電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法
【課題】メディアサーバのリソースを確保した上で、メディアパケットをユニキャストにより通信ネットワーク上に配信することが可能とする。
【解決手段】呼毎に、接続対象となるIP電話端末の電話番号と、メディアサーバのサーバ識別情報と、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続情報データベースを設け、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報データベースを参照し(ステップST8b)、この参照結果をもとに同一のコーデックを使用した呼接続の有無を判定し(ステップST8c)、IP電話端末とメディアサーバとの間といった呼間で同一コーデックを使用し、パケット送出間隔が同一または分配サーバで変換可能である場合に、複数のIP電話端末を分配サーバの出力に接続し、分配サーバの入力にメディアサーバを接続し、残りのメディアサーバを解放するようにしている(ステップST8f)。
【解決手段】呼毎に、接続対象となるIP電話端末の電話番号と、メディアサーバのサーバ識別情報と、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続情報データベースを設け、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報データベースを参照し(ステップST8b)、この参照結果をもとに同一のコーデックを使用した呼接続の有無を判定し(ステップST8c)、IP電話端末とメディアサーバとの間といった呼間で同一コーデックを使用し、パケット送出間隔が同一または分配サーバで変換可能である場合に、複数のIP電話端末を分配サーバの出力に接続し、分配サーバの入力にメディアサーバを接続し、残りのメディアサーバを解放するようにしている(ステップST8f)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばIP(Internet Protocol)網に接続される複数の電話端末に対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットをユニキャストで配信する電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)やインターネット等のIP網を介して、双方向に画像や音声をパケットデータとして、リアルタイムに送受信するIP電話システムが普及している。このIP電話システムでは、IP網に呼制御サーバ及び複数のIP電話端末が接続されると共に、呼制御サーバごとにIP電話端末間の通信やIP電話端末と外線との通信を行うことができる。
【0003】
なお、上記IP電話システムでは、通信を行う場合は、呼制御サーバの制御の元で、SIP等のプロトコルを用いて、発呼側と着呼側のIP電話端末間でセッションの確立を行う。一方、セッション確立後に、呼制御サーバによる交換処理を省略するピアツーピア接続により音声通信を行なう。ここで、IP電話端末間同士のピアツーピア接続では、各IP電話端末間で、共通の音声メディアコーデック(例えば、G.711、G.722、G.729など)を用いて、音声パケットのやりとりを行う。
【0004】
ところで、上記IP電話システムでは、保留時、特定の保留音を被保留側に聴取させたり、通話中に何らかのトーンを聴取させたり、会議やページングで1対多、多対多の通話を行う際には、メディアサーバと呼ばれる機器を使い各種サービスを提供している。
【0005】
なお、関連する技術として、保留音を保持する音源サーバにて、保留音パケットをマルチキャストにてゲートウェイに送信し、ゲートウェイが保留音パケットをユニキャストに変換して外線宛に送信する電話システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−147887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、メディアサーバはハードウェア・ソフトウェアいずれでも実現できるが、ハードウェアで実現する場合、音声処理には専用のハードウェアが必要であり、同時変換数は変換回路数に依存するため、多くの呼に同時にサービスを提供しようとした場合コストがかかってしまう。
【0008】
また、ソフトウェアで実現する場合にも、CPUの処理能力により同時変換数には実質的な上限があり、多くの呼に同時にサービスを提供しようとした場合、高性能で高価なCPUを使用したり、メディアサーバソフトが動作する機器を複数にしたりする必要があり、コストがかかってしまう。さらに、メディアサーバの最大使用ポート数は、メディアサーバの設置時に契約で予め決められているため、空きのポートがあっても契約上の上限までしか使用できない。
【0009】
そこで、本発明は、メディアサーバのリソースを確保した上で、メディアパケットをユニキャストにより通信ネットワーク上に配信することが可能で、しかも低コスト化も図り得る電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明に係る電話システムは、通信ネットワークに接続される複数の電話端末と、複数の電話端末間の呼接続を実行する電話交換装置と、電話交換装置からの指示により、映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行する複数のメディアサーバと、メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバとを具備し、電話交換装置は、ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、メディアサーバを特定するサーバIDと、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを作成し記憶する記憶手段と、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0011】
この構成によれば、メディアサーバは必要時にのみ接続されることになるため、少数のメディアサーバやリソースをそれよりも多数の電話端末で使用する場合にその有効利用率を高めることができ、メディアサーバ不足を解消することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メディアサーバのリソースを確保した上で、メディアパケットをユニキャストにより通信ネットワーク上に配信することが可能で、しかも低コスト化も図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる電話システムを示す概略構成図。
【図2】同第1の実施形態に係わるIP電話装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】上記図2に示した接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図4】上記図1に示したメディアサーバの機能構成を示すブロック図。
【図5】上記図1に示した分配サーバの機能構成を示すブロック図。
【図6】同第1の実施形態において、IP電話端末間の通話中にIP電話端末の通信相手先をメディアサーバに切り替える際の信号シーケンスの例を示す図。
【図7】通常の保留音送出状態を示す図。
【図8】同第1の実施形態におけるIP電話装置の呼制御部の制御処理手順を示すフローチャート。
【図9】同第1の実施形態において、分配サーバ経由に接続し直した保留音送出状態を示す図。
【図10】同第1の実施形態において、再接続後の接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図11】同第1の実施形態において、再接続後の分配サーバ接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図12】本発明の第2の実施形態において、通常のページング接続状態を示す図。
【図13】本発明の第2の実施形態において、接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態において、メディアサーバ聴取情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図15】同第2の実施形態において、分配サーバ経由に接続し直したページング接続状態を示す図。
【図16】同第2の実施形態において、再接続後の接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図17】同第2の実施形態において、再接続後の分配サーバ接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図18】同第2の実施形態において、再接続後のメディアサーバ聴取情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図19】本発明の第1の実施形態の変形例において、分配サーバ経由に接続し直した保留音送出状態を示す図。
【図20】本発明の第2の実施形態の変形例において、分配サーバ経由に接続し直したページング接続状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる電話システムを示す概略構成図である。
【0015】
このシステムは、IP(Internet Protocol)網INWを有する。IP網INWには、電話交換装置としての呼制御サーバ1、複数のメディアサーバ2−1〜2−m(mは自然数)、複数のIP電話端末T11〜T1i(iは自然数)、複数の分配サーバ3−1〜3−n(nは自然数)が接続されている。なお、IP電話端末T11〜T1iは、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えている。
【0016】
上記呼制御サーバ1は、複数のIP電話端末T11〜T1i間またはメディアサーバ2−1〜2−m間または分配サーバ3−1〜3−n間で、例えば、SIP、Megaco、H.323等の所定のプロトコルに従ってセッションを確立する交換制御機能を備える。
【0017】
そして、確立されたセッションにより確立後は、発信側と着信側のIP電話端末間でピアツーピア接続でRTPパケットを送受信することで、音声通信を行なう。さらに、IP電話端末T11〜T1i間の通話で保留が行われた時に、映像や音声等をIP電話端末T11〜T1iに送信するため、メディアサーバ2−1〜2−mに記録された映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むRTPパケット(メディアパケット)を複数のIP電話端末T11〜T1iに対しマルチキャストまたはユニキャストで配信するようにメディアサーバ2−1〜2−mに対して要求する機能とを備えている。
【0018】
マルチキャストで配信を行うシステムは、端末毎にユニキャストで配信を行うシステムに比べてメディアサーバ2−1〜2−mが配信するストリームを少なくできるため、効率的に同じメディアパケットを複数のIP電話端末T11〜T1iへ配信できる。しかし、マルチキャストは同一のネットワーク内か、ルータを介した環境であれば、ネットワーク内の機器が全てマルチキャストに対応されている必要があり、マルチキャストが使用できる環境が限られる。
【0019】
本実施形態では、ユニキャストでRTPパケット(メディアパケット)を複数のIP電話端末T11〜T1iに対し配信するものとする。
【0020】
また、IP網INWには、ゲートウェイGWが接続されている。このゲートウェイGWは、IP網INWとアナログ電話網等の公衆網NWとの間を接続するもので、IP網INWと公衆網NWとの間における通信プロトコル及び信号フォーマットの変換機能とを備えている。公衆網NWには、標準電話機等の電話端末T21が接続される。
【0021】
ところで、上記呼制御サーバ1は、この発明に係わる機能として次のような機能を有している。図2はその構成を示すブロック図である。
【0022】
すなわち、呼制御サーバ1は、IP制御部11と、IPパケット中継部12と、呼制御部13と、記憶部14とを備えている。これらIP制御部11と、IPパケット中継部12と、呼制御部13と、記憶部14は、データハイウェイ15を介して互いに接続されている。
【0023】
IP制御部11には、IP網INWが必要に応じて接続される。IP制御部11は、接続されたIP網INWとの間でインタフェース処理を行う。また、IP制御部11は、上記インタフェース処理に係わる種々の制御情報の授受を、データハイウェイ15を介して呼制御部13との間で行う。
【0024】
IPパケット中継部12には、音声ゲートウェイ部16が接続される。IPパケット中継部12は、IP制御部11で受信した制御パケット及び音声パケットを処理するもので、パケットをPCM信号に変換して音声ゲートウェイ部16に出力し、音声ゲートウェイ部16からのPCM信号をパケットに変換してIP制御部11に出力する。
【0025】
呼制御部13は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、ソフトウェア処理により呼制御サーバ1の各部の制御を行う。
【0026】
記憶部14は、呼制御部13の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。
【0027】
ところで、記憶部14には、接続管理テーブルとしての接続情報データベース141と、メディアサーバ聴取情報データベース142と、分配サーバ接続情報データベース143とが設けられている。接続情報データベース141には、図3に示すように、呼毎に、接続されるIP電話端末T11〜T1iを特定する端末IDとしての電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mを特定するサーバIDとしてのサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータが記憶されている。ここで、コーデックを表す情報は、エンコーディング名・クロックレート・オーディオチャネル数・エンコーディングパラメータを識別できる情報である。
【0028】
メディアサーバ聴取情報データベース142には、音源となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、聴取者となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0029】
分配サーバ接続情報データベース143には、分配サーバ3−1〜3−nの識別情報と、分配サーバ3−1〜3−nの入力端子に接続されるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、分配サーバ3−1〜3−nの入力端子に接続されるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0030】
一方、呼制御部13は、この発明に係る機能として、登録制御部131と、接続構成判定部132と、接続制御部133と、更新制御部134とを備えている。登録制御部131は、例えばIP電話端末T11とメディアサーバ2−1との間で呼接続が確立した場合に、IP電話端末T11の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途とを接続情報データベース141に登録する。
【0031】
接続構成判定部132は、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報データベース141を参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデックを使用した呼接続の有無の判定を行う。
【0032】
接続制御部133は、上記接続構成判定部132による判定結果に基づいて、例えばIP電話端末T11(端末1)−メディアサーバ2−1(メディアサーバ1)と、IP電話端末T14(端末4)−メディアサーバ2−4(メディアサーバ4)との間で、同じコーデックを使用し、さらにパケット送出間隔が同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能で聴取音が同じであると判定した場合に、IP電話端末T11,T14を例えば分配サーバ3−1を経由させてメディアサーバ2−1と動的に呼接続させるようにIP電話端末T11,T14及びメディアサーバ2−1及び分配サーバ3−1を制御する。そして、呼接続の変更制御後に、不要となったメディアサーバ2−4を解放する。
【0033】
更新制御部134は、IP電話端末T11,T14とメディアサーバ2−1と分配サーバ3−1との呼接続が確立すると、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143それぞれの記憶内容を更新する。
【0034】
図4は、上記メディアサーバ2−1〜2−mの機能構成を示すブロック図である。ここでは、メディアサーバ2−1を代表して説明する。
すなわち、メディアサーバ2−1は、IP網インタフェース部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。このうち、IP網インタフェース部21は、IP網INWとの間でインタフェース処理を行うものである。
【0035】
記憶部23は、上記制御部22の接続制御に必要なルーティング情報等を格納するとともに、ユニキャストパケットを受信する分配サーバ3−1〜3−nのIPアドレス及びポート情報を格納する。
【0036】
一方、制御部22は、ユニキャストパケットデコーダ221と、パケット処理部222と、ユニキャストパケットエンコーダ223とを備えている。ユニキャストパケットデコーダ221は、入力されたユニキャストのRTPパケットを音声情報または画像情報にデコードする。
【0037】
パケット処理部222は、トーン・保留音の生成、音声情報または画像情報の合成、パケット送出間隔の変更、メディア変換等のパケット処理を行う。
【0038】
ユニキャストパケットエンコーダ223は、上記パケット処理部222でパケット処理がなされた音声情報または画像情報をRTPパケットにエンコードして宛先へ送出する。
【0039】
図5は、上記分配サーバ3−1〜3−nの機能構成を示すブロック図である。ここでは、分配サーバ3−1を代表して説明する。
すなわち、分配サーバ3−1は、IP網インタフェース部31と、制御部32と、記憶部33とを備えている。このうち、IP網インタフェース部31は、IP網INWとの間でインタフェース処理を行うものである。
【0040】
記憶部33は、上記制御部32の接続制御に必要なルーティング情報等を格納するとともに、ユニキャストパケットを受信するIP電話端末T11〜T1iのIPアドレス及びポート情報を格納する。
【0041】
一方、制御部32は、情報書替部321と、パケット送出部322とを備えている。情報書替部321は、例えばメディアサーバ2−1から受信したRTPパケットのヘッダ部の情報を分配サーバ3−1に接続されるIP電話端末T11,T14で処理可能な情報に書き替える。例えば、RTPパケットのヘッダ部に重畳された分配サーバ3−1のIPアドレス及びポート情報をIP電話端末T11,T14のIPアドレス及びポート情報に書き替える。
【0042】
パケット送出部322は、RTPパケットのペイロード部を分割して記憶部33に蓄積する。また、必要に応じて、記憶部33に蓄積されたペイロード部を結合して送出する。
【0043】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
図6は、IP電話端末T11とIP電話端末T16との通話中にIP電話端末T11の通信相手先をIP電話端末T16からメディアサーバ2−1に切り替える際の信号シーケンスの例である。
【0044】
いま、例えば図6に示すようにIP電話端末T11,T16間で内線音声通信が行なわれているものとする。
この状態で、IP電話端末T16においてユーザが、自電話端末から保留操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T16から「保留要求」がIP網INWを介して呼制御サーバ1に送られる(図6(1))。「保留要求」を受け取ると呼制御サーバ1は、IP電話端末T16に対し「保留受付」を送る(図6(2))。
【0045】
ほぼ同時に、呼制御サーバ1は、接続情報データベース141を参照して空きのメディアサーバがあるか否かを判断し、空きのメディアサーバ2−1に対し「ユニキャスト要求」を送る(図6(4))。「ユニキャスト要求」を受け取るとメディアサーバ2−1は、呼制御サーバ1に対し「ユニキャスト受付」を送る(図6(5))。
【0046】
そして、呼制御サーバ1は、IP電話端末T11とIP電話端末T16との間の通信状態を保留状態に切り替える。そして、通信相手のIP電話端末T11に「ストリーム配信開始」を送信する(図6(6))。
【0047】
「ストリーム配信開始通知」には、接続先情報として、メディアサーバ2−1がユニキャスト配信を行っているユニキャストストリームのアドレス情報が含まれている。この通知を受け、IP電話端末T11では、メディアサーバ2−1から送信される保留音パケットを受信できるように切り替える(図6(7))。
【0048】
かくして、IP電話端末T11の通信先がこれまでの通信相手のIP電話端末T16からメディアサーバ2−1に切り替わり、以後IP電話端末T11のユーザはメディアサーバ2−1から送信される単音または複数音からなる保留音を聴取することが可能となる。
【0049】
図7は、通常の保留音送出状態を示す図である。すなわち、IP電話端末T11はメディアサーバ2−1と1対1で接続され、メディアサーバ2−1から送信される保留音を受信しているものとする。また、IP電話端末T12はメディアサーバ2−2と1対1で接続され、メディアサーバ2−2から送信される保留音を受信しているものとする。また、IP電話端末T13はメディアサーバ2−3と1対1で接続され、メディアサーバ2−3から送信される保留音を受信しているものとする。さらに、IP電話端末T14はメディアサーバ2−4と1対1で接続され、メディアサーバ2−4から送信される保留音を受信しているものとする。
【0050】
一方、呼制御サーバ1の呼制御部13は、図8に示す制御処理手順を実行する。まず、呼制御サーバ1の呼制御部13はステップST8aからステップST8bに移行してここで接続情報データベース141を参照し、この参照結果をもとに同じコーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いているIP電話端末T11〜T14をリストアップしグループ化する(ステップST8c)。そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は同じコーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いているIP電話端末T11〜T14に対し、分配サーバ3−1〜3−nを使用可能か否かの判定を行なう(ステップST8d)。
【0051】
ここでは、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持たない場合の例を考えると、IP電話端末T11(端末1)とIP電話端末T14(端末4)が同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音1を聴取していることがわかる。
【0052】
そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は、IP電話端末T11(端末1)及びIP電話端末T14(端末4)に対し分配サーバ3−1を捕捉する(ステップST8e)。捕捉する分配サーバ3−1は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上で分配サーバ3−1〜3−nが提供されている場合、負荷が一番少ない機器上で動作している分配サーバを使用するという方法も考えられる。
【0053】
続いて、呼制御サーバ1の呼制御部13は、ステップST8eからステップST8fに移行してここで分配サーバ3−1の出力側に、グループ内のIP電話端末T11,T14を接続する。分配サーバ3−1の入力側に、グループ内の端末が使用しているメディアサーバのうちいずれか一つを接続する。入力側に接続するメディアサーバ(残すメディアサーバ)は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上でメディアサーバが提供されている場合、分配サーバと同一の機器上で動作しているメディアサーバがあればそれを残したり、負荷が一番少ない機器上で動作しているメディアサーバを残すという方法も考えられる。
【0054】
ここでは、図9に示すように、IP電話端末T11とIP電話端末T14が分配サーバ3−1の出力側に接続され、IP電話端末T11が使用していたメディアサーバ2−1が分配サーバ3−1の入力側に接続されることとした。これにより、IP電話端末T14が使用していたメディアサーバ2−2は解放され他の用途に使用できる。本操作は、同じコーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聴いているIP電話端末をリストアップしたグループ全てに対して行われる。なお、必要とした数のメディアサーバ3−2〜3−nが解放された時点でこの処理を中断しても良い。
【0055】
以後、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143の登録情報を更新する(ステップST8g)。
【0056】
すると、呼制御サーバ1の接続情報データベース141の記憶内容は、図10に示すように、接続されるIP電話端末T11,T14の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータとなる。
【0057】
一方、呼制御サーバ1の分配サーバ接続情報データベース143の記憶内容は、図11に示すように、接続されるIP電話端末T11,T14の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1のサーバ識別情報との対応関係を表すデータとなる。
【0058】
以上のように上記第1の実施形態では、呼制御サーバ1において、ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるときに、呼毎に、接続対象となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号と、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、パケット送出間隔とを対応付けた接続情報データベース141を記憶部13に設けておき、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報判定部122にて接続情報データベース141を参照して同一のコーデックを使用した呼接続の有無を判定し、接続制御部133にてIP電話端末T11とメディアサーバ2−1との間、IP電話端末T14とメディアサーバ2−4との間で同一コーデックを使用し、パケット送出間隔が同一または分配サーバ3−1〜3−nで変換可能である場合に、IP電話端末T11,T14を分配サーバ3−1の出力端子に接続し、分配サーバ3−1の入力端子にメディアサーバ2−1を接続し、メディアサーバ2−4を解放するようにしている。
【0059】
従って、ユニキャストパケット配信時においてメディアサーバ2−1〜2−mは必要時にのみ接続されることになるため、少数のメディアサーバ2−1〜2−mやリソースをそれよりも多数のIP電話端末T11〜T1iで使用する場合にその有効利用率を高めることができ、これによりユニキャストでの接続を維持しつつ、メディアサーバ不足を解消することができる。また、空きのメディアサーバを作ることができるので、ユニキャストで提供するサービスの追加に容易に対応することができる。
【0060】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャストパケット配信を実行する場合に、ユニキャストパケットの処理をメディアサーバ2−1〜2−mに頼らずに分配サーバ3−1〜3−nで分担して実行することが可能となる。
【0061】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャストパケット配信に際し、RTPパケットをそのままメディアサーバ2−1〜2−mから分配サーバ3−1〜3−nへ転送するようにしている。このため、メディアサーバ2−1〜2−mの処理負担を軽減できるとともに、分配サーバ3−1〜3−nはRTPパケットのヘッダ部の情報を電話端末で処理可能な情報に書き替えるだけでよく、また、より効率的なメディアサーバ2−1〜2−mの使用を行う場合でも、ヘッダ部の書き換えに加え、ペイロードの単純な分割・蓄積とメディアパケットの分割・結合送出を行うだけでよいため、安価な分配サーバを使用することができ、システム全体の低コスト化を図ることができる。
【0062】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャスト(図7)で既にメディアサーバ2−1に接続された状態から、分配サーバ3−1を用いた図9の状態へ接続変更する例について説明したが、これに限らない。
【0063】
保留音を接続しようとした際に、最初から分配サーバ3−1を用いて、図9に示すように、IP電話端末T11,T14をメディアサーバ2−1に接続するようにしてもよい。この場合、接続しようとした保留音と同一コーデック・同一または分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で、同じ保留音を聞いている端末をリストアップしグループ化し、そのグループに対して、上記ステップST8d乃至ステップST8gの処理を実行する(既に分配サーバ3−1が捕捉できているのであれば、分配サーバ3−1の出力側に保留音を聴取しようとした端末を接続するのみとする)ことにより、使用するメディアサーバ2−1〜2−mを最低限に抑えることが可能となる。さらに、接続変更を行うときに一時切断の発生を防止することができる。
【0064】
(第1の実施形態の変形例)
また、上記第1の実施形態では、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持たない場合の例について説明したが、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持つ場合であっても適用できる。以下、図19を用いて、分配サーバにパケット送出間隔の変換機能を持つ場合の実施形態を説明する。ここでは、分配サーバ3−1に40ms→20msの変換機能(パケット分割送出機能)がある場合を例として説明する。
【0065】
図19において、IP電話端末T11(端末1)、電話端末T12(端末2)及びIP電話端末T14(端末4)が聴取している保留音1は、同一コーデック(G711)を使用している。一方、パケット送出間隔は、端末1と端末4は20msであるのに対し、端末2は40msとなっている。この場合、コーディクは同一でパケットの送信間隔が異なるだけであるため、分配サーバ3−1の40ms→20msの変換機能(パケット分割送出機能)を使用することで、分配サーバ3−1で変換が可能となる。
【0066】
このため、図7の状態から、図19のように、分配サーバ3−1の入力側にメディアサーバ2−2を接続し、分配サーバ3−1の出力側にIP電話端末T11、IP電話端末T12及びIP電話端末T14を接続するように切替える。このため、メディアサーバ2−1及び2−4は解放され他の用途に使用できる。
【0067】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、ページングに適用した場合の例である。
【0068】
図12は、上記第2の実施形態において、通常のページング接続状態を示すものである。
【0069】
図12において、例えばIP電話端末T11のユーザがIP電話端末T12〜T15を指定したページンググループへの各端末のユーザを直接音声で呼び出す音声ページング操作を開始したとする。この場合、ユーザは、IP電話端末T11において、ページング発信特番とページンググループの番号(=1)をダイヤルする。そうすると、IP電話端末T11は、ページング要求のダイヤル列を、呼制御サーバ1へ送信する。
【0070】
呼制御サーバ1は、ページングにより送信する音声の変換を行うためのリソースとして、メディアサーバ2−1〜2−5を選択し、ページングが実行できる場合に、IP電話端末T11へ応答信号を送信する。
【0071】
かくして、IP電話端末T11のユーザは、IP電話端末T12〜T15それぞれのユーザに伝える旨のメッセージをメディアサーバ2−1〜2−5を介して送ることができる。この状態において、呼制御サーバ1の接続情報データベース141の記憶内容を図13に示す。また、呼制御サーバ1のメディアサーバ聴取情報データベース142の記憶内容は図14に示す内容となる。なお、図14において、聴取者はIP電話端末T11〜T15(端末1〜端末5)を示し、音源はメディアサーバ2−1〜2−5を示している。
【0072】
一方、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141を参照し、この参照結果をもとに同じIP電話端末T11からの音声を聞いているIP電話端末T12〜T15をリストアップし、同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔毎にグループ化する。ここでは、IP電話端末T13とIP電話端末T14がIP電話端末T11の音声をG.711 μ-law, 20msで聴取しており、IP電話端末T12とIP電話端末T15がメディアサーバ2−1,2−5で変換されたIP電話端末T11の音声をG.711 μ-law 40msで聴取している。また、分配サーバ3−1〜3−nはパケット送出間隔の変換はできないものとする。
【0073】
そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は、ページングの発側端末つまりIP電話端末T11と同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1で変換可能なパケット送出間隔で受話している端末グループがあれば、そのグループに対して以下を行う。
【0074】
(1a)グループの話者数が1者であれば、ページングの発側と着側を直接接続しメディアサーバを解放する。
【0075】
(1b)グループの話者数が複数であれば、分配サーバを捕捉する。捕捉する分配サーバは、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上で分配サーバが提供されている場合、負荷が一番少ない機器上で動作している分配サーバを使用するという方法も考えられる。
【0076】
(1c)分配サーバの出力側に、グループ内の端末を接続する。
【0077】
(1d)分配サーバの入力側に、ページングの発側を接続する。
【0078】
(1e)分配サーバに接続された端末が使用していたメディアサーバを解放する。
【0079】
ここで、図15は、分配サーバ3−1,3−2経由に接続し直したページング接続状態を示す図である。
図15の例では、分配サーバ3−1が捕捉され、分配サーバ3−1の入力端子にIP電話端末T11が接続され、出力端子にIP電話端末T13とIP電話端末T14が接続される。
【0080】
一方、送話側の端末と異なるコーデック・分配サーバ3−1〜3−nで変換不可能なパケット送出間隔で受話している端末グループがあれば、そのグループに対して以下を行う。
【0081】
(グループの話者数が1者)
(2a)ページングの発側がページング発側に対応するメディアサーバの入力になっていれば、ページングの発側をページング着側端末が接続されているメディアサーバの入力とし、ページング発側に対応するディアサーバを解放する。
【0082】
(2b)ページングの発側が分配サーバに接続されていれば、その分配サーバの出力を着信端末が接続されているメディアサーバの入力とする。
【0083】
(2c)ページングの発側が他のメディアサーバの入力となっている場合、あるいはページング発側と着側が直接接続されている場合は、新たに分配サーバを捕捉し、分配サーバの出力を、今回接続しようとしたメディアサーバの入力とするとともに、既にページング発側が入力となっている他のメディアサーバの入力とし(ページング発側と着側が直接接続されている場合は分配サーバの出力と着側端末を接続する)、分配サーバの入力側に、ページングの発側を接続する。
【0084】
(グループの話者数が複数)
(3a)分配サーバを捕捉する。
(3b)分配サーバの出力側に、グループ内の端末を接続する。
【0085】
(3c)分配サーバの入力側に、グループ内の端末が使用しているメディアサーバのうちいずれか一つの出力側を接続する。入力側に接続するメディアサーバ(残すメディアサーバ)は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上でメディアサーバが提供されている場合、分配サーバと同一の機器上で動作しているメディアサーバがあればそれを残したり、負荷が一番少ない機器上で動作しているメディアサーバを残すという方法も考えられる。
【0086】
(3d)グループ内の端末が使用しているメディアサーバ以外のメディアサーバを解放する。
【0087】
図15の例では、ページング発側のIP電話端末T11とコーディクが同じでパケットの送信間隔が異なるIP電話端末T12とIP電話端末T15は、メディアサーバ2−2での変換が必要となるため、メディアサーバ2−2の出力側に接続された分配サーバ3−2の出力端子に接続され、分配サーバ3−2の入力端子にメディアサーバ2−2が接続される。一方、ページング発側のIP電話端末T11とコーディクもパケットの送信間隔も同じIP電話端末T13とIP電話端末T14については、分配サーバ3−2の入力端子に接続される分配サーバ3−1の出力がメディアサーバ2−2の入力となる。
【0088】
これにより、IP電話端末T11が使用していたメディアサーバ2−1は解放され、IP電話端末T13〜T14が使用していたメディアサーバ2−3〜2−5は解放され他の用途に使用できる。本操作は、同じコーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いている端末をリストアップしたグループ全てに対して行われる。なお、必要とした数のメディアサーバが解放された時点でこの処理を中断しても良い。
【0089】
以後、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143の登録情報を更新する。
【0090】
すると、接続情報データベース141の記憶内容は、図16に示すように、接続されるIP電話端末T11〜T15の電話番号、メディアサーバ2−2のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1、3−2のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータとなる。
【0091】
一方、分配サーバ接続情報データベース143の記憶内容は、図17に示すように、接続されるIP電話端末T12〜T15の電話番号、メディアサーバ2−2のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1,3−2のサーバ識別情報との対応関係を表すデータとなる。
【0092】
さらに、メディアサーバ聴取情報データベース142の記憶内容は、図18に示すようになる。
【0093】
上記は既にメディアサーバに接続されている場合の例であるが、ページング着側端末をメディアサーバに接続しようとした際に、以下のような手順を実行する。
【0094】
(4a)ページング発側話者と同一コーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔を使用している端末を接続する場合は上記(2a)〜(2c)を行う(既に分配サーバが捕捉できているのであれば、単に分配サーバの出力側にページング着側端末を接続する)。
【0095】
(4b)ページング発側話者と異なるコーデック・分配サーバで変換不可能なパケット送出間隔を使用している端末を接続する場合は上記(3a)〜(3d)を実行する(既に分配サーバが捕捉できているのであれば、単に分配サーバの出力側にページング着側端末を接続する)という処理にすることにより、使用するメディアサーバを最低限に抑えたページング構成とすることが可能となる。
【0096】
また、この例で捕捉ごとに分配サーバ3−1〜3−nを分けているが、分配サーバの入力を複数にすることを可能とし、同一の分配サーバで管理しても良い。この場合、入力1、出力1−1、1−2・・・、入力2・出力2−1というように管理する。
【0097】
以上のように上記第2の実施形態であっても、上記第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。さらに使用するコーデックが同一であっても、メディアサーバ2−1〜2−mからIP電話端末T11〜T1iへのRTPパケットの送出間隔が分配サーバ3−1〜3−nで変換できない場合に、RTPパケットの送出間隔ごとに経由する分配サーバ3−1〜3−nを異ならせることができる。これによりIP電話端末のタイプ等に応じて最適な呼接続に切り替えることができる。また、ページングを行う場合に、例えばメディアサーバ2−1を使用しなくて済む場合には、分配サーバ3−1を用いてメディアサーバ2−1をバイパスすることができ、これによりメディアサーバの不要な使用を防止してメディアサーバ及びリソースの有効利用率を高めることができる。
【0098】
さらに、上記第2の実施形態では、図12の状態から図15の状態へ接続変更する例について説明したが、IP電話端末T11〜T15で使用されるコーデックや送出間隔が分かっていれば、最初から分配サーバ3−1,3−2を用いて、図15に示すように、ページング着側となるIP電話端末T12〜T15をページング発側となるIP電話端末T11に接続するようにしてもよい。
【0099】
(第2の実施形態の変形例)
また、上記第2の実施形態では、分配サーバ3−1〜3−nはパケット送出間隔の変換はできない例について説明した。しかしこれに限ることなく、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持つ場合であっても適用できる。以下、図20を用いて、パケット送出間隔の変換機能を持つ場合の実施形態を説明する。
【0100】
分配サーバ3−1に20ms→40msの変換機能(ペイロード蓄積・パケット結合送出機能)がある場合、IP電話端末T12(端末2)〜IP電話端末T15(端末5)は同一コーデック・分配サーバ3−1で変換可能なパケット送出間隔で同じIP電話端末T11の音声を聴取している。このため、図20に示すように、分配サーバ3−1の入力側にIP電話端末T11を接続し、分配サーバ3−1の出力側にIP電話端末T12〜IP電話端末T15を接続する。そして、メディアサーバ2−1〜2−5は解放され他の用途に使用できる。
【0101】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば上記各実施形態では、メデイアサーバから配信されるメディアパケットとしてRFC3550で規定されているRTPパケットを例に説明したが、音声情報がペイロード化されヘッダと別になっている構造のメディアパケットであれば本発明を適用できる。
【0102】
その他、システム構成、IP電話装置の構成、メディアサーバの機能構成、分配サーバの機能構成、配信するメディアファイルの種類、接続情報データベースの記憶内容、IP電話端末をメディアサーバに対し分配サーバ経由で接続し直す制御手順等についてもこの発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0103】
1…呼制御サーバ、2−1〜2−m…メディアサーバ、3−1〜3−n…分配サーバ、11…IP制御部、12…IPパケット中継部、13…呼制御部、14…記憶部、15…データハイウェイ、16…音声ゲートウェイ部、131…登録制御部、132…接続構成判定部、133…接続制御部、134…更新制御部、141…接続情報データベース、142…メディアサーバ聴取情報データベース、143…分配サーバ接続情報データベース、21,31…IP網インタフェース部、22,32…制御部、23,33…記憶部、321…情報書替部、322…パケット送出部、T11〜T1i…IP電話端末、INW…IP網。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばIP(Internet Protocol)網に接続される複数の電話端末に対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットをユニキャストで配信する電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)やインターネット等のIP網を介して、双方向に画像や音声をパケットデータとして、リアルタイムに送受信するIP電話システムが普及している。このIP電話システムでは、IP網に呼制御サーバ及び複数のIP電話端末が接続されると共に、呼制御サーバごとにIP電話端末間の通信やIP電話端末と外線との通信を行うことができる。
【0003】
なお、上記IP電話システムでは、通信を行う場合は、呼制御サーバの制御の元で、SIP等のプロトコルを用いて、発呼側と着呼側のIP電話端末間でセッションの確立を行う。一方、セッション確立後に、呼制御サーバによる交換処理を省略するピアツーピア接続により音声通信を行なう。ここで、IP電話端末間同士のピアツーピア接続では、各IP電話端末間で、共通の音声メディアコーデック(例えば、G.711、G.722、G.729など)を用いて、音声パケットのやりとりを行う。
【0004】
ところで、上記IP電話システムでは、保留時、特定の保留音を被保留側に聴取させたり、通話中に何らかのトーンを聴取させたり、会議やページングで1対多、多対多の通話を行う際には、メディアサーバと呼ばれる機器を使い各種サービスを提供している。
【0005】
なお、関連する技術として、保留音を保持する音源サーバにて、保留音パケットをマルチキャストにてゲートウェイに送信し、ゲートウェイが保留音パケットをユニキャストに変換して外線宛に送信する電話システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−147887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、メディアサーバはハードウェア・ソフトウェアいずれでも実現できるが、ハードウェアで実現する場合、音声処理には専用のハードウェアが必要であり、同時変換数は変換回路数に依存するため、多くの呼に同時にサービスを提供しようとした場合コストがかかってしまう。
【0008】
また、ソフトウェアで実現する場合にも、CPUの処理能力により同時変換数には実質的な上限があり、多くの呼に同時にサービスを提供しようとした場合、高性能で高価なCPUを使用したり、メディアサーバソフトが動作する機器を複数にしたりする必要があり、コストがかかってしまう。さらに、メディアサーバの最大使用ポート数は、メディアサーバの設置時に契約で予め決められているため、空きのポートがあっても契約上の上限までしか使用できない。
【0009】
そこで、本発明は、メディアサーバのリソースを確保した上で、メディアパケットをユニキャストにより通信ネットワーク上に配信することが可能で、しかも低コスト化も図り得る電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明に係る電話システムは、通信ネットワークに接続される複数の電話端末と、複数の電話端末間の呼接続を実行する電話交換装置と、電話交換装置からの指示により、映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行する複数のメディアサーバと、メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバとを具備し、電話交換装置は、ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、メディアサーバを特定するサーバIDと、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを作成し記憶する記憶手段と、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0011】
この構成によれば、メディアサーバは必要時にのみ接続されることになるため、少数のメディアサーバやリソースをそれよりも多数の電話端末で使用する場合にその有効利用率を高めることができ、メディアサーバ不足を解消することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メディアサーバのリソースを確保した上で、メディアパケットをユニキャストにより通信ネットワーク上に配信することが可能で、しかも低コスト化も図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる電話システムを示す概略構成図。
【図2】同第1の実施形態に係わるIP電話装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】上記図2に示した接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図4】上記図1に示したメディアサーバの機能構成を示すブロック図。
【図5】上記図1に示した分配サーバの機能構成を示すブロック図。
【図6】同第1の実施形態において、IP電話端末間の通話中にIP電話端末の通信相手先をメディアサーバに切り替える際の信号シーケンスの例を示す図。
【図7】通常の保留音送出状態を示す図。
【図8】同第1の実施形態におけるIP電話装置の呼制御部の制御処理手順を示すフローチャート。
【図9】同第1の実施形態において、分配サーバ経由に接続し直した保留音送出状態を示す図。
【図10】同第1の実施形態において、再接続後の接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図11】同第1の実施形態において、再接続後の分配サーバ接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図12】本発明の第2の実施形態において、通常のページング接続状態を示す図。
【図13】本発明の第2の実施形態において、接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態において、メディアサーバ聴取情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図15】同第2の実施形態において、分配サーバ経由に接続し直したページング接続状態を示す図。
【図16】同第2の実施形態において、再接続後の接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図17】同第2の実施形態において、再接続後の分配サーバ接続情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図18】同第2の実施形態において、再接続後のメディアサーバ聴取情報データベースの記憶内容の一例を示す図。
【図19】本発明の第1の実施形態の変形例において、分配サーバ経由に接続し直した保留音送出状態を示す図。
【図20】本発明の第2の実施形態の変形例において、分配サーバ経由に接続し直したページング接続状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる電話システムを示す概略構成図である。
【0015】
このシステムは、IP(Internet Protocol)網INWを有する。IP網INWには、電話交換装置としての呼制御サーバ1、複数のメディアサーバ2−1〜2−m(mは自然数)、複数のIP電話端末T11〜T1i(iは自然数)、複数の分配サーバ3−1〜3−n(nは自然数)が接続されている。なお、IP電話端末T11〜T1iは、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えている。
【0016】
上記呼制御サーバ1は、複数のIP電話端末T11〜T1i間またはメディアサーバ2−1〜2−m間または分配サーバ3−1〜3−n間で、例えば、SIP、Megaco、H.323等の所定のプロトコルに従ってセッションを確立する交換制御機能を備える。
【0017】
そして、確立されたセッションにより確立後は、発信側と着信側のIP電話端末間でピアツーピア接続でRTPパケットを送受信することで、音声通信を行なう。さらに、IP電話端末T11〜T1i間の通話で保留が行われた時に、映像や音声等をIP電話端末T11〜T1iに送信するため、メディアサーバ2−1〜2−mに記録された映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むRTPパケット(メディアパケット)を複数のIP電話端末T11〜T1iに対しマルチキャストまたはユニキャストで配信するようにメディアサーバ2−1〜2−mに対して要求する機能とを備えている。
【0018】
マルチキャストで配信を行うシステムは、端末毎にユニキャストで配信を行うシステムに比べてメディアサーバ2−1〜2−mが配信するストリームを少なくできるため、効率的に同じメディアパケットを複数のIP電話端末T11〜T1iへ配信できる。しかし、マルチキャストは同一のネットワーク内か、ルータを介した環境であれば、ネットワーク内の機器が全てマルチキャストに対応されている必要があり、マルチキャストが使用できる環境が限られる。
【0019】
本実施形態では、ユニキャストでRTPパケット(メディアパケット)を複数のIP電話端末T11〜T1iに対し配信するものとする。
【0020】
また、IP網INWには、ゲートウェイGWが接続されている。このゲートウェイGWは、IP網INWとアナログ電話網等の公衆網NWとの間を接続するもので、IP網INWと公衆網NWとの間における通信プロトコル及び信号フォーマットの変換機能とを備えている。公衆網NWには、標準電話機等の電話端末T21が接続される。
【0021】
ところで、上記呼制御サーバ1は、この発明に係わる機能として次のような機能を有している。図2はその構成を示すブロック図である。
【0022】
すなわち、呼制御サーバ1は、IP制御部11と、IPパケット中継部12と、呼制御部13と、記憶部14とを備えている。これらIP制御部11と、IPパケット中継部12と、呼制御部13と、記憶部14は、データハイウェイ15を介して互いに接続されている。
【0023】
IP制御部11には、IP網INWが必要に応じて接続される。IP制御部11は、接続されたIP網INWとの間でインタフェース処理を行う。また、IP制御部11は、上記インタフェース処理に係わる種々の制御情報の授受を、データハイウェイ15を介して呼制御部13との間で行う。
【0024】
IPパケット中継部12には、音声ゲートウェイ部16が接続される。IPパケット中継部12は、IP制御部11で受信した制御パケット及び音声パケットを処理するもので、パケットをPCM信号に変換して音声ゲートウェイ部16に出力し、音声ゲートウェイ部16からのPCM信号をパケットに変換してIP制御部11に出力する。
【0025】
呼制御部13は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、ソフトウェア処理により呼制御サーバ1の各部の制御を行う。
【0026】
記憶部14は、呼制御部13の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。
【0027】
ところで、記憶部14には、接続管理テーブルとしての接続情報データベース141と、メディアサーバ聴取情報データベース142と、分配サーバ接続情報データベース143とが設けられている。接続情報データベース141には、図3に示すように、呼毎に、接続されるIP電話端末T11〜T1iを特定する端末IDとしての電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mを特定するサーバIDとしてのサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータが記憶されている。ここで、コーデックを表す情報は、エンコーディング名・クロックレート・オーディオチャネル数・エンコーディングパラメータを識別できる情報である。
【0028】
メディアサーバ聴取情報データベース142には、音源となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、聴取者となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0029】
分配サーバ接続情報データベース143には、分配サーバ3−1〜3−nの識別情報と、分配サーバ3−1〜3−nの入力端子に接続されるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、分配サーバ3−1〜3−nの入力端子に接続されるIP電話端末T11〜T1iの電話番号、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0030】
一方、呼制御部13は、この発明に係る機能として、登録制御部131と、接続構成判定部132と、接続制御部133と、更新制御部134とを備えている。登録制御部131は、例えばIP電話端末T11とメディアサーバ2−1との間で呼接続が確立した場合に、IP電話端末T11の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途とを接続情報データベース141に登録する。
【0031】
接続構成判定部132は、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報データベース141を参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデックを使用した呼接続の有無の判定を行う。
【0032】
接続制御部133は、上記接続構成判定部132による判定結果に基づいて、例えばIP電話端末T11(端末1)−メディアサーバ2−1(メディアサーバ1)と、IP電話端末T14(端末4)−メディアサーバ2−4(メディアサーバ4)との間で、同じコーデックを使用し、さらにパケット送出間隔が同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能で聴取音が同じであると判定した場合に、IP電話端末T11,T14を例えば分配サーバ3−1を経由させてメディアサーバ2−1と動的に呼接続させるようにIP電話端末T11,T14及びメディアサーバ2−1及び分配サーバ3−1を制御する。そして、呼接続の変更制御後に、不要となったメディアサーバ2−4を解放する。
【0033】
更新制御部134は、IP電話端末T11,T14とメディアサーバ2−1と分配サーバ3−1との呼接続が確立すると、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143それぞれの記憶内容を更新する。
【0034】
図4は、上記メディアサーバ2−1〜2−mの機能構成を示すブロック図である。ここでは、メディアサーバ2−1を代表して説明する。
すなわち、メディアサーバ2−1は、IP網インタフェース部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。このうち、IP網インタフェース部21は、IP網INWとの間でインタフェース処理を行うものである。
【0035】
記憶部23は、上記制御部22の接続制御に必要なルーティング情報等を格納するとともに、ユニキャストパケットを受信する分配サーバ3−1〜3−nのIPアドレス及びポート情報を格納する。
【0036】
一方、制御部22は、ユニキャストパケットデコーダ221と、パケット処理部222と、ユニキャストパケットエンコーダ223とを備えている。ユニキャストパケットデコーダ221は、入力されたユニキャストのRTPパケットを音声情報または画像情報にデコードする。
【0037】
パケット処理部222は、トーン・保留音の生成、音声情報または画像情報の合成、パケット送出間隔の変更、メディア変換等のパケット処理を行う。
【0038】
ユニキャストパケットエンコーダ223は、上記パケット処理部222でパケット処理がなされた音声情報または画像情報をRTPパケットにエンコードして宛先へ送出する。
【0039】
図5は、上記分配サーバ3−1〜3−nの機能構成を示すブロック図である。ここでは、分配サーバ3−1を代表して説明する。
すなわち、分配サーバ3−1は、IP網インタフェース部31と、制御部32と、記憶部33とを備えている。このうち、IP網インタフェース部31は、IP網INWとの間でインタフェース処理を行うものである。
【0040】
記憶部33は、上記制御部32の接続制御に必要なルーティング情報等を格納するとともに、ユニキャストパケットを受信するIP電話端末T11〜T1iのIPアドレス及びポート情報を格納する。
【0041】
一方、制御部32は、情報書替部321と、パケット送出部322とを備えている。情報書替部321は、例えばメディアサーバ2−1から受信したRTPパケットのヘッダ部の情報を分配サーバ3−1に接続されるIP電話端末T11,T14で処理可能な情報に書き替える。例えば、RTPパケットのヘッダ部に重畳された分配サーバ3−1のIPアドレス及びポート情報をIP電話端末T11,T14のIPアドレス及びポート情報に書き替える。
【0042】
パケット送出部322は、RTPパケットのペイロード部を分割して記憶部33に蓄積する。また、必要に応じて、記憶部33に蓄積されたペイロード部を結合して送出する。
【0043】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
図6は、IP電話端末T11とIP電話端末T16との通話中にIP電話端末T11の通信相手先をIP電話端末T16からメディアサーバ2−1に切り替える際の信号シーケンスの例である。
【0044】
いま、例えば図6に示すようにIP電話端末T11,T16間で内線音声通信が行なわれているものとする。
この状態で、IP電話端末T16においてユーザが、自電話端末から保留操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T16から「保留要求」がIP網INWを介して呼制御サーバ1に送られる(図6(1))。「保留要求」を受け取ると呼制御サーバ1は、IP電話端末T16に対し「保留受付」を送る(図6(2))。
【0045】
ほぼ同時に、呼制御サーバ1は、接続情報データベース141を参照して空きのメディアサーバがあるか否かを判断し、空きのメディアサーバ2−1に対し「ユニキャスト要求」を送る(図6(4))。「ユニキャスト要求」を受け取るとメディアサーバ2−1は、呼制御サーバ1に対し「ユニキャスト受付」を送る(図6(5))。
【0046】
そして、呼制御サーバ1は、IP電話端末T11とIP電話端末T16との間の通信状態を保留状態に切り替える。そして、通信相手のIP電話端末T11に「ストリーム配信開始」を送信する(図6(6))。
【0047】
「ストリーム配信開始通知」には、接続先情報として、メディアサーバ2−1がユニキャスト配信を行っているユニキャストストリームのアドレス情報が含まれている。この通知を受け、IP電話端末T11では、メディアサーバ2−1から送信される保留音パケットを受信できるように切り替える(図6(7))。
【0048】
かくして、IP電話端末T11の通信先がこれまでの通信相手のIP電話端末T16からメディアサーバ2−1に切り替わり、以後IP電話端末T11のユーザはメディアサーバ2−1から送信される単音または複数音からなる保留音を聴取することが可能となる。
【0049】
図7は、通常の保留音送出状態を示す図である。すなわち、IP電話端末T11はメディアサーバ2−1と1対1で接続され、メディアサーバ2−1から送信される保留音を受信しているものとする。また、IP電話端末T12はメディアサーバ2−2と1対1で接続され、メディアサーバ2−2から送信される保留音を受信しているものとする。また、IP電話端末T13はメディアサーバ2−3と1対1で接続され、メディアサーバ2−3から送信される保留音を受信しているものとする。さらに、IP電話端末T14はメディアサーバ2−4と1対1で接続され、メディアサーバ2−4から送信される保留音を受信しているものとする。
【0050】
一方、呼制御サーバ1の呼制御部13は、図8に示す制御処理手順を実行する。まず、呼制御サーバ1の呼制御部13はステップST8aからステップST8bに移行してここで接続情報データベース141を参照し、この参照結果をもとに同じコーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いているIP電話端末T11〜T14をリストアップしグループ化する(ステップST8c)。そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は同じコーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いているIP電話端末T11〜T14に対し、分配サーバ3−1〜3−nを使用可能か否かの判定を行なう(ステップST8d)。
【0051】
ここでは、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持たない場合の例を考えると、IP電話端末T11(端末1)とIP電話端末T14(端末4)が同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音1を聴取していることがわかる。
【0052】
そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は、IP電話端末T11(端末1)及びIP電話端末T14(端末4)に対し分配サーバ3−1を捕捉する(ステップST8e)。捕捉する分配サーバ3−1は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上で分配サーバ3−1〜3−nが提供されている場合、負荷が一番少ない機器上で動作している分配サーバを使用するという方法も考えられる。
【0053】
続いて、呼制御サーバ1の呼制御部13は、ステップST8eからステップST8fに移行してここで分配サーバ3−1の出力側に、グループ内のIP電話端末T11,T14を接続する。分配サーバ3−1の入力側に、グループ内の端末が使用しているメディアサーバのうちいずれか一つを接続する。入力側に接続するメディアサーバ(残すメディアサーバ)は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上でメディアサーバが提供されている場合、分配サーバと同一の機器上で動作しているメディアサーバがあればそれを残したり、負荷が一番少ない機器上で動作しているメディアサーバを残すという方法も考えられる。
【0054】
ここでは、図9に示すように、IP電話端末T11とIP電話端末T14が分配サーバ3−1の出力側に接続され、IP電話端末T11が使用していたメディアサーバ2−1が分配サーバ3−1の入力側に接続されることとした。これにより、IP電話端末T14が使用していたメディアサーバ2−2は解放され他の用途に使用できる。本操作は、同じコーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聴いているIP電話端末をリストアップしたグループ全てに対して行われる。なお、必要とした数のメディアサーバ3−2〜3−nが解放された時点でこの処理を中断しても良い。
【0055】
以後、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143の登録情報を更新する(ステップST8g)。
【0056】
すると、呼制御サーバ1の接続情報データベース141の記憶内容は、図10に示すように、接続されるIP電話端末T11,T14の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータとなる。
【0057】
一方、呼制御サーバ1の分配サーバ接続情報データベース143の記憶内容は、図11に示すように、接続されるIP電話端末T11,T14の電話番号、メディアサーバ2−1のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1のサーバ識別情報との対応関係を表すデータとなる。
【0058】
以上のように上記第1の実施形態では、呼制御サーバ1において、ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるときに、呼毎に、接続対象となるIP電話端末T11〜T1iの電話番号と、メディアサーバ2−1〜2−mのサーバ識別情報と、電話端末とメディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、パケット送出間隔とを対応付けた接続情報データベース141を記憶部13に設けておき、ユニキャストパケット配信の実行時に、接続情報判定部122にて接続情報データベース141を参照して同一のコーデックを使用した呼接続の有無を判定し、接続制御部133にてIP電話端末T11とメディアサーバ2−1との間、IP電話端末T14とメディアサーバ2−4との間で同一コーデックを使用し、パケット送出間隔が同一または分配サーバ3−1〜3−nで変換可能である場合に、IP電話端末T11,T14を分配サーバ3−1の出力端子に接続し、分配サーバ3−1の入力端子にメディアサーバ2−1を接続し、メディアサーバ2−4を解放するようにしている。
【0059】
従って、ユニキャストパケット配信時においてメディアサーバ2−1〜2−mは必要時にのみ接続されることになるため、少数のメディアサーバ2−1〜2−mやリソースをそれよりも多数のIP電話端末T11〜T1iで使用する場合にその有効利用率を高めることができ、これによりユニキャストでの接続を維持しつつ、メディアサーバ不足を解消することができる。また、空きのメディアサーバを作ることができるので、ユニキャストで提供するサービスの追加に容易に対応することができる。
【0060】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャストパケット配信を実行する場合に、ユニキャストパケットの処理をメディアサーバ2−1〜2−mに頼らずに分配サーバ3−1〜3−nで分担して実行することが可能となる。
【0061】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャストパケット配信に際し、RTPパケットをそのままメディアサーバ2−1〜2−mから分配サーバ3−1〜3−nへ転送するようにしている。このため、メディアサーバ2−1〜2−mの処理負担を軽減できるとともに、分配サーバ3−1〜3−nはRTPパケットのヘッダ部の情報を電話端末で処理可能な情報に書き替えるだけでよく、また、より効率的なメディアサーバ2−1〜2−mの使用を行う場合でも、ヘッダ部の書き換えに加え、ペイロードの単純な分割・蓄積とメディアパケットの分割・結合送出を行うだけでよいため、安価な分配サーバを使用することができ、システム全体の低コスト化を図ることができる。
【0062】
また、上記第1の実施形態では、ユニキャスト(図7)で既にメディアサーバ2−1に接続された状態から、分配サーバ3−1を用いた図9の状態へ接続変更する例について説明したが、これに限らない。
【0063】
保留音を接続しようとした際に、最初から分配サーバ3−1を用いて、図9に示すように、IP電話端末T11,T14をメディアサーバ2−1に接続するようにしてもよい。この場合、接続しようとした保留音と同一コーデック・同一または分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔で、同じ保留音を聞いている端末をリストアップしグループ化し、そのグループに対して、上記ステップST8d乃至ステップST8gの処理を実行する(既に分配サーバ3−1が捕捉できているのであれば、分配サーバ3−1の出力側に保留音を聴取しようとした端末を接続するのみとする)ことにより、使用するメディアサーバ2−1〜2−mを最低限に抑えることが可能となる。さらに、接続変更を行うときに一時切断の発生を防止することができる。
【0064】
(第1の実施形態の変形例)
また、上記第1の実施形態では、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持たない場合の例について説明したが、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持つ場合であっても適用できる。以下、図19を用いて、分配サーバにパケット送出間隔の変換機能を持つ場合の実施形態を説明する。ここでは、分配サーバ3−1に40ms→20msの変換機能(パケット分割送出機能)がある場合を例として説明する。
【0065】
図19において、IP電話端末T11(端末1)、電話端末T12(端末2)及びIP電話端末T14(端末4)が聴取している保留音1は、同一コーデック(G711)を使用している。一方、パケット送出間隔は、端末1と端末4は20msであるのに対し、端末2は40msとなっている。この場合、コーディクは同一でパケットの送信間隔が異なるだけであるため、分配サーバ3−1の40ms→20msの変換機能(パケット分割送出機能)を使用することで、分配サーバ3−1で変換が可能となる。
【0066】
このため、図7の状態から、図19のように、分配サーバ3−1の入力側にメディアサーバ2−2を接続し、分配サーバ3−1の出力側にIP電話端末T11、IP電話端末T12及びIP電話端末T14を接続するように切替える。このため、メディアサーバ2−1及び2−4は解放され他の用途に使用できる。
【0067】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、ページングに適用した場合の例である。
【0068】
図12は、上記第2の実施形態において、通常のページング接続状態を示すものである。
【0069】
図12において、例えばIP電話端末T11のユーザがIP電話端末T12〜T15を指定したページンググループへの各端末のユーザを直接音声で呼び出す音声ページング操作を開始したとする。この場合、ユーザは、IP電話端末T11において、ページング発信特番とページンググループの番号(=1)をダイヤルする。そうすると、IP電話端末T11は、ページング要求のダイヤル列を、呼制御サーバ1へ送信する。
【0070】
呼制御サーバ1は、ページングにより送信する音声の変換を行うためのリソースとして、メディアサーバ2−1〜2−5を選択し、ページングが実行できる場合に、IP電話端末T11へ応答信号を送信する。
【0071】
かくして、IP電話端末T11のユーザは、IP電話端末T12〜T15それぞれのユーザに伝える旨のメッセージをメディアサーバ2−1〜2−5を介して送ることができる。この状態において、呼制御サーバ1の接続情報データベース141の記憶内容を図13に示す。また、呼制御サーバ1のメディアサーバ聴取情報データベース142の記憶内容は図14に示す内容となる。なお、図14において、聴取者はIP電話端末T11〜T15(端末1〜端末5)を示し、音源はメディアサーバ2−1〜2−5を示している。
【0072】
一方、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141を参照し、この参照結果をもとに同じIP電話端末T11からの音声を聞いているIP電話端末T12〜T15をリストアップし、同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1〜3−nで変換可能なパケット送出間隔毎にグループ化する。ここでは、IP電話端末T13とIP電話端末T14がIP電話端末T11の音声をG.711 μ-law, 20msで聴取しており、IP電話端末T12とIP電話端末T15がメディアサーバ2−1,2−5で変換されたIP電話端末T11の音声をG.711 μ-law 40msで聴取している。また、分配サーバ3−1〜3−nはパケット送出間隔の変換はできないものとする。
【0073】
そして、呼制御サーバ1の呼制御部13は、ページングの発側端末つまりIP電話端末T11と同一コーデック・同じまたは分配サーバ3−1で変換可能なパケット送出間隔で受話している端末グループがあれば、そのグループに対して以下を行う。
【0074】
(1a)グループの話者数が1者であれば、ページングの発側と着側を直接接続しメディアサーバを解放する。
【0075】
(1b)グループの話者数が複数であれば、分配サーバを捕捉する。捕捉する分配サーバは、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上で分配サーバが提供されている場合、負荷が一番少ない機器上で動作している分配サーバを使用するという方法も考えられる。
【0076】
(1c)分配サーバの出力側に、グループ内の端末を接続する。
【0077】
(1d)分配サーバの入力側に、ページングの発側を接続する。
【0078】
(1e)分配サーバに接続された端末が使用していたメディアサーバを解放する。
【0079】
ここで、図15は、分配サーバ3−1,3−2経由に接続し直したページング接続状態を示す図である。
図15の例では、分配サーバ3−1が捕捉され、分配サーバ3−1の入力端子にIP電話端末T11が接続され、出力端子にIP電話端末T13とIP電話端末T14が接続される。
【0080】
一方、送話側の端末と異なるコーデック・分配サーバ3−1〜3−nで変換不可能なパケット送出間隔で受話している端末グループがあれば、そのグループに対して以下を行う。
【0081】
(グループの話者数が1者)
(2a)ページングの発側がページング発側に対応するメディアサーバの入力になっていれば、ページングの発側をページング着側端末が接続されているメディアサーバの入力とし、ページング発側に対応するディアサーバを解放する。
【0082】
(2b)ページングの発側が分配サーバに接続されていれば、その分配サーバの出力を着信端末が接続されているメディアサーバの入力とする。
【0083】
(2c)ページングの発側が他のメディアサーバの入力となっている場合、あるいはページング発側と着側が直接接続されている場合は、新たに分配サーバを捕捉し、分配サーバの出力を、今回接続しようとしたメディアサーバの入力とするとともに、既にページング発側が入力となっている他のメディアサーバの入力とし(ページング発側と着側が直接接続されている場合は分配サーバの出力と着側端末を接続する)、分配サーバの入力側に、ページングの発側を接続する。
【0084】
(グループの話者数が複数)
(3a)分配サーバを捕捉する。
(3b)分配サーバの出力側に、グループ内の端末を接続する。
【0085】
(3c)分配サーバの入力側に、グループ内の端末が使用しているメディアサーバのうちいずれか一つの出力側を接続する。入力側に接続するメディアサーバ(残すメディアサーバ)は、最初に見つかったものでも良いし、複数の機器上でメディアサーバが提供されている場合、分配サーバと同一の機器上で動作しているメディアサーバがあればそれを残したり、負荷が一番少ない機器上で動作しているメディアサーバを残すという方法も考えられる。
【0086】
(3d)グループ内の端末が使用しているメディアサーバ以外のメディアサーバを解放する。
【0087】
図15の例では、ページング発側のIP電話端末T11とコーディクが同じでパケットの送信間隔が異なるIP電話端末T12とIP電話端末T15は、メディアサーバ2−2での変換が必要となるため、メディアサーバ2−2の出力側に接続された分配サーバ3−2の出力端子に接続され、分配サーバ3−2の入力端子にメディアサーバ2−2が接続される。一方、ページング発側のIP電話端末T11とコーディクもパケットの送信間隔も同じIP電話端末T13とIP電話端末T14については、分配サーバ3−2の入力端子に接続される分配サーバ3−1の出力がメディアサーバ2−2の入力となる。
【0088】
これにより、IP電話端末T11が使用していたメディアサーバ2−1は解放され、IP電話端末T13〜T14が使用していたメディアサーバ2−3〜2−5は解放され他の用途に使用できる。本操作は、同じコーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔で同じ保留音を聞いている端末をリストアップしたグループ全てに対して行われる。なお、必要とした数のメディアサーバが解放された時点でこの処理を中断しても良い。
【0089】
以後、呼制御サーバ1の呼制御部13は、接続情報データベース141、メディアサーバ聴取情報データベース142及び分配サーバ接続情報データベース143の登録情報を更新する。
【0090】
すると、接続情報データベース141の記憶内容は、図16に示すように、接続されるIP電話端末T11〜T15の電話番号、メディアサーバ2−2のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1、3−2のサーバ識別情報と、コーデックと、パケット送出間隔と、聴取音と、使用用途との対応関係を表すデータとなる。
【0091】
一方、分配サーバ接続情報データベース143の記憶内容は、図17に示すように、接続されるIP電話端末T12〜T15の電話番号、メディアサーバ2−2のサーバ識別情報及び分配サーバ3−1,3−2のサーバ識別情報との対応関係を表すデータとなる。
【0092】
さらに、メディアサーバ聴取情報データベース142の記憶内容は、図18に示すようになる。
【0093】
上記は既にメディアサーバに接続されている場合の例であるが、ページング着側端末をメディアサーバに接続しようとした際に、以下のような手順を実行する。
【0094】
(4a)ページング発側話者と同一コーデック・同じまたは分配サーバで変換可能なパケット送出間隔を使用している端末を接続する場合は上記(2a)〜(2c)を行う(既に分配サーバが捕捉できているのであれば、単に分配サーバの出力側にページング着側端末を接続する)。
【0095】
(4b)ページング発側話者と異なるコーデック・分配サーバで変換不可能なパケット送出間隔を使用している端末を接続する場合は上記(3a)〜(3d)を実行する(既に分配サーバが捕捉できているのであれば、単に分配サーバの出力側にページング着側端末を接続する)という処理にすることにより、使用するメディアサーバを最低限に抑えたページング構成とすることが可能となる。
【0096】
また、この例で捕捉ごとに分配サーバ3−1〜3−nを分けているが、分配サーバの入力を複数にすることを可能とし、同一の分配サーバで管理しても良い。この場合、入力1、出力1−1、1−2・・・、入力2・出力2−1というように管理する。
【0097】
以上のように上記第2の実施形態であっても、上記第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。さらに使用するコーデックが同一であっても、メディアサーバ2−1〜2−mからIP電話端末T11〜T1iへのRTPパケットの送出間隔が分配サーバ3−1〜3−nで変換できない場合に、RTPパケットの送出間隔ごとに経由する分配サーバ3−1〜3−nを異ならせることができる。これによりIP電話端末のタイプ等に応じて最適な呼接続に切り替えることができる。また、ページングを行う場合に、例えばメディアサーバ2−1を使用しなくて済む場合には、分配サーバ3−1を用いてメディアサーバ2−1をバイパスすることができ、これによりメディアサーバの不要な使用を防止してメディアサーバ及びリソースの有効利用率を高めることができる。
【0098】
さらに、上記第2の実施形態では、図12の状態から図15の状態へ接続変更する例について説明したが、IP電話端末T11〜T15で使用されるコーデックや送出間隔が分かっていれば、最初から分配サーバ3−1,3−2を用いて、図15に示すように、ページング着側となるIP電話端末T12〜T15をページング発側となるIP電話端末T11に接続するようにしてもよい。
【0099】
(第2の実施形態の変形例)
また、上記第2の実施形態では、分配サーバ3−1〜3−nはパケット送出間隔の変換はできない例について説明した。しかしこれに限ることなく、分配サーバ3−1〜3−nがパケット送出間隔の変換機能を持つ場合であっても適用できる。以下、図20を用いて、パケット送出間隔の変換機能を持つ場合の実施形態を説明する。
【0100】
分配サーバ3−1に20ms→40msの変換機能(ペイロード蓄積・パケット結合送出機能)がある場合、IP電話端末T12(端末2)〜IP電話端末T15(端末5)は同一コーデック・分配サーバ3−1で変換可能なパケット送出間隔で同じIP電話端末T11の音声を聴取している。このため、図20に示すように、分配サーバ3−1の入力側にIP電話端末T11を接続し、分配サーバ3−1の出力側にIP電話端末T12〜IP電話端末T15を接続する。そして、メディアサーバ2−1〜2−5は解放され他の用途に使用できる。
【0101】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば上記各実施形態では、メデイアサーバから配信されるメディアパケットとしてRFC3550で規定されているRTPパケットを例に説明したが、音声情報がペイロード化されヘッダと別になっている構造のメディアパケットであれば本発明を適用できる。
【0102】
その他、システム構成、IP電話装置の構成、メディアサーバの機能構成、分配サーバの機能構成、配信するメディアファイルの種類、接続情報データベースの記憶内容、IP電話端末をメディアサーバに対し分配サーバ経由で接続し直す制御手順等についてもこの発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0103】
1…呼制御サーバ、2−1〜2−m…メディアサーバ、3−1〜3−n…分配サーバ、11…IP制御部、12…IPパケット中継部、13…呼制御部、14…記憶部、15…データハイウェイ、16…音声ゲートウェイ部、131…登録制御部、132…接続構成判定部、133…接続制御部、134…更新制御部、141…接続情報データベース、142…メディアサーバ聴取情報データベース、143…分配サーバ接続情報データベース、21,31…IP網インタフェース部、22,32…制御部、23,33…記憶部、321…情報書替部、322…パケット送出部、T11〜T1i…IP電話端末、INW…IP網。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末と、
複数の電話端末間の呼接続を実行する電話交換装置と、
前記電話交換装置からの指示により、映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行する複数のメディアサーバと、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバとを具備し、
前記電話交換装置は、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、第1の電話端末と第1のメディアサーバとの間、第2の電話端末と第2のメディアサーバとの間で同一コーデックを使用している場合に、前記第1及び第2の電話端末を前記分配サーバに接続し、前記分配サーバと第1のメディアサーバとを接続し、前記第2のメディアサーバを解放することを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、前記メディアサーバから前記電話端末へのメディアパケットの送出間隔を示す情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶し、
前記判定手段は、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無と、同一または分配サーバで変換可能なパケット送出間隔となる呼接続の有無とを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用し、パケット送出間隔が分配サーバで変換不可能な場合に、分配サーバで変換不可能なパケット送出間隔ごとに経由する分配サーバが異なる呼接続に動的に変更することを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項4】
前記分配サーバは、前記メディアパケットがヘッダ部とペイロード部とを有するとき、前記メディアパケットのヘッダ部の情報を前記電話端末で処理可能な情報に書き替える情報変更手段と、ペイロード部の分割・蓄積機能を有し、メディアパケットを分割・結合して送出する送出手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項5】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末間の呼接続を実行し、前記通信ネットワークに接続されるメディアサーバに対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行させる電話交換装置において、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを接続する接続手段と、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを具備したことを特徴とする電話交換装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、第1の電話端末と第1のメディアサーバとの間、第2の電話端末と第2のメディアサーバとの間で同一コーデックを使用している場合に、前記第1及び第2の電話端末を前記分配サーバに接続し、前記分配サーバと第1のメディアサーバとを接続し、前記第2のメディアサーバを解放することを特徴とする請求項5記載の電話交換装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、前記メディアサーバから前記電話端末へのメディアパケットの送出間隔を示す情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶し、
前記判定手段は、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無と、同一または分配サーバで変換可能なパケット送出間隔となる呼接続の有無とを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用し、パケット送出間隔が分配サーバで変換不可能な場合に、パケット送出間隔ごとに経由する分配サーバが異なる呼接続に動的に変更することを特徴とする請求項5記載の電話交換装置。
【請求項8】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末間の呼接続を実行し、前記通信ネットワークに接続されるメディアサーバに対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行させる電話交換装置で使用される接続制御方法において、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを接続する接続手段と、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルをメモリに記憶し、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定し、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを捕捉し、
同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続するようにしたことを特徴とする接続制御方法。
【請求項1】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末と、
複数の電話端末間の呼接続を実行する電話交換装置と、
前記電話交換装置からの指示により、映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行する複数のメディアサーバと、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバとを具備し、
前記電話交換装置は、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、第1の電話端末と第1のメディアサーバとの間、第2の電話端末と第2のメディアサーバとの間で同一コーデックを使用している場合に、前記第1及び第2の電話端末を前記分配サーバに接続し、前記分配サーバと第1のメディアサーバとを接続し、前記第2のメディアサーバを解放することを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、前記メディアサーバから前記電話端末へのメディアパケットの送出間隔を示す情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶し、
前記判定手段は、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無と、同一または分配サーバで変換可能なパケット送出間隔となる呼接続の有無とを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用し、パケット送出間隔が分配サーバで変換不可能な場合に、分配サーバで変換不可能なパケット送出間隔ごとに経由する分配サーバが異なる呼接続に動的に変更することを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項4】
前記分配サーバは、前記メディアパケットがヘッダ部とペイロード部とを有するとき、前記メディアパケットのヘッダ部の情報を前記電話端末で処理可能な情報に書き替える情報変更手段と、ペイロード部の分割・蓄積機能を有し、メディアパケットを分割・結合して送出する送出手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項5】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末間の呼接続を実行し、前記通信ネットワークに接続されるメディアサーバに対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行させる電話交換装置において、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを接続する接続手段と、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定する判定手段と、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続させる制御手段とを具備したことを特徴とする電話交換装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、第1の電話端末と第1のメディアサーバとの間、第2の電話端末と第2のメディアサーバとの間で同一コーデックを使用している場合に、前記第1及び第2の電話端末を前記分配サーバに接続し、前記分配サーバと第1のメディアサーバとを接続し、前記第2のメディアサーバを解放することを特徴とする請求項5記載の電話交換装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報と、前記メディアサーバから前記電話端末へのメディアパケットの送出間隔を示す情報とを対応付けた接続管理テーブルを記憶し、
前記判定手段は、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無と、同一または分配サーバで変換可能なパケット送出間隔となる呼接続の有無とを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用し、パケット送出間隔が分配サーバで変換不可能な場合に、パケット送出間隔ごとに経由する分配サーバが異なる呼接続に動的に変更することを特徴とする請求項5記載の電話交換装置。
【請求項8】
通信ネットワークに接続される複数の電話端末間の呼接続を実行し、前記通信ネットワークに接続されるメディアサーバに対し映像、音声及びデータの少なくとも1つを含むメディアパケットを要求元の電話端末に対し配信するユニキャストパケット配信を実行させる電話交換装置で使用される接続制御方法において、
前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを接続する接続手段と、
前記ユニキャストパケット配信に係わる呼接続が確立されるとき、呼毎に、接続対象となる電話端末を特定する端末IDと、前記メディアサーバを特定するサーバIDと、前記電話端末と前記メディアサーバとの間で使用されているコーデック情報とを対応付けた接続管理テーブルをメモリに記憶し、
前記ユニキャストパケット配信の実行時に、前記接続管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、同一のコーデック情報を使用した呼接続の有無を判定し、
この判定手段による判定結果に基づいて、複数の呼接続の間で同一のコーデックを使用している場合に、前記メディアサーバの機能の一部を実行し、入力されたメディアパケットを複数の電話端末に分配する分配サーバを捕捉し、
同一のコーデックを使用した複数の電話端末を前記分配サーバを経由させて1つのメディアサーバに動的に接続するようにしたことを特徴とする接続制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−199417(P2011−199417A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61536(P2010−61536)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]