説明

需給電力制御装置およびその制御方法、並びに制御プログラム

【課題】複数の電源を備える電力システムに好適な需給電力制御装置を提供する。
【解決手段】複数の電源2の電力供給と、複数の負荷装置4の電力消費とを制御する需給電力制御装置5は、電源2の供給可能電力値および供給電力値を電源2ごとに含む電源状態情報を記憶する記憶部21と、複数の電源2が供給している供給電力値を取得する供給電力取得部30と、複数の負荷装置4が消費しているそれぞれの消費電力値を取得する消費電力取得部31と、取得した供給電力値および消費電力値を比較する需給比較部32と、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、記憶部21の電源状態情報から、供給可能電力値よりも供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索部33と、供給余剰検索部33が検索した電源2に対し、供給電力を増加するように指示する供給電力指示部34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、太陽光発電、風力発電、燃料電池、蓄電池などの自家用電源が家庭にも普及し始めている。このため、商用電源と各種の自家用電源とによる供給可能な電力と、各種の家庭用電気器具(以下「家電」と略称する。)による消費電力とを考慮した電力供給がより重要となっている。
【0003】
このような電力供給の一例として、特許文献1に記載の需給調停システムが挙げられる。該需給調停システムは、調停サーバを含み、該調停サーバには、発電装置および蓄電装置が通信可能に接続される。上記調停サーバは、電力線通信によるネットワークを介して複数の家電に通信可能に接続される。商用電源、発電装置、蓄電装置等の電源からの電力は、電力制御装置を介して上記調停サーバおよび上記各家電に供給される。上記家電から電力供給要求があると、上記調停サーバは、上記家電の要求電力と上記電源の供給可能電力とに基づいて、電力供給を許可するかどうかかを判断して、その判断結果を上記家電に通知する調停処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−193562号公報(2010年09月02日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の需給調停システムにおける上記調停サーバは、家電などの負荷装置に対して指示を行っているが、電源に対して指示をほとんど行っていない。このため、複数の電源を備える電力システムに上記需給調停システムを適用するには未だ改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電源を備える電力システムに好適な需給電力制御装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る需給電力制御装置は、複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置であって、上記課題を解決するために、上記電源の供給可能電力値および供給電力値を含む電源状態情報を上記電源ごとに記憶する記憶部と、上記複数の電源が供給している供給電力値と、上記複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得する電力値取得手段と、該電力値取得手段が取得した供給電力値および消費電力値を比較する電力値比較手段と、該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記電源状態情報から、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索手段と、該供給余剰検索手段が検索した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示する供給電力指示手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る需給電力制御装置の制御方法は、複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置の制御方法であって、上記課題を解決するために、上記複数の電源が供給している供給電力値と、上記複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得する電力値取得ステップと、該電力値取得ステップにて取得された供給電力値および消費電力値を比較する電力値比較ステップと、該電力値比較ステップにて比較された結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記電源の供給可能電力値および供給電力値を含む電源状態情報を上記電源ごとに記憶する記憶部から上記電源状態情報を読み出して、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索ステップと、該供給余剰検索ステップにて検索された電源の何れかに対し、上記供給電力を増加するように指示する供給電力指示ステップとを含むことを特徴としている。
【0009】
上記の構成および方法によると、まず、複数の電源が供給している供給電力値と、複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得し、取得された供給電力値および消費電力値を比較する。この比較の結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記電源の供給可能電力値および供給電力値を上記電源ごとに含む電源状態情報を記憶部から読み出して、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源、すなわち電力供給に余剰を有する電源(以下、「供給余剰の電源」と称する。)を検索する。そして、検索された電源に対し、上記供給電力値を増加するように指示する。
【0010】
ところで、従来の需給調停システムでは、上記調停サーバは、電力供給要求に基づいて調停処理を行うため、電力の需給バランスが崩れても迅速に対応できない虞がある。電力の需給バランスが崩れると、供給される電圧が変動して、家電などの負荷装置の動作が不安定となる虞がある。特に、太陽光発電装置、風力発電装置など、自然現象を利用する発電装置の場合、供給可能電力は変動し易いので、電力の需給バランスを維持することが重要である。
【0011】
これに対し、本発明では、供給電力値と消費電力値との比較に基づいて電源に指示を行うので、電力の需給バランスの変化に迅速に対応することができる。また、供給余剰の電源を検索して供給電力の増加を指示するので、所望の電源の供給電力を増加させることができる。なお、供給電力値と消費電力値との比較は、特定の電源および負荷ごとに行ってもよいが、全ての電源の供給電力値の総和と、全ての負荷の消費電力値の総和とを比較することが好ましい。
【0012】
本発明に係る需給電力制御装置では、上記記憶部は、利用する電源の優先度を上記電源ごとに含む電源優先度情報を記憶しており、上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源の中から、上記記憶部の電源優先度情報に基づき、上記優先度の高い電源を選択し、選択した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示してもよい。上記優先度をユーザのニーズに合わせて設定することにより、ユーザの所望する電源の供給電力を確実に増加させることができる。
【0013】
なお、優先度を設定する指標の例としては、発電コスト、CO排出量などの環境コスト、などが挙げられる。すなわち、発電コストおよび環境コストの低い電源の優先度を高く設定することが考えられる。
【0014】
本発明に係る需給電力制御装置では、上記記憶部は、消費電力を削減可能な負荷ごとに、消費電力を削減する優先度を含む負荷優先度情報を記憶しており、該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記負荷優先度情報に基づき、上記優先度の高い負荷を選択し、選択した負荷に対し、消費電力を削減するように指示する消費電力指示手段をさらに備えてもよい。この場合、供給余剰の電源が存在しない場合でも、消費電力を削減することにより、電力の需給バランスを維持することができる。
【0015】
ここで、消費電力を削減する例としては、エアコン、洗濯機などのモータの回転数を下げる、エアコン、洗濯機などを一時停止させる、などが挙げられる。
【0016】
なお、優先度は適時変化することが好ましい。例えば、消費電力を低減している負荷の優先度を低くすることが考えられる。この場合、消費電力を削減するのに適当な負荷を的確に選択することができる。また、電源の供給電力の増加を優先させてもよいし、負荷の消費電力の削減を優先させてもよい。
【0017】
本発明に係る需給電力制御装置では、上記記憶部は、利用に応じて発生するコストを上記電源ごとに含む電源コスト情報と、消費電力を削減可能な負荷ごとに、消費電力を削減する優先度を含む負荷優先度情報とを記憶しており、該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記負荷優先度情報に基づき、上記優先度の高い負荷を選択し、選択した負荷に対し、消費電力を削減するように指示する消費電力指示手段をさらに備えており、上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源の中から、上記記憶部の電源コスト情報に基づき、上記コストの低い電源を選択し、選択した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示しており、上記電力値取得手段が取得した供給電力値と、上記記憶部の電源コスト情報とに基づいて、現時点のコストの合計値を算出し、算出した合計値が、予め設定した設定値よりも高い場合、上記消費電力指示手段を動作させる一方、上記合計値が上記設定値よりも低い場合、上記供給余剰検索手段および上記供給電力を動作させるコスト算出手段をさらに備えてもよい。
【0018】
この場合、コストの合計値が設定値よりも高いときには、負荷の消費電力を削減させる一方、コストの合計値が設定値よりも低いときには、電源の供給電力を増加させる。これにより、設定値以下のコストで電力システムを動作させることができる。なお、上記コストとしては、発電コスト、環境コストなどが挙げられる。
【0019】
本発明に係る需給電力制御装置では、上記記憶部は、電源が発生する電流の種類を上記電源ごとに含む電源情報と、負荷が使用する電流の種類を上記負荷ごとに含む負荷情報とを記憶しており、上記電力値比較手段は、上記記憶部の電源情報および負荷情報を参照して、供給電力値よりも消費電力値の方が多いか否かを、電流の種類ごとに判断しており、上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源のうち、上記電力値比較手段の判断結果により、上記供給電力値よりも消費電力値の方が多い電流の種類の電源に対し、上記供給電力を増加するように指示してもよい。
【0020】
この場合、電流の種類に応じて供給電力または消費電力を制御するので、より効率的な電力制御が可能となる。
【0021】
なお、上記電力制御装置の制御方法における各ステップを、制御プログラムによりコンピュータに実行させることができる。さらに、上記制御プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記制御プログラムを実行させることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る需給電力制御装置は、供給電力値と消費電力値との比較に基づいて電源に指示を行うので、電力の需給バランスの変化に迅速に対応できるという効果を奏すると共に、供給余剰の電源を検索して供給電力の増加を指示するので、所望の電源の供給電力を増加できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態である電力システムの詳細を示すブロック図である。
【図2】上記電力システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記電力システムの需給電力制御装置における記憶部に記憶された電源状態情報の一例を表形式で示す図である。
【図4】上記需給電力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施形態である電力システムの詳細を示すブロック図である。
【図6】上記電力システムの需給電力制御装置における記憶部に記憶された電源優先度情報の一例を表形式で示す図である。
【図7】上記需給電力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに別の実施形態である電力システムの詳細を示すブロック図である。
【図9】上記電力システムの需給電力制御装置における記憶部に記憶された負荷優先度情報の一例を表形式で示す図である。
【図10】上記需給電力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明のさらに別の実施形態である電力システムの詳細を示すブロック図である。
【図12】上記電力システムの需給電力制御装置における記憶部に記憶された電力単価情報の一例を表形式で示す図である。
【図13】上記需給電力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態である電力システムの詳細を示すブロック図である。
【図15】上記電力システムの需給電力制御装置における記憶部に記憶された電源情報および負荷情報の一例を表形式で示す図である。
【図16】上記需給電力制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図2は、本実施形態である電力システムの概略構成を示している。なお、図2において、太線は電力の流れを示しており、細線はデータの流れを示している。
【0025】
図2に示すように、電力システム1は、各種の電源2からの電力を、配電盤3を介して、各種の負荷装置4に供給するものである。なお、本実施形態では、電力システム1は、家屋に設置する場合を想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、オフィス、工場など、複数の電源を利用する任意の建物に設置した電力システムに、本発明を適用することもできるし、複数の建物を含む特定の地域に設置した電力システムに、本発明を適用することもできる。
【0026】
電源2は、電力を供給するものである。本実施形態では、電源2として、商用電源2aと、太陽光発電装置2bおよび燃料電池装置2cの自家用電源とを利用しているが、これに限られるものではなく、蓄電池、風力発電装置、地熱発電装置など、その他の電源も利用することができる。なお、以下では、電源2a〜2cを総称する場合には「電源2」と記載する。
【0027】
配電盤3は、電源2から供給された電力を、負荷装置4に分配するものである。負荷装置4は、電力を消費するものであり、例えば、冷蔵庫、エアコン、電気ポット、ノートPC(Personal Computer)、電灯などの家電が挙げられる。
【0028】
本実施形態では、電力システム1は、需給電力制御装置5を備えている。需給電力制御装置5は、電力の需要および供給のバランスを維持するように、電源2および負荷装置4を制御するものである。なお、商用電源2a自体を制御することは困難であるので、商用電源2aからの電力の制御は配電盤3にて行われる。
【0029】
図2に示すように、需給電力制御装置5は、配電盤3、太陽光発電装置2b、および燃料電池装置2cと、それぞれ通信可能に接続されている。また、需給電力制御装置5は、負荷装置4と通信可能に接続されている。なお、需給電力制御装置5と負荷装置4とは、通信ネットワークにより通信可能に接続されていることが好ましい。この通信ネットワークとしては、電力線通信(PLC:Power Line Communications)による有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(IEEE802.11)などが挙げられる。
【0030】
図1は、電力システム1の詳細を示している。図示のように、自家用電源2b・2c、配電盤3、および負荷装置4のそれぞれには、電力を計測するセンサ10と、電力を制御するコントローラ11とが設けられている。なお、電力は電流と電圧と力率とを乗算したものであるから、電力を直接計測しなくても、電流と電圧と力率とを、取得および/または推定することにより電力を算出してもよい。その他、電力を計測する方法、および、電力を制御する方法は、公知であるのでその説明を省略する。
【0031】
センサ10およびコントローラ11は、該当する装置に内蔵されていてもよいし、該当する装置と電力線との間に外付けされてもよい。外付けされる場合、センサ10およびコントローラ11は、一体となった装置であることが望ましい。さらに、該一体となった装置が需給電力制御装置5との通信機能を有することが望ましい。この場合、自家用電源2b・2c、配電盤3、および負荷装置4が通信機能を有する必要は無い。
【0032】
次に、需給電力制御装置5の詳細について説明する。図1に示すように、需給電力制御装置5は、制御部20および記憶部21を備える構成である。制御部20は、需給電力制御装置5内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)およびメモリを含むコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。記憶部21は、情報を記録するものであり、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記録装置によって構成される。
【0033】
次に、制御部20および記憶部21の詳細について説明する。図1に示すように、制御部20は、供給電力取得部(電力値取得手段)30、消費電力取得部(電力値取得手段)31、需給比較部(電力値比較手段)32、供給余剰検索部(供給余剰検索手段)33、供給電力指示部(供給電力指示手段)34、および消費電力指示部(消費電力指示手段)35を備える構成である。また、記憶部21は、電源状態記憶部40を備える構成である。
【0034】
電源状態記憶部40は、各電源2の状態を示す電源状態情報を記録するものである。図3は、上記電源状態情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記電源状態情報として、電源2に関するID(識別情報)、名称、供給可能電力、および供給電力が、電源2ごとに格納されている。
【0035】
供給可能電力は、電源2が供給可能な電力であり、単位はワット(W)である。なお、供給可能電力が所定のものであるか、或いは変化するものであるかは、電源2、条件によって変化する。例えば、商用電源2aの供給可能電力は、通常、一定であるが、電力会社との契約によっては変化する可能性がある。また、太陽光発電装置2bの供給可能電力は、日射量、気温などに応じて変化する。また、燃料電池装置2cの供給可能電力は、燃料ガスの供給量に応じて変化する。
【0036】
供給電力は、電源2が実際に供給している電力であり、単位はワット(W)である。供給電力は、利用される電源2の選択、負荷装置4における消費電力、その他の状況に応じて変化する。
【0037】
供給電力取得部30は、各電源2が供給する供給電力値を取得するものである。具体的には、供給電力取得部30は、自家用電源2b・2cのセンサ10から、自家用電源2b・2cの供給電力値を取得し、配電盤3のセンサ10から、商用電源2aの供給電力値を取得する。供給電力取得部30は、取得した供給電力値を需給比較部32に送出すると共に、取得した供給電力値で、電源状態記憶部40の電源状態情報を更新する。なお、供給電力取得部30は、供給可能電力値が変化する電源2から供給可能電力値を取得し、取得した供給可能電力値で、電源状態記憶部40の電源状態情報を更新してもよい。
【0038】
消費電力取得部31は、各負荷装置4が消費する消費電力値を、取得するものである。具体的には、消費電力取得部31は、各負荷装置4のセンサ10から消費電力値を取得する。消費電力取得部31は、取得した消費電力値を需給比較部32に送出する。
【0039】
需給比較部32は、供給電力値と消費電力値とを比較するものである。具体的には、需給比較部32は、供給電力取得部30から取得した各電源2の供給電力値の総和を算出する一方、消費電力取得部31から取得した各負荷装置4の消費電力値の総和を算出し、算出した供給電力値の総和と、算出した消費電力値の総和とを比較するものである。需給比較部32は、比較結果を供給余剰検索部33に通知する。
【0040】
供給余剰検索部33は、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きいという比較結果を需給比較部32から受け取ると、電源状態記憶部40の電源状態情報を参照して、供給電力値が供給可能電力値よりも小さい電源2、すなわち供給余剰の電源を検索するものである。図3の例では、何れの電源2も供給余剰の電源に該当する。供給余剰検索部33は、検索の結果、供給余剰の電源が存在する場合には供給電力指示部34に検索結果を通知する一方、供給余剰の電源が存在しない場合には、消費電力指示部35に検索結果を通知する。
【0041】
供給電力指示部34は、各電源2に対し供給電力を指示するものである。具体的には、供給電力指示部34は、供給余剰検索部33からの検索結果に該当する電源2のうち、適当なものを選択し、選択した電源2のコントローラ11に対し、供給電力を増加するように指示するものである。これにより、コントローラ11は、供給電力を増加するように電源2を制御する。なお、商用電源2aの場合、配電盤3に指示することになる。
【0042】
消費電力指示部35は、各負荷装置4に対し消費電力を指示するものである。具体的には、消費電力指示部35は、供給余剰検索部33から検索結果を受け取ると、適当な負荷装置4を選択し、選択した負荷装置4のコントローラ11に対し、消費電力を削減するように指示するものである。これにより、コントローラ11は、負荷装置4を制御して、消費電力を削減させる。なお、消費電力を削減できない負荷装置4を予め設定しておき、設定された負荷装置4は、消費電力の削減を指示しないようにしておくことが望ましい。
【0043】
次に、上記構成の需給電力制御装置5における処理動作を、図4を参照して説明する。図4は、需給電力制御装置5の処理の流れを示している。図示のように、まず、供給電力取得部30が各電源2の供給電力値を取得し、消費電力取得部31が各負荷装置4の消費電力値を取得する(S10)。このとき、供給電力取得部30は、取得した供給電力値で電源状態記憶部40の電源状態情報を更新する。
【0044】
次に、需給比較部32は、取得された消費電力値の総和が、取得された供給電力値の総和よりも多いか否かを判断する(S11)。
【0045】
取得された消費電力値の総和が、取得された供給電力値の総和に等しい場合(S11にてNO)、電力の需給バランスが維持されているので、特に何もせずに、ステップS15に進む。さらに、取得された消費電力値の総和が、取得された供給電力値の総和よりも小さい場合でも(S11にてNO)、特に何もせずに、ステップS15に進む。これは、自家用電源2b・2cおよび配電盤3のコントローラ11におけるアルゴリズムにより、供給電力を削減するように制御できるからである。なお、供給電力指示部34は、各電源2の供給電力を削減するように自家用電源2b・2cおよび配電盤3に指示してもよい。
【0046】
一方、取得された消費電力値の総和が、取得された供給電力値の総和よりも多い場合(S11にてYES)、供給余剰検索部33は、電源状態記憶部40の電源状態情報に、供給余剰の電源が存在するか否かを判断する(S12)。供給余剰の電源が存在する場合、供給電力指示部34は、供給余剰の電源のうち、適当なものに対し、供給電力を増加するように指示する(S13)。一方、供給余剰の電源が存在しない場合、消費電力指示部35は、適当な負荷装置4に対し、消費電力を削減するように指示する(S14)。
【0047】
そして、所定期間が経過するまで待機し(S15)、その後にステップS10に戻って上記処理動作を繰り返す。
【0048】
従って、本実施形態の需給電力制御装置5は、供給電力値の総和と消費電力値の総和との比較に基づいて、電源2および負荷装置4に指示を行うので、電力の需給バランスの変化に迅速に対応することができる。また、供給余剰の電源を検索して供給電力の増加を指示するので、所望の電源2の供給電力を増加させることができる。
【0049】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。図5は、本実施形態の電力システム1の詳細を示している。本実施形態の電力システム1は、図1〜図4に示す電力システム1に比べて、供給電力を増加させる電源2を、需給電力制御装置5が優先度に基づいて選択し指示する点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
図5に示すように、本実施形態の需給電力制御装置5は、図1に示す需給電力制御装置5に比べて、制御部20において供給電力指示部34が供給電力指示部34aに変更されている点と、記憶部21に電源優先度記憶部41が追加されている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0051】
電源優先度記憶部41は、供給電力の増加に利用する電源2の優先度を、電源2ごとに含む電源優先度情報を記憶するものである。図6は、上記電源優先度情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記電源優先度情報として、電源2に関するID、名称、および優先度が、電源2ごとに格納されている。なお、以下では、優先度は自然数で示され、数値が小さいほど優先度が高いとしている。
【0052】
図6の例では、優先度は、環境コストに基づいて設定されている。すなわち、太陽光発電装置2bは、COxおよびNOxを排出しないので、優先度が1番高くなっている。また、燃料電池装置2cは、NOxを排出しないので、優先度が2番目に高くなっている。そして、商用電源2aは、COxおよびNOxを排出しているので、優先度が1番低くなっている。なお、優先度は、発電コストその他の指標、およびそれらの組合せに基づいて設定してもよい。
【0053】
また、各電源2の優先度は適時変化することが好ましい。例えば、深夜電力の安い商用電源2aを利用している場合、深夜の時間帯には優先度を上げ、その他の時間帯では優先度を下げることが考えられる。また、太陽光発電装置2bの場合、昼間は発電コストおよび環境コストがゼロで発電できるので、優先度を最高とし、夜間は発電しないので優先度を最低とするか、或いは、上記電源優先度情報から削除することが考えられる。
【0054】
供給電力指示部34aは、図1に示す供給電力指示部34に比べて、供給電力の増加を指示する電源2を、電源優先度記憶部41の電源優先度情報における優先度に基づいて決定する機能が異なり、その他の機能は同様である。
【0055】
次に、上記構成の需給電力制御装置5における処理動作について、図7を参照して説明する。図7は、需給電力制御装置5における処理の流れを示している。図7に示す処理は、図4に示す処理に比べて、ステップS12とステップS13との間にステップS20・S21を追加している点が異なり、その他の処理は同様である。
【0056】
ステップS12において、供給余剰の電源が存在する場合、供給電力指示部34aは、供給余剰の電源が複数台存在するか否かを判断する(S20)。複数台存在する場合、供給電力指示部34aは、電源優先度記憶部41の電源優先度情報における優先度に基づいて、供給電力の増加を指示する電源2を決定する(S21)。一方、1台のみである場合、上記優先度に関係なく、該当する電源2が、供給電力の増加を指示する電源2となる。
【0057】
従って、本実施形態の需給電力制御装置5は、上記優先度をユーザのニーズに合わせて設定することにより、ユーザの所望する電源2の供給電力を確実に増加させることができる。
【0058】
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。図8は、本実施形態の電力システム1の詳細を示している。本実施形態の電力システム1は、図5〜図7に示す電力システム1に比べて、一時停止させる或いは消費電力を低減させる負荷装置4を、需給電力制御装置5が優先度に基づいて選択し指示する点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
図8に示すように、本実施形態の需給電力制御装置5は、図5に示す需給電力制御装置5に比べて、制御部20において消費電力取得部31および消費電力指示部35がそれぞれ消費電力取得部31bおよび消費電力指示部35bに変更されている点と、制御部20に停止可能負荷検索部36が追加されている点と、記憶部21に負荷優先度記憶部42が追加されている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0060】
負荷優先度記憶部42は、一時停止可能な負荷装置4ごとに、一時停止に利用する負荷装置4の優先度を含む負荷優先度情報を記憶するものである。本実施形態では、一時停止可能な負荷装置4は、例えば、冷蔵庫、エアコン(エア・コンディショナ)、電気ポット、床暖房装置など、動作が安定している動作安定状態において間欠駆動可能なものとしている。なお、負荷装置4は、動作安定状態に達すると消費電力が低下するので、負荷装置4が動作安定状態に達したか否かは、負荷装置4の消費電力から判断することができる。
【0061】
図9は、上記負荷優先度情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記負荷優先度情報として、負荷装置4に関するID、名称、および優先度が、負荷装置4ごとに格納されている。図示の例では、優先度は、動作安定状態に到達してから現在までの期間が長い順に設定されているが、その他の指標に基づいて、設定されてもよい。
【0062】
また、図9において、優先度に、負、ヌル、ゼロなど、正の整数以外の数が格納されている負荷装置4は、動作安定状態ではないために優先度の設定されていない負荷装置4である。ここで、動作安定状態ではない状態の例としては、電力が供給されていない停止状態、電力が供給されているが稼働していない待機状態、稼働しているが動作安定状態に到達していない動作不安定状態、稼働を一時停止している一時停止状態などが挙げられる。
【0063】
消費電力取得部31bは、図5に示す消費電力取得部31の機能に下記の機能を追加したものである。すなわち、消費電力取得部31bは、図9に示す負荷優先度情報に含まれる負荷装置4に関して、取得した消費電力から動作安定状態に到達したか否かを判断する。そして、消費電力取得部31bは、動作安定状態に到達した負荷装置4に対し優先度を設定するように、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報を更新する。このとき設定される優先度は、負荷優先度情報に現時点で格納されている優先度の最大値に1を加算したもの、すなわち、優先度が最も低いものであることが望ましい。
【0064】
停止可能負荷検索部36は、需給比較部32と供給余剰検索部33との間に設けられる。停止可能負荷検索部36は、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きいという比較結果を需給比較部32から受け取ると、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報を参照して、優先度の設定された負荷装置4、すなわち一時停止可能な負荷装置4を検索するものである。停止可能負荷検索部36は、一時停止可能な負荷装置4が存在する場合には、その旨を消費電力指示部35bに通知する一方、存在しない場合には、その旨を供給余剰検索部33に通知する。
【0065】
消費電力指示部35bは、図5に示す消費電力指示部35に下記の機能を追加したものである。すなわち、消費電力指示部35bは、停止可能負荷検索部36からの通知を受け取ると、一時停止を指示する負荷装置4を、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報における優先度に基づいて決定し、決定した負荷装置4のコントローラ11に対し、一時停止するように指示する。これにより、コントローラ11は、負荷装置4を制御して、負荷装置4を一時停止させる。次に、消費電力指示部35bは、一時停止を指示した負荷装置4の優先度が未設定の状態となるように上記負荷優先度情報を更新する。
【0066】
なお、負荷装置4を一時停止させる期間は、負荷装置4に関係のない所定期間であってもよいし、1または幾つかの負荷装置4ごとに設定された所定期間であってもよい。また、負荷装置4を一時停止させる期間は、負荷装置4のコントローラ11にて予め設定されていてもよい。
【0067】
次に、上記構成の需給電力制御装置5における処理動作について、図10を参照して説明する。図10は、需給電力制御装置5における処理の流れを示している。図10に示す処理は、図7に示す処理に比べて、ステップS10がステップS30に変更される点と、ステップS11とステップS12との間にステップS31が追加される点と、ステップS32〜S34が追加される点とが異なり、その他の処理は同様である。
【0068】
図10に示すステップS30は、図7に示すステップS10に対し、下記の処理を追加したものである。すなわち、消費電力取得部31bは、まず、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報に含まれる負荷装置4に関して、取得した消費電力から動作安定状態に到達したか否かを判断する。次に、消費電力取得部31bは、動作安定状態に到達したと判断した負荷装置4に対し優先度を設定して、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報を更新する。
【0069】
ステップS11において、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きい場合、停止可能負荷検索部36は、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報に、優先度の設定された負荷装置4が存在するか否かを判断する(S31)。優先度の設定された負荷装置4が存在しない場合、ステップS12に進む。
【0070】
一方、優先度の設定された負荷装置4が存在する場合、消費電力指示部35bは、一時停止を指示する負荷装置4を、負荷優先度記憶部42の負荷優先度情報における優先度に基づいて決定し(S32)、決定した負荷装置4のコントローラ11に対し、一時停止するように指示する(S33)。次に、消費電力指示部35bは、一時停止を指示した負荷装置4の優先度が未設定の状態となるように上記負荷優先度情報を更新する(S34)。その後、ステップS15に進む。
【0071】
従って、本実施形態の需給電力制御装置5は、供給余剰の電源2が存在しない場合でも、負荷装置4を一時停止させることにより、消費電力を削減することができ、その結果、電力の需給バランスを維持することができる。
【0072】
ところで、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などは、モータの回転数を下げることにより、一時停止することなく、消費電力を低減することができる。そこで、需給電力制御装置5は、負荷装置4を一時停止するように指示する代わりに、消費電力を低減するように指示してもよい。
【0073】
〔実施の形態4〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。図11は、本実施形態の電力システム1の詳細を示している。本実施形態の電力システム1は、図8〜図10に示す電力システム1に比べて、電源2から供給される電力量の単価(以下、「電力単価」と称する。)に基づいて、一時停止させる負荷装置を選択したり、供給電力を増加または減少させる電源2を選択したりする点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
図11に示すように、本実施形態の需給電力制御装置5は、図8に示す需給電力制御装置5に比べて、制御部20において需給比較部32、停止可能負荷検索部36、および供給電力指示部34aがそれぞれ需給比較部32c、平均単価算出部(コスト算出手段)37、および供給電力指示部34cに変更されている点と、記憶部21において電源優先度記憶部41が電力単価記憶部43に変更されている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0075】
電力単価記憶部43は、上記電力単価を電源2ごとに含む電力単価情報(電源コスト情報)を記憶するものである。図12は、上記電力単価情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記電力単価情報として、電源2に関するID、名称、および電力単価が、電源2ごとに格納されている。なお、図示の例では、電力単価の単位は、円/kWhである。また、商用電源2aは、時間帯、月単位、使用量などで電力単価が変化するので、適時変化することが好ましい。電力単価の変化するその他の電源2も同様である。
【0076】
なお、自家用電源2b・2cの場合、自家用発電装置2b・2cの設置費用を電力単価に加算してもよい。また、自家用発電装置2b・2cが、発電を行うと共に、発生した熱で湯を沸かして蓄積するコジェネレーションシステムである場合、適当な電力単価(例えば、商用電源2aによって湯を沸かすことに相当する電力単価)を減算してもよい。
【0077】
需給比較部32cは、図8に示す需給比較部32に対し、上記供給電力値の総和が上記消費電力値の総和よりも大きい場合に、その旨を供給電力指示部34cに通知する機能を追加したものである。
【0078】
平均単価算出部37は、需給比較部32cと供給余剰検索部33との間に設けられる。平均単価算出部37は、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きいという比較結果を需給比較部32cから受け取ると、電源状態記憶部40の電源状態情報と電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、現時点での電力単価の平均値(以下、「平均単価」と称する。)を算出するものである。
【0079】
また、平均単価算出部37は、算出した平均単価が、予め設定された設定値よりも高い場合に、消費電力を削減するために、消費電力指示部35bに通知し、それ以外の場合に、供給電力を増加するために、供給余剰検索部33に通知している。なお、電力単価の平均値を算出する代わりに、予め設定された日時から現在までの電力料金の合計値を算出してもよい。
【0080】
供給電力指示部34cは、図1に示す供給電力指示部34に比べて、下記の機能が異なり、その他の機能は同様である。すなわち、供給電力指示部34cは、需給比較部32cからの通知を受け取ると、電源状態記憶部40の電源状態情報と、電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、現時点で電力を供給している電源2のうち、電力単価の高い電源2を選択し、選択した電源2に対し供給電力の減少を指示する機能を有する。
【0081】
また、供給電力指示部34cは、供給余剰検索部33からの通知を受け取ると、電源状態記憶部40の電源状態情報と、電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、供給余剰を有する電源2のうち、電力単価の低い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する機能を有する。
【0082】
次に、上記構成の需給電力制御装置5における処理動作について、図13を参照して説明する。図13は、需給電力制御装置5における処理の流れを示している。図13に示す処理は、図10に示す処理に比べて、ステップS11・S21がそれぞれステップS40・S44に変更されている点と、ステップS31がステップS42・S43に変更されている点と、ステップS41が追加されている点とが異なり、その他の処理は同様である。
【0083】
ステップS40は、図10に示すステップS11に比べて、需給比較部32cが、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも小さい場合に、ステップS41に進む点が異なり、その他の処理は同様である。
【0084】
ステップS41では、供給電力指示部34cは、電源状態記憶部40の電源状態情報と、電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、現時点で電力を供給している電源2のうち、電力単価の高い電源2を選択し、選択された電源2のコントローラ11に対し、当該電源2の供給電力を減少するように指示する。図3および図12の例では、電力を供給している太陽光発電装置2bおよび燃料電池装置2cのうち、電力単価の高い燃料電池装置2cの供給電力を減少するように指示することになる。ステップS41の後、ステップS15に進む。
【0085】
ステップS40において、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きい場合、平均単価算出部37は、電源状態記憶部40の電源状態情報と電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、現時点での平均単価を算出する(S42)。図3および図12の例では、平均単価は、(1.0×0+0.2×10)/(1.0+0.2)≒1.7(円/kWh)となる。
【0086】
次に、平均単価算出部37は、算出した平均単価が、予め設定された設定値よりも高いか否かを判断する(S43)。上記設定値よりも高い場合、ステップS32に進む一方、上記設定値以下である場合、ステップS12に進む。
【0087】
ステップS20において、供給余剰の電源が複数台存在する場合、供給電力指示部34cは、電源状態記憶部40の電源状態情報と、電力単価記憶部43の電力単価情報とを参照して、供給余剰を有する電源2のうち、電力単価の低い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する(S44)。ステップS44の後、ステップS13に進む。図3および図12の例では、全ての電源2a〜2cが供給余剰を有し、このうち、電力単価の低い太陽光発電装置2bの供給電力を増加するように指示することになる。
【0088】
従って、本実施形態の需給電力制御装置5は、ユーザが所望する平均単価で電力システム1を動作させることができる。なお、本実施形態では、電力単価といった金額を利用しているが、単位電力量当りのCO排出量といった環境コストを利用することもできる。
【0089】
〔実施の形態5〕
次に、本発明の他の実施形態について、図14〜図16を参照して説明する。図14は、本実施形態の電力システム1の詳細を示している。本実施形態の電力システム1は、図8〜図10に示す電力システム1に比べて、一時停止可能な負荷を検索する代わりに、電力の削減可能な負荷を検索する点と、交流および直流の種別に基づいて、指示対象の電源2および負荷装置4を決定する点とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
本実施形態では、図示はしていないが、電源2から負荷装置4に電力を供給する電力線として、直流を供給する電力線と、交流を供給する電力線とが設けられている。また、各電源2は、直流および交流の一方を発生するので、一方を他方に変換するデバイスを備えている。例えば、交流を供給する商用電源2aの場合、交流を直流に変換する整流器12が配電盤3に設けられている。また、直流電流を発生する太陽光発電装置2bおよび燃料電池装置2cのそれぞれには、直流を交流に変換するインバータ13が設けられている。
【0091】
また、各負荷装置4は、直流および交流の一方を使用するので、他方を一方に変換するデバイスを備えている。例えば、交流を使用する冷蔵庫には、直流を交流に変換するインバータ13が設けられている。また、直流を使用するノートPCには、交流を直流に変換する整流器12が設けられている。
【0092】
図14に示すように、本実施形態の需給電力制御装置5は、図8に示す需給電力制御装置5に比べて、制御部20において消費電力取得部31b、需給比較部32、停止可能負荷検索部36、供給電力指示部34a、および消費電力指示部35bがそれぞれ消費電力取得部31d、需給比較部32d、削減可能負荷検索部38、供給電力指示部34d、および消費電力指示部35dに変更されている点と、記憶部21において電源状態記憶部40および電源優先度記憶部41が電源情報記憶部44に変更され、かつ、負荷優先度記憶部42が負荷情報記憶部45に変更されている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0093】
電源情報記憶部44は、電源情報を記憶するものである。該電源情報は、電源状態記憶部40の電源状態情報と、電源優先度記憶部41の電源優先度情報と、発生する電流の種類(交流または直流)を電源2ごとに含む発生電流情報とを含んでいる。図15の(a)は、上記電源情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記電源情報として、電源2に関するID、名称、発生電流、供給可能電力、供給電力、および優先度が、電源2ごとに格納されている。
【0094】
負荷情報記憶部45は、負荷情報を記憶するものである。該負荷情報は、各負荷装置4の状態を示す負荷状態情報と、各負荷装置4の優先度を示す優先度情報と、負荷装置4が使用する電流の種類を負荷装置4ごとに含む使用電流情報とを含んでいる。図15の(b)は、上記負荷情報の一例を表形式で示している。図示の例では、上記負荷情報として、負荷装置4に関するID、名称、使用電流、動作可能電力、消費電力、および優先度が、負荷装置4ごとに格納されている。
【0095】
動作可能電力は、負荷装置4が動作可能な電力である。すなわち、負荷装置4に供給される電力が、動作可能電力より下がると、負荷装置4は動作しなくなる。なお、動作可能電力および消費電力共に、単位はワット(W)である。
【0096】
消費電力取得部31dは、図1に示す消費電力取得部31の機能に下記の機能を追加したものである。すなわち、消費電力取得部31dは、取得した消費電力値で、負荷情報記憶部45の負荷情報を更新する。
【0097】
需給比較部32dは、図11に示す需給比較部32cに対し、需給バランスの崩れている電流の種類(交流および直流)を特定し、特定した電流の種類を削減可能負荷検索部38または供給電力指示部34dに通知する機能を追加したものである。
【0098】
削減可能負荷検索部38は、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きいという比較結果を需給比較部32dから受け取ると、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、消費電力を削減可能な負荷装置4を検索するものである。消費電力を削減可能か否かは、消費電力が動作可能電力よりも大きいか否かで判断することができる。削減可能負荷検索部38は、消費電力を削減可能な負荷装置4が存在する場合には、その旨を消費電力指示部35dに通知する一方、存在しない場合には、その旨を供給余剰検索部33に通知する。
【0099】
供給電力指示部34dは、図1に示す供給電力指示部34に比べて、下記の機能を追加したものである。すなわち、供給電力指示部34dは、需給比較部32dからの通知を受け取ると、需給比較部32dが特定した種類の電流を発生電流とする電源2のうち、優先度の低い電源(図15(a)の例では、優先度の数値が大きいもの)の供給電力を減少するように指示する機能を有する。
【0100】
また、供給電力指示部34dは、供給余剰検索部33からの通知を受け取ると、電源情報記憶部44の電源情報を参照して、需給比較部32dが特定した種類の電流を発生電流とする電源2であって、供給余剰を有する電源2のうち、優先度の高い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する機能を有する。さらに、供給電力指示部34dは、需給比較部32dが特定した種類の電流を発生電流とする電源2であって、供給余剰を有する電源2が存在しない場合、別の種類の電流を発生電流とする電源2であって、供給余剰を有する電源2のうち、優先度の高い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する機能を有する。
【0101】
消費電力指示部35dは、図1に示す消費電力指示部35に比べて、下記の機能を追加したものである。すなわち、消費電力指示部35dは、削減可能負荷検索部38からの通知を受け取ると、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、需給比較部32dが特定した種類の電流を使用電流とする負荷装置4であって、消費電力を削減可能な負荷装置4のうち、優先度の低い負荷装置4を、消費電力の削減を指示する負荷装置4として決定する機能を有する。これにより、コントローラ11は、負荷装置4を制御して、負荷装置4の消費電力を削減させる。
【0102】
また、消費電力指示部35dは、供給余剰検索部33からの通知を受け取ると、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、優先度の低い負荷装置4を、消費電力の削減を指示する負荷装置4として決定する機能を有する。
【0103】
次に、上記構成の需給電力制御装置5における処理動作について、図16を参照して説明する。図16は、需給電力制御装置5における処理の流れを示している。図示のように、まず、供給電力取得部30が各電源2の供給電力値を取得し、消費電力取得部31が各負荷装置4の消費電力値を取得する(S50)。このとき、供給電力取得部30は、取得した供給電力値で電源状態記憶部40の電源状態情報を更新する。また、消費電力取得部31dは、取得した消費電力値で負荷情報記憶部45の負荷情報を更新する。
【0104】
次に、需給比較部32dは、上記消費電力値の総和と上記供給電力値の総和とを比較する(S40)。上記消費電力値の総和と上記供給電力値の総和とが等しい場合、電力の需給バランスが維持されているので、特に何もせずに、ステップS15に進む。
【0105】
一方、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも小さい場合、すなわち電力供給が多い場合に、需給比較部32dは、電力供給の多い電流の種類を特定し(S51)、供給電力指示部34dは、特定された種類の電流を発生電流とする電源2のうち、優先度の低い電源の供給電力を減少するように指示する(S52)。
【0106】
一方、上記消費電力値の総和が上記供給電力値の総和よりも大きい場合、すなわち電力消費が多い場合に、需給比較部32dは、電力消費の多い電流の種類を特定し(S53)、削減可能負荷検索部38は、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、消費電力を削減可能な負荷装置4を検索して、削減可能な負荷装置4が存在するか否かを判断する(S54)。
【0107】
削減可能な負荷装置4が存在する場合、消費電力指示部35dは、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、需給比較部32dが特定した種類の電流を使用電流とする負荷装置4であって、消費電力を削減可能な負荷装置4が存在する場合には、当該負荷装置4のうち優先度の低い負荷装置4を、消費電力の削減を指示する負荷装置4として決定する(S55)。一方、存在しない場合には、需給比較部32dが特定した種類とは別の種類の電流を使用電流とする負荷装置4であって、消費電力を削減可能な負荷装置4のうち、優先度の低い負荷装置4を、消費電力の削減を指示する負荷装置4として決定する(S55)。
【0108】
そして、決定された負荷装置4に対し、消費電力を削減するように指示する(S57)。その後、ステップS15に進む。
【0109】
一方、ステップS53にて、削減可能な負荷装置4が存在しない場合、供給余剰検索部33は、電源情報記憶部44の電源情報に、供給余剰の電源が存在するか否かを判断する(S12)。供給余剰の電源が存在する場合、供給電力指示部34dは、供給余剰の電源が複数台存在するか否かを判断する(S20)。1台のみである場合、該当する電源2が、供給電力の増加を指示する電源2となる。
【0110】
一方、複数台存在する場合、供給電力指示部34dは、電源情報記憶部44の電源情報を参照して、需給比較部32dが特定した種類の電流を発生電流とする電源2であって、供給余剰を有する電源2が存在する場合には、当該電源2のうち優先度の高い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する(S59)。一方、存在しない場合には、供給電力指示部34dは、需給比較部32dが特定した種類とは別の種類の電流を発生電流とする電源2であって、供給余剰を有する電源2のうち、優先度の高い電源2を、供給電力の増加を指示する電源2として決定する(S59)。
【0111】
次に、供給電力指示部34dは、決定された電源2に対し、供給電力を増加するように指示する(S13)。その後、ステップS15に進む。
【0112】
一方、ステップS12にて、供給余剰の電源が存在しない場合、消費電力指示部35は、負荷情報記憶部45の負荷情報を参照して、優先度の低い負荷装置4に対し、消費電力を削減するように指示する(S61)。その後、ステップS15に進む。
【0113】
ステップS15において、所定期間が経過するまで待機し、その後にステップS10に戻って上記処理動作を繰り返す。
【0114】
従って、本実施形態の需給電力制御装置5は、電流の種類に応じて供給電力または消費電力を制御するので、より効率的な電力制御が可能となる。
【0115】
なお、本実施形態では、電源2が発生する電気の特性として、交流および直流を利用しているが、電圧、周波数など、その他の電気特性を利用することもできる。
【0116】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
例えば、本発明は、家屋等に設置された家庭用の電力システムに適用できるだけでなく、工場等に設置された産業用の電力システムにも適用できることは言うまでもない。
【0118】
最後に、需給電力制御装置5の各ブロック、特に制御部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0119】
すなわち、需給電力制御装置5は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである需給電力制御装置5の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記需給電力制御装置5に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0120】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0121】
また、需給電力制御装置5を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように、本発明に係る需給電力制御装置は、供給電力値と消費電力値との比較に基づいて電源に指示を行うので、電力の需給バランスの変化に迅速に対応できると共に、供給余剰の電源を検索して供給電力の増加を指示するので、所望の電源の供給電力を増加できることから、電力以外の任意のエネルギー機器を利用した電力しシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 電力システム
2 電源
2a 商用電源
2b 太陽光発電装置
2c 燃料電池装置
3 配電盤
4 負荷装置
5 需給電力制御装置
10 センサ
11 コントローラ
12 整流器
13 インバータ
20 制御部
21 記憶部
30 供給電力取得部(電力値取得手段)
31 消費電力取得部(電力値取得手段)
32 需給比較部(電力値比較手段)
33 供給余剰検索部(供給余剰検索手段)
34 供給電力指示部(供給電力指示手段)
35 消費電力指示部(消費電力指示手段)
36 停止可能負荷検索部
37 平均単価算出部(コスト算出手段)
38 削減可能負荷検索部
40 電源状態記憶部
41 電源優先度記憶部
42 負荷優先度記憶部
43 電力単価記憶部
44 電源情報記憶部
45 負荷情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置であって、
上記電源の供給可能電力値および供給電力値を含む電源状態情報を上記電源ごとに記憶する記憶部と、
上記複数の電源が供給している供給電力値と、上記複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得する電力値取得手段と、
該電力値取得手段が取得した供給電力値および消費電力値を比較する電力値比較手段と、
該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記電源状態情報から、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索手段と、
該供給余剰検索手段が検索した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示する供給電力指示手段とを備えることを特徴とする需給電力制御装置。
【請求項2】
上記記憶部は、利用する電源の優先度を上記電源ごとに含む電源優先度情報を記憶しており、
上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源の中から、上記記憶部の電源優先度情報に基づき、上記優先度の高い電源を選択し、選択した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示することを特徴とする請求項1に記載の需給電力制御装置。
【請求項3】
上記記憶部は、消費電力を削減可能な負荷ごとに、消費電力を削減する優先度を含む負荷優先度情報を記憶しており、
該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記負荷優先度情報に基づき、上記優先度の高い負荷を選択し、選択した負荷に対し、消費電力を削減するように指示する消費電力指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の需給電力制御装置。
【請求項4】
上記記憶部は、利用に応じて発生するコストを上記電源ごとに含む電源コスト情報と、消費電力を削減可能な負荷ごとに、消費電力を削減する優先度を含む負荷優先度情報とを記憶しており、
該電力値比較手段が比較した結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記記憶部の上記負荷優先度情報に基づき、上記優先度の高い負荷を選択し、選択した負荷に対し、消費電力を削減するように指示する消費電力指示手段をさらに備えており、
上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源の中から、上記記憶部の電源コスト情報に基づき、上記コストの低い電源を選択し、選択した電源に対し、上記供給電力を増加するように指示しており、
上記電力値取得手段が取得した供給電力値と、上記記憶部の電源コスト情報とに基づいて、現在のコストの合計値を算出し、算出した合計値が、予め設定した設定値よりも高い場合、上記消費電力指示手段を動作させる一方、上記合計値が上記設定値よりも低い場合、上記供給余剰検索手段および上記供給電力を動作させるコスト算出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の需給電力制御装置。
【請求項5】
上記記憶部は、電源が発生する電流の種類を上記電源ごとに含む電源情報と、負荷が使用する電流の種類を上記負荷ごとに含む負荷情報とを記憶しており、
上記電力値比較手段は、上記記憶部の電源情報および負荷情報を参照して、供給電力値よりも消費電力値の方が多いか否かを、電流の種類ごとに判断しており、
上記供給電力指示手段は、上記供給余剰検索手段が検索した電源のうち、上記電力値比較手段の判断結果により、上記供給電力値よりも消費電力値の方が多い電流の種類の電源に対し、上記供給電力を増加するように指示することを特徴とする請求項1に記載の需給電力制御装置。
【請求項6】
複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置の制御方法であって、
上記複数の電源が供給している供給電力値と、上記複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得する電力値取得ステップと、
該電力値取得ステップにて取得された供給電力値および消費電力値を比較する電力値比較ステップと、
該電力値比較ステップにて比較された結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記電源の供給可能電力値および供給電力値を含む電源状態情報を上記電源ごとに記憶する記憶部から上記電源状態情報を読み出して、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索ステップと、
該供給余剰検索ステップにて検索された電源の何れかに対し、上記供給電力を増加するように指示する供給電力指示ステップとを含むことを特徴とする需給電力制御装置の制御方法。
【請求項7】
複数の電源の電力供給と、複数の負荷の電力消費とを制御する需給電力制御装置を動作させるための制御プログラムにおいて、
上記複数の電源が供給している供給電力値と、上記複数の負荷が消費しているそれぞれの消費電力値とを取得する電力値取得ステップと、
該電力値取得ステップにて取得された供給電力値および消費電力値を比較する電力値比較ステップと、
該電力値比較ステップにて比較された結果、供給電力値よりも消費電力値の方が多い場合、上記電源の供給可能電力値および供給電力値を含む電源状態情報を上記電源ごとに記憶する記憶部から上記電源状態情報を読み出して、上記供給可能電力値よりも上記供給電力値が小さい電源を検索する供給余剰検索ステップと、
該供給余剰検索ステップにて検索された電源の何れかに対し、上記供給電力を増加するように指示する供給電力指示ステップとをコンピュータに実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−195988(P2012−195988A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55971(P2011−55971)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】