青果物の品質選別方法および品質選別装置
【課題】 青果物の内部異常の種類およびその内部異常の度合いに応じて精度良く選別することが可能な青果物の品質選別方法および品質選別装置を提供する。
【解決手段】 青果物１の内部に測定光を照射し、該測定光が青果物１の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、撮像装置６により青果物１の外観を撮像し、撮像装置６による青果物１の撮像画像を画像処理して青果物１の色調もしくは形状を識別し、青果物１の内部異常の度合いに応じて内部異常値に予め設定された区画範囲と、画像処理による青果物１の色調もしくは形状の識別結果とにより、青果物１の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別する。
【解決手段】 青果物１の内部に測定光を照射し、該測定光が青果物１の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、撮像装置６により青果物１の外観を撮像し、撮像装置６による青果物１の撮像画像を画像処理して青果物１の色調もしくは形状を識別し、青果物１の内部異常の度合いに応じて内部異常値に予め設定された区画範囲と、画像処理による青果物１の色調もしくは形状の識別結果とにより、青果物１の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、青果物の内部異常に応じて品質選別を行う青果物の品質選別方法および品質選別装置に関し、特に、内部異常の種類およびその度合いを選別する精度を向上させる技術の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
果実、野菜などの青果物は、収穫後に、内部品質等に応じて等級別に選別されて出荷される。従来、青果物における内部品質を、青果物を破壊することなく外部から測定する種々の技術が提案されている。
【０００３】
このうち、青果物の糖度、酸度等を測定する方法として、測定光を照射した青果物からの透過光を測定する内観測定による方法が知られている（例えば特許文献１を参照）。この方法では、搬送ラインを連続的に搬送される各青果物に対して、搬送ラインの途中に設置された光源から測定光を照射し、青果物の内部を透過した透過光を受光部で検出し、受光部からの透過光信号を解析することにより糖度、酸度等を測定する。
【０００４】
また、例えば空洞果のような青果物の内部異常を測定する場合には、例えば、多数のサンプルに対して透過光測定と肉眼観察とを行うことにより、内部異常の度合いを示すパラメータ（内部異常値）を透過光信号の大きさに対応して予め設定しておき、測定対象の青果物からの透過光を受光部で検出し、受光部からの透過光信号に基づきこの青果物について内部異常値を決定し、この内部異常値に応じて品質を選別する。
【特許文献１】特開２００３−０２１５９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、例えばトマトを例とすると、内部異常の種類として、いわゆるブク玉、および空洞果があるが、上記の透過光による内観測定では、透過光に基づいて内部異常を判別するため、内部異常の種類の判別、すなわち測定により得られた上記の内部異常値がブク玉と空洞果とのいずれに起因するものであるかを判別することは困難である。
【０００６】
一方、青果物の外観測定により内部異常を選別することも考えられる。すなわち、搬送ラインを連続的に搬送される各青果物を、搬送ラインの途中に設置されたカラーＣＣＤカメラ等の撮像装置で撮像し、得られた画像データを画像処理し、形状分類もしくは色調分類をすることによって、その分類に応じて内部異常を特定する方法である。例えばトマトでは、丸型からの変形度合いで空洞果を選別し、あるいはブク玉に特有の赤黒色への色調の近似度合いでブク玉を選別することは、ある程度可能である。
【０００７】
しかしながら、形状の変形度合いでトマトの空洞果を選別しようとしても、変形度の比較的小さいものでは、空洞果の有無およびその度合いを精度良く選別することは困難である。
【０００８】
また、色調でブク玉を選別しようとしても、色調の赤味度合いだけではブク玉の有無およびその度合いを精度よく選別することは困難である。
本発明は、上記したような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、青果物の内部異常の種類およびその内部異常の度合いに応じて精度良く選別することが可能な青果物の品質選別方法および品質選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の青果物の品質選別方法は、青果物について、その内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別方法であって、
青果物の内部に測定光を照射し、該測定光が前記青果物の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、
撮像装置により前記青果物の外観を撮像し、前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理して前記青果物の色調もしくは形状を識別し、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別することを特徴とする。
【００１０】
本発明の青果物の品質選別装置は、搬送ラインを連続的に搬送される青果物について、該青果物における内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別装置であって、
前記搬送ラインを搬送される青果物に対して測定光を照射する光源と、
前記光源からの測定光が前記青果物の内部を透過した透過光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した透過光による信号に基づき、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定する内部異常値決定手段と、
前記青果物の外観を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理し、前記青果物の色調もしくは形状を識別する測定結果を与える画像処理手段と、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理手段による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを特定する選別手段と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
上記の発明では、透過光測定による内部異常値が比較的高い範囲については、予め内部異常値に区画範囲が設定され、この区画範囲と、撮像装置による外観測定で得られた形状もしくは色調の識別結果とにより、内部異常の種類（例えばトマトではブク玉、空洞果など）およびその内部異常の大きさが特定される。
【００１２】
このように、透過光による内観測定により、内部異常が確実に存在するか、あるいは存在する可能性が高い青果物を判別するとともに、撮像装置による外観測定で得られた形状もしくは色調の識別結果をこの内観測定の結果と組み合わせて選別をするようにしたので、青果物の内部異常の種類を精度良く判別することができるとともに、内部異常の種類毎に、その内部異常の度合いも精度良く判別することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いに応じた選別を精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態における品質選別方法に用いられる装置の概略図である。本実施形態では、収穫されたトマトの品質について、内部異常（ブク玉、空洞果）に応じて等級（Ａ〜Ｄ、および格外）毎に選別する例を示している。図示したように、トマト１が搬送される搬送ライン２の途中には、光源４および受光部５が配置された内観測定部が設けられている。その搬送方向下流側には、遮光室８内に撮像装置６およびライト７が配置された外観測定部が設けられている。
【００１５】
トレイ３に載置されたトマト１は、搬送ライン２上を搬送され、上記の内観測定部では、光源４からトマト１へ測定光が照射され、トマト１の内部を透過した透過光が受光部５で検出される。
【００１６】
光源４としては、例えばハロゲンランプ、キセノンランプなどを使用することができ、搬送ライン２の上方、側方、斜め上方など、適宜の位置に配置される。また、複数個の光源を配置するようにしてもよい。
【００１７】
受光部５は、搬送ライン２の下方に配置され、トレイ３に設けられた貫通穴から下方への透過光を受光する。受光部５は、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード等で構成される。受光部５への外乱光の入射が大きい場合には、必要に応じて、外乱光を遮断するための遮光部材が設置される。
【００１８】
透過光による青果物の内部測定に関する技術は、当業者に良く知られており、場合に応じて適切な測定系を構成すればよい。例えば、外乱光成分を除去するために、照明光をチョッピングして、このチョッピング周波数に対応した参照信号によりロックインアンプで透過光信号を同期検出するようにしてもよく、また、光源を搬送ライン２の下方に配置し、受光部５を上方に配置するようにしてもよい。
【００１９】
受光部５に入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、ＡＤ変換器等を経てコンピュータ９へ送られる。コンピュータ９には、この内観測定部にて測定したトマトの透過光信号と、そのトマトの肉眼観察による内部異常の度合い（大きさ）との相関を、多数のトマトについて調べた結果に基づいて、透過光信号に応じて内部異常値が設定されている。本実施形態では、透過光信号の強度に応じて内部異常値を設定し、この相関データがコンピュータ９の記憶部に格納されている。
【００２０】
測定対象であるトマト１の透過光信号の実測値は、記憶部に格納された上記の相関データとコンピュータ９の演算部にて比較され、このトマト１について内部異常値が決定される。
【００２１】
コンピュータ９には、この内部異常値について、正常品と異常品、あるいは内部異常の度合いを判別するための任意の区画範囲を記憶部に設定することができるようになっている。図２は、トマトの内部異常（ブク玉、空洞果）についての目視実測と、上記の内観測定部で透過光信号から決定された内部異常値との関係の一例を示したグラフである。同図の例では、例えば閾値を３．４と設定し、内部異常値が３．４以上である範囲を区画範囲とすることにより、正常品と、ブク玉もしくは空洞果を含む異常品とが判別できる。
【００２２】
図１において、内観測定部で透過光が測定されたトマト１は、内観測定部の下流側に設けられた外観測定部に搬送される。この外観測定部では、ＣＣＤカメラ、テレビカメラ等の撮像装置６でトマト１の外観が撮像され、撮像装置６からの画像信号は、コンピュータ９へ送られる。コンピュータ９では、トマト１の形状もしくは色調についての識別を行うために、トマト１の画像データが画像処理される。
【００２３】
ＣＣＤカメラ、テレビカメラ等を用いた、青果物の形状もしくは色調についての外観検査に関する技術は、当業者に良く知られており、測定系、画像処理方法、形状もしくは色調の識別方法は、場合に応じて適切に構成すればよい。
【００２４】
トマトの形状により識別を行う場合、一例として、トマト１の上部をライト７により照射し、トマト１の中心上方に設置した撮像装置６によりトマト１を上方から撮像し、この撮像画像をＡ／Ｄ変換器を用いて２値化することによりトマト１の画像と背景の画像とを
分離する。次いで、例えばトマト１の画像の重心を求め、中心から所定角度毎に直線を設けたマスク画像の当該中心と、トマト１の２値化画像の重心とを一致させてその論理積を各画素間で行うことにより、各直線について重心からトマトの輪郭までの距離を算出し、この距離により形状を判別することができる。形状は、例えば「円形」、「楕円形」、「四角形」、「歪形」等として分類できる。外観測定によるトマト形状の識別結果は、このような「円形」、「楕円形」等の形状分類として得るようにしてもよく、あるいは形状を数値化した外観測定値として得るようにしてもよい。
【００２５】
トマトの色調により識別を行う場合、一例として、トマト１を上方からカラー撮像し、この撮像画像の赤、緑、青の各成分の強度データを画素毎に記憶し、この記憶データに基づいて識別結果を算出する。
【００２６】
例えば、撮像した画像の各画素毎に、赤、緑、青の各成分の和で得られる明度と、各成分のその画素の明度に対する比率で得られる色度を用い、画像全体に渡りその色度によって対象物であるトマトを判別し、対象物であるトマトを構成する画素について平均値を求める。外観測定によるトマト色調の識別結果は、このような色調の平均値を「赤黒」、「赤」、「ピンク」、「緑」等に分類して得るようにしてもよく、あるいは平均値を外観測定値としてもよい。
【００２７】
トマトの場合、内部にブク玉が存在すると色調が赤黒くなる傾向があり、内部に空洞果が存在すると丸型から変形した形状となる傾向がある。
コンピュータ９では、内観測定部でトマト１の透過光測定を行うことにより得られた内部異常値と、外観測定部で撮像されたトマト１の画像データを画像処理して得られた色調もしくは形状の識別結果とにより、内部異常の度合いおよびその種類を特定し、各等級に選別する。
【００２８】
トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの形状についての外観識別結果とにより、図３に示したように品質選別を行うことができる。同図の例では、内部異常値の閾値を３．４と３．９に設定し、透過光測定の結果、内部異常値がこの区画範囲３．４〜３．９に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてＤ品（小〜中程度の空洞果）もしくは格外品（小〜中程度のブク玉）に選別される。すなわち、外観撮像の結果、その形状が丸型もしくは丸型に近い形状として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度のブク玉が存在する可能性が高く、格外品に選別される。一方、外観撮像の結果、その形状が丸型から変形した形状として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度の空洞果が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。
【００２９】
透過光測定による内部異常値が３．９を超えるものについては、トマトの内部に大きいブク玉もしくは大きい空洞果が存在する可能性が高く、格外品に選別される。
透過光測定による内部異常値が３．４未満のものについては、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。
【００３０】
また、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの色調についての外観識別結果とにより、図３に示したように品質選別を行うことができる。同図の例では、内部異常値の閾値を３．４と３．９、および３．４未満のある値（同図のＸ）に設定している。透過光測定の結果、内部異常値が区画範囲３．４〜３．９に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてＤ品（小〜中程度の空洞果）もしくは格外品（小〜中程度のブク玉）に選別される。すなわち、外観撮像の結果、その色調が赤黒もしくは赤黒〜赤に近い色調として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度のブク玉が存在する可能性が高く、格外品に選別される。一方、外観撮像
の結果、その色調がピンク〜緑として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度の空洞果が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。
【００３１】
さらに、透過光測定の結果、内部異常値が区画範囲Ｘ〜３．４に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてブク玉によるＤ品が選別される。すなわち、外観撮像の結果、その色調が赤黒もしくは赤黒〜赤に近い色調として識別されたものについては、この区画範囲Ｘ〜３．４では、トマトの内部に小程度のブク玉が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。一方、外観撮像の結果、その色調がピンク〜緑として識別されたものについては、この区画範囲Ｘ〜３．４では、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。なお、同図のように、この区画範囲Ｘ〜３．４における、外観撮像によるブク玉の識別境界を、区画範囲３．４〜３．９におけるブク玉と空洞果との識別境界よりも赤黒に近い側に設定するようにしてもよい。
【００３２】
透過光測定による内部異常値が３．９を超えるものについては、トマトの内部に大きいブク玉もしくは大きい空洞果が存在する可能性が高く、格外品に選別される。
透過光測定による内部異常値がＸ未満のものについては、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。
【００３３】
特にトマトでは、図２に示したように、内部異常値が閾値３．４の下部近傍であるものに、小程度のブク玉が存在していることが多く、Ｘの値を適切に定めることによりブク玉の度合いを精度良く選別できる。
【００３４】
図１において、上記のようにして等級毎に選別されたトマト１は、さらに搬送ライン２の下流側にて、選別された等級毎に仕分けされる。
以上のように、測定対象である青果物の透過光測定および外観撮像による測定結果が、透過光測定による内部異常値が比較的高い範囲において予め設定された区画範囲と、外観撮像による形状もしくは色調の識別結果による区画範囲とにより区切られた領域のうちいずれの領域に属しているかを求めることによって、内部異常の種類および大きさに応じた選別を精度良く行うことができる。
【００３５】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはなく、種々の変形、変更が可能である。例えば、トマト以外の果実、野菜等の青果物についても、その青果物に対して透過光測定を行うことができ、且つ、内部異常に応じた形状もしくは色調の傾向が存在するものであれば、内部異常の種類およびその度合いに応じた選別に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】図１は、本発明の一実施形態における品質選別方法に用いられる装置の概略図である。
【図２】図２は、トマトの内部異常（ブク玉、空洞果）についての目視実測と、上記の内観測定部で透過光信号から決定された内部異常値との関係の一例を示したグラフである。
【図３】図３は、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの形状についての外観識別結果とにより品質選別を行う例を示した図である。
【図４】図４は、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの色調についての外観識別結果とにより品質選別を行う例を示した図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ トマト
２ 搬送ライン
３ トレイ
４ 光源
５ 受光部
６ 撮像装置
７ ライト
８ 遮光室
９ コンピュータ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、青果物の内部異常に応じて品質選別を行う青果物の品質選別方法および品質選別装置に関し、特に、内部異常の種類およびその度合いを選別する精度を向上させる技術の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
果実、野菜などの青果物は、収穫後に、内部品質等に応じて等級別に選別されて出荷される。従来、青果物における内部品質を、青果物を破壊することなく外部から測定する種々の技術が提案されている。
【０００３】
このうち、青果物の糖度、酸度等を測定する方法として、測定光を照射した青果物からの透過光を測定する内観測定による方法が知られている（例えば特許文献１を参照）。この方法では、搬送ラインを連続的に搬送される各青果物に対して、搬送ラインの途中に設置された光源から測定光を照射し、青果物の内部を透過した透過光を受光部で検出し、受光部からの透過光信号を解析することにより糖度、酸度等を測定する。
【０００４】
また、例えば空洞果のような青果物の内部異常を測定する場合には、例えば、多数のサンプルに対して透過光測定と肉眼観察とを行うことにより、内部異常の度合いを示すパラメータ（内部異常値）を透過光信号の大きさに対応して予め設定しておき、測定対象の青果物からの透過光を受光部で検出し、受光部からの透過光信号に基づきこの青果物について内部異常値を決定し、この内部異常値に応じて品質を選別する。
【特許文献１】特開２００３−０２１５９８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、例えばトマトを例とすると、内部異常の種類として、いわゆるブク玉、および空洞果があるが、上記の透過光による内観測定では、透過光に基づいて内部異常を判別するため、内部異常の種類の判別、すなわち測定により得られた上記の内部異常値がブク玉と空洞果とのいずれに起因するものであるかを判別することは困難である。
【０００６】
一方、青果物の外観測定により内部異常を選別することも考えられる。すなわち、搬送ラインを連続的に搬送される各青果物を、搬送ラインの途中に設置されたカラーＣＣＤカメラ等の撮像装置で撮像し、得られた画像データを画像処理し、形状分類もしくは色調分類をすることによって、その分類に応じて内部異常を特定する方法である。例えばトマトでは、丸型からの変形度合いで空洞果を選別し、あるいはブク玉に特有の赤黒色への色調の近似度合いでブク玉を選別することは、ある程度可能である。
【０００７】
しかしながら、形状の変形度合いでトマトの空洞果を選別しようとしても、変形度の比較的小さいものでは、空洞果の有無およびその度合いを精度良く選別することは困難である。
【０００８】
また、色調でブク玉を選別しようとしても、色調の赤味度合いだけではブク玉の有無およびその度合いを精度よく選別することは困難である。
本発明は、上記したような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、青果物の内部異常の種類およびその内部異常の度合いに応じて精度良く選別することが可能な青果物の品質選別方法および品質選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の青果物の品質選別方法は、青果物について、その内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別方法であって、
青果物の内部に測定光を照射し、該測定光が前記青果物の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、
撮像装置により前記青果物の外観を撮像し、前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理して前記青果物の色調もしくは形状を識別し、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別することを特徴とする。
【００１０】
本発明の青果物の品質選別装置は、搬送ラインを連続的に搬送される青果物について、該青果物における内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別装置であって、
前記搬送ラインを搬送される青果物に対して測定光を照射する光源と、
前記光源からの測定光が前記青果物の内部を透過した透過光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した透過光による信号に基づき、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定する内部異常値決定手段と、
前記青果物の外観を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理し、前記青果物の色調もしくは形状を識別する測定結果を与える画像処理手段と、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理手段による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを特定する選別手段と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
上記の発明では、透過光測定による内部異常値が比較的高い範囲については、予め内部異常値に区画範囲が設定され、この区画範囲と、撮像装置による外観測定で得られた形状もしくは色調の識別結果とにより、内部異常の種類（例えばトマトではブク玉、空洞果など）およびその内部異常の大きさが特定される。
【００１２】
このように、透過光による内観測定により、内部異常が確実に存在するか、あるいは存在する可能性が高い青果物を判別するとともに、撮像装置による外観測定で得られた形状もしくは色調の識別結果をこの内観測定の結果と組み合わせて選別をするようにしたので、青果物の内部異常の種類を精度良く判別することができるとともに、内部異常の種類毎に、その内部異常の度合いも精度良く判別することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いに応じた選別を精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態における品質選別方法に用いられる装置の概略図である。本実施形態では、収穫されたトマトの品質について、内部異常（ブク玉、空洞果）に応じて等級（Ａ〜Ｄ、および格外）毎に選別する例を示している。図示したように、トマト１が搬送される搬送ライン２の途中には、光源４および受光部５が配置された内観測定部が設けられている。その搬送方向下流側には、遮光室８内に撮像装置６およびライト７が配置された外観測定部が設けられている。
【００１５】
トレイ３に載置されたトマト１は、搬送ライン２上を搬送され、上記の内観測定部では、光源４からトマト１へ測定光が照射され、トマト１の内部を透過した透過光が受光部５で検出される。
【００１６】
光源４としては、例えばハロゲンランプ、キセノンランプなどを使用することができ、搬送ライン２の上方、側方、斜め上方など、適宜の位置に配置される。また、複数個の光源を配置するようにしてもよい。
【００１７】
受光部５は、搬送ライン２の下方に配置され、トレイ３に設けられた貫通穴から下方への透過光を受光する。受光部５は、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード等で構成される。受光部５への外乱光の入射が大きい場合には、必要に応じて、外乱光を遮断するための遮光部材が設置される。
【００１８】
透過光による青果物の内部測定に関する技術は、当業者に良く知られており、場合に応じて適切な測定系を構成すればよい。例えば、外乱光成分を除去するために、照明光をチョッピングして、このチョッピング周波数に対応した参照信号によりロックインアンプで透過光信号を同期検出するようにしてもよく、また、光源を搬送ライン２の下方に配置し、受光部５を上方に配置するようにしてもよい。
【００１９】
受光部５に入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、ＡＤ変換器等を経てコンピュータ９へ送られる。コンピュータ９には、この内観測定部にて測定したトマトの透過光信号と、そのトマトの肉眼観察による内部異常の度合い（大きさ）との相関を、多数のトマトについて調べた結果に基づいて、透過光信号に応じて内部異常値が設定されている。本実施形態では、透過光信号の強度に応じて内部異常値を設定し、この相関データがコンピュータ９の記憶部に格納されている。
【００２０】
測定対象であるトマト１の透過光信号の実測値は、記憶部に格納された上記の相関データとコンピュータ９の演算部にて比較され、このトマト１について内部異常値が決定される。
【００２１】
コンピュータ９には、この内部異常値について、正常品と異常品、あるいは内部異常の度合いを判別するための任意の区画範囲を記憶部に設定することができるようになっている。図２は、トマトの内部異常（ブク玉、空洞果）についての目視実測と、上記の内観測定部で透過光信号から決定された内部異常値との関係の一例を示したグラフである。同図の例では、例えば閾値を３．４と設定し、内部異常値が３．４以上である範囲を区画範囲とすることにより、正常品と、ブク玉もしくは空洞果を含む異常品とが判別できる。
【００２２】
図１において、内観測定部で透過光が測定されたトマト１は、内観測定部の下流側に設けられた外観測定部に搬送される。この外観測定部では、ＣＣＤカメラ、テレビカメラ等の撮像装置６でトマト１の外観が撮像され、撮像装置６からの画像信号は、コンピュータ９へ送られる。コンピュータ９では、トマト１の形状もしくは色調についての識別を行うために、トマト１の画像データが画像処理される。
【００２３】
ＣＣＤカメラ、テレビカメラ等を用いた、青果物の形状もしくは色調についての外観検査に関する技術は、当業者に良く知られており、測定系、画像処理方法、形状もしくは色調の識別方法は、場合に応じて適切に構成すればよい。
【００２４】
トマトの形状により識別を行う場合、一例として、トマト１の上部をライト７により照射し、トマト１の中心上方に設置した撮像装置６によりトマト１を上方から撮像し、この撮像画像をＡ／Ｄ変換器を用いて２値化することによりトマト１の画像と背景の画像とを
分離する。次いで、例えばトマト１の画像の重心を求め、中心から所定角度毎に直線を設けたマスク画像の当該中心と、トマト１の２値化画像の重心とを一致させてその論理積を各画素間で行うことにより、各直線について重心からトマトの輪郭までの距離を算出し、この距離により形状を判別することができる。形状は、例えば「円形」、「楕円形」、「四角形」、「歪形」等として分類できる。外観測定によるトマト形状の識別結果は、このような「円形」、「楕円形」等の形状分類として得るようにしてもよく、あるいは形状を数値化した外観測定値として得るようにしてもよい。
【００２５】
トマトの色調により識別を行う場合、一例として、トマト１を上方からカラー撮像し、この撮像画像の赤、緑、青の各成分の強度データを画素毎に記憶し、この記憶データに基づいて識別結果を算出する。
【００２６】
例えば、撮像した画像の各画素毎に、赤、緑、青の各成分の和で得られる明度と、各成分のその画素の明度に対する比率で得られる色度を用い、画像全体に渡りその色度によって対象物であるトマトを判別し、対象物であるトマトを構成する画素について平均値を求める。外観測定によるトマト色調の識別結果は、このような色調の平均値を「赤黒」、「赤」、「ピンク」、「緑」等に分類して得るようにしてもよく、あるいは平均値を外観測定値としてもよい。
【００２７】
トマトの場合、内部にブク玉が存在すると色調が赤黒くなる傾向があり、内部に空洞果が存在すると丸型から変形した形状となる傾向がある。
コンピュータ９では、内観測定部でトマト１の透過光測定を行うことにより得られた内部異常値と、外観測定部で撮像されたトマト１の画像データを画像処理して得られた色調もしくは形状の識別結果とにより、内部異常の度合いおよびその種類を特定し、各等級に選別する。
【００２８】
トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの形状についての外観識別結果とにより、図３に示したように品質選別を行うことができる。同図の例では、内部異常値の閾値を３．４と３．９に設定し、透過光測定の結果、内部異常値がこの区画範囲３．４〜３．９に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてＤ品（小〜中程度の空洞果）もしくは格外品（小〜中程度のブク玉）に選別される。すなわち、外観撮像の結果、その形状が丸型もしくは丸型に近い形状として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度のブク玉が存在する可能性が高く、格外品に選別される。一方、外観撮像の結果、その形状が丸型から変形した形状として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度の空洞果が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。
【００２９】
透過光測定による内部異常値が３．９を超えるものについては、トマトの内部に大きいブク玉もしくは大きい空洞果が存在する可能性が高く、格外品に選別される。
透過光測定による内部異常値が３．４未満のものについては、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。
【００３０】
また、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの色調についての外観識別結果とにより、図３に示したように品質選別を行うことができる。同図の例では、内部異常値の閾値を３．４と３．９、および３．４未満のある値（同図のＸ）に設定している。透過光測定の結果、内部異常値が区画範囲３．４〜３．９に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてＤ品（小〜中程度の空洞果）もしくは格外品（小〜中程度のブク玉）に選別される。すなわち、外観撮像の結果、その色調が赤黒もしくは赤黒〜赤に近い色調として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度のブク玉が存在する可能性が高く、格外品に選別される。一方、外観撮像
の結果、その色調がピンク〜緑として識別されたものについては、この区画範囲３．４〜３．９では、トマトの内部に小〜中程度の空洞果が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。
【００３１】
さらに、透過光測定の結果、内部異常値が区画範囲Ｘ〜３．４に含まれるものについては、外観撮像による識別結果に応じてブク玉によるＤ品が選別される。すなわち、外観撮像の結果、その色調が赤黒もしくは赤黒〜赤に近い色調として識別されたものについては、この区画範囲Ｘ〜３．４では、トマトの内部に小程度のブク玉が存在する可能性が高く、Ｄ品に選別される。一方、外観撮像の結果、その色調がピンク〜緑として識別されたものについては、この区画範囲Ｘ〜３．４では、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。なお、同図のように、この区画範囲Ｘ〜３．４における、外観撮像によるブク玉の識別境界を、区画範囲３．４〜３．９におけるブク玉と空洞果との識別境界よりも赤黒に近い側に設定するようにしてもよい。
【００３２】
透過光測定による内部異常値が３．９を超えるものについては、トマトの内部に大きいブク玉もしくは大きい空洞果が存在する可能性が高く、格外品に選別される。
透過光測定による内部異常値がＸ未満のものについては、内部異常値に応じてＡ品〜Ｃ品に選別される。
【００３３】
特にトマトでは、図２に示したように、内部異常値が閾値３．４の下部近傍であるものに、小程度のブク玉が存在していることが多く、Ｘの値を適切に定めることによりブク玉の度合いを精度良く選別できる。
【００３４】
図１において、上記のようにして等級毎に選別されたトマト１は、さらに搬送ライン２の下流側にて、選別された等級毎に仕分けされる。
以上のように、測定対象である青果物の透過光測定および外観撮像による測定結果が、透過光測定による内部異常値が比較的高い範囲において予め設定された区画範囲と、外観撮像による形状もしくは色調の識別結果による区画範囲とにより区切られた領域のうちいずれの領域に属しているかを求めることによって、内部異常の種類および大きさに応じた選別を精度良く行うことができる。
【００３５】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはなく、種々の変形、変更が可能である。例えば、トマト以外の果実、野菜等の青果物についても、その青果物に対して透過光測定を行うことができ、且つ、内部異常に応じた形状もしくは色調の傾向が存在するものであれば、内部異常の種類およびその度合いに応じた選別に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】図１は、本発明の一実施形態における品質選別方法に用いられる装置の概略図である。
【図２】図２は、トマトの内部異常（ブク玉、空洞果）についての目視実測と、上記の内観測定部で透過光信号から決定された内部異常値との関係の一例を示したグラフである。
【図３】図３は、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの形状についての外観識別結果とにより品質選別を行う例を示した図である。
【図４】図４は、トマトの透過光測定による内部異常値と、トマトの色調についての外観識別結果とにより品質選別を行う例を示した図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ トマト
２ 搬送ライン
３ トレイ
４ 光源
５ 受光部
６ 撮像装置
７ ライト
８ 遮光室
９ コンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
青果物について、その内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別方法であって、
青果物の内部に測定光を照射し、該測定光が前記青果物の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、
撮像装置により前記青果物の外観を撮像し、前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理して前記青果物の色調もしくは形状を識別し、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別することを特徴とする青果物の品質選別方法。
【請求項２】
搬送ラインを連続的に搬送される青果物について、該青果物における内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別装置であって、
前記搬送ラインを搬送される青果物に対して測定光を照射する光源と、
前記光源からの測定光が前記青果物の内部を透過した透過光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した透過光による信号に基づき、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定する内部異常値決定手段と、
前記青果物の外観を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理し、前記青果物の色調もしくは形状を識別する測定結果を与える画像処理手段と、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理手段による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを特定する選別手段と、を備えることを特徴とする青果物の品質選別装置。
【請求項１】
青果物について、その内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別方法であって、
青果物の内部に測定光を照射し、該測定光が前記青果物の内部を透過した透過光による信号に基づいて、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定するとともに、
撮像装置により前記青果物の外観を撮像し、前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理して前記青果物の色調もしくは形状を識別し、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを選別することを特徴とする青果物の品質選別方法。
【請求項２】
搬送ラインを連続的に搬送される青果物について、該青果物における内部異常に応じて選別を行う青果物の品質選別装置であって、
前記搬送ラインを搬送される青果物に対して測定光を照射する光源と、
前記光源からの測定光が前記青果物の内部を透過した透過光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した透過光による信号に基づき、予め透過光による信号に対応して設定された内部異常値を決定する内部異常値決定手段と、
前記青果物の外観を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置による前記青果物の撮像画像を画像処理し、前記青果物の色調もしくは形状を識別する測定結果を与える画像処理手段と、
前記青果物の内部異常の度合いに応じて前記内部異常値に予め設定された区画範囲と、前記画像処理手段による前記青果物の色調もしくは形状の識別結果とにより、前記青果物の内部異常の種類および内部異常の度合いを特定する選別手段と、を備えることを特徴とする青果物の品質選別装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２１１７０（Ｐ２００６−２１１７０Ａ）
【公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２０３７８２（Ｐ２００４−２０３７８２）
【出願日】平成１６年７月９日（２００４．７．９）
【出願人】（０００００６１８３）三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月９日（２００４．７．９）
【出願人】（０００００６１８３）三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Ｆターム（参考）】
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