説明

電球形蛍光ランプおよび照明器具

【課題】
反射形グローブを備えた場合であっても、発光管およびホルダの温度上昇を抑え、ランプ特性が損なわれることなく、ホルダの変色およびグローブの白濁を抑制した電球形蛍光ランプを提供する。
【解決手段】
電球形蛍光ランプ10は、発光管11の一対の端部11b、11cの管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように配設されているので、電極部11d、11dから放射された熱がグローブ16の直接反射膜16aによって反射されて透光部16bから外方へ放射されやすくなり、グローブ16内部の温度上昇を抑制することができる。また、ホルダ12が金属製であるため、変色および白濁の原因となる物質が析出することがない。このため、透光部16bからホルダ12を目視してもホルダ12が劣化したことがほとんど感じられず、またグローブ16の透光部16bが白濁することもなく、商品性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射膜を備えたグローブを有する電球形蛍光ランプおよび照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電球形蛍光ランプは、高効率、省電力、長寿命といった利点を備えているので、白熱電球の代替光源として広く普及している。電球形蛍光ランプの発光管としては、U字形に屈曲されたガラスバルブをつなぎ合わせて構成された発光管が一般的であるが、一対の端部を含めて1本のバルブ全体を二重螺旋形状に屈曲して構成された発光管も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、この電球形蛍光ランプの照度を高くする目的で、反射形グローブを備えた電球形蛍光ランプが商品化されている(例えば、特許文献2参照)。反射形グローブは、グローブの開口側の内面にアルミニウム等の金属を蒸着して反射層を形成することにより、グローブの頂部に透光部を形成したものである。反射形グローブ内の発光管が点灯して光を放射すると、反射膜によって反射された光が透光部から透過され、電球形蛍光ランプの直下方向の照度が向上する。このように、反射形グローブ付きの電球形蛍光ランプは、主にスポット照明用の光源として利用することができる。
【特許文献1】特開2004−265736号公報
【特許文献2】特開2003−281901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電球形蛍光ランプの発光管からは光とともに赤外線などの熱も放射されているので、反射形グローブのように発光管の周囲に反射膜が形成されている場合には、発光管から放射された熱が反射膜によって遮断され、多くの放射熱がグローブ内にこもってしまう。特に、点灯時の電極は高温になることから、電極が封装された発光管端部から放射される熱量は他の部分に比較して多いので、発光管端部を支持しているホルダが高温になってしまう。一方、発光管から放射された熱は、反射形グローブの反射膜によって反射され、ある程度の熱は透光部から放射されるという効果がある。
【0005】
しかし、従来の反射形グローブ付きの電球形蛍光ランプでは、放射熱を反射膜によって反射させて透光部を介して外方に放射させる効果が低く、発光管の温度が過度に上昇するので、光束が低下する等、ランプ特性への影響が大きかった。
【0006】
また、発光管の温度上昇によってホルダの温度も著しく上昇することから、樹脂製ホルダが劣化して茶褐色に変色するという問題があった。ホルダの変色は、発光管が光拡散性グローブで覆われている場合には目立ちにくいので商品性には大きく影響しないが、反射形グローブの場合には透光部を介してホルダを目視できるので、ホルダの変色を抑える必要がある。
【0007】
さらに、グローブ内の樹脂部品が劣化すると、樹脂部品の表面から低分子のオリゴマ成分が析出され、グローブ内を浮遊してグローブ内面に付着し、グローブが白濁することがある。反射形グローブの透光部は、この白濁が特に目立ちやすいので、グローブの白濁を極力少なくする必要がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、反射形グローブを備えた場合であっても、発光管およびホルダの温度上昇を抑え、ランプ特性が損なわれることなく、ホルダの変色およびグローブの白濁を抑制した電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電球形蛍光ランプは、一方側に一対の端部が位置するとともに中間部が螺旋状に形成されて他端側に延在し、一対の端部の管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように形成され、一対の端部にはそれぞれ電極が封装された発光管と;金属製基板部を有し、この基板部に形成された挿通孔に発光管の端部を挿通して電極が金属製基板部よりも他方側に位置する状態の発光管の端部を固着して発光管を支持するホルダと;発光管を点灯させる点灯装置と;一方側に口金が設けられ、点灯装置を内部に収容するとともに他方側に発光管が配設されるようにホルダが取付けられたカバー体と;頂部側が透光部となるように基端側に反射膜を形成し、発光管を覆うようにホルダ側に開口部が取付けられるグローブと;を具備していることを特徴とする。
【0010】
発光管は、一本の直管バルブの一対の端部を除く中間部を螺旋状に屈曲形成したものである。端部のバルブ中心軸は中間部を螺旋状に屈曲したときの螺旋軸に平行なように形成されている。これにより、一対の端部は、ホルダの基板部平面に対して直立した一対の脚部のように設けられる。また、発光管はホルダに支持されるが、このとき端部に封装された電極は、ホルダよりも他端側に位置している。
【0011】
従来の発光管は、発光管の一対の端部の周囲に他の発光管やホルダ部材が隣接していたため、電極部から放射される熱のうちグローブの反射膜へ直接放射される割合は少なかった。U字形の屈曲バルブをつなぎ合わせた発光管の場合には、電極部が他の屈曲バルブの端部に隣接しており、端部を含めた全体が二重螺旋状に屈曲された発光管の場合には、ホルダの基板部が隣接していることから、この隣接部分に放射熱が遮蔽、吸収される。このことから、従来の反射形グローブ付きの電球形蛍光ランプでは、グローブ内部の温度が上昇しやすかったと考えられる。
【0012】
これに対し、本発明のように発光管の一対の端部の管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように配設すると、グローブ内部の温度上昇を抑制することができる。これは、発光管の一対の端部の管軸に直交する方向には他方の端部しか配設されていないので、電極部から反射膜に直接放射される熱が多くなるためである。すなわち、グローブの反射膜に直接放射された熱は、反射膜で反射されてその多くが透光部を介して外部に放射されるので、反射膜に直接放射される熱が多いほどグローブ内部の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0013】
金属製のホルダは、アルミニウムもしくはアルミニウムと亜鉛の合金もしくはアルミニウムを含む合金等、熱伝導率が高く安価でかつ軽量な金属であることが好ましいが、銅及び銅を含む合金、鉄及び鉄を含む合金等でもよく、要は従来のホルダを構成していた合成樹脂に比し、熱伝導性が良好な全ての金属を許容する。
【0014】
さらに、ホルダの金属は、白色または光沢があり、光の反射率が高い表面を呈する材質が好ましいが、特にこれらの要素を有することには限定はされない。
【0015】
ホルダの基板部形状は、幾何学的に厳密な円形をなしている必要はなく、八角形、六角形等の多角形状をなしていてもよい。基板部に形成された挿通孔は発光管の端部が挿入可能な形状を有している。
【0016】
本発明によれば、発光管の一対の端部の管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように配設されているので、電極部から放射された熱が直接反射膜によって反射されて透光部から外方へ放射されやすくなり、グローブ内部の温度上昇を抑制することができる。また、ホルダが金属製であるため、変色および白濁の原因となる物質が析出することがない。このため、透光部からホルダを目視してもホルダが劣化したことがほとんど感じられず、またグローブの透光部が白濁することもない。
【0017】
本発明の他の態様としては、ホルダの周側面が外方に露出されており、この周側面の内側にグローブの開口部が取付けられていることを特徴とする。
ホルダの周側面は、電球形蛍光ランプの外方に露出するように設けられる。外方に露出する面積は大きいほど放熱効果が良好となるが、商品の外観上の問題からあまり大きくすることは難しく、露出させる面積は、放熱効果と外観、意匠上の観点等から設計上の問題として適宜選択すればよい。
周側面は、ホルダの外側全周にわたり連続したリング形状をなすように設けることが好ましいが、全周にわたる連続したリング形状をなしていることが条件ではなく、リングの一部が欠けた形状でもよく、周側面の形態は上述した外方に露出する面積と同様に、放熱性能と外観、意匠的な観点から設計上の問題として適宜選択すればよい。
周側面は、発光管を支持する基板部と一体に形成されるのが好ましく、例えば、アルミニウム等のダイキャストでも、アルミニウム板をプレス加工したものなどでもよいが、両者が熱的に接続可能であれば別体で形成してもよい。
【0018】
ホルダが発光管を支持する構成は、発光管の熱がホルダに伝導しやすいように例えばシリコーン接着剤などの熱伝導性のよい接着剤で熱的な接続が行われていると本発明の作用効果が向上する。
【0019】
ホルダの周側面の内側にはグローブの開口部が取付けられるが、例えばホルダの周側面の内側にリング状の溝からなる凹部を形成し、この凹部の溝にグローブの開口部を挿入して支持するようにしてもよい。
本発明によれば、発光管の熱が金属製ホルダの周側面を介して効果的に外部に放熱されるので、発光管およびホルダの温度上昇が効果的に抑制される。
【0020】
本発明の照明器具は、上記電球形蛍光ランプと、この蛍光ランプが装着された器具本体とを具備しているものである。
【0021】
このような構成によれば、本発明の作用を有する電球形蛍光ランプを備えた照明器具を提供できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電球形蛍光ランプによれば、発光管の一対の端部の管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように配設されているので、電極部から放射された熱が直接反射膜によって反射されて透光部から外方へ放射されやすくなり、グローブ内部の温度上昇を抑制することができる。また、ホルダが金属製であるため、変色および白濁の原因となる物質が析出することがない。このため、透光部からホルダを目視してもホルダが劣化したことがほとんど感じられず、またグローブの透光部が白濁することもなく、商品性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1および図2は、本発明の実施形態である電球形蛍光ランプを示し、図1は一部を切り欠いて示す正面視の縦断面図、図2は側面視の一部縦断面図である。
【0025】
図3は本発明の実施形態である照明器具を示し、天井面に設置された照明器具を概略的に示した断面図である。
【0026】
10は電球形蛍光ランプであり、発光管11と、発光管11を支持するホルダ12と、発光管11の点灯回路を構成しホルダ12に支持される回路基板13、ホルダ12に支持されるカバー体14、カバー体14の一方側に取付けられた口金15、ホルダ12に支持され、発光管11を覆う反射形のグローブ16から構成されている。以下、発光管11を上側、口金15を下側として説明する。
【0027】
発光管11は、1本の直管状のガラス管の中央領域を頂部11aとして、一方側に一対の端部11b、11cが位置するとともに中間部が螺旋状に形成されて他端側に延在するように一対の端部11b、11cを除く全体を螺旋状に形成して構成されている。
【0028】
螺旋状をなす発光管11の成形は、1本の直管状のガラス管を加熱溶融し、柔らかくした状態で略二等分するように屈曲し、さらに二等分したガラス管の中央領域を頂部11aとして、中間部を螺旋状に形成された溝を有する型に沿わせて巻き付けることにより形成する。一対の端部11b、11cは、その管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように形成されている。
【0029】
発光管11は、透明な無鉛ガラスで管外径寸法が約9.4mm、管内径が約8.0mmで構成されており、ガラス管の内面には、例えば3波長発光形の希土類酸化物蛍光体からなる蛍光体層が形成されている。この発光管11の高さ寸法h1は約73mm、最大幅寸法d1は約43mmで構成されている。
【0030】
発光管11の一対の端部11b、11cは、各端部が直線上に対向し、かつ上下方向に延伸して位置するように形成されている。
【0031】
また、発光管の各端部11b、11cは、電極封止端部を構成するもので、フィラメント電極11d、11dがステムシールによって封入されている。
【0032】
各端部11b、11cからは、一対のアウターワイヤが導出されており、後述する点灯回路の出力端子にそれぞれ接続されている。
【0033】
さらに、発光管11には、細管11eが管内部と連通するように一方の端部11cに封止されている。この細管11eは、発光管11を構成するガラスと同様の透明な無鉛ガラスで構成されており、内部に主アマルガム等を封入したもので、後述するカバー部材14の内面形状に沿う形状に曲成して形成する。細管11eの先端部には、例えば水銀比が15%以上のアマルガム10を収容している。
【0034】
発光管11内には、アルゴン(Ar)単体またはアルゴン(Ar)とネオン(Ne)との混合ガス等からなる放電媒体である希ガスを封入する。必要に応じてクリプトン(Kr)等の他の希ガスを封入してもかまわない。
【0035】
ホルダ12は、略円盤状の浅い器の形状をなしたもので、アルミニウムのダイキャストで構成され、円盤状の基板部の盤状面をなす上面に発光管11の支持部となる一対の支持孔12a、12aを貫通して形成する。ホルダ12は、アルミニウムのダイキャストで構成するため、アルミニウム層を合成樹脂にコーティングする工程を施すことなく金属層を形成することが可能である。
【0036】
また基板部の下面には開口部12bが空間部を形成し、さらに円盤の外周部に外面に露出するリング状の周側面12dを外方の斜め上方に傾斜するように一体に形成する。
【0037】
円盤をなすホルダ12の外径D2は約50mm、周側面12dの高さ寸法は約7mmに構成する。この高さ寸法を大きくして周側面が外面に露出する面積を広くした方が放熱効果がよい。
【0038】
ホルダ12の一対の支持孔12a、12aに、発光管の各端部11b、11cの下端部を挿入し、支持孔と発光管各端部のそれぞれの外面周辺にシリコーン等の耐熱性の接着剤を塗布して固定する。これによりホルダ12の盤状面となる上面に発光管11が支持される。
【0039】
この際、発光管11は、フィラメント電極11d、11dがホルダ12の金属製円盤の上面よりも他方側に位置する状態でホルダ12に固着される。発光管11を支持するホルダ12がアルミニウムで構成されているため、この面が光の反射面となり、発光管11から下方に向かって放射される光がアルミニウムの上面で上方に反射され、光ロスが発生しない。さらに、この上面に鏡面加工を施し、より反射性能を高めるようにしてもよい。
【0040】
なお、発光管11のリードワイヤーがホルダ12の空間部内に導出され、後述する点灯回路の出力端子に接続される。
【0041】
さらに細管11eがホルダ12の支持孔12aを貫通し、さらに後述する点灯回路の回路基板13を貫通して、カバー部材14の内面形状に沿い、かつ主アマルガムを封入した先端が口金15内に挿入されるように配置される。
【0042】
回路基板13は、発光管11の点灯回路を構成する回路部品13aを実装したもので、回路部品13aは、インバータ等を用いて発光管11を高周波点灯する点灯回路を構成するための部品で、商用電源電圧を整流するダイオード、平滑用の電解コンデンサ、スイッチング素子としてのトランジスタまたは電界効果形トランジスタ、共振インダクタ兼用のバラスト巻線、共振用のコンデンサ、スイッチング制御用の部品等の電子部品で構成する。点灯回路は、例えば、高周波を発生するハーフブリッジ形のインバータ回路によって構成され、点灯時に発光管11に対して200〜250mAの範囲内のランプ電流を通電する点灯制御を行う。
【0043】
これらの回路部品13aは、直径が約40mmの円盤形状をなしたプリント基板から構成された回路基板13の上下両面に実装され、比較的小さな部品が回路基板13の上面に、また比較的大きな部品は下面に位置するようにして配置され、下面に配置された回路部品はカバー部材14さらには一部の部品が口金15の空間部15a内に収納されるようにする。
【0044】
上記のように回路部品13aを実装した回路基板13は、ホルダ12下面の開口部に、電気絶縁部材となるキャップ状の隔離体13bを介して嵌合し、シリコーン等の耐熱性の接着剤で固定する。
【0045】
この隔離体13bは、浅いキャップ状をなし、ポリブチレンテレフタノール(PBT)などの耐熱性でかつ電気絶縁性を有する合成樹脂で構成し、キャップの開口部に回路基板13を嵌合してシリコーン等の耐熱性の接着剤で固定する。
【0046】
このように一体化された隔離体13bと回路基板13の組立体を、ホルダ12の開口部12bにホルダ12と回路基板13との間に隔離体13bが介在するようにして固定する。
【0047】
これにより、金属であるホルダ12と回路基板13が隔離体13bにより電気的に絶縁された状態でホルダ12に支持される。同時に回路基板13はホルダ12と熱的にも絶縁された状態で支持される。
【0048】
なお、隔離体13bには一対の小孔が形成されており、発光管11のリードワイヤーおよび細管11eがこの小孔に挿通され回路基板13の出力端子に接続されている。
【0049】
カバー部材14は、上下に開口部を有する略円錐形の円筒状をなし、ポリブチレンテレフタノール(PBT)などの耐熱性合成樹脂で構成する。
【0050】
カバー部材14は、ホルダの周側面12dの外面と略連続した上方に傾斜した外面を有し、一般の白熱電球のシルエットに近似した略連続した面を形成するようにする。
【0051】
カバー部材14の下方の他端開口部の外面に口金15を嵌合して支持する。口金15は、導電性の金属材料で構成し、商用電源に配線され接続されたソケットに、ねじ込み等の手段で電気的に接続されて取付けられもので、例えばE26型の口金で構成し、内面に空間部15aを、外面に雄ねじ部15bを形成する。口金15と回路基板13の入力端子とがリードワイヤーにより電気的に接続されている。
【0052】
グローブ16は、基端側に開口部が形成されるようにガラスによって成形されており、反射形電球のガラス球と略同一形状の滑らかな曲面形状を有するように形成されている。グローブ16の基端側の内面には、アルミニウムの蒸着によって反射膜16aが形成されており、反射膜16aが形成されていない頂部側には透明な透光部16bが設けられている。反射膜16aはグローブ16の最大外径の部分まで形成されており、この最大外径の部分から一方側(頂部側)が透光部16bとなっている。なお、グローブ16は合成樹脂により成形されていてもよい。
【0053】
グローブ16の下方の開口端部を、ホルダの周側面12d内面に形成した凹部内に嵌合し、シリコーン等の耐熱性の接着剤等により固定する。
【0054】
上記のように構成された電球形蛍光ランプは、グローブの最大外径D1が約90mm、ランプ全体の高さ寸法H1が約133mmで、回路損失を含めたランプ電力が24W以下で、かつ全光束が約1000ルーメン(lm)以上のE26の口金を有する小型高出力化した電球形蛍光ランプとして構成され、100W相当の白熱電球と置き換えが可能で、各種の照明器具のソケットにねじ込まれ、点灯回路に電源が投入されて点灯する。
【0055】
上記に構成された電球形蛍光ランプが点灯すると、発光管11の温度が上昇し、グローブ内の空気を加熱させると共に、特に電極11d、11dを有する各端部11b、11c近傍の温度が上昇し、グローブ16内の高温の空気と発光管11の各端部11b、11cからの熱の伝導及び放熱によって、ホルダ12が加熱され温度が上昇する。
【0056】
しかし、本実施形態では、発光管11の一対の端部11b、11cの管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように配設されているので、フィラメント電極11d、11dから放射された熱が直接反射膜16aによって反射されて透光部16bから外方へ放射される。このため、グローブ16の内部の温度上昇を抑制することができる。また、ホルダ12がアルミニウム製であるため、長期の高温点灯および紫外線照射による変色および白濁の原因となる物質が析出することがない。このため、透光部16bからホルダ12を目視してもホルダ12が劣化したことがほとんど感じられず、またグローブ16の透光部16bが白濁することもない。
【0057】
また、ホルダ12がアルミニウムの熱伝導性の良好な金属で、かつ外周部に外面に露出する高さ約7mmのリング状の周側面12dを一体に形成してあるので、温度が上昇したホルダ12は、一体に形成した周側面12dが外気との対流によって熱が奪われ、ホルダ全体が冷却される。
【0058】
この際、ホルダ12は周側面12dを一体に形成してあるので、発光管からの熱の伝導ロスがなく効果的に放熱部である周側面12dに伝達され外気によって冷却される。その結果、ホルダ12全体の温度が低下し、ホルダに支持された回路基板13及び回路部品13aの温度上昇が抑制される。さらに、アルミニウムは熱の放射率が0.1以下と低いので、ホルダ12の裏面から空間部を介する回路基板13側への熱放射も低く抑えられる。
【0059】
この電球形蛍光ランプ1は、定格電力100W相当の一般照明用電球JIS C 7501に定義された外観形状に類似する外形で、口金5の底部からグローブ16の頂部までの高さ寸法H1が130mm〜135mmの範囲になっている。また、最大外径D1、すなわち、グローブ16の最大外径D1が80mm〜100mmの範囲になっている。
【0060】
上記寸法関係はA形の構成に最適であるが、グローブ形状が球形状のG形の場合には、高さ寸法H1を125mm〜130mm、最大外径D1を90mm〜100mmにするのが好ましい。
【0061】
螺旋状の発光管11は、管内径が7.5〜9.0mmの範囲で、電極間の放電路長が5
00〜600mmの範囲になっている。これにより、発光管11を点灯制御する点灯回路への熱的影響を抑制して回路部品13aの信頼性を高めることができ、小形で高効率な100W相当の一般照明用電球に相当する電球形蛍光ランプ10が構成される。
【0062】
次に、上記のように構成された電球形蛍光ランプを光源とした照明器具の構成を説明する。図3に示すように、20は店舗等の天井面Xに設置されたダウンライト式の照明器具で、下面に開口部21aを有する金属製の箱状をなした本体ケース21と、開口部21aに嵌合される金属製の反射体22で構成されている。
【0063】
反射体22は、例えばステンレス等の金属板で構成し、下面周囲に飾り枠22a一体に形成されている。反射体22の上面板の中央部には、電球形蛍光ランプの口金をねじ込むソケット23を配設する。
【0064】
このソケット23に、上述した反射形グローブ付の電球形蛍光ランプ10の口金15をねじ込む。これにより螺旋状をなす発光管11を有する電球形蛍光ランプ10が設置されたダウンライト式照明器具が構成される。
【0065】
このように構成された照明器具は、光源となる電球形蛍光ランプの配光が一般白熱電球の配光に近似することで、照明器具内に配置されたソケット近傍の反射体への光の照射量が充分に確保され、反射体の光学設計とおりの器具特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態である電球形蛍光ランプの縦断面図。
【図2】図1の一部切欠き縦断面図。
【図3】本発明の実施形態である天井面に設置された照明器具を概略的に示した断面図。
【符号の説明】
【0067】
10…電球形蛍光ランプ、11…発光管、11b,11c…端部、11d…電極、12…ホルダ、12a…挿通孔、13…点灯装置、14…カバー、15…口金、16…グローブ、16a…反射膜、16b…透光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に一対の端部が位置するとともに中間部が螺旋状に形成されて他端側に延在し、一対の端部の管軸が中間部の螺旋中心軸にそれぞれ平行になるように形成され、一対の端部にはそれぞれ電極が封装された発光管と;
金属製基板部を有し、この基板部に形成された挿通孔に発光管の端部を挿通して電極が金属製基板部よりも他方側に位置する状態の発光管の端部を固着して発光管を支持するホルダと;
発光管を点灯させる点灯装置と;
一方側に口金が設けられ、点灯装置を内部に収容するとともに他方側に発光管が配設されるようにホルダが取付けられたカバー体と;
頂部側が透光部となるように基端側に反射膜を形成し、発光管を覆うようにホルダ側に開口部が取付けられるグローブと;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
ホルダは周側面が外方に露出されており、この周側面の内側にグローブの開口部が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
請求項1または2記載の電球形蛍光ランプと;
この蛍光ランプが装着された器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−4398(P2008−4398A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173006(P2006−173006)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】