説明

電界検出用センサ製品

本発明は、基板(6)と、基板の表面の少なくとも1つの導電領域(2、4)と、出力部(8)と、この少なくとも1つの導電領域と出力部の間の少なくとも1つの導体(3)とを有する電界検出用センサ製品に関する。本発明はまた、センサ製品ウェブに関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、センサ製品に関するものである。本センサ製品は、例えばキーボードなどのコンピュータ用ユーザインターフェース、搭乗者または乗客モニタシステム、スマートエアバッグシステム、および床構造体で使用することができる。
【背景】
【0002】
電界検出は、物体が周囲の電界にもたらす擾乱に基づいて物体の位置、運動、および形状を確定する方法に係わる。
【0003】
電界検出の革新的な研究のほとんどは自然界の寄与によるものと考えることができる。さまざまな水生動物が自分達の環境を、とくに光が欠乏し、暗く濁った水中で検知するのに電界を使用する(バスティアン・ジェー、「電気感受性生物」、フィジクス・トゥデイ、第30頁〜第37頁、1994年2月)。
【0004】
エムアイティ・メディア・ラボラトリのニール・ジャーシェンフェルド教授のグループは、1990年代初頭から位置、形状、および寸法の測定に電界検出を応用してきた。ジャーシェンフェルド教授のグループは、例えば、電界検出およびチャージソース・トモグラフィに基づいて人間とコンピュータの相互作用のためのインターフェースを開発した。
【0005】
クイーンズランド大学においても電界検出が研究されてきた。低周波電界を発生させて電流を誘導し、受信ノードで誘導電流を測定する。物体が電界に干渉すると、その周囲の静電容量が変化し、受信電流値が変わる。電界中の異物の影響をモデル化することによって、得られた電流値からこの異物の特徴を導くことができる(オブライエン・クリストファ・ジョン、「非接触グラフィックインターフェース用電界センサ」、論文、クイーンズランド大学、情報技術および電気工学科、2001年)。
【0006】
いずれの知的環境でも重要な構成要素はユーザインターフェースである。キーボード、マウス、タッチパッド、およびタッチスクリーンなどのユーザインターフェースはすべて、利点と欠点を有する。ユーザインターフェース装置のほとんどは、一般に比較的脆弱かつ高価であり、広面積に対する拡張性が限定され、屋外や過酷な環境での使用に対する適応性に欠ける。チャージソース・トモグラフィ(CST)は、ユーザと平面もしくは曲面との間の相互作用を検出する方法であり、その平面もしくは曲面には、電界を形成できる柔軟な抵抗シートを追加することで検出性能を与える。CSTを基本としたユーザインターフェース装置は、抵抗シート、外縁電極、および電流/電圧コントローラを有する。作動時、コントローラは抵抗シートの外縁部の数カ所に電圧パターンを印加し、その結果発生した電流を測定する。ユーザは、抵抗シートのある領域に局所化された静電負荷としてこのシステムに出現する。(ポスト・イー・レーミ、アガワル・アンクル、パワル・ウダイ、ジャーシェンフェルド・ニール、「チャージソース・トモグラフィによる拡張性相互作用面」、継続的技術革新に関する開かれた共同設計についての第2回国際会議、2002年12月1日〜2日、インド国バンガロール:ストラッチャン・ジョン・ポール、「静電反転問題に向けた計測器およびアルゴリズム」、修士論文、マサチューセッツ工科大学、マサチューセッツ州ケンブリッジ、2001年)CSTによって、相互作用面は、触れることなく素手で使用できるようになる。さらに、CSTによって、低コストで機械的に頑丈なユーザインターフェース装置の製造が可能になる。そのユーザインターフェース装置は拡張性があり、様々な面材料および面形状に容易に組み込める。
【発明の概要】
【0007】
本発明の全体的な目的は、コスト効率の高い、非接触式インターフェース用のセンサ製品を提供することである。センサ製品は、互いに取り付けられた複数の層を有する。
【0008】
具体的な目的は、フレキシブル基板上にアレイ状もしくはマトリクス状の導電領域と導体とを有するセンサ製品ならびにその製造方法を提供することである。導電領域はセンサ素子を形成する。この構成において、検出領域は導電領域の数を増やすことで拡張することができる。分解能を犠牲にすれば、導電領域の面積と導電領域間の距離とを大きくすることも可能である。
【0009】
別の具体的な目的は、フレキシブル基板上に抵抗シートおよび外縁電極を含む導電領域を有する、抵抗シート積層体としても知られるセンサ製品およびその製造方法を提供することである。この構成において、抵抗シートの面積は電極の数を変えることなく拡張できる。更なる具体的な目的は、抵抗シートの導電率を調整する方法を提供することである。
【0010】
本発明はまた、必要に応じて、導電領域と出力部との間の導体ならびに保護層を提供する。導体は電極と同じ材料および製造工程を使用して作ることができる。ただし、コスト効率を最大にするために、場合によっては、電極と導体に対して異なる材料と工程を使用することが有利となることもある。本発明の製造工程ステップはまた、連続したロール・ツー・ロール工程を利用することができる。
【0011】
本発明は、CSTを基本としたユーザインターフェースに限定されるものではなく、容量センサや電気インピーダンストモグラフィなどの同様のセンサ技術に適用することもできる。
【0012】
本発明による製品の独自の特徴は、導電性センサ素子、あるいは他の構造として抵抗シートおよび外縁電極を有する層化構造体にある。任意選択の特徴は、前記層化構造体がまた、導電領域と出力部との間に導体ならびに保護層を有することである。
【0013】
本発明のセンサ製品は、例えば、ユーザとコンピュータとの間のインターフェース用に、および身体の検出用に使用することができる。非接触操作、拡張性、可撓性、頑強性、および製造コストの低さは、多岐にわたる用途を可能にする。ユーザとコンピュータとの間のインターフェースに関して、センサ製品は、キーボード、マウス、タッチパッド、もしくはタッチスクリーンの代替品としてもよいし、またはそれらと同時に使用してもよい。センサ製品は、スマートブラックボード、ホワイトボード、またはフリップチャートとして使用することができる。さらに、センサ製品は、情報キオスク、現金取扱い機、および工業用制御パネルで使用することができる。センサ製品は、構造要素、例えば、壁、パネル、ボード、テーブル、ディスプレイ、窓、またはポスターの中/上/後ろ/下に隠すことができる。
【0014】
身体検出では、センサ製品は、身体の有無、身体の向き、身体の位置、または身体の動きを特定するのに使用することができる。センサ製品は、センサマットとして、床、壁、屋根、または座部の中/上/下/後ろに隠すことができる。センサ製品は、例えば、エアバッグ制御または空調制御を目的とした車両の乗客検出用に使用することができる。センサ製品が他に使用できるものには、安全および危機管理用途、出入管理システム、侵入警報システム、老齢者および障害者のための安全およびモニタシステム、ビルディングオートメーション、照明制御、または空調が含まれる。
【0015】
本発明のセンサ製品は、基板、出力部、基板表面の少なくとも1つの導電領域、および、この少なくとも1つの導電領域と出力部との間の少なくとも1つの導体を有する。導電領域は、導電率が互いに異なる副領域を有してもよいし、または領域全体にわたって実質的に同じ導電率であってもよい。
【0016】
基板は、シート状材料またはフィルムとする。基板は、プラスチック材料、または不織布、織物、紙、もしくはボードの形態の繊維質材料からなる。適切なプラスチックには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)を含むプラスチックがある。基板は、基板が置かれる相手面に合うように十分に柔軟であるのが望ましい。基板は、1層構造の他に、互いに被着されたさらに多くの層を有することができる。基板は、互いに張り合わせた層、押し出し層、被覆もしくは印刷層、またはそれらの組合せ物を有することができる。
【0017】
センサ製品は、出力を制御電子機器に接続できるようにするために出力部を設けられる。測定電圧および制御出力電流は、出力部を経由して供給される。実際には、出力部は互いに隣り合う導体を有することができる。通常の電子用途で使用される標準コネクタ(例えば、クリンプフレックス(登録商標)、ニコマチックSA社、フランス国)を出力部に追加してもよい。
【0018】
少なくとも1つの導電領域ならびに導電領域と出力部との間の少なくとも1つの導体が基板の表面に形成される。本発明の1つの実施形態によれば、センサ製品は、フレキシブル基板上に抵抗シートおよび少なくとも1つの外縁電極を含む導電領域を有する。正確な検出には数個の電極が必要であることから、通常、1つを超える電極および導体がある。電極の数はまた、解くべき変量の数にも依存する。電極および導体は、金属、導電性カーボン、または導電性ポリマからなる。これに使用する一般的な金属には、アルミニウム、銅、および銀がある。導電性カーボンは、インクまたは被覆物を製造するために溶剤に混合してもよい。導電性ポリマの例には、ポリアセチレン、ポリアニリン、およびポリピロールがある。電極およびコネクタは、例えば、エッチングや印刷によって作ることができる。
【0019】
抵抗シートは、基板の表面に形成された方形領域であるのが好ましい。「抵抗」という用語は、抵抗シートが、通常、電極および導体より導電率が低いという事を表す。抵抗シートは、100kΩから10MΩの範囲の、好ましくは、0.9MΩから1.1MΩの範囲の電気抵抗を有する。抵抗値は、抵抗シートを形成する方形体の両側に置かれた電極間で測定する(ヒューレットパッカード社製34401 Aマルチメータ、温度=23℃、相対湿度=50%、U=1.8V)。言い換えると、抵抗値は、抵抗シートの寸法とは無関係に所定の範囲内になくてはならず、抵抗シートの原料を調整することによって、所望のレベルに調整することができる。
【0020】
抵抗シートは導電性材料を含み、印刷層、被覆層、プラスチック層、または繊維質層であり得る。抵抗シートは、導電要素として、導電性カーボン、または金属層、金属粒子、もしくは金属ファイバ、またはポリアセチレン、ポリアニリン、もしくはポリピロールなどの導電性ポリマを有する。透明のセンサ製品が望ましい場合には、ITO(インジウムスズ酸化物)、PEDOT(ポリ−3、4−エチレンジオキシチオフェン)、またはカーボンナノチューブなどの導電材料を使用することができる。例えば、カーボンナノチューブは、ナノチューブとポリマを含む被覆物に使用することができる。同じ導電性材料が電極および導体にも適用される。
【0021】
本発明の別の実施形態によると、センサ製品は、フレキシブル基板上にアレイ状のまたはマトリクス状の導電領域を有する。導電領域は必ずしも別々の電極を有せず、導電領域全体にわたって同じ材料で構成することができる。その実施形態では、導電領域が高い導電率を有していることが有利な点である。
【0022】
導電領域は、金属、導電性カーボン、または導電性ポリマで構成することができる。それに使用する一般的な金属には、アルミニウム、銅、および銀がある。導電性カーボンは、インクまたは被覆物を製造するために溶剤に混合することができる。導電性ポリマの例としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、およびポリピロールがある。導電率が異なる場合もあるが、抵抗シートに関連して述べたものと同じ導電材料が第2の実施形態による製品の導電領域および導体にも適用される。導電領域は、例えば、エッチングまたは印刷によって作ることができる。導電領域および導体を形成するのに、例えば、エッチング、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、静電写真法、電気めっき、および化学めっきなど、利用できる様々な技術がある。
【0023】
基板の表面には、任意の可撓性材料、例えば、紙、ボード、またはPET、PP、もしくはPEなどのプラスチックであり得る保護層があってもよい。保護層は、不織布、織物、または薄膜の形態をとることができる。保護用誘電性被覆、例えばアクリルベースの被覆も可能である。
【詳細な説明】
【0024】
図1aはセンサ製品7の平面図を示し、図1bはセンサ製品7の断面図(A−A断面)を示している。電極2および導体3は基板6の表面に形成されている。導体3は出力部8を介して電極2をコネクタ5に接続している。抵抗シート4は電極2に重なっている。保護層1は、電極2、導体3および抵抗シートが基板6と保護層1の間に置かれるような形で基板の上面に形成されている。
【0025】
図2はスマートエアバッグシステムで使用する乗客検出用途に使用可能なセンサ製品構造を示している。図2aは平面図を示し、図2bは断面図(B−B断面)を示している。センサ製品は、その表面に導電領域が形成された基板24を有し、導電領域はセンサ素子21を形成している。センサ素子21は導体25を介して出力部26に接続されている。出力部26は、センサ製品27を電子機器に接続する。番号23は通気穴を示す。基板の上面には保護層22がある。
【0026】
図3は導電性物体、例えば、人体の移動と位置をモニタするためのセンサ製品を示している。この応用例は、主に老齢者と障害者をモニタするために使用される。図3aは平面図を示し、図3bは断面図(C−C断面)を示している。センサ製品35は、基板34、基板34の表面に形成されたセンサ素子31を形成する導電領域、およびセンサ素子31を出力部に接続する導体33を有する。基板34の上面には保護層32がある。
【0027】
図4aは導電性物体、例えば、人体の移動と位置をモニタするためのセンサ製品の平面図を示し、図4bは図4aのセンサ製品の断面図(D−D断面)を示している。この応用例は、主に老齢者と障害者をモニタするのに使用される。センサ製品は、ロール・ツー・ロール工程で連続ウェブとして製造することができる。センサ製品は、基板44と、基板44の表面の導電領域41および導体43とを有する。基板44の表面には保護層42がある。導電領域41および導体43は、基板44と保護層42の間にある。番号45は誘電ブリッジを示し、誘電ブリッジの表面には導電ブリッジが印刷されている。センサ製品は、この態様で連続ロールとして製造することができ、連続ロールは所望の箇所で切断することができる。番号48は出力部を示しているが、出力部は任意の切断箇所、例えば、図4aに示す切断部D−Dに形成することができる。
【0028】
図4cおよび図4dは、(図4aにも示されている)導体43と誘電/導電ブリッジ45の接合部の図を示している。誘電/導電ブリッジ45は、2つの層、導電層46および誘電体層47を有する。導体43をブリッジ45の導電層46に接触させないとする場合、誘電体層47が導体43の表面に形成され、導電層46が誘電体層47の表面に形成される。導体43をブリッジ45の導電層46と接触するものとする場合、誘電体層はその箇所から取り除く。
【0029】
このブリッジ装置を形成する技術は、柔軟性のある印刷技術、例えばインクジェット印刷とすることができる。その印刷技術で、必要に応じて多様なパターンを印刷することが可能である。以下に本発明を実施例で説明する。
【実施例1】
【0030】
図1によるセンサ製品を製造した。センサ製品の電極および導体はアルミニウムからなり、抵抗シートは印刷された領域とする。印刷インクの導電要素はカーボンとする。
【0031】
センサ製品の製造工程は以下である。
【0032】
1.導体および電極は、以下の工程を使用することによって、任意で公知のアルミニウムエッチング技術で作ることができる。
【0033】
a.レジストを印刷する、すなわち、導体パターンおよび電極パターンをレジストインク(例えば、コーツXV1000−2)でAl/PET積層体(例えば、PET/接着剤/アルミニウム)に印刷する。
【0034】
b.Al/PET積層体をエッチングする。
【0035】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用して、エッチングしたPETフィルムの上面に抵抗シートを印刷する。カーボンインクの導電率は、誘電性ペースト(例えば、デュポン3571)を使用して、所望のレベルに調整することができる。研究結果によれば、寸法が141x225mmのシートでの最適な抵抗値は、抵抗シートを形成する方形体の両側に置かれた2つの電極間で測定して、0.9MΩ〜1.1MΩである(測定は、方形体の長さ方向で、すなわち、電極間の距離を最も長くすることができる方向で行う)。抵抗は、シートの寸法および用途に応じて10kΩから100MΩまで変えることができる。カーボン印刷領域はアルミニウム電極に重なる。
【0036】
3.保護層(例えば、PP粘着フィルムまたはPE粘着フィルム)をかぶせる。
【0037】
4.センサ製品を所望の定形に抜き型で切断する。
【0038】
5.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0039】
レジスト印刷は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷で行うことができる。
【0040】
エッチングは、任意の一般的なエッチングプロセス、例えば、塩化第二鉄、水酸化ナトリウム、または塩化水素によるプロセスで行うことができる。
【0041】
任意の他の導電性インクを使用して抵抗シート領域、導体、および電極を形成することもできる。抵抗シート領域は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷で印刷することができる。
【0042】
任意の一般的な被覆技術を使用して抵抗シート領域を作り、被覆した抵抗領域の上面に電極を印刷するか、もしくはテープで貼り付けるか、または他の手段によって電極を作ることも可能である。
【実施例2】
【0043】
図1によるセンサ製品を製造した。センサ製品の電極および導体は銅からなり、抵抗シートは印刷された領域とする。印刷インクの導電要素はカーボンとする。
【0044】
製造ステップは以下である。
【0045】
1.導体および電極は、以下の工程ステップを使用することによって、任意で公知の銅エッチング技術で作ることができる。
【0046】
a.レジストを印刷する、すなわち、導体パターンおよび電極パターンをレジストインク(例えば、コーツXV1000−2)で銅PET積層体に印刷する。
【0047】
b.銅積層体(例えば、PET/接着剤/銅)をエッチングする。
【0048】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用して、エッチングしたPETフィルムの上面に抵抗領域(抵抗シート)を印刷する。カーボンインクの導電率は、誘電性ペースト(例えば、デュポン3571)を使用して所望のレベルに調整することができる。研究結果によれば、寸法が141x225mmのシートでの最適な抵抗は、長さ方向にシートの両側にある2つの電極間で測定して0.9MΩ〜1.1MΩである。抵抗は、シートの寸法および用途に応じて10kΩから100MΩまで変えることができる。カーボン印刷領域は銅電極と重なる。
【0049】
3.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0050】
4.抵抗シート積層体を所望の定形に抜き型で切断する。
【0051】
5.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0052】
レジスト印刷は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷などで行うことができる。
【0053】
エッチングは、任意の一般的なエッチングプロセス、例えば、塩化第二鉄、塩化銅によるプロセスとすることができる。
【0054】
レジスト領域は任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷で印刷することができる。
【0055】
任意の他の導電性インクを使用して抵抗領域、導体、および電極を形成することもできる。
【0056】
任意の一般的な被覆技術を使用して抵抗領域を作り、被覆した抵抗領域の上面に電極を印刷するか、もしくはテープで貼り付けるか、または他の手段によって電極を作ることも可能である。
【実施例3】
【0057】
図1によるセンサ製品を製造した。センサ製品の電極および導体を銀インクで印刷し、抵抗シートは印刷された領域とする。印刷インクの導電要素はカーボンとする。
【0058】
製造ステップは以下である。
【0059】
1.導電性銀インクで基板(例えば、PETフィルム)に導体および電極を印刷する。
【0060】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用して、エッチングしたPETフィルムの上面に抵抗シート領域を印刷する。カーボンインクの導電率は、誘電性ペースト(例えば、デュポン3571)を使用して所望のレベルに調整することができる。研究結果によれば、寸法が141x225mmのシートでの最適な抵抗は、長さ方向にシートの両側にある2つの電極間で測定して0.9MΩ〜1.1MΩである。抵抗は、シートの寸法および用途に応じて10kΩから100MΩまで変えることができる。カーボン印刷領域は銀電極と重なる。
【0061】
3.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0062】
4.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0063】
導体および電極は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷などで印刷することができる。
【0064】
抵抗領域は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷で印刷することができる。
【0065】
任意の他の導電性インクを使用して抵抗領域、導体、および電極を形成することもできる。
【0066】
任意の一般的な被覆技術を使用して抵抗領域を作り、被覆した抵抗領域の上面に電極を印刷するか、もしくはテープで貼り付けるか、または他の手段によって電極を作ることも可能である。
【実施例4】
【0067】
図1によるセンサ製品を製造した。センサ製品の電極および導体を銀インクで印刷し、抵抗シートを導電性カーボン紙で作った。
【0068】
製造ステップは以下である。
【0069】
1.導電性カーボンを懸濁液に混合するか、または紙に導電性カーボンを被覆して導電性カーボン紙を製造する。
【0070】
2.縁部に誘電体(例えば、アクリルベースの上面被覆)を印刷して方形抵抗シートの「窓」を形成する。
【0071】
3.導電性銀インクで誘電性領域に導体および電極を印刷する。電極は方形抵抗シートと重なっている。
【0072】
4.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0073】
5.抵抗シート積層体を所望の定形に抜き型で切断する。
【0074】
6.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0075】
誘電体、導体、および電極は、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷など任意の一般的な印刷技術で印刷することができる。任意の他の導電性インクを使用して、抵抗領域、導体、および電極を形成することもできる。
【実施例5】
【0076】
図2によるセンサ製品を製造した(図2は、スマートエアバッグシステムで使用する乗客検出用途に使用可能なセンサ製品構造を示す)。
【0077】
製造ステップは以下である。
【0078】
1.導電性銀インクで基板(例えば、PETフィルム)に導体を印刷する。
【0079】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用して導体の上面にセンサ要素領域を印刷する。
【0080】
3.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0081】
4.通気穴を打ち抜く。
【0082】
5.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0083】
導体および電極は、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷などの任意の一般的な印刷技術で印刷することができる。任意の導電性インクを使用して導体および電極を形成することができる。
【0084】
センサ要素、導体、および電極をアルミニウムまたは銅からエッチングで作ることも可能である。
【実施例6】
【0085】
図3によるセンサ製品を製造した(図3は、導電性の物体、例えば、人体の移動と位置をモニタするためのセンサ積層構造を示している)。
【0086】
製造ステップは以下である。
【0087】
1.導電性銀インクで基板(例えば、PETフィルム)に導体を印刷する。
【0088】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用して導体の上面にセンサ要素領域(導電領域)を印刷する。
【0089】
3.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0090】
4.通気穴を打ち抜く(オプション)。
【0091】
5.任意の標準圧着機械または圧着方法を使用してコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0092】
導体および電極は、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、オフセット印刷、またはフレキソ印刷などの任意の一般的な印刷技術で印刷することができる。任意の導電性インクを使用して導体および電極を形成することができる。
【0093】
センサ要素領域は、任意の一般的な印刷技術、例えば、スクリーン印刷(フラットベッド式または回転式)、グラビア印刷、インクジェット、オフセット印刷、またはフレキソ印刷で印刷することができる。静電写真法も有効な方法である。任意の導電性インクを使用してセンサ要素を形成することができる。
【実施例7】
【0094】
図3によるセンサ製品を製造した。
【0095】
製造ステップは以下である。
【0096】
1.任意で公知のアルミニウムエッチング技術と以下の工程ステップを使用して、アルミニウム/PET積層体から導体およびセンサ要素をエッチングで作る。
【0097】
a.レジストを印刷する、すなわち、導体パターンおよびセンサ要素パターンをレジストインク(例えば、コーツXV1000−2)でアルミニウムPET積層体に印刷する。
【0098】
b.アルミニウム積層体(例えば、PET/接着剤/アルミニウム)をエッチングする。
【0099】
2.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0100】
3.通気穴を打ち抜く(オプション)。
【0101】
4.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【0102】
例えば、塩化第二鉄または塩化銅によるプロセスなどの任意で公知のエッチングプロセスを使用して、導体およびセンサ要素を銅からエッチングで作ることもできる。
【実施例8】
【0103】
図4によるセンサ製品を製造した。
【0104】
図4は老齢者や障害者をモニタするためのセンサ積層構造を示している。このウェブの構造により、個々のセンサ要素間の任意の箇所でウェブを切断することができる。というのも、出力部が切断箇所にできるからである。シート内のセンサ要素の最大数は出力線の数となる。
【0105】
製造ステップは以下である。
【0106】
1.第1の印刷ステーションにある導電性銀インクで、連続導体線をウェブの表面に印刷する。導体線の量は、単列のセンサ要素および電子機器への共用接続の最大量を決める。
【0107】
2.導電性カーボンインク(例えば、デュポン7102)を使用してセンサ要素領域を印刷する。
【0108】
3.導体線と次のステップで印刷される導電性ブリッジとの間の接続を次の工程ステップで電気的に絶縁するために、誘電ブリッジを印刷する。誘電ブリッジを印刷する適切な印刷技術には、例えば、インクジェットがある。
【0109】
4.上記の後で、センサ要素を個々の導電線に接続する導電ブリッジを導電性銀インクを使用して印刷することができる。
【0110】
5.保護層(例えば、PPフィルムまたはPEフィルム)をかぶせる。
【0111】
6.通気穴を打ち抜く(オプション)。
【0112】
7.任意の標準圧着機械または圧着方法でコネクタ(例えば、標準のクリンプフレックスコネクタ)を留める。
【実施例9】
【0113】
実施例8に基づいてはいるが、印刷したセンサ要素、またはセンサ要素としてエッチングしたアルミニウム積層体もしくは銅積層体と、紫外線レーザを使用して基板材料からセンサ要素まであけたバイア穴とを使用して、センサ要素と個々の導体の間を接続することも可能である。バイア穴を形成した後で、積層体の反対側に導電性インクで導電線を印刷する。導電性インクがバイア穴を埋め、導体とセンサ要素間を接続する。
【実施例10】
【0114】
実施例8に基づいてはいるが、導電性のセンサ要素を基板の表て面に形成するとともに、基板の裏面に設けた、ウェブに対して平行な一群の連続する直線伝送線を使用して、センサ要素と出力部の間を接続することも可能である。裏面の平行な導体は、エッチングもしくは印刷することで、または基板の裏面にフラットケーブルを重ね合わせることで形成することができる。裏面の単一の導体線と表て面のセンサ要素との接続は2つのステップで形成される。
【0115】
1.基板から、裏面上でセンサ要素に対して垂直方向に離れた位置にある単一連続導体まで(例えば、紫外線レーザを使用して)バイア穴をあける。
【0116】
2.基板の表て面からウェブに対して垂直にバイア穴とセンサ要素を横断する導電性インクで導体を印刷する。インクはバイア穴を埋め、裏面の単一導体と表て面のセンサ要素の間を接続する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1a】センサ製品の平面図を示す。
【図1b】図1のセンサ製品の断面図を示す。
【図2a】スマートエアバッグシステムで使用する乗客検出用途に使用可能なセンサ製品構造の平面図を示す。
【図2b】図2aのセンサ製品構造の断面図を示す。
【図3a】導電性物体をモニタするためのセンサ製品の平面図を示す。
【図3b】図3aのセンサ製品の断面図を示す。
【図4a】導電性物体をモニタするためのセンサ製品の平面図を示す。
【図4b】図4aのセンサ製品の断面図を示す。
【図4c】導体と誘電/導電ブリッジとの接合部の平面図を示す。
【図4d】導体と誘電/導電ブリッジとの接合部の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(6、24、34、44)と、該基板の表面の少なくとも1つの導電領域(2、4、21、31、41)と、出力部(8、26、36、48)と、前記少なくとも1つの導電領域と前記出力部の間の少なくとも1つの導体(3、25、33、43)とを含むことを特徴とする電界検出用センサ製品。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ製品において、前記導電領域は、互いに電気的に接触した、少なくとも1つの電極(2)と電気抵抗が100kΩから10MΩの範囲の抵抗シート(4)とを含むことを特徴とするセンサ製品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサ製品において、前記抵抗シート(4)は、電気抵抗が0.9MΩから1.1MΩの範囲であることを特徴とするセンサ製品。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載のセンサ製品において、前記導電領域(2、4、21、31、41)は、印刷された層または被覆された層を含むことを特徴とするセンサ製品。
【請求項5】
前記請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサ製品において、前記導電領域(2、4、21、31、41)は、プラスチック層または繊維層を含むことを特徴とするセンサ製品。
【請求項6】
請求項4または5に記載のセンサ製品において、前記導電領域(2、4、21、31、41)は、導電性カーボンまたは導電性ポリマを含むことを特徴とするセンサ製品。
【請求項7】
前記請求項のいずれかに記載のセンサ製品において、前記基板(6、24、34、44)は、プラスチック材料、紙、またはボードからなるフィルムであることを特徴とするセンサ製品。
【請求項8】
前記請求項のいずれかに記載のセンサ製品において、前記少なくとも1つの電極(2)および前記少なくとも1つの導体(3)は、金属、導電性カーボン、または導電性ポリマからなることを特徴とするセンサ製品。
【請求項9】
前記請求項のいずれかに記載のセンサ製品において、該センサ製品は、プラスチック材料薄膜、紙薄膜、もしくはボード薄膜、または誘電性被覆からなる最上層を含むことを特徴とするセンサ製品。
【請求項10】
前記請求項1ないし9のいずれかに記載のセンサ製品をアレイ状に含むことを特徴とするセンサ製品ウェブ。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【公表番号】特表2008−506173(P2008−506173A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519819(P2007−519819)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国際出願番号】PCT/FI2005/000312
【国際公開番号】WO2006/003245
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(500530823)ユーピーエム−キンメネ コーポレイション (7)
【氏名又は名称原語表記】UPM−KYMMENE CORPORATION
【Fターム(参考)】