電磁計測用供試体台
【課題】 設置位置を容易に変更することができる電磁計測供試体台を提供する。
【解決手段】 供試体台11は、脚部12、天板14、接続腕部材17、接地板21等によって構成する。また、天板14の表面14AにはX軸方向に延びる収容溝部15を形成し、この収容溝部15内に接続腕部材17を進退可能な状態で取付ける。そして、接続腕部材17の腕部17Aはボルト24を用いて接地板21に接続すると共に、接続部17Bはボルト19を用いて電波無響室1の壁面金属板2に接続する。
【解決手段】 供試体台11は、脚部12、天板14、接続腕部材17、接地板21等によって構成する。また、天板14の表面14AにはX軸方向に延びる収容溝部15を形成し、この収容溝部15内に接続腕部材17を進退可能な状態で取付ける。そして、接続腕部材17の腕部17Aはボルト24を用いて接地板21に接続すると共に、接続部17Bはボルト19を用いて電波無響室1の壁面金属板2に接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供試体(被測定物)の電磁計測を行うときに用いて好適な電磁計測用供試体台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種の車載電子機器に対するノイズ測定(電磁計測)を行うときには、被測定物となる電気機器等を机形状の供試体台に載置した状態でノイズ測定を行う。このとき、供試体台上には接地板が設けられると共に、該接地板は電波無響室の壁面金属板に電気的に接続されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、国際規格のCISPR25(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques)の第2版では、接地板と電波無響室の壁面金属板とは次の2つの関係を満足する必要がある。即ち、(A)壁面の電波吸収体の先端から被測定物に接続された試験ハーネスまでの距離が最小で1mあり、(B)電波無響室の壁面金属板から試験ハーネスまでの距離が最小で2mあることが必要である。
【0004】
【非特許文献1】International Electrotechnical Commission,"CISPR25 Second Edition",International Electrotechnical Commission,2002年8月,p.75-79
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術では、車載電子機器の放射ノイズを測定する場合、金属製の板状部材を用いて接地板と電波無響室の壁面金属板とを接続する。一方、CISPR25の規格は改定されることがあり、このような従来技術による供試体台では、供試体台の位置を容易に変更することができず、新しい規格に対応した測定ができない可能性がある。
【0006】
例えば2008年3月に発行されたCISPR25の第3版では、第2版の2つの条件のうち条件(B)が削除されている。また、(A)の条件のうち、試験ハーネスに代えて、被測定物と壁面の電波吸収体の先端との間の距離が最小で1mに変更されている。この場合、被測定物等の設置位置を変更することで概ね対応が可能となるが、供試体台の端から被測定物までの距離を0.2m確保する必要があるのに加え、供試体台の端から試験ハーネスまでの距離を0.1m確保する必要があるため、被測定物に大きさや形状によっては、これらの規定を満足できない可能性がある。
【0007】
また、車載電子機器の放射ノイズを測定する場合、接地板と電波無響室の壁面金属板とを接続する金属製の板状部材は、1m以上の長さ寸法を有すると共に、所定の抵抗値よりも低抵抗にするために、横断面の面積が大きくなる傾向がある。このため、板状部材は例えば5kg程度の重量を有しているから、板状部材を接地板および壁面金属板に固定するためには、少なくとも2名の作業者が必要であり、取付け時の作業性が悪いという問題もある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、設置位置を容易に変更することができる電磁計測供試体台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために本発明は、天板と、該天板の底面側に設けられ該天板を支持する脚部と、前記天板の表面に設けられ金属製材料からなる接地板と、電波無響室の壁面金属板に該接地板を接続する接続腕部材とを備えた電磁計測用供試体台に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記天板には、内側部分から外縁部分に向けて延び外縁部分が開口して前記接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設け、前記接続腕部材は、該収容部に沿って延びて該収容部内に移動可能に取付けられ前記接地板に接続された腕部と、該腕部の先端側に設けられ前記収容部から突出して前記電波無響室の壁面金属板に接続される接続部とによって構成したことにある。
【0011】
請求項2の発明では、前記接続腕部材の腕部には、長さ方向と異なる方向に向けて突出した突起部を設け、前記収容部の開口側には、前記接続腕部材に向けて突出し、該突起部と干渉して前記接続腕部材が前記収容部から抜けるのを防止する抜止め部を設ける構成としている。
【0012】
請求項3の発明では、前記接地板には、厚さ方向に貫通したボルト取付孔を設け、前記接続腕部材は、該ボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて前記収容部からの突出寸法が固定される構成としている。
【0013】
請求項4の発明では、前記接続腕部材には、前記腕部と前記接地板とを接続するケーブルを設け、該ケーブルの長さ寸法は前記収容部の長さ寸法よりも短い値に設定している。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、天板には接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設けたから、接続腕部材のうち天板から突出した部分の寸法を調整することができる。このため、電波無響室の壁面金属板に対する供試体台の位置を移動したときでも、接続腕部材の突出寸法を調節することによって、容易に壁面金属板に接続腕部材を接続することができる。
【0015】
また、接続腕部材は収容部に収容することができるから、供試体台と一緒に接続腕部材を移動することができる。さらに、接続腕部材を電波無響室の壁面金属板に接続するときには、接続腕部材の基端側(腕部)は収容部内に位置して天板によって支持される。このため、接続腕部材を片持ち支持することができるから、1名の作業者でも容易に接続腕部材を壁面金属板に接続することができ、作業性を向上することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、接続腕部材の腕部に突起部を設けると共に、収容部の開口側には抜止め部を設けたから、接続腕部材を収容部から引き出すと、接続腕部材が収容部から抜け出す前に突起部と抜止め部が干渉する。これにより、接続腕部材全体が収容部から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台を移動するときに天板から接続腕部材が落下するのを防ぐことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、接地板のボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて接続腕部材を固定する構成としたから、例えば接地板のうち収容部の長さ方向に対して異なる位置に複数のボルト取付孔を設けることによって、各ボルト取付孔に応じて接続腕部材の突出寸法を調整することができる。さらに、ボルトを用いて接続腕部材を収容部に押付ける構成とした場合には、接続腕部材にボルト穴を設ける必要がなく、接続腕部材の突出寸法を自由に調整することができる。また、ボルトを金属製材料を用いて形成することによって、ボルトを用いて接地板と接続腕部材との間を電気的に接続することができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、接続腕部材にはケーブルを設けたから、該ケーブルを用いて接地板と接続腕部材との間を電気的に接続することができる。このとき、ケーブルは接続腕部材の位置に関係なく接続腕部材と接地板との間を電気的に接続するから、接続腕部材の突出寸法を自由に調整することができる。
【0019】
また、ケーブルの長さ寸法は収容部の長さ寸法よりも短くしたから、接続腕部材が収容部から抜け出す前にケーブルが延び切って、腕部を収容部内に確実に保持する。これにより、接続腕部材全体が収容部から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台を移動するときに天板から接続腕部材が落下するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態による電磁計測用供試体台を添付図面に従って詳細に説明する。
【0021】
まず、図1ないし図6は第1の実施の形態を示している。そして、電波無響室1は、例えば互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向に広がりをもった直方体状に形成され、前,後,左,右の壁面1A〜1D、底面および天井面(図示せず)等を有している。また、電波無響室1の壁面1A〜1D等には全面に亘って壁面金属板2が設けられると共に、該壁面金属板2および天井面の表面には例えば角錐形状の電波吸収体3が設けられている。
【0022】
ここで、電波無響室1の内部には、例えばログぺリオディックアンテナ等からなるアンテナ4が設けられている。そして、アンテナ4は、後述する供試体台11とX軸方向に離間して配置されると共に、供試体台11上の被測定物5および試験ハーネス6から放射される放射ノイズ等を検出する。
【0023】
このとき、供試体台11上には、例えば車載電子機器等の被測定物5が載置されると共に、被測定物5は試験ハーネス6、模擬負荷7、擬似電源回路網8を介して電源9に接続されている。また、試験ハーネス6は、比誘電率εrの低い(εr≦1.4)非導電性材料で作られた支持台10上に配置されている。
【0024】
そして、CISPR25の第3版によれば、壁面1Cの電波吸収体3の先端から被測定物5までの距離L1を最小で1m確保する必要があるのに加え、供試体台11の端から被測定物5までの距離L2を0.2±0.01mに設定する必要がある。また、供試体台11の端から試験ハーネス6までの距離L3は0.1±0.01mに設定する必要がある。
【0025】
供試体台11は、アンテナ4から離間した位置で電波無響室1内に設けられ、また、供試体台11は、後述の脚部12、天板14、接続腕部材17、接地板21等によって構成されている。
【0026】
脚部12は、後述の天板14と共に木材、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)等の非導電性材料を用いて形成され、例えば断面四角形状の角柱形状をなしている。そして、脚部12は、天板14の裏面14B側に例えば4本取付けられ、天板14を支持している。また、脚部12の長さ方向(上,下方向)途中位置には補強板13が設けられ、該補強板13は、4本の脚部12を互いに連結して脚部12を補強している。
【0027】
なお、脚部12は、断面四角形状としたが、例えば円形状、多角形状等の他の形状でもよい。また、脚部12の本数は、4本に限らず、1〜3本でもよく、5本以上でもよい。さらに、脚部12は補強板13を用いて連結する構成としたが、補強板13を省く構成としてもよい。また、供試体台11の移動を容易にするために、脚部12の下端側には車輪等を設ける構成としてもよい。
【0028】
14は脚部12の先端(上端)に取付けられる天板で、該天板14は、例えばX軸およびY軸方向に広がった四角形状をなす平板によって形成され、表面14A、裏面14Bおよび4つの側面14C〜14Fを有している。そして、天板14の表面14Aには、後述の接地板21が設けられると共に、裏面14Bには脚部12が取付けられている。
【0029】
収容溝部15は、後述する接続腕部材17を収容する収容部を構成し、天板14の表面14Aに設けられた有底の溝によって形成されている。また、収容溝部15は、一定の幅寸法をもってX軸方向に延びる帯形状をなしている。このとき、収容溝部15は、天板14の内側部分から外縁部分に向けて延びると共に、外縁部分が開口している。このため、収容溝部15の基端側は、天板14のうちX軸方向の途中位置に配置されている。一方、収容溝部15の先端側は、天板14のうちX軸方向の一端側(左側)の外周縁まで延びている。これにより、収容溝部15の先端側は、電波無響室1の壁面1Cと対面する側面14Eで開口している。
【0030】
また、収容溝部15は、Y軸方向に離間して複数個(例えば6個)設けられている。これにより、これらの収容溝部15は、互いに平行に並んだ状態で配置されている。そして、収容溝部15は、後述の接続腕部材17をX軸方向に進退可能な状態で収容している。
【0031】
さらに、収容溝部15の開口側には、溝幅方向(Y軸方向)の両側から内側に向けて突出した抜止め部16が設けられている。これにより、収容溝部15は、X軸方向の他の部位に比べて、開口側の溝幅寸法が小さくなっている。このとき、抜止め部16は、Y軸方向で対向した一対の突起によって形成され、これらの突起は、例えば略四角形状をなし、収容溝部15の側壁から内側に向けてそれぞれ突出している。これにより、抜止め部16は、接続腕部材17に向けて突出し、幅方向両側から接続腕部材17を挟んでいる。
【0032】
接続腕部材17は、例えば銅等の金属製材料を用いて細長い帯状に形成され、収容溝部15に沿ってX軸方向に延びている。このとき、接続腕部材17は、基端側が収容溝部15内に収容されると共に、先端側が収容溝部15の開口側からX軸方向に突出している。
【0033】
そして、接続腕部材17は、収容溝部15内でX軸方向に移動可能に取付けられた腕部17Aと、該腕部17Aの先端側に設けられ収容溝部15から突出した接続部17Bとを備えている。このとき、腕部17Aは、Y軸方向に対して抜止め部16の溝幅寸法よりも小さい幅寸法を有し、抜止め部16内を挿通可能となっている。
【0034】
また、腕部17Aの基端側には、長さ方向(X軸方向)と異なる方向として、例えば幅方向(Y軸方向)の両側に向けて突出した突起部17Cが設けられている。このとき、一対の突起部17Cと腕部17Aとを合計した幅寸法は、抜止め部16の溝幅寸法よりも大きい値に設定されている。このため、接続腕部材17を収容溝部15から最も突出させた最伸長状態では、接続腕部材17の突起部17Cが抜止め部16に干渉して、それ以上の突出が規制される。これにより、突起部17Cおよび抜止め部16は、接続腕部材17が収容溝部15から抜けるのを防止している。
【0035】
さらに、突起部17Cには、厚さ方向に貫通したボルト穴18が形成されている。そして、ボルト穴18は、その内周壁面に雌ねじが形成され、後述するボルト24が螺合する構成となっている。
【0036】
一方、接続部17Bは、腕部17Aの先端側をZ軸方向に折曲げることによって形成されている。このため、接続腕部材17は、先端側がL字状に屈曲している。そして、接続腕部材17を収容溝部15内に最も進入させた最縮小状態では、接続部17Bが天板14の側面14Eに接触する。これにより、接続部17Bは、接続腕部材17全体が収容溝部15内に進入するのを防止している。
【0037】
また、接続部17Bには、ボルト19を挿通するボルト挿通孔20が形成されている。そして、接続部17Bは、例えば導電性の金属製材料からなるボルト19を用いて壁面1Cの壁面金属板2に取付けられる。これにより、接続腕部材17の接続部17Bは、壁面金属板2に電気的に接続される。
【0038】
接地板21は、天板14の表面14Aに設けられ、天板14を全面に亘って覆っている。そして、接地板21は、収容溝部15の上側を塞ぎ、収容溝部15の底面および側壁面と共に、接続腕部材17を収容する角筒を形成している。また、接地板21は、銅等の金属製材料を用いて例えば四角形の平板状に形成されている。
【0039】
ここで、接地板21には、収容溝部15と対向した位置に厚さ方向に貫通した複数のボルト取付孔22,23が形成されている。また、ボルト取付孔22は、収容溝部15に対応して複数個設けられ、X軸方向の同じ位置でY軸方向に並んで配置されている。一方、ボルト取付孔23も、収容溝部15に対応して複数個設けられ、X軸方向の同じ位置でY軸方向に並んで配置されている。但し、ボルト取付孔22とボルト取付孔23とは、収容溝部15の長さ方向(X軸方向)に対して互いに異なる位置に配置されている。
【0040】
そして、ボルト取付孔22,23のうちいずれか一方には、例えば金属製材料からなるボルト24を挿入し、該ボルト24を接続腕部材17のボルト穴18に螺着する。これにより、接地板21は、接続腕部材17の腕部17Aに電気的に接続されると共に、接続腕部材17を通じて壁面金属板2にも電気的に接続され、グランド電位に保持される。
【0041】
本実施の形態による供試体台11は上述のように構成されるものであり、次に該供試体台11を用いたノイズ測定について説明する。
【0042】
まず、図1ないし図5に示すように、供試体台11をアンテナ4から離間した所定の位置に配置する。このとき、天板14の側面14Eは、電波無響室1の壁面1Cと対向した状態にする。そして、供試体台11の接続腕部材17を収容溝部15から引き出して、ボルト取付孔22に挿入したボルト24を用いて腕部17Aを接地板21に接続すると共に、ボルト19を用いて接続部17Bを壁面金属板2に接続する。
【0043】
その後、供試体台11の接地板21上に被測定物5、試験ハーネス6、模擬負荷7、擬似電源回路網8、電源9等を配置し、被測定物5および試験ハーネス6からの放射ノイズをアンテナ4を用いて計測する。
【0044】
また、例えば被測定物5の変更等に伴って供試体台11を電波無響室1の壁面1Cに近付ける場合には、ボルト24を取外して供試体台11を壁面1Cに向けて移動させる。そして、図6に示すように、接続腕部材17のボルト穴18と接地板21のボルト取付孔23とが互いに対向した位置で、ボルト取付孔23にボルト24を挿入し、接続腕部材17と接地板21とを連結して固定する。
【0045】
さらに、供試体台11を電波無響室1から運び出すときには、ボルト19,24を全て取外した後に、接続腕部材17を収容溝部15内に押し込む。これにより、接続腕部材17は最縮小状態となって腕部17A全体が収容溝部15内に挿入された状態となるから、接続腕部材17が邪魔にならず、容易に運搬することができる。
【0046】
かくして、本実施の形態では、天板14には接続腕部材17を進退可能に収容する収容溝部15を設けたから、接続腕部材17のうち天板14から突出した部分の寸法を調整することができる。このため、電波無響室1の壁面金属板2に対して供試体台11の位置を移動したときでも、接続腕部材17の突出寸法を調節することによって、容易に壁面金属板2に接続腕部材17を接続することができる。
【0047】
また、接続腕部材17は収容溝部15に収容することができるから、供試体台11と一緒に接続腕部材17を移動することができる。さらに、接続腕部材17を電波無響室1の壁面金属板2に接続するときには、接続腕部材17の腕部17Aの基端側は収容溝部15内に位置して天板14によって支持される。このため、天板14によって接続腕部材17を片持ち状態で支持することができるから、1名の作業者でも容易に接続腕部材17を壁面金属板2に接続することができ、作業性を向上することができる。
【0048】
また、接続腕部材17の腕部17Aに突起部17Cを設けると共に、収容溝部15の開口側には抜止め部16を設けたから、接続腕部材17を収容溝部15から引き出すと、接続腕部材17が収容溝部15から抜け出す前に突起部17Cと抜止め部16とが干渉する。これにより、接続腕部材17全体が収容溝部15から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台11を移動するときに天板14から接続腕部材17が落下するのを防ぐことができる。
【0049】
さらに、接続腕部材17は接地板21のボルト取付孔22,23に取付けられたボルト24を用いて固定される構成とした。このとき、接地板21のうち収容溝部15の長さ方向(X軸方向)に対して異なる位置に複数のボルト取付孔22,23を設けたから、各ボルト取付孔22,23に応じて接続腕部材17の突出寸法を調整することができる。また、ボルト24を金属製材料を用いて形成することによって、ボルト24を用いて接地板21と接続腕部材17との間を電気的に接続することができる。
【0050】
なお、前記第1の実施の形態では、突起部17Cは腕部17Aの幅方向両側に設ける構成としたが、幅方向片側に設ける構成としてよい。また、例えば腕部の厚さ方向下側に向けて突出した突起部を設ける構成としてもよい。この場合、収容溝部の底面には突起部が係合する係合溝を形成し、該係合溝の終端を閉塞することによって抜止め部を形成すればよい。
【0051】
また、前記第1の実施の形態では、金属製材料からなるボルト24を用いて接続腕部材17と接地板21とを電気的に接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばボルト24を用いて接続腕部材17と接地板21とを接触した状態で固定する場合には、ボルト24は絶縁材料によって形成してもよい。この点は、接続腕部材17と壁面金属板2とを接続するボルト19についても同様である。
【0052】
さらに、前記第1の実施の形態では、ボルト24は、接続腕部材17のボルト穴18に螺合する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7および図8に示す第1の変形例による供試体台31のように、接地板21には接続腕部材17の腕部17Aと対向した位置にボルト取付孔32を設けると共に、該ボルト取付孔32の内周壁面に雌ねじを設け、ボルト33をボルト取付孔32にねじ込むことによって、接続腕部材17を位置決め固定する構成としてもよい。この場合、ボルト33の先端によって接続腕部材17の腕部17Aを収容溝部15の底面に押付けて固定するから、接続腕部材17にはボルト穴を設ける必要がないのに加え、接続腕部材17の突出寸法を連続的に自由に調整することができる。
【0053】
次に、図9ないし図12は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、接続腕部材の腕部と接地板との間をケーブルを用いて接続する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】
第2の実施の形態による供試体台41は、第1の実施の形態による供試体台11とほぼ同様に、脚部12、天板42、接続腕部材47、接地板49等によって構成されている。
【0055】
天板42は、第1の実施の形態による天板14と同様に、例えばX軸およびY軸方向に広がった四角形状をなす平板によって形成され、表面42A、裏面42Bおよび4つの側面42C〜42Fを有している。そして、天板42は、非導電性材料を用いて形成され、脚部12の先端に取付けられている。なお、天板42は、例えば底板43と蓋板44とを積み重ねることによって構成されている。
【0056】
収容穴部45は、天板42の厚さ方向中間位置に設けられた収容部を構成し、断面四角形状をなしてX軸方向に延びる有底穴によって形成されている。また、収容穴部45は、天板42の内側部分から外縁部分に向けて延びると共に、外縁部分が開口している。このため、収容穴部45の基端側は、天板42のうちX軸方向の途中位置に配置されている。一方、収容穴部45の先端側は、天板42のうちX軸方向の一端側(左側)の外周縁まで延び、側面42Eで開口している。
【0057】
また、収容穴部45は、Y軸方向に離間して複数個(例えば6個)設けられている。これにより、これらの収容穴部45は、互いに平行に並んだ状態で配置されている。そして、収容穴部45は、後述の接続腕部材47をX軸方向に進退可能な状態で収容する。
【0058】
さらに、収容穴部45の基端側には、天板42の厚さ方向に貫通した貫通孔46が形成され、該貫通孔46は、収容穴45と連通している。このとき、貫通孔46の上側部分は、蓋板44を貫通して後述のケーブル50を接地板49に接続するために接続孔となっている。一方、貫通孔46の下側部分は、底板43を貫通すると共に、ケーブル50のうち余った部分を天板42の下側に逃すための逃し孔となっている。
【0059】
接続腕部材47は、第1の実施の形態による接続腕部材17と同様に、金属製材料を用いて細長い帯状に形成され、収容穴部45に沿ってX軸方向に延びている。このとき、接続腕部材47は、基端側が収容穴部45内に収容されると共に、先端側が収容穴部45の開口側からX軸方向に突出している。
【0060】
そして、接続腕部材47は、収容穴部45内でX軸方向に移動可能に取付けられた腕部47Aと、該腕部47Aの先端側に設けられ収容穴部45から突出した接続部47Bとを備えている。
【0061】
また、接続部47Bは、腕部47Aの先端側をZ軸方向に折曲げることによって形成されている。このため、接続腕部材47は、先端側がL字状に屈曲している。さらに、接続部47Bには、ボルト19を挿通するボルト挿通孔48が形成されている。そして、接続部47Bは、ボルト19を用いて壁面1Cの壁面金属板2に取付けられる。
【0062】
接地板49は、第1の実施の形態による接地板21とほぼ同様に、金属製材料を用いて例えば四角形の平板状に形成され、天板42の表面42Aに設けられると共に、天板42を全面に亘って覆っている。
【0063】
また、接地板49の裏面側には導電性金属材料等によって形成されたケーブル50が取付けられている。このとき、ケーブル50の基端側は、天板42の貫通孔46と対応した位置に配置され、接地板49の裏面に例えばねじ止め、半田付け、溶接等の接合手段を用いて固着されている。一方、ケーブル50の先端側は収容穴部45内に進入して接続腕部材47の腕部47Aの基端側に固着されている。これにより、接地板49は、ケーブル50を用いて接続腕部材47の腕部47Aに電気的に接続されると共に、接続腕部材47を通じて壁面金属板2にも電気的に接続され、グランド電位に保持される。
【0064】
さらに、ケーブル50の長さ寸法は、収容穴部45の長さ寸法よりも短い値に設定されている。このため、接続腕部材47を収容穴部45から最も突出させた最伸長状態では、ケーブル50によって接続腕部材47が収容穴部45内に引っ張られるから、それ以上の突出が規制される。これにより、ケーブル50は、接続腕部材47が収容穴部45から抜け出すのを防止している。
【0065】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、接続腕部材47にはケーブル50を設けたから、該ケーブル50を用いて接地板49と接続腕部材47との間を電気的に接続することができる。このとき、ケーブル50は接続腕部材47の位置に関係なく接続腕部材47と接地板49との間を電気的に接続するから、接続腕部材47の突出寸法を自由に調整することができる。
【0066】
また、ケーブル50の長さ寸法は収容穴部45の長さ寸法よりも短くしたから、接続腕部材47が収容穴部45から抜け出す前にケーブル50が延び切って、腕部47Aを収容穴部45内に確実に保持する。これにより、接続腕部材47全体が収容穴部45から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台41を移動するときに天板42から接続腕部材47が落下するのを防ぐことができる。
【0067】
なお、前記第2の実施の形態では、ケーブル50の長さ寸法を収容穴部45の長さ寸法よりも短くすることによって、接続腕部材47の落下を防止する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、第1の実施の形態と同様に、接続腕部材に突起部を設けると共に、収容穴部の開口側に抜止め部を設け、これらの突起部と抜止め部とを干渉させることによって、接続腕部材の落下を防止する構成としてもよい。
【0068】
また、前記各実施の形態では、接続腕部材17,47の接続部17B,47Bは腕部17A,47Aの先端部分をL字状に屈曲させると共に、ボルト19を用いて壁面金属板2に接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図13に示す第2の変形例による供試体台51のように、接続腕部材52の接続部52Bは、腕部52Aの先端部分を直線状に伸長させる構成としてもよい。この場合、壁面金属板2には接続部52Bが挿入可能な接続溝53を設け、この接続溝53に接続部52Bを挿入することによって、接続腕部材52と壁面金属板2とを電気的に接続すればよい。
【0069】
また、前記各実施の形態では、天板14,42には6本の接続腕部材17,47を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、例えばCISPR25の規格を満足するのであれば、天板には1〜5本の接続腕部材を設ける構成としてもよく、7本以上の接続腕部材を設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態による供試体台を電波無響室内に配置した状態を示す平面図である。
【図2】図1中の供試体台を単体で示す斜視図である。
【図3】図2中の供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図2中の供試体台を接地板を省いた状態で示す平面図である。
【図5】供試体台を図2中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】供試体台を図5と異なる位置に設置した状態を示す断面図である。
【図7】第1の変形例による供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図8】第1の変形例による供試体台を示す図5と同様位置の断面図である。
【図9】第2の実施の形態による供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図10】図9中の供試体台を接地板を省いた状態で示す平面図である。
【図11】供試体台を図9中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。
【図12】供試体台を接続腕部材を壁面金属板に接続した状態で示す図11と同様位置の断面図である。
【図13】第2の変形例による供試体台を示す図5と同様位置の断面図である。
【符号の説明】
【0071】
11,31,41,51 供試体台(電磁計測用供試体台)
12 脚部
14,42 天板
15 収容溝部(収容部)
17,47,52 接続腕部材
17A,47A,52A 腕部
17B,47B,52B 接続部
17C 突起部
18 ボルト穴
21,49 接地板
22,23,32 ボルト取付孔
24,33 ボルト
45 収容穴部(収容部)
50 ケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、供試体(被測定物)の電磁計測を行うときに用いて好適な電磁計測用供試体台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種の車載電子機器に対するノイズ測定(電磁計測)を行うときには、被測定物となる電気機器等を机形状の供試体台に載置した状態でノイズ測定を行う。このとき、供試体台上には接地板が設けられると共に、該接地板は電波無響室の壁面金属板に電気的に接続されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、国際規格のCISPR25(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques)の第2版では、接地板と電波無響室の壁面金属板とは次の2つの関係を満足する必要がある。即ち、(A)壁面の電波吸収体の先端から被測定物に接続された試験ハーネスまでの距離が最小で1mあり、(B)電波無響室の壁面金属板から試験ハーネスまでの距離が最小で2mあることが必要である。
【0004】
【非特許文献1】International Electrotechnical Commission,"CISPR25 Second Edition",International Electrotechnical Commission,2002年8月,p.75-79
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術では、車載電子機器の放射ノイズを測定する場合、金属製の板状部材を用いて接地板と電波無響室の壁面金属板とを接続する。一方、CISPR25の規格は改定されることがあり、このような従来技術による供試体台では、供試体台の位置を容易に変更することができず、新しい規格に対応した測定ができない可能性がある。
【0006】
例えば2008年3月に発行されたCISPR25の第3版では、第2版の2つの条件のうち条件(B)が削除されている。また、(A)の条件のうち、試験ハーネスに代えて、被測定物と壁面の電波吸収体の先端との間の距離が最小で1mに変更されている。この場合、被測定物等の設置位置を変更することで概ね対応が可能となるが、供試体台の端から被測定物までの距離を0.2m確保する必要があるのに加え、供試体台の端から試験ハーネスまでの距離を0.1m確保する必要があるため、被測定物に大きさや形状によっては、これらの規定を満足できない可能性がある。
【0007】
また、車載電子機器の放射ノイズを測定する場合、接地板と電波無響室の壁面金属板とを接続する金属製の板状部材は、1m以上の長さ寸法を有すると共に、所定の抵抗値よりも低抵抗にするために、横断面の面積が大きくなる傾向がある。このため、板状部材は例えば5kg程度の重量を有しているから、板状部材を接地板および壁面金属板に固定するためには、少なくとも2名の作業者が必要であり、取付け時の作業性が悪いという問題もある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、設置位置を容易に変更することができる電磁計測供試体台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために本発明は、天板と、該天板の底面側に設けられ該天板を支持する脚部と、前記天板の表面に設けられ金属製材料からなる接地板と、電波無響室の壁面金属板に該接地板を接続する接続腕部材とを備えた電磁計測用供試体台に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記天板には、内側部分から外縁部分に向けて延び外縁部分が開口して前記接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設け、前記接続腕部材は、該収容部に沿って延びて該収容部内に移動可能に取付けられ前記接地板に接続された腕部と、該腕部の先端側に設けられ前記収容部から突出して前記電波無響室の壁面金属板に接続される接続部とによって構成したことにある。
【0011】
請求項2の発明では、前記接続腕部材の腕部には、長さ方向と異なる方向に向けて突出した突起部を設け、前記収容部の開口側には、前記接続腕部材に向けて突出し、該突起部と干渉して前記接続腕部材が前記収容部から抜けるのを防止する抜止め部を設ける構成としている。
【0012】
請求項3の発明では、前記接地板には、厚さ方向に貫通したボルト取付孔を設け、前記接続腕部材は、該ボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて前記収容部からの突出寸法が固定される構成としている。
【0013】
請求項4の発明では、前記接続腕部材には、前記腕部と前記接地板とを接続するケーブルを設け、該ケーブルの長さ寸法は前記収容部の長さ寸法よりも短い値に設定している。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、天板には接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設けたから、接続腕部材のうち天板から突出した部分の寸法を調整することができる。このため、電波無響室の壁面金属板に対する供試体台の位置を移動したときでも、接続腕部材の突出寸法を調節することによって、容易に壁面金属板に接続腕部材を接続することができる。
【0015】
また、接続腕部材は収容部に収容することができるから、供試体台と一緒に接続腕部材を移動することができる。さらに、接続腕部材を電波無響室の壁面金属板に接続するときには、接続腕部材の基端側(腕部)は収容部内に位置して天板によって支持される。このため、接続腕部材を片持ち支持することができるから、1名の作業者でも容易に接続腕部材を壁面金属板に接続することができ、作業性を向上することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、接続腕部材の腕部に突起部を設けると共に、収容部の開口側には抜止め部を設けたから、接続腕部材を収容部から引き出すと、接続腕部材が収容部から抜け出す前に突起部と抜止め部が干渉する。これにより、接続腕部材全体が収容部から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台を移動するときに天板から接続腕部材が落下するのを防ぐことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、接地板のボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて接続腕部材を固定する構成としたから、例えば接地板のうち収容部の長さ方向に対して異なる位置に複数のボルト取付孔を設けることによって、各ボルト取付孔に応じて接続腕部材の突出寸法を調整することができる。さらに、ボルトを用いて接続腕部材を収容部に押付ける構成とした場合には、接続腕部材にボルト穴を設ける必要がなく、接続腕部材の突出寸法を自由に調整することができる。また、ボルトを金属製材料を用いて形成することによって、ボルトを用いて接地板と接続腕部材との間を電気的に接続することができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、接続腕部材にはケーブルを設けたから、該ケーブルを用いて接地板と接続腕部材との間を電気的に接続することができる。このとき、ケーブルは接続腕部材の位置に関係なく接続腕部材と接地板との間を電気的に接続するから、接続腕部材の突出寸法を自由に調整することができる。
【0019】
また、ケーブルの長さ寸法は収容部の長さ寸法よりも短くしたから、接続腕部材が収容部から抜け出す前にケーブルが延び切って、腕部を収容部内に確実に保持する。これにより、接続腕部材全体が収容部から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台を移動するときに天板から接続腕部材が落下するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態による電磁計測用供試体台を添付図面に従って詳細に説明する。
【0021】
まず、図1ないし図6は第1の実施の形態を示している。そして、電波無響室1は、例えば互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向に広がりをもった直方体状に形成され、前,後,左,右の壁面1A〜1D、底面および天井面(図示せず)等を有している。また、電波無響室1の壁面1A〜1D等には全面に亘って壁面金属板2が設けられると共に、該壁面金属板2および天井面の表面には例えば角錐形状の電波吸収体3が設けられている。
【0022】
ここで、電波無響室1の内部には、例えばログぺリオディックアンテナ等からなるアンテナ4が設けられている。そして、アンテナ4は、後述する供試体台11とX軸方向に離間して配置されると共に、供試体台11上の被測定物5および試験ハーネス6から放射される放射ノイズ等を検出する。
【0023】
このとき、供試体台11上には、例えば車載電子機器等の被測定物5が載置されると共に、被測定物5は試験ハーネス6、模擬負荷7、擬似電源回路網8を介して電源9に接続されている。また、試験ハーネス6は、比誘電率εrの低い(εr≦1.4)非導電性材料で作られた支持台10上に配置されている。
【0024】
そして、CISPR25の第3版によれば、壁面1Cの電波吸収体3の先端から被測定物5までの距離L1を最小で1m確保する必要があるのに加え、供試体台11の端から被測定物5までの距離L2を0.2±0.01mに設定する必要がある。また、供試体台11の端から試験ハーネス6までの距離L3は0.1±0.01mに設定する必要がある。
【0025】
供試体台11は、アンテナ4から離間した位置で電波無響室1内に設けられ、また、供試体台11は、後述の脚部12、天板14、接続腕部材17、接地板21等によって構成されている。
【0026】
脚部12は、後述の天板14と共に木材、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)等の非導電性材料を用いて形成され、例えば断面四角形状の角柱形状をなしている。そして、脚部12は、天板14の裏面14B側に例えば4本取付けられ、天板14を支持している。また、脚部12の長さ方向(上,下方向)途中位置には補強板13が設けられ、該補強板13は、4本の脚部12を互いに連結して脚部12を補強している。
【0027】
なお、脚部12は、断面四角形状としたが、例えば円形状、多角形状等の他の形状でもよい。また、脚部12の本数は、4本に限らず、1〜3本でもよく、5本以上でもよい。さらに、脚部12は補強板13を用いて連結する構成としたが、補強板13を省く構成としてもよい。また、供試体台11の移動を容易にするために、脚部12の下端側には車輪等を設ける構成としてもよい。
【0028】
14は脚部12の先端(上端)に取付けられる天板で、該天板14は、例えばX軸およびY軸方向に広がった四角形状をなす平板によって形成され、表面14A、裏面14Bおよび4つの側面14C〜14Fを有している。そして、天板14の表面14Aには、後述の接地板21が設けられると共に、裏面14Bには脚部12が取付けられている。
【0029】
収容溝部15は、後述する接続腕部材17を収容する収容部を構成し、天板14の表面14Aに設けられた有底の溝によって形成されている。また、収容溝部15は、一定の幅寸法をもってX軸方向に延びる帯形状をなしている。このとき、収容溝部15は、天板14の内側部分から外縁部分に向けて延びると共に、外縁部分が開口している。このため、収容溝部15の基端側は、天板14のうちX軸方向の途中位置に配置されている。一方、収容溝部15の先端側は、天板14のうちX軸方向の一端側(左側)の外周縁まで延びている。これにより、収容溝部15の先端側は、電波無響室1の壁面1Cと対面する側面14Eで開口している。
【0030】
また、収容溝部15は、Y軸方向に離間して複数個(例えば6個)設けられている。これにより、これらの収容溝部15は、互いに平行に並んだ状態で配置されている。そして、収容溝部15は、後述の接続腕部材17をX軸方向に進退可能な状態で収容している。
【0031】
さらに、収容溝部15の開口側には、溝幅方向(Y軸方向)の両側から内側に向けて突出した抜止め部16が設けられている。これにより、収容溝部15は、X軸方向の他の部位に比べて、開口側の溝幅寸法が小さくなっている。このとき、抜止め部16は、Y軸方向で対向した一対の突起によって形成され、これらの突起は、例えば略四角形状をなし、収容溝部15の側壁から内側に向けてそれぞれ突出している。これにより、抜止め部16は、接続腕部材17に向けて突出し、幅方向両側から接続腕部材17を挟んでいる。
【0032】
接続腕部材17は、例えば銅等の金属製材料を用いて細長い帯状に形成され、収容溝部15に沿ってX軸方向に延びている。このとき、接続腕部材17は、基端側が収容溝部15内に収容されると共に、先端側が収容溝部15の開口側からX軸方向に突出している。
【0033】
そして、接続腕部材17は、収容溝部15内でX軸方向に移動可能に取付けられた腕部17Aと、該腕部17Aの先端側に設けられ収容溝部15から突出した接続部17Bとを備えている。このとき、腕部17Aは、Y軸方向に対して抜止め部16の溝幅寸法よりも小さい幅寸法を有し、抜止め部16内を挿通可能となっている。
【0034】
また、腕部17Aの基端側には、長さ方向(X軸方向)と異なる方向として、例えば幅方向(Y軸方向)の両側に向けて突出した突起部17Cが設けられている。このとき、一対の突起部17Cと腕部17Aとを合計した幅寸法は、抜止め部16の溝幅寸法よりも大きい値に設定されている。このため、接続腕部材17を収容溝部15から最も突出させた最伸長状態では、接続腕部材17の突起部17Cが抜止め部16に干渉して、それ以上の突出が規制される。これにより、突起部17Cおよび抜止め部16は、接続腕部材17が収容溝部15から抜けるのを防止している。
【0035】
さらに、突起部17Cには、厚さ方向に貫通したボルト穴18が形成されている。そして、ボルト穴18は、その内周壁面に雌ねじが形成され、後述するボルト24が螺合する構成となっている。
【0036】
一方、接続部17Bは、腕部17Aの先端側をZ軸方向に折曲げることによって形成されている。このため、接続腕部材17は、先端側がL字状に屈曲している。そして、接続腕部材17を収容溝部15内に最も進入させた最縮小状態では、接続部17Bが天板14の側面14Eに接触する。これにより、接続部17Bは、接続腕部材17全体が収容溝部15内に進入するのを防止している。
【0037】
また、接続部17Bには、ボルト19を挿通するボルト挿通孔20が形成されている。そして、接続部17Bは、例えば導電性の金属製材料からなるボルト19を用いて壁面1Cの壁面金属板2に取付けられる。これにより、接続腕部材17の接続部17Bは、壁面金属板2に電気的に接続される。
【0038】
接地板21は、天板14の表面14Aに設けられ、天板14を全面に亘って覆っている。そして、接地板21は、収容溝部15の上側を塞ぎ、収容溝部15の底面および側壁面と共に、接続腕部材17を収容する角筒を形成している。また、接地板21は、銅等の金属製材料を用いて例えば四角形の平板状に形成されている。
【0039】
ここで、接地板21には、収容溝部15と対向した位置に厚さ方向に貫通した複数のボルト取付孔22,23が形成されている。また、ボルト取付孔22は、収容溝部15に対応して複数個設けられ、X軸方向の同じ位置でY軸方向に並んで配置されている。一方、ボルト取付孔23も、収容溝部15に対応して複数個設けられ、X軸方向の同じ位置でY軸方向に並んで配置されている。但し、ボルト取付孔22とボルト取付孔23とは、収容溝部15の長さ方向(X軸方向)に対して互いに異なる位置に配置されている。
【0040】
そして、ボルト取付孔22,23のうちいずれか一方には、例えば金属製材料からなるボルト24を挿入し、該ボルト24を接続腕部材17のボルト穴18に螺着する。これにより、接地板21は、接続腕部材17の腕部17Aに電気的に接続されると共に、接続腕部材17を通じて壁面金属板2にも電気的に接続され、グランド電位に保持される。
【0041】
本実施の形態による供試体台11は上述のように構成されるものであり、次に該供試体台11を用いたノイズ測定について説明する。
【0042】
まず、図1ないし図5に示すように、供試体台11をアンテナ4から離間した所定の位置に配置する。このとき、天板14の側面14Eは、電波無響室1の壁面1Cと対向した状態にする。そして、供試体台11の接続腕部材17を収容溝部15から引き出して、ボルト取付孔22に挿入したボルト24を用いて腕部17Aを接地板21に接続すると共に、ボルト19を用いて接続部17Bを壁面金属板2に接続する。
【0043】
その後、供試体台11の接地板21上に被測定物5、試験ハーネス6、模擬負荷7、擬似電源回路網8、電源9等を配置し、被測定物5および試験ハーネス6からの放射ノイズをアンテナ4を用いて計測する。
【0044】
また、例えば被測定物5の変更等に伴って供試体台11を電波無響室1の壁面1Cに近付ける場合には、ボルト24を取外して供試体台11を壁面1Cに向けて移動させる。そして、図6に示すように、接続腕部材17のボルト穴18と接地板21のボルト取付孔23とが互いに対向した位置で、ボルト取付孔23にボルト24を挿入し、接続腕部材17と接地板21とを連結して固定する。
【0045】
さらに、供試体台11を電波無響室1から運び出すときには、ボルト19,24を全て取外した後に、接続腕部材17を収容溝部15内に押し込む。これにより、接続腕部材17は最縮小状態となって腕部17A全体が収容溝部15内に挿入された状態となるから、接続腕部材17が邪魔にならず、容易に運搬することができる。
【0046】
かくして、本実施の形態では、天板14には接続腕部材17を進退可能に収容する収容溝部15を設けたから、接続腕部材17のうち天板14から突出した部分の寸法を調整することができる。このため、電波無響室1の壁面金属板2に対して供試体台11の位置を移動したときでも、接続腕部材17の突出寸法を調節することによって、容易に壁面金属板2に接続腕部材17を接続することができる。
【0047】
また、接続腕部材17は収容溝部15に収容することができるから、供試体台11と一緒に接続腕部材17を移動することができる。さらに、接続腕部材17を電波無響室1の壁面金属板2に接続するときには、接続腕部材17の腕部17Aの基端側は収容溝部15内に位置して天板14によって支持される。このため、天板14によって接続腕部材17を片持ち状態で支持することができるから、1名の作業者でも容易に接続腕部材17を壁面金属板2に接続することができ、作業性を向上することができる。
【0048】
また、接続腕部材17の腕部17Aに突起部17Cを設けると共に、収容溝部15の開口側には抜止め部16を設けたから、接続腕部材17を収容溝部15から引き出すと、接続腕部材17が収容溝部15から抜け出す前に突起部17Cと抜止め部16とが干渉する。これにより、接続腕部材17全体が収容溝部15から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台11を移動するときに天板14から接続腕部材17が落下するのを防ぐことができる。
【0049】
さらに、接続腕部材17は接地板21のボルト取付孔22,23に取付けられたボルト24を用いて固定される構成とした。このとき、接地板21のうち収容溝部15の長さ方向(X軸方向)に対して異なる位置に複数のボルト取付孔22,23を設けたから、各ボルト取付孔22,23に応じて接続腕部材17の突出寸法を調整することができる。また、ボルト24を金属製材料を用いて形成することによって、ボルト24を用いて接地板21と接続腕部材17との間を電気的に接続することができる。
【0050】
なお、前記第1の実施の形態では、突起部17Cは腕部17Aの幅方向両側に設ける構成としたが、幅方向片側に設ける構成としてよい。また、例えば腕部の厚さ方向下側に向けて突出した突起部を設ける構成としてもよい。この場合、収容溝部の底面には突起部が係合する係合溝を形成し、該係合溝の終端を閉塞することによって抜止め部を形成すればよい。
【0051】
また、前記第1の実施の形態では、金属製材料からなるボルト24を用いて接続腕部材17と接地板21とを電気的に接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばボルト24を用いて接続腕部材17と接地板21とを接触した状態で固定する場合には、ボルト24は絶縁材料によって形成してもよい。この点は、接続腕部材17と壁面金属板2とを接続するボルト19についても同様である。
【0052】
さらに、前記第1の実施の形態では、ボルト24は、接続腕部材17のボルト穴18に螺合する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7および図8に示す第1の変形例による供試体台31のように、接地板21には接続腕部材17の腕部17Aと対向した位置にボルト取付孔32を設けると共に、該ボルト取付孔32の内周壁面に雌ねじを設け、ボルト33をボルト取付孔32にねじ込むことによって、接続腕部材17を位置決め固定する構成としてもよい。この場合、ボルト33の先端によって接続腕部材17の腕部17Aを収容溝部15の底面に押付けて固定するから、接続腕部材17にはボルト穴を設ける必要がないのに加え、接続腕部材17の突出寸法を連続的に自由に調整することができる。
【0053】
次に、図9ないし図12は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、接続腕部材の腕部と接地板との間をケーブルを用いて接続する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】
第2の実施の形態による供試体台41は、第1の実施の形態による供試体台11とほぼ同様に、脚部12、天板42、接続腕部材47、接地板49等によって構成されている。
【0055】
天板42は、第1の実施の形態による天板14と同様に、例えばX軸およびY軸方向に広がった四角形状をなす平板によって形成され、表面42A、裏面42Bおよび4つの側面42C〜42Fを有している。そして、天板42は、非導電性材料を用いて形成され、脚部12の先端に取付けられている。なお、天板42は、例えば底板43と蓋板44とを積み重ねることによって構成されている。
【0056】
収容穴部45は、天板42の厚さ方向中間位置に設けられた収容部を構成し、断面四角形状をなしてX軸方向に延びる有底穴によって形成されている。また、収容穴部45は、天板42の内側部分から外縁部分に向けて延びると共に、外縁部分が開口している。このため、収容穴部45の基端側は、天板42のうちX軸方向の途中位置に配置されている。一方、収容穴部45の先端側は、天板42のうちX軸方向の一端側(左側)の外周縁まで延び、側面42Eで開口している。
【0057】
また、収容穴部45は、Y軸方向に離間して複数個(例えば6個)設けられている。これにより、これらの収容穴部45は、互いに平行に並んだ状態で配置されている。そして、収容穴部45は、後述の接続腕部材47をX軸方向に進退可能な状態で収容する。
【0058】
さらに、収容穴部45の基端側には、天板42の厚さ方向に貫通した貫通孔46が形成され、該貫通孔46は、収容穴45と連通している。このとき、貫通孔46の上側部分は、蓋板44を貫通して後述のケーブル50を接地板49に接続するために接続孔となっている。一方、貫通孔46の下側部分は、底板43を貫通すると共に、ケーブル50のうち余った部分を天板42の下側に逃すための逃し孔となっている。
【0059】
接続腕部材47は、第1の実施の形態による接続腕部材17と同様に、金属製材料を用いて細長い帯状に形成され、収容穴部45に沿ってX軸方向に延びている。このとき、接続腕部材47は、基端側が収容穴部45内に収容されると共に、先端側が収容穴部45の開口側からX軸方向に突出している。
【0060】
そして、接続腕部材47は、収容穴部45内でX軸方向に移動可能に取付けられた腕部47Aと、該腕部47Aの先端側に設けられ収容穴部45から突出した接続部47Bとを備えている。
【0061】
また、接続部47Bは、腕部47Aの先端側をZ軸方向に折曲げることによって形成されている。このため、接続腕部材47は、先端側がL字状に屈曲している。さらに、接続部47Bには、ボルト19を挿通するボルト挿通孔48が形成されている。そして、接続部47Bは、ボルト19を用いて壁面1Cの壁面金属板2に取付けられる。
【0062】
接地板49は、第1の実施の形態による接地板21とほぼ同様に、金属製材料を用いて例えば四角形の平板状に形成され、天板42の表面42Aに設けられると共に、天板42を全面に亘って覆っている。
【0063】
また、接地板49の裏面側には導電性金属材料等によって形成されたケーブル50が取付けられている。このとき、ケーブル50の基端側は、天板42の貫通孔46と対応した位置に配置され、接地板49の裏面に例えばねじ止め、半田付け、溶接等の接合手段を用いて固着されている。一方、ケーブル50の先端側は収容穴部45内に進入して接続腕部材47の腕部47Aの基端側に固着されている。これにより、接地板49は、ケーブル50を用いて接続腕部材47の腕部47Aに電気的に接続されると共に、接続腕部材47を通じて壁面金属板2にも電気的に接続され、グランド電位に保持される。
【0064】
さらに、ケーブル50の長さ寸法は、収容穴部45の長さ寸法よりも短い値に設定されている。このため、接続腕部材47を収容穴部45から最も突出させた最伸長状態では、ケーブル50によって接続腕部材47が収容穴部45内に引っ張られるから、それ以上の突出が規制される。これにより、ケーブル50は、接続腕部材47が収容穴部45から抜け出すのを防止している。
【0065】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、接続腕部材47にはケーブル50を設けたから、該ケーブル50を用いて接地板49と接続腕部材47との間を電気的に接続することができる。このとき、ケーブル50は接続腕部材47の位置に関係なく接続腕部材47と接地板49との間を電気的に接続するから、接続腕部材47の突出寸法を自由に調整することができる。
【0066】
また、ケーブル50の長さ寸法は収容穴部45の長さ寸法よりも短くしたから、接続腕部材47が収容穴部45から抜け出す前にケーブル50が延び切って、腕部47Aを収容穴部45内に確実に保持する。これにより、接続腕部材47全体が収容穴部45から抜けるのを防止することができ、例えば供試体台41を移動するときに天板42から接続腕部材47が落下するのを防ぐことができる。
【0067】
なお、前記第2の実施の形態では、ケーブル50の長さ寸法を収容穴部45の長さ寸法よりも短くすることによって、接続腕部材47の落下を防止する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、第1の実施の形態と同様に、接続腕部材に突起部を設けると共に、収容穴部の開口側に抜止め部を設け、これらの突起部と抜止め部とを干渉させることによって、接続腕部材の落下を防止する構成としてもよい。
【0068】
また、前記各実施の形態では、接続腕部材17,47の接続部17B,47Bは腕部17A,47Aの先端部分をL字状に屈曲させると共に、ボルト19を用いて壁面金属板2に接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図13に示す第2の変形例による供試体台51のように、接続腕部材52の接続部52Bは、腕部52Aの先端部分を直線状に伸長させる構成としてもよい。この場合、壁面金属板2には接続部52Bが挿入可能な接続溝53を設け、この接続溝53に接続部52Bを挿入することによって、接続腕部材52と壁面金属板2とを電気的に接続すればよい。
【0069】
また、前記各実施の形態では、天板14,42には6本の接続腕部材17,47を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、例えばCISPR25の規格を満足するのであれば、天板には1〜5本の接続腕部材を設ける構成としてもよく、7本以上の接続腕部材を設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態による供試体台を電波無響室内に配置した状態を示す平面図である。
【図2】図1中の供試体台を単体で示す斜視図である。
【図3】図2中の供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図2中の供試体台を接地板を省いた状態で示す平面図である。
【図5】供試体台を図2中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】供試体台を図5と異なる位置に設置した状態を示す断面図である。
【図7】第1の変形例による供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図8】第1の変形例による供試体台を示す図5と同様位置の断面図である。
【図9】第2の実施の形態による供試体台を分解して示す分解斜視図である。
【図10】図9中の供試体台を接地板を省いた状態で示す平面図である。
【図11】供試体台を図9中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。
【図12】供試体台を接続腕部材を壁面金属板に接続した状態で示す図11と同様位置の断面図である。
【図13】第2の変形例による供試体台を示す図5と同様位置の断面図である。
【符号の説明】
【0071】
11,31,41,51 供試体台(電磁計測用供試体台)
12 脚部
14,42 天板
15 収容溝部(収容部)
17,47,52 接続腕部材
17A,47A,52A 腕部
17B,47B,52B 接続部
17C 突起部
18 ボルト穴
21,49 接地板
22,23,32 ボルト取付孔
24,33 ボルト
45 収容穴部(収容部)
50 ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、該天板の底面側に設けられ該天板を支持する脚部と、前記天板の表面に設けられ金属製材料からなる接地板と、電波無響室の壁面金属板に該接地板を接続する接続腕部材とを備えた電磁計測用供試体台において、
前記天板には、内側部分から外縁部分に向けて延び外縁部分が開口して前記接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設け、
前記接続腕部材は、該収容部に沿って延びて該収容部内に移動可能に取付けられ前記接地板に接続された腕部と、該腕部の先端側に設けられ前記収容部から突出して前記電波無響室の壁面金属板に接続される接続部とによって構成したことを特徴とする電磁計測用供試体台。
【請求項2】
前記接続腕部材の腕部には、長さ方向と異なる方向に向けて突出した突起部を設け、
前記収容部の開口側には、前記接続腕部材に向けて突出し、該突起部と干渉して前記接続腕部材が前記収容部から抜けるのを防止する抜止め部を設ける構成としてなる請求項1に記載の電磁計測用供試体台。
【請求項3】
前記接地板には、厚さ方向に貫通したボルト取付孔を設け、
前記接続腕部材は、該ボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて前記収容部からの突出寸法が固定される構成としてなる請求項1または2に記載の電磁計測用供試体台。
【請求項4】
前記接続腕部材には、前記腕部と前記接地板とを接続するケーブルを設け、
該ケーブルの長さ寸法は前記収容部の長さ寸法よりも短い値に設定してなる請求項1に記載の電磁計測用供試体台。
【請求項1】
天板と、該天板の底面側に設けられ該天板を支持する脚部と、前記天板の表面に設けられ金属製材料からなる接地板と、電波無響室の壁面金属板に該接地板を接続する接続腕部材とを備えた電磁計測用供試体台において、
前記天板には、内側部分から外縁部分に向けて延び外縁部分が開口して前記接続腕部材を進退可能に収容する収容部を設け、
前記接続腕部材は、該収容部に沿って延びて該収容部内に移動可能に取付けられ前記接地板に接続された腕部と、該腕部の先端側に設けられ前記収容部から突出して前記電波無響室の壁面金属板に接続される接続部とによって構成したことを特徴とする電磁計測用供試体台。
【請求項2】
前記接続腕部材の腕部には、長さ方向と異なる方向に向けて突出した突起部を設け、
前記収容部の開口側には、前記接続腕部材に向けて突出し、該突起部と干渉して前記接続腕部材が前記収容部から抜けるのを防止する抜止め部を設ける構成としてなる請求項1に記載の電磁計測用供試体台。
【請求項3】
前記接地板には、厚さ方向に貫通したボルト取付孔を設け、
前記接続腕部材は、該ボルト取付孔に取付けられたボルトを用いて前記収容部からの突出寸法が固定される構成としてなる請求項1または2に記載の電磁計測用供試体台。
【請求項4】
前記接続腕部材には、前記腕部と前記接地板とを接続するケーブルを設け、
該ケーブルの長さ寸法は前記収容部の長さ寸法よりも短い値に設定してなる請求項1に記載の電磁計測用供試体台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−127870(P2010−127870A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305744(P2008−305744)
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
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