説明

電源装置及び電源装置の制御方法

【課題】平滑コンデンサーの異常を適切に検出可能な電源装置を提供する。
【解決手段】整流回路12と、第1平滑コンデンサー14aを有する第1平滑回路14とを備え、交流電源を整流回路12によって整流した後、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aを用いて平滑して、負荷22に対し直流電源を供給する電源装置1において、第1平滑コンデンサー14aの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出するリップル電圧検出部20aと、リップル電圧検出部20aにより検出されたリップル電圧に基づいて、第1平滑コンデンサー14aの異常を検出する制御部20と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平滑コンデンサーを有する電源装置及びこの電源装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整流回路の出力電圧を平滑コンデンサーを用いて平滑して略直流電圧を得る電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−294803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平滑コンデンサーは、電源装置の他の部材と比較して、経年劣化や、電解液の蒸発等により異常が生じやすい部材である。このため、特許文献1に係る電源装置のように平滑コンデンサーを備える電源装置では、平滑コンデンサーの異常を適切に検出したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、平滑コンデンサーの異常を適切に検出可能な電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、整流回路と、平滑コンデンサーを有する平滑回路とを備え、交流電源を前記整流回路によって整流した後、前記平滑回路の前記平滑コンデンサーを用いて平滑して、負荷に対し直流電源を供給する電源装置において、前記平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出するリップル電圧検出部と、前記リップル電圧検出部により検出されたリップル電圧に基づいて、前記平滑コンデンサーの異常を検出する異常検出部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、平滑コンデンサーの異常とは、継続して使用することができない程度に、平滑コンデンサーが劣化している状態をいう。
そして、平滑コンデンサーの劣化が進み、平滑コンデンサーの容量の減少化が進めば進むほど、平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧は大きくなるという特性がある。このため、上記構成のようにリップル電圧検出部により検出したリップル電圧に基づいて、平滑コンデンサーに異常が生じていることを検出することにより、上述した特性を利用して平滑コンデンサーに異常が生じていることを適切に検出することができる。
【0006】
ここで、上記発明の電源装置において、前記負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断部と、前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、前記遮断部により前記負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断制御部と、を備えたようにしてもよい。
この構成によれば、平滑コンデンサーに異常が生じている状態で、負荷に対し直流電源が供給されることを防止でき、負荷に対して悪影響が及ぶことを防止できる。
【0007】
また、上記発明の電源装置において、前記平滑回路を複数備えると共に、前記整流回路の電力の供給先を複数の前記平滑回路のいずれかに切り換える切替スイッチと、前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、前記切替スイッチにより異常が検出されていない前記平滑コンデンサーを有する前記平滑回路に、前記整流回路の電力の供給先を切り替える切替制御部と、を備えたようにしてもよい。
この構成によれば、ある平滑回路の平滑コンデンサーに異常が生じた場合であっても、他の平滑回路に切り替えることによって、電源装置を継続して利用でき、電源装置の長寿命化を図ることができる。
【0008】
また、上記発明の電源装置において、負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断部と、前記異常検出部により前記平滑回路が有する前記平滑コンデンサーの全てについて異常が検出された場合、前記遮断部により負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断制御部と、を備えたようにしてもよい。
この構成によれば、ある平滑回路の平滑コンデンサーに異常が生じた場合は他の平滑回路に切り替えることによって、電源装置の長寿命化を実現した上で、全ての平滑コンデンサーに異常が生じた状態で、負荷に対し直流電源が供給されることを防止でき、負荷に対して悪影響が及ぶことを防止できる。
【0009】
また、上記発明の電源装置において、前記切替制御部により前記整流回路の電力の供給先の切り替えが行われた場合、その旨報知する切替報知部を備えたようにしてもよい。
この構成によれば、使用していた平滑コンデンサーの異常に起因して、他の平滑コンデンサーを有する平滑回路に整流回路の電力の供給先を変更したことを報知することによって、異常が生じた平滑コンデンサーの原因の究明をユーザーに促すことができると共に、他の平滑コンデンサーにも異常が生じ、電源装置が完全に利用不可能となってしまった場合に備えて、予備の電源装置を準備するための期間をユーザーに提供することができる。
【0010】
また、上記発明の電源装置において、前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、その旨報知する異常報知部を備えたようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーは平滑コンデンサーに異常が検出されたことを容易かつ迅速に認識できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、交流電源を整流回路によって整流した後、平滑回路の平滑コンデンサーを用いて平滑して、負荷に対し直流電源を供給する電源装置の制御方法であって、前記平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出し、検出したリップル電圧に基づいて、前記平滑コンデンサーの異常を検出することを特徴とする。
この制御方法によれば、平滑コンデンサーの劣化が進み、平滑コンデンサーの容量の減少化が進めば進むほど、平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧は大きくなるという特性を利用して、平滑コンデンサーに異常が生じていることを適切に検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出し、検出したリップル電圧に基づいて、平滑コンデンサーに異常が生じていることを適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】電源装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電源装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、電源装置1は、商用電源入力端子10と、ヒューズ11と、整流回路12と、切替スイッチ13と、第1平滑回路14と、第2平滑回路15と、遮断回路16(遮断部)と、電圧変換回路17と、出力電圧検出部18と、A/D変換部19と、制御部20と、報知部21と、を備えている。
商用電源入力端子10は、商用電源としての交流電源からの電源電力を入力する端子である。商用電源入力端子10には、例えば、電圧が100V、周波数が50Hz又は60Hzの商用電源が入力される。
ヒューズ11は、何らかのトラブル(例えば、短絡事故)により商用電源から電源装置1に対して過大な電流が流れた場合に溶断して、過電流に起因して電源装置1が破損することを防止する。なお、ヒューズ11の代わりに、電磁リレー等を使用してもよい。
整流回路12は、半導体ダイオードを複数備え、商用電源の交流電圧を整流して出力する。
【0015】
切替スイッチ13は、制御部20の制御の下、後述するように、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aに異常が検出された場合、整流回路12の電力の供給先を、第1平滑回路14から第2平滑回路15へ切り替えるスイッチである。
第1平滑回路14は、第1平滑コンデンサー14aを備え、この第1平滑コンデンサー14aを用いて整流回路12において整流された電圧を平滑して、出力する。
第2平滑回路15は、第2平滑コンデンサー15aを備え、この第2平滑コンデンサー15aを用いて整流回路12において整流された電圧を平滑して、出力する。
なお、本実施形態では、第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aとして、アルミ電解コンデンサーが利用されている。アルミ電解コンデンサーは、周囲温度が高ければ高いほど劣化が進み、また、電解液の漏れや蒸発等に起因して劣化が進むため、比較的劣化しやすい部材とされている。このため、特に、アルミ電解コンデンサーの劣化に起因した異常の発生を適切に検出したいとするニーズがある。
遮断回路16は、制御部20の制御の下、後述するように、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aの両方に異常が生じた場合に、負荷22に対して供給される直流電源を遮断する。
電圧変換回路17は、第1平滑回路14又は第2平滑回路15から供給される直流電源を、電気機器である負荷22に応じて電圧変換し、当該負荷22に対して供給する。
出力電圧検出部18は、整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14である場合、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aの出力電圧を所定の電圧に分圧した上で、A/D変換部19に出力する。また、出力電圧検出部18は、整流回路12の電力の供給先が第2平滑回路15である場合、第2平滑回路15の第2平滑コンデンサー15aの出力電圧を所定の電圧に分圧した上で、A/D変換部19に出力する。
【0016】
制御部20は、電源装置1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部20は、リップル電圧検出部20aを備えている。
リップル電圧検出部20aは、A/D変換部19に入力されたアナログの電圧を所定のサンプリング周期でデジタル変換し、変換したデジタルな電圧を第1平滑コンデンサー14a又は第2平滑コンデンサー15aの出力電圧として検出する。そして、リップル電圧検出部20aは、検出した第1平滑コンデンサー14a又は第2平滑コンデンサー15aの出力電圧から、当該出力電圧の変動幅、すなわち、出力電圧の最大値と最小値との差をリップル電圧として検出する。
報知部21は、赤色に発光する赤色LED21Rと、黄緑色に発光する緑色LED21Gとの2つのLEDを備え、制御部20の制御の下、これらLEDが所定の態様で発光することにより、電源装置1の状態を報知する。赤色LED21R及び緑色LED21Gの発光の態様については後述する。
【0017】
次いで、電源装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
なお、図2のフローチャートの動作の開始時点では、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aのいずれにも異常が発生しておらず、電源装置1は正常に動作しているものとする。そして、電源装置1の制御部20は、報知部21の緑色LED21Gを点灯することによって、電源装置1が正常に動作していることを報知しているものとする。
また、以下の動作において、制御部20は、第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aの異常を検出する異常検出部、遮断回路16を制御して負荷22に対する直流電源の供給を遮断する遮断制御部、切替スイッチ13を制御して整流回路12の電力の供給先を切り替える切替制御部、報知部21を制御して整流回路12の電力の供給先の切り替えが行われたことを報知する切替報知部、及び、報知部21を制御して第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aの異常が検出されたことを報知する異常報知部として機能する。
【0018】
まず、制御部20は、リップル電圧検出部20aにより検出されたリップル電圧に基づいて、整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14である場合は、第1平滑コンデンサー14aに異常が発生しているか否かを判別し、整流回路12の電力の供給先が第2平滑回路15である場合は、第2平滑コンデンサー15aに異常が発生しているか否かを判別する(ステップSA1)。
本実施形態では、第1平滑コンデンサー14aに異常が発生しているとは、継続して使用することができない程度に、第1平滑コンデンサー14aが劣化している状態をいう。ここで、第1平滑コンデンサー14aの劣化が進み、第1平滑コンデンサー14aの容量の減少化が進めば進むほど、第1平滑コンデンサー14aの出力電圧に含まれるリップル電圧は大きくなる。これを踏まえ、本実施形態では、第1平滑コンデンサー14aを継続して使用できるか否かを判別するためのリップル電圧の閾値が予め定められており、リップル電圧検出部20aにより検出されたリップル電圧がこの閾値を上回る場合、制御部20は、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていると判別し、リップル電圧がこの閾値を下回る場合、制御部20は、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていないと判別する。このことは、第2平滑コンデンサー15aについても同様である。
【0019】
このように、本実施形態では、第1平滑コンデンサー14aを継続して使用できるか否かを判別するためのリップル電圧の閾値が予め定められており、リップル電圧検出部20aにより検出されたリップル電圧が当該閾値よりも高い場合、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていると判別する。これにより、劣化が進めば進むほどリップル電圧が大きくなるという第1平滑コンデンサー14aの特性を利用して、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていることを適切に検出することができる。このことは、第2平滑コンデンサー15aについても同様である。
【0020】
ステップSA1において、第1平滑コンデンサー14a又は第2平滑コンデンサー15aに異常が発生している場合(ステップSA1:YES)、制御部20は、現在の整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14であるか否かを判別する(ステップSA2)。現在の整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14である場合(ステップSA2:YES)、制御部20は、切替スイッチ13を制御して、整流回路12の電力の供給先を第2平滑回路15へと切り替える(ステップSA3)。次に、制御部20は、緑色LED21Gを消灯し、赤色LED21Rを点灯することにより、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aの異常が検出された旨及び整流回路12の電力の供給先を第2平滑回路15へと切り替えた旨報知し(ステップSA4)、処理手順をステップSA1へ戻す。
【0021】
このように、本実施形態では、第1平滑コンデンサー14aに異常が検出された場合、整流回路12の電力の供給先を、異常が検出されていない第2平滑コンデンサー15aを備える第2平滑回路15へ切り替える。これにより、第1平滑コンデンサー14aに異常が発生した場合であっても、電源装置1を継続して利用することが可能となり、電源装置1の長寿命化を実現できる。さらに、第1平滑コンデンサー14aの異常に起因して電源装置1が突然停止することを防止でき、電源装置1の突然の停止に起因して発生する不具合、例えば、負荷22がパーソナルコンピューターである場合において、パーソナルコンピューターが突然シャットダウンし、これにより作業中のデータが消失しまう等の不具合、が発生することを防止できる。
さらに、本実施形態では、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aの異常が検出された旨及び整流回路12の電力の供給先を第2平滑回路15へと切り替えた旨が報知される。これにより、ユーザーは、第1平滑コンデンサー14aに異常が検出されたことを容易かつ迅速に認識できる。さらに、電源装置1を利用可能な状態を維持しつつ、ユーザーに対して、第1平滑コンデンサー14aの異常の原因の究明を促すことができる。さらに、将来第2平滑コンデンサー15aに異常が発生し、電源装置1が完全に利用不可能となってしまった場合に備えて予備の電源装置を準備するための期間をユーザーに提供することができる。
【0022】
さて、ステップSA2において、現在の整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14ではない場合(ステップSA2:NO)、制御部20は、遮断回路16を制御して、負荷22に対する電源の供給を遮断する(ステップSA5)。
ここで、現在の整流回路12の電力の供給先が第1平滑回路14ではないということは、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aの異常が検出された後、整流回路12の電力の供給先が第2平滑回路15へと切り替わり、その後さらに、第2平滑回路15の第2平滑コンデンサー15aに異常が検出された、ということである。
【0023】
このように、本実施形態では、第1平滑コンデンサー14aに続き、第2平滑コンデンサー15aに異常が検出された場合、制御部20は、遮断回路16によって負荷22に対する電源の供給を遮断する。これにより、第2平滑コンデンサー15aに異常が発生した状態で、負荷22に対して電源が供給されることを防止でき、負荷22に対して悪影響が及ぶことを防止できる。特に、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aという、全ての平滑コンデンサーに異常が検出されたときに初めて負荷22への電源の供給が遮断されるため、電源装置1の利用可能期間の長期化、すなわち、電源装置1の長寿命化を実現できる。
【0024】
ステップSA5において負荷22に対する電源の供給を遮断した後、制御部20は、報知部21の赤色LED21Rを点滅させることにより、その旨報知する(ステップSA6)。
このように本実施形態では、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aに異常が検出され、負荷22に対する電源の供給が遮断された場合、その旨報知されるため、ユーザーは、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aの両方に異常が検出されたこと、及び、異常が検出されたため、負荷22に対する電源の供給が遮断されたことを容易に認識することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態に係る電源装置1は、整流回路12と、第1平滑コンデンサー14aを有する第1平滑回路14、第2平滑コンデンサー15aを有する第2平滑回路15とを備え、交流電源を整流回路12によって整流した後、第1平滑回路14、第2平滑回路15の第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aを用いて平滑して、負荷22に対し直流電源を供給する。
そして、電源装置1は、第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出するリップル電圧検出部20aと、リップル電圧検出部20aにより検出されたリップル電圧に基づいて、平滑コンデンサーの異常を検出する制御部20と、を備えている。
このように、リップル電圧検出部20aにより検出したリップル電圧に基づいて、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていることを検出することにより、劣化が進めば進むほどリップル電圧が大きくなるという第1平滑コンデンサー14aの特性を利用して、第1平滑コンデンサー14aに異常が生じていることを適切に検出することができる。このことは、第2平滑コンデンサー15aについても同様である。
【0026】
また、本実施形態では、負荷22に対する直流電源の供給を遮断する遮断回路16を備え、制御部20は、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aの両方に異常が検出された場合、遮断回路16を制御して、負荷22に対する直流電源の供給を遮断する。
この構成によれば、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aに異常が生じている状態で、負荷22に対し直流電源が供給されることを防止でき、負荷22に対して悪影響が及ぶことを防止できる。
【0027】
また、本実施形態に係る電源装置1は、第1平滑回路14、第2平滑回路15という複数の平滑回路を備えると共に、整流回路12の電力の供給先を第1平滑回路14、第2平滑回路15のいずれかに切り換える切替スイッチ13を備えている。そして、制御部20は、第1平滑コンデンサー14aの異常が検出された場合、切替スイッチ13を制御して、異常が検出されていない平滑コンデンサーである第2平滑コンデンサー15aを有する第2平滑回路15に、整流回路12の電力の供給先を切り替える。
これによれば、第1平滑回路14の第1平滑コンデンサー14aに異常が生じた場合であっても、第2平滑回路15に切り替えることによって、電源装置1を継続して利用でき、電源装置1の長寿命化を図ることができる。
特に、上述したように、制御部20は、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aの両方に異常が検出された場合、遮断回路16を制御して、負荷22に対する直流電源の供給を遮断するため、電源装置1の長寿命化を実現した上で、第1平滑コンデンサー14a及び第2平滑コンデンサー15aに異常が生じた状態で、負荷22に対し直流電源が供給されることを防止でき、負荷22に対して悪影響が及ぶことを防止できる。
【0028】
また、本実施形態に係る電源装置1は、制御部20により整流回路12の電力の供給先の切り替えが行われた場合、その旨報知する。
これによれば、これにより、電源装置1を利用可能な状態を維持しつつ、ユーザーに対して、第1平滑コンデンサー14aの異常の原因の究明を促すことができ、さらに、第2平滑コンデンサー15aに異常が発生し、電源装置1が完全に利用不可能となってしまった場合に備えて予備の電源装置を準備するための期間をユーザーに提供することができる。
【0029】
また、本実施形態に係る電源装置1は、第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aの異常が検出された場合、その旨報知する。
これによれば、ユーザーは第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aに異常が検出されたことを容易かつ迅速に認識できる。
【0030】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施形態に係る電源装置1は、第1平滑回路14及び第2平滑回路15の2つの平滑回路を備えていたが、平滑回路の数は2つに限らない。平滑回路の数が多ければ多いほど、電源装置1の長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態では、LEDを利用して、整流回路12の電力の供給先が切り替わったことや、第1平滑コンデンサー14a、第2平滑コンデンサー15aに異常が検出されたことを報知していたが、報知の方法はLEDを利用する方法に限らず、例えば、音声で報知したり、表示パネルを設けてこの表示パネルに表示することによって報知したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…電源装置、12…整流回路、13…切替スイッチ、14…第1平滑回路(平滑回路)、14a…第1平滑コンデンサー(平滑コンデンサー)、15…第2平滑回路(平滑回路)、15a…第2平滑コンデンサー(平滑コンデンサー)、16…遮断回路(遮断部)、20…制御部(異常検出部、遮断制御部、切替制御部、切替報知部、異常放置部)、20a…リップル電圧検出部、22…負荷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流回路と、平滑コンデンサーを有する平滑回路とを備え、交流電源を前記整流回路によって整流した後、前記平滑回路の前記平滑コンデンサーを用いて平滑して、負荷に対し直流電源を供給する電源装置において、
前記平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出するリップル電圧検出部と、前記リップル電圧検出部により検出されたリップル電圧に基づいて、前記平滑コンデンサーの異常を検出する異常検出部と、を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断部と、
前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、前記遮断部により前記負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記平滑回路を複数備えると共に、
前記整流回路の電力の供給先を複数の前記平滑回路のいずれかに切り換える切替スイッチと、前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、前記切替スイッチにより異常が検出されていない前記平滑コンデンサーを有する前記平滑回路に、前記整流回路の電力の供給先を切り替える切替制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断部と、
前記異常検出部により前記平滑回路が有する前記平滑コンデンサーの全てについて異常が検出された場合、前記遮断部により負荷に対する直流電源の供給を遮断する遮断制御部と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記切替制御部により前記整流回路の電力の供給先の切り替えが行われた場合、その旨報知する切替報知部を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の電源装置。
【請求項6】
前記異常検出部により前記平滑コンデンサーの異常が検出された場合、その旨報知する異常報知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
交流電源を整流回路によって整流した後、平滑回路の平滑コンデンサーを用いて平滑して、負荷に対し直流電源を供給する電源装置の制御方法であって、
前記平滑コンデンサーの出力電圧に含まれるリップル電圧を検出し、検出したリップル電圧に基づいて、前記平滑コンデンサーの異常を検出することを特徴とする電源装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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