説明

電解液および非水電解液リチウム二次電池

式(1)で示される脂肪族第4級アンモニウム塩である常温溶融塩、有機溶媒、式(2)で示されるリチウム塩を含有する非水電解液リチウム二次電池用電解液において、該有機溶媒がビニレンカーポネートを電解液に対して1〜5重量%含有することを特徴とする非水電解液リチウム二次電池用電解液、およびこれを用いたリチウム二次電池。(1)(2)(R〜Rは、炭素数1〜4の鎖状炭化水素であり、Rは、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基またはイソプロポキシメチル基を示す。X、Xは含フッ素アニオンである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電解液および非水電解液リチウム二次電池に関するものである。
【背景技術】
近年、モバイル機器用電源としてリチウムイオン二次電池の性能が高められてきた。さらに今後も電力平準化電源・自動車用補助電源などの分野では、そのエネルギー密度の観点からリチウム二次電池の適用が期待されており高寿命化・高信頼性が望まれる。現状のリチウム二次電池は一般に正極活物質としてリチウムイオンが挿入脱離可能なセラミック酸化物、負極としてリチウム金属、またはリチウム合金、またはリチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料、ケイ素材料、電解液としてリチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液から構成される。
従来より有機溶媒を使用した電解液は、鉛蓄電池などに使用されている水溶液系の電解液に比べると電気伝導性に劣り、高出力が要求される用途では電池の内部抵抗に問題があった。
常温溶融塩はイオンのみから形成される液体で、不揮発性、難燃性などの特徴を有し、リチウム二次電池用電解液への応用が期待されてきた。
常温溶融塩の代表的な例として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI・BF)等が挙げられる。しかし、イミダゾリウム塩はリチウムよりも貴な電位で分解してしまう為リチウム二次電池への応用は困難であった。近年、より広い電位範囲で安定な常温溶融塩が検討されている。
例えば、非特許文献1により、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンと脂肪族アンモニウムカチオンからなる塩の中には融点が常温以下の化合物が存在し、電気化学的な安定性が改善されることが明らかにされている。
さらに、特許文献1では、脂肪族4級アンモニウム系の常温溶融塩はリチウム二次電池への適用が可能であるとしている。しかしながら、特許文献1においては、具体的には脂肪族常温溶融塩中におけるニッケル基板上においてリチウムの析出溶解が生じ得ることが示されているのみであり、リチウム二次電池に使用する技術については開示されていない。
リチウム二次電池の負極材料として広く使用されている黒鉛をアンモニウムカチオンが含まれる浴中において電極として使用した際にはアンモニウムカチオンの分解や黒鉛層間への挿入が生じることが、非特許文献2で示されている。こうした問題に対し、特許文献2には、常温溶融塩を有し、ビニレンカーボネートなどの環状エステル類を有していることを特徴とする非水電解質二次電池が示され、該環状エステル類を含むことによって負極材料表面に常温溶融塩のカチオンの還元分解を抑制する保護皮膜が形成されるため安定した充放電特性が得られることが示されている。
また、特許文献3、特許文献4には、脂肪族常温溶融塩を含有する非水電解質電池が示され、安全性に優れ十分な充放電特性を有する非水電解質リチウム二次電池が示されている。
上記技術においては安全性に優れ、安定した充放電挙動が得られることが示唆されているものの、例示された脂肪族常温溶融塩は粘性が高い化合物ばかりであり、粘性の低い有機溶媒と混合使用しても、電解液の電気伝導性は十分に満足のゆくものではない。特に低温域における電池の内部抵抗が増大してしまう。
[特許文献1]特許第2981545号
[特許文献2]特開2002−373704
[特許文献3]特開2003−203674
[特許文献4]特開2003−288939
[非特許文献1]Ionics,3,356(1997)
[非特許文献2]Electroanalytical Chemistry and Interfacial Electrochem.,53,329−333(1974)
本発明の課題は、高い電気伝導性を有した電解液を用い、内部抵抗が低減され、安定した充放電特性が得られる非水電解液リチウム二次電池を提供することである。
【発明の開示】
本発明者等は、上記課題を解決する為に鋭意検討した。その結果、式(1)で示される脂肪族第4級アンモニウム塩である常温溶融塩、ビニレンカーボネートを電解液に対して1〜5重量%含有している有機溶媒、式(2)で示されるリチウム塩を含有する電解液を、非水電解液リチウム二次電池に用いることにより、内部抵抗が低減され、安定した充放電特性が得られることを見出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記に示す電解液および非水電解液リチウム二次電池を提供する。
1. 式(1)で示される脂肪族第4級アンモニウム塩である常温溶融塩、有機溶媒、式(2)で示されるリチウム塩を含有する非水電解液リチウム二次電池用電解液において、該有機溶媒がビニレンカーボネートを電解液に対して1〜5重量%含有することを特徴とする非水電解液リチウム二次電池用電解液。

(R〜Rは、炭素数1〜4の鎖状炭化水素であり、Rは、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基またはイソプロポキシメチル基を示す。X、Xは含フッ素アニオンである。)
2. 前記含フッ素アニオンX、Xのうち少なくとも一方はテトラフルオロボレートを含む請求の範囲第1項記載の電解液。
3. 常温溶融塩を電解液に対して1〜15重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
4. 常温溶融塩を電解液に対して4〜13重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
5. 常温溶融塩を電解液に対して4〜9重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
6. 正極、負極、セパレーター、非水電解液を備えた非水電解液リチウム二次電池において、前記非水電解液として請求の範囲第1項記載の非水電解液を用いることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池。
7. 電解液として、請求の範囲第2項の電解液を用いる請求の範囲第6項に記載の二次電池。
8. 電解液として、請求の範囲第3〜5項のいずれかに記載の電解液を用いる請求の範囲第6項に記載の二次電池。
9. 負極がリチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料であることを特徴とする請求の範囲6〜8項記載のいずれかに記載の二次電池。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の電解液は、上記の通り、式(1)で表される脂肪族第4級アンモニウム塩である常温溶融塩、ビニレンカーボネートを含有する有機溶媒および式(2)で表されるリチウム塩とを含有する。
本発明において使用する常温溶融塩を構成する脂肪族4級アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルブチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルメチルメトキシメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリエチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルブチルメトキシメチルアンモニウム、ジプロピルメチルメトキシメチルアンモニウム、ジプロピルエチルメトキシメチルアンモニウム、トリプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリブチルメトキシメチルアンモニウム、トリメチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルブチルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルメチルエトキシメチルアンモニウム、トリエチルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルプロピルエトキシメチルアンモニウム、ジエチルブチルエトキシメチルアンモニウム、ジプロピルメチルエトキシメチルアンモニウム、ジプロピルエチルエトキシメチルアンモニウム、トリプロピルエトキシメチルアンモニウム、トリブチルエトキシメチルアンモニウム等が挙げられる。
好ましくは、トリメチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリメチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルプロピルエトキシメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルエトキシメチルアンモニウムが挙げられる。
より好ましくは、トリメチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルメトキシメチルアンモニウム、トリメチルエトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルエトキシメチルアンモニウムが挙げられる。
特に好ましくは、トリメチルメトキシメチルアンモニウム、ジエチルメチルメトキシメチルアンモニウムが挙げられる。
本発明で使用する常温溶融塩およびリチウム塩を構成する含フッ素アニオンの具体例としては、例えば、BF、PF、CFSO、N(CFSO、N(CFSO)(CFCO)、N(CFSO)(CSOなどが挙げられる。
好ましくは、BF、PF、N(CFSOが挙げられる。
より好ましくは、BF、N(CFSOが挙げられる。
本発明で使用する常温溶融塩は種々の方法で製造される。その代表的な合成方法を下記反応式で示す。
(常温溶融塩の製造方法)
【化1】

式(4)で表される脂肪族3級アミンと式(5)で表される化合物(XはCl、Br、Iなどを示す)と反応させることにより、式(1a)で表される脂肪族4級アンモニウム塩が製造される。
次いで、式(1a)で表される脂肪族第4級アンモニウム塩と式(6)で表される化合物と反応させることにより、XがX以外のXを示す化合物(1)で表される脂肪族4級アンモニウム塩が製造される。
式(6)においてMで示される原子は、H又はNa、K、Li等のアルカリ金属原子、Ca、Mg、Ba等のアルカリ土類金属原子、Ag等の金属原子を含む。XはBF、PF、CFSO、N(CFSO)、N(CFSO)(CFCO)、N(CFSO)(CSO)などを示す。
出発原料として用いられる式(4)で表される脂肪族3級アミンと式(5)で表される化合物はいずれも公知物質である。
式(4)で表される脂肪族3級アミンとしては、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ブチルジメチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ブチルジエチルアミン、エチルメチルプロピルアミン、ブチルエチルメチルアミン、ブチルメチルプロピルアミン、ブチルエチルプロピルアミン、ジエチルメチルアミン、メチルジプロピルアミン、ジブチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジブチルアミン、トリプロピルアミンなどが挙げられるがこれらの限りではない。
式(5)で表される化合物としては、クロロメチルメチルエーテル、ブロモメチルメチルエーテル、ヨードメチルメチルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、ブロモメチルエチルエーテル、ヨードメチルエチルエーテル、クロロメチルプロピルエーテル、ブロモメチルプロピルエーテル、ヨードメチルプロピルエーテル、クロロメチルイソプロピルエーテル、ブロモメチルイソプロピルエーテル、ヨードメチルイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
両者の反応は、適当な溶媒中で行われる。
用いられる溶媒としては、式(4)で表される脂肪族3級アミン及び式(5)で表される化合物を溶解し得、反応に悪影響を及ぼさない溶媒である限り、公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
これらの中でも、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン等のケトンが好ましい。斯かる溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して使用できる。使用する溶媒は無水溶媒が好ましい。
化合物(4)で表される脂肪族3級アミンと化合物(5)で表される化合物との使用割合としては、通常前者1モルに対して後者を通常0.5〜5モル、好ましくは0.9〜1.2モル使用する。
式(4)で表される脂肪族3級アミンと式(5)で表される化合物との反応は、通常−10〜25℃において行われ、一般に数時間〜72時間程度で完結する。
上記で得られる式(1a)で表される第4級アンモニウム塩と式(6)で表される化合物との反応は、通常塩交換反応により行われる。
出発原料として用いられる式(6)で表される化合物は公知化合物である。
具体的には、例えば、HBF、LiBF、NaBF、KBF、AgBF、HPF、LiPF、NaPF、KPF、CFSOH、CFSOLi、CFSONa、CFSOK、HN(CFSO、LiN(CFSO、NaN(CFSO、KN(CFSO、HN(CFSO)(CFCO)、LiN(CFSO)(CFCO)、NaN(CFSO)(CFCO)、KN(CFSO)(CFCO)、HN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)、NaN(CFSO)(CSO)、KN(CFSO)(CSO)などが挙げられる。
この反応は適当な溶媒中で行われる。
使用される溶媒としては、式(1a)で表される第4級アンモニウム塩及び式(6)で表される化合物を溶解し得、反応に悪影響を及ぼさない溶媒である限り、公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、水又はジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
これらの中でも、メタノール等の低級アルコール類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、水が好ましい。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して使用できる。
イオン交換樹脂を用いて塩交換しても良い。イオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂を用いる。該樹脂中のアニオンを予め目的とするアニオンへ交換しておき、式(1a)で表される化合物を溶解した溶液を該樹脂中に通すことで達成できる。使用する溶媒は、式(1a)で表される化合物を溶かし得、交換反応に悪影響を及ぼさない限り、公知のものを広く使用できる。通常、水、アルコール類等が一般的である。
式(1a)で表される第4級アンモニウム塩と式(6)で表される化合物との使用割合としては、通常前者1モルに対して後者を通常0.5〜5モル、好ましくは0.9〜1.2モル使用する。
式(1a)で表される第4級アンモニウム塩と式(6)で表される化合物との反応は、通常速やかに進行するので、例えば、両者を溶媒に溶解した溶液を室温付近で10分〜2時間程度反応させる。
上記各反応で得られる目的物は、通常の分離手段、例えば、濃縮、洗浄、有機溶媒抽出、クロマトグラフィー、再結晶等の慣用の単離及び精製手段により、反応混合物から容易に単離、精製される。
式(1a)で表される第4級アンモニウム塩からXがBFを示す式(1)で表される第4級アンモニウム塩を製造する場合の反応条件を具体的に示すと、式(1a)で表される第4扱アンモニウム塩を上記低級アルコールに溶解し、この溶液に所定量の硼フッ化水素酸、硼フッ化銀等のフッ化硼素塩を添加し、室温付近で30分程度反応する。反応により生成するハロゲン化水素を留去し、またハロゲン化銀等のハロゲン塩を濾別し、濾液を減圧濃縮し、乾燥することにより、目的化合物を単離することができる。尚、ハロゲン化水素の留去には、公知の方法、例えば、Nバブリングによる留去、減圧による留去等を適用できる。
式(1a)で表される第4級アンモニウム塩からXがN(CFSOを示す式(1)で表される第4級アンモニウム塩を製造する場合の反応条件を具体的に示すと、式(1a)で表される第4級アンモニウムを水に溶解し、この溶液に所定量のビストリフルオロメタンスルホンイミドのアルカリ金属塩(ビストリフルオロメタンスルホンイミドのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)を添加し、0〜25℃で30分反応する。生成する目的物を適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等)で抽出し、抽出液を水で洗浄した後、減圧濃縮し、乾燥することにより、目的化合物を単離することができる。
本発明の非水電解液リチウム二次電池用電解液に使用される有機溶媒としては、電池特性に悪影響を及ぼさない限り特に限定はしないが、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ラクトン化合物、鎖状エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン化合物などが挙げられる。以下の化合物が例示できるがこれらに限定されるものではない。
環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチルなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
ラクトン化合物としては、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、メチルプロピオネート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルホルメートなどが挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリルなどが挙げられる。
アミド化合物としては、ジメチルフォルムアミドなどが挙げられる。
スルホン化合物としては、スルホラン、メチルスルホランなどが挙げられる。
これらの溶媒は1種類でも2種類以上を混合してもよい。
本発明で使用される有機溶媒は、ビニレンカーボネートを電解液に対して1〜5重量%含有する。ビニレンカーボネートを電解液に対して1〜5重量%含有することにより、負極表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)として知られるリチウムイオン選択的透過膜が形成され、常温溶融塩を形成するアンモニウムカチオンの分解やアンモニウムカチオンの負極材料への挿入を抑制できる。その結果、安定した充放電特性が得られる。
リチウム塩濃度は、通常0.1〜2.0M、好ましくは0.15〜1.5M、より好ましくは0.2〜1.2M、特に好ましいくは0.3〜1.0Mである。リチウム塩濃度が0.1Mに満たない場合には、充放電レートが大きい場合に電極近傍においてリチウムイオンの枯渇が生じ、充放電特性が低下する傾向が生ずる。またリチウムイオン濃度が2.0Mを超えると電解液の粘度が高くなり、電気伝導性が低くなる傾向が生ずる。
本発明においては、常温溶融塩およびリチウム塩を形成するアニオンのうちいずれか一方にはBFが含まれていることが好ましい。その理由は定かではないが、テトラフルオロボレートを含む場合には正極集電体として使用されるアルミニウムの表面に不働態皮膜が形成され、アルミニウムの溶出を抑制できる為ではないかと考えられる。BFの含有量イオン数は、電解液中の全アニオン数の0.5%以上になるように調製するのが好ましく、0.8%以上になるように調製するのがより好ましい。上限濃度は、BFの含有イオン数が電解液中の全アニオン数の100%である。
常温溶融塩の濃度は、電解液に対して、好ましくは1〜15重量%である。より好ましくは4〜13重量%である。更に好ましくは4〜9重量%である。常温溶融塩の濃度が1重量%より小さい場合は、これを用いた非水電解液リチウム二次電池の内部抵抗を十分に低減する効果が少なくなり、また、常温溶融塩が15重量%を超える場合は、電解液の粘性が高くなり、電気伝導性が低くなる虞がある。また、これを用いた非水電解液リチウム二次電池の容量低下につながる虞がある。
上記で得られる本発明の電解液を用いて非水電解液リチウム二次電池を好適に作成できる。本発明の非水電解液リチウム二次電池の形状は、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型等が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。本発明の非水電解液リチウム二次電池の一例としては、例えば、図1に示すコイン型セルを挙げることができる。
以下、図1に基づいて非水電解液リチウム二次電池を説明する。
正極缶4と負極缶5とで形成される内部空間に、正極缶4側から正極1、セパレータ3、負極2、スペーサー7の順に積層された積層体が収納されている。負極缶5とスペーサー7との間にスプリング8を介在させることによって、正極1と負極2を適度に圧着固定している。電解液は、正極1、セパレーター3及び負極2の間に含浸されている。正極缶4及び負極缶5の間にガスケット6を介在させた状態で、正極缶4及び負極缶5をかしめることによって両者を結合し、上記積層体を密閉状態にしている。
正極活物質としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiNi1−xCo、LiNi1−y−zCoMn、LiNi0.5Mn0.5、LiMnO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;TiO、V等の酸化物;TiS、FeS等の硫化物などが挙げられる。
電池容量・エネルギー密度の観点からリチウムと遷移金属との複合酸化物が好ましい。
上記において、1>x>0、1>y>0、1>z>0、y+z<1である。
正極は、これらの正極活物質を、公知の導電助剤や結着剤と共に加圧成型することにより、又は正極活物質を公知の導電助剤や結着剤と共にピロリドン等の有機溶剤に混合し、ペースト状にしたものをアルミニウム箔等の集電体に塗工後、乾燥することにより得ることができる。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム金属と他金属との合金、リチウムイオンが挿入脱離する材料が使用される。リチウム金属と他金属との合金としてはLi−Al、Li−Sn、Li−Zn、Li−Si等が挙げられる。リチウムイオンが挿入脱離する材料としては、樹脂及びピッチ等を焼成したカーボン材料、これらのカーボン材料にホウ素化合物を添加したカーボン材料、天然黒鉛等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用される。
負極は、これらの負極活物質を、公知の導電助剤及び結着剤と共に加圧成型することにより、又は負極活物質を公知の導電助剤及び結着剤と共にピロリドン等の有機溶剤に混合し、ペースト状にしたものを銅箔等の集電体に塗工後、乾燥することにより得ることができる。
セパレータとしては、電解液が通過しやすく、絶縁体で、化学的に安定な材質である限り特に限定はない。
本発明の電解液は、電気伝導性が高く、非水電解液リチウム二次電池の電解液として好適である。
本発明の電解液を用いた非水電解液リチウム二次電池は、内部抵抗が低減され、安定した充放電特性が得られる。
本発明の非水電解液リチウム二次電池において、電解液にビニレンカーボネートを含んでいることを特徴としている。ビニレンカーボネートを電解質に対して1〜5重量%含むことにより、負極表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)として知られるリチウムイオン選択的透過膜が形成され、常温溶融塩を形成するアンモニウムカチオンの分解やアンモニウムカチオンの負極材料への挿入を抑制できる。該電解液を用いた非水電解液リチウム二次電池は、安定した充放電特性が得られる。
また、常温溶融塩或いはリチウム塩を形成する含フッ素アニオンであるX、Xのうち少なくとも一方に、テトラフルオロボレートを含んでいる電解液を用いた非水電解液リチウム二次電池は、好ましい充放電特性が得られる。その理由は定かではないが、テトラフルオロボレートを含む場合には正極集電体として使用されるアルミニウムの表面に不働態皮膜が形成され、アルミニウムの溶出を抑制できるためではないかと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で作成したリチウム二次電池の断面図である。
【図2】 本発明の実施例で作成したラミネート型リチウム二次電池の概観図である。
【図3】 本発明の実施例で作成したラミネート型リチウム二次電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 多孔質セパレーター
4 正極缶
5 負極缶
6 ガスケット
7 スペーサー
8 スプリング
11 負極端子
12 アルミラミネート
13 正極端子
14 負極シート
15 正極シート
16 セパレーター
17 負極リード線
18 正極リード線
【発明を実施するための最良の形態】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1(N,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシメチルアンモニウムクロライド(DEMMOMC1)の合成)
N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム(試薬:東京化成製)30.0gを120gのトルエンに溶解し、窒素置換した。5℃下クロロメチルメチルエーテル(試薬:東京化成製)31.2gを1時間で滴下した。5℃にて1時間攪拌し、除々に昇温、室温にて10時間攪拌し、反応を終了した。反応液を濾別し、得られた固体を150gのトルエン、150gのアセトンにて洗浄した。減圧乾燥し53.7gの目的物(白色固体)を得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.33(m 6H),2.97(s 3H),3.38(m 4H),3.64(s 3H),4.59(s 2H)
合成例2(N,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(DEMMOMTFSI)の合成)
合成例1で製造したN,N−ジエチル−N−メチル−N−メチルメトキシメチルアンモニウムクロライド15.0gを水85gに溶解し、室温下、リチウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(試薬:Aldrich製)26.9gを添加した。30分攪拌した後、クロロホルムを添加し、抽出した。有機層は50gの水にて15回洗浄した後、減圧濃縮し、乾燥した。無色透明液体の目的物33.4gを得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.32(m 6H),2.95(s 3H),3.35(m 4H),3.63(s 3H),4.55(s 2H)
合成例3(N,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(DEMMOMBF4)の合成)
合成例1で製造したN,N−ジエチル−N−メチル−N−メチルメトキシメチルアンモニウムクロライド30.0gをMeOH30.0gに溶解し、30wt%HBFのメタノール溶液52.4gを添加した。130℃の加熱下、窒素気流中にて、副生する塩化水素と過剰のHBFおよびメタノールを除き目的物38.8gを得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.32(m 6H),2.95(s 3H),3.36(m 4H),3.63(s 3H),4.56(s 2H)
合成例4(N−エチル−N−メトキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(EMOMDMCl)の合成)
エチルジメチルアミン(試薬:東京化成製)47.50gを脱水アセトン(試薬:和光純薬製)300gに溶解し、窒素置換した。5℃下クロロメチルメチルエーテル(試薬:東京化成製を蒸留精製)52.30gを1時間で滴下した。次いで、15℃以下にて5時間攪拌し、反応を終了した。5℃まで冷却し、生成した固体を窒素下濾別した。150gのアセトンにて洗浄した後、減圧乾燥し、85.90gの目的物(白色固体)を得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.36(m 3H),3.04(s 6H),3.41(q 2H),3.68(s 3H),4.63(s 2H)
合成例5(N−エチル−N−メトキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(EMOMDMTFSI)の合成)
合成例4で製造したN−エチル−N−メトキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド15.0gを水85gに溶解し、室温下、リチウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(試薬:Aldrich製)27.0gを添加した。30分攪拌した後、クロロホルムを添加し、抽出した。有機層は50gの水にて15回洗浄した後、減圧濃縮し、乾燥した。無色透明液体の目的物26.9gを得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.34(m 3H),3.00(s 6H),3.38(q 2H),3.66(s 3H),4.56(s 2H)
合成例6(N−エチル−N−メトキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EMOMDMBF4)の合成)
合成例4で製造したN−エチル−N−メトキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド40.0gをMeOH40.0gに溶解し、30wt%HBFのメタノール溶液62.8gを添加した。130℃の加熱下、窒素気流中にて、副生する塩化水素と過剰のHBFおよびメタノールを除き目的物49.7gを得た。
H−NMR(CDOD)δppm:
1.34(m 3H),3.00(s 6H),3.38(q 2H),3.66(s 3H),4.57(s 2H)
電解液の調製
実施例1〜4および比較例1〜3
常温溶融塩としてN,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(DEMMOMTFSI)とN,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(DEMMOMBF4)を用い、リチウム塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルフォニルイミド(LiTFSI)とリチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)を用い、非水溶媒としてビニレンカーボネート(VC、キシダ化学社製)、エチレンカーボネート(EC、キシダ化学社製)とエチルメチルカーボネート(EMC、キシダ化学社製)を用いて表1に記載した割合で配合して本発明の実施例1〜4の非水電解液を調製した。また比較例としてLiTFSI、ECおよびEMCからなる電解液(比較例1、2)、LiPF ECおよびEMCからなる電解液(比較例3)を調製した。
電解液の電気伝導度と電池特性の評価
電気伝導度の測定にはRadiometer社製電気伝導度メーターを使用した。測定セルにはRadiometer社製CDC641Tを使用した。
コイン型非水電解液リチウム二次電池の作成
二次電池の作成は図1に示すようなコイン型非水電解液リチウム二次電池を作成した。図1において、1は正極、2は負極、3は多孔質セパレーター、4は正極缶、5は負極缶、6はガスケット、7はスペーサー、8はスプリングである。
図1に示す非水電解液リチウム二次電池を以下に示す手順で作成した。
負極2の作成:
天然黒鉛と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを9:1の重量比で混合し、これにN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを厚さ22μmの銅箔上に電極塗工用アプリケーターを用いて均一に塗工した。これを120℃で8時間、真空乾燥し、電極打ち抜き機で直径16mmの負極2を得た。
正極1の作成:
LiCoO粉末と導電助剤のアセチレンブラックと結着剤のPVdFを90:5:5の重量比で混合し、この混合物にN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを120℃で8時間、真空乾燥し、電極打ち抜き機で直径16mmの正極1を得た。
正極1を正極缶4の底面に載せ、その上に多孔質セパレーター3を載置した後、実施例1で調製した非水電解液を注入し、ガスケット6を挿入した。その後、セパレーター3の上に負極2、スペーサー7、スプリング8および負極缶5を順々に載置し、コイン形電池かしめ機を使用して、正極缶4の開口部分を内方へ折曲することにより封口し、非水電解液リチウム二次電池を作成した。
実施例2〜4、ならびに比較例1〜3は実施例1の電解液と同様の方法で電気伝導度測定し、実施例1と同様の操作をして非水電解液リチウム二次電池を作成した。
上記の通り作成した電池を下記のように評価した。充電は0.4mAの一定電流でおこない、電圧が4.1Vに到達した時点で4.1Vで1時間定電圧充電した。放電は1.0mAの定電流でおこない、電圧が3Vになるまで放電した。電圧が3Vに到達したら3Vで1時間保持し、以上の充電と放電を合わせて1サイクルとした。
【表1】

実施例5〜12および比較例4〜8
ラミネート型非水電解液リチウム二次電池の作成
図2および3に示すラミネート型リチウム二次電池を以下の通り作成し、本発明のラミネート型非水電解液リチウム二次電池の性能を評価した。
負極シート14の作成:
天然黒鉛と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを93:7の重量比で混合し、これにN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを厚さ14μmの銅箔の両面に電極塗工機を用いて均一に塗工した。ただし、塗工する際には、端部にリード線を溶接するための部分を残した。これを120℃で8時間、真空乾燥して負極シート14を得た。さらに、70mm×70mmの矩形型に切り出し、これに銅線を溶接し負極シート14を得た。
正極シート15の作成:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3粉末と導電助剤(ERACHEM COMILOG社製、Super−P)と結着剤のPVdFを90:5:5の重量比で混合し、これにN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に電極塗工機を用い均一に塗工した。ただし、塗工する際には、端部にリード線を溶接するための部分を残した。これを120℃で8時間、真空乾燥して正極シート15を得た。さらに68mm×68mmの矩形型に切り出し、これにアルミニウム線を溶接し正極シート15を得た。
ラミネート型電池の組み立て
図3にラミネート型非水電解液リチウム二次電池の断面図を示した。
ポリプロピレン製のセパレータを介して、上記で作成した負極シート14(2枚)および正極シート15(1枚)を図3に示す通りに配置して重ね、表2に示す濃度に調製した電解液をそれぞれ含浸させた。これら電解液が含浸された重畳物をアルミラミネートパッキングして実施例5〜12および比較例4〜8のラミネート型非水電解液リチウム二次電池を得た。
電池の内部抵抗、サイクル特性の測定
上記の通りに作成したラミネート型非水電解液リチウム二次電池を25℃に保持した恒温槽に浸漬し、1時間保持した後、内部抵抗の測定を開始した。電池の充放電には北斗電工製充放電装置を使用した。初期放電容量の50%まで充電した後、電流値を75mA、150mA、300mAとした10秒間のパルス充放電をおこなった。このときの10秒後の電圧をそれぞれの電流に対してプロットし、近似直線の傾きを内部抵抗とした。以上のように内部抵抗を測定し、比較例4の内部抵抗を100とした際の、それぞれの電解液を用いた際の内部抵抗の測定結果を表2に示した。
また、内部抵抗の測定と同様に、上記作成したラミネート型非水電解液リチウム二次電池を25℃の恒温槽に浸漬し、1時間保持した後にサイクル特性の測定を開始した。充電は100mAの定電流でおこない、電圧が4.2Vに達した時点で4.2Vの定電圧充電に切り替えた。定電流充電の時間と定電圧充電の時間の合計が2.5時間となるように定電圧充電を終了した。放電は75mAの定電流でおこない、電圧が2.75Vに達した時点で終了とした。以上、充電と放電を合わせて1サイクルとし、2サイクル目以降も同様にした。比較例4の初期容量を100とした際の、それぞれの電解液を用いた際の初期容量および、それぞれの初期容量に対する10サイクル目の放電容量の比を容量維持率として表2に示した。
【表2】

【産業上の利用可能性】
本発明の電解液および非水電解液リチウム二次電池は、安全性に優れ、低温域における電解液の電気伝導性を改善し、安定した充放電特性が得られる。
本発明の電解液および非水電解液リチウム二次電池は、内部抵抗を改善し、安定した充放電特性が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示される脂肪族第4級アンモニウム塩である常温溶融塩、有機溶媒、式(2)で示されるリチウム塩を含有する非水電解液リチウム二次電池用電解液において、該有機溶媒がビニレンカーボネートを電解液に対して1〜5重量%含有することを特徴とする非水電解液リチウム二次電池用電解液。

(R〜Rは、炭素数1〜4の鎖状炭化水素であり、Rは、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基またはイソプロポキシメチル基を示す。X、Xは含フッ素アニオンである。)
【請求項2】
前記含フッ素アニオンX、Xのうち少なくとも一方はテトラフルオロボレートを含む請求の範囲第1項記載の電解液。
【請求項3】
常温溶融塩を電解液に対して1〜15重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
【請求項4】
常温溶融塩を電解液に対して4〜13重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
【請求項5】
常温溶融塩を電解液に対して4〜9重量%含有する請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の電解液。
【請求項6】
正極、負極、セパレーター、非水電解液を備えた非水電解液リチウム二次電池において、前記非水電解液として請求の範囲第1項記載の非水電解液を用いることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池。
【請求項7】
電解液として、請求の範囲第2項の電解液を用いる請求の範囲第6項に記載の二次電池。
【請求項8】
電解液として、請求の範囲第3〜5項のいずれかに記載の電解液を用いる請求の範囲第6項に記載の二次電池。
【請求項9】
負極がリチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料であることを特徴とする請求の範囲6〜8項記載のいずれかに記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【国際公開番号】WO2005/043668
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515219(P2005−515219)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016613
【国際出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(302060306)大塚化学株式会社 (88)
【出願人】(000162847)ステラケミファ株式会社 (81)
【Fターム(参考)】