説明

電磁接触器

【課題】接点部に流れる電流の向きにかかわらず十分なアーク消弧機能を確保しながら小型化することが可能な電磁接触器を提供する。
【解決手段】所定間隔を保って配置された一対の固定接触子111,112及び当該一対の固定接触子に対して接離自在に配設された可動接触子130を絶縁材で形成された接点収納ケース102内に収納した接点装置100を備え、前記接点収納ケース内における前記可動接触子に沿う対向内周面にそれぞれ互いの対向磁極面を同一極性に着磁した一対のアーク消弧用内側永久磁石143,144を前記可動接触子に近接させて配置するとともに、前記接点収納ケースの外周面における前記アーク消弧用内側永久磁石に対向する位置に当該アーク消弧用内側永久磁石と同極性で且つ当該アーク消弧用内側永久磁石より保磁力が大きい一対のアーク消弧用外側永久磁石151,152を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定接触子及び可動接触子を接点収納ケース内に配置した電磁接触器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等の高圧の直流電源回路に用いられる電磁接触器として、従来、特許文献1に記載された接点装置が提案されている。この接点装置は、電路を形成する接点機構と、接点機構を開閉駆動する電磁石装置と、接点機構および電磁石装置を収納する密閉された器体とを備えている。そして、電磁石装置の前記接点機構における電路方向両側に隔壁を形成し、この隔壁と器体との間に通気路を形成している。さらに、器体の電路方向と平行な内面に接点機構の開極時に生じるアークを前記通気路に向かって付勢するように磁界を作用させる永久磁石を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3997700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、永久磁石が器体の内側で接点機構の近傍に配置されているので、小さな磁石でも接点近傍の磁束密度を高めることが可能である。しかしながら、アークがアークスペースに引き伸ばされた器体の内面近傍では、小さな磁石で生じる磁界の向きが弱まるか逆向きの磁界が生じる可能性があり、直流遮断できないか直流遮断するために必要なアーク電圧を得るためには大きなアークスペースが必要となり封止容器が大きくなってしまうという未解決の課題がある。特に、アークを確実に消弧しようとすると特許文献1に記載されているように電磁石装置の側面側に通気路を設け、この通気路にアークを引き伸ばすためには、大きな電磁石が必要となり、全体の構成が大型化するという未解決の課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、アーク消弧スペースを小さくしながら十分なアーク消弧機能を確保して接点装置の全体の構成を小型化することが可能な接点装置及びこれを使用した電磁接触器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電磁接触器の第1の形態は、所定間隔を保って配置された一対の固定接触子及び当該一対の固定接触子に対して接離自在に配設された可動接触子を絶縁材で形成された接点収納ケース内に収納した接点装置を備え、前記接点収納ケース内における前記可動接触子に沿う対向内周面にそれぞれ互いの対向磁極面を同一極性に着磁した一対のアーク消弧用内側永久磁石を前記可動接触子に近接させて配置するとともに、前記接点収納ケースの外周面における前記アーク消弧用内側永久磁石に対向する位置に当該アーク消弧用内側永久磁石と同極性で且つ当該アーク消弧用内側永久磁石より保磁力が大きい一対のアーク消弧用外側永久磁石を配置した。
【0007】
この構成によると、一対の固定接触子間に可動接触子が接触している投入状態から釈放状態とする際に、一対の固定接触子と可動接触子との間にアークが発生する。このとき、可動接触子を挟んで対向するように一対のアーク消弧用内側永久磁石が接点収納ケースの内周面に可動接触子に近接して配置され、これらアーク消弧用永久磁石の対向磁極面が同一極性に着磁されている。
【0008】
したがって、互いに対向配置されたアーク消弧用永久磁石のN極からS極に向かう磁束が共に一対の固定接触子と可動接触子との間のアーク発生部に対して可動接触子の長手方向に横切ることになり、アークに対して十分なローレンツ力を作用することができ、可動接触子の長手方向と直交する方向にアークを引き伸ばして確実に消弧できる。しかも、アーク消弧用永久磁石間の距離が短くなるので、必要な磁束密度を得るためには磁力の弱いアーク消弧用永久磁石で済む。
【0009】
また、接点収納ケースの内周面にアーク消弧用内側永久磁石を配置することにより、可動接触子の側縁と接点収納ケースの内周面との間の距離を長くすることができ、必要なアーク消弧空間を形成することができる。
さらに、接点収納ケースの外周面にアーク消弧用内側永久磁石と同極性のアーク消弧用外側永久磁石を配置することにより、接点収納ケースの内周面におけるアーク消弧用内側永久磁石の可動接触子の延長方向端面におけるN極からS極に向かう磁束をアーク消弧用外側永久磁石のN極からS極に向かう磁束で相殺することができる。このとき、一対のアーク消弧用外側永久磁石の保磁力が一対のアーク消弧用内側永久磁石の保磁力より大きいので、一対のアーク消弧用内側永久磁石から可動接触子及び一対の固定接触子間を通って一対のアーク消弧用外側永久磁石に向かう磁束の磁束密度を増加させることができる。この磁束によってアークを接点収納ケースの内側に引き伸ばすローレンツ力を発生することができる。
【0010】
また、本発明に係る電磁接触器の第2の形態は、前記一対のアーク消弧用外側永久磁石の前記可動接触子の延長方向外側端部が、前記一対のアーク消弧用内側永久磁石の前記可動接触子の延長方向外側端部より外側に配置されている。
この構成によると、一対のアーク消弧用内側永久磁石から一対のアーク消弧用外側永久磁石に向かう磁束を一対の固定接触子及び可動接触子間のアーク発生部位を確実に横切るように形成することができる。
【0011】
また、本発明に係る電磁接触器の第3の態様は、前記一対のアーク消弧用外側永久磁石が、前記可動接触子の延長方向に2分割されている。
この構成によると、2分割した一対のアーク消弧用外側永久磁石の合計体積を小さくすることができ、コスト削減を図ることができる。
また、本発明に係る電磁接触器の第4の形態は、前記一対のアーク消弧用内側永久磁石のそれぞれが、前記接点収納ケースの内周面に形成された絶縁部材で覆われている。
【0012】
この構成によると、一対のアーク消弧用永久磁石が絶縁部材で覆われているので、一対のアーク消弧用内側永久磁石の欠片が一対の固定接触子と可動接触子との接極面に介在して接触不良が発生することを確実に防止することができる。また、一対のアーク消弧用内側永久磁石と可動接触子及び一対の固定接触子とのアーク発生部に近接させることができる。
【0013】
また、本発明に係る電磁接触器の第5の態様は、前記絶縁部材が、前記可動接触子に摺接して当該可動接触子の回動を規制する可動接触子ガイド部材を備えている。
この構成によると、アーク消弧用永久磁石を覆う絶縁部材に設けた可動接触子ガイド部材で可動接触子の回動を確実に規制することができる。
また、本発明に係る電磁接触器の第6の態様は、前記一対のアーク消弧用外側永久磁石の外周面における前記可動接触子の延長方向の端部間に一対の磁気ヨークが連結されている。
この構成によると、一対の固定接触子及び可動接触子間発生するアークを接点収納ケースの内周面に引き伸ばすローレンツ力を正確に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一対の固定接触子及びこれらに接離可能とされた可動接触子を配置した接点収納ケースの内周面に可動接触子に近接させて一対のアーク消弧用内側永久磁石を配置するとともに、接点収納ケースの外周面に一対のアーク消弧用外側永久磁石を配置した。このため、一対のアーク消弧用内側永久磁石の可動接触子の延長方向の端面でのN極からS極に向かう磁束を一対のアーク消弧用外側永久磁石のN極からS極に向かう磁束で相殺して、一対の固定接触子及び可動接触子間のアーク発生部に対して可動接触子の長手方向に横切る磁束の磁束密度を十分な磁束密度とすることができる。このため、アークを接点収納ケースの内周面側へ引き伸ばすローレンツ力を確実に発生することができる。
しかも、可動接触子と接点収納ケースの内周面との距離をアーク消弧用永久磁石の厚み分大きくすることができ、十分なアーク消弧空間を確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る電磁接触器の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線上の断面図である。
【図3】接点装置の絶縁カバーを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は装着前の平面図、(c)は装着後の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図2と同様の断面図である。
【図5】接点機構の他の例を示す図であって、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る電磁開閉器の一例を示す外観斜視図、図2はその分解斜視図である。これら図1及び図2において、10は電磁接触器であって、この電磁接触器10は、接点装置100と、この接点装置100の下側に配置された接点装置100を駆動する電磁石ユニット200とを備えている。
【0017】
接点装置100は、接点機構101を収納する接点収納ケース102を有する。この接点収納ケース102は、例えばセラミック、合成樹脂材等で形成され、下端を開放した桶状に形成されている。
この接点収納ケース102は、たとえばセラミックや合成樹脂材によって、角筒部102aとこの角筒部102aの上端を閉塞する天板部102bとを一体成形して桶状体に形成されている。この桶状体の開放端面側にメタライズ処理して金属箔を形成し、この金属箔に金属製の接続部材304をシール接合して接点収納ケース102を構成している。そして、接点収納ケース102の接続部材304が後述する上部磁気ヨーク210にシール接合されている。
【0018】
接点機構101は、図1に示すように、接点収納ケース102の天板部102bに形成された貫通孔106及び107に挿通されて固定された一対の固定接触子111及び112を備えている。これら固定接触子111及び112のそれぞれは、接点収納ケース102の貫通孔106及び107に挿通される上端に外方に突出するフランジ部113を有する支持導体部114と、この支持導体部114に連結されて接点収納ケース102の下面側に配設され内方側を開放したC字状部115とを備えている。
【0019】
C字状部115は、接点収納ケース102の下面に沿って外側に延長する上板部116とこの上板部116の外側端部から下方に延長する中間板部117と、この中間板部117の下端側から上板部116と平行に内方側すなわち固定接触子111及び112の対面方向に延長する下板部118とで中間板部117及び下板部118で形成されるL字状に上板部116を加えたC字状に形成されている。
【0020】
ここで、支持導体部114とC字状部115とは、支持導体部114の下端面に突出形成されたピン114aをC字状部115の上板部116に形成された貫通孔120内に挿通した状態で例えばロウ付けによって固定されている。なお、支持導体部114及びC字状部115の固定は、ロウ付けに限らず、ピン114aを貫通孔120に嵌合させたり、ピン114aに雄ねじを形成し、貫通孔120に雌ねじを形成して両者を螺合させたりしてもよい。
【0021】
そして、固定接触子111及び112のC字状部115にそれぞれ、アークの発生を規制する合成樹脂材製の絶縁カバー121が装着されている。この絶縁カバー121は、図3(a)及び(b)に示すように、C字状部115の上板部116及び中間板部117の内周面を被覆するものである。絶縁カバー121は、上板部116及び中間板部117の内周面に沿うL字状板部122と、このL字状板部122の前後端部からそれぞれ上方及び外方に延長してC字状部115の上板部116及び中間板部117の側面を覆う側板部123及び124と、これら側板部123及び124の上端から内方側に形成された固定接触子111及び112の支持導体部114に形成された小径部114aに係合する係合部125とを備えている。
【0022】
したがって、絶縁カバー121が、図3(a)及び(b)に示すように、固定接触子111及び112の支持導体部114の小径部に係合部125を対向させた状態とし、次いで、図3(c)に示すように、絶縁カバー121を押し込むことにより、係合部125を支持導体部114の小径部114bに係合させる。
このように、固定接触子111及び112のC字状部115に絶縁カバー121を装着することにより、このC字状部115の内周面では下板部118の上面側のみが露出されて接点部118aとされている。
【0023】
そして、固定接触子111及び112のC字状部115内に両端部を配置するように可動接触子130が配設されている。この可動接触子130は後述する電磁石ユニット200の可動プランジャ215に固定された連結軸131に支持されている。この可動接触子130は、図1に示すように、中央部の連結軸131の近傍が下方に突出する凹部132が形成され、この凹部132に連結軸131を挿通する貫通孔133が形成されている。
【0024】
連結軸131は、上端に外方に突出するフランジ部131aが形成されている。この連結軸131に下端側から接触スプリング134に挿通し、次いで可動接触子130の貫通孔133を挿通して、接触スプリング134の上端をフランジ部131aに当接させこの接触スプリング134で所定の付勢力を得るように可動接触子130を例えばCリング135によって位置決めする。
【0025】
この可動接触子130は、釈放状態で、両端の接点部130aと固定接触子111及び112のC字状部115の下板部118の接点部118aとが所定間隔を保って離間した状態となる。また、可動接触子130は、投入位置で、両端の接点部130aが固定接触子111及び112のC字状部115の下板部118の接点部118aに、接触スプリング134による所定の接触圧で接触するように設定されている。
【0026】
さらに、接点収納ケース102の内周面には、可動接触子130の側面に対向する位置に磁石収納筒体141及び142が形成されている。この磁石収納筒体141及び142には、アーク消弧用内側永久磁石143及び144が挿通されて固定されている。
このアーク消弧用内側永久磁石143及び144は、厚み方向に互いの対向磁極面がN極となるように着磁されている。また、アーク消弧用内側永久磁石143及び144は、左右方向の両端部がそれぞれ、図2に示すように、固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部との対向位置より僅かに内側となるよう設定されている。そして、磁石収納筒体141及び142の左右方向の外側にそれぞれアーク消弧空間145及び146が形成されている。
【0027】
また、磁石収納筒体141及び142の可動接触子130の両端よりの側縁と摺接して可動接触子130の回動を規制する可動接触子ガイド部材148及び149が突出形成されている。
このように、アーク消弧用内側永久磁石143及び144を絶縁筒体140の内周面側に配置することにより、アーク消弧用内側永久磁石143及び144を可動接触子130に近接させることができる。
【0028】
また、接点収納ケース102の外周面におけるアーク消弧用内側永久磁石に対向する位置には、一対のアーク消弧用外側永久磁石151及び152が配置されている。これらアーク消弧用外側永久磁石151及び152は、アーク消弧用内側永久磁石143及び144と同極性とされ且つアーク消弧用内側永久磁石143及び144の保持力より大きな保持力を有する。これらアーク消弧用外側永久磁石151及び152の後述する可動接触子130の延長方向すなわち左右方向の両端位置が固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部との対向位置より外側となるように設定されている。
【0029】
このため、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の左右方向の外側端部でN極から出てS極に至る点線図示の磁束は、アーク消弧用外側永久磁石151及び152のN極から出でS極に至る点線図示の磁束によって相殺される。しかしながら、アーク消弧用内側永久磁石143及び144に比較してアーク消弧用外側永久磁石151及び152の保持力が大きく設定されているため、図2(a)に示すように、アーク消弧用内側永久磁石143及び144のN極から出る実線図示の磁束φが固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの対向部を左右方向に内側から外側に大きな磁束密度で横切ることになる。
【0030】
したがって、固定接触子111を電流供給源に接続し、固定接触子112を負荷側に接続するものとすると、投入状態の電流の方向は、図2(b)に示すように、固定接触子111から可動接触子130を通じて固定接触子112に流れることになる。そして、投入状態から可動接触子130を固定接触子111及び112から上方に離間させて釈放状態とする場合に、固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの間にアークが発生する。
【0031】
このアークは、アーク消弧用内側永久磁石143及び144のN極からアーク消弧用外側永久磁石151及び152のS極に向かう磁束φにより、図2(c)に示すように、アーク消弧用内側永久磁石143側のアーク消弧空間145側に引き伸ばすローレンツ力が発生する。このとき、アーク消弧空間145及び146はアーク消弧用内側永久磁石143及び144の厚み分広く形成されているので、長いアーク長をとることができ、アークを確実に消弧することができる。
【0032】
電磁石ユニット200は、図1に示すように、側面から見て扁平なU字形状の磁気ヨーク201を有し、この磁気ヨーク201の底板部202の中央部に円筒状補助ヨーク203が固定されている。この円筒状補助ヨーク203の外側にスプール204が配置されている。
このスプール204は、円筒状補助ヨーク203を挿通する中央円筒部205と、この中央円筒部205の下端部から半径方向外方に突出する下フランジ部206と、中央円筒部205の上端より僅かに下側から半径方向外方に突出する上フランジ部207とで構成されている。そして、中央円筒部205、下フランジ部206及び上フランジ部207で構成される収納空間に励磁コイル208が巻装されている。
【0033】
そして、磁気ヨーク201の開放端となる上端間に上部磁気ヨーク210が固定されている。この上部磁気ヨーク210は、中央部にスプール204の中央円筒部205に対向する貫通孔210aが形成されている。
そして、スプール204の中央円筒部205内に、底部と磁気ヨーク201の底板部202との間に復帰スプリング214を配設した可動プランジャ215が上下に摺動可能に配設されている。この可動プランジャ215には、上部磁気ヨーク210から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部216が形成されている。
【0034】
また、上部磁気ヨーク210の上面に、環状に形成された永久磁石220が可動プランジャ215の周鍔部216を囲むように固定されている。この永久磁石220は上下方向すなわち厚み方向に上端側をN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。
そして、永久磁石220の上端面に、永久磁石220と同一外形で可動プランジャ215の周鍔部216の外径より小さい内径の貫通孔224を有する補助ヨーク225が固定されている。この補助ヨーク225の下面に可動プランジャ215の周鍔部216が当接されている。
【0035】
ここで、永久磁石220の厚みTは、可動プランジャ215のストロークLと可動プランジャ215の周鍔部216の厚みtとを加算した値(T=L+t)に設定されている。したがって、可動プランジャ215のストロークLが永久磁石220の厚みTで規制されている。
このため、可動プランジャ215のストロークに影響する累積の部品数や形状公差を最小限とすることができる。また、可動プランジャ215のストロークLを永久磁石220の厚みTと周鍔部216の厚みtのみで決定することにより、ストロークLのバラツキを最小化することができる。特に、小型の電磁接触器でストロークが小さい場合により効果的である。
【0036】
なお、永久磁石220の外形は方形状や円環状等の任意形状に形成することができ、要は内周面が円筒面であれば外形は任意形状とすることができる。
また、可動プランジャ215の上端面には可動接触子130を支持する連結軸131が螺着されている。
そして、開極状態では、可動プランジャ215が復帰スプリング214によって上方に付勢されて、周鍔部216の上面が補助ヨーク225の下面に当接する釈放位置となる。この状態で、可動接触子130の接点部130aが固定接触子111及び112の接点部118aから上方に離間して、電流遮断状態となっている。
【0037】
この釈放状態では、可動プランジャ215の周鍔部216が永久磁石220の磁力によって補助ヨーク225に吸引されており、復帰スプリング214の付勢力と相まって可動プランジャ215が外部からの振動等によって不用意に下方に移動することなく補助ヨーク225に当接された状態が確保される。
また、可動プランジャ215は、非磁性体製で有底筒状に形成されたキャップ230で覆われ、このキャップ230の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部231が上部磁気ヨーク210の下面にシール接合されている。これによって、接点収納ケース102及びキャップ230が上部磁気ヨーク210の貫通孔210aを介して連通される密封容器が形成されている。そして、接点収納ケース102及びキャップ230で形成される密封容器内に水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気、SF6等のアーク消弧用ガスが封入されている。
【0038】
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、固定接触子111に例えば大電流を供給する電力供給源に接続した外部接続端子板を接続し、固定接触子112に負荷に接続された外部接続端子板を接続したものとする。
この状態で、電磁石ユニット200における励磁コイル208が非通電状態にあって、電磁石ユニット200で可動プランジャ215を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ215が復帰スプリング214によって、上部磁気ヨーク210から離れる上方向に付勢される。これと同時に、永久磁石220の磁力による吸引力が補助ヨーク225に作用されて、可動プランジャ215の周鍔部216が吸引される。このため、可動プランジャ215の周鍔部216の上面が補助ヨーク225の下面に当接している。
【0039】
このため、可動プランジャ215に連結軸131を介して連結されている接点機構101の可動接触子130の接点部130aが固定接触子111及び112の接点部118aから上方に所定距離だけ離間している。このため、固定接触子111及び112間の電流路が遮断状態にあり、接点機構101が開極状態となっている。
このように、電磁石ユニット200の釈放状態では、可動プランジャ215に復帰スプリング214による付勢力と環状永久磁石220による吸引力との双方が作用しているので、可動プランジャ215が外部からの振動によって不用意に下降することがなく、誤動作を確実に防止することができる。
【0040】
この釈放状態から、電磁石ユニット200の励磁コイル208に通電すると、この電磁石ユニット200で励磁力を発生させて、可動プランジャ215を復帰スプリング214の付勢力及び環状永久磁石220の吸引力に抗して下方に押し下げる。この可動プランジャ215の下降が、周鍔部216の下面が上部磁気ヨーク210の上面に当接することにより停止される。
【0041】
このように、可動プランジャ215が下降することにより、可動プランジャ215に連結軸131を介して連結されている可動接触子130も下降し、その接点部130aが固定接触子111及び112の接点部118aに接触スプリング134の接触圧で接触する。
このため、外部電力供給源の大電流iが固定接触子111、可動接触子130、固定接触子112を通じて負荷に供給される閉極状態となる。
【0042】
このとき、固定接触子111及び112と可動接触子130との間に可動接触子130を開極させる方向の電磁反発力が発生する。
しかしながら、固定接触子111及び112は、図1に示すように、上板部116、中間板部117及び下板部118によってC字状部115が形成されているので、上板部116及び下板部118とこれに対向する可動接触子130とで逆方向の電流が流れることになる。このため、固定接触子111及び112の下板部118が形成する磁界と可動接触子130に流れる電流の関係からフレミング左手の法則により可動接触子130を固定接触子111及び112の接点部118aに押し付けるローレンツ力を発生することができる。
【0043】
このローレンツ力によって、固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部130a間に発生する開極方向の電磁反発力に抗することが可能となり、可動接触子130の接点部130aが開極することを確実に防止することができる。このため、可動接触子130を支持する接触スプリング134の押圧力を小さくすることができ、これに応じて励磁コイル208で発生する推力も小さくすることができ、電磁接触器全体の構成を小型化することができる。
【0044】
この接点機構101の閉極状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット200の励磁コイル208への通電を停止する。
これによって、電磁石ユニット200で可動プランジャ215を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ215が復帰スプリング214の付勢力によって上昇し、周鍔部216が補助ヨーク225に近づくに従って環状永久磁石220の吸引力が増加する。
【0045】
この可動プランジャ215が上昇することにより、連結軸131を介して連結された可動接触子130が上昇する。これに応じて接触スプリング134で接触圧を与えている間は可動接触子130が固定接触子111及び112に接触している。その後、接触スプリング134の接触圧がなくなった時点で可動接触子130が固定接触子111及び112から上方に離間する開極開始状態となる。
【0046】
この開極開始状態となると、固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの間にアークが発生し、このアークによって電流の通電状態が継続されることになる。このとき、固定接触子111及び112のC字状部115の上板部116及び中間板部117を覆う絶縁カバー121が装着されているので、アークが固定接触子111及び112の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの間のみに発生させることができる。このため、アークの発生状態を安定させることができ、消弧性能を向上させることができる。
【0047】
このとき、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の対向磁極面がN極であり、その外側がS極であり、同様にアーク消弧用外側永久磁石151及び152の対向磁極面がN極であり、その外側がS極となっている。しかも、アーク消弧用外側永久磁石151及び152の保持力をアーク消弧用内側永久磁石143及び144の保持力より大きく設定している。
【0048】
このため、アーク消弧用内側永久磁石143のN極から出た磁束φが、図2(a)に示すように、固定接触子111の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの対向部のアーク発生部を可動接触子130の長手方向に内側から外側に横切ってS極に達して磁界が形成される。同様に、アーク消弧用内側永久磁石144のN極から出た磁束φが、固定接触子112の接点部118aと可動接触子130の接点部130aのアーク発生部を可動接触子130の長手方向に内側から外側に横切ってアーク消弧用外側永久磁石152のS極に達して磁界が形成される。
【0049】
したがって、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の磁束φがともに固定接触子111の接点部118a及び可動接触子130の接点部130a間と、固定接触子112の接点部118a及び可動接触子130の接点部130a間を可動接触子130の長手方向で互いに逆方向に横切ることになる。
そして、固定接触子111の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの間では、図2(b)に示すように、電流Iが固定接触子111側から可動接触子130側に流れるとともに、磁束Φの向きが内側から外側に向かう方向となる。このため、フレミングの左手の法則によって、図2(c)に示すように、可動接触子130の長手方向と直交し且つ固定接触子111の接点部118aと可動接触子130との開閉方向と直交してアーク消弧空間145側に向かう大きなローレンツ力Fが作用する。
【0050】
このローレンツ力Fによって、固定接触子111の接点部118aと可動接触子130の接点部130aとの間に発生したアークが、固定接触子111の接点部118aの側面からアーク消弧空間145内を通って可動接触子130の上面側に達するように大きく引き伸ばされて消弧される。
また、アーク消弧空間145では、その下方側及び上方側で、固定接触子111の接点部118a及び可動接触子130の接点部130a間の磁束の向きに対して下方側に及び上方側に磁束が傾くことになる。このため、傾いた磁束によってアーク消弧空間145に引き伸ばされたアークがアーク消弧空間145の隅の方向へさらに引き伸ばされ、アーク長を長くすることができ、良好な遮断性能を得ることができる。
【0051】
一方、固定接触子112の接点部118aと可動接触子130との間では、図2(b)に示すように、電流Iが可動接触子130側から固定接触子112側に流れるとともに、磁束Φの向きが内側から外側に向かう右方向となる。このため、フレミングの左手の法則によって、可動接触子130の長手方向と直交し且つ固定接触子112の接点部118aと可動接触子130との開閉方向と直交してアーク消弧空間145側に向かう大きなローレンツ力Fが作用する。
【0052】
このローレンツ力Fによって、固定接触子112の接点部118aと可動接触子130との間に発生したアークが、可動接触子130の上面側からアーク消弧空間145内を通って固定接触子112の側面側に達するように大きく引き伸ばされて消弧される。
また、アーク消弧空間145では、上述したように、その下方側及び上方側で、固定接触子112の接点部118a及び可動接触子130の接点部130a間の磁束の向きに対して下方側及び上方側に磁束が傾くことになる。このため、傾いた磁束によってアーク消弧空間145に引き伸ばされたアークがアーク消弧空間145の隅の方向へさらに引き伸ばされ、アーク長を長くすることができ、良好な遮断性能を得ることができる。
【0053】
また、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の可動接触子130の延長方向の両端部でN極からS極に向かう図2(a)で点線図示の磁束が、アーク消弧用外側永久磁石151及び152の可動接触子130の延長方向の両端部でN極からS極に向かう図2(a)で点線図示の磁束によって相殺される。このため、引き伸ばされたアークの消弧に対して影響を与える可能性のある磁束の発生を確実に防止することができる。すなわち、アーク消弧空間145及び146内でのアーク駆動力を損なう磁束の発生を防止して、アーク消弧を確実に行うことができる。
【0054】
一方、電磁接触器10の投入状態で、負荷側から直流電源側に回生電流が流れている状態で、釈放状態とする場合には、前述した図2(b)における電流の方向が逆となることから、ローレンツ力Fがアーク消弧空間146側に作用し、アークがアーク消弧空間146側に引き伸ばされることを除いては同様の消弧機能が発揮される。
このとき、アーク消弧用内側永久磁石143及び144は絶縁筒体140に形成された磁石収納筒体141及び142内に配置されているので、アークが直接アーク消弧用内側永久磁石143及び144に接触することがない。このため、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の磁気特性を安定して維持することができ、遮断性能を安定化させることができる。
【0055】
このように、上記第1の実施形態によると、接点収納ケース102を構成する絶縁筒体140の可動接触子130の側縁に対向する内周面にアーク消弧用内側永久磁石143及び144を配置したので、アーク消弧用内側永久磁石143及び144を一対の固定接触子111及び112と可動接触子130との接極面に近接させることができ、アークを可動接触子130の延長方向で内側から外側に向かう磁束の磁束密度を高めることができ、必要な磁束密度を得るためのアーク消弧用内側永久磁石143及び144の磁力を低減することができ、アーク消弧用磁石のコストダウンを行うことができる。
【0056】
また、接点装置100では、固定接触子111及び112のC字状部115と可動接触子130の接触圧を付与する接触スプリング134とが並列に配置されているので、固定接触子、可動接触子及び接触スプリング直列に配置する場合に比較して接点機構101の高さを短くすることができる。このため、接点装置100を小型化することができる。
また、可動接触子130の側縁と、絶縁筒体140の内周面との距離をアーク消弧用内側永久磁石143及び144の厚み分、長くすることができるので、十分なアーク消弧空間145及び146を設けることができ、アークの消弧を確実に行うことができる。
【0057】
さらに、アーク消弧用内側永久磁石143及び144を収納する磁石収納筒体141及び142の可動接触子130と対向する位置に可動接触子の側縁に摺接する可動接触子ガイド部材148及び149が突出形成されているので、可動接触子130の回動を確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、アーク消弧用外側永久磁石151及び152がそれぞれ1枚の永久磁石で構成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アーク消弧用外側永久磁石151及び152を可動接触子130の延長方向の中央部で分割して2枚の永久磁石で構成するようにしてもよい。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態を図4について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態におけるアーク消弧用外側永久磁石151及び152の外側に磁気ヨークを形成したものである。
すなわち、第2の実施形態では、図4に示すように、接点機構101のアーク消弧用外側永久磁石151及び152の外側となるS極側間を一対の磁気ヨーク401及び402で連結するようにしたことを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0059】
したがって、図4において、第1の実施形態における図2との対応部分には同一の符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態では、アーク消弧用外側永久磁石151及び152の可動接触子130の延長方向の中央部に所定間隔を開けた左右半部がC字状の磁気ヨーク401及び402で連結されている。これら磁気ヨーク401及び402の中央板部403が接点収納ケース102の左右側板部102cの外周面に接触されている。
【0060】
この第2の実施形態によると、アーク消弧用外側永久磁石151及び152の外側となるS極側がそれらの左右半部で一対の磁気ヨーク401及び402で磁気的に連結されている。このため、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の可動接触子130と対向する内側のN極から出た磁束が磁気ヨーク401及び402の中央板部403に達し、この磁気ヨーク401及び402を介してアーク消弧用外側永久磁石151及び152のS極に至る磁路が形成される。
【0061】
このため、アーク消弧用内側永久磁石143及び144の可動接触子130と対向する内側のN極から出た磁束が固定接触子111及び112の接点部108a及び可動接触子130の接点部130aとの間を内側から外側に横切る磁束密度を増加させることができる。このため、電流遮断開始時に接点部108a及び130a間に発生するアークを引き伸ばすローレンツ力をより大きくすることができ、アークの消弧をより確実に行うことかできる。
【0062】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、アーク消弧用内側永久磁石143及び144とアーク消弧用外側永久磁石151及び152の互いの対向磁極面をN極とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アーク消弧用内側永久磁石143及び144とアーク消弧用外側永久磁石151及び152の互いの対向磁極面をS極とするようにしても、磁束のアーク横切り方向及びローレンツ力の方向が逆方向となることを除いては上述した第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、接点収納ケース102を桶状に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、天板部を別部材とすることもできる。さらには、金属製の角筒体と、この角筒体の上端を閉塞するセラミック絶縁基板とをロウ付けして形成し、角筒体の内部に絶縁角筒体を配置するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、固定接触子111及び112にC字状部115を形成する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記に限定されるものではなく、図5(a)及び(b)に示すように、支持導体部114にC字状部115における上板部116を省略した形状となるL字状部160を連結するようにしてもよい。
【0064】
この場合でも、固定接触子111及び112に可動接触子130を接触させた閉極状態で、L字状部160の垂直板部を流れる電流によって生じる磁束を固定接触子111及び112と可動接触子130との接触部に作用させることができる。このため、固定接触子111及び112と可動接触子130との接触部における磁束密度を高めて電磁反発力に抗するローレンツ力を発生させることができる。
【0065】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、可動プランジャ215に連結軸131を螺合させる場合について説明したが、可動プランジャ215と連結軸131とを一体に形成するようにしてもよい。
また、接点機構101の接点収納ケース102には、水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気等のガスを封入する場合について説明したが、固定接触子111及び112間に低電流を通電する場合には、ガス封入を省略するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…電磁接触器、100…接点装置、101…接点機構、102…接点収納ケース、111,112…固定接触子、114…支持導体部、115…C字状部、116…上板部、117…中間板部、118…下板部、118a…接点部、121…絶縁カバー、130…可動接触子、130a…接点部、131…連結軸、132…凹部、134…接触スプリング、140…絶縁筒体、141,142…磁石収納筒体、143,144…アーク消弧用内側永久磁石、145,146…アーク消弧空間、151,152…アーク消弧用外側永久磁石、160…L字状部、200…電磁石ユニット、201…磁気ヨーク、203…円筒状補助ヨーク、204…スプール、208…励磁コイル、210…上部磁気ヨーク、214…復帰スプリング、215…可動プランジャ、216…周鍔部、220…永久磁石、225…補助ヨーク、401,402…磁気ヨーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を保って配置された一対の固定接触子及び当該一対の固定接触子に対して接離自在に配設された可動接触子を絶縁材で形成された接点収納ケース内に収納した接点装置を備え、
前記接点収納ケース内における前記可動接触子に沿う対向内周面にそれぞれ互いの対向磁極面を同一極性に着磁した一対のアーク消弧用内側永久磁石を前記可動接触子に近接させて配置するとともに、前記接点収納ケースの外周面における前記アーク消弧用内側永久磁石に対向する位置に当該アーク消弧用内側永久磁石と同極性で且つ当該アーク消弧用内側永久磁石より保磁力が大きい一対のアーク消弧用外側永久磁石を配置したことを特徴とする電磁接触器。
【請求項2】
前記一対のアーク消弧用外側永久磁石の前記可動接触子の延長方向外側端部は、前記一対のアーク消弧用内側永久磁石の前記可動接触子の延長方向外側端部より外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
【請求項3】
前記一対のアーク消弧用外側永久磁石は、前記可動接触子の延長方向に2分割されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
【請求項4】
前記一対のアーク消弧用内側永久磁石のそれぞれは、前記接点収納ケースの内周面に形成された絶縁部材で覆われていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁接触器。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記可動接触子に摺接して当該可動接触子の回動を規制する可動接触子ガイド部材を備えていることを特徴とする請求項4に記載の電磁接触器。
【請求項6】
前記一対のアーク消弧用外側永久磁石の外周面における前記可動接触子の延長方向の端部間に一対の磁気ヨークが連結されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁接触器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98051(P2013−98051A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240484(P2011−240484)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【出願人】(508296738)富士電機機器制御株式会社 (299)