説明

電源装置

【課題】メイン蓄電体とサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットの電力容量利用効率を向上させる。
【解決手段】蓄電ユニット(出力電圧Vu)には、メイン蓄電体(電圧Vm)とサブ蓄電体(電圧Vs)とが設けられるとともに、これら蓄電体の接続状態を切り換えるリレースイッチS1,S2が設けられる。リレースイッチS1,S2を直列解除状態とすると、メイン蓄電体からサブ蓄電体が切り離され、リレースイッチS1,S2を直列接続状態とすると、メイン蓄電体にサブ蓄電体が直列接続される。メイン蓄電体は電力容量の大きなリチウムイオンキャパシタによって構成され、サブ蓄電体は出力電圧の低い電気二重層キャパシタによって構成される。これにより、許容電圧幅が狭くてもサブ蓄電体を直列接続することでき、電力容量利用効率を向上させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン蓄電体とサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットが設けられる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、出力密度の良好なリチウムイオンバッテリ、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスが開発されている。これらの蓄電デバイスは、放電に伴って出力電圧が下がり易いことから、蓄電デバイスの電力容量利用効率(エネルギー利用効率)を向上させることが困難となっていた。すなわち、蓄電デバイスを電源として利用するシステムには、そのシステムが許容する出力電圧の範囲が設定されている。このため、蓄電デバイスの放電に伴って出力電圧がシステムの下限電圧まで低下した後には、蓄電デバイスに残存するエネルギーを利用することが不可能となっていた。
【0003】
このような問題を解消するため、蓄電デバイスをメイン蓄電体とサブ蓄電体とによって構成し、メイン蓄電体に対してサブ蓄電体を直列接続自在に設けるようにした電源装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。この電源装置によれば、メイン蓄電体だけを用いてシステムの下限電圧まで放電させた後に、メイン蓄電体にサブ蓄電体を直列に接続することにより、出力電圧を回復させることが可能となる。これにより、再びメイン蓄電体を放電させることができるため、メイン蓄電体に残存するエネルギーを有効に利用することができ、蓄電デバイスの電力容量利用効率を向上させることが可能となる。
【特許文献1】特開平11−346436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載される電源装置のように、同種のキャパシタやバッテリによってメイン蓄電体およびサブ蓄電体を構成することは、蓄電デバイスの電力容量利用効率の低下を招いたり、蓄電デバイスの電力容量低下を招いたりする要因となっていた。例えば、リチウムイオンキャパシタやリチウムイオンバッテリは、正極と負極とに異なる材料を用いた蓄電体であるため、0Vまで放電させることが実質不可能であった。このように、0Vまで放電不可能なリチウムイオンキャパシタ(終止電圧、約2V)等を用いて、メイン蓄電体およびサブ蓄電体を構成した場合には、サブ蓄電体の直列接続によって蓄電デバイスの出力電圧が2V以上引き上げられることになる。このため、システム側の許容電圧幅によってはサブ蓄電体を接続することが困難となることから、蓄電デバイスの電力容量利用効率が低下することになっていた。また、特許文献1に記載される電源装置のように、電力容量の低い電気二重層キャパシタを用いてメイン蓄電体およびサブ蓄電体を構成した場合には、メイン蓄電体の電力容量を確保することが困難となることから、蓄電デバイスの電力容量が低下することになっていた。
【0005】
本発明の目的は、メイン蓄電体およびサブ蓄電体の特性を適切に設定することにより、電力容量利用効率および電力容量を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電源装置は、メイン蓄電体と、前記メイン蓄電体よりも低電圧のサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットと、前記蓄電ユニットに設けられ、前記メイン蓄電体に前記サブ蓄電体を直列に接続する直列接続状態と、前記メイン蓄電体から前記サブ蓄電体を切り離す直列解除状態とに切り換えられるスイッチ手段と、前記蓄電ユニットの充放電状態に基づいて、前記スイッチ手段を直列接続状態と直列解除状態とに切り換えるスイッチ制御手段とを有し、前記メイン蓄電体は、0Vまで放電が不可能な蓄電体であり、前記サブ蓄電体は、0Vまでの放電が可能な蓄電体であることを特徴とする。
【0007】
本発明の電源装置は、前記メイン蓄電体は、リチウムイオンキャパシタまたはリチウムイオンバッテリであることを特徴とする。
【0008】
本発明の電源装置は、前記サブ蓄電体は、電気二重層キャパシタであることを特徴とする。
【0009】
本発明の電源装置は、前記サブ蓄電体の電流容量は、前記メイン蓄電体の電流容量以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明の電源装置は、メイン蓄電体と、前記メイン蓄電体よりも低電圧のサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットと、前記蓄電ユニットに設けられ、前記メイン蓄電体に前記サブ蓄電体を直列に接続する直列接続状態と、前記メイン蓄電体から前記サブ蓄電体を切り離す直列解除状態とに切り換えられるスイッチ手段と、前記蓄電ユニットの充放電状態に基づいて、前記スイッチ手段を直列接続状態と直列解除状態とに切り換えるスイッチ制御手段とを有し、前記メイン蓄電体は、0Vまで放電が不可能な蓄電体であり、前記サブ蓄電体は、電解液として水系電解液を備え、酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体であることを特徴とする。
【0011】
本発明の電源装置は、前記メイン蓄電体は、リチウムイオンキャパシタまたはリチウムイオンバッテリであることを特徴とする。
【0012】
本発明の電源装置は、前記サブ蓄電体は、ニッケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、または鉛バッテリであることを特徴とする。
【0013】
本発明の電源装置は、前記サブ蓄電体の電流容量は、前記メイン蓄電体の電流容量以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メイン蓄電体を0Vまで放電不可能な蓄電体によって構成したので、蓄電ユニットの電力容量を大きく確保することが可能となる。また、スイッチ手段を用いてメイン蓄電体に直列接続されるサブ蓄電体を0Vまで放電可能な蓄電体によって構成したので、蓄電ユニットの許容電圧幅が狭い場合であっても、メイン蓄電体にサブ蓄電体を直列接続することができ、蓄電ユニットの電力容量利用効率を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明によれば、メイン蓄電体を0Vまで放電不可能な蓄電体によって構成したので、蓄電ユニットの電力容量を大きく確保することが可能となる。また、スイッチ手段を用いてメイン蓄電体に直列接続されるサブ蓄電体を、水系電解液を備えるとともに酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体によって構成したので、蓄電ユニットの許容電圧幅が狭い場合であっても、メイン蓄電体にサブ蓄電体を直列接続することができ、蓄電ユニットの電力容量利用効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である電源装置10が搭載された車両11の一部を示す概略図である。図1に示すように、車両11にはパワーユニット12が搭載されており、このパワーユニット12はエンジン13とこれに連結される変速機14とによって構成されている。また、変速機14の出力軸15にはプロペラシャフト16が接続されており、プロペラシャフト16と駆動輪17との間にはデファレンシャル機構18が設けられている。そして、エンジン13から出力される動力は、変速機14、プロペラシャフト16、デファレンシャル機構18を介して左右の駆動輪17に伝達されることになる。
【0017】
また、エンジン13にはスタータモータ20が組み付けられており、このスタータモータ20を駆動することでエンジン13を始動回転させることが可能となっている。さらに、エンジン13には駆動ベルト21を介してオルタネータ22が連結されており、エンジン動力によってオルタネータ22を発電駆動することが可能となっている。また、車両11には、ドアロックシステムやセキュリティシステム等の作動システムを構成する各種電気機器23が搭載されている。さらに、スタータモータ20や各種電気機器23等に対して電力を供給するとともに、オルタネータ22によって発電された電力を蓄えるため、車両11には蓄電ユニット24が搭載されている。
【0018】
なお、オルタネータ22の発電電圧は、ローレベル(例えば13V)とハイレベル(例えば15V)とに切り換えることが可能となっている。車両制動時にはオルタネータ22の発電電圧をハイレベルに切り換えることにより、車両11の運動エネルギーを積極的に電気エネルギーに変換して蓄電ユニット24に回収することが可能となっている。このハイレベルの発電電圧は、各種電気機器23の耐電圧を超えないレベルに設定されている。一方、車両制動時以外にはオルタネータ22の発電電圧をローレベルに切り換えることにより、各種電気機器23を正常に作動させるために必要な電圧レベルを確保しつつ、オルタネータ22を駆動するエンジン13の負荷を軽減することが可能となっている。
【0019】
また、スタータモータ20、オルタネータ22、各種電気機器23、蓄電ユニット24等を制御するため、電源装置10には制御ユニット25が設けられている。この制御ユニット25は、図示しない各種センサからの入力信号に基づいて制御信号を演算し、スタータモータ20、オルタネータ22、各種電気機器23、蓄電ユニット24等に対して制御信号を出力することになる。なお、制御ユニット25は、制御信号等を演算するCPUを備えるとともに、制御プログラム、演算式、データ等を格納するROMや、一時的にデータを格納するRAMを備えている。
【0020】
図2は電源装置10の構成を示す概略図である。なお、図2において図1に示す部材と同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、蓄電ユニット24は、4つのキャパシタセル30からなるメイン蓄電体31を有しており、このキャパシタセル30はリチウムイオンキャパシタとして構成されている。また、蓄電ユニット24は、1つのキャパシタセル32からなるサブ蓄電体33を有しており、このキャパシタセル32は電気二重層キャパシタとして構成されている。
【0021】
ここで、メイン蓄電体31を構成するリチウムイオンキャパシタとは、リチウムイオンバッテリと電気二重層キャパシタとの蓄電原理を組み合わせた蓄電デバイスである。このリチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタに用いられる活性炭等を正極活物質として採用することにより、正極側では電気二重層を利用して電荷を蓄積する一方、リチウムイオンバッテリに用いられるポリアセン系有機半導体(PAS)等の炭素系材料を負極活物質として採用することにより、負極側では炭素系材料にリチウムイオンを担持(ドーピング)させて電荷を蓄積している。また、リチウムイオンキャパシタには非水系有機電解液が採用されている。この非水系有機電解液としては、リチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒(エチレンカーボネート等)を用いることが好ましい。また、負極の炭素系材料にはリチウムイオンが予めドーピングされており、負極電位を低下させてエネルギー密度が引き上げられている。そのため、このリチウムイオンキャパシタにあっては、正極容量に対し負極容量が大きくなるため、過放電になると正極電位が下限電位を下回り、電解液の還元分解等の不具合が生じる場合があり、端子電圧が0Vに達するまで放電不可能な蓄電体となっている。
【0022】
また、サブ蓄電体33を構成する電気二重層キャパシタとは、分極性電極と電解液との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積するようにした蓄電デバイスである。この電気二重層キャパシタの分極性電極を構成する材料としては、炭素系材料を用いることが可能であるが、中でも活性炭を用いて分極性電極を構成することが好ましい。また、活性炭としては、やしがら等の天然物を原料に生成される活性炭、コークス等の石炭石油を原料に生成される活性炭、フェノール樹脂等の合成樹脂を原料に生成される活性炭等が挙げられる。また、電気二重層キャパシタには水系電解液あるいは非水系有機電解液が用いられている。水系電解液としては硫酸水溶液等が挙げられ、非水系有機電解液としては種々の電解質(例えば四級アンモニウム塩)を含むプロピレンカーボネート等が挙げられる。この電気二重層キャパシタにあっては、一般的に正極、負極ともに同じ活性炭を同量用いており、同じ反応で電荷を蓄えてエネルギーを貯蔵しているため、正極容量と負極容量とがほぼ等しく、端子電圧が0Vに達するまで放電可能な蓄電体となっている。
【0023】
図2に示すように、メイン蓄電体31の正極端子31aとサブ蓄電体33の負極端子33bとは接続されている。また、蓄電ユニット24の正極端子24aとメイン蓄電体31の正極端子31aとの間にはリレースイッチ(スイッチ手段)S1が設けられており、蓄電ユニット24の正極端子24aとサブ蓄電体33の正極端子33aとの間にはリレースイッチS2(スイッチ手段)が設けられている。リレースイッチS1を閉じてリレースイッチS2を開くことにより、リレースイッチS1,S2は直列解除状態となり、メイン蓄電体31からサブ蓄電体33が切り離される。これにより、蓄電ユニット24の出力電圧Vuは、メイン蓄電体31のメイン電圧Vmと等しい電圧値に設定されることになる。一方、リレースイッチS1を開いてリレースイッチS2を閉じることにより、リレースイッチS1,S2は直列接続状態となり、メイン蓄電体31に対してサブ蓄電体33が直列に接続される。これにより、蓄電ユニット24の出力電圧Vuは、メイン蓄電体31の電圧Vmとサブ蓄電体33のサブ電圧Vsとを合算した電圧値に設定されることになる。また、蓄電ユニット24には出力電圧Vuを検出する電圧センサ34が設けられており、電圧センサ34から制御ユニット25に向けて出力電圧Vuの値が出力されている。そして、スイッチ制御手段として機能する制御ユニット25は、蓄電ユニット24の出力電圧Vuに基づいてリレースイッチS1,S2を開閉制御することになる。なお、蓄電ユニット24の充放電状態を示す情報として出力電圧Vuを用いているが、これに限られることはなく、メイン蓄電体31の電圧Vmを充放電状態として利用することにより、電圧Vmに基づいてリレースイッチS1,S2を開閉制御しても良い。
【0024】
また、メイン蓄電体31を構成するキャパシタセル30は、使用可能電圧幅が3.6V〜2.0V、電流容量が1Ah、電力容量が2.8Whに設計されており、サブ蓄電体33を構成するキャパシタセル32は、使用可能電圧幅が2.5V〜0.0V、電流容量が1Ah、電力容量が1.25Whに設計されている。また、出力電圧Vuの許容電圧幅は13V以上、15V以下に設計されている。この許容電圧幅の範囲内に出力電圧Vuを制御することにより、スタータモータ20や各種電気機器23を正常に作動させることが可能となっている。また、許容電圧幅に出力電圧Vuを収めるため、メイン蓄電体31の実際の電圧利用範囲は14.4V〜11.6Vに設計されており、サブ蓄電体33の実際の電圧利用範囲は2.0V〜1.4Vに設計されている。このように、サブ蓄電体33はメイン蓄電体31よりも低電圧となるように構成されている。なお、前述した使用可能電圧幅や電圧利用範囲等の諸条件は、車両側から要求される条件に応じて適宜設定されるものであり、他の使用可能電圧幅や電圧利用範囲等を採用しても良いことはいうまでもない。
【0025】
続いて、制御ユニット25によるリレースイッチS1,S2の開閉制御について説明する。図3は蓄電ユニット24を放電させる際の電圧Vu,Vm,Vsの変動状況を示す説明図である。なお、図3には、蓄電ユニット24が満充電状態(Vm=14.4V,Vs=2.0V)まで充電された後に、蓄電ユニット24から各種電気機器23に対して放電が行われる状況が示されている。なお、蓄電ユニット24からの放電電流は10Aである。
【0026】
図3に示すように、メイン蓄電体31の電圧Vmが下限電圧A1である13Vを上回る場合には、制御ユニット25によってリレースイッチS1,S2が直列解除状態に切り換えられ、蓄電ユニット24内のメイン蓄電体31から各種電気機器23に対して電力が供給される。続いて、出力電圧Vu(Vu=Vm)が下限電圧A1まで低下すると(符号a)、制御ユニット25はリレースイッチS1,S2を直列接続状態に切り換え、蓄電ユニット24内のメイン蓄電体31およびサブ蓄電体33から各種電気機器23に対して電力が供給されることになる。すなわち、リレースイッチS1,S2を直列接続状態に切り換えることにより、出力電圧Vuがサブ蓄電体33の電圧Vs分だけ引き上げられるため、蓄電ユニット24の放電を継続させることが可能となる。このような放電状態は、メイン蓄電体31とサブ蓄電体33とを直列接続した状態のもとで、出力電圧Vu(Vu=Vm+Vs)が下限電圧A1に達するまで継続させることが可能となる(符号b)。このように蓄電ユニット24を放電させることにより、メイン蓄電体31の実際の電圧利用範囲は14.4V〜11.6Vとなり、サブ蓄電体33の実際の電圧利用範囲は2.0V〜1.4Vとなる。
【0027】
なお、放電された蓄電ユニット24を充電する際には、出力電圧Vuが上限電圧A2に達するまでは、リレースイッチS1,S2が直列接続状態に保持され、メイン蓄電体31とサブ蓄電体33との双方に充電が施される。そして、出力電圧Vu(Vu=Vm+Vs)が上限電圧A2まで上昇すると、制御ユニット25はリレースイッチS1,S2を直列解除状態に切り換え、メイン蓄電体31に対して充電が施されることになる。
【0028】
続いて、蓄電ユニット24の電力容量利用効率について説明する。前述したように、使用可能電圧幅(14.4V〜8.0V)のメイン蓄電体31を14.4Vから11.6Vまで放電させることから、以下の式(1)に基づいて、メイン蓄電体31からの放電電流容量は0.44Ahと算出される。また、14.4Vから11.6Vまで放電したメイン蓄電体31の平均電圧は13Vである。これらの放電電流容量と平均電圧とを乗算することにより、メイン蓄電体31から放出された電力容量は5.7Whと算出される。
放電電流容量={(14.4V−11.6V)/(14.4V−8.0V)}×1Ah…(1)
【0029】
また、使用可能電圧幅(2.5V〜0.0V)のサブ蓄電体33を2.0Vから0.0Vまで放電させることから、以下の式(2)に基づいて、サブ蓄電体33からの放電電流容量は0.24Ahと算出される。また、2.0Vから1.4Vまで放電したサブ蓄電体33の平均電圧は1.7Vである。これらの放電電流容量と平均電圧とを乗算することにより、サブ蓄電体33から放出された電力容量は0.41Whと算出される。すなわち、メイン蓄電体31から放出された電力容量は5.7Whであり、サブ蓄電体33から放出された電力容量は0.41Whであるため、蓄電ユニット24から放出された電力容量は6.11Whとなる。
放電電流容量={(2.0V−1.4V)/(2.5V−0.0V)}×1Ah…(2)
【0030】
一方、キャパシタセル30の電力容量が2.8Whであるため、満充電状態におけるメイン蓄電体31の電力容量は11.2Whとなる。また、キャパシタセル32の電力容量が1.25Whであるため、満充電状態におけるサブ蓄電体33の電力容量は1.25Whとなる。それぞれの電力容量を加算することにより、満充電状態における蓄電ユニット24の電力容量は12.45Whとなる。このように、放電前に蓄えられていた蓄電ユニット24の電力容量が12.45Whであり、蓄電ユニット24から放電された電力容量が6.11Whであるため、蓄電ユニット24の電力容量利用効率は49%となる。
【0031】
ここで、サブ蓄電体33がリチウムイオンキャパシタやリチウムイオンバッテリによって構成されたとすると、リチウムイオンキャパシタ等の終止電圧は約2〜3Vであるため、出力電圧Vuの許容電圧幅が2Vに設計される場合には、メイン蓄電体31にサブ蓄電体33を直列接続することが不可能となる。すなわち、サブ蓄電体33をリチウムイオンキャパシタ等によって構成した場合には、メイン蓄電体31が14.4Vから13Vまで放電した時点で、蓄電ユニット24の放電が終了することになる。
【0032】
以下、メイン蓄電体31を14.4Vから13Vまで放電させたときの電力容量利用効率について説明する。使用可能電圧幅が14.4V〜8.0Vであるメイン蓄電体31を、14.4Vから13.0Vまで放電させることから、以下の式(3)に基づいて、メイン蓄電体31からの放電電流容量は0.22Ahと算出される。また、14.4Vから13.0Vまで放電したメイン蓄電体31の平均電圧は13.7Vである。そして、放電電流容量と平均電圧とを乗算することにより、メイン蓄電体31から放出された電力容量は3.0Whと算出される。一方、満充電状態におけるメイン蓄電体31の電力容量は、前述したように11.2Whとなる。すなわち、放電前に蓄えられていたメイン蓄電体31の電力容量が11.2Whであり、蓄電ユニット24から放電された電力容量が3.0Whであるため、蓄電ユニット24の電力容量利用効率は27%となる。このように、サブ蓄電体33をリチウムイオンキャパシタ等で構成した場合には、サブ蓄電体33を電気二重層キャパシタで構成した場合に比べて、蓄電ユニット24の電力容量利用効率が大幅に低下することになる。
放電電流容量={(14.4V−13.0V)/(14.4V−8.0V)}×1Ah…(3)
【0033】
このように、サブ蓄電体33を電気二重層キャパシタによって構成するようにしたので、出力電圧Vuの許容電圧幅が狭い場合であっても、サブ蓄電体33の出力電圧を低く抑えることができ、メイン蓄電体31に対してサブ蓄電体33を直列に接続することが可能となる。これにより、メイン蓄電体31の放電深度を深めることができ、蓄電ユニット24の電力容量利用効率を向上させることが可能となる。また、電力容量の大きなリチウムイオンキャパシタによってメイン蓄電体31を構成することにより、蓄電ユニット24の電力容量を大きく確保することが可能となる。さらに、電力容量の大きなリチウムイオンキャパシタによってメイン蓄電体31を構成することにより、メイン蓄電体31に組み込むキャパシタセルの個数を減らすことができ、蓄電ユニット24の内部抵抗を引き下げたり、蓄電ユニット24の組立コストを引き下げたりすることが可能となる。さらに、サブ蓄電体33を電気二重層キャパシタによって構成することにより、自己放電等による過放電によってサブ蓄電体33の劣化を招くこともない。さらに、前述の説明では、サブ蓄電体33を電気二重層キャパシタの最大定格電圧(例えば2.5V)よりも低い電圧で使用しているため、サブ蓄電体33の劣化を抑制することが可能となっている。
【0034】
これまで説明したように、サブ蓄電体33を電気二重層キャパシタによって構成することにより、出力電圧Vuの許容電圧幅が狭い場合であってもサブ蓄電体33を直列接続することが可能である。これにより、蓄電ユニット24の電力容量利用効率を向上させることが可能となるが、サブ蓄電体33の電流容量を適切に設定することにより、電力容量利用効率の更なる向上を図ることが可能となる。以下、電力容量利用効率を向上させるために設定される電流容量の条件について説明する。
【0035】
ここで、図4はサブ蓄電体33の電流容量と蓄電ユニット24の電力容量利用効率との関係を示す線図である。また、図5はサブ蓄電体33の電流容量を変化させたときの出力電圧Vuの変化を示す説明図である。図4に示すように、メイン蓄電体31の電流容量に対するサブ蓄電体33の電流容量を100%以上に設定することにより、蓄電ユニット24の電力容量利用効率を改善することが可能となっている。このため、本発明の電源装置10においては、電力容量利用効率の更なる改善を達成するため、サブ蓄電体33の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量以上に設定している。ここで、サブ蓄電体33の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量以上に設定した例として、メイン蓄電体31の電流容量に対するサブ蓄電体33の電流容量を120%に設定した場合(符号α)の放電状態について説明する。併せて、サブ蓄電体33の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量未満に設定した例として、メイン蓄電体31の電流容量に対するサブ蓄電体33の電流容量を50%に設定した場合(符号β)の放電状態について説明する。
【0036】
図5に符号αで示すように、サブ蓄電体33の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量以上に設定した場合には、サブ蓄電体33の電流容量当たりの電圧変化率が小さくなるため、出力電圧Vuが緩やかに変化することになる。このように、出力電圧Vuの電圧変化が緩やかになることから、メイン蓄電体31の放電深度を深くすることができ(符号a)、蓄電ユニット24の電力容量利用効率を向上させることが可能となる。これに対し、図5に符号βで示すように、サブ蓄電体33の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量未満に設定した場合には、サブ蓄電体33の電流容量当たりの電圧変化率が大きくなるため、出力電圧Vuが急激に変化することになる。このように、出力電圧Vuが急激に変化することから、メイン蓄電体31の放電深度を深くすることができず(符号b)、蓄電ユニット24の電力容量利用効率が低下してしまうことになるのである。なお、図4に示すように、メイン蓄電体31の電流容量に対してサブ蓄電体33の電流容量を増加させ過ぎると、電力容量利用効率が低下することになる。この理由としては、サブ蓄電体33の電流容量が大幅に増加することにより、メイン蓄電体31の改善分を超えてサブ蓄電体33の電力容量利用効率が低下するためである。
【0037】
続いて、本発明の他の実施の形態である電源装置40について説明する。ここで、図6は本発明の他の実施の形態である電源装置40の構成を示す概略図である。なお、図6において図2に示す部材と同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。図6に示すように、蓄電ユニット41は、4つのキャパシタセル30からなるメイン蓄電体31を有しており、このキャパシタセル30はリチウムイオンキャパシタとして構成されている。また、蓄電ユニット41は、1つのバッテリセル42からなるサブ蓄電体43を有しており、このバッテリセル42はニッケル水素バッテリとして構成されている。このニッケル水素バッテリとは、例えば、正極活物質としてニッケル酸化物を用い、負極活物質として水素吸蔵合金を用い、水系電解液として水酸化カリウムを主体とした水溶液を用いた蓄電デバイスである。このニッケル水素バッテリは、酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体であり、その出力電圧は水系電解液を用いることから約1.2Vとなっている。また、ニッケル水素バッテリによって構成されるバッテリセル42は、使用可能電圧幅が1.4V〜0.9V、電流容量が1Ah、電力容量が1.2Whに設計されている。
【0038】
ここで、図7はニッケル水素バッテリの放電特性を示す線図である。なお、図7においては、ニッケル水素バッテリからの放電電流が10Aである場合の放電特性が示されている。ニッケル水素バッテリは酸化還元反応によって充放電を行うことから、図7に一点鎖線で示すように、出力電圧が緩やかに変動するようになっている。すなわち、通常の使用条件においては、出力電圧がほぼ1.2Vを保持することから、以下の説明においては、図7に実線で示した簡略特性を有するものとして説明する。
【0039】
次いで、制御ユニット25によるリレースイッチS1,S2の開閉制御について説明する。図8は蓄電ユニット41を放電させる際の電圧Vu,Vm,Vsの変動状況を示す説明図である。なお、図8には、蓄電ユニット41が満充電状態(Vm=14.4V,Vs=1.2V)まで充電された後に、蓄電ユニット41から各種電気機器23に対して放電が行われる状況が示されている。なお、蓄電ユニット41からの放電電流は10Aである。
【0040】
図8に示すように、メイン蓄電体31の電圧Vmが下限電圧A1である13Vを上回る場合には、制御ユニット25によってリレースイッチS1,S2が直列解除状態に切り換えられ、蓄電ユニット41内のメイン蓄電体31から各種電気機器23に対して電力が供給される。続いて、出力電圧Vu(Vu=Vm)が下限電圧A1まで低下すると(符号a)、制御ユニット25はリレースイッチS1,S2を直列接続状態に切り換え、蓄電ユニット41内のメイン蓄電体31およびサブ蓄電体43から各種電気機器23に対して電力が供給されることになる。すなわち、リレースイッチS1,S2を直列接続状態に切り換えることにより、出力電圧Vuがサブ蓄電体43の電圧Vs分だけ引き上げられるため、蓄電ユニット41の放電を継続させることが可能となる。このような放電状態は、メイン蓄電体31とサブ蓄電体43とを直列接続した状態のもとで、出力電圧Vu(Vu=Vm+Vs)が下限電圧A1に達するまで継続させることが可能となる(符号b)。このように蓄電ユニット41を放電させることにより、メイン蓄電体31の実際の電圧利用範囲は14.4V〜11.75Vとなる。また、サブ蓄電体43の実際の出力電圧については1.2Vを保持するものとする。
【0041】
なお、放電された蓄電ユニット41を充電する際には、出力電圧Vuが所定の直列充電電圧A3に達するまでは、リレースイッチS1,S2が直列接続状態に保持され、メイン蓄電体31とサブ蓄電体43との双方に充電が施される。そして、出力電圧Vu(Vu=Vm+Vs)が直列充電電圧A3まで上昇すると、制御ユニット25はリレースイッチS1,S2を直列解除状態に切り換え、メイン蓄電体31に対して充電が施されることになる。ここで、直列充電電圧A3とはサブ蓄電体43の許容上限電圧に基づき設定される電圧であり、サブ蓄電体43の過充電を回避する値に設定されている。
【0042】
続いて、蓄電ユニット41の電力容量利用効率について説明する。前述したように、使用可能電圧幅(14.4V〜8.0V)のメイン蓄電体31を14.4Vから11.75Vまで放電させることから、以下の式(4)に基づいて、メイン蓄電体31からの放電電流容量は0.41Ahと算出される。また、14.4Vから11.75Vまで放電したメイン蓄電体31の平均電圧は13.1Vとなる。これらの放電電流容量と平均電圧とを乗算することにより、メイン蓄電体31から放出された電力容量は5.4Whと算出される。
放電電流容量={(14.4V−11.75V)/(14.4V−8.0V)}×1Ah…(4)
【0043】
また、サブ蓄電体43を、放電時間68秒、放電電流10Aで放電させたため、以下の式(5)に基づいて、サブ蓄電体43からの放電電流容量は0.19Ahと算出される。そして、この放電電流容量にサブ蓄電体43の平均電圧1.2Vを乗算することにより、サブ蓄電体43から放出された電力容量は0.23Whと算出される。すなわち、メイン蓄電体31から放出された電力容量は5.4Whであり、サブ蓄電体43から放出された電力容量は0.23Whであるため、蓄電ユニット41から放出された電力容量は5.63Whとなる。
放電電流容量=(68/3600)×10A…(5)
【0044】
一方、サブ蓄電体43を構成するバッテリセル42の電力容量は1.2Whであるため、満充電状態におけるサブ蓄電体43の電力容量は1.2Whとなる。また、前述したように、満充電状態におけるメイン蓄電体31の電力容量は11.2Whとなる。そして、それぞれの電力容量を加算することにより、満充電状態における蓄電ユニット41の電力容量は12.4Whとなる。このように、放電前に蓄えられていた蓄電ユニット41の電力容量が12.4Whであり、蓄電ユニット41から放電された電力容量が5.63Whであるため、蓄電ユニット41の電力容量利用効率は45%となる。
【0045】
ここで、前述した電源装置10と同様に、サブ蓄電体43がリチウムイオンキャパシタ等によって構成されたとすると、出力電圧Vuの許容電圧幅が2Vに設計される場合には、メイン蓄電体31にサブ蓄電体43を直列接続することが不可能となる。すなわち、サブ蓄電体43をリチウムイオンキャパシタ等によって構成した場合には、メイン蓄電体31が14.4Vから13Vまで放電した時点で、蓄電ユニット41の放電が終了することになる。このように、メイン蓄電体31を14.4Vから13Vまで放電させたときの電力容量利用効率は、前述したように27%であるため、サブ蓄電体43をニッケル水素バッテリで構成した場合に比べて、蓄電ユニット41の電力容量利用効率が大幅に低下することになる。
【0046】
このように、サブ蓄電体43をニッケル水素バッテリによって構成するようにしたので、出力電圧Vuの許容電圧幅が狭い場合であっても、サブ蓄電体43の出力電圧を低く抑えることができ、メイン蓄電体31に対してサブ蓄電体43を直列に接続することが可能となる。これにより、メイン蓄電体31の放電深度を深めることができ、蓄電ユニット41の電力容量利用効率を向上させることが可能となる。また、電力容量の大きなリチウムイオンキャパシタによってメイン蓄電体31を構成することにより、蓄電ユニット41の電力容量を大きく確保することが可能となる。さらに、電力容量の大きなリチウムイオンキャパシタによってメイン蓄電体31を構成することにより、メイン蓄電体31に組み込むキャパシタセルの個数を減らすことができ、蓄電ユニット41の内部抵抗を引き下げたり、蓄電ユニット41の組立コストを引き下げたりすることが可能となる。
【0047】
これまで説明したように、サブ蓄電体43をニッケル水素バッテリによって構成することにより、出力電圧Vuの許容電圧幅が狭い場合であってもサブ蓄電体43を直列接続することが可能である。これにより、蓄電ユニット41の電力容量利用効率を向上させることが可能となるが、サブ蓄電体43の電流容量を適切に設定することにより、電力容量利用効率の更なる向上を図ることが可能となる。以下、電力容量利用効率を向上させるために設定される電流容量の条件について説明する。
【0048】
ここで、図9はサブ蓄電体43の電流容量と蓄電ユニット41の電力容量利用効率との関係を示す線図である。図9に示すように、メイン蓄電体31の電流容量に対するサブ蓄電体43の電流容量を100%以下に設定することにより、蓄電ユニット41の電力容量利用効率を改善することが可能となっている。このため、本発明の電源装置40においては、サブ蓄電体43の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量以下に設定することにより、電力容量利用効率の更なる改善を達成するようにしている。このように、電力容量利用効率の改善が図られる理由としては、サブ蓄電体43に用いられるニッケル水素バッテリが、酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体であるため、サブ蓄電体43の出力電圧は電流容量に関わらずほぼ一定となる。したがって、直列接続したときにサブ蓄電体43に要求される電流容量を確保しつつ、この要求される電流容量の範囲内でサブ蓄電体43の電流容量を少なく設定することにより、蓄電ユニット41全体としての電力容量利用効率を向上させることが可能となるのである。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前述の説明では、メイン蓄電体31をリチウムイオンキャパシタによって構成しているが、これに限られることはなく、メイン蓄電体31をリチウムイオンバッテリによって構成しても良い。ここで、リチウムイオンバッテリとは、例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用い、負極活物質として炭素系材料を用い、非水系有機電解液としてリチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒を用いるようにした蓄電体である。このリチウムイオンバッテリは、大きな電力容量を確保することができるため、メイン蓄電体31にリチウムイオンキャパシタを採用した場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0050】
また、前述の説明では、電源装置40のサブ蓄電体43をニッケル水素バッテリによって構成しているが、これに限られることはなく、サブ蓄電体43をニッケルカドミウムバッテリや鉛バッテリによって構成しても良い。ここで、ニッケルカドミウムバッテリとは、例えば、正極活物質としてニッケル酸化物を用い、負極活物質としてカドミウムを用い、水系電解液として水酸化カリウム水溶液を用いるようにした蓄電体である。また、鉛バッテリとは、例えば、正極活物質として二酸化鉛を用い、負極活物質として鉛を用い、水系電解液として硫酸水溶液を用いるようにした蓄電体である。これらニッケルカドミウムバッテリや鉛バッテリは、水系電解液を用いる蓄電体であることから出力電圧を低く抑えることができ、出力電圧Vuの許容電圧幅が狭い場合であってもサブ蓄電体43を直列接続することが可能となる。これにより、ニッケル水素バッテリをサブ蓄電体43に用いた場合と同様に、蓄電ユニット41の電力容量利用効率を向上させることが可能となるのである。また、ニッケルカドミウムバッテリや鉛バッテリは、酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体であり、充放電に伴う電圧変化量が少ないことから、サブ蓄電体43の電流容量をメイン蓄電体31の電流容量以下に設定することにより、蓄電ユニット41の電力容量利用効率を改善することも可能である。このように、サブ蓄電体43にニッケルカドミウムバッテリや鉛バッテリを採用した場合であっても、サブ蓄電体43にニッケル水素バッテリを採用した場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0051】
また、前述の説明では、スイッチ手段を2つのリレースイッチS1,S2によって構成しているが、スイッチ手段を1つのリレースイッチによって構成しても良い。また、スイッチ手段としてはリレースイッチに限られることはなく、トランジスタ等のスイッチング素子によってスイッチ手段を構成しても良い。さらに、図示する場合には、メイン蓄電体31が4つのセルによって構成され、サブ蓄電体33,43が1つのセルによって構成されているが、メイン蓄電体31やサブ蓄電体33,43を構成するセル30,32,42の個数を変更しても良い。さらに、蓄電ユニット24,41には1つのサブ蓄電体33,43が設けられているが、蓄電ユニット24,41に2つ以上のサブ蓄電体33,43を設けるようにしても良い。また、2つ以上のサブ蓄電体33,43を設ける場合には、サブ蓄電体33,43の数に対応した数のスイッチ手段が設けられることはいうまでもない。
【0052】
なお、図示する車両11はエンジン13を備える車両であるが、エンジン13を持たない電気自動車に対して、本発明の電源装置10,40を適用することも可能である。また、前述の説明では、本発明の電源装置10,40を車両11に適用した形で説明したが、適用対象としては車両11に限られることはなく、他の用途に本発明の電源装置10,40を適用しても良いことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態である電源装置が搭載された車両の一部を示す概略図である。
【図2】電源装置の構成を示す概略図である。
【図3】蓄電ユニットを放電させる際の電圧Vu,Vm,Vsの変動状況を示す説明図である。
【図4】サブ蓄電体の電流容量と蓄電ユニットの電力容量利用効率との関係を示す線図である。
【図5】サブ蓄電体の電流容量を変化させたときの出力電圧の変化を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である電源装置の構成を示す概略図である。
【図7】ニッケル水素バッテリの放電特性を示す線図である。
【図8】蓄電ユニットを放電させる際の電圧Vu,Vm,Vsの変動状況を示す説明図である。
【図9】サブ蓄電体の電流容量と蓄電ユニットの電力容量利用効率との関係を示す線図である。
【符号の説明】
【0054】
10 電源装置
24 蓄電ユニット
25 制御ユニット(スイッチ制御手段)
31 メイン蓄電体
33 サブ蓄電体
S1 リレースイッチ(スイッチ手段)
S2 リレースイッチ(スイッチ手段)
40 電源装置
41 蓄電ユニット
43 サブ蓄電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン蓄電体と、前記メイン蓄電体よりも低電圧のサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットと、
前記蓄電ユニットに設けられ、前記メイン蓄電体に前記サブ蓄電体を直列に接続する直列接続状態と、前記メイン蓄電体から前記サブ蓄電体を切り離す直列解除状態とに切り換えられるスイッチ手段と、
前記蓄電ユニットの充放電状態に基づいて、前記スイッチ手段を直列接続状態と直列解除状態とに切り換えるスイッチ制御手段とを有し、
前記メイン蓄電体は、0Vまで放電が不可能な蓄電体であり、
前記サブ蓄電体は、0Vまでの放電が可能な蓄電体であることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置において、
前記メイン蓄電体は、リチウムイオンキャパシタまたはリチウムイオンバッテリであることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の電源装置において、
前記サブ蓄電体は、電気二重層キャパシタであることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置において、
前記サブ蓄電体の電流容量は、前記メイン蓄電体の電流容量以上であることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
メイン蓄電体と、前記メイン蓄電体よりも低電圧のサブ蓄電体とを備える蓄電ユニットと、
前記蓄電ユニットに設けられ、前記メイン蓄電体に前記サブ蓄電体を直列に接続する直列接続状態と、前記メイン蓄電体から前記サブ蓄電体を切り離す直列解除状態とに切り換えられるスイッチ手段と、
前記蓄電ユニットの充放電状態に基づいて、前記スイッチ手段を直列接続状態と直列解除状態とに切り換えるスイッチ制御手段とを有し、
前記メイン蓄電体は、0Vまで放電が不可能な蓄電体であり、
前記サブ蓄電体は、電解液として水系電解液を備え、酸化還元反応によって充放電を行う蓄電体であることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項5記載の電源装置において、
前記メイン蓄電体は、リチウムイオンキャパシタまたはリチウムイオンバッテリであることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の電源装置において、
前記サブ蓄電体は、ニッケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、または鉛バッテリであることを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の電源装置において、
前記サブ蓄電体の電流容量は、前記メイン蓄電体の電流容量以下であることを特徴とする電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−22108(P2010−22108A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179085(P2008−179085)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】