電線把自動梱包装置
【課題】 簡単な構成で省人化・省力化を図ることができる電線把自動梱包装置を提供する。
【解決手段】 電線把Dを梱包紙2で梱包するための装置であって、上記梱包紙2が広げられた状態で載せられるテーブル1と、該テーブル1に上記梱包紙2の上に置かれる電線把Dを囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材30a〜30dと、該紙折り部材30a〜30dを上記電線把Dの下方から上方に移動させた後に上記電線把Dの中心側に向けて水平方向に移動させる制御部65とを備えたもの。
【解決手段】 電線把Dを梱包紙2で梱包するための装置であって、上記梱包紙2が広げられた状態で載せられるテーブル1と、該テーブル1に上記梱包紙2の上に置かれる電線把Dを囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材30a〜30dと、該紙折り部材30a〜30dを上記電線把Dの下方から上方に移動させた後に上記電線把Dの中心側に向けて水平方向に移動させる制御部65とを備えたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線把を梱包紙で自動的に梱包する電線把自動梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電線把は、電線を把取機によって円筒状に巻き取ってなるものであるが、かかる電線把の梱包は、従来、作業員の人力によって行われていた。すなわち、電線把の紙包み、荷札貼付、十字結束、パレット積みを全て人間が介入して作業していた。
【0003】
なお、電線ケーブルを貯線して使用時に繰り出す「電線の貯線箱」として特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−335004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人力による電線把の梱包作業は、作業員に大きな負荷を課している。
【0006】
そこで、簡単な構成で省人化・省力化を図ることができる電線把自動梱包装置の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電線把を梱包紙で梱包するための装置であって、上記梱包紙が広げられた状態で載せられるテーブルと、該テーブルに上記梱包紙の上に置かれる電線把を囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材と、該紙折り部材を上記電線把の下方から上方に移動させた後に上記電線把の中心側に向けて水平方向に移動させる制御部とを備えたものである。
【0008】
上記紙折り部材は、水平方向に延出された紙折り板と、該紙折り板の下面に略垂直に取り付けられた側部紙押え板とを有することが好ましい。
【0009】
上記梱包紙の一部を仮折りするために昇降する癖付け部材を備えることが好ましい。
【0010】
上記電線把の側部に向けて圧縮空気を噴射するノズルを備えることが好ましい。
【0011】
上記ノズルの噴射方向が、上記癖付け部材の下降によって仮折りされる上記梱包紙の仮折り部分に指向されていることが好ましい。
【0012】
上記制御部は、上記癖付け部材を下降させつつ上記ノズルから圧縮空気を噴射させるものであることが好ましい。
【0013】
上記梱包紙は、略正方形であり、上記紙折り部材は、上記梱包紙の四隅に四つ配置されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙折り部材を適宜昇降させると共に水平移動させるという簡単な構成により、梱包紙の周縁部を電線把を包むように折り曲げることができ、梱包作業の省人化・省力化を図ることができる。
【0015】
また、ノズルから噴射された圧縮空気によって梱包紙に生じる弛みを折り込みの内側に押し込むことができるので、機械的な部材によって上記弛みを押し込むものと比べると、簡単な構造・動作で上記弛みを押し込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1(a)は、本実施形態に係る電線把自動梱包装置A、この梱包装置Aに電線把を搬送するための電線把搬送装置B、及び上記梱包装置Aにより梱包されたものを結束するための結束機Cが一体化されたシステムを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面説明図である。
【0018】
上記搬送装置Bは、上記梱包装置Aの上方に配置されたレールB1と、レールB1に沿って移動する台車B2と、台車B2に昇降可能に設けられた把持部B3とを有する。この搬送装置Bは、把持部B3で把持した円筒状の電線把を台車B2を移動させることで梱包装置Aの上方に移動させ、把持部B3を下降させることで電線把を梱包装置Aのテーブル1に載置するものである。また、上記結束機Cは、上記梱包装置Aによって処理されて結束機C上に移動されたもの(電線把を梱包紙で包んだもの)を結束するものである。
【0019】
図2は上記梱包装置Aの平面図、図3は図2のIII−III線矢視説明図である。
【0020】
上記梱包装置Aは、梱包紙2が巻回されたロール3から梱包紙2を適宜制動力を与えつつ繰り出す紙送出機4と、上記ロール3から斜め上方に繰り出された梱包紙2を水平方向に偏向するガイドロール5と、ガイドロール5の下流近傍に配置され梱包紙2の上面を押圧して梱包紙2をより下流側に送り出すべく回転するピンチローラ6と、ピンチローラ6の下流側に配置され梱包紙2を幅方向に切断するための紙切断機7と、紙切断機7よりも下流側に配置され梱包紙2を掴んでテーブル1上までに移動させるための紙搬送装置8とを有する。これら各要素は、全てベース60上に設けられている。
【0021】
上記ピンチローラ6は、図4(a)、(b)に示すように、梱包紙2の上面と接触するゴム製のローラ9と、ローラ9の回転軸10を駆動する駆動機構11と、ローラ9を昇降させるシリンダ12(エア式等)とを備える。上記ローラ9は、梱包紙2の幅方向に所定間隔を隔てて複数配置されており、ローラ9の回転軸10は、軸受が内蔵されたブラケット13を介して、梱包紙2の幅方向に延出されたブラケット14に取り付けられている。上記駆動機構11は、ブラケット14に取り付けられたモータ15と、モータ15の回転軸に取り付けられたプーリ16と、ローラ9の回転軸10に取り付けられたプーリ17と、プーリ16、17に巻き掛けられたベルト18とから成り、上記シリンダ12は、下端が上記ブラケット14に取り付けられ、上端が上記ベース60に立設されたフレーム19に取り付けられている。かかるピンチローラ6は、上記シリンダ12を伸縮することで、ローラ9の梱包紙2への押圧力を調整できる。
【0022】
上記紙切断機7は、図5(a)、(b)に示すように、梱包紙2の上方に配置され梱包紙2の幅方向に延出された押え板20と、梱包紙2の下方に配置され梱包紙2の幅方向に移動する回転刃21と、上記押え板20を下方に移動させるシリンダ22(エア式等)とを備えている。上記回転刃21は、モータ23によって回転駆動され、梱包紙2の幅方向に移動され、上記押え板20の下面には、上記回転刃21の位置に合わせて梱包紙2の幅方向に沿った溝24が形成されている。上記シリンダ22は、下端が上記押え板20に取り付けられ、上端が上記ベース60に立設されたフレーム25に取り付けられている。かかる紙切断機7は、上記シリンダ22を伸長させることで押え板20と回転刃21との間に梱包紙2を挟み、上記回転刃21を回転させ梱包紙2の幅方向に移動させることで梱包紙2を幅方向に切断する。
【0023】
紙搬送装置8は、図6(a)、(b)に示すように、梱包紙2の搬送方向に沿って形成されたガイドレール26と、ガイドレール26に係合して移動するブラケット27と、ブラケット27に取り付けられ梱包紙2の幅方向に延出されたアーム28と、アーム28の略両端部に取り付けられ梱包紙2を把持する紙チャック29とを備えている。上記ガイドレール26は、図2及び図3に示すように、平面視略正方形状に形成されたテーブル1の一辺と所定間隔を隔ててこの一辺と平行に配置されている。テーブル1は、上記ガイドロール5の高さに合わせて配置され、上記ベース60に支持されている。かかる紙搬送装置8は、上記紙チャック29で梱包紙2を把持した状態で上記ブラケット27を上記ガイドレール26に沿って移動させることで、梱包紙2を上記テーブル1上に移動させるものである。
【0024】
以上の構成によれば、次のようにして梱包紙2が略正方形状に切断されてテーブル1上の梱包位置にセットされる。
【0025】
図2及び図3に示すロール3から引き出された梱包紙2は、ガイドロール5の上を通り、ピンチローラ6に挟まれている。この状態から図3に示す制御部65(コンピュータ等)からの紙セット指令により、ピンチローラ6が作動し、梱包紙2が紙チャック29の位置まで押し出される。紙チャック29が梱包紙2を把持した後、ブラケット27がレール26に沿って所定位置まで移動して停止し、梱包紙2が必要な長さだけロール3から引き出され、回転刃21によって梱包紙2が切断される。このとき、上記ブラケット27の停止位置が工夫されており、梱包紙2が略正方形状に切り離される。その後更にブラケット27がレール26に沿って移動され、切断した梱包紙2がテーブル1上の所定位置に搬送される。その後、紙チャック29が解放され必要な長さにカットされた略正方形状の梱包紙2がテーブル1上にセットされ、ブラケット27は、レール26に沿って移動し、元の位置に戻る。
【0026】
このようにテーブル1上にセットされた略正方形状の梱包紙2の中央には、図1に示す搬送装置Bによって円筒状の電線把Dが載置される。電線把Dは、本実施形態に係る電線把自動梱包装置Aの以下に述べる構成によって、梱包紙2に包まれる。
【0027】
本実施形態に係る電線把自動梱包装置Aは、図2及び図3に示すように、梱包紙2の上に置かれる電線把Dを囲むように上記テーブル1に複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材30a〜30dと、紙折り部材30a〜30dを上記電線把Dの下方から上方に移動させた後に上記電線把Dの中心側に向けて水平方向に移動させる制御部65とを有する。
【0028】
図2に示すように、上記紙折り部材30a〜30dは、略正方形状に形成されたテーブル1及び梱包紙2の四隅に夫々配置されている。すなわち、紙折り部材30a〜30dは、テーブル1及び梱包紙2の二本の対角線上に、対角線の交点(電線把Dが置かれる中央部分)を中心として90度間隔で配置されている。これら紙折り部材30a〜30dは、図2中、下方に示されるものを第1紙折り部材30aとし、上方に示されるものを第2紙折り部材30bとし、左方に示されるものを第3紙折り部材30cとし、右方に示されるものを第4紙折り部材30dとする。
【0029】
各紙折り部材30a〜30dは、図8(a)、(b)に示すように、水平方向に延出され平面視T字状に形成された紙折り板32と、紙折り板32の下面に紙折り板32の電線把D側の端面から所定距離を隔てて略垂直に取り付けられた側部紙押え板33とを備えている。なお、図8(a)、(b)には第1紙折り部材30aのみを示しているが、第2〜第4折り部材30b〜30dも同様の構成となっている。
【0030】
紙折り板32の下面には、ブラケット34を介して上下昇降用シリンダ35(エア式等)が取り付けられ、シリンダ35の下部には、レール36に沿って移動するスライド体37が取り付けられている。レール36は、図2及び図3に示すように、テーブル1の対角線に沿って配置されており、架台38を介してベース60に支持されている。これにより、各紙折り部材30a〜30dは、スライド体37をレール36に沿って移動させることで電線把Dに対して水平方向に近接離間し、シリンダ35を伸縮することで昇降する。
【0031】
また、図2及び図3に示すように、上記電線把Dの上方には、第3及び第4紙折り部材30c、30dを結ぶ対角線の上に位置させて、癖付け部材40が昇降可能に設けられている。癖付け部材40は、下部が鉛直下方に延出された側面視L字状の板体からなり、下降時にその下端が上記電線把Dの側部から所定間隔を隔てた位置を通過して上記テーブル1に当接することで、上記梱包紙2の一部を仮折りするものである。
【0032】
すなわち、上記テーブル1の上方には、図1に示すレールB1と平行なレール41が配置されており、レール41には、図7(a)、(b)に示すように、水平方向に略直角に延出されたアーム49が移動可能に係合されており、アーム49の先端には、シリンダ43(エア式等)を介して上記癖付け部材40が昇降可能に設けられている。
【0033】
また、上記アーム49の先端には、水平方向に延出された紙押え板44と、鉛直下方に延出された把押し板45とが、それぞれシリンダ46、47(エア式等)を介して独立に昇降可能に設けられている。紙押え板44は、梱包紙2で包まれる電線把Dの上面に接触して梱包紙2を押さえるものであり、把押し板45は梱包紙2で包まれた電線把Dの側部に接触して結束機C(図1参照)の側へ移動させるものである。上記紙押え板44、把押し板45、癖付け部材40及びシリンダ43、46、47等は、紙押え装置48を構成する。
【0034】
図9(a)、(b)に示すように、上記第1及び第2紙折り部材30a、30bの紙折り板32の下面には、圧縮空気が供給されるマニホールド50が夫々取り付けられ、各マニホールド50には、上記ノズル31a、31bが夫々取り付けられている。なお、図9(a)、(b)には、第1紙折り部材30aのみを示しているが、第2折り部材30bも同様の構成となっている。これらノズル31a、31bの噴射方向は、図13(b)及び図16(b)に示すように、梱包紙2の中央に載せられる電線把Dの側部に向けられており、より詳しくは、上記癖付け部材40が下降したとき梱包紙2が仮折りされる部分に指向されている。各ノズル31a、31bは、別々に開閉制御(噴射制御)されるようになっている。
【0035】
以上の各構成要素(紙折り部材30a〜30d、癖付け部材40、ノズル31a、31b等)は、図3に示す制御部65によって以下に述べるように制御され、梱包紙2の周縁部を電線把Dを包むように折り曲げる。
【0036】
先ず、図10に示すように、第1紙折り部材30aが作動される。第1紙折り部材30aは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が電線把Dから所定距離(1mm)離間した位置で停止した後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の角部が上方に折り曲げられる。次に、第1紙折り部材30aは、側部紙押え板33(図8参照)が電線把Dの側部に接触するまで電線把Dに向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。
【0037】
図11に示すように、第2紙折り部材30bが第1紙折り部材30aと同様に作動される。これにより、梱包紙2の相対向する角部が電線把Dを左右から包むようにロール状に折り曲げられ、第1及び第2紙折り部材30a、30bによって電線把Dの上面に押さえ付けられる。なお、上記所定の数値(5mm、1mm、10mm)は例示であり、梱包紙2を上述のように折り曲げられる範囲であれば別の数値でも構わない(以下に記載する所定の数値も同様)。
【0038】
図12に示すように、紙押え板44を電線把Dの上面に下降させ、梱包紙2の重なり合った部分を、第1及び第2紙押え部材30a、30bの上から押さえる。その後、第1及び第2紙折り部材30a、30bは、そのままの高さで側方に引き抜かれ水平方向の原点位置まで戻る。
【0039】
図13に示すように、第1及び第2紙折り部材30a、30bに取り付けたノズル31a、31bの内の第3紙折り部材30cに近い側のノズル31bから圧縮空気を噴射する。これと同時に、癖付け部材40が電線把Dの第3紙折り部材30c側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、癖付け部材40がその下端がテーブル1と接触するまで下降される。その後、上記ノズル31bからの圧縮空気の噴射が停止される。
【0040】
癖付け部材40の下降に伴って、図12の段階で電線把Dを左右からロール状に包むように折り込まれた梱包紙2の長手方向の一側が上方から潰されて直線状に仮折り(癖付け)されるが、このときノズル31bから噴射された圧縮空気によって梱包紙2の仮折りされる部分に生じる弛みが広範囲で折り込みの内側に押し込められる。よって、梱包紙2の仮折り部分が折り込みの外側にはみ出ることが防止される。このように圧縮空気の圧力によって梱包紙2に生じる弛みを折り込みの内側に押し込むため、例えば機械的な部材によって上記弛みを押し込むものと比べると、梱包紙2を破損することなく簡単な構造・動作で上記弛みを広範囲で押し込むことができる。
【0041】
すなわち、仮に機械的な部材を用いて上記梱包紙2の弛みを広範囲で押し込もうとすると、上記部材によって押し込まれる梱包紙2が破損しかねないため、かかる破損に対する配慮を十分に図る必要があり、上記部材を作動させる装置の構造及び上記部材の動作が複雑にならざるを得ない。他方、本実施形態では、上記ノズル31bを電線把Dの側部の上述した梱包紙2の仮折りされる部分に指向させるという簡単な構造、及び、そのノズル31bから所定圧力の圧縮空気を噴射するという簡単な動作で、梱包紙2の弛みを破損させることなく広範囲で折り込みの内側に押し込むことができる。
【0042】
図13に示すように、第3紙折り部材30cは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が下降された癖付け部材40から所定距離(3mm)離間した位置で停止された後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の仮折りされた角部が癖付け部材40と紙折り板32の端面との間でしごかれて直線状に上方に折り曲げられる。なお、第3紙折り部材30cの上昇時にも上記ノズル31bから圧縮空気を噴射し、弛みを折り込みの内側に押し込んでもよい。
【0043】
その後、第3紙折り部材30cは、側部紙押え板33が電線把Dの側部に接触するまで電線把Dに向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。
【0044】
図14に示すように、電線把Dの上面にて梱包紙2の対向する角部を押さえていた紙押え板44は一旦上昇され、図15に示すように、水平方向に位置を変えて(元の位置でもよい)再び下降し、電線把Dの上面に当接される。これにより、第3紙折り部材30cによって折り込まれた梱包紙2の一部2x(図14にて電線把Dの上面でシリンダ46のロッド部に当たって跳ね上がった部分)が、紙押え板44によって押えされる。その後、紙押え板44は元の高さまで上昇する。
【0045】
図16に示すように、第1及び第2紙折り部材30a、30bに取り付けたノズル31a、31bの内の第4紙折り部材30dに近い側のノズル31aから夫々圧縮空気を噴射する。これと同時に、癖付け部材40が電線把Dの第4紙折り部材30d側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、癖付け部材40はその下端がテーブル1と接触するまで下降される。その後、上記ノズル31aからの圧縮空気の噴射が停止される。
【0046】
癖付け部材40の下降により、図13の段階で電線把Dを左右からロール状に包むように折り込まれた梱包紙2の長手方向の残りの一側が上方から潰されて直線状に仮折り(癖付け)され、このときノズル31aから噴射された圧縮空気によって、梱包紙2の仮折りされる部分に生じる弛みが破損することなく折り込みの内側に押し込められる。
【0047】
第4紙折り部材30dは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が下降された癖付け部材40から所定距離(3mm)離間した位置で停止された後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の仮折りされた角部が癖付け部材40と紙折り板32の端面との間でしごかれて上方に直線状に折り曲げられる。なお、第4紙折り部材30dの上昇時にも上記ノズル31aから圧縮空気を噴射し、弛みを折り込みの内側に押し込んでもよい。
【0048】
第4紙折り部材30dは、側部紙押え板33が電線把の側部に接触するまで電線把に向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。これにより、梱包紙2の各角部は、それぞれ電線把Dの側部に沿って上方に折り曲げられると共に、電線把Dの上面に沿って水平に折り曲げられる。よって、電線把Dは梱包紙2によって底面が正方形の直方体形状に包まれることになる。
【0049】
図17に示すように、紙押し板44が電線把Dの上面を押圧する第3及び第4紙折り部材30c、30dに接触にするまで下降された後、第3及び第4紙押し部材30c、30dが側方に引き抜かれて原点位置まで戻される。これにより、図16(a)に示す梱包紙2の一部2y(電線把Dの上面で第3紙折り部材30cの紙折り板32に当たって跳ね上がった部分)が紙押し板44で押さえ込まれ、電線把Dの上面に折り曲げられた梱包紙2の各角部が、紙押し板44によって押圧され、折り曲げられた状態(電線把Dが梱包紙2で梱包された状態)に保持される。
【0050】
図17に示すように、把押し板45は、電線把Dの第3紙折り部材30c側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、電線把Dの側部を押圧できる位置まで下降される。その後、把押し板45及び紙押し板44がレール41に沿って第4紙折り部材30d側に移動され、梱包紙2で包まれた電線把Dが紙押し板44で押えられた状態で結束機Cに移動される。結束機Cは、紙押え板44が電線把Dの上面の梱包紙2を押さえた状態のまま、バンド(PPバンド等)によって梱包紙2で包まれた電線把Dを結束する。最後に、把押し板45及び紙押し板44が初期の位置に戻される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、各紙折り部材30a〜30dを昇降・水平移動させるという簡単な装置Aによって、電線把Dを自動的に梱包紙2に包むことができ、省力化・省人化に貢献できる。
【0052】
また、梱包紙2を折るときノズル31a、31bから圧縮空気を噴射することで、均一で外観の良好な紙包を得ることができる。すなわち、紙包の外観を良くするためには、第3及び第4紙折り部材30c、30dによる三番目・四番目の紙折り時に、梱包紙2を内側へ折ることによって生じる紙2の弛みを折り込みの内側へ押し込むことが重要である。本装置Aでは、梱包紙2の内側への押し込みにノズル31a、31bから噴射される圧縮空気を使用しているため、機械的な部材によって押し込みを行うもの比べると紙2の押し込み範囲を圧縮空気の噴出によって広く確保できる。よって、図11に示す第2紙折り部材30bによる二番目の紙折り終了の状態での不均一な紙2の状態に左右されることなく、紙2を折り込みの内側に適切に押し込むことができる。
【0053】
また、圧縮空気を利用しているため、紙2と機械との干渉を考慮する必要がなく、安価な装置となる。すなわち、機械的な装置で紙2を押し込むものでは、押込片が他の構成部品と干渉しないように配慮する必要があると共に、押込片が梱包紙2を破損してしまうことに対する配慮を十分にする必要があり、装置の構造・動作が複雑にならざるを得ない。
【0054】
また、紙包された電線把Dを使用する場合には、電線把Dの上面に沿って折り曲げられた梱包紙2の各角部を元の状態に伸展させればよいので、電線把Dの位置を移動させる必要はなく、使い勝手が良好となる。
【0055】
本発明の実施形態は上記タイプに限定されない。例えば、上記紙押え部材30a〜30dは、四つではなく、電線把Dを囲むように三つまたは五つ以上であってもよい。また、上記ノズル31a、31bは、紙押え部材30a〜30dではなくテーブル1に取り付けてもよく、ノズル31a、31bの設置数も四つに限られず五つ以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態に係る電線把自動梱包装置、この梱包装置に電線把を搬送するための電線把搬送装置、及び上記梱包装置により梱包されたものを結束するための結束機が一体化されたシステムを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面図である。
【図2】上記電線把自動梱包装置の平面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視図である。
【図4】図4(a)はピンチローラの側面図、図4(b)はピンチローラの正面図である。
【図5】図5(a)は紙切断機の側面図、図5(b)は紙切断機の正面図である。
【図6】図6(a)は紙搬送装置の平面図、図6(b)は紙搬送装置の正面図である。
【図7】図7(a)は紙押え装置の平面図、図7(b)は紙押え装置の側面図である。
【図8】図8(a)は紙折り部材の平面図、図8(b)は紙折り部材の側面図である。
【図9】図9(a)は紙折り部材及びノズルを示す側面図、図9(b)は紙折り部材及びノズルを示す正面図である。
【図10】図10(a)は上記電線把自動梱包装置の作動を示す平面図であり、図10(b)はその側面図である。
【図11】図11(a)は上記梱包装置の作動を示す平面図であり、図11(b)はその側面図である。
【図12】図12(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図12(b)はその平面図である。
【図13】図13(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図13(b)はその平面図である。
【図14】上記梱包装置の作動を示す側面図である。
【図15】上記梱包装置の作動を示す側面図である。
【図16】図16(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図16(b)はその平面図である。
【図17】図17(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図17(b)はその平面図である。
【符号の説明】
【0057】
D 電線把
1 テーブル
2 梱包紙
30a 第1紙折り部材
30b 第2紙折り部材
30c 第3紙折り部材
30d 第4紙折り部材
31a ノズル
31b ノズル
32 紙折り板
33 側部紙押え板
40 癖付け部材
65 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線把を梱包紙で自動的に梱包する電線把自動梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電線把は、電線を把取機によって円筒状に巻き取ってなるものであるが、かかる電線把の梱包は、従来、作業員の人力によって行われていた。すなわち、電線把の紙包み、荷札貼付、十字結束、パレット積みを全て人間が介入して作業していた。
【0003】
なお、電線ケーブルを貯線して使用時に繰り出す「電線の貯線箱」として特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−335004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人力による電線把の梱包作業は、作業員に大きな負荷を課している。
【0006】
そこで、簡単な構成で省人化・省力化を図ることができる電線把自動梱包装置の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電線把を梱包紙で梱包するための装置であって、上記梱包紙が広げられた状態で載せられるテーブルと、該テーブルに上記梱包紙の上に置かれる電線把を囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材と、該紙折り部材を上記電線把の下方から上方に移動させた後に上記電線把の中心側に向けて水平方向に移動させる制御部とを備えたものである。
【0008】
上記紙折り部材は、水平方向に延出された紙折り板と、該紙折り板の下面に略垂直に取り付けられた側部紙押え板とを有することが好ましい。
【0009】
上記梱包紙の一部を仮折りするために昇降する癖付け部材を備えることが好ましい。
【0010】
上記電線把の側部に向けて圧縮空気を噴射するノズルを備えることが好ましい。
【0011】
上記ノズルの噴射方向が、上記癖付け部材の下降によって仮折りされる上記梱包紙の仮折り部分に指向されていることが好ましい。
【0012】
上記制御部は、上記癖付け部材を下降させつつ上記ノズルから圧縮空気を噴射させるものであることが好ましい。
【0013】
上記梱包紙は、略正方形であり、上記紙折り部材は、上記梱包紙の四隅に四つ配置されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙折り部材を適宜昇降させると共に水平移動させるという簡単な構成により、梱包紙の周縁部を電線把を包むように折り曲げることができ、梱包作業の省人化・省力化を図ることができる。
【0015】
また、ノズルから噴射された圧縮空気によって梱包紙に生じる弛みを折り込みの内側に押し込むことができるので、機械的な部材によって上記弛みを押し込むものと比べると、簡単な構造・動作で上記弛みを押し込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1(a)は、本実施形態に係る電線把自動梱包装置A、この梱包装置Aに電線把を搬送するための電線把搬送装置B、及び上記梱包装置Aにより梱包されたものを結束するための結束機Cが一体化されたシステムを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面説明図である。
【0018】
上記搬送装置Bは、上記梱包装置Aの上方に配置されたレールB1と、レールB1に沿って移動する台車B2と、台車B2に昇降可能に設けられた把持部B3とを有する。この搬送装置Bは、把持部B3で把持した円筒状の電線把を台車B2を移動させることで梱包装置Aの上方に移動させ、把持部B3を下降させることで電線把を梱包装置Aのテーブル1に載置するものである。また、上記結束機Cは、上記梱包装置Aによって処理されて結束機C上に移動されたもの(電線把を梱包紙で包んだもの)を結束するものである。
【0019】
図2は上記梱包装置Aの平面図、図3は図2のIII−III線矢視説明図である。
【0020】
上記梱包装置Aは、梱包紙2が巻回されたロール3から梱包紙2を適宜制動力を与えつつ繰り出す紙送出機4と、上記ロール3から斜め上方に繰り出された梱包紙2を水平方向に偏向するガイドロール5と、ガイドロール5の下流近傍に配置され梱包紙2の上面を押圧して梱包紙2をより下流側に送り出すべく回転するピンチローラ6と、ピンチローラ6の下流側に配置され梱包紙2を幅方向に切断するための紙切断機7と、紙切断機7よりも下流側に配置され梱包紙2を掴んでテーブル1上までに移動させるための紙搬送装置8とを有する。これら各要素は、全てベース60上に設けられている。
【0021】
上記ピンチローラ6は、図4(a)、(b)に示すように、梱包紙2の上面と接触するゴム製のローラ9と、ローラ9の回転軸10を駆動する駆動機構11と、ローラ9を昇降させるシリンダ12(エア式等)とを備える。上記ローラ9は、梱包紙2の幅方向に所定間隔を隔てて複数配置されており、ローラ9の回転軸10は、軸受が内蔵されたブラケット13を介して、梱包紙2の幅方向に延出されたブラケット14に取り付けられている。上記駆動機構11は、ブラケット14に取り付けられたモータ15と、モータ15の回転軸に取り付けられたプーリ16と、ローラ9の回転軸10に取り付けられたプーリ17と、プーリ16、17に巻き掛けられたベルト18とから成り、上記シリンダ12は、下端が上記ブラケット14に取り付けられ、上端が上記ベース60に立設されたフレーム19に取り付けられている。かかるピンチローラ6は、上記シリンダ12を伸縮することで、ローラ9の梱包紙2への押圧力を調整できる。
【0022】
上記紙切断機7は、図5(a)、(b)に示すように、梱包紙2の上方に配置され梱包紙2の幅方向に延出された押え板20と、梱包紙2の下方に配置され梱包紙2の幅方向に移動する回転刃21と、上記押え板20を下方に移動させるシリンダ22(エア式等)とを備えている。上記回転刃21は、モータ23によって回転駆動され、梱包紙2の幅方向に移動され、上記押え板20の下面には、上記回転刃21の位置に合わせて梱包紙2の幅方向に沿った溝24が形成されている。上記シリンダ22は、下端が上記押え板20に取り付けられ、上端が上記ベース60に立設されたフレーム25に取り付けられている。かかる紙切断機7は、上記シリンダ22を伸長させることで押え板20と回転刃21との間に梱包紙2を挟み、上記回転刃21を回転させ梱包紙2の幅方向に移動させることで梱包紙2を幅方向に切断する。
【0023】
紙搬送装置8は、図6(a)、(b)に示すように、梱包紙2の搬送方向に沿って形成されたガイドレール26と、ガイドレール26に係合して移動するブラケット27と、ブラケット27に取り付けられ梱包紙2の幅方向に延出されたアーム28と、アーム28の略両端部に取り付けられ梱包紙2を把持する紙チャック29とを備えている。上記ガイドレール26は、図2及び図3に示すように、平面視略正方形状に形成されたテーブル1の一辺と所定間隔を隔ててこの一辺と平行に配置されている。テーブル1は、上記ガイドロール5の高さに合わせて配置され、上記ベース60に支持されている。かかる紙搬送装置8は、上記紙チャック29で梱包紙2を把持した状態で上記ブラケット27を上記ガイドレール26に沿って移動させることで、梱包紙2を上記テーブル1上に移動させるものである。
【0024】
以上の構成によれば、次のようにして梱包紙2が略正方形状に切断されてテーブル1上の梱包位置にセットされる。
【0025】
図2及び図3に示すロール3から引き出された梱包紙2は、ガイドロール5の上を通り、ピンチローラ6に挟まれている。この状態から図3に示す制御部65(コンピュータ等)からの紙セット指令により、ピンチローラ6が作動し、梱包紙2が紙チャック29の位置まで押し出される。紙チャック29が梱包紙2を把持した後、ブラケット27がレール26に沿って所定位置まで移動して停止し、梱包紙2が必要な長さだけロール3から引き出され、回転刃21によって梱包紙2が切断される。このとき、上記ブラケット27の停止位置が工夫されており、梱包紙2が略正方形状に切り離される。その後更にブラケット27がレール26に沿って移動され、切断した梱包紙2がテーブル1上の所定位置に搬送される。その後、紙チャック29が解放され必要な長さにカットされた略正方形状の梱包紙2がテーブル1上にセットされ、ブラケット27は、レール26に沿って移動し、元の位置に戻る。
【0026】
このようにテーブル1上にセットされた略正方形状の梱包紙2の中央には、図1に示す搬送装置Bによって円筒状の電線把Dが載置される。電線把Dは、本実施形態に係る電線把自動梱包装置Aの以下に述べる構成によって、梱包紙2に包まれる。
【0027】
本実施形態に係る電線把自動梱包装置Aは、図2及び図3に示すように、梱包紙2の上に置かれる電線把Dを囲むように上記テーブル1に複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材30a〜30dと、紙折り部材30a〜30dを上記電線把Dの下方から上方に移動させた後に上記電線把Dの中心側に向けて水平方向に移動させる制御部65とを有する。
【0028】
図2に示すように、上記紙折り部材30a〜30dは、略正方形状に形成されたテーブル1及び梱包紙2の四隅に夫々配置されている。すなわち、紙折り部材30a〜30dは、テーブル1及び梱包紙2の二本の対角線上に、対角線の交点(電線把Dが置かれる中央部分)を中心として90度間隔で配置されている。これら紙折り部材30a〜30dは、図2中、下方に示されるものを第1紙折り部材30aとし、上方に示されるものを第2紙折り部材30bとし、左方に示されるものを第3紙折り部材30cとし、右方に示されるものを第4紙折り部材30dとする。
【0029】
各紙折り部材30a〜30dは、図8(a)、(b)に示すように、水平方向に延出され平面視T字状に形成された紙折り板32と、紙折り板32の下面に紙折り板32の電線把D側の端面から所定距離を隔てて略垂直に取り付けられた側部紙押え板33とを備えている。なお、図8(a)、(b)には第1紙折り部材30aのみを示しているが、第2〜第4折り部材30b〜30dも同様の構成となっている。
【0030】
紙折り板32の下面には、ブラケット34を介して上下昇降用シリンダ35(エア式等)が取り付けられ、シリンダ35の下部には、レール36に沿って移動するスライド体37が取り付けられている。レール36は、図2及び図3に示すように、テーブル1の対角線に沿って配置されており、架台38を介してベース60に支持されている。これにより、各紙折り部材30a〜30dは、スライド体37をレール36に沿って移動させることで電線把Dに対して水平方向に近接離間し、シリンダ35を伸縮することで昇降する。
【0031】
また、図2及び図3に示すように、上記電線把Dの上方には、第3及び第4紙折り部材30c、30dを結ぶ対角線の上に位置させて、癖付け部材40が昇降可能に設けられている。癖付け部材40は、下部が鉛直下方に延出された側面視L字状の板体からなり、下降時にその下端が上記電線把Dの側部から所定間隔を隔てた位置を通過して上記テーブル1に当接することで、上記梱包紙2の一部を仮折りするものである。
【0032】
すなわち、上記テーブル1の上方には、図1に示すレールB1と平行なレール41が配置されており、レール41には、図7(a)、(b)に示すように、水平方向に略直角に延出されたアーム49が移動可能に係合されており、アーム49の先端には、シリンダ43(エア式等)を介して上記癖付け部材40が昇降可能に設けられている。
【0033】
また、上記アーム49の先端には、水平方向に延出された紙押え板44と、鉛直下方に延出された把押し板45とが、それぞれシリンダ46、47(エア式等)を介して独立に昇降可能に設けられている。紙押え板44は、梱包紙2で包まれる電線把Dの上面に接触して梱包紙2を押さえるものであり、把押し板45は梱包紙2で包まれた電線把Dの側部に接触して結束機C(図1参照)の側へ移動させるものである。上記紙押え板44、把押し板45、癖付け部材40及びシリンダ43、46、47等は、紙押え装置48を構成する。
【0034】
図9(a)、(b)に示すように、上記第1及び第2紙折り部材30a、30bの紙折り板32の下面には、圧縮空気が供給されるマニホールド50が夫々取り付けられ、各マニホールド50には、上記ノズル31a、31bが夫々取り付けられている。なお、図9(a)、(b)には、第1紙折り部材30aのみを示しているが、第2折り部材30bも同様の構成となっている。これらノズル31a、31bの噴射方向は、図13(b)及び図16(b)に示すように、梱包紙2の中央に載せられる電線把Dの側部に向けられており、より詳しくは、上記癖付け部材40が下降したとき梱包紙2が仮折りされる部分に指向されている。各ノズル31a、31bは、別々に開閉制御(噴射制御)されるようになっている。
【0035】
以上の各構成要素(紙折り部材30a〜30d、癖付け部材40、ノズル31a、31b等)は、図3に示す制御部65によって以下に述べるように制御され、梱包紙2の周縁部を電線把Dを包むように折り曲げる。
【0036】
先ず、図10に示すように、第1紙折り部材30aが作動される。第1紙折り部材30aは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が電線把Dから所定距離(1mm)離間した位置で停止した後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の角部が上方に折り曲げられる。次に、第1紙折り部材30aは、側部紙押え板33(図8参照)が電線把Dの側部に接触するまで電線把Dに向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。
【0037】
図11に示すように、第2紙折り部材30bが第1紙折り部材30aと同様に作動される。これにより、梱包紙2の相対向する角部が電線把Dを左右から包むようにロール状に折り曲げられ、第1及び第2紙折り部材30a、30bによって電線把Dの上面に押さえ付けられる。なお、上記所定の数値(5mm、1mm、10mm)は例示であり、梱包紙2を上述のように折り曲げられる範囲であれば別の数値でも構わない(以下に記載する所定の数値も同様)。
【0038】
図12に示すように、紙押え板44を電線把Dの上面に下降させ、梱包紙2の重なり合った部分を、第1及び第2紙押え部材30a、30bの上から押さえる。その後、第1及び第2紙折り部材30a、30bは、そのままの高さで側方に引き抜かれ水平方向の原点位置まで戻る。
【0039】
図13に示すように、第1及び第2紙折り部材30a、30bに取り付けたノズル31a、31bの内の第3紙折り部材30cに近い側のノズル31bから圧縮空気を噴射する。これと同時に、癖付け部材40が電線把Dの第3紙折り部材30c側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、癖付け部材40がその下端がテーブル1と接触するまで下降される。その後、上記ノズル31bからの圧縮空気の噴射が停止される。
【0040】
癖付け部材40の下降に伴って、図12の段階で電線把Dを左右からロール状に包むように折り込まれた梱包紙2の長手方向の一側が上方から潰されて直線状に仮折り(癖付け)されるが、このときノズル31bから噴射された圧縮空気によって梱包紙2の仮折りされる部分に生じる弛みが広範囲で折り込みの内側に押し込められる。よって、梱包紙2の仮折り部分が折り込みの外側にはみ出ることが防止される。このように圧縮空気の圧力によって梱包紙2に生じる弛みを折り込みの内側に押し込むため、例えば機械的な部材によって上記弛みを押し込むものと比べると、梱包紙2を破損することなく簡単な構造・動作で上記弛みを広範囲で押し込むことができる。
【0041】
すなわち、仮に機械的な部材を用いて上記梱包紙2の弛みを広範囲で押し込もうとすると、上記部材によって押し込まれる梱包紙2が破損しかねないため、かかる破損に対する配慮を十分に図る必要があり、上記部材を作動させる装置の構造及び上記部材の動作が複雑にならざるを得ない。他方、本実施形態では、上記ノズル31bを電線把Dの側部の上述した梱包紙2の仮折りされる部分に指向させるという簡単な構造、及び、そのノズル31bから所定圧力の圧縮空気を噴射するという簡単な動作で、梱包紙2の弛みを破損させることなく広範囲で折り込みの内側に押し込むことができる。
【0042】
図13に示すように、第3紙折り部材30cは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が下降された癖付け部材40から所定距離(3mm)離間した位置で停止された後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の仮折りされた角部が癖付け部材40と紙折り板32の端面との間でしごかれて直線状に上方に折り曲げられる。なお、第3紙折り部材30cの上昇時にも上記ノズル31bから圧縮空気を噴射し、弛みを折り込みの内側に押し込んでもよい。
【0043】
その後、第3紙折り部材30cは、側部紙押え板33が電線把Dの側部に接触するまで電線把Dに向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。
【0044】
図14に示すように、電線把Dの上面にて梱包紙2の対向する角部を押さえていた紙押え板44は一旦上昇され、図15に示すように、水平方向に位置を変えて(元の位置でもよい)再び下降し、電線把Dの上面に当接される。これにより、第3紙折り部材30cによって折り込まれた梱包紙2の一部2x(図14にて電線把Dの上面でシリンダ46のロッド部に当たって跳ね上がった部分)が、紙押え板44によって押えされる。その後、紙押え板44は元の高さまで上昇する。
【0045】
図16に示すように、第1及び第2紙折り部材30a、30bに取り付けたノズル31a、31bの内の第4紙折り部材30dに近い側のノズル31aから夫々圧縮空気を噴射する。これと同時に、癖付け部材40が電線把Dの第4紙折り部材30d側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、癖付け部材40はその下端がテーブル1と接触するまで下降される。その後、上記ノズル31aからの圧縮空気の噴射が停止される。
【0046】
癖付け部材40の下降により、図13の段階で電線把Dを左右からロール状に包むように折り込まれた梱包紙2の長手方向の残りの一側が上方から潰されて直線状に仮折り(癖付け)され、このときノズル31aから噴射された圧縮空気によって、梱包紙2の仮折りされる部分に生じる弛みが破損することなく折り込みの内側に押し込められる。
【0047】
第4紙折り部材30dは、その紙折り板32が所定高さ(5mm)テーブル1から浮上する位置に上昇され、電線把Dに向かって水平方向に移動され、紙折り板32の端面が下降された癖付け部材40から所定距離(3mm)離間した位置で停止された後、紙折り板32が電線把Dの上面よりも所定高さ(10mm)上方の位置まで上昇される。これにより、梱包紙2の仮折りされた角部が癖付け部材40と紙折り板32の端面との間でしごかれて上方に直線状に折り曲げられる。なお、第4紙折り部材30dの上昇時にも上記ノズル31aから圧縮空気を噴射し、弛みを折り込みの内側に押し込んでもよい。
【0048】
第4紙折り部材30dは、側部紙押え板33が電線把の側部に接触するまで電線把に向かって水平方向に移動された後、紙折り板32の下面が電線把Dの上面に接触するまで下降される。これにより、上方に折り曲げられた梱包紙2の角部が、電線把Dの上面に沿って折り曲げられ、上方から押さえ付けられる。これにより、梱包紙2の各角部は、それぞれ電線把Dの側部に沿って上方に折り曲げられると共に、電線把Dの上面に沿って水平に折り曲げられる。よって、電線把Dは梱包紙2によって底面が正方形の直方体形状に包まれることになる。
【0049】
図17に示すように、紙押し板44が電線把Dの上面を押圧する第3及び第4紙折り部材30c、30dに接触にするまで下降された後、第3及び第4紙押し部材30c、30dが側方に引き抜かれて原点位置まで戻される。これにより、図16(a)に示す梱包紙2の一部2y(電線把Dの上面で第3紙折り部材30cの紙折り板32に当たって跳ね上がった部分)が紙押し板44で押さえ込まれ、電線把Dの上面に折り曲げられた梱包紙2の各角部が、紙押し板44によって押圧され、折り曲げられた状態(電線把Dが梱包紙2で梱包された状態)に保持される。
【0050】
図17に示すように、把押し板45は、電線把Dの第3紙折り部材30c側の側部から水平方向に所定距離(5mm)離間した位置に移動された後、電線把Dの側部を押圧できる位置まで下降される。その後、把押し板45及び紙押し板44がレール41に沿って第4紙折り部材30d側に移動され、梱包紙2で包まれた電線把Dが紙押し板44で押えられた状態で結束機Cに移動される。結束機Cは、紙押え板44が電線把Dの上面の梱包紙2を押さえた状態のまま、バンド(PPバンド等)によって梱包紙2で包まれた電線把Dを結束する。最後に、把押し板45及び紙押し板44が初期の位置に戻される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、各紙折り部材30a〜30dを昇降・水平移動させるという簡単な装置Aによって、電線把Dを自動的に梱包紙2に包むことができ、省力化・省人化に貢献できる。
【0052】
また、梱包紙2を折るときノズル31a、31bから圧縮空気を噴射することで、均一で外観の良好な紙包を得ることができる。すなわち、紙包の外観を良くするためには、第3及び第4紙折り部材30c、30dによる三番目・四番目の紙折り時に、梱包紙2を内側へ折ることによって生じる紙2の弛みを折り込みの内側へ押し込むことが重要である。本装置Aでは、梱包紙2の内側への押し込みにノズル31a、31bから噴射される圧縮空気を使用しているため、機械的な部材によって押し込みを行うもの比べると紙2の押し込み範囲を圧縮空気の噴出によって広く確保できる。よって、図11に示す第2紙折り部材30bによる二番目の紙折り終了の状態での不均一な紙2の状態に左右されることなく、紙2を折り込みの内側に適切に押し込むことができる。
【0053】
また、圧縮空気を利用しているため、紙2と機械との干渉を考慮する必要がなく、安価な装置となる。すなわち、機械的な装置で紙2を押し込むものでは、押込片が他の構成部品と干渉しないように配慮する必要があると共に、押込片が梱包紙2を破損してしまうことに対する配慮を十分にする必要があり、装置の構造・動作が複雑にならざるを得ない。
【0054】
また、紙包された電線把Dを使用する場合には、電線把Dの上面に沿って折り曲げられた梱包紙2の各角部を元の状態に伸展させればよいので、電線把Dの位置を移動させる必要はなく、使い勝手が良好となる。
【0055】
本発明の実施形態は上記タイプに限定されない。例えば、上記紙押え部材30a〜30dは、四つではなく、電線把Dを囲むように三つまたは五つ以上であってもよい。また、上記ノズル31a、31bは、紙押え部材30a〜30dではなくテーブル1に取り付けてもよく、ノズル31a、31bの設置数も四つに限られず五つ以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態に係る電線把自動梱包装置、この梱包装置に電線把を搬送するための電線把搬送装置、及び上記梱包装置により梱包されたものを結束するための結束機が一体化されたシステムを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面図である。
【図2】上記電線把自動梱包装置の平面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視図である。
【図4】図4(a)はピンチローラの側面図、図4(b)はピンチローラの正面図である。
【図5】図5(a)は紙切断機の側面図、図5(b)は紙切断機の正面図である。
【図6】図6(a)は紙搬送装置の平面図、図6(b)は紙搬送装置の正面図である。
【図7】図7(a)は紙押え装置の平面図、図7(b)は紙押え装置の側面図である。
【図8】図8(a)は紙折り部材の平面図、図8(b)は紙折り部材の側面図である。
【図9】図9(a)は紙折り部材及びノズルを示す側面図、図9(b)は紙折り部材及びノズルを示す正面図である。
【図10】図10(a)は上記電線把自動梱包装置の作動を示す平面図であり、図10(b)はその側面図である。
【図11】図11(a)は上記梱包装置の作動を示す平面図であり、図11(b)はその側面図である。
【図12】図12(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図12(b)はその平面図である。
【図13】図13(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図13(b)はその平面図である。
【図14】上記梱包装置の作動を示す側面図である。
【図15】上記梱包装置の作動を示す側面図である。
【図16】図16(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図16(b)はその平面図である。
【図17】図17(a)は上記梱包装置の作動を示す側面図であり、図17(b)はその平面図である。
【符号の説明】
【0057】
D 電線把
1 テーブル
2 梱包紙
30a 第1紙折り部材
30b 第2紙折り部材
30c 第3紙折り部材
30d 第4紙折り部材
31a ノズル
31b ノズル
32 紙折り板
33 側部紙押え板
40 癖付け部材
65 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線把を梱包紙で梱包するための装置であって、
上記梱包紙が広げられた状態で載せられるテーブルと、
該テーブルに上記梱包紙の上に置かれる電線把を囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材と、
該紙折り部材を上記電線把の下方から上方に移動させた後に上記電線把の中心側に向けて水平方向に移動させる制御部と
を備えたことを特徴とする電線把自動梱包装置。
【請求項2】
上記紙折り部材は、水平方向に延出された紙折り板と、該紙折り板の下面に略垂直に取り付けられた側部紙押え板とを有するものである請求項1記載の電線把自動梱包装置。
【請求項3】
上記梱包紙の一部を仮折りするために昇降する癖付け部材を備えた請求項1又は2記載の電線把自動梱包装置。
【請求項4】
上記電線把の側部に向けて圧縮空気を噴射するノズルを備えた請求項1〜3いずれかに記載の電線把自動梱包装置。
【請求項5】
上記ノズルの噴射方向が、上記癖付け部材の下降によって仮折りされる上記梱包紙の仮折り部分に指向されている請求項4記載の電線把自動梱包装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記癖付け部材を下降させつつ上記ノズルから圧縮空気を噴射させるものである請求項4又は5記載の電線把自動梱包装置。
【請求項7】
上記梱包紙は、略正方形であり、上記紙折り部材は、上記梱包紙の四隅に四つ配置された請求項1〜6いずれかに記載の電線把自動梱包装置。
【請求項1】
電線把を梱包紙で梱包するための装置であって、
上記梱包紙が広げられた状態で載せられるテーブルと、
該テーブルに上記梱包紙の上に置かれる電線把を囲むようにして複数配置され、夫々独立に昇降すると共に水平方向に移動する紙折り部材と、
該紙折り部材を上記電線把の下方から上方に移動させた後に上記電線把の中心側に向けて水平方向に移動させる制御部と
を備えたことを特徴とする電線把自動梱包装置。
【請求項2】
上記紙折り部材は、水平方向に延出された紙折り板と、該紙折り板の下面に略垂直に取り付けられた側部紙押え板とを有するものである請求項1記載の電線把自動梱包装置。
【請求項3】
上記梱包紙の一部を仮折りするために昇降する癖付け部材を備えた請求項1又は2記載の電線把自動梱包装置。
【請求項4】
上記電線把の側部に向けて圧縮空気を噴射するノズルを備えた請求項1〜3いずれかに記載の電線把自動梱包装置。
【請求項5】
上記ノズルの噴射方向が、上記癖付け部材の下降によって仮折りされる上記梱包紙の仮折り部分に指向されている請求項4記載の電線把自動梱包装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記癖付け部材を下降させつつ上記ノズルから圧縮空気を噴射させるものである請求項4又は5記載の電線把自動梱包装置。
【請求項7】
上記梱包紙は、略正方形であり、上記紙折り部材は、上記梱包紙の四隅に四つ配置された請求項1〜6いずれかに記載の電線把自動梱包装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−232349(P2006−232349A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51223(P2005−51223)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(304044368)大和鐵工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(304044368)大和鐵工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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