説明

電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器

【課題】ゼノンランプに瞬間的に高エネルギーを供給する電解コンデンサの爆発危険性を低減する。
【解決手段】IPL機器は、外部常用電源10から供給される電荷を充電する充電装置80と、充電装置80を充電する充電回路部30と、充電装置80に充電された電荷を放電する放電回路部50と、ゼノンランプ光を使用者に照射するランプ部60と、放電回路部50にトリガ制御信号を提供する制御部70とで構成されている。常用電源10と充電回路部30との間には、入力ヒューズFoが設けられている。充電装置80内において、直列連結された第1のヒューズF1および第1の電解コンデンサC1と、直列連結された第2のヒューズF2および第2の電解コンデンサC2と、が並列に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器(INTENSE PULSED LIGHT APPARATUS CAPABLE OF PREVENTING EXPLOSION)に関し、より具体的には、ゼノンランプに瞬間的に高エネルギーを供給する電解コンデンサの爆発危険性を低減することができる、電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚疾患を治療する機器としては、初期にはレーザ機器が多く導入されていた。レーザ機器は、特定の疾患を治療するのに必要な波長のレーザを選択した後、治療しようとする当該皮膚部位に局部照射する機器であって、特定の皮膚疾患を治療するために好適である。ところが、レーザ機器は、副作用が多く、特に様々な皮膚疾患が含まれている皮膚に照射するには難しい機器である。即ち、それぞれの疾患によってそれに適したレーザが必要であるため、顔にそばかすやシミがあり、伸びた血管がありながら、さらに、小ジワや目立つ毛穴が問題となって治療を受けようとすると、三、四種類のレーザを用いて治療を行わなければならなかった。
【0003】
このような短所を解決するために、多様な波長の光を一度に照射して、様々な疾患を有した皮膚を簡易に治療するアイピーエル(IPL:Intense Pulsed Light)機器が、米国のビッター(bitter)博士により開発されて、現在、広く使われている。IPL機器は、350nm〜1200nmの波長の光を放射するランプフラッシュを用いて、フィルタを使って出てくる光の波長を調節するようになり、照射ランプには、通常、ゼノン(zenon)ランプを用いて、数秒間に多数回を肌に照射するようになる。
【0004】
上述したように、IPL機器はゼノンランプ光を照射するが、ゼノンランプの放電を開始するためには、瞬間的に高い電圧を供給しなければならない。IPL機器では、このような瞬間的に高い電圧の供給を電解コンデンサによって行っている。電解コンデンサは、負極物質と正極物質との間に電解質が介在して、丸い円形状に巻いた状態で用いられる。ところが、構成材料の不良、傷、ほこり、加工上の不良、および/または組立て不良などがある電解コンデンサを続けて用いる場合、最初の使用時には問題がなかったものの、複数回の充電および放電を繰り返していくと、その欠陷がますます大きくなり、結局のところ、爆発する場合がしばしば発生している。或いは、回路の不良による定格電圧(rated voltage)以上の電圧が加えられる場合にも、同様の問題が発生している。
【0005】
図1は、従来のIPL機器の簡単な回路構成図である。IPL機器は、複数個の電解コンデンサC1、C2で構成される充電装置80を具備し、常用電源10と充電装置80との間には充電回路部30が設けられ、充電装置80とゼノンランプからなるランプ部60との間には放電回路部50が設けられて、充電回路部30と放電回路部50を制御する制御部70とで構成される。従来、IPL機器は、充電装置80に故障などが生じて電流の流れが急に増加する場合、このような故障に備えるための保護回路として、常用電源10と充電回路部30との間にヒューズ(fuse)20を具備する。
【0006】
ヒューズ20に流れる電流の定格電流(rated current)をIm、誤差を±αと仮定し、同一の方式で、電解コンデンサC1、C2に流れる電流をそれぞれIおよびIといい、誤差を±βと仮定し、充電回路部30に流れる電流をIcといい、誤差を±γと仮定するとき、ヒューズ20の定格電流Imは、式(1)を満足するように設計しなければならない。
Im(1−α)>Ic(1+γ)+I(1+β)+I(1+β)・・・(1)
【0007】
しかし、図1に示されたIPL機器において式(1)のようなヒューズ20の定格(rated)を設定すると、誤差による余裕電流Ikが発生する。すなわち、充電回路部30の動作電流を最大Ic(1+γ)と仮定するが、実際には、最小Ic(1-γ)だけが流れることもあり得る。充電回路部30においてのみ、誤差による余裕電流Ikが2Ic×γだけ存在する。電解コンデンサC1とC2の場合にも、最大動作電流はI(1+β)、I(1+β)と仮定するが、実際に、最小動作電流はI(1-β)、I(1-β)にまでなり得る。電解コンデンサC1とC2の余裕電流Ikのふれは2β(I+I)分だけ発生する。“最大総余裕電流=2αIm+2γIc+2β(I+I)”(すなわち、ヒューズ20の誤差は+αと最大であり、動作電流は、それぞれ-γ、-βと最小であるとき、最大総余裕電流が生ずる。)
【0008】
電解コンデンサC1またはC2の不良による異常電流Ieが発生する。異常電流Ieは、機械の動作時間が長くなればなる程、ますます大きくなる。不良による異常電流Ieがある場合、“Ie>Ik”になると、ヒューズ20が切断されるが、“Ie<Ik”の場合は、動作状態が持続して、異常電流Ieがますます大きくなる傾向がほとんどである。電解コンデンサC1、C2が爆発し得る異常電流Ipの大きさが余裕電流Ikよりも大きい場合は、電解コンデンサC1、C2の爆発を防止することができるが、異常電流Ipが余裕電流Ikよりも小さければ、電解コンデンサC1、C2の爆発を防止することができない。若し、電解コンデンサC1に発生する異常電流Ieが総余裕電流Ikよりも少ない場合は、ヒューズ20は正常の連結状態を維持するうちにも、電解コンデンサC1が爆発することが生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−274112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述したような問題点を解決しようとするものであって、電解コンデンサの誤動作が発生する場合、これをリアルタイムで把握し、当該電解コンデンサに供給される電流を遮断した後、当該電解コンデンサに供給される電流が遮断されたことを使用者に報知する保護回路を具備した、電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するためのものであって、外部常用電源10から供給される電荷を充電する充電装置80と、前記常用電源10と前記充電装置80との間に設けられ、充電装置80を一定の電圧で充電する充電回路部30と、前記充電装置80に充電された電荷を放電する放電回路部50と、前記充電装置80に充電された電荷の供給を受けて、ゼノンランプ光を使用者に照射するランプ部60と、前記放電回路部50にトリガ制御信号を提供する制御部70と、で構成されて、使用者の肌に前記ゼノンランプ光を照射するIPL機器において、常用電源10と充電回路部30との間の経路に設けられる入力ヒューズFoを具備し、充電装置80は、直列連結された第1のヒューズF1および第1の電解コンデンサC1と、直列連結された第2のヒューズF2および第2の電解コンデンサC2とが並列に接続されることを特徴とする、電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器によって達成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器に用いられるそれぞれの電解コンデンサの異常電流発生時、これを短絡させるヒューズを備えることによって、電解コンデンサの爆発危険を前もって防止することが可能となった。
【0013】
また、ヒューズが短絡される場合、これを感知可能な短絡感知部を有して、ヒューズの短絡状態を使用者に報知することができるため、使用者は、より信頼性のある電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器を用いることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は従来のIPL機器の簡略な回路構成図である。
【図2】図2は本発明にかかるIPL機器の駆動回路の実施例1を示す回路図である。
【図3】図3はヒューズの切断信号を制御部に送出可能な本発明にかかる実施例2のIPL回路を示す回路図である。
【図4】図4はヒューズの切断信号を制御部に送出可能な本発明にかかる実施例3のIPL回路を示す回路図である。
【図5】図5は本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例4を示す回路図である。
【図6】図6は本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例5を示す回路図である。
【図7】図7は本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例6を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本発明の長所、特徴及び好ましい実施例を、添付の図面を参照しながら詳しく説明することとする。
【実施例1】
【0016】
図2は、本発明にかかるIPL機器の駆動回路の実施例1を示す回路図である。外部常用電源10から供給される電荷を充電する充電装置80と、常用電源10と充電装置80との間に設けられ、充電装置80を一定の電圧で充電する充電回路部30と、充電装置80に充電された電荷を放電する放電回路部50と、充電装置80に充電された電荷の供給を受けて、ゼノンランプ光を使用者に照射するランプ部60と、放電回路部50にトリガ制御信号を提供する制御部70とで構成される。常用電源10と充電回路部30との間の経路には、入力ヒューズFoが設けられ、充電装置80は、直列連結された第1のヒューズF1および第1の電解コンデンサC1と、直列連結された第2のヒューズF2および第2の電解コンデンサC2とが並列に接続され、第1のヒューズF1および第1の電解コンデンサC1の間の端子と、放電回路部50との間に設けられる第1の放電ダイオードDD1と、第2のヒューズF2および第2の電解コンデンサC2の間の端子と、放電回路部50との間に設けられる第2の放電ダイオードDD2とで構成される。充電装置80は、2つの電解コンデンサC1、C2で構成されるものと説明したが、これは、説明の便宜のためのものであって、2つ以上で具現することができるのは言うまでも無い。
【0017】
図2によるIPL機器の駆動回路は、それぞれの電解コンデンサC1、C2と直列に接続されるヒューズF1、F2を設けることにより、電解コンデンサC1、C2に異常が発生した場合、直ちに供給される電流を遮断して、電解コンデンサC1、C2が爆発するなどの深刻な事故が起こることを防止できるようになった。
【0018】
第1のヒューズF1を例に挙げて説明する。第1のヒューズF1に流れる電流の定格電流をIm、誤差を±αと仮定して、電解コンデンサC1に流れる電流をIといい、誤差を±βと仮定するとき、第1のヒューズF1に流れる定格電流Im1は、式(2)を満足するように設計しなければならない。
Im1(1-α)>I(1+β)・・・(2)
【0019】
本発明の場合、式(2)のようにヒューズF1を設定すると、誤差による余裕電流は、最大電解コンデンサC1による2βI、ヒューズF1による2γImである。すなわち、“最大総余裕電流=2αIm+2βI”と計算される。
【0020】
従来の回路と比較すると、Im1<0.5Im、I1≒0.5(I+I)である可能性が非常に大きいため、“従来の最大総余裕電流>2×(本発明の総余裕電流)”の関係が成立する。
【0021】
電解コンデンサC1の異常電流Ieや爆発し得る異常電流Ipの大きさは、本発明であっても従来発明であっても同一であり、従来発明の余裕電流がIkであれば、本発明の余裕電流Ik1は、余裕電流Ikより0.5以下となる。すなわち、“Ik>2Ik1”である。つまり、従来発明よりも遥かに効果的に電解コンデンサC1の爆発を防止することが可能である。
【0022】
数式を比較してみると、従来の場合、異常電流Ieは、最大“2αIm+2γIc+2β(I+I)”まで大きくなることができるが、本発明の場合、2αIm1+2βI(ここで、Im1<0.5Im)まで大きくなることができるため、より一層巧みな爆発防止が可能となる。
【0023】
ヒューズF1、F2が組み込まれてから、電解コンデンサC1、C2に貯蔵されたエネルギーが放電される時には、ヒューズF1、F2を介して放電することができない場合がある。放電時、瞬間的に多くの電流が流れるようになるが、この電流の大きさがヒューズF1、F2の定格を超えることがあるからである。これを解決するために、ダイオードDD1、DD2を介して電解コンデンサC1、C2のエネルギーを放電回路部50に供給することになる。従って、ヒューズF1、F2は、充電時にのみ動作するようになり、放電時には、ヒューズF1、F2は動作しない。
【0024】
さらに、図2による本発明の実施例1であるIPL機器回路は、第1の電解コンデンサC1に異常が発生して第1のヒューズF1が切断される場合、充電装置80の内において、第2の電解コンデンサC2部分のみが正常動作するようになる。この場合は、十分な量のエネルギーをランプ放電に用いることができないため、第1のヒューズF1が切断された状況を制御部70に伝送する必要がある。制御部70は、このような切断信号の入力を受けた後、図示されていない出力装置(LEDランプなど)を通じて使用者に報知する必要がある。
【0025】
図2に示されたIPL機器の動作について説明する。常用電源10から供給されるエネルギーは、充電回路部30と、第1のヒューズF1および第2のヒューズF2を介して、第1の電解コンデンサC1および第2の電解コンデンサC2にそれぞれ蓄積される。電解コンデンサC1、C2にエネルギーを蓄積する期間の間は、放電回路部50がハイインピーダンス状態を維持するため、常用電源10から供給されるエネルギーは、第1の放電ダイオードDD1および第2の放電ダイオードDD2に流れなくなる。電解コンデンサC1、C2に十分なレベルのエネルギーが蓄積されると、制御部70は、トリガ信号を生成して放電回路部50に伝達し、その後、第1の電解コンデンサC1に蓄積されたエネルギーは、第1の放電ダイオードDD1を介して、放電回路部50を経た後、ランプ部60に伝達され、第2の電解コンデンサC2に蓄積されたエネルギーは、第2の放電ダイオードDD2を介して、放電回路部50を経た後、ランプ部60に伝達され、ゼノンランプをオン(ON)させるようになる。
【実施例2】
【0026】
図3は、ヒューズの切断信号を制御部に送出可能な、本発明にかかる実施例2のIPL回路を示す回路図である。図3の構成に対しては、図2と異なる部分についてのみ説明することとする。図3では、さらに、第1のヒューズF1と並列に接続される第1の短絡感知部D1と、第2のヒューズF2と並列に接続される第2の短絡感知部D2とを追加で具備したことに特徴がある。第1のヒューズF1が短絡(すなわち、切断)されると、第1の短絡感知部D1に電流が流れるようになり、第1の短絡感知部D1は、このような流れを感知して制御部70へ短絡感知信号を送り出すと、制御部70は、出力装置(図示省略)にこれを表示するようにさせる。同様に、第2のヒューズF2が短絡(すなわち、切断)されると、第2の短絡感知部D2に電流が流れるようになり、第2の短絡感知部D2は、このような流れを感知して制御部70へ短絡感知信号を送り出すと、制御部70は、製品の動作を停止させたり、または出力装置(図示省略)を通じてこれを表示するようにさせる。製品の動作を停止させる方式は、常用電源10と充電回路部30との間に電気的にスイッチング可能なスイッチを別途で付加し、制御部70を用いてこれを短絡させることにより行うことができる。
【実施例3】
【0027】
図4は、ヒューズの切断信号を制御部に送出可能な本発明にかかる実施例3のIPL回路を示す回路図である。図4の構成に対しては、図3と異なる部分についてのみ説明することとする。図4では、第1のヒューズF1と第2のヒューズF2の短絡状態(すなわち、切断状態)を1個の短絡感知部Dで感知するようにした。第1のヒューズF1または第2のヒューズF2が短絡(すなわち、切断)されると、短絡感知部Dに電流が流れるようになり、短絡感知部Dは、このような流れを感知して制御部70へ短絡感知信号を送り出すと、制御部70は、製品の動作を停止させたり、または出力装置(図示省略)を通じてこれを表示するようにさせる。
【実施例4】
【0028】
図5は、本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例4を示す回路図である。図5の実施例4は、第1のヒューズF1と並列に接続される第1の抵抗R1および第1のフォトカプラPC1が設けられ、第2のヒューズF2と並列に接続される第2の抵抗R2および第2のフォトカプラPC2が設けられる。フォトカプラPC1、PC2の上端は、第3の抵抗R3と連結されて、Vdd電源端子と連結される。図5の回路において、Vcc電源は、図3の充電回路部30から供給される電源端子を意味する。充電回路部30から供給される電源Vccは高圧と高電流を用いており、制御部70は、通常、3V〜5Vの動作電源Vddを用いるデジタル回路素子で構成されるため、接地端子を別個で用いながら、互いに分離して用いるようにした。すなわち、第1のヒューズF1、第1の電解コンデンサC1、第1の抵抗R1、フォトカプラPC1を構成するフォトダイオード、および第2のヒューズF2、第2の電解コンデンサC2、第2の抵抗R2、フォトカプラPC2を構成するフォトダイオードは、充電回路部30と同一の接地端子を用いるが、一方、第3の抵抗R3とフォトカプラPC1、PC2を構成するトランジスタは、別個の供給電源端子Vddと接地端子を用いることが分かる。第3の抵抗R3とフォトカプラPC1、PC2を構成するトランジスタは、制御部70と同一の駆動電圧と接地を用いる回路で構成され、図5に示された残りの回路構成は、これと電気的に分離されて、充電回路部30と電気的に連結される回路で構成される。
【0029】
図5の回路動作に対して検討してみる。第1のヒューズF1が短絡(すなわち、切断)されると、第1の抵抗R1に電流が流れるようになり、第1のフォトカプラPC1がオン状態に転換されるようになる。第1のフォトカプラPC1の活性化により、第3の抵抗R3に大部分の電源電圧Vddが印加されるため、制御部70には、低電圧が送り出される。制御部70は、これを感知することで、ヒューズF1が短絡されたことを感知することができる。第2のヒューズF2が短絡される場合にも、同様に動作するため、説明を割愛する。
【実施例5】
【0030】
図6は、本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例5を示す回路図である。図6の実施例5は、第1のヒューズF1の一端には第1の抵抗R1の一端が接続され、第1の抵抗R1の他端には第1のトランジスタQ1のエミッタ端子が連結され、ベース端子は第1のヒューズF1の他端と連結され、コレクタ端子は第3の抵抗R3の一端と連結され、第2のヒューズF2の一端には第2の抵抗R2の一端が接続され、第2の抵抗R2の他端には第2のトランジスタQ2のエミッタ端子が連結され、ベース端子は第2のヒューズF2の他端と連結され、コレクタ端子は第4の抵抗R4の一端と連結され、第3の抵抗R3および第4の抵抗R4の他端はフォトカプラPCと連結され、フォトカプラPCを構成するトランジスタのコレクタ端子は、第5の抵抗R5を介して電源端子Vddと連結され、エミッタ端子は接地端子と連結される。図6の構成においても、フォトカプラPCを構成するトランジスタの駆動電圧Vddと接地端子を充電回路部30と分離して、制御部70から印加されるデジタル回路ロジッグの印加電圧を用いた。第5の抵抗R5とフォトカプラPCを構成するトランジスタは、制御部70と同一の印加電圧および接地を用いる回路構成であり、図6に示された残りの回路構成は、これと電気的に分離されて、充電回路部30と電気的に連結される回路で構成される。図6の回路構成は、比較的高価であるフォトカプラPCを1つだけ用いて感知回路を構成し、図5に示された回路構成よりも原価を節減することができる効果がある。
【0031】
図6の回路動作に対して検討してみる。第1のヒューズF1が短絡(すなわち、切断)されると、第1の抵抗R1に電流が流れるようになり、第1のトランジスタQ1が活性化されながら、第1の抵抗R1、第1のトランジスタQ1、第3の抵抗R3、フォトカプラPCおよび接地端子を通じて電流が流れる。これによりフォトカプラPCが活性化するため、フォトカプラPCを構成するトランジスタの出力端子は、接地電圧が印加され、このような接地電圧が制御部70に送り出される。制御部70は、これを感知することで、ヒューズF1が短絡されたことを感知することができる。第2のヒューズF2が短絡される場合にも、同様に動作するため、説明を割愛する。
【実施例6】
【0032】
図7は、本発明のIPL機器において具現可能な短絡感知部に関する実施例6を示す回路図である。図7の実施例6は、第1のヒューズF1の一端には第1の抵抗R1の一端が接続され、第1の抵抗R1の他端には第1のトランジスタQ1のエミッタ端子が連結され、ベース端子は第1のヒューズF1の他端と連結され、コレクタ端子は第3の抵抗R3の一端と連結され、第2のヒューズF2の一端には第2の抵抗R2の一端が接続され、第2の抵抗R2の他端には第2のトランジスタQ2のエミッタ端子が連結され、ベース端子は第2のヒューズF2の他端と連結され、コレクタ端子は第4の抵抗R4の一端と連結され、第3の抵抗R3および第4の抵抗R4の他端は、ツェナーダイオードZ1を介して接地と連結される。図7に提示された短絡感知部の回路構成は、充電回路部30と電気的に分離されずに、同一の接地端子を用いており、高価なフォトカプラを用いていないため、図5および図6の実施回路に比べて原価が節減される利点がある。
【0033】
図7の回路動作に対して検討してみる。第1のヒューズF1が短絡(すなわち、切断)されると、第1の抵抗R1に電流が流れるようになり、第1のトランジスタQ1が活性化されながら、第1の抵抗R1、第1のトランジスタQ1、第3の抵抗R3、ツェナーダイオードZ1および接地端子を通じて電流が流れる。これにより、ツェナーダイオードZ1が活性化されるため、制御部70にツェナーダイオードZ1の両端に印加される電圧が送り出される。制御部70は、これを感知することで、ヒューズF1が短絡されたことを感知することができる。第2のヒューズF2が短絡される場合にも、同様に動作するため、説明を割愛する。
【0034】
以上、本発明の特定の実施例が説明及び図示されているが、本発明の技術的思想から外れない範囲内において、当業者により多様に変形されて実施することができるのは自明なことである。このように変形された実施例は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明の添付の特許請求の範囲内に属するものと理解されなければならない。
【符号の説明】
【0035】
10:常用電源
20、Fo、F1、F2:ヒューズ
30:充電回路部
50:放電回路部
60:ランプ部
70:制御部
C1、C2:電解コンデンサ
D、D1、D2:短絡感知部
PC、PC1、PC2:フォトカプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部常用電源(10)から供給される電荷を充電する充電装置(80)と、前記常用電源(10)と前記充電装置(80)との間に設けられ、前記充電装置(80)を一定の電圧で充電する充電回路部(30)と、前記充電装置(80)に充電された電荷を放電する放電回路部(50)と、前記充電装置(80)に充電された電荷の供給を受けて、ゼノンランプ光を使用者に照射するランプ部(60)と、前記放電回路部(50)にトリガ制御信号を提供する制御部(70)と、で構成されて、使用者の肌に前記ゼノンランプ光を照射するIPL機器において、
前記常用電源(10)と前記充電回路部(30)との間の経路に設けられる入力ヒューズ(Fo)を具備し、
前記充電装置(80)は、直列連結された第1のヒューズ(F1)および第1の電解コンデンサ(C1)と、直列連結された第2のヒューズ(F2)および第2の電解コンデンサ(C2)と、が並列に接続されることを特徴とする電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項2】
前記第1のヒューズ(F1)および前記第1の電解コンデンサ(C1)の間の端子と、前記放電回路部(50)との間に設けられる第1の放電ダイオード(DD1)、並びに
前記第2のヒューズ(F2)および前記第2の電解コンデンサ(C2)の間の端子と、前記放電回路部(50)との間に設けられる第2の放電ダイオード(DD2)をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項3】
前記第1のヒューズ(F1)の短絡を感知して、前記第1のヒューズ(F1)が短絡されたことを報知する制御信号を前記制御部に送り出す第1の短絡感知部をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項4】
前記第2のヒューズ(F2)の短絡を感知して、前記第2のヒューズ(F2)が短絡されたことを報知する制御信号を前記制御部に送り出す第2の短絡感知部をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項5】
前記第1の短絡感知部および/または前記第2の短絡感知部は、フォトカプラを含んで構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項6】
前記第1の短絡感知部および/または前記第2の短絡感知部は、ツェナーダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項7】
前記第1の短絡感知部および前記第2の短絡感知部は、前記第1のヒューズと並列に連結される第1の抵抗(R1)および第1のフォトカプラ(PC1)と、前記第2のヒューズと並列に連結される第2の抵抗(R2)および第2のフォトカプラ(PC2)と、前記第1のフォトカプラおよび前記第2のフォトカプラを構成するそれぞれのトランジスタのコレクタ端子は、第3の抵抗(R3)を介して前記制御部(70)の電源電圧(Vdd)と連結されることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項8】
前記第1の短絡感知部および前記第2の短絡感知部は、前記第1のヒューズ(F1)の一端には第1の抵抗(R1)の一端が接続され、前記第1の抵抗(R1)の他端には第1のトランジスタ(Q1)のエミッタ端子が連結され、前記第1のトランジスタ(Q1)のベース端子は前記第1のヒューズ(F1)の他端と連結され、前記第1のトランジスタ(Q1)のコレクタ端子は第3の抵抗(R3)の一端と連結され、前記第2のヒューズ(F2)の一端には第2の抵抗(R2)の一端が接続され、前記第2の抵抗(R2)の他端には第2のトランジスタ(Q2)のエミッタ端子が連結され、前記第2のトランジスタ(Q2)のベース端子は前記第2のヒューズ(F2)の他端と連結され、前記第2のトランジスタ(Q2)のコレクタ端子は第4の抵抗(R4)の一端と連結され、前記第3の抵抗および前記第4の抵抗の他端はフォトカプラ(PC)と連結され、前記フォトカプラ(PC)を構成するトランジスタのコレクタ端子は、第5の抵抗(R5)を介して前記制御部(70)の電源端子(Vdd)と連結され、前記フォトカプラ(PC)を構成するトランジスタのエミッタ端子は接地端子と連結されることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。
【請求項9】
前記第1の短絡感知部および前記第2の短絡感知部は、前記第1のヒューズ(F1)の一端には第1の抵抗(R1)の一端が接続され、前記第1の抵抗(R1)の他端には第1のトランジスタ(Q1)のエミッタ端子が連結され、前記第1のトランジスタ(Q1)のベース端子は前記第1のヒューズ(F1)の他端と連結され、前記第1のトランジスタ(Q1)のコレクタ端子は第3の抵抗(R3)の一端と連結され、前記第2のヒューズ(F2)の一端には第2の抵抗(R2)の一端が接続され、前記第2の抵抗(R2)の他端には第2のトランジスタ(Q2)のエミッタ端子が連結され、前記第2のトランジスタ(Q2)のベース端子は前記第2のヒューズ(F2)の他端と連結され、前記第2のトランジスタ(Q2)のコレクタ端子は第4の抵抗(R4)の一端と連結され、前記第3の抵抗および前記第4の抵抗の他端は、ツェナーダイオード(Z1)を介して接地と連結されることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサの爆発防止機能を有するIPL機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−19680(P2012−19680A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−98062(P2011−98062)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(511104738)
【氏名又は名称原語表記】JHO,Soung Chun
【住所又は居所原語表記】Republic of Korea,135−010,Seoul,Gangnam−gu,Nonhyeon−dong 20−3,Nonhyeon villa,302
【Fターム(参考)】