説明

電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置

【課題】電磁誘導によって冷媒配管を加熱するためのコイルと、このコイルを巻き付けた部材と、冷媒配管との相対位置を定める部材と、が別部材となっている場合であっても、これらの部材同士を簡単な構造によって一体化させることが可能な電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供する。
【解決手段】コイル68は、冷媒配管Fの近傍に配置されている。ボビン本体65は、コイル68が取り付けられて冷媒配管Fの外側に配置されている。第1ボビン蓋63は、冷媒配管Fの貫通部分を周囲から覆う配管用筒上部63cを有しており、上方からボビン本体65と嵌り合う。第2ボビン蓋64は、冷媒配管Fの貫通部分を周囲から覆う配管用筒上部64cを有しており、下方からボビン本体65と嵌り合う。第1〜第4フェライトケース71〜74は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とを連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクルには、冷媒の熱を放出させる放熱器や、冷媒に対して熱を与える加熱器等が備えられている。冷凍サイクルを循環する冷媒は、例えば、冷房運転サイクルにおいては室内の空気との間で熱交換を行って熱を得ており、暖房運転サイクルにおいては屋外の空気との間で熱交換を行って熱を得ている。
【0003】
以下に示す特許文献1に記載の空気調和機の冷凍サイクルによると、上述のような室内の空気や屋外の空気から熱を得るだけでなく、別個に冷媒加熱装置によって冷媒が熱を得るシステムが提案されている。この冷媒加熱装置では、冷媒の流れる熱交換器をバーナで加熱させることにより、熱交換器内部を流れる冷媒に熱を与えている。このように、この空気調和機では冷媒加熱装置を採用しているため、冷媒が熱を必要とする場合において、室内や屋外の気温等の制約を受けることなく、冷媒を加熱することを可能にしている。
【特許文献1】特開平8−210720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような冷媒加熱装置として、バーナ等の火を用いる方式の加熱ではなく、電気的な方式として電磁誘導加熱方式を採用することもできる。例えば、磁性体材料を含む冷媒配管の周りに電磁誘導コイルを巻き、この電磁誘導加熱コイルに対して電流を流すことで生じた磁束に起因して冷媒配管を発熱させることができる。そして、この冷媒配管における発熱を用いて、冷媒を加熱することができる。
【0005】
このような電磁誘導加熱コイルは、例えば、ボビン等に巻き付けられた状態で冷媒配管に固定することができる。ここで、冷媒配管との相対位置を定める位置決め部材が、ボビン等の軸方向の両端に嵌められる構造によって、電磁誘導コイルを冷媒配管に固定させることができる。この場合に、位置決め部材とボビンが別部材としている場合に、単に嵌め合っているだけでは、ボビン等と位置決め部材とがバラバラになってしまうことがある。この場合に、ボビン等の軸方向の一端側において、位置決め部材とボビン等との相対位置を定めさせ、さらに、ボビン等の軸方向の他端側においても、位置決め部材とボビン等との相対位置を定めさせるために、一端側だけでなく他端側においてもそれぞれ位置決め構造を採用すると、構造が煩雑になってしまうことがある。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、電磁誘導によって冷媒配管を加熱するためのコイルと、このコイルを巻き付けた部材と、冷媒配管との相対位置を定める部材と、が別部材となっている場合であっても、これらの部材同士を簡単な構造によって一体化させることが可能な電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイル、外部部材、第1部材、第2部材および連結部材を備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。外部部材は、コイルが取り付けられて冷媒配管の外側に配置されている。第1部材は、冷媒配管を貫通させる第1配管開口を有しており、冷媒配管が延びる方向の一方側から外部部材と嵌り合う。第2部材は、冷媒配管を貫通させる第2配管開口を有しており、一方側とは反対側である他方側から外部部材と嵌り合う。連結部材は、第1部材と第2部材とを連結させる。ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
【0008】
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1部材と第2部材とが連結部材によって連結されているため、第1部材および第2部材と外部部材とが勘合している状態で、コイル、外部部材、第1部材、第2部材および連結部材を簡単な構造で一体化させることができる。
【0009】
第2発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、コイルは、冷媒配管の少なくとも一部の回りを取り巻いている。
【0010】
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流を流すことで生じる磁束の一部を、冷媒配管が伸びている方向に沿わせることができる。このため、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
【0011】
第3発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明または第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、外部部材は、冷媒配管の伸びている方向を略軸方向とする略円筒形状である。コイルは、外部部材に対して軸方向を略共通とする螺旋状に巻き付いている。
【0012】
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルを略円筒形状の外部部材に対して径方向外側から巻き付けるだけで、軸方向が冷媒配管の軸方向と略共通となるようにコイルを配置させることができる。そして、コイルが略筒状形状に配置されることで、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率をさらに向上させることができる。
【0013】
第4発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第3発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、連結部材は、外部部材の外側を介して第1部材と第2部材とを連結する。
【0014】
この電磁誘導加熱ユニットでは、外部部材の外側から第1部材と第2部材とを連結させることができるため、一体化を容易に行うことができるようになる。
【0015】
第5発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第4発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、連結部材は、冷媒配管の軸方向および設置状態における連結部材の重心を含む面での断面形状が、略C字形状である。
【0016】
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1部材と第2部材とを略C字形状の連結部材によって挟み込むことができる。これにより、第1部材と連結部材との接触位置と、第2部材と連結部材との接触位置と、の間の距離に誤差が生じることがあっても、C字形状の連結部材が縦に伸びるように弾性変形することで、この誤差を吸収することができる。
【0017】
第6発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第5発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、連結部材は、第1部材の一方側に位置する第1連結部分を介して第1部材に固定され、第2部材の他方側に位置する第2連結部分を介して第2部材に固定されている。第1連結部分と第2連結部分とを結ぶ線と、冷媒配管の軸方向の線とは、ねじれの関係にある。
【0018】
この電磁誘導加熱ユニットでは、磁性体部が配置されて磁界を集めるルートから外れた位置に第1連結部分および第2連結部分を配置させることで、磁界の漏れをより効率的に抑えることが可能になる。
【0019】
第7発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第6発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、磁性体材料を含んでいる磁性体部をさらに備えている。連結部材は、磁性体部を収容するための収容スペースを有している。
【0020】
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流を流して磁界を発生させた場合に、外部部材の外側も磁界が生じる。連結部材には、磁性体部を収容することができる。このため、磁性体部は、外部部材の外側に配置されるため、外部部材の外側に生じた磁界を集めることができ、磁界の漏れを小さく抑えることができる。これにより、連結部材によって、第1部材と第2部材とを連結させるだけでなく、磁界の漏れ出しを抑えるために有効な位置に磁性体部を配置させることが可能になる。
【0021】
第8発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、収容スペースは、第1配管開口近傍から第2配管開口近傍まで設けられている。
【0022】
この電磁誘導加熱ユニットでは、収容スペースが第1配管開口近傍から第2配管開口近傍まで設けられているために、磁性体部を第1配管開口近傍から第2配管開口近傍まで延びるように配置させることができる。これにより、コイルの冷媒配管の一方側端部から他方側端部までの間において冷媒配管以外の部分に生じる磁界を、磁性体部が効率的に集めることができる。これにより、磁界の漏れを効率的に抑えることが可能になる。
【0023】
第9発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明または第8発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、磁性体部とコイルとの間には、連結部材の少なくとも一部が介在している。
【0024】
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流が流れることで生じる磁界が弱められることなく、冷媒配管を通過する位置に効率的に生じるようにすることができるようになる。
【0025】
第10発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明または第9発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、連結部材は、磁性体部とコイルとの間に位置する底面部と、冷媒配管から離れる方向に磁性体部を挟むようにして底面部から延びている側面部と、を有している。側面部は、磁性体部側に突出した突起が設けられている。
【0026】
この電磁誘導加熱ユニットでは、収容側部から磁性体部側に突出した突起が形成されていることで、磁性体部の位置を定まりやすくなっている。さらに、突起が設けられていない位置において収容側部と磁性体部との間に隙間が生じることから施工作業性を向上させることができる。
【0027】
第11発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明から第10発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、磁性体部は、連結部材に固定されている。
【0028】
この電磁誘導加熱ユニットでは、磁性体部の位置を安定させることができる。
【0029】
第12発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明から第11発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、磁性体部は、第1配管開口近傍から冷媒配管の外側に向けて延びる第1磁性体部と、第2配管開口近傍から冷媒配管の外側に向けて延びる第2磁性体部と、第1磁性体部の外側から第2磁性体部の外側まで延びる第3磁性体部と、を有している。第1磁性体部と第2磁性体部とは同一形状である。第3磁性体部は、同一形状であって長手方向端部で互いに接触している複数の分割第3磁性体部を有し、第1磁性体部の外側および第2磁性体部の外側とそれぞれ接触している。
【0030】
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1磁性体部と第2磁性体部の共通した形状の磁性体部と、形状が共通している複数の分割第3磁性体部との2種類の形状の磁性体を利用して、第1配管開口近傍から第2配管開口近傍まで磁性体材料を連続的に連ねて配置させることができるようになる。このように、磁性体材料の形状としては2種類のもので足りるため、コストを抑えることができる。これにより、コストを抑えつつ、磁界の漏れを効率的に抑えることが可能になる。
【0031】
第13発明の空気調和装置は、第1発明から第12発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットと、冷媒配管に冷媒を流す部分を含む冷凍サイクルと、を備えている。
【0032】
この空気調和装置では、空気調和装置に電磁誘導加熱ユニットが備えられる場合であっても、コイル、外部部材、第1部材、第2部材および連結部材を簡単な構造で一体化させることができる。
【発明の効果】
【0033】
第1発明の電磁誘導加熱ユニットでは、第1部材および第2部材と外部部材とが勘合している状態で、コイル、外部部材、第1部材、第2部材および連結部材を簡単な構造で一体化させることができる。
【0034】
第2発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
【0035】
第3発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率をさらに向上させることができる。
【0036】
第4発明の電磁誘導加熱ユニットでは、一体化を容易に行うことができるようになる。
【0037】
第5発明の電磁誘導加熱ユニットでは、第1部材と連結部材との接触位置と、第2部材と連結部材との接触位置と、の間の距離に誤差が生じることがあっても、C字形状の連結部材が縦に伸びるように弾性変形することで、この誤差を吸収することができる。
【0038】
第6発明の電磁誘導加熱ユニットでは、磁界の漏れをより効率的に抑えることが可能になる。
【0039】
第7発明の電磁誘導加熱ユニットでは、連結部材によって、第1部材と第2部材とを連結させるだけでなく、磁界の漏れ出しを抑えるために有効な位置に磁性体部を配置させることが可能になる。
【0040】
第8発明の電磁誘導加熱ユニットでは、磁界の漏れを効率的に抑えることが可能になる。
【0041】
第9発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流が流れることで生じる磁界が弱められることなく、冷媒配管を通過する位置に効率的に生じるようにすることができるようになる。
【0042】
第10発明の電磁誘導加熱ユニットでは、磁性体部の位置を定めやすく、かつ、施工作業性を向上させることができる。
【0043】
第11発明の電磁誘導加熱ユニットでは、磁性体部の位置を安定させることができる。
【0044】
第12発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コストを抑えつつ、磁界の漏れを効率的に抑えることが可能になる。
【0045】
第13発明の空気調和装置では、空気調和装置に電磁誘導加熱ユニットが備えられる場合であっても、コイル、外部部材、第1部材、第2部材および連結部材を簡単な構造で一体化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6およびこれを備えた空気調和装置1について、例に挙げて説明する。
【0047】
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
【0048】
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものであって、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
【0049】
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
【0050】
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、ホットガスバイパス回路H、分岐配管Kおよび合流配管Jを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
【0051】
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。
【0052】
室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。
【0053】
室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。
【0054】
室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。
【0055】
室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続されている。
【0056】
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fのうち、少なくとも電磁誘導加熱ユニット6によって覆われている被加熱部分は、銅管F1の周囲をSUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)管F2が覆って構成されている(図7参照)。冷媒回路10を構成する配管のうちSUS管以外の部分は、銅管で構成されている。なお、上記銅管の周囲を覆う管の材質はSUSに限定されるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等とすることができる。また、SUSとしては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系の3種およびこれらの種類を組み合わせたものが例として挙げられる。また、ここでのアキューム管Fは、磁性体および磁性体を含有する材料を備えていなくてもよく、誘導加熱が行われる対象となる材質を含有するものであればよい。なお、磁性体材料は、例えば、アキューム管Fのすべてを構成していてもよいし、アキューム管Fの内側表面のみに形成されていてもよく、アキューム管F配管を構成する材料中に含有されることで存在していてもよい。このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
【0057】
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
【0058】
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。
【0059】
分岐配管Kは、室外熱交換器23の一部を構成しており、熱交換を行うための有効表面積を増大させるために、室外熱交換器23のガス側出入口23eから伸びる冷媒配管が後述する分岐合流点23kで複数本に分岐した配管である。この分岐配管Kは、分岐合流点23kから合流分岐点23jまで伸びており、合流分岐点23jで合流している。
【0060】
合流配管Jは、室外熱交換器23の一部を構成しており、合流分岐点23jから室外熱交換器23の液側出入口23dまで伸びている配管である。合流配管Jは、冷房運転時に室外熱交換器23から流れ出る冷媒の過冷却度を統一させることができるとともに、暖房運転時に室外熱交換器23の下端近傍に着霜した氷を解凍させることができる。
【0061】
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
【0062】
室外熱交換器23は、ガス側出入口23e、液側出入口23d、分岐合流点23k、合流分岐点23j、分岐配管K、合流配管Jおよび熱交フィン23zを有している。ガス側出入口23eは、室外熱交換器23の室外側ガス管E側の端部に位置しており、室外側ガス管Eと接続される。液側出入口23dは、室外熱交換器23の室外側液管D側の端部に位置しており、室外側液管Dと接続される。分岐合流点23kは、ガス側出入口23eから伸びる配管を分岐させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を分岐もしくは合流させることができる。分岐配管Kは、分岐合流点23kにおける各分岐部分から複数本伸びている。合流分岐点23jは、分岐配管Kを合流させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を合流もしくは分岐させることができる。合流配管Jは、合流分岐点23jから液側出入口23dまで伸びている。熱交フィン23zは、板状のアルミフィンが板厚方向に複数枚並んで、所定の間隔で配置されて構成されている。分岐配管Kおよび合流配管Jは、いずれも、熱交フィン23zを共通の貫通対象としている。具体的には、分岐配管Kおよび合流配管Jは、共通の熱交フィン23zの異なる部分で板圧方向に貫通して配置されている。
【0063】
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
【0064】
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外機2の背面側の外観斜視図を示す。図4に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図5に、室外熱交換器23および底板2bとの位置関係についての斜視図を示す。
【0065】
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
【0066】
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に図示しない仕切り板を介して区切られている。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。合流配管Jは、室外熱交換器23の熱交フィン23zのうち最も下の部分において、熱交フィン23zを厚み方向に貫通することで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
【0067】
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図6に、電磁誘導加熱ユニット6の概略斜視図を示す。図7に、電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。図8に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。
【0068】
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち被加熱部分を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって被加熱部分を加熱する。このアキューム管Fの被加熱部分は、内側の銅管F1と外側のSUS管F2とを有する二重管構造となっている。なお、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fへ固定する前に、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して位置決めさせるため、図11に示すようなビィンディング97が用いられる。これにより、電磁誘導加熱ユニット6のアキューム管Fに対する位置が定まったままで、固定作業を行うことができ、作業性がよい。
【0069】
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、C型リング62、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15を備えている。
【0070】
第1六角ナット61は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して上端近傍で固定する。第2六角ナット66は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して下端近傍で固定する。
【0071】
C型リング62は、樹脂製であって、第1六角ナット61および第1ボビン蓋63と協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。なお、図示しないが、第2六角ナット66および第2ボビン蓋64とも協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。
【0072】
第1ボビン蓋63は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6においてアキューム管Fとコイル68との相対位置を決める部材の1つであり、電磁誘導加熱ユニット6の上方でアキューム管Fを周囲から覆う。第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、第1ボビン蓋63と同一形状であって、電磁誘導加熱ユニット6の下方でアキューム管Fを周囲から覆う。図13に、第1ボビン蓋63の上面図を示す。図14に、第1ボビン蓋63の下面図を示す。第1ボビン蓋63は、アキューム管Fを貫通させつつ、第1六角ナット61およびC型リング62と協同してアキューム管Fと電磁誘導加熱ユニット6とを固定させるための配管用筒状部63cを有している。第1ボビン蓋63は、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cを通過させつつ保持するために、外周部分から内側に向けて形成された略T字形状のフック形状部63aを有している。第1ボビン蓋63は、ボビン本体65とSUS管F2との間に滞留している熱を外部に放出させるために上下方向に貫通した放熱開口65bを複数有している。第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔63dを4つ有している。さらに、第1ボビン蓋63は、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fを有している。このヒューズ差し込み開口63dは、図16に示すヒューズ15を取り付ける際の開口であって、ヒューズ15の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。サーミスタ差し込み開口63fは、図15に示すサーミスタ14を取り付ける際の開口であって、サーミスタ14の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。なお、サーミスタ14およびヒューズ15は、電磁誘導加熱ユニット6の下方から取り付けられるため、第1ボビン蓋63のサーミスタ差し込み開口63fおよびヒューズ差し込み開口63dは、放熱開口63bと同様の放熱機能を発揮することになる。ここで、放熱しようとする暖かい空気はボビン本体65内の上方の空間に溜まるため、上方の放熱開口を下方よりも多く設けておくことで効率的な放熱を行うことが可能となっている。そして、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fにはサーミスタ14が挿入され、第2ボビン蓋64のヒューズ差し込み開口63dにはヒューズ15が挿入され、それぞれ取り付けられる。図14に示すように、第1ボビン蓋63の下面側には、ボビン本体65の上端円筒部(後述する)の内側に位置することでボビン本体65と嵌り合うボビン用筒上部65gが下方に延びている。このボビン用筒上部65gは、上述した放熱開口63b、螺着孔63d、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fの貫通状態を閉ざすことないように、各開口の外縁に沿った部分から貫通方向に延びて形成されている。なお、第1ボビン蓋63が有している開口や形状は、第2ボビン蓋64についても同様であり、第1ボビン蓋63における63番台の各部材番号は第2ボビン蓋64における64番台の部材番号にそれぞれ対応させて示し、説明は省略する。なお、第2ボビン蓋64についても、第1ボビン蓋63と同様に、配管用筒上部64cを有しており(図7参照)、ボビン本体65の下端円筒部(後述する)に対して嵌り合う。
【0073】
ボビン本体65は、図9に示すように、コイル68が巻き付けられる。ボビン本体65は、図10に示すように、円筒状の形状である円筒部65aを有している。ボビン本体65は、上端からわずかに下がった部分で径方向に突出して形成される第1巻き止め部65sと、下端からわずかに上がった部分で径方向に突出して形成される第2巻き止め部65tと、を有している。第1巻き止め部65sより上方には、上端円筒部65xが延びている。第2巻き止め部65tより下方には、下端円筒部65yが延びている。第1巻き止め部65sは、径方向外側にさらに突出した第1コイル保持部65bを有している。この第1コイル保持部65bは、コイル第1部分68bを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65cと、コイル第2部分68cを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65dと、を有している。第2巻き止め部65tは、第1巻き止め部65sと同様に、コイル保持溝65f、65gが形成された第2コイル保持部65eを有している。図12の電磁誘導加熱ユニット6の下面図に示すように、ボビン本体65に形成されているコイル保持溝65f、65gは、アキューム管Fが延びる方向からみた場合に、第2ボビン蓋64のフック形状部64aによって外側が覆われることで、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cをより確実に保持することができている。また、コイル保持溝65f、65gと、フック形状部64aとは、アキューム管Fが延びている方向にずれて配置されるため、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cが延びている方向の複数箇所において保持することができるたえ、コイル68に対して局所的な負荷が生じにくいようにすることができている。ボビン本体65には、アキューム管F側の内側において、アキューム管Fとの間に空間が形成されており、コイル68に電流が流れた際に生じる磁束がより効率的にアキューム管FのSUS管F2を通過するように距離をとっている。
【0074】
第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込む。また、第1フェライトケース71は、後述する第1フェライト98および第2フェライト99を収容する部分を有している。第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74についても、第1フェライトケース71と同様であって、これらは、ボビン本体65、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64を外側4方向から覆う位置に配置される。図6、図8および図12に示すように、第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74それぞれと、金属製のネジ69を介して螺着され、固定される。
【0075】
第1フェライト98は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成されており、コイル68に電流を流した際に、SUS管F2以外の部分にも生じる磁束を集めて磁束の通り道を形成する。この第1フェライト98は、特に、電磁誘導加熱ユニット6の上端近傍および下端近傍の第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部に収容される。第2フェライト99についても、配置位置および形状以外は上記第1フェライト98と同様であり、第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部のうちボビン本体65の外側近傍の位置に配置される。ここで、第1フェライト98および第2フェライト99が設けられていない場合には、例えば、図17に示すように、周囲に磁束が漏れ出してしまうことになる。これに対して、本実施形態の電磁誘導加熱ユニット6では、コイル68の外側に第1フェライト98および第2フェライト99が設けられているために、図18に示すように磁束が流れ、漏れ磁束を低減させることができている。
【0076】
コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられているコイル巻き付け部分68a、コイル巻き付け部分68aに対してコイル68の一端側に延びているコイル第1部分68bと、コイル68の一端側とは反対側である他端側に延びているコイル第2部分68cと、を有している。このコイル68は、第1〜第4フェライトケース71〜74の内側に位置している。コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、図11に示すように、制御用プリント基板18と接続されている。そして、コイル68は、この制御用プリント基板18から高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板18は、制御部11によって制御されている。高周波電流の供給を受けると、コイル巻き付け部分68aが磁束を生じさせる。具体的には、図18において点線で示すように、SUS管F2のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、第1フェライト98、第2フェライト99および遮蔽カバー75のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、をアキューム管Fに対する径方向であってかつ軸方向に広がっている面上において略楕円形状となるように磁束が生じる。このようにして生じた磁束によって、SUS管F2は、電磁誘導によって電流(渦電流)が生じる。ここでSUS管F2を電流が流れる際に電気抵抗となる部分で発熱が生じることになる。このように、コイル68は、ボビン本体65の外側に巻き付けるだけで、軸方向がアキューム管Fの軸方向と略共通となるようにコイル68を配置させることができる。そして、コイル68が略筒状形状に配置されることで、アキューム管FのSUS管F2に対してより多くの磁束を供給することができ、加熱効率を向上させることができている。なお、ここでは、コイル68の材料として、効率よく磁束を生じさせる観点から、良導体である銅線を用いている。なお、コイル68の材料としては、電気を流せるものであれば特に限定されるものではない。
【0077】
遮蔽カバー75は、図6と図8を比較すると分かるように、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。図6に示すように、遮蔽カバー75は、第1フェライトケース71に対して、ネジ70a、70b、70c、70dを介して螺着されることで固定されている。これにより、電磁誘導加熱ユニット6においては、この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
【0078】
サーミスタ14は、図15に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、サーミスタ検知部14a、外側突起14b、側面突起14cおよびサーミスタ配線14dを有している。サーミスタ検知部14aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うような形状を有しており、実質的な接触面積を有している。外側突起14bは、サーミスタ14の取り付け状態において、アキューム管Fから離れる方向に突出した状態となる突起であって、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっている。側面突起14cも、外側突起14bと同様に第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっており、外側突起14bから離れる向きに延びている。サーミスタ配線14dは、サーミスタ検知部14aの検知結果を信号にして制御部11まで伝える。なお、サーミスタ14は、図15において上方に向けて挿入されるが、外側突起14bおよび側面突起14cを有しているため、サーミスタ差し込み開口63fと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、サーミスタ14の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
【0079】
ヒューズ15は、図16に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、ヒューズ検知部15a、非対称形状15bおよびヒューズ配線15dを有している。ヒューズ検知部15aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うように湾曲した窪み形状を有しており、実質的な接触面積を有している。非対称形状15bは、上述したサーミスタ14と同様に、図16において上方に向けて挿入されるが、ヒューズ差し込み開口63dと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、ヒューズ15の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
【0080】
<1−4>フェライトケース71〜74
以下、フェライトケースの詳細を説明する。
【0081】
図19に、第1フェライト98および第2フェライト99が取り付けられた第1フェライトケース71の概略斜視図を示す。
【0082】
図20に、第1フェライトケース71の平面図を示す。図21に、第1フェライトケース71の背面図を示す。図22に、第1フェライトケース71の側面図を示す。図23に、第1フェライトケース71の上方側の螺着部近傍の図を示す。図24に、第1フェライトケース71の下方側の螺着部近傍の図を示す。
【0083】
第1〜第4フェライトケース71〜74は、いずれも同様の形状を有しているため、ここでは、第1フェライトケース71を代表として取り上げて説明し、他の第2〜第4フェライトケース72〜74については、説明を省略する。
【0084】
第1フェライトケース71は、樹脂製であって、図8に示すように、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込んで固定する機能と、第1フェライト98および第2フェライト99を収容して保持する機能を有している。
【0085】
第1フェライトケース71は、底面部71j、側面部71h、突起71e、第1蓋螺着部71a、第1蓋螺着孔71b、第2蓋螺着部71f、第2蓋螺着孔71g、遮蔽カバー螺着部71cおよび遮蔽カバー螺着孔71dを有している。
【0086】
底面部71jは、第1フェライトケース71の底面を構成している。この底面部71jには、後述するように、第1フェライト98および第2フェライト99が接着される。底面部71jは、電磁誘導加熱ユニット6に固定された状態では、面が径方向を向く位置に設けられ、長手方向がアキューム管Fの伸びる方向に沿うように設けられる。この底面部71jは、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64の径方向の外縁のうち4つの対称的に設けられた略直線形状の辺のいずれかに取り付けられる。これにより、底面部71jの背面側と、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64のそれぞれの略直線形状の辺とが当接した状態で固定される。これにより、第1フェライトケース71は、周方向への移動が規制された構造となっている。
【0087】
側面部71hは、底面部71jの長手方向と直交する方向の両端それぞれから、底面部71jから離れる方向に伸びている面を有している。
【0088】
突起71eは、2つの側面部71hそれぞれから、互いに向かい合う向きに突出して形成された突起である。この突起71eは、第1フェライト98および第2フェライト99を取り付ける際に、作業者の爪もしくは指を挿入することができるようになっており、
作業効率を向上させることができる。さらに、突起71eは、第1フェライト98および第2フェライト99を収容できるスペースを狭めるように突出して形成されているため、第1フェライト98および第2フェライト99を挟んで位置決めさせることができる。
【0089】
第1蓋螺着部71aは、第1フェライトケース71と第1ボビン蓋63とを螺着させるために設けられており、2つの側面部71hに挟まれる径方向に広がる仮想空間からはずれた位置に設けられている。これにより、第1フェライト98をSUS管F2の近傍まで配置させることができるようになっており、磁力の漏れを低減させることができている。
【0090】
図25に示すように、側面部71h同士の間隔は13mmとなるように形成されている。そして、突起71eの先端部同士の間は11mmとなるように形成されている。
【0091】
第1蓋螺着孔71bは、第1フェライトケース71と第1ボビン蓋63とを互いに螺着させて、固定させる。具体的には、図6に示すように、金属製のネジ69によって、第1フェライトケース71の第1蓋螺着孔71bと、第1ボビン蓋63のネジ69用の螺着孔63dと、を合わせて螺着することで固定する。
【0092】
第2蓋螺着部71fは、第1フェライトケース71と第2ボビン蓋64とを螺着させるために設けられており、2つの側面部71hに挟まれる径方向に広がる仮想空間から、第1蓋螺着部71aとは反対側にはずれた位置に設けられている。これにより、第1フェライト98をSUS管F2の近傍まで配置させることができるようになっており、磁力の漏れを低減させることができている。なお、第1蓋螺着部71aと第2蓋螺着部71fとが、2つの側面部71hに挟まれており径方向に広がる仮想空間に対して、一方側と、他方側とに配置されているため、単に磁力の漏れを低減させるだけでなく、第1フェライトケース71と第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64との固定をより強固にしている。
【0093】
第2蓋螺着孔71gは、第1フェライトケース71と第2ボビン蓋64とを互いに螺着させて、固定させる。具体的には、上述の第1蓋螺着孔71bと同様に、金属製のネジ69によって、第1フェライトケース71の第2蓋螺着孔71gと、第2ボビン蓋64のネジ69用の螺着孔64d(図示せず)と、を合わせて螺着することで固定する。
【0094】
遮蔽カバー螺着部71cは、側面部71hから、突起71eが突出している側とは反対側に膨出して形成されており、上方に2カ所、下方に2カ所設けられている。
【0095】
遮蔽カバー螺着孔71dは、各遮蔽カバー螺着部71cに設けられている開口であり、図6に示すように、遮蔽カバー75が取り付けられた状態で、ネジ70a、70b、70c、70dによってそれぞれ螺着される。これにより、第1フェライトケース71と遮蔽カバー75とが固定される。なお、この遮蔽カバー螺着部71cおよび遮蔽カバー螺着孔71dは、第2〜第4フェライトケース72〜74についても設けられているが、実際に遮蔽カバー75が固定されるのはこれらのうちの1つであり、本実施形態では第1フェライトケース71となっている。
【0096】
なお、図22に示すように、第1フェライトケース71は、アキューム管Fの軸方向および設置状態における第1フェライトケース71の重心を含む面での断面形状が、略C字形状となっている。第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とを略C字形状の第1フェライトケース71によって挟み込むことができている。これにより、第1ボビン蓋63との連結位置と、第2ボビン蓋64との連結位置と、の間の距離に誤差が生じることがあっても、C字形状の第1フェライトケース71が縦に伸びるように弾性変形することで、この誤差を吸収することができる。
【0097】
<1−5>フェライト98、99
以下、フェライトの詳細を説明する。
【0098】
図26に、第1フェライト98の平面図を示す。図27に、第1フェライト98の一側面図を示す。図28に、第1フェライト98の他の側面図を示す。
【0099】
第1フェライト98は、略直方体の形状を有している、磁性体材料であって良導体であるフェライトによって構成されている。このフェライトは、焼結によって形成するため、複雑な形状を形成させることが困難である。このため、複雑な形状のフェライトは、単純な形状のものと比較して高価である。なお、このフェライトは、具体的には、透磁率が0.1MHzの条件下において1600以上である。飽和磁束密度は、1200A/mの条件下において、450mT以上である。残留磁束密度は、1200A/mの条件下において、400mT以下である。保持力は、1200A/mの条件下で、32A/m以下である。キュリー温度は、200℃以上である。
【0100】
第1フェライト98は、図6および図19に示すように、電磁誘導加熱ユニット6中における取付位置は、第1〜第4フェライトケース71〜74のそれぞれの収容空間のうち上端部および下端部に接着によって固定される。このように、第1フェライト98は、SUS管F2の上端および下端近傍に配置されているため、SUS管F2から漏れ出る磁界を、第1フェライト98および第2フェライト99以外の部分に漏れ出す程度を小さく抑えて、効率的に第1フェライト98および第2フェライト99内部を通過させることができる。第1フェライト98の寸法は、固定時の径方向の長さが17mmである。また、固定時のアキューム管Fが伸びる方向の寸法は、5mmである。固定時の側面部71hによって挟まれている部分の寸法は、10mmである。
【0101】
図29に、第2フェライト99の平面図を示す。図30に、第2フェライト99の一側面図を示す。図31に、第2フェライト99の他の側面図を示す。
【0102】
第2フェライト99は、略直方体の形状を有しており、第1フェライト98と同様に、磁性体材料であるフェライトによって構成されている。フェライトの詳細については、第1フェライト98において説明したものと同様である。
【0103】
第2フェライト99は、図6および図19に示すように、電磁誘導加熱ユニット6中における取付位置は、第1〜第4フェライトケース71〜74のそれぞれの収容空間のうちボビン本体65の径方向外側に位置する部分に対して接着によって固定される。寸法は、固定時の径方向の長さが5mmである。また、固定時のアキューム管Fが伸びる方向の寸法は、70mmである。固定時の側面部71hによって挟まれている部分の寸法は、10mmである。
【0104】
図32に、第1フェライト98および第2フェライト99について固定されている状態での側面図を示す。
【0105】
第2フェライト99は、長手方向に並ぶように、長手方向の端部同士が互いに接触し合う位置に、3つ並んで配置される。第1フェライト98は、長手方向が、第2フェライト99の寸法70mm×10mmの面の法線方向と平行になるように配置されている。そして、第1フェライト98の寸法10mm×5mmの面が、第2フェライト99の寸法70mm×10mmの面の一端近傍部分において、面接触して配置されている。なお、第2フェライト99の長手方向の上端部の寸法10mm×5mmの面と、第1フェライト98の寸法17mm×10mmの面と、が略同一平面上に位置するような配置関係となっていることがより好ましい。
【0106】
すなわち、第1フェライト98および第2フェライト99は、SUS管F2が延びている方向のうちコイル68の上側に配置される第1フェライト98と、コイル68に対してSUS管F2のある内側とは反対側の外側の一部に配置されている第2フェライト99と、コイル68に対して下側に配置される第1フェライト98とが、互いに接するように連なって配置されていることで、1本の磁性体ルートを形成している。
【0107】
この磁性体ルートは、コイル68のうちSUS管F2が伸びている方向の上方においてコイル68とSUS管F2との間の位置から、コイル68の径方向外側を介して、コイル68のうちSUS管F2が伸びている方向の下方においてコイル68とSUS管F2との間の位置まで延びている。
【0108】
この第1フェライト98は、設置状態において、第2フェライト99の長手方向には配置されていない。このため、仮に第2フェライト99の長手方向の寸法に多少の誤差が生じたとしても、問題無く第1フェライト98と第2フェライト99との接触状態を保った配置とすることができる。また、多少の誤差が許容されるため、寸法精度の高い高価なフェライトを用いる必要がなく、コストを低く抑えることができる。
【0109】
このように、第1フェライト98および第2フェライト99が、互いに接触した状態で連続的に配置されることで磁束を導く1つのラインができている。このため、自己を通過するように漏れ磁束を誘導させることを効率的に行うことができる。第1フェライト98および第2フェライト99は、コイル68の接線方向を軸方向とする略楕円周状の一部を構成する部分に配置されていることで、磁束をより効率的に導くことができる。
【0110】
さらに、第1フェライト98および第2フェライト99は、良導体材料を含んでいるため、電気抵抗によって生じるジュール熱を小さく抑えることができる。これにより、コイル68近傍での不要な発熱を抑えることができ、コイル68の温度上昇を抑えることがでる。これにより、コイル68自体の電気抵抗の増大を抑えることができるため、磁束の発生を効率的に行うことができる。
【0111】
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
上記実施形態の空気調和装置1は、電磁誘導加熱ユニット6を備えている。そして、ボビン本体65の上端円筒部65xに対して嵌っている第1ボビン蓋63と、ボビン本体65の下端円筒部65yに対して嵌っている第2ボビン蓋64と、を、第1フェライトケース71は連結することができる。また、ボビン本体65には、コイル68が巻き付いてワニス等によって固定されている。このため、コイル68、ボビン本体65、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64および第1〜第4フェライトケース71〜74を一体化させることができる。
【0112】
また、第1〜第4フェライトケース71〜74は、ボビン本体65、コイル68、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64の外側から取付ることができるため、一体化作業を容易に行うことができる。
【0113】
また、第1フェライト98および第2フェライト99とコイル68との間に第1〜第4フェライトケース71〜74が介在しているため、第1フェライト98および第2フェライト99とコイル68とが直接接触することがない。このため、コイル68に電流が流れることで生じる磁界が弱められることなく、アキューム管Fを通過する位置に効率的に磁界を生じるようにすることができている。
【0114】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0115】
(A)
上記実施形態では、第1〜第4フェライトケース71〜74について、2つの側面部71hの両方から互いに向かい合う方向に突出した突起71eが設けられている場合について例に挙げて説明した。
【0116】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0117】
図33に示すように、例えば、側面部71hの一方側のみに突起171eを有する第1フェライトケース171であってもよい。
【0118】
(B)
上記実施形態では、冷媒回路10のうち、アキューム管Fに対して電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられる場合について説明した。
【0119】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0120】
例えば、アキューム管F以外の他の冷媒配管に設けられていてもよい。この場合には、電磁誘導加熱ユニット6を設ける冷媒配管部分にSUS管F2等の磁性体を設ける。
【0121】
(C)
上記実施形態では、アキューム管Fは、銅管F1とSUS管F2との二重管として構成されている場合を挙げて説明した。
【0122】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0123】
図34に示すように、例えば、被加熱部材F2aと、2つのストッパーF1aと、がアキューム管Fや加熱対象となる冷媒配管の内部に配置されていてもよい。ここで、被加熱部材F2aは、磁性体材料を含有しており、上記実施形態における電磁誘導加熱によって発熱を生じる部材である。ストッパーF1aは、銅管F1の内側二カ所において、冷媒の通過を常時許容するが、被加熱部材F2aの通過は許容しない。これにより、被加熱部材F2aは、冷媒が流れても移動しない。このため、アキューム管F等の目的の加熱位置を加熱させることができる。さらに、発熱する被加熱部材F2aと冷媒とが直接接触するため、熱伝達効率を向上させることができる。
【0124】
(D)
上記他の実施形態(C)で説明した被加熱部材F2aは、ストッパーF1aを用いることなく配管に対して位置が定まるようにしてもよい。
【0125】
図35に示すように、例えば、銅管F1に二カ所で曲げ部分FWを設け、当該二カ所の曲げ部分FWの間の銅管F1の内側に被加熱部材F2aを配置させてもよい。このようにしても、冷媒を通過させつつ、被加熱部材F2aの移動を抑制させることができる。
【0126】
(E)
上記実施形態では、コイル68がアキューム管Fに対して螺旋状に巻き付けられている場合について説明した。
【0127】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0128】
例えば、図36に示すように、ボビン本体165に巻き付けられたコイル168が、アキューム管Fに巻き付くことなく、アキューム管Fの周囲に配置されていてもよい。ここでは、ボビン本体165は、軸方向がアキューム管Fの軸方向に対して略垂直となるように配置されている。また、ボビン本体165およびコイル168は、アキューム管Fを挟むように2つに別れて配置されている。
【0129】
この場合には、例えば、図37に示すように、アキューム管Fを貫通させている第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、ボビン本体165に対して勘合した状態で配置されていてもよい。
【0130】
さらに、図38に示すように、第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、第1フェライトケース171および第2フェライトケース172によって挟み込まれて固定されていてもよい。図38では、2つのフェライトケースがアキューム管Fを挟み込むように配置されている場合を例にあげたが、上記実施形態と同様に、4方向に配置されていてもよい。また、上記実施形態とどうように、フェライトを収容させていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明を利用すれば、電磁誘導によって冷媒配管を加熱するためのコイルと、このコイルを巻き付けた部材と、冷媒配管との相対位置を定める部材と、が別部材となっている場合であっても、これらの部材同士を簡単な構造によって一体化させることができるため、電磁誘導を用いて冷媒を加熱させる電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】室外機の正面側を含む外観斜視図である。
【図3】室外機の内部配置構成斜視図である。
【図4】室外機の底板と室外熱交換器との位置関係等を示す斜視図である。
【図5】室外機の背面側を含む外観斜視図である。
【図6】電磁誘導加熱ユニットの外観斜視図である。
【図7】電磁誘導加熱ユニットの断面構成図である。
【図8】電磁誘導加熱ユニットから遮蔽カバーを取り除いた状態を示す外観斜視図である。
【図9】コイルが巻き付けられたボビン本体の外観斜視図である。
【図10】ボビン本体の正面図である。
【図11】電磁誘導加熱ユニットへの電力供給を示す概念図である。
【図12】電磁誘導加熱ユニットの遮蔽カバーが取り外された状態での下面図である。
【図13】第1ボビン蓋の外側に位置する部分を示す上面図である。
【図14】第1ボビン蓋の内側に位置する部分を示す下面図である。
【図15】サーミスタの外観斜視図である。
【図16】ヒューズの外観斜視図である。
【図17】遮蔽カバーが無い状態で生じる磁束の様子を示す図である。
【図18】遮蔽カバーを設けた状態で生じる磁束の様子を示す図である。
【図19】フェライトを備えた状態の第1フェライトケースの外観斜視図である。
【図20】第1フェライトケースの平面図である。
【図21】第1フェライトケースの背面図である。
【図22】第1フェライトケースの側面図である。
【図23】第1フェライトケースの上方側の螺着部近傍の図である。
【図24】第1フェライトケースの下方側の螺着部近傍の図である。
【図25】第1フェライトケースの側面部および突起の寸法図である。
【図26】第1フェライトの平面図である。
【図27】第1フェライトの一側面図である。
【図28】第1フェライトの他の側面図である。
【図29】第2フェライトの平面図である。
【図30】第2フェライトの一側面図である。
【図31】第2フェライトの他の側面図である。
【図32】第1フェライトおよび第2フェライトの固定状態の側面図である。
【図33】他の実施形態(A)のフェライトケースを示す側面図である。
【図34】他の実施形態(C)の冷媒配管の説明図である。
【図35】他の実施形態(D)の冷媒配管の説明図である。
【図36】他の実施形態(E)のコイルと冷媒配管との配置例を示す図である。
【図37】他の実施形態(E)のボビン蓋の配置例を示す図である。
【図38】他の実施形態(E)のフェライトケースの配置例を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
1 空気調和装置
6 電磁誘導加熱ユニット
10 冷媒回路
21 圧縮機
22 四路切換弁
23 室外熱交換器
24 電動膨張弁
25 アキュームレータ
41 室内熱交換器
61 第1六角ナット(位置決め部)
62 C型リング(位置決め部)
63 第1ボビン蓋(位置決め部)
64 第2ボビン蓋
65 ボビン本体
66 第2六角ナット
68 コイル
71 第1フェライトケース
72 第2フェライトケース
73 第3フェライトケース
74 第4フェライトケース
75 遮蔽カバー
98 第1フェライト
99 第2フェライト
A 吐出管、冷媒配管
B 室内側ガス管、冷媒配管
C 室内側液管
D 室外側液管
E 室外側ガス管、冷媒配管
F アキューム管、冷媒配管
G 吸入管、冷媒配管
H ホットガスバイパス回路
J 過冷却回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒配管(F)および/または前記冷媒配管(F)中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニット(6)であって、
前記冷媒配管(F)の近傍に配置されたコイル(68)と、
前記コイル(68)が取り付けられて前記冷媒配管(F)の外側に配置される外部部材(65)と、
前記冷媒配管(F)を貫通させる第1配管開口(63c)を有しており、前記冷媒配管(F)が延びる方向の一方側から前記外部部材(65)と嵌り合う第1部材(63)と、
前記冷媒配管(F)を貫通させる第2配管開口(64c)を有しており、前記一方側とは反対側である他方側から前記外部部材(65)と嵌り合う第2部材(64)と、
前記第1部材(63)と前記第2部材(64)とを連結する連結部材(71、72、73、74)と、
を備えた電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項2】
前記コイル(68)は、前記冷媒配管(F)の少なくとも一部の回りを取り巻いている、
請求項1に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項3】
前記外部部材(65)は、前記冷媒配管の伸びている方向を略軸方向とする略円筒形状であり、
前記コイル(68)は、前記外部部材(65)に対して軸方向を略共通とする螺旋状に巻き付いている、
請求項1または2に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項4】
前記連結部材(71、72、73、74)は、前記外部部材(65)の外側を介して前記第1部材(63)と前記第2部材(64)とを連結する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項5】
前記連結部材(71、72、73、74)は、前記冷媒配管(F)の軸方向および設置状態における前記連結部材(71、72、73、74)の重心を含む面での断面形状が、略C字形状である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項6】
前記連結部材(71、72、73、74)は、前記第1部材(63)の前記一方側に位置する第1連結部分(71a、71b)を介して前記第1部材(63)に固定され、前記第2部材(64)の前記他方側に位置する第2連結部分(71f、71g)を介して前記第2部材(64)に固定され、
前記第1連結部分(71a、71b)と前記第2連結部分(71f、71g)とを結ぶ線と、前記冷媒配管(F)の軸方向の線とは、ねじれの関係にある、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項7】
磁性体材料を含んでいる磁性体部(98、99)をさらに備え、
前記連結部材(71、72、73、74)は、前記磁性体部(98、99)を収容するための収容スペースを有している、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項8】
前記収容スペースは、前記第1配管開口(63c)近傍から前記第2配管開口近傍まで設けられている、
請求項7に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項9】
前記磁性体部(98、99)と前記コイル(68)との間には、前記連結部材(71、72、73、74)の少なくとも一部が介在している、
請求項7または8に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項10】
前記連結部材(71、72、73、74)は、
前記磁性体部(98、99)と前記コイル(68)との間に位置する底面部(71j)と、
前記冷媒配管(F)から離れる方向に前記磁性体部(98、99)を挟むようにして前記底面部(71j)から延びている側面部(71h)と、
を有しており、
前記側面部は、前記磁性体部(98、99)側に突出した突起(71e)が設けられている、
請求項7または9に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項11】
前記磁性体部(98、99)は、前記連結部材(71、72、73、74)に固定されている、
請求項7から10のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項12】
前記磁性体部(98、99)は、
前記第1配管開口(63c)近傍から前記冷媒配管(F)の外側に向けて延びる第1磁性体部(98)と、
前記第2配管開口近傍から前記冷媒配管(F)の外側に向けて延びる第2磁性体部(98)と、
前記第1磁性体部(98)の外側から前記第2磁性体(98)部の外側まで延びる第3磁性体部(99)と、
を有しており、
前記第1磁性体部(98)と前記第2磁性体部(98)とは同一形状であって、
前記第3磁性体部(99)は、同一形状であって長手方向端部で互いに接触している複数の分割第3磁性体部(99)を有し、前記第1磁性体部(98)の外側および前記第2磁性体部(98)の外側とそれぞれ接触している、
請求項7から11のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)と、
前記冷媒配管(F)に冷媒を流す部分を含む冷凍サイクル(10)と、
を備えた空気調和装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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