊急性が最も低い緊急レベルに、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうち緊急性がより高い緊急レベルに当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされる構成としたので、緊急度に応じて適切に電力供給を停止する電気機器を選択することが可能となる。よって、大停電などを引き起こす事態を極力防止することが可能になるとともに、重要度のより高い電気機器を極力稼働状態にしておくことが可能となる。
【0048】
また、上述した実施の形態において、電源管理サーバ10が、電力会社が管理するサーバ装置からの通知により、緊急レベルの指定を受け付ける構成とした場合には、電力会社側からの通知に応じて電力供給を停止させる電気機器を選定し、選定した電気機器への電力供給を停止させる処理を自動的に行うことができるようになる。
【0049】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、電源管理サーバ10は、自己が備える記憶媒体に格納されている処理プログラム(電源管理処理プログラム)に従って、上述した各種の処理(例えば図3参照)を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、緊急事態が発生した場合に消費電力を迅速かつ適切に低減させるのに有用である。
【符号の説明】
【0051】
10 電源管理サーバ
11 電源管理マスタDB
21 店舗端末
30 通信ネットワーク
40 通信ネットワーク
100 電源管理システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバであって、
あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、
緊急レベルの指定を受け付ける緊急レベル受付手段と、
前記電源管理マスタを参照して、前記緊急レベル受付手段によって受け付けられた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定する電気機器特定手段と、
該電気機器特定手段によって特定された電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信手段とを含む
ことを特徴とする電源管理サーバ。
【請求項2】
前記電力供給停止命令送信手段は、電気機器を管理する電気機器管理端末に対して電力供給停止命令を送信し、
前記電気機器管理端末は、電力供給停止命令に従って、通信ネットワークを介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示する
請求項1記載の電源管理サーバ。
【請求項3】
電力供給停止信号を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を受けた前記電気機器管理端末から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を受信する電力供給停止完了報告受信手段と、
電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知する電力供給停止完了報知手段とを含む
請求項2記載の電源管理サーバ。
【請求項4】
電源管理マスタでは、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末を特定可能な端末特定情報に対応付けされている
請求項2または請求項3記載の電源管理サーバ。
【請求項5】
前記電源管理マスタでは、複数段階のうち緊急性が最も低い緊急レベルに、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうち緊急性がより高い緊急レベルに当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされる
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項6】
前記緊急レベル受付手段は、電力会社が管理するサーバ装置からの通知により、緊急レベルの指定を受け付ける
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項7】
供給電力により稼働する電気機器の電源を電源管理サーバに管理させるための電源管理処理プログラムであって、
前記電源管理サーバに、
緊急レベルの指定を受け付ける緊急レベル受付処理と、
あらかじめ定められた複数段階の緊急レベルと、各段階の緊急レベルにそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段に記憶された当該電源管理マスタを参照して、前記緊急レベル受付処理にて受け付けた緊急レベルが示す緊急度以下の緊急レベルに対応付けされた電気機器を特定する電気機器特定処理と、
該電気機器特定処理にて特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信処理とを
実行させるための電源管理処理プログラム。
【請求項8】
前記電力供給停止命令送信処理では、電気機器を管理する電気機器管理端末に対して電力供給停止命令を送信する処理を実行させ、
前記電力供給停止命令に従って、前記電気機器管理端末に、通信ネットワークを介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示させる
請求項7記載の電源管理処理プログラム。
【請求項9】
前記電源管理サーバに、さらに、
電力供給停止信号を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を受けた前記電気機器管理端末から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を受信する電力供給停止完了報告受信処理と、
電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知する電力供給停止完了報知処理とを
実行させるための請求項8記載の電源管理処理プログラム。
【請求項10】
電源管理マスタでは、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末を特定可能な端末特定情報に対応付けされている
請求項8または請求項9記載の電源管理処理プログラム。
【請求項11】
前記電源管理マスタでは、複数段階のうち緊急性が最も低い緊急レベルに、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうち緊急性がより高い緊急レベルに当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされる
請求項7から請求項10のうちいずれかに記載の電源管理処理プログラム。
【請求項12】
前記緊急レベル受付処理では、電力会社が管理するサーバ装置からの通知により、緊急レベルの指定を受け付ける処理を
実行させる請求項7から請求項11のうちいずれかに記載の電源管理処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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