電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置
【課題】限られたスペース内に複数の電池ブロックを効率よく配置可能とする。
【解決手段】複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート7とを有する電池ブロック10を備え、該電池ブロック10を複数配置してなる電源装置であって、さらに、前記電池ブロック10が平面状に並んで配置されるベースパネル41と、前記電池ブロック10の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック10が配置可能に構成されるフロアパネル40とを備え、前記電池ブロック10のエンドプレート7が、エンドプレート7の上面側に配置される前記フロアパネル40を固定するための上面固定部52と、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54とを有する。
【解決手段】複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート7とを有する電池ブロック10を備え、該電池ブロック10を複数配置してなる電源装置であって、さらに、前記電池ブロック10が平面状に並んで配置されるベースパネル41と、前記電池ブロック10の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック10が配置可能に構成されるフロアパネル40とを備え、前記電池ブロック10のエンドプレート7が、エンドプレート7の上面側に配置される前記フロアパネル40を固定するための上面固定部52と、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の角形電池セルを積層した電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置に関し、特にハイブリッド車、燃料電池自動車、電気自動車、電動オートバイ等の電動車両に搭載されて車両を走行させるモータの電源装置、あるいは家庭用、工場用の蓄電用途等に使用される大電流用の電源に電力を供給する電源装置を配置するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを備える電源装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車など車両用の電源装置などに利用されている。このような電源装置は、複数の電池セルを積層した電池ブロックで構成される。特に近年の高出力化の要求に伴い、電池ブロックを複数、組み合わせて配置する構成が採用されている(特許文献1参照)。例えば、図17に示す例では、4つの電池ブロック710を水平面内に配置し、電源ケース712に収納して電源装置700を構成している。
【0003】
しかしながら、この構成では使用する電池ブロックの数が多くなると、電源ケースの専有面積もこれに比例して大きくなる。このため、車載用の電源装置のように限られたスペース内に多数の電池ブロックを配置しなければならない場合は、スペース要求が厳しく、大きな電源ケース内に多数の電池ブロックを収納した電源装置を配置することは困難となる。
【0004】
そこで、水平方向に電池ブロックを配置するのみならず、縦方向にも電池ブロックを重ねる構成が考えられる(特許文献2参照)。例えば、図18に示す電池ブロック810は、電池ブロック810の上面に支柱状の支持ブロック814を複数設け、支持ブロック814を介して電池ブロック810を上下に固定する構成を採用している。
【0005】
しかしながらこの構成では、弾性体である支持ブロック814を別途用意し、電池セルの上面に接着材で固定するという作業が必要となり、製造工数やコストが増えるという問題があった。
【0006】
また一方で、このような支持ブロックを用いることなく、電池ブロックを収納する電源ケース自体を複数層に区画して、各層に電池ブロックを収納する構成も考えられる。
【0007】
しかしながらこの場合は、各層に電池ブロックを挿入し易くするため、各層の高さ方向及び幅方向にマージンを設ける必要が生じ、結果的に電源ケースが厚型化するという問題があった。本来的に、限られたスペース内にできるだけ多くの電池ブロックを配置するという目的に対して、電源ケースが大型化することは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−100619号公報
【特許文献2】特開2011−108652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、限られたスペース内に複数の電池ブロックを効率よく配置可能とした電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明の第1の側面に係る電源装置によれば、複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート7とを有する電池ブロック10を備え、該電池ブロック10を複数配置してなる電源装置であって、さらに、前記電池ブロック10が平面状に並んで配置されるベースパネル41と、前記電池ブロック10の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック10が配置可能に構成されるフロアパネル40とを備え、前記電池ブロック10のエンドプレート7が、エンドプレート7の上面側に配置される前記フロアパネル40を固定するための上面固定部52と、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54とを有することができる。
上記構成により、フロアパネルを介して電池ブロックを積層して配置することが可能となり、電源装置の配置空間の形状に応じて、部分的に2段、3段に積層可能として、柔軟性を高めた電池ブロックを配置を実現できる。またフロアパネルをエンドプレートで支承する構成とすることで、中間の電池セルにはフロアパネルを支承する構造を設ける必要をなくし、電池ブロックの積層構造を簡素化できる。加えて、電池ブロック同士をフロアパネルを介して密着して固定できるため、電池ブロックの小型化にも寄与できる。また積層のための構造を両端のエンドプレートに設けることで、中間の電池セルにはこのような積層構造を設ける必要をなくして、構成を簡素化して電池ブロックの小型化に寄与できる。
【0011】
また、第2の側面に係る電源装置によれば、前記下面固定部54は、該エンドプレート7の下面から上面まで貫通する貫通孔からなり、前記エンドプレート7は、前記貫通孔54に挿通される固定部材58を介して、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40に固定され、前記上面固定部52は、前記電池ブロック10の積層方向に対する直交方向において、前記貫通孔の上面開口が形成される位置よりも、エンドプレート7の外側又は内側に位置させることができる。
上記構成により、ねじなどをエンドプレートの上面から下面固定部に貫通させてベースパネルやフロアパネルに固定できる。
【0012】
さらに、第3の側面に係る電源装置によれば、前記上面固定部52は、前記電池ブロック10の積層方向に対する直交方向において、前記下面固定部54よりもエンドプレート7の内側に位置させることができる。
上記構成により、電池ブロックの上面に、フロアパネルを介して別の電池ブロックを積層する場合、フロアパネルとの固定位置を下段の電池ブロックと上段の電池ブロックとでずらすことによって、これらの抵触を避けることができる。
【0013】
さらにまた、第4の側面に係る電源装置によれば、前記上面固定部52が、前記電池ブロック10の積層方向において、上方に向かって突出形成されると共に、前記電池ブロック10の積層方向において、前記貫通孔54の上面開口が形成される面が、前記上面固定部52の上端面よりも下方位置となるように構成できる。
上記構成により、ねじなどを利用してエンドプレートをベースパネルに固定した際、ねじ頭を上面固定部よりも窪ませた位置に配置することができ、その上面にフロアパネルを固定する際も、これをエンドプレートから突出させることなく固定でき、外形の大型化を回避できる。
【0014】
さらにまた、第5の側面に係る電源装置によれば、前記固定部材58は、前記フロアパネル40の上面に配置される前記電池ブロック10を固定するために、該電池ブロック10のエンドプレート7の上面から前記貫通孔54に挿通されると共に、前記フロアパネル40の下面から所定高さ分突出させた状態で固定され、さらに前記フロアパネル40は、前記上面固定部52と対向する位置に、前記上面固定部52へ向かって前記所定高さ分突出する下面連結機構44を設けることができる。
上記構成により、パネル固定穴でもってフロアパネルを固定した状態で、フロアパネルを下段の電池ブロックの上面から所定の高さ分だけ浮かせることができ、電池ブロックの上面とフロアパネルとの下面を離間させて、電気的な絶縁を図ることができる。加えて、フロアパネル上面に固定される電池ブロックからのねじの突出部分を、この隙間に収めることで、フロアパネルを設けたことによる高さ方向への増大分を抑制できる。
【0015】
さらにまた、第6の側面に係る電源装置によれば、前記フロアパネル40又はベースパネル41は、その上面に前記電池ブロック10のエンドプレート7を固定するためのブロック固定穴を設けると共に、前記ブロック固定穴を、T字ナット43で構成してなり、さらに前記エンドプレート7は、その底面において前記T字ナット43を配置するためのナット窪み48を設けることができる。
上記構成により、エンドプレートをフロアパネルやベースパネルに固定する際、その底面側にナットを用意する必要をなくし、固定作業を省力化すると共に、ナットによる突出部分の形成を回避して、薄型化、小型化に寄与する。
【0016】
さらにまた、第7の側面に係る車両によれば、上記の電源装置を備えることができる。
【0017】
さらにまた、第8の側面に係る蓄電装置によれば、上記の電源装置を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る電源装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の電源装置からガスダクト、押圧部、シール部材を分解した分解斜視図である。
【図3】図1の電源装置から電池セル、セパレータ、エンドプレートを分解した分解斜視図である。
【図4】電池ブロックを水平面内で連結する状態を示す平面図である。
【図5】電池ブロックを積層する状態を示す分解斜視図である。
【図6】複数の電池ブロックを連結した状態を示す平面図である。
【図7】図7(a)は電池ブロックの平面図、図7(b)は図7(a)の電池ブロックの端面を示す正面図である。
【図8】図7の電池ブロックを、フロアパネルを介して積層した状態を示す断面図である。
【図9】電池ブロックのエンドプレートを示す正面図である。
【図10】図9の電池ブロックの側面図である。
【図11】図8の電池ブロックの積層構造の側面図である。
【図12】フロアパネルのT字ナットを示す斜視図である。
【図13】複数の電池ブロックにガスダクトを接続した状態を示す斜視図である。
【図14】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図15】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図16】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【図17】従来の電源装置を示す分解斜視図である。
【図18】従来の他の電源装置に使用する電池ブロックを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを例示するものであって、本発明は電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0020】
以下、電源装置の一実施の形態として車両用電源装置に適用した例を、図1〜図3に基づいて説明する。これらの図において、図1は電源装置を構成する電池ブロック10の外観斜視図、図2は図1から安全弁ダクト24、押圧部22、シール部材20を分解した分解斜視図、図3は図1から電池セル1とセパレータ6、エンドプレート7を分解した分解斜視図を、それぞれ示している。電池ブロック10は、図1に示すように箱形としている。この電池ブロック10を複数、直列又は並列に接続して、電源装置を構成する。各電池ブロック10は、図2の分解斜視図に示すように、複数の電池セル1を積層した電池ブロック10と、シール部材20と、押圧部22と、安全弁ダクト24とを備えている。安全弁ダクト24は、電池セル1の安全弁3と連通されている。
(電池ブロック10)
【0021】
電池ブロック10は、図3の分解斜視図及び図7(a)の平面図並びに図7(b)の正面図に示すように、複数枚の電池セル1を、絶縁性のセパレータ6を介して積層し、両側の端面にエンドプレート7を配置して締結したブロック体である。両端面のエンドプレート7同士は、バインドバー(図示せず)で締結される。バインドバーは、電池ブロック10の側面や上面に配置される。このバインドバーは、金属製の板材を折曲して構成される。このようにしてバインドバーで締結されたエンドプレート7同士の間に電池セル1の積層体を挟持することによって、電池ブロック10を強固に保持できる。
(電池セル1)
【0022】
電池セル1は、図3に示すように、その厚さを上辺の横幅よりも薄くした薄型の外装缶2を利用している。この外装缶2は、外装缶2の四隅のコーナ部を面取りした略箱形形状としている。また外装缶2の上面で外装缶2を封止する封口板4には、一対の電極端子5を突出させると共に、電極端子5の間に安全弁3を設けている。安全弁3は、外装缶2の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。安全弁3の開弁により、外装缶2の内圧上昇を停止することができる。なお、ここでは一般的に安全弁3から排出される排出ガスを効率よく誘導するために、安全弁3が電池ブロック10の一面(本実施形態では上面)に並ぶように、電池セル1は積層される。
【0023】
電池セル1を構成する素電池は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。特に薄型電池にリチウムイオン電池を使用すると、パック電池全体の容量に対する充電容量を大きくできる特長がある。
(回路基板26)
【0024】
また安全ダクト24の上面には、回路基板26が配置されている。この回路基板26には、電池ブロック10を構成する電池セル1の温度や電圧等を監視して、何からの異常が発生していないかを確認する安全回路等が実装される。このように、電池ブロックの上面に回路基板を配置する構成とすることで、電池ブロック同士の結合と干渉することなく、また電池ブロックの小型化に有利となる。図1〜図2の例では、隣接する電池セル1の電極端子5同士を接続するバスバー27を、電池ブロック10の上面に設けている。バスバー27は、電池セル1の積層方向に沿って平行に延長され、また電池ブロック10の上面で一対のバスバー27の配置ラインを互いに離間させている。このように離間された一対のバスバー27同士の間に、回路基板26を配置することで、電池ブロック10の厚型化を回避し、電池ブロックや電源装置の小型化に有利となる。
(連結具39)
【0025】
このような電池ブロック10を複数、ベースパネル41上に水平面内に並べた状態で、連結具39を用いて連結することができる。この様子を図4の平面図に示す。この図に示す電池ブロック10は、隣接する電池ブロック10の端面において、これらの高電圧出力を電気的に接続する高電圧バスバー38と、高電圧バスバー38で連結した電池ブロック10同士の界面において、これらを機械的に連結する連結具39を備えている。この例では、4個の電池ブロック10を、長手方向に平行な姿勢で並べて、連結具39で連結した電池ブロック10の連結体11を構成している。
【0026】
この連結具39は、ブラケット状に構成されており、電池ブロック10の出力同士を接続する高電圧バスバー38と連結具39とを一体に構成して連結ユニットとしている。このような構成により、高電圧バスバー38で電気接続された電池ブロック10同士の間隔が連結具39によって強固に固定される結果、衝撃や振動によって高電圧バスバー38に印加される応力が連結具39によって低減され、安定的に電池ブロック10間の電気接続を維持でき、信頼性の向上が図られる。
(フロアパネル40)
【0027】
さらにこのようにして連結具39を用いて連結された複数の電池ブロック連結体11に対して、上面にフロアパネル40を固定し、このフロアパネル40の上面にさらに電池ブロック連結体11を固定することができる。この様子を、図5の分解斜視図及び図8の断面図に示す。この図に示す例では、2個の電池ブロック10を、図4と同様に長手方向に平行な姿勢に並べて連結具39で連結した電池ブロック連結体11とし、ベースパネル41上に固定している。さらに、このように平面状に並べた電池ブロック連結体11の上面は、フロアパネル40を介して1個の電池ブロック10を固定している。
【0028】
フロアパネル40やベースパネル41は、図5の斜視図に示すように硬質の板材で構成される。好ましくは強度と熱伝導性に優れた金属板とする。また、金属板などの導電性部材で構成する場合は、各電池ブロック10との接合部分で電気的に絶縁する。これによって、電池ブロック10同士の意図しない導通を回避できる。
【0029】
またフロアパネル40は、下段の電池ブロック10と上段の電池ブロック10との間に介在される。このため、下段の電池ブロック10と連結を行う下面連結機構44と、上段の電池ブロック10との連結を行う上面連結機構42とを、それぞれ個別に設けている(詳細は後述)。
(パネル固定機構)
【0030】
各電池ブロック10には、フロアパネル40やベースパネル41を固定するためのパネル固定機構をエンドプレート7に設けている。換言すると、電池ブロック10は両端のエンドプレート7でフロアパネル40等と固定しており、中間のセパレータには、このような固定機構を有しない。これによって、エンドプレートのみを変更して、セパレータ等は既存の部材を利用でき、フロアパネル40等との固定構造を簡素化できる。
【0031】
このエンドプレート7は、図9の正面図及び図10の側面図に示すように、その上面にフロアパネル40を固定するための上面固定部52と、その下面にベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54を設けている。
(上面固定部52)
【0032】
上面固定部52は、図9などの例に示すように、エンドプレート7の上面から突出させている。また突出させた突出面には、ねじ穴を開口している。このねじ穴には、パネル下面固定ねじ56が螺合される。
【0033】
一方でフロアパネル40は、その下面に、エンドプレート7の上面固定部52と固定するための下面連結機構44を設けている。図8の断面図に示す例では、下面連結機構44は、下段の電池ブロック10の上面固定部52と固定するためのパネル固定穴45としている。パネル下面固定ねじ56をフロアパネル40の上面側からパネル固定穴45に挿通し、さらにエンドプレート7の上面固定部52のねじ穴に螺合して固定する。
【0034】
またパネル固定穴45を設けた部位は、局所的に窪ませて、他の面よりも所定の高さ分低くしている。これによって、パネル固定穴45でもってフロアパネル40を固定した状態で、フロアパネル40を下段の電池ブロック10の上面から所定の高さ分だけ浮かせることができ、電池ブロック10の上面とフロアパネル40との下面を離間させて、電気的な絶縁を図ることができる。なお、上面固定部52とパネル固定穴45とは、絶縁部材を介するなどして絶縁している。
【0035】
さらにフロアパネル40の上面に固定される電池ブロック10の、エンドプレート7の下面固定部54から、フロアパネル40を貫通して突出するねじの突出量を、この窪みの高さ以内とすることが好ましい。この構成によって、フロアパネル40上面に電池ブロック10を固定する際に生じるねじの突出を、この隙間で吸収でき、高さ方向への肥大化を抑制できる。
【0036】
図8の構成では、パネル下面固定ねじ56のねじ頭56aが、フロアパネル40の上面に突出するため、この上に直接上段の電池ブロック10を配置しようとすると、干渉する。このため、図11の側面図に示すように、上段の電池ブロック10は下段の電池ブロック10とずらして配置している。これによって、電源装置の厚型化が回避される。
【0037】
なお、パネル固定穴を設けた部位の窪み量をより大きくして、あるいはパネル下面固定ねじのねじ頭をより薄型化して、パネル固定穴の窪み領域にパネル下面固定ねじのねじ頭が収まるように構成すれば、このような上下の電池ブロック間で位置をずらすような配置を不要とでき、上下の電池ブロックを重ね合わせた位置に積層することも可能となる。
(下面固定部54)
【0038】
一方、エンドプレート7の下面固定部54は、図9及び図10の例では、エンドプレート7の下面から上面まで貫通させた貫通孔としている。これによってねじなどをエンドプレート7の上面から下面固定部54に貫通させてベースパネル41やフロアパネル40に固定できる。
【0039】
また、下面固定部54の、エンドプレート7の下面から上面側に貫通して開口された上面開口は、上面固定部52を設けた面よりも低い面に設けている。また、上面開口と上面固定部52との高低差は、下面固定部54を貫通させるねじ58のねじ頭58aよりも高くする。このようにすることで、図8などに示すように、ねじ58を上面開口から下面固定部54に貫通させてエンドプレート7をベースパネル41に固定した際、ねじ頭58aを上面固定部52よりも窪ませた位置に配置することができ、その上面にフロアパネル40を固定しても、ねじ頭58aと干渉することがなく、もって電源装置の厚型化が回避できる。
(上面連結機構42)
【0040】
一方で、フロアパネル40又はベースパネル41には、その上面に電池ブロック10のエンドプレート7を固定するための上面連結機構42として、ブロック固定穴を設けている。ブロック固定穴は、図12の拡大斜視図に示すように、T字ナット43で構成できる。さらにエンドプレート7は、図9及び図10に示すように、その底面においてT字ナット43を配置するためのナット窪み48を設けている。このようにすることで、エンドプレート7をフロアパネル40やベースパネル41に固定する際、その底面側にナットを用意する必要をなくし、固定作業を省力化すると共に、ナットによる突出部分の形成を回避して、薄型化、小型化に寄与する。
【0041】
以上のように、フロアパネル40を介して電池ブロック10を縦方向に積層して配置することが可能となり、電源装置の配置空間の形状に応じて、部分的に2段、3段に積層可能として、柔軟性を高めた電池ブロック10を配置を実現できる。また硬質のフロアパネル40をエンドプレート7で支承する構成とすることで、中間の電池セルにはフロアパネル40を支承する構造を設ける必要をなくし、電池ブロック10の積層構造を簡素化できる。加えて、電池ブロック10同士をフロアパネル40を介して密着して固定できるため、電池ブロック10の小型化にも寄与できる。
【0042】
なお、図8などの例では、フロアパネル40とベースパネル41とを別部材で構成しているが、共通の部材で構成することもできる。すなわち、フロアパネルをベースパネルとして利用することも可能である。
【0043】
さらに、以上の例では電池ブロック10を連結具39でもって水平面内に複数連結した状態で、上面に電池ブロック10単体を積層する構成を説明した。ただ、本発明はこの構成に限定されるものでなく、例えば下層の電池ブロックを複数の電池ブロック連結体とし、上層の電池ブロックも別の電池ブロック連結体としたり、あるいは下層と上層をいずれも電池ブロックの単体として、垂直方向に電池ブロックを積み上げた形態としてもよい。
【0044】
また、フロアパネル40の上面、下面にそれぞれ配置される電池ブロック10は、必ずしもすべてを機械的に連結する必要は必ずしも無い。すなわち、電池ブロックを配置する形態に応じて、電池ブロック連結体を複数離間して配置するような構成も可能である。例えば図6の平面図に示すように、複数の電池ブロック10を配置するような場合は、長手方向の側面に沿って平行に隣接する電池ブロック10同士は連結具で連結する一方、長手方向と同一線上に配置される電池ブロック10同士は、このような連結具による連結を行わない構成としてもよい。電源装置を配置する空間によっては、必ずしも纏まった箱形の空間が与えられるとは限らず、複雑な形状の空間内に配置することも考えられる。特に車載用途のように、スペースが限られている上、他に配置すべき部材が多数存在するような用途においては、このようなスペースの形状の制約を受けることが多い。例えば図6の平面図に示すように、特殊な形状に電池ブロックを配置することが必要な場合も存在し得る。そこで、電池ブロックの配置の自由度を増すために、連結具を使用して電池ブロック同士を連結した電池ブロック連結体を構成しつつも、必ずしもすべての電池ブロックを常に連結することを要求するのでなく、電源装置に与えられた空間に応じて離間して配置するような構成も可能とすることで、より柔軟な電池ブロックの配置が可能となる。加えて、上述の通りフロアパネルを使用することで、電池ブロックを複数段に積層した立て積みの形態も可能となり、水平方向への配置と組み合わせて、一層柔軟な電池ブロックのレイアウトが実現される。
【0045】
一方で、各電池セルは、大電流での充放電等によって内部のガス圧が上昇した際に、開弁して内圧の上昇を回避するための安全弁3を設けている。また電源装置には、安全弁3を開弁してガスを放出した際に、このガスが意図しない部位から漏れ出さないよう、所定の経路に案内するためのガス排出路が設けられる。このため電池ブロック10の上面には、安全弁ダクト24が配置される。安全弁ダクト24は、高圧、高温のガスが排出された際に破壊されない十分な強度に設計され、好ましくは耐熱性、剛性に優れたステンレスなどの金属製とする。図2等に示す例では、安全弁ダクト24は中空の箱形に形成され、図示しないガス排出経路と気密に連通されており、このガス排出経路に案内されて安全に外部に排出される。また安全弁ダクト24を電池ブロック10の安全弁3に気密に連通するために、シール部材20が設けられている。
【0046】
シール部材20は、弾性を有するシート状の部材であり、シリコーン系樹脂等が利用できる。シール部材20は図2に示すように電池ブロック10の上面に載置した際に、各安全弁3の位置と対応する位置にシール開口部21が各々開口されている。シール開口部21は、安全弁3の外周とほぼ等しい大きさ或いはこれよりも若干大きく形成される。
【0047】
またシール部材20と封口板4との間に隙間が生じないよう、シール部材20を封口板4上面に押圧する押圧部22を、シール部材20の上面に設け、押圧部22と封口板4とでシール部材20を狭持してシール部材20を弾性変形させることで、気密性を維持している。押圧部22にも、シール部材20と同様に安全弁3の位置に押圧開口部23が開口されており、さらに押圧部22の上には安全弁ダクト24が固定されている。これにより、安全弁3と安全弁ダクト24とがシール開口部21及び押圧開口部23を介して連通される。また押圧部22とシール部材20との界面に、接着材を塗布するなどしてこれらを固定することが好ましい。
(ガスダクト30)
【0048】
また電池ブロック10には、ガスダクト30が接続される。図13の斜視図に示す例では、長手方向に平行に3つの電池ブロック10を並べた状態で、各電池ブロック10の安全弁3及び安全弁ダクト24と連なるガス排出路が、ガスダクト30と連通されている。各電池セル1の安全弁3から排出された排出ガスは、安全弁ダクト24に集められた後、ガスダクト30に案内されて外部に安全に排出される。
【0049】
このガスダクト30は、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けられている。これにより、電池ブロック10の外形の肥大化を抑制できる。すなわち、従来のガスダクトは、ガスを集めやすい上側に配置されていたところ、このような配置では、電池ブロックの高さが大きくなって電源装置の肥大化に繋がる。このため、限られたスペース内に電源装置を配置することの障害となっていた。また電池ブロックの側面側に配置しようとしても、高電圧配専用のハーネス類と干渉してしまう。そこで本実施の形態においては、ガスダクト30を電池ブロック10の下面側に配置することで、このような大型化の問題を回避し、電源装置の小型化に寄与し得る。特に電池ブロック10の側面に沿わせたり、あるいは隣接する電池ブロック10同士の隙間を利用してガスダクト30を配置することで、効率よくガスの排出が可能となる。図6に示す平面図の例では、様々なパターンに配置された複数の電池ブロック10に対して、ガスダクト30を電池ブロック10同士の隙間部分に配置して、排出ガスの排出経路を構成できる。
【0050】
また、本実施の形態では、安全弁3から電池セル1の上面側に排出された排出ガスを、下面側に配置したガスダクト30まで案内するための配管として、エンドプレート7配管8をエンドプレート77に内蔵させている。これによって、排出ガスを電池セル1の上面から下面側に案内するために必要となる配管のためのスペースを別途設ける必要をなくすことができ、この点においても電源装置の小型化に有利となる。
【0051】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置)
【0052】
図14に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置)
【0053】
また図15に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(蓄電用電源装置)
【0054】
さらに、この電源装置は、移動体用の動力源としてのみならず、載置型の蓄電用設備としても利用できる。例えば家庭用、工場用の電源として、太陽光や深夜電力等で充電し、必要時に放電する電源システム、あるいは日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機用のバックアップ電源等にも利用できる。このような例を図16に示す。この図に示す電源装置100は、複数の電池パック81をユニット状に接続して電池ユニット82を構成している。各電池パック81は、複数の角型電池セル1が直列及び/又は並列に接続されている。各電池パック81は、電源コントローラ84により制御される。この電源装置100は、電池ユニット82を充電用電源CPで充電した後、負荷LDを駆動する。このため電源装置100は、充電モードと放電モードを備える。負荷LDと充電用電源CPはそれぞれ、放電スイッチDS及び充電スイッチCSを介して電源装置100と接続されている。放電スイッチDS及び充電スイッチCSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ84は充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをOFFに切り替えて、充電用電源CPから電源装置100への充電を許可する。また充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で負荷LDからの要求に応じて、電源コントローラ84は充電スイッチCSをOFFに、放電スイッチDSをONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷LDへの放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをONにして、負荷LDの電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0055】
電源装置100で駆動される負荷LDは、放電スイッチDSを介して電源装置100と接続されている。電源装置100の放電モードにおいては、電源コントローラ84が放電スイッチDSをONに切り替えて、負荷LDに接続し、電源装置100からの電力で負荷LDを駆動する。放電スイッチDSはFET等のスイッチング素子が利用できる。放電スイッチDSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって制御される。また電源コントローラ84は、外部機器と通信するための通信インターフェースを備えている。図16の例では、UARTやRS−232C等の既存の通信プロトコルに従い、ホスト機器HTと接続されている。また必要に応じて、電源システムに対してユーザが操作を行うためのユーザインターフェースを設けることもできる。
【0056】
各電池パック81は、信号端子と電源端子を備える。信号端子は、パック入出力端子DIと、パック異常出力端子DAと、パック接続端子DOとを含む。パック入出力端子DIは、他のパック電池や電源コントローラ84からの信号を入出力するための端子であり、パック接続端子DOは子パックである他のパック電池に対して信号を入出力するための端子である。またパック異常出力端子DAは、パック電池の異常を外部に出力するための端子である。さらに電源端子は、電池パック81同士を直列、並列に接続するための端子である。また電池ユニット82は並列接続スイッチ85を介して出力ラインOLに接続されて互いに並列に接続されている。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置として好適に利用できる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0058】
100、700…電源装置
1…電池セル
2…外装缶
3…安全弁
4…封口板
5…電極端子
6…セパレータ
7…エンドプレート
8…エンドプレート配管;8a…取入口;8b…連結口
9…切り欠き部
10、710、810…電池ブロック
11…電池ブロック連結体
20…シール部材
21…シール開口部
22…押圧部
23…押圧開口部
24…安全弁ダクト
26…回路基板
27…バスバー
30…ガスダクト
32…配管部
33…連結穴
38…高電圧バスバー
39…連結具
40…フロアパネル
41…ベースパネル
42…上面連結機構
43…T字ナット
44…下面連結機構
45…パネル固定穴
48…ナット窪み
52…上面固定部
54…下面固定部
56…パネル下面固定ねじ;56a…ねじ頭
58…ねじ;58a…ねじ頭
81…電池積層体
82…電池ユニット
84…電源コントローラ
85…並列接続スイッチ
93…モータ
94…発電機
95…インバータ
96…エンジン
712…電源ケース
814…支持ブロック
HV、EV…車両
LD…負荷;CP…充電用電源;DS…放電スイッチ;CS…充電スイッチ
OL…出力ライン;HT…ホスト機器
DI…パック入出力端子;DA…パック異常出力端子;DO…パック接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の角形電池セルを積層した電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置に関し、特にハイブリッド車、燃料電池自動車、電気自動車、電動オートバイ等の電動車両に搭載されて車両を走行させるモータの電源装置、あるいは家庭用、工場用の蓄電用途等に使用される大電流用の電源に電力を供給する電源装置を配置するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを備える電源装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車など車両用の電源装置などに利用されている。このような電源装置は、複数の電池セルを積層した電池ブロックで構成される。特に近年の高出力化の要求に伴い、電池ブロックを複数、組み合わせて配置する構成が採用されている(特許文献1参照)。例えば、図17に示す例では、4つの電池ブロック710を水平面内に配置し、電源ケース712に収納して電源装置700を構成している。
【0003】
しかしながら、この構成では使用する電池ブロックの数が多くなると、電源ケースの専有面積もこれに比例して大きくなる。このため、車載用の電源装置のように限られたスペース内に多数の電池ブロックを配置しなければならない場合は、スペース要求が厳しく、大きな電源ケース内に多数の電池ブロックを収納した電源装置を配置することは困難となる。
【0004】
そこで、水平方向に電池ブロックを配置するのみならず、縦方向にも電池ブロックを重ねる構成が考えられる(特許文献2参照)。例えば、図18に示す電池ブロック810は、電池ブロック810の上面に支柱状の支持ブロック814を複数設け、支持ブロック814を介して電池ブロック810を上下に固定する構成を採用している。
【0005】
しかしながらこの構成では、弾性体である支持ブロック814を別途用意し、電池セルの上面に接着材で固定するという作業が必要となり、製造工数やコストが増えるという問題があった。
【0006】
また一方で、このような支持ブロックを用いることなく、電池ブロックを収納する電源ケース自体を複数層に区画して、各層に電池ブロックを収納する構成も考えられる。
【0007】
しかしながらこの場合は、各層に電池ブロックを挿入し易くするため、各層の高さ方向及び幅方向にマージンを設ける必要が生じ、結果的に電源ケースが厚型化するという問題があった。本来的に、限られたスペース内にできるだけ多くの電池ブロックを配置するという目的に対して、電源ケースが大型化することは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−100619号公報
【特許文献2】特開2011−108652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、限られたスペース内に複数の電池ブロックを効率よく配置可能とした電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明の第1の側面に係る電源装置によれば、複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート7とを有する電池ブロック10を備え、該電池ブロック10を複数配置してなる電源装置であって、さらに、前記電池ブロック10が平面状に並んで配置されるベースパネル41と、前記電池ブロック10の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック10が配置可能に構成されるフロアパネル40とを備え、前記電池ブロック10のエンドプレート7が、エンドプレート7の上面側に配置される前記フロアパネル40を固定するための上面固定部52と、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54とを有することができる。
上記構成により、フロアパネルを介して電池ブロックを積層して配置することが可能となり、電源装置の配置空間の形状に応じて、部分的に2段、3段に積層可能として、柔軟性を高めた電池ブロックを配置を実現できる。またフロアパネルをエンドプレートで支承する構成とすることで、中間の電池セルにはフロアパネルを支承する構造を設ける必要をなくし、電池ブロックの積層構造を簡素化できる。加えて、電池ブロック同士をフロアパネルを介して密着して固定できるため、電池ブロックの小型化にも寄与できる。また積層のための構造を両端のエンドプレートに設けることで、中間の電池セルにはこのような積層構造を設ける必要をなくして、構成を簡素化して電池ブロックの小型化に寄与できる。
【0011】
また、第2の側面に係る電源装置によれば、前記下面固定部54は、該エンドプレート7の下面から上面まで貫通する貫通孔からなり、前記エンドプレート7は、前記貫通孔54に挿通される固定部材58を介して、エンドプレート7の下面側に配置される前記ベースパネル41又はフロアパネル40に固定され、前記上面固定部52は、前記電池ブロック10の積層方向に対する直交方向において、前記貫通孔の上面開口が形成される位置よりも、エンドプレート7の外側又は内側に位置させることができる。
上記構成により、ねじなどをエンドプレートの上面から下面固定部に貫通させてベースパネルやフロアパネルに固定できる。
【0012】
さらに、第3の側面に係る電源装置によれば、前記上面固定部52は、前記電池ブロック10の積層方向に対する直交方向において、前記下面固定部54よりもエンドプレート7の内側に位置させることができる。
上記構成により、電池ブロックの上面に、フロアパネルを介して別の電池ブロックを積層する場合、フロアパネルとの固定位置を下段の電池ブロックと上段の電池ブロックとでずらすことによって、これらの抵触を避けることができる。
【0013】
さらにまた、第4の側面に係る電源装置によれば、前記上面固定部52が、前記電池ブロック10の積層方向において、上方に向かって突出形成されると共に、前記電池ブロック10の積層方向において、前記貫通孔54の上面開口が形成される面が、前記上面固定部52の上端面よりも下方位置となるように構成できる。
上記構成により、ねじなどを利用してエンドプレートをベースパネルに固定した際、ねじ頭を上面固定部よりも窪ませた位置に配置することができ、その上面にフロアパネルを固定する際も、これをエンドプレートから突出させることなく固定でき、外形の大型化を回避できる。
【0014】
さらにまた、第5の側面に係る電源装置によれば、前記固定部材58は、前記フロアパネル40の上面に配置される前記電池ブロック10を固定するために、該電池ブロック10のエンドプレート7の上面から前記貫通孔54に挿通されると共に、前記フロアパネル40の下面から所定高さ分突出させた状態で固定され、さらに前記フロアパネル40は、前記上面固定部52と対向する位置に、前記上面固定部52へ向かって前記所定高さ分突出する下面連結機構44を設けることができる。
上記構成により、パネル固定穴でもってフロアパネルを固定した状態で、フロアパネルを下段の電池ブロックの上面から所定の高さ分だけ浮かせることができ、電池ブロックの上面とフロアパネルとの下面を離間させて、電気的な絶縁を図ることができる。加えて、フロアパネル上面に固定される電池ブロックからのねじの突出部分を、この隙間に収めることで、フロアパネルを設けたことによる高さ方向への増大分を抑制できる。
【0015】
さらにまた、第6の側面に係る電源装置によれば、前記フロアパネル40又はベースパネル41は、その上面に前記電池ブロック10のエンドプレート7を固定するためのブロック固定穴を設けると共に、前記ブロック固定穴を、T字ナット43で構成してなり、さらに前記エンドプレート7は、その底面において前記T字ナット43を配置するためのナット窪み48を設けることができる。
上記構成により、エンドプレートをフロアパネルやベースパネルに固定する際、その底面側にナットを用意する必要をなくし、固定作業を省力化すると共に、ナットによる突出部分の形成を回避して、薄型化、小型化に寄与する。
【0016】
さらにまた、第7の側面に係る車両によれば、上記の電源装置を備えることができる。
【0017】
さらにまた、第8の側面に係る蓄電装置によれば、上記の電源装置を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る電源装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の電源装置からガスダクト、押圧部、シール部材を分解した分解斜視図である。
【図3】図1の電源装置から電池セル、セパレータ、エンドプレートを分解した分解斜視図である。
【図4】電池ブロックを水平面内で連結する状態を示す平面図である。
【図5】電池ブロックを積層する状態を示す分解斜視図である。
【図6】複数の電池ブロックを連結した状態を示す平面図である。
【図7】図7(a)は電池ブロックの平面図、図7(b)は図7(a)の電池ブロックの端面を示す正面図である。
【図8】図7の電池ブロックを、フロアパネルを介して積層した状態を示す断面図である。
【図9】電池ブロックのエンドプレートを示す正面図である。
【図10】図9の電池ブロックの側面図である。
【図11】図8の電池ブロックの積層構造の側面図である。
【図12】フロアパネルのT字ナットを示す斜視図である。
【図13】複数の電池ブロックにガスダクトを接続した状態を示す斜視図である。
【図14】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図15】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図16】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【図17】従来の電源装置を示す分解斜視図である。
【図18】従来の他の電源装置に使用する電池ブロックを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを例示するものであって、本発明は電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0020】
以下、電源装置の一実施の形態として車両用電源装置に適用した例を、図1〜図3に基づいて説明する。これらの図において、図1は電源装置を構成する電池ブロック10の外観斜視図、図2は図1から安全弁ダクト24、押圧部22、シール部材20を分解した分解斜視図、図3は図1から電池セル1とセパレータ6、エンドプレート7を分解した分解斜視図を、それぞれ示している。電池ブロック10は、図1に示すように箱形としている。この電池ブロック10を複数、直列又は並列に接続して、電源装置を構成する。各電池ブロック10は、図2の分解斜視図に示すように、複数の電池セル1を積層した電池ブロック10と、シール部材20と、押圧部22と、安全弁ダクト24とを備えている。安全弁ダクト24は、電池セル1の安全弁3と連通されている。
(電池ブロック10)
【0021】
電池ブロック10は、図3の分解斜視図及び図7(a)の平面図並びに図7(b)の正面図に示すように、複数枚の電池セル1を、絶縁性のセパレータ6を介して積層し、両側の端面にエンドプレート7を配置して締結したブロック体である。両端面のエンドプレート7同士は、バインドバー(図示せず)で締結される。バインドバーは、電池ブロック10の側面や上面に配置される。このバインドバーは、金属製の板材を折曲して構成される。このようにしてバインドバーで締結されたエンドプレート7同士の間に電池セル1の積層体を挟持することによって、電池ブロック10を強固に保持できる。
(電池セル1)
【0022】
電池セル1は、図3に示すように、その厚さを上辺の横幅よりも薄くした薄型の外装缶2を利用している。この外装缶2は、外装缶2の四隅のコーナ部を面取りした略箱形形状としている。また外装缶2の上面で外装缶2を封止する封口板4には、一対の電極端子5を突出させると共に、電極端子5の間に安全弁3を設けている。安全弁3は、外装缶2の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。安全弁3の開弁により、外装缶2の内圧上昇を停止することができる。なお、ここでは一般的に安全弁3から排出される排出ガスを効率よく誘導するために、安全弁3が電池ブロック10の一面(本実施形態では上面)に並ぶように、電池セル1は積層される。
【0023】
電池セル1を構成する素電池は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。特に薄型電池にリチウムイオン電池を使用すると、パック電池全体の容量に対する充電容量を大きくできる特長がある。
(回路基板26)
【0024】
また安全ダクト24の上面には、回路基板26が配置されている。この回路基板26には、電池ブロック10を構成する電池セル1の温度や電圧等を監視して、何からの異常が発生していないかを確認する安全回路等が実装される。このように、電池ブロックの上面に回路基板を配置する構成とすることで、電池ブロック同士の結合と干渉することなく、また電池ブロックの小型化に有利となる。図1〜図2の例では、隣接する電池セル1の電極端子5同士を接続するバスバー27を、電池ブロック10の上面に設けている。バスバー27は、電池セル1の積層方向に沿って平行に延長され、また電池ブロック10の上面で一対のバスバー27の配置ラインを互いに離間させている。このように離間された一対のバスバー27同士の間に、回路基板26を配置することで、電池ブロック10の厚型化を回避し、電池ブロックや電源装置の小型化に有利となる。
(連結具39)
【0025】
このような電池ブロック10を複数、ベースパネル41上に水平面内に並べた状態で、連結具39を用いて連結することができる。この様子を図4の平面図に示す。この図に示す電池ブロック10は、隣接する電池ブロック10の端面において、これらの高電圧出力を電気的に接続する高電圧バスバー38と、高電圧バスバー38で連結した電池ブロック10同士の界面において、これらを機械的に連結する連結具39を備えている。この例では、4個の電池ブロック10を、長手方向に平行な姿勢で並べて、連結具39で連結した電池ブロック10の連結体11を構成している。
【0026】
この連結具39は、ブラケット状に構成されており、電池ブロック10の出力同士を接続する高電圧バスバー38と連結具39とを一体に構成して連結ユニットとしている。このような構成により、高電圧バスバー38で電気接続された電池ブロック10同士の間隔が連結具39によって強固に固定される結果、衝撃や振動によって高電圧バスバー38に印加される応力が連結具39によって低減され、安定的に電池ブロック10間の電気接続を維持でき、信頼性の向上が図られる。
(フロアパネル40)
【0027】
さらにこのようにして連結具39を用いて連結された複数の電池ブロック連結体11に対して、上面にフロアパネル40を固定し、このフロアパネル40の上面にさらに電池ブロック連結体11を固定することができる。この様子を、図5の分解斜視図及び図8の断面図に示す。この図に示す例では、2個の電池ブロック10を、図4と同様に長手方向に平行な姿勢に並べて連結具39で連結した電池ブロック連結体11とし、ベースパネル41上に固定している。さらに、このように平面状に並べた電池ブロック連結体11の上面は、フロアパネル40を介して1個の電池ブロック10を固定している。
【0028】
フロアパネル40やベースパネル41は、図5の斜視図に示すように硬質の板材で構成される。好ましくは強度と熱伝導性に優れた金属板とする。また、金属板などの導電性部材で構成する場合は、各電池ブロック10との接合部分で電気的に絶縁する。これによって、電池ブロック10同士の意図しない導通を回避できる。
【0029】
またフロアパネル40は、下段の電池ブロック10と上段の電池ブロック10との間に介在される。このため、下段の電池ブロック10と連結を行う下面連結機構44と、上段の電池ブロック10との連結を行う上面連結機構42とを、それぞれ個別に設けている(詳細は後述)。
(パネル固定機構)
【0030】
各電池ブロック10には、フロアパネル40やベースパネル41を固定するためのパネル固定機構をエンドプレート7に設けている。換言すると、電池ブロック10は両端のエンドプレート7でフロアパネル40等と固定しており、中間のセパレータには、このような固定機構を有しない。これによって、エンドプレートのみを変更して、セパレータ等は既存の部材を利用でき、フロアパネル40等との固定構造を簡素化できる。
【0031】
このエンドプレート7は、図9の正面図及び図10の側面図に示すように、その上面にフロアパネル40を固定するための上面固定部52と、その下面にベースパネル41又はフロアパネル40を固定するための下面固定部54を設けている。
(上面固定部52)
【0032】
上面固定部52は、図9などの例に示すように、エンドプレート7の上面から突出させている。また突出させた突出面には、ねじ穴を開口している。このねじ穴には、パネル下面固定ねじ56が螺合される。
【0033】
一方でフロアパネル40は、その下面に、エンドプレート7の上面固定部52と固定するための下面連結機構44を設けている。図8の断面図に示す例では、下面連結機構44は、下段の電池ブロック10の上面固定部52と固定するためのパネル固定穴45としている。パネル下面固定ねじ56をフロアパネル40の上面側からパネル固定穴45に挿通し、さらにエンドプレート7の上面固定部52のねじ穴に螺合して固定する。
【0034】
またパネル固定穴45を設けた部位は、局所的に窪ませて、他の面よりも所定の高さ分低くしている。これによって、パネル固定穴45でもってフロアパネル40を固定した状態で、フロアパネル40を下段の電池ブロック10の上面から所定の高さ分だけ浮かせることができ、電池ブロック10の上面とフロアパネル40との下面を離間させて、電気的な絶縁を図ることができる。なお、上面固定部52とパネル固定穴45とは、絶縁部材を介するなどして絶縁している。
【0035】
さらにフロアパネル40の上面に固定される電池ブロック10の、エンドプレート7の下面固定部54から、フロアパネル40を貫通して突出するねじの突出量を、この窪みの高さ以内とすることが好ましい。この構成によって、フロアパネル40上面に電池ブロック10を固定する際に生じるねじの突出を、この隙間で吸収でき、高さ方向への肥大化を抑制できる。
【0036】
図8の構成では、パネル下面固定ねじ56のねじ頭56aが、フロアパネル40の上面に突出するため、この上に直接上段の電池ブロック10を配置しようとすると、干渉する。このため、図11の側面図に示すように、上段の電池ブロック10は下段の電池ブロック10とずらして配置している。これによって、電源装置の厚型化が回避される。
【0037】
なお、パネル固定穴を設けた部位の窪み量をより大きくして、あるいはパネル下面固定ねじのねじ頭をより薄型化して、パネル固定穴の窪み領域にパネル下面固定ねじのねじ頭が収まるように構成すれば、このような上下の電池ブロック間で位置をずらすような配置を不要とでき、上下の電池ブロックを重ね合わせた位置に積層することも可能となる。
(下面固定部54)
【0038】
一方、エンドプレート7の下面固定部54は、図9及び図10の例では、エンドプレート7の下面から上面まで貫通させた貫通孔としている。これによってねじなどをエンドプレート7の上面から下面固定部54に貫通させてベースパネル41やフロアパネル40に固定できる。
【0039】
また、下面固定部54の、エンドプレート7の下面から上面側に貫通して開口された上面開口は、上面固定部52を設けた面よりも低い面に設けている。また、上面開口と上面固定部52との高低差は、下面固定部54を貫通させるねじ58のねじ頭58aよりも高くする。このようにすることで、図8などに示すように、ねじ58を上面開口から下面固定部54に貫通させてエンドプレート7をベースパネル41に固定した際、ねじ頭58aを上面固定部52よりも窪ませた位置に配置することができ、その上面にフロアパネル40を固定しても、ねじ頭58aと干渉することがなく、もって電源装置の厚型化が回避できる。
(上面連結機構42)
【0040】
一方で、フロアパネル40又はベースパネル41には、その上面に電池ブロック10のエンドプレート7を固定するための上面連結機構42として、ブロック固定穴を設けている。ブロック固定穴は、図12の拡大斜視図に示すように、T字ナット43で構成できる。さらにエンドプレート7は、図9及び図10に示すように、その底面においてT字ナット43を配置するためのナット窪み48を設けている。このようにすることで、エンドプレート7をフロアパネル40やベースパネル41に固定する際、その底面側にナットを用意する必要をなくし、固定作業を省力化すると共に、ナットによる突出部分の形成を回避して、薄型化、小型化に寄与する。
【0041】
以上のように、フロアパネル40を介して電池ブロック10を縦方向に積層して配置することが可能となり、電源装置の配置空間の形状に応じて、部分的に2段、3段に積層可能として、柔軟性を高めた電池ブロック10を配置を実現できる。また硬質のフロアパネル40をエンドプレート7で支承する構成とすることで、中間の電池セルにはフロアパネル40を支承する構造を設ける必要をなくし、電池ブロック10の積層構造を簡素化できる。加えて、電池ブロック10同士をフロアパネル40を介して密着して固定できるため、電池ブロック10の小型化にも寄与できる。
【0042】
なお、図8などの例では、フロアパネル40とベースパネル41とを別部材で構成しているが、共通の部材で構成することもできる。すなわち、フロアパネルをベースパネルとして利用することも可能である。
【0043】
さらに、以上の例では電池ブロック10を連結具39でもって水平面内に複数連結した状態で、上面に電池ブロック10単体を積層する構成を説明した。ただ、本発明はこの構成に限定されるものでなく、例えば下層の電池ブロックを複数の電池ブロック連結体とし、上層の電池ブロックも別の電池ブロック連結体としたり、あるいは下層と上層をいずれも電池ブロックの単体として、垂直方向に電池ブロックを積み上げた形態としてもよい。
【0044】
また、フロアパネル40の上面、下面にそれぞれ配置される電池ブロック10は、必ずしもすべてを機械的に連結する必要は必ずしも無い。すなわち、電池ブロックを配置する形態に応じて、電池ブロック連結体を複数離間して配置するような構成も可能である。例えば図6の平面図に示すように、複数の電池ブロック10を配置するような場合は、長手方向の側面に沿って平行に隣接する電池ブロック10同士は連結具で連結する一方、長手方向と同一線上に配置される電池ブロック10同士は、このような連結具による連結を行わない構成としてもよい。電源装置を配置する空間によっては、必ずしも纏まった箱形の空間が与えられるとは限らず、複雑な形状の空間内に配置することも考えられる。特に車載用途のように、スペースが限られている上、他に配置すべき部材が多数存在するような用途においては、このようなスペースの形状の制約を受けることが多い。例えば図6の平面図に示すように、特殊な形状に電池ブロックを配置することが必要な場合も存在し得る。そこで、電池ブロックの配置の自由度を増すために、連結具を使用して電池ブロック同士を連結した電池ブロック連結体を構成しつつも、必ずしもすべての電池ブロックを常に連結することを要求するのでなく、電源装置に与えられた空間に応じて離間して配置するような構成も可能とすることで、より柔軟な電池ブロックの配置が可能となる。加えて、上述の通りフロアパネルを使用することで、電池ブロックを複数段に積層した立て積みの形態も可能となり、水平方向への配置と組み合わせて、一層柔軟な電池ブロックのレイアウトが実現される。
【0045】
一方で、各電池セルは、大電流での充放電等によって内部のガス圧が上昇した際に、開弁して内圧の上昇を回避するための安全弁3を設けている。また電源装置には、安全弁3を開弁してガスを放出した際に、このガスが意図しない部位から漏れ出さないよう、所定の経路に案内するためのガス排出路が設けられる。このため電池ブロック10の上面には、安全弁ダクト24が配置される。安全弁ダクト24は、高圧、高温のガスが排出された際に破壊されない十分な強度に設計され、好ましくは耐熱性、剛性に優れたステンレスなどの金属製とする。図2等に示す例では、安全弁ダクト24は中空の箱形に形成され、図示しないガス排出経路と気密に連通されており、このガス排出経路に案内されて安全に外部に排出される。また安全弁ダクト24を電池ブロック10の安全弁3に気密に連通するために、シール部材20が設けられている。
【0046】
シール部材20は、弾性を有するシート状の部材であり、シリコーン系樹脂等が利用できる。シール部材20は図2に示すように電池ブロック10の上面に載置した際に、各安全弁3の位置と対応する位置にシール開口部21が各々開口されている。シール開口部21は、安全弁3の外周とほぼ等しい大きさ或いはこれよりも若干大きく形成される。
【0047】
またシール部材20と封口板4との間に隙間が生じないよう、シール部材20を封口板4上面に押圧する押圧部22を、シール部材20の上面に設け、押圧部22と封口板4とでシール部材20を狭持してシール部材20を弾性変形させることで、気密性を維持している。押圧部22にも、シール部材20と同様に安全弁3の位置に押圧開口部23が開口されており、さらに押圧部22の上には安全弁ダクト24が固定されている。これにより、安全弁3と安全弁ダクト24とがシール開口部21及び押圧開口部23を介して連通される。また押圧部22とシール部材20との界面に、接着材を塗布するなどしてこれらを固定することが好ましい。
(ガスダクト30)
【0048】
また電池ブロック10には、ガスダクト30が接続される。図13の斜視図に示す例では、長手方向に平行に3つの電池ブロック10を並べた状態で、各電池ブロック10の安全弁3及び安全弁ダクト24と連なるガス排出路が、ガスダクト30と連通されている。各電池セル1の安全弁3から排出された排出ガスは、安全弁ダクト24に集められた後、ガスダクト30に案内されて外部に安全に排出される。
【0049】
このガスダクト30は、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けられている。これにより、電池ブロック10の外形の肥大化を抑制できる。すなわち、従来のガスダクトは、ガスを集めやすい上側に配置されていたところ、このような配置では、電池ブロックの高さが大きくなって電源装置の肥大化に繋がる。このため、限られたスペース内に電源装置を配置することの障害となっていた。また電池ブロックの側面側に配置しようとしても、高電圧配専用のハーネス類と干渉してしまう。そこで本実施の形態においては、ガスダクト30を電池ブロック10の下面側に配置することで、このような大型化の問題を回避し、電源装置の小型化に寄与し得る。特に電池ブロック10の側面に沿わせたり、あるいは隣接する電池ブロック10同士の隙間を利用してガスダクト30を配置することで、効率よくガスの排出が可能となる。図6に示す平面図の例では、様々なパターンに配置された複数の電池ブロック10に対して、ガスダクト30を電池ブロック10同士の隙間部分に配置して、排出ガスの排出経路を構成できる。
【0050】
また、本実施の形態では、安全弁3から電池セル1の上面側に排出された排出ガスを、下面側に配置したガスダクト30まで案内するための配管として、エンドプレート7配管8をエンドプレート77に内蔵させている。これによって、排出ガスを電池セル1の上面から下面側に案内するために必要となる配管のためのスペースを別途設ける必要をなくすことができ、この点においても電源装置の小型化に有利となる。
【0051】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置)
【0052】
図14に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置)
【0053】
また図15に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(蓄電用電源装置)
【0054】
さらに、この電源装置は、移動体用の動力源としてのみならず、載置型の蓄電用設備としても利用できる。例えば家庭用、工場用の電源として、太陽光や深夜電力等で充電し、必要時に放電する電源システム、あるいは日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機用のバックアップ電源等にも利用できる。このような例を図16に示す。この図に示す電源装置100は、複数の電池パック81をユニット状に接続して電池ユニット82を構成している。各電池パック81は、複数の角型電池セル1が直列及び/又は並列に接続されている。各電池パック81は、電源コントローラ84により制御される。この電源装置100は、電池ユニット82を充電用電源CPで充電した後、負荷LDを駆動する。このため電源装置100は、充電モードと放電モードを備える。負荷LDと充電用電源CPはそれぞれ、放電スイッチDS及び充電スイッチCSを介して電源装置100と接続されている。放電スイッチDS及び充電スイッチCSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ84は充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをOFFに切り替えて、充電用電源CPから電源装置100への充電を許可する。また充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で負荷LDからの要求に応じて、電源コントローラ84は充電スイッチCSをOFFに、放電スイッチDSをONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷LDへの放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをONにして、負荷LDの電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0055】
電源装置100で駆動される負荷LDは、放電スイッチDSを介して電源装置100と接続されている。電源装置100の放電モードにおいては、電源コントローラ84が放電スイッチDSをONに切り替えて、負荷LDに接続し、電源装置100からの電力で負荷LDを駆動する。放電スイッチDSはFET等のスイッチング素子が利用できる。放電スイッチDSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって制御される。また電源コントローラ84は、外部機器と通信するための通信インターフェースを備えている。図16の例では、UARTやRS−232C等の既存の通信プロトコルに従い、ホスト機器HTと接続されている。また必要に応じて、電源システムに対してユーザが操作を行うためのユーザインターフェースを設けることもできる。
【0056】
各電池パック81は、信号端子と電源端子を備える。信号端子は、パック入出力端子DIと、パック異常出力端子DAと、パック接続端子DOとを含む。パック入出力端子DIは、他のパック電池や電源コントローラ84からの信号を入出力するための端子であり、パック接続端子DOは子パックである他のパック電池に対して信号を入出力するための端子である。またパック異常出力端子DAは、パック電池の異常を外部に出力するための端子である。さらに電源端子は、電池パック81同士を直列、並列に接続するための端子である。また電池ユニット82は並列接続スイッチ85を介して出力ラインOLに接続されて互いに並列に接続されている。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置として好適に利用できる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0058】
100、700…電源装置
1…電池セル
2…外装缶
3…安全弁
4…封口板
5…電極端子
6…セパレータ
7…エンドプレート
8…エンドプレート配管;8a…取入口;8b…連結口
9…切り欠き部
10、710、810…電池ブロック
11…電池ブロック連結体
20…シール部材
21…シール開口部
22…押圧部
23…押圧開口部
24…安全弁ダクト
26…回路基板
27…バスバー
30…ガスダクト
32…配管部
33…連結穴
38…高電圧バスバー
39…連結具
40…フロアパネル
41…ベースパネル
42…上面連結機構
43…T字ナット
44…下面連結機構
45…パネル固定穴
48…ナット窪み
52…上面固定部
54…下面固定部
56…パネル下面固定ねじ;56a…ねじ頭
58…ねじ;58a…ねじ頭
81…電池積層体
82…電池ユニット
84…電源コントローラ
85…並列接続スイッチ
93…モータ
94…発電機
95…インバータ
96…エンジン
712…電源ケース
814…支持ブロック
HV、EV…車両
LD…負荷;CP…充電用電源;DS…放電スイッチ;CS…充電スイッチ
OL…出力ライン;HT…ホスト機器
DI…パック入出力端子;DA…パック異常出力端子;DO…パック接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート(7)とを有する電池ブロック(10)を備え、該電池ブロック(10)を複数配置してなる電源装置であって、
さらに、前記電池ブロック(10)が平面状に並んで配置されるベースパネル(41)と、前記電池ブロック(10)の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック(10)が配置可能に構成されるフロアパネル(40)とを備え、
前記電池ブロック(10)のエンドプレート(7)が、
エンドプレート(7)の上面側に配置される前記フロアパネル(40)を固定するための上面固定部(52)と、
エンドプレート(7)の下面側に配置される前記ベースパネル(41)又はフロアパネル(40)を固定するための下面固定部(54)とを有する電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置であって、
前記下面固定部(54)は、該エンドプレート(7)の下面から上面まで貫通する貫通孔からなり、
前記エンドプレート(7)は、前記貫通孔(54)に挿通される固定部材(58)を介して、エンドプレート(7)の下面側に配置される前記ベースパネル(41)又はフロアパネル(40)に固定され、
前記上面固定部(52)は、前記電池ブロック(10)の積層方向に対する直交方向において、前記貫通孔の上面開口が形成される位置よりも、エンドプレート(7)の外側又は内側に位置することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電源装置であって、
前記上面固定部(52)は、前記電池ブロック(10)の積層方向に対する直交方向において、前記下面固定部(54)よりもエンドプレート(7)の内側に位置することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項2に記載の電源装置であって、
前記上面固定部(52)が、前記電池ブロック(10)の積層方向において、上方に向かって突出形成されると共に、
前記電池ブロック(10)の積層方向において、前記貫通孔(54)の上面開口が形成される面が、前記上面固定部(52)の上端面よりも下方位置となることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置であって、
前記固定部材(58)は、前記フロアパネル(40)の上面に配置される前記電池ブロック(10)を固定するために、該電池ブロック(10)のエンドプレート(7)の上面から前記貫通孔(54)に挿通されると共に、前記フロアパネル(40)の下面から所定高さ分突出させた状態で固定され、
さらに前記フロアパネル(40)は、前記上面固定部(52)と対向する位置に、前記上面固定部(52)へ向かって前記所定高さ分突出する下面連結機構(44)を設けることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電源装置であって、
前記フロアパネル(40)又はベースパネル(41)は、その上面に前記電池ブロック(10)のエンドプレート(7)を固定するためのブロック固定穴を設けると共に、
前記ブロック固定穴を、T字ナット(43)で構成してなり、
さらに前記エンドプレート(7)は、その底面において前記T字ナット(43)を配置するためのナット窪み(48)を設けてなることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の電源装置を備える車両。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一に記載の電源装置を備える蓄電装置。
【請求項1】
複数の角形の電池セルと、端面に配置されるエンドプレート(7)とを有する電池ブロック(10)を備え、該電池ブロック(10)を複数配置してなる電源装置であって、
さらに、前記電池ブロック(10)が平面状に並んで配置されるベースパネル(41)と、前記電池ブロック(10)の上面に配置され、上面に別の前記電池ブロック(10)が配置可能に構成されるフロアパネル(40)とを備え、
前記電池ブロック(10)のエンドプレート(7)が、
エンドプレート(7)の上面側に配置される前記フロアパネル(40)を固定するための上面固定部(52)と、
エンドプレート(7)の下面側に配置される前記ベースパネル(41)又はフロアパネル(40)を固定するための下面固定部(54)とを有する電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置であって、
前記下面固定部(54)は、該エンドプレート(7)の下面から上面まで貫通する貫通孔からなり、
前記エンドプレート(7)は、前記貫通孔(54)に挿通される固定部材(58)を介して、エンドプレート(7)の下面側に配置される前記ベースパネル(41)又はフロアパネル(40)に固定され、
前記上面固定部(52)は、前記電池ブロック(10)の積層方向に対する直交方向において、前記貫通孔の上面開口が形成される位置よりも、エンドプレート(7)の外側又は内側に位置することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電源装置であって、
前記上面固定部(52)は、前記電池ブロック(10)の積層方向に対する直交方向において、前記下面固定部(54)よりもエンドプレート(7)の内側に位置することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項2に記載の電源装置であって、
前記上面固定部(52)が、前記電池ブロック(10)の積層方向において、上方に向かって突出形成されると共に、
前記電池ブロック(10)の積層方向において、前記貫通孔(54)の上面開口が形成される面が、前記上面固定部(52)の上端面よりも下方位置となることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置であって、
前記固定部材(58)は、前記フロアパネル(40)の上面に配置される前記電池ブロック(10)を固定するために、該電池ブロック(10)のエンドプレート(7)の上面から前記貫通孔(54)に挿通されると共に、前記フロアパネル(40)の下面から所定高さ分突出させた状態で固定され、
さらに前記フロアパネル(40)は、前記上面固定部(52)と対向する位置に、前記上面固定部(52)へ向かって前記所定高さ分突出する下面連結機構(44)を設けることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電源装置であって、
前記フロアパネル(40)又はベースパネル(41)は、その上面に前記電池ブロック(10)のエンドプレート(7)を固定するためのブロック固定穴を設けると共に、
前記ブロック固定穴を、T字ナット(43)で構成してなり、
さらに前記エンドプレート(7)は、その底面において前記T字ナット(43)を配置するためのナット窪み(48)を設けてなることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の電源装置を備える車両。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一に記載の電源装置を備える蓄電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−114953(P2013−114953A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261336(P2011−261336)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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