説明

電飾看板

【課題】ネオンサインのようにカラフルに点滅させることができ、かつ取扱いやすい電飾看板を提供することを目的とする。
【解決手段】透明な板材に文字や絵柄等となる所望のパターンを、カラー印刷、ペイントの塗布、透過性のある着色された切抜片の貼付によって形成するとともに、該透明な板材の厚さ方向の端部にRGB光源を配置して、前記透明な板材を導光部としてRGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射することにより、前記透明な板材の表面に、RGB光源の各色に対応して発色するパターン表示部の所定の文字や絵柄等が、各色の波長および色素成分と光源の色温度の相対的変化により、どの色波長を吸収しあるいは反射するかはパターン表示部の所定の文字や絵柄等の色や透過性に応じて変化し、その相対的な変化に対応してパターン表示部の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるようにしたことを特徴とする電飾看板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レストランや喫茶店その他の飲食店等において顧客を誘引する看板やメニューなどとして、あるいは家庭用イルミネーション等として使用できる電飾看板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レストランや喫茶店その他の飲食店等において顧客を誘引する看板やメニューなどは、単なる印刷物や手書きの板状物として構成されており、その表示が自発光するようなものではなかった。
しかしながら、レストランや喫茶店等は顧客を呼び込む必要のあるのは夜間であり、また室内の照度を抑えて暗くしてあることが多く、看板やメニューの内容が見づらいという問題点があった。そのため、種々の発光型の看板やメニューが提案されてきているが、その1つの例として、特開2000−187457号公報(特許文献1参照)に記載された発明がある。
【0003】
この特開2000−187457号公報(特許文献1参照)に記載された発明は、重ね合わせ自在かつ見開き自在に互いに取り付けられた2枚以上の板状部を備え、該2枚以上の板状部の見開き部分に所定の表示内容が表示され、給電装置から分離自在に構成された見開き型表示装置であって;前記2枚以上の板状部のうちの最も外側の1枚の板状部は、蓄光材と、前記給電装置から給電を受けている時に、前記蓄光材に当該板状部の外側面の側から光を照射して前記蓄光材を励起する照射手段と、前記蓄光材からの光を光源光として当該板状部の見開き面側に前記表示内容の表示を出現させる表示形成部と、を有し;前記2枚以上の板状部のうちの残りの板状部は、当該板状部と隣接する板状部の蓄光材からの光にて励起される蓄光材と、該蓄光材からの光を光源光として当該板状部の見開き面に前記表示内容の表示を形成する表示形成部とを有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−187457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特開2000−187457号公報(特許文献1参照)に記載された発明においては、板状部が一対の導光板および蓄光材、透明フィルム、保護フィルムで構成され、透明フィルム上に形成された所定パターンの遮光物質が、蓄光材からの光を光源の光として板状部の見開き両面に表示を現出させるようになっている。
したがって、透明フィルム上に形成された所定パターンは蓄光材からの光を光源としているため、所定パターンの色彩は遮光物質や蓄光材の色彩に依存し、色彩的に変化に乏しいという問題点があった。
【0006】
この発明は、従来例のこのような事情に鑑みてなされたものであり、ネオンサインのようにカラフルに点滅させることができ、暗い場所でも表示内容が見易く、どのような用途にも対応しやすく、かつ取扱いやすい電飾看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわちこの発明の電飾看板は、透明な板材に文字や絵柄等となる所望のパターンを、カラー印刷、ペイントの塗布、透過性のある着色された切抜片の貼付によって形成するとともに、該透明な板材の厚さ方向の端部にRGB光源を配置して、前記透明な板材を導光部としてRGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射することにより、前記透明な板材の表面に、RGB光源の各色に対応して発色するパターン表示部の所定の文字や絵柄等が、各色の波長および色素成分と光源の色温度の相対的変化により、どの色波長を吸収しあるいは反射するかはパターン表示部の所定の文字や絵柄等の色や透過性に応じて変化し、その相対的な変化に対応してパターン表示部の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
またこの発明の電飾看板は、透明な板材に文字や絵柄等となる所望のパターンを、カラー印刷、ペイントの塗布、透過性のある着色された切抜片の貼付によって形成するとともに、該透明な板材の厚さ方向にRGB光源もしくはRGB光源の反射材を配置して、前記透明な板材を導光部としてバックライトとなるRGB光源もしくはRGB光源の反射材からの光を選択的にパターン表示部から照射することにより、前記透明な板材の表面に、RGB光源の各色に対応して発色するパターン表示部の所定の文字や絵柄等が、各色の波長および色素成分と光源の色温度の相対的変化により、どの色波長を吸収しあるいは反射するかはパターン表示部の所定の文字や絵柄等の色や透過性に応じて変化し、その相対的な変化に対応してパターン表示部の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるようにしたことをも特徴とするものである。
【0009】
この発明の電飾看板は、前記RGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射する手段が、各RGB光源を選択的に照射するための回路からなることをも特徴とするものである。
【0010】
この発明の電飾看板は、前記RGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射する手段が、各RGB光源の前に遮蔽材を介在させて選択的に照射できるようにしたことをも特徴とするものである。
【0011】
なお、本明細書においてはガラスやプラスチック素材からなる透明な板材を使用しているが、素材が可撓性を有するものであっても、保持枠等を使用して透明な板材を組み付けることができることはいうまでもない。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、カラフルに点滅させることができ、暗い場所でも表示内容が見易く、店舗等の看板として、あるいはレストラン等のメニューとして、その他どのような用途にも対応することが可能な電飾看板を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の電飾看板の1実施例を飲食店等の電飾パネルとして構成した場合を示す概略正面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】接続構成を示す概略図である。
【図4】RGB光源の選択的な照射を可能とする機構を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下この発明の電飾看板の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1および図2に示すように、この発明の電飾看板は、ガラスやプラスチック素材からなる透明な板材11に、文字や絵柄等となる所望のパターン12をカラー印刷したり、ペイントで塗布したり、透過性のある着色された切抜片を貼付したパターン表示部10を備えている。
そして、このパターン表示部10を額縁状の保持枠21内に収納し、また該保持枠21内には透明板材11の裏側に所定の間隔を置いて、着色を施した裏板13が取り付けられている。
【0015】
図1および図2において前記パターン12は、「Welcome」の文字部分12−1や子熊や雪だるま等のキャラクター部分12−2、リング状や星形、葉っぱ、ベル等の図形部分12−3等で構成されており、これら各部分12−1〜12−3のそれぞれは異なる着色を施されている。
もちろん、文字部分12−1やキャラクター部分12−2、図形部分12−3の各図形自体もそれぞれ異なる着色を施すことができる。
【0016】
前記透明板材11の厚さ方向の端部にはRGB光源22が配置してあり、前記透明板材11を導光部としてRGB光源22からの光を選択的にパターン表示部10から照射することにより、前記透明板材11の表面に、RGB光源22の各色に対応して発色するパターン表示部10の所定の文字や絵柄等が選択的に、より強調してカラー表示されるようになっているのである。
【0017】
この実施例の電飾看板においては、前記RGB光源22からの光を選択的にパターン表示部10から照射する手段として、図3に示すような各RGB光源22を選択的に照射するための電気的な接続構成が用いられている。
すなわちこの電気的な接続構成は、図3に示すように前記RGB光源22からの光を前記透明板材11のパターン表示部10から選択的に照射するものであり、そのためのRGBコントローラ31と、このRGBコントローラ31に電力供給するACアダプタ32とを備え、ACアダプタ32には100V等の家庭用電源が接続されている。
前記透明板材11とRGBコントローラ31とは、光ファイバや導光板等の導光材33を介して接続され、選択的にRGB光源の各色が導光材33を介して供給される。
34はリモートコントローラで、RGBコントローラ31内蔵させた受信機35に送信してRGB光源のON−OFFや点滅、RGB各色の選択的な点滅、循環的な点滅等を行うようにすることを可能とするものである。
【0018】
この実施例の電飾看板においては、前記RGB光源22からの光を選択的にパターン表示部10から照射する手段として、各RGB光源22の前に遮蔽材を介在させて選択的あるいは循環的に照射できるようにすることもできる。このような遮蔽材としては、図4に示すようなメカニカルシャッタ41等を適宜用いることができる。
【0019】
なお、本明細書においてはガラスやプラスチック素材からなる透明板材11を使用しているが、前記透明板材11が可撓性を有するものであっても、前記保持枠等21を使用して平滑な状態に張設することにより、透明板材11を確実に組み付けることができることはいうまでもない。
【0020】
またこの実施例の電飾看板においては、前記RGB光源22が、自動点滅スイッチ(図示せず)により、所定の間隔で自動的に点滅するようにすることが望ましい。この自動点滅スイッチは、RGB光源22として装飾的な色彩や明度を備えた光源を用い、リレーやプログラム制御によって所定の間隔で自動点滅するようにすることができる。
【0021】
前記RGB光源22は、前記RGBの各色のLEDを用いたものとすることができる。もちろん、透明板材11の幅に沿って線状に配列した複数のLEDを用いたRGB光源22としてもよい。
【0022】
以上の実施例によれば、待機状態においては、前記RGB光源22には給電されていない。したがってRGB光源22は点滅しておらず、パターン12も通常の発光を伴わない表示形式である。このとき、看板やメニュー表示となるパターン12を所望の色彩に着色しておけば無理なく看板やメニュー表示を見ることができる。
【0023】
そして、パターン12を発光した状態で見る場合には、電源をONしてRGB光源22を点灯し、かつ自動点滅スイッチ(図示せず)により所定間隔で点滅させることができる。
その際、RGB光源22の各色の波長および色素成分とRGB光源22の色温度の相対的変化によりどの色波長を吸収しあるいは反射するかは、パターン表示部10の所定の文字部分12−1やキャラクター部分12−2、図形部分12−3の色や透過性に応じて変化する。すなわち、その相対的な変化に対応してパターン表示部10の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるのである。
なお、基本的に白の物体にはどの色の波長も反射するといわれ、黒の物体はどの色の波長も反射しないといわれている。
【0024】
例えば、マーカによって着色して、「Welcome」の文字部分12−1やキャラクター部分12−2の雪だるま、図形部分12−3のリング等を白色とし、キャラクター部分12−2の小熊や雪だるまの着衣部分を赤色とすれば、前記RGB光源22の青色を発光させた場合には白色部分は青色に、またキャラクター部分12−2の小熊や雪だるまの着衣部分は赤く発色する。
また、前記RGB光源22の赤色を発光させた場合には白色部分は赤色に、またキャラクター部分12−2の小熊や雪だるまの着衣部分の色合いが弱くなる。
他方、キャラクター部分12−2の小熊や雪だるまの着衣部分を透過性のある赤色の切抜片の貼付によって形成すると、当然白色部分は赤色になるが、キャラクター部分12−2の小熊や雪だるまの着衣部分の色合いが逆により強調されて発色するのである。
このような相対的変化は、RGB光源22やパターン12に用いる素材等を選択して種々実験することにより系統的に整理し、得ようとするパターン12に応じて迅速に決定することができるようにしておくことが望ましい。
【0025】
その結果、前記RGB光源22からの光を選択的にパターン表示部10から照射することにより、ネオンサインによる点滅やLED等を前面に配した看板を用いた点滅による動きのある表示と同じような表示を、極めて簡単な構造によって行うことができるようになるのである。
このように、看板やメニュー表示がRGB光源22からの発光により行われるので、暗い場所でも看板やメニュー表示が非常に見易くなる。
【0026】
前記実施例における電飾看板は、直接透明板材にRGB光源22からの光を導入する例について説明したが、該透明な板材の厚さ方向にRGB光源もしくはRGB光源の反射材を配置して、前記透明な板材を導光部としてバックライトとなるRGB光源もしくはRGB光源の反射材からの光を選択的にパターン表示部から照射するようにしてもよい。
このようにすることによって、より明度の向上した電飾看板を得ることができる、夜間のみならず昼間においても使用可能な電飾看板を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明の電飾看板は、看板やメニューのみならず、夜間や室内の照度を抑えて暗くした場合において、種々のパンフレット、ポスター、ブラックライト(B/L)フィルム、カレンダー、名札、歌詞カード、絵本等の小冊子、その他の用途にも応用できることはいうまでもない。
また透明板材全体を光らせ、バックライトフィルムとしても活用することができ、POPや写真等のバックライト、看板等としても使用することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
10 パターン表示部
11 透明板材
12 パターン
12−1 文字部分
12−2 キャラクター部分
12−3 図形部分
13 裏板
21 保持枠
22 RGB光源
31 RGBコントローラ
32 ACアダプタ
33 導光材
34 リモートコントローラ
35 受信機
41 メカニカルシャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な板材に文字や絵柄等となる所望のパターンを、カラー印刷、ペイントの塗布、透過性のある着色された切抜片の貼付によって形成するとともに、該透明な板材の厚さ方向の端部にRGB光源を配置して、前記透明な板材を導光部としてRGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射することにより、前記透明な板材の表面に、RGB光源の各色に対応して発色するパターン表示部の所定の文字や絵柄等が、各色の波長および色素成分と光源の色温度の相対的変化により、どの色波長を吸収しあるいは反射するかはパターン表示部の所定の文字や絵柄等の色や透過性に応じて変化し、その相対的な変化に対応してパターン表示部の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるようにしたことを特徴とする電飾看板。
【請求項2】
透明な板材に文字や絵柄等となる所望のパターンを、カラー印刷、ペイントの塗布、透過性のある着色された切抜片の貼付によって形成するとともに、該透明な板材の厚さ方向にバックライトとなるRGB光源もしくはRGB光源の反射材を配置して、前記透明な板材を導光部としてRGB光源もしくはRGB光源の反射材からの光を選択的にパターン表示部から照射することにより、前記透明な板材の表面に、RGB光源の各色に対応して発色するパターン表示部の所定の文字や絵柄等が、各色の波長および色素成分と光源の色温度の相対的変化により、どの色波長を吸収しあるいは反射するかはパターン表示部の所定の文字や絵柄等の色や透過性に応じて変化し、その相対的な変化に対応してパターン表示部の所定の文字や絵柄等がカラー表示されるようにしたことを特徴とする電飾看板。
【請求項3】
前記RGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射する手段が、各RGB光源を選択的に照射するための回路からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電飾看板。
【請求項4】
前記RGB光源からの光を選択的にパターン表示部から照射する手段が、各RGB光源の前に遮蔽材を介在させて選択的に照射できるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電飾看板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−137891(P2011−137891A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296462(P2009−296462)
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(508052938)有限会社 オーク (7)
【Fターム(参考)】