説明

電線加工装置及び電線加工方法

【課題】手動操作、自動運転に関わらず、各種の電線に容易に対応することができ、芯線やシールド編組への傷付きを防止しつつ絶縁被覆に切り込みを入れることができる電線加工装置及び電線加工方法を提供する。
【解決手段】互いに接近して電線90を把持する一対の電線クランプ20と、電線90の絶縁被覆91に食い込む一対の切り込みカッタ30と、電線クランプ20間に位置する電線90をガイドするガイド部材50と、一対の切り込みカッタ30の接近方向への移動を規制する規制手段60と、を備え、ガイド部材50は、電線90をガイドするガイド位置と、ガイド位置から後退して電線90から離間する退避位置との間を進退移動自在に設けられ、ガイド部材50が退避位置にある場合に規制手段60が切り込みカッタ30の移動を規制し、ガイド部材50がガイド位置に移動した場合に切り込みカッタ30の規制を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の長手方向端部や中間部における絶縁被覆を剥ぎ取る電線加工装置及び電線加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芯線を絶縁被覆した被覆電線の長手方向端部において、芯線を端子金具などに接続するために絶縁被覆を剥ぎ取る電線加工装置(皮剥ぎ装置)が利用されている(例えば、特許文献1参照)。このような電線加工装置は、長手方向に送り出した電線を所定位置でクランプによって把持し、電線の長手方向端部を両側から挟み込む一対のカッタによって絶縁被覆の周方向に切り込みを入れ、電線の長手方向末端側にカッタをスライドさせることで絶縁被覆を除去するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−12350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した特許文献1に示されたような電線加工装置では、周方向に切り込みを入れた絶縁被覆をカッタのスライドによって芯線から引き抜くため、太物電線やシールド電線などの場合、あるいは除去する絶縁被覆の長さが長い場合には、芯線との摩擦抵抗が大きくなることから、絶縁被覆を引き抜くことが困難になる。また、切り込みを入れたカッタを芯線に沿ってスライドさせることから、カッタの切り込み深さが大きすぎた場合には、カッタの刃が擦れて芯線に傷を付けてしまう可能性がある。また、電線としては、単数又は複数の芯線を絶縁被覆で被覆したシールド無しの電線でもよいし、単数又は複数の芯線をシールド編組で覆うとともに絶縁被覆で被覆したシールド電線であってもよい。シールド電線の場合には、前述したような芯線への傷付きとともに、シールド編組への傷付きが懸念される。
【0005】
以上の理由から、カッタの切り込み深さを調整するために、作業者がカッタと電線の近傍で調整作業を行うことがあり、その場合には、カッタの刃に作業者の手や工具が触れてしまう可能性がある。また、自動運転によるカッタと電線とのスライドによって芯線又はシールド編組で覆われた芯線から絶縁被覆を引き抜く工程に代えて、絶縁被覆を剥ぎ取る工程を作業者の手動操作によって行うことにより、芯線やシールド編組への傷つきを抑制させることも考えられる。このような手動操作を行う場合には、クランプで電線を把持したり、カッタで絶縁被覆に切り込みを入れたりする際に、作業者の手や工具などが装置に挟まれることを防止する必要がある。ところが、従来の自動運転を前提とした電線加工装置では、手動操作や手動調整を行うことが想定されていないため、その対策が十分ではなかった。なお、自動運転によって絶縁被覆を剥ぎ取る場合であっても、切り込み深さの調整などを行うためには、同様の対策を施すことが有効であり、そのような加工装置の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記した点に鑑み、手動操作、自動運転に関わらず、各種の電線に容易に対応することができ、芯線やシールド編組への傷付きを防止しつつ絶縁被覆に切り込みを入れることができる電線加工装置及び電線加工方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された本発明の電線加工装置は、電線の周方向に沿って絶縁被覆を切断して該絶縁被覆を剥ぎ取るための電線加工装置であって、前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して該電線を把持する一対の電線クランプと、前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して前記絶縁被覆に食い込む一対の切り込みカッタと、前記一対の電線クランプ及び前記一対の切り込みカッタを離間接近させる操作手段と、前記一対の電線クランプ間に位置する前記電線をガイドするガイド部材と、前記操作手段による前記一対の切り込みカッタの接近方向への移動を規制する規制手段と、を備え、前記ガイド部材は、前記電線をガイドするガイド位置と、該ガイド位置から後退して前記電線から離間する退避位置と、の間を進退移動自在に設けられ、前記規制手段は、前記ガイド部材が退避位置にある場合に前記切り込みカッタの移動を規制し、前記ガイド部材がガイド位置に移動した場合に前記切り込みカッタの規制を解除することを特徴とする。
【0008】
上記構成により、ガイド部材が退避位置にある場合には、切り込みカッタの移動が規制され、ガイド部材をガイド位置に移動させることで切り込みカッタの移動規制が解除されるので、電線クランプ間に電線をセットする際などに意図せず作業者の手や工具などが挟まれてしまうことが防止できる。さらに、ガイド位置に移動させたガイド部材によって一対の電線クランプの隙間や切り込みカッタの刃を覆うことで、手動操作する場合の作業者の手や工具などをガイド部材で保護することができるとともに、自動運転の場合でも調整作業などを安全な状態で行うことができる。従って、電線クランプ間及び切り込みカッタ間に電線をセットするとともに、ガイド部材を退避位置に位置させた状態において、各種の電線ごとに必要な作業を行ってから、ガイド部材をガイド位置に移動させることで、移動規制を解除した切り込みカッタを操作手段により接近方向に移動させ、これにより絶縁被覆に一対の切り込みカッタを食い込ませることができる。
【0009】
請求項2に記載された電線加工装置は、請求項1記載の電線加工装置において、前記一対の電線クランプのうち、一方側の電線クランプに前記一対の切り込みカッタのうちの一方側の切り込みカッタが固定され、他方側の電線クランプに他方側の切り込みカッタが固定され、該他方側の電線クランプ及び切り込みカッタが前記操作手段の操作によって一方側に向かって移動可能に設けられ、前記規制手段は、移動不能に設けられた規制本体と、該規制本体に設けられたスイッチと、該スイッチに連動して突没可能な係合部材と、該係合部材と係合可能な被係合部を有して前記他方側の電線クランプに固定されたロック部材とを備え、前記ガイド部材が退避位置にある場合に、前記係合部材が前記ロック部材の被係合部に係合して前記他方側の電線クランプの移動が規制され、前記ガイド部材がガイド位置に移動することで前記スイッチが切り替わり、前記係合部材が前記被係合部から外れて前記他方側の電線クランプの規制が解除されることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、ベース部材と、スイッチと、係合部材と、被係合部を有したロック部材と、によって規制手段としてのインターロック機構(安全装置)が構成される。このような規制手段によって、ガイド部材の位置に応じて他方側の電線クランプ及び切り込みカッタの移動を確実に規制又は解除することができる。
【0011】
請求項3に記載された電線加工装置は、請求項1又は2記載の電線加工装置において、前記ガイド部材を退避位置に向かって付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、付勢手段によってガイド部材を退避位置に向かって付勢することで、
ガイド位置にあるガイド部材によって他方側の切り込みカッタの刃を覆いながら作業を行った後に、特別な操作をしなくてもガイド部材を退避位置(初期位置)へ移動させることができる。従って、操作手段によって切り込みカッタを離間方向に戻せば、その接近方向への移動を規制手段によって自動的に規制することができる。
【0013】
請求項4に記載された電線加工装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電線加工装置において、前記一対の切り込みカッタが互いに離間した状態で該一対の切り込みカッタの刃をそれぞれ覆う一対のカバー部材を備え、前記一対の切り込みカッタが互いに接近した状態において、前記一対のカバー部材の少なくとも一方が互いに離間する方向に移動して、前記一対の切り込みカッタの刃部を露出させることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、一対の切り込みカッタが互いに離間した状態において、それらの刃をカバー部材で覆うことで、作業者の手や工具などが切り込みカッタの刃に接触するのを防止することができる。一方、一対の切り込みカッタが互いに接近した状態において、カバー部材が移動して切り込みカッタの刃部が露出することで、これらの切り込みカッタの刃が食い込んだ電線の絶縁被覆を剥ぎ取る作業が容易に実施できる。
【0015】
請求項5に記載された本発明の電線加工方法は、電線の周方向に沿って絶縁被覆を切断して該絶縁被覆を剥ぎ取るための電線加工方法であって、前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して該電線を把持する一対の電線クランプと、前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して前記絶縁被覆に食い込む一対の切り込みカッタと、前記一対の電線クランプ間に位置する前記電線をガイドするガイド部材と、前記操作手段による前記一対の切り込みカッタの接近方向への移動を規制する規制手段とを備えた装置を用い、前記一対の電線クランプ及び前記前記一対の切り込みカッタをそれぞれ互いに離間させるとともに、互いの接近方向への移動を前記規制手段により規制した状態において、前記一対の電線クランプ間に前記電線を位置させ、前記ガイド部材をガイド位置へ移動させて前記電線を他方側からガイドするとともに、該ガイド部材をガイド位置に移動させることで前記規制手段による前記切り込みカッタの移動規制を解除してから、前記一対の電線クランプを接近方向へ移動させて前記電線を把持するとともに、前記一対の切り込みカッタを接近方向へ移動させて前記絶縁被覆に食い込ませ、前記一対の電線クランプ及び前記一対の切り込みカッタの接近に伴って、前記ガイド部材をガイド位置から後退させて前記電線から離間する退避位置へ移動させることを特徴とする。
【0016】
上記構成により、前述した電線加工装置と同様に、電線クランプや切り込みカッタが離間した状態では、切り込みカッタの接近方向への移動が規制されているので、意図せず作業者の手や工具などが電線クランプ間や切り込みカッタ間に挟まれてしまうことが防止できるとともに、ガイド部材によって作業者の手や工具などを保護することができる。さらに、ガイド部材をガイド位置に移動させて移動規制を解除することで、切り込みカッタを接近方向に移動させて絶縁被覆に食い込ませることができるとともに、切り込みカッタの接近に伴ってガイド部材を退避位置へ移動させることで、次に切り込みカッタを離間させた際に自動的に接近方向への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、ガイド部材が退避位置にあって切り込みカッタの接近移動が規制された状態において、各種の電線ごとに必要な作業を行ってから、ガイド部材をガイド位置に移動させて切り込みカッタの移動規制を解除することができる。従って、各種の電線に対応して切り込みカッタの食い込み深さを調整するなどの作業が容易にでき、芯線やシールド編組への傷付きを防止しつつ確実に絶縁被覆に切り込みカッタの刃を食い込ませ、絶縁被覆を剥ぎ取ることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、ガイド部材の位置に応じて他方側の電線クランプ及び切り込みカッタの移動を確実に規制又は解除することができるので、電線の設置作業や絶縁被覆の剥ぎ取り作業などの作業性を良好にすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、絶縁被覆の剥ぎ取り後に、切り込みカッタを離間方向に戻せば、その接近方向への移動が規制手段によって自動的に規制されるので、次の電線を設置する際の作業性を良好にすることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、切り込みカッタの位置に応じてカバー部材を離間接近させることで、電線の設置作業及び絶縁被覆の切り込み作業の作業性を向上させることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前述と同様に、電線の設置作業を安全かつ確実に実施できるとともに、各種の電線に対応して切り込みカッタの食い込み深さを調整するなどの作業が容易にでき、芯線やシールド編組への傷付きを防止しつつ良好な作業性で絶縁被覆に切り込みを入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電線加工装置を示す斜視図である。
【図2】前記電線加工装置を示す正面図である。
【図3】図2の反対側から見た前記電線加工装置の背面図である。
【図4】図3と同じ側から見た前記電線加工装置の斜視図である。
【図5】前記電線加工装置を見上げた斜視図である。
【図6】前記電線加工装置の動作を示す斜視図である。
【図7】前記電線加工装置の動作を示す側面図である。
【図8】前記電線加工装置の規制手段を示す斜視図である。
【図9】前記規制手段の動作を示す斜視図である。
【図10】前記電線加工装置を用いた電線の加工手順を示す図である。
【図11】図10に続く前記電線の加工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態にかかる電線加工装置を、図1〜図11を参照して説明する。本実施形態の電線加工装置1は、電線90の長手方向端部において絶縁被覆91を周方向に切断して、該絶縁被覆91を剥ぎ取るためのものである。電線90は、撚り線や単線からなる芯線92を2本備え、これら2本の芯線92が長手方向に沿って互いに平行に配され、その外周を覆ってシールド編組と絶縁被覆91とが設けられている。即ち、電線90は、平行に延びる2本の芯線92をシールド編組と絶縁被覆91とで覆った全体断面略長円形又は楕円形に形成されている。なお、本実施形態においては、編組を備えたシールド電線である電線90を例示するが、電線90は、シールド編組を備えないシールド無しの電線であってもよい。
【0024】
電線加工装置1は、上下一対のベースプレート11,12を四隅の柱13で連結したベース部材10と、上側のベースプレート11上面に支持された一対の電線クランプ20と、各電線クランプ20に固定された一対の切り込みカッタ30と、一対の電線クランプ20を互いに離間接近方向に相対移動させる操作手段40と、一方側の電線クランプ20(固定側クランプ21)に支持された電線90を他方側からガイドするガイド部材50と、操作手段40による一対の切り込みカッタ30の接近方向への移動を規制する規制手段60と、ガイド位置におけるガイド部材50を係止するか又は係止を解除する係止手段70とを備えて構成されている。
【0025】
ベース部材10は、下側のベースプレート12が複数のアンカーボルトを介して図示しない載置台等に固定され、かつ上下のベースプレート11,12が柱13で連結されることで、その全体が移動不能に設けられている。
【0026】
一対の電線クランプ20は、操作手段40の反対側において上側のベースプレート11に固定された固定側クランプ(一方側の電線クランプ)21と、固定側クランプ21に対向して上側のベースプレート11に移動自在に支持された移動側クランプ(他方側の電線クランプ)22とで構成される。移動側クランプ22は、操作手段40の操作によって固定側クランプ21に対して進退移動可能、即ち、固定側クランプ21と移動側クランプ22とが互いに離間接近自在に構成されている。
【0027】
固定側クランプ21は、その背面側のアングル材等によって上側のベースプレート11に固定され、移動側クランプ22と対向する前面側には、電線90を受け入れる凹状の保持溝23と、この保持溝23の底面に連続して他方側(移動側クランプ22側)に延出する延出部24とが形成されている。移動側クランプ22は、その背面側に操作手段40が連結され、固定側クランプ21と対向する前面側には、保持溝23に対向して電線90を保持溝23の内部に向かって押し付ける押付部25が設けられている。
【0028】
また、一対の電線クランプ20は、それぞれ一対のカバー部材としての移動カバー26及び固定カバー27によって覆われている。移動カバー26は、固定側クランプ21の三方を覆うとともに、ベースプレート11に沿ってスライド自在に設けられている。この移動カバー26は、図5に示すように、連結部材26Aを介して移動側クランプ22と連結されている。この連結部材26Aは、移動側クランプ22の下側に固定されるとともに、ベースプレート11の案内溝11Bに挿通されてベースプレート11下面に沿って設けられ、固定側クランプ21側に延びた先端部に移動カバー26が連結されている。また、連結部材26Aには、下方に延びる当接板26Bが固定されている。従って、移動カバー26及び当接板26Bは、移動側クランプ22と一体的に移動するようになっている。一方、固定カバー27は、後退位置にある移動側クランプ22の略全体を覆うとともに、ベースプレート11の側面に沿って操作手段40側方まで延びる前面板27Aを有して構成され、ベースプレート11に移動不能に固定されている。
【0029】
一対の切り込みカッタ30は、固定側クランプ21に固定される一方側の切り込みカッタとしての第一カッタ31と、移動側クランプ22に固定される他方側の切り込みカッタとしての第二カッタ32とで構成される。これらの第一カッタ31と第二カッタ32とは、固定側クランプ21と移動側クランプ22との離間接近に伴って、互いに離間接近自在に構成されている。図11に示すように、第一カッタ31及び第二カッタ32には、それぞれ接近した際に電線90を受け入れる凹状の刃部33,34が形成されている。刃部33,34は、電線90を受け入れた際に絶縁被覆91の周方向に沿って食い込むような内周形状を有し、このように絶縁被覆91に刃部33,34を食い込ませることで、刃部33,34に沿って絶縁被覆91を周方向に切断できるようになっている。
【0030】
操作手段40は、図1,3等に示すように、上側のベースプレート11上面に固定される支持部41と、この支持部41に左右進退自在に支持されるロッド42と、ロッド42の一端と移動側クランプ22とを連結する連結部43と、ロッド42の他端と支持部41とに回動自在に連結されるトグル部44と、トグル部44に連結される操作レバー45と、を備えて構成される。このような操作手段40は、図1〜6に示すように、操作レバー45を電線クランプ20から離れる側に回動操作することで、移動側クランプ22を固定側クランプ21から離隔させ、図10,11に示すように、操作レバー45を電線クランプ20側に向かって回動操作することで、トグル部44を介してロッド42を進出させて、このロッド42及び連結部43を介して移動側クランプ22を固定側クランプ21に接近させるように機能する。
【0031】
ガイド部材50は、図4〜7に示すように、一方側である固定側クランプ21側に位置する電線90を他方側である移動側クランプ22側からガイドするガイド部材本体51と、このガイド部材本体51を背面側から支持する第一支持板52と、この第一支持板52が固定されて略水平方向に延びる第二支持板53とを備える。さらに、ガイド部材50は、図2〜5に示すように、第二支持板53の下面側に固定された断面略L字形のスライド板54と、この第二支持板53とベース部材10の柱13とに渡って設けられた付勢手段としてのコイルばね55とを備えて構成されている。また、ベースプレート11下面には、スライド板54をスライド案内するガイドレール11Aが設けられている。
【0032】
ガイド部材本体51は、一方側に向かって開口した凹溝部51Aを有した断面略コ字形の樹脂製部材であり、電線90の長手方向に沿って延びて形成されるとともに、その基端側には、固定カバー27の前面板27Aに沿って案内されるフランジ部51Bが設けられている。このガイド部材本体51は、図1に示すように電線90から離隔する退避位置と、図4,5に示すように電線90を凹溝部51Aに受け入れてガイドするガイド位置と、の間を進退移動自在に設けられている。
【0033】
第一支持板52は、金属板材を折り曲げ加工した断面略L字形に形成され、その鉛直面部がガイド部材本体51にボルト固定され、その水平面部が第二支持板53にボルト固定されている。第二支持板53は、金属板材からなり、第一支持板52と固定される固定面部53Aと、この固定面部53Aよりもベース部材10側に延びてベースプレート11下面に沿って位置する連結面部53Bとを有して形成されている。
【0034】
スライド板54は、断面L字形を有した形鋼などから構成され、第二支持板53の連結面部53Bに連結される上面部54Aと、この上面部54Aの端縁から下方に延びる側面部54Bとを有して形成されている。スライド板54の上面部54Aには、ベースプレート11のガイドレール11Aに案内されるスライド体54Cが固定され、側面部54Bには、規制手段60に向かって突出した位置調整ねじ54Dが固定されている。このようなスライド板54がガイドレール11Aに案内されることで、ガイド部材本体51は、コイルばね55によって退避位置に向かって付勢されつつ、前述のようにガイド位置と退避位置との間を進退移動可能になっている。また、スライド板54の一方側の先端部には、係止手段70の係止ピン74が挿通される挿通孔54E(図5参照)が形成されている。
【0035】
規制手段60は、図2〜4,8,9に示すように、ベースプレート12の上面に移動不能に設けられた規制本体61と、この規制本体61の側面に設けられたスイッチ体62と、このスイッチ体62からスライド板54の側面部54Bに向かって突出した押釦63と、この押釦63の押し込みに連動してスイッチ体62の側面から突没可能な係合部材としての係合ピン64とを備える。スイッチ体62は、その内部に押釦63と係合ピン64とを連動させる適宜な伝達機構を有し、押釦63が押し込まれない状態で係合ピン64を突出させ、押釦63が押し込まれることで係合ピン64をスイッチ体62内部側に没入させるように構成されている。
【0036】
さらに、規制手段60は、移動側クランプ22に固定されるロック部材65を備え、このロック部材65は、移動側クランプ22から下方に延びる垂下部65Aと、この垂下部65Aの下端部から左右に延びる拡幅部65Bとを有し、正面視で逆T字形に形成されている。ロック部材65の拡幅部65Bの一方側には、突出した係合ピン64を挿通させて係合可能な被係合部としての挿通孔66が形成され、ガイド部材50が退避位置にある場合に、係合ピン64が挿通孔66に係合することで、ロック部材65を介して移動側クランプ22の移動が規制されるようになっている。一方、図7,9に示すように、ガイド部材50をガイド位置に移動させることで、スライド板54の側面部54Bが押釦63を押し込んで係合ピン64を没入させ、これにより係合ピン64と挿通孔66との係合が外れて移動側クランプ22の規制が解除されるようになっている。
【0037】
係止手段70は、ガイド位置に移動したガイド部材50を係止するものであって、図2〜5,7に示すように、ベースプレート12の上面に固定された係止本体71と、この係止本体71の側面に設けられたスイッチ体72と、このスイッチ体72から移動カバー26の当接板26Bに向かって突出した押釦73と、この押釦73の押し込みに連動してスイッチ体72の上面から突没可能な係止ピン74とを備える。スイッチ体72は、その内部に押釦73と係止ピン74とを連動させる適宜な伝達機構を有し、押釦73が押し込まれない状態で係止ピン74を突出させ、押釦73が押し込まれることで係止ピン74をスイッチ体72内部側に没入させるように構成されている。
【0038】
このような係止手段70は、ガイド部材50がガイド位置に向かって移動し、スライド板54の先端が係止ピン74の位置まで進出した場合に、その挿通孔54Eに係止ピン74を挿通させることで、コイルばね55の付勢力に抗してガイド部材50の移動を規制するようになっている。一方、図10,11に示すように、移動側クランプ22と一体的に当接板26Bを固定側クランプ21に向かって移動させることで、当接板26Bが押釦73を押し込んで係止ピン74を没入させ、これにより係止ピン74と挿通孔54Eとの係合が外れてガイド部材50の係止が解除されるようになっている。
【0039】
以上のように、ガイド位置に移動したガイド部材50が係止手段70に係止されるとともに、規制手段60による移動側クランプ22の規制が解除されることで、操作手段40による移動側クランプ22の移動操作が可能となり、図10,11に示すように、操作レバー45を電線クランプ20側に向かって回動操作することで、移動側クランプ22を固定側クランプ21に接近させて電線90を把持するとともに、第一カッタ31及び第二カッタ32の刃部33,34を電線90の絶縁被覆91に食い込ませることができる。
【0040】
このように移動側クランプ22と固定側クランプ21とを接近させた状態において、ガイド部材50は、係止手段70による係止が解除されることで、コイルばね55に付勢されてガイド位置から退避位置に後退する。さらに、移動カバー26は、移動側クランプ22の移動に伴って、固定側クランプ21の前面側から背面側(図10,11の左側)へ移動する。これらのガイド部材50及び移動カバー26の移動によって、図11に示すように、第一カッタ31及び第二カッタ32の刃部33,34で挟まれた電線90が露出され、絶縁被覆91の剥ぎ取り作業が容易に実施できるようになっている。
【0041】
以上の電線加工装置1を用いた電線加工方法を以下に説明する。
先ず、図1に示すように、操作手段40の操作レバー45を電線クランプ20から離れる側に位置させ、固定側クランプ21及び第一カッタ31から移動側クランプ22及び第二カッタ32を離間させた待機状態とするとともに、ガイド部材50を退避位置に後退させておく。この待機状態において、図1,4,5に示すように、固定側クランプ21及び第一カッタ31と移動側クランプ22及び第二カッタ32との間に電線90を挿入する。
【0042】
ここで、固定側クランプ21の保持溝23が形成された前面部や第一カッタ31の刃部33は、移動カバー26に覆われているとともに、移動側クランプ22及び第二カッタ32の略全体が固定カバー27に覆われているため、電線90を挿入する際に、作業者の手や工具が刃部33,34等に接触しにくくなっている。さらに、ガイド部材50が退避位置にあるため、規制手段60の係合ピン64がロック部材65の挿通孔66に係合し、移動側クランプ22の移動が規制され、操作手段40による移動側クランプ22の移動操作ができないようになっている。従って、意図せずに移動した移動側クランプ22と固定側クランプ21との間や、第一カッタ31と第二カッタ32との間に、作業者の手や工具が挟まれることがなく、電線90の挿入作業を安全に実施できるようになっている。
【0043】
次に、図6,7に示すように、ガイド部材50をガイド位置に移動させて係止手段70に係止させ、ガイド部材本体51の凹溝部51Aに電線90を受け入れてガイドすることで、電線90から作業者が手を放しても電線90の脱落や位置ずれを防止することができる。このようにガイド位置にガイド部材50を移動させることで、図9に示すように、スライド板54の側面部54Bで押釦63を押し込み、係合ピン64を没入させて挿通孔66との係合を外して移動側クランプ22の規制を解除する。さらに、図6,7に示すように、ガイド位置にあるガイド部材50のフランジ部51Bが移動カバー26に跨って位置することから、電線90の端部側から見た場合に、固定側クランプ21と移動側クランプ22との隙間や、第一カッタ31及び第二カッタ32がガイド部材本体51によって覆われるようになっている。
【0044】
移動側クランプ22の規制を解除したら、ガイド位置にガイド部材50を保持したままで、図10,11に示すように、操作レバー45を回動操作して移動側クランプ22を固定側クランプ21に接近させ、これらの間に電線90を把持する。この際、移動側クランプ22とともに移動カバー26が固定側クランプ21の背面側へ移動することで、電線90が固定側クランプ21の保持溝23に押し込み可能となり、移動側クランプ22の押付部25が電線90を固定側クランプ21の延出部24に沿って保持溝23に押し込み、電線90を固定側クランプ21及び移動側クランプ22で把持する。さらに、移動側クランプ22とともに当接板26Bが移動し、押釦73を押し込んで係止ピン74を没入させ、係止手段70によるガイド部材50の係止を解除することで、コイルばね55の付勢力によってガイド部材50が退避位置に後退する。
【0045】
このように電線90を固定側クランプ21と移動側クランプ22との間に保持した保持状態において、図11に示すように、第一カッタ31と第二カッタ32とが互いに当接し、各々の刃部33,34間に電線90が挟持されて、刃部33,34が絶縁被覆91に食い込む。そして、ガイド部材50が退避位置に後退し、かつ移動カバー26が固定側クランプ21の背面側へ移動することにより、刃部33,34で挟まれた電線90の端部側が露出される。
【0046】
以上の保持状態において、作業者が手指又は工具を電線90の長手方向に沿って予め形成しておいた切り込みに差し込み、この切り込みに沿った絶縁被覆91の端縁を引っ張ることで、絶縁被覆91を刃部33,34に沿って周方向に切断し、この絶縁被覆91を剥ぎ取って電線90の端部における芯線92及びシールド編組を露出させる。また、電線90の長手方向に沿って予め切り込みを形成しておかなくても、第一カッタ31及び第二カッタ32の刃部33,34を絶縁被覆91に深く食い込ませるか、あるいは絶縁被覆91を刃部33,34で切断して周方向の切り込みを形成すれば、電線90の端部側の絶縁被覆91を芯線92及びシールド編組に対して相対スライドさせて除去することもできる。以上のようにして電線90の端部における絶縁被覆91を除去したら、操作手段40の操作レバー45を電線クランプ20から離れる側に回動し、固定側クランプ21から移動側クランプ22を離間させるとともに、第一カッタ31から第二カッタ32を離間させてから、端部の芯線92及びシールド編組が露出された加工済みの電線90を電線加工装置1から取り出して加工が完了する。
【0047】
本実施形態によれば、ガイド部材50が退避位置にある場合には、規制手段60によって移動側クランプ22及び第二カッタ32の移動が規制され、ガイド部材50をガイド位置に移動させることで、規制手段60の規制が外れて移動側クランプ22及び第二カッタ32の移動が許容される。また、電線クランプ20間に電線90をセットする際などに意図せず作業者の手や工具などが挟まれてしまうことが防止できるとともに、ガイド位置に移動させたガイド部材50によって電線クランプ20の隙間や第一カッタ31及び第二カッタ32を覆うことで、手動操作する作業者の手や工具などを保護することができる。従って、規制手段60によって移動側クランプ22及び第二カッタ32の移動が規制された状態において、各種の電線90ごとに必要な作業を行ってから、ガイド部材50をガイド位置に移動させて移動規制を解除することができ、各種の電線90に対応して刃部33,34の食い込み深さを調整するなどの作業が容易にでき、芯線92やシールド編組への傷付きを防止しつつ確実に絶縁被覆91を剥ぎ取ることができる。
【0048】
また、固定側クランプ21及び第一カッタ31から移動側クランプ22及び第二カッタ32が離間した状態において、第一カッタ31を移動カバー26で覆い、第二カッタ32を固定カバー27で覆うことで、作業者の手や工具などが切り込みカッタ30の刃部33,34に接触するのを防止することができる。一方、移動側クランプ22及び第二カッタ32を移動させて、電線90を固定側クランプ21及び移動側クランプ22で把持するとともに、第一カッタ31及び第二カッタ32の刃部33,34間に電線90が挟持した状態において、ガイド部材50及び移動カバー26が移動することで、刃部33,34が食い込んだ電線90を露出させることができ、その絶縁被覆91の剥ぎ取り作業を容易に実施することができる。
【0049】
なお、前記実施形態では、2本の芯線92を有した電線90の絶縁被覆91を剥ぎ取るための電線加工装置1について説明したが、本発明の電線加工装置が対象とする電線は、前記実施形態のものに限らず、1本の芯線を有した電線でもよいし、3本以上の芯線を有した電線でもよい。この際、電線の断面形状に応じた適宜な形状の刃部を有する切り込みカッタを用意すればよく、これに伴って電線クランプの形状も適宜に変更すればよい。
【0050】
また、前記実施形態では、電線90の端部における絶縁被覆91を剥ぎ取る場合を例示したが、本発明の電線加工装置を用いて電線の中間部における絶縁被覆を剥ぎ取ることも可能である。すなわち、電線の中間部における所定長さの範囲に長手方向に沿った切り込みが形成されている場合に、この切り込みの両端部において、それぞれ前記実施形態で説明したのと同様に周方向に沿って絶縁被覆を切断し、その間の絶縁被覆を剥ぎ取ればよい。このように1本の電線90に対して2度の切断作業を行う場合であっても、各作業時における電線90の位置決めや位置調整などが安全に実施できる。
【0051】
また、前記実施形態では、一対の電線クランプ20間及び一対の切り込みカッタ30間への電線90のセットや、移動側クランプ22及び第一カッタ31の操作手段40による離間接近移動、さらには電線90の保持状態における絶縁被覆91の剥ぎ取りの各工程を作業者の手動操作で実施する場合を説明したが、各工程を自動で実行するような駆動機器を電線加工装置が備えていてもよい。このような自動運転の場合であっても、電線90のセットや位置決め、位置調整などを安全な状態で行うことができる。
【0052】
さらに、前記実施形態では、電線90の長手方向に沿った切り込みが絶縁被覆91に予め形成された状態から、この電線90の絶縁被覆91を周方向に沿って切断したが、先に周方向に切断してから長手方向の切り込みを形成してもよいし、本発明の電線加工装置によって、周方向の切断及び長手方向の切り込みを連続的に実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る電線加工装置及び電線加工方法は、各種電線の長手方向端部や中間部における絶縁被覆を剥ぎ取る皮剥ぎ装置及び方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 電線加工装置
20 電線クランプ
21 固定側クランプ(一方側の電線クランプ)
22 移動側クランプ(他方側の電線クランプ)
26 移動カバー
27 固定カバー
30 切り込みカッタ
31 第一カッタ(一方側の切り込みカッタ)
32 第二カッタ(他方側の切り込みカッタ)
33,34 刃部
40 操作手段
50 ガイド部材
55 コイルばね(付勢手段)
60 規制手段
61 規制本体
62 スイッチ体
64 係合ピン(係合部材)
65 ロック部材
66 挿通孔(被係合部)
90 電線
91 絶縁被覆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の周方向に沿って絶縁被覆を切断して該絶縁被覆を剥ぎ取るための電線加工装置であって、
前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して該電線を把持する一対の電線クランプと、
前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して前記絶縁被覆に食い込む一対の切り込みカッタと、
前記一対の電線クランプ及び前記一対の切り込みカッタを離間接近させる操作手段と、
前記一対の電線クランプ間に位置する前記電線をガイドするガイド部材と、
前記操作手段による前記一対の切り込みカッタの接近方向への移動を規制する規制手段と、を備え、
前記ガイド部材は、前記電線をガイドするガイド位置と、該ガイド位置から後退して前記電線から離間する退避位置と、の間を進退移動自在に設けられ、
前記規制手段は、前記ガイド部材が退避位置にある場合に前記切り込みカッタの移動を規制し、前記ガイド部材がガイド位置に移動した場合に前記切り込みカッタの規制を解除することを特徴とする電線加工装置。
【請求項2】
前記一対の電線クランプのうち、一方側の電線クランプに前記一対の切り込みカッタのうちの一方側の切り込みカッタが固定され、他方側の電線クランプに他方側の切り込みカッタが固定され、該他方側の電線クランプ及び切り込みカッタが前記操作手段の操作によって一方側に向かって移動可能に設けられ、
前記規制手段は、移動不能に設けられた規制本体と、該規制本体に設けられたスイッチと、該スイッチに連動して突没可能な係合部材と、該係合部材と係合可能な被係合部を有して前記他方側の電線クランプに固定されたロック部材とを備え、
前記ガイド部材が退避位置にある場合に、前記係合部材が前記ロック部材の被係合部に係合して前記他方側の電線クランプの移動が規制され、前記ガイド部材がガイド位置に移動することで前記スイッチが切り替わり、前記係合部材が前記被係合部から外れて前記他方側の電線クランプの規制が解除されることを特徴とする請求項1記載の電線加工装置。
【請求項3】
前記ガイド部材を退避位置に向かって付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電線加工装置。
【請求項4】
前記一対の切り込みカッタが互いに離間した状態で該一対の切り込みカッタの刃をそれぞれ覆う一対のカバー部材を備え、前記一対の切り込みカッタが互いに接近した状態において、前記一対のカバー部材の少なくとも一方が互いに離間する方向に移動して、前記一対の切り込みカッタの刃部を露出させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電線加工装置。
【請求項5】
電線の周方向に沿って絶縁被覆を切断して該絶縁被覆を剥ぎ取るための電線加工方法であって、
前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して該電線を把持する一対の電線クランプと、
前記電線の長手方向に交差する交差方向に沿って離間接近自在に設けられるとともに、互いに接近して前記絶縁被覆に食い込む一対の切り込みカッタと、
前記一対の電線クランプ間に位置する前記電線をガイドするガイド部材と、
前記操作手段による前記一対の切り込みカッタの接近方向への移動を規制する規制手段とを備えた装置を用い、
前記一対の電線クランプ及び前記前記一対の切り込みカッタをそれぞれ互いに離間させるとともに、互いの接近方向への移動を前記規制手段により規制した状態において、前記一対の電線クランプ間に前記電線を位置させ、
前記ガイド部材をガイド位置へ移動させて前記電線を他方側からガイドするとともに、該ガイド部材をガイド位置に移動させることで前記規制手段による前記切り込みカッタの移動規制を解除してから、前記一対の電線クランプを接近方向へ移動させて前記電線を把持するとともに、前記一対の切り込みカッタを接近方向へ移動させて前記絶縁被覆に食い込ませ、
前記一対の電線クランプ及び前記一対の切り込みカッタの接近に伴って、前記ガイド部材をガイド位置から後退させて前記電線から離間する退避位置へ移動させることを特徴とする電線加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−99225(P2013−99225A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243158(P2011−243158)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】