説明

静止ミキサ及びその製造方法並びにその静止ミキサを用いた水処理装置

【課題】比較的簡単な構造をもつ部材の組み合わせにて構成される静止ミキサを提供することを解決すべき課題とする。
【解決手段】一端部に導入口471が、他端部に排出口472がそれぞれ開口する筒状の混合空間を区画する外壁43と、混合空間内で軸方向に積層され、隣接する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に1又は2以上の連通孔をもつ複数の邪魔板44、45と、複数の邪魔板44、45の間に挟持されるリング状のスペーサ46と、邪魔板44、45及びスペーサ46からなる積層体を混合空間の軸方向から挟持し且つ外壁43に固定される蓋部材47とを有することを特徴とする静止ミキサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止ミキサ及びその製造方法並びにその静止ミキサを用いた水処理装置に関し、詳しくは簡便な構造を持つ静止ミキサ及びその製造方法並びにその静止ミキサを用いた水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水処理装置としてはオゾン及び過酸化水素を組み合わせて水を浄化する装置が知られている(特許文献1など)。オゾンは過酸化水素の共存下で高い酸化能を発揮することが知られている。オゾンはその高い酸化能により処理水中に含まれる有機物などの被浄化物を分解したり、被浄化物を変性させて後工程における凝集しやすくしたりできる効果を発現する。
【0003】
ところで、オゾンは常温常圧下で水への溶解速度が小さい気体であり、処理水中に溶解させる手法が問題になる。撹拌翼を用いた撹拌機などにより溶解させることもできるが、オゾンの酸化性による装置の耐久性が問題になる。また、バブリングなどによる自然溶解を実現するためには深い水槽が必要であり現実的ではない。
【0004】
そこで、処理水へのオゾンの溶解を促進するために静止ミキサを採用することがあった。静止ミキサは可動部が殆ど無いため、優れた耐久性をもつ利点があり、種々の装置が提案されている(特許文献2など)。
【0005】
特許文献2には、プレートが2以上積層されてなり、2種以上の流体を混合するためのマイクロミキサーであって、前記プレートは、混合する前記流体のいずれかが流通する流体経路と、前記流体の熱交換を行うための媒体が流通する媒体流路と、前記流体流路に連通するとともに前記プレートの厚さ方向に貫通した貫通孔とを有し、隣接する一対の前記プレートは、一方の前記プレートの前記貫通孔と他方の前記プレートの前記貫通孔とが連通するように、かつ、一方の前記プレートに形成された一の流体を流通する前記流体流路と他方の前記プレートに形成された前記媒体流路とが積層されるとともに、他方の前記プレートの他の流体を流通する前記流体流路と一方の前記プレートの前記媒体流路とが積層されるように配置され、前記貫通孔が連通されることにより、これら一の流体と他の流体とが混合される流体混合部が形成され、該流体混合部には、前記流体の流れ方向に沿って移動可能な背圧弁が備えられていることを特徴とするマイクロミキサーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−110522号公報(要約、背景技術など)
【特許文献2】特開2007−136411号公報(特許請求の範囲、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の静止ミキサは複雑な流路が形成されたプレートを積層して用いており、プレートの加工に多大な労力を要するものであった。
【0008】
本発明は上記課題を解決する目的で為されたものであり、比較的簡単な構造をもつ部材の組み合わせにて構成される静止ミキサを提供することを解決すべき課題とする。また、そのような静止ミキサを製造できる簡便な方法を提供することも解決すべき課題とする。更に、そのような静止ミキサを採用した簡単な構造をもつ水処理装置を提供することも解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1に係る静止ミキサの特徴は、一端部に導入口が、他端部に排出口がそれぞれ開口する筒状の混合空間を区画する外壁と、
前記混合空間内で軸方向に積層され、隣接する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に1又は2以上の連通孔をもつ複数の邪魔板と、
前記複数の邪魔板の間に挟持されるリング状のスペーサと、
前記邪魔板及び前記スペーサからなる積層体を前記混合空間の軸方向から挟持し且つ前記外壁に固定される挟持固定部材と、
を有することにある。
【0010】
更に、上記課題を解決する請求項2に係る静止ミキサの製造方法の特徴は、一端部に導入口が、他端部に排出口がそれぞれ開口する筒状の混合空間を区画する外壁と、
前記混合空間内で軸方向に積層され、隣接する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に1又は2以上の連通孔をもつ複数の邪魔板と、
前記複数の邪魔板の間に挟持されるリング状のスペーサと、
前記邪魔板及び前記スペーサからなる積層体を前記混合空間の軸方向から挟持し且つ前記外壁に固定される挟持固定部材と、
を有する静止ミキサを製造する方法であって、
前記邪魔板及び前記スペーサを前記混合空間内に順次挿入する工程と、
前記積層体を前記混合空間の軸方向から前記挟持固定部材により挟持し且つ前記挟持固定部材を前記外壁に固定する工程と、
を有することにある。
【0011】
上記課題を解決する請求項3に係る水処理装置の特徴は、オゾン及び過酸化水素を前記処理水中に導入する酸化剤導入手段と、
オゾン及び過酸化水素を導入した前記処理水を撹拌する静止ミキサとを有する水処理装置であって、
前記静止ミキサは、請求項1に記載の静止ミキサであることにある。
【0012】
上記課題を解決する請求項4に係る水処理装置の特徴は、請求項3において、前記酸化剤導入手段は前記処理水中にオゾンを導入するエジェクタをもつことにある。
【0013】
上記課題を解決する請求項5に係る水処理装置の特徴は、請求項3又は4において、前記酸化剤導入手段は前記過酸化水素を定量導入するダイヤフラムポンプをもつことにある。
【0014】
上記課題を解決する請求項6に係る水処理装置の特徴は、請求項3〜5の何れか1項において、前記静止ミキサは複数回の混合操作を行う手段であり、
前記酸化剤導入手段は前記静止ミキサにおける前記複数回の混合操作の途中にオゾンを導入する第2酸化剤導入手段をもつことにある。
【0015】
上記課題を解決する請求項7に係る水処理装置の特徴は、請求項3〜6の何れか1項において、前記静止ミキサの排出口から排出される前記処理水を導入口に導く循環路を有することにある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る静止ミキサによれば、連通孔を形成した邪魔板とリング状のスペーサといった簡単な構造をもつ部材を組み合わせ、筒状の混合空間を区画する外壁内に配設するだけで充分な混合性能を発現できる静止ミキサを提供することが可能になる。
【0017】
特に、連通孔といった小さな孔を通していることから、処理水中に確実に乱流状態を生成することができる。連通孔と言った円環内での水の流れにおけるレイノルズ数は、連通孔の孔径や、ノズルに相当する連通孔の開口部の直径、そして処理を行う流体の種類、性状などにより決定される。管に類似の形状をもつ連通孔内の流れでは、臨界レイノルズ数は2000〜4000と言われており、このようなレイノルズ数になるように、連通孔の形状、処理水の流れを制御することは容易であり、安定的に乱流状態を継続させることが可能になる。例えば、処理を行う流体の種類などの条件に変更があった場合に適正なレイノルズ数の範囲になるように調節する要求が生じることが考えられるが、そのような場合であっても、邪魔板及びスペーサは単純に積層して挿入されているのみであるから、連通孔の大きさ、数を変更した邪魔板に取り替えること、及び/又は、厚みを変更したスペーサに取り替えることで容易に対応可能である。
【0018】
請求項2に係る静止ミキサの製造方法によれば、連通孔を形成した邪魔板とリング状のスペーサとを積層して形成した積層体を筒状の混合空間内に挿入するだけで静止ミキサを製造することが可能になる。邪魔板及びスペーサは複雑な形状ではないため、その製造にはそれ程の労力は必要とされず、簡単に静止ミキサを製造することが可能になる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、可動部がない静止ミキサを用いて処理水にオゾン及び過酸化水素を混合させる構成を採用することにより、オゾン及び過酸化水素を効率的に溶解させながら、高い酸化能をもつオゾンなどにより可動部が劣化されないという不都合が抑制される。結果、装置の小型化、耐久性向上に加え、処理水の充分な浄化が可能になる。また、この静止ミキサは構造が簡単であるため、万が一、劣化などが生じたとしてもその修理は極めて容易である。
【0020】
ここで、オゾンと過酸化水素とは邪魔板に設けられた連通孔を通過する際や、邪魔板の間の隙間の空間といった狭い空間にて発生する乱流により混合されることによってヒドロキシラジカルを生じる。連通孔や邪魔板の間という狭い空間で生成したヒドロキシラジカルは、その混合撹拌が行われる断面においてほぼ全面にわたり存在することになる。従って、寿命が短いヒドロキシラジカルであっても処理水中に広く存在させることができるため、処理水中に存在する被浄化物に対して効果的にヒドロキシラジカルを接触させることが可能になって高い浄化能を発現させることができる。また、ヒドロキシルラジカルによる化学反応は狭い空間で行われると、反応効率が高いことが一般的に知られている。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、可動部がないエジェクタを採用して処理水中にオゾンを導入していることから、オゾンによる可動部の劣化によるオゾン混合量の変化がなく、処理水の充分な浄化が可能になる。また、エジェクタにより処理水の圧力を低下させているため、発生させるオゾンの圧力を相対的に低くすることができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、ダイヤフラムポンプにより定量的に過酸化水素を処理水中に過不足無く導入することができるため、オゾンの酸化能を最大限に発揮させることが可能となって処理水の充分な浄化が可能になる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、静止ミキサとして複数回の混合操作を行う手段を採用し、その混合操作の途中にてオゾンを再度導入する第2酸化剤導入手段をもつことにより、オゾンをより効果的に作用させることが可能になる。なお、複数設けた邪魔板は本発明で言うところの複数回の混合操作を行う手段に対応することもできる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、静止ミキサの排出口から導入口に戻す循環路を設けたことにより、オゾン及び過酸化水素を導入した処理水を静止ミキサ内で循環させることが可能になって、装置の使用効率を向上できると共に、オゾンの酸化能を充分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の静止ミキサを適用している実施例の水処理装置の構成概略図である。
【図2】実施例の水処理装置における酸化剤導入手段及び静止ミキサの配置を示す構成概略図である。
【図3】実施例の静止ミキサの側断面概略図である。
【図4】実施例の静止ミキサの正面概略図である。
【図5】実施例の水処理装置にて浄化後の処理水のCODの静止ミキサによる処理回数依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の静止ミキサ及びその製造方法並びにその静止ミキサを用いた水処理装置について実施形態に基づき詳細に説明を行う。
【0027】
(静止ミキサ)
本実施形態の静止ミキサは混合・撹拌するための可動部がなく、流路を通過する流体に乱流を発生することにより混合・撹拌する手段である。可動部がないために高い耐久性をもつ。本静止ミキサは外壁と邪魔板とスペーサと挟持固定部材とをもつ。
【0028】
外壁は混合操作を行う混合空間を区画する。混合空間は筒状の空間であり、両端のうちの一端部に混合操作を行う流体を導入する導入口が開口し、他端部に混合操作を行った流体を排出する排出口が開口する。混合空間内において混合操作を行うべき流体は一端部に開口する導入口から導入され、筒状の混合空間の軸方向に向けて流れていき、他端部に開口する排出口から排出される。混合空間としては特に円筒状であることが望ましい。混合空間の大きさは特に限定されず、混合操作を必要とする流体の処理量に応じて設定される。
【0029】
邪魔板は混合空間内にて混合空間の軸方向に積層される。隣設する邪魔板の間にはスペーサが介装されることにより、スペーサの厚みの分だけ間隔が設けられる。邪魔板はスペーサと共に交互に積層されて積層体を形成する。
【0030】
隣設する邪魔板の間隔は特に限定しないが、後述する連通孔を通過した流体の流れが隣接する邪魔板の表面に衝突できる間隔にする。つまり、連通孔から噴出する流体の流れが速くなれば隣設する邪魔板の間隔を大きくすることもできるし、遅くなれば衝突による混合の効果が充分得られる程度にまで小さくする。連通孔から噴出する流体の速度は、連通孔の大きさ、数、連通孔の長さ、形状、流体の種類(粘度など)、流体を流す速度などにより変化させることができる。連通孔の大きさや、邪魔板の間隔を決定する際には臨界レイノルズ数が2000〜4000程度になるように設定することができる。
【0031】
邪魔板の形状は特に限定しない。混合空間の断面形状に倣った外形形状を採用することもできるし、異なる形状を採用することもできる。異なる形状を採用する場合には混合空間の内壁との間に隙間が生じるが、この隙間を後述する連通孔として用いることができる。
【0032】
邪魔板には連通孔が設けられる。連通孔は1又は2以上設けることができ、隣設する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に設けられる。ここで広がり方向とは邪魔板の広がり方向(混合空間の軸方向に対して交叉する方向であり、特に軸方向に垂直な方向)であり、異なる位置とは完全に異なるものを含むのは勿論であるが、一部重なっていてもずれていればよい。例えば、邪魔板の形状が円板状である場合に、隣設する邪魔板の間において、その円板の径方向の異なる位置に連通孔を設けることでどのように積層しても常に異なる位置に連通孔を設けることができる。連通孔は混合操作を行うべき流体が通過する孔であり、隣設する邪魔板において連通孔を設けられる位置が異なることにより連通孔を通過した流体は隣接する邪魔板の連通孔以外の部位に衝突する。この衝突により流体は混合される。連通孔の大きさとしては特に限定しない。連通孔の形状としては円筒形にすることが望ましい。
【0033】
スペーサはリング状の部材である。スペーサは邪魔板の間に挟持されることにより隣設する邪魔板の間に隙間を形成する部材である。スペーサの形状は邪魔板に設けられた連通孔からの流体の流れを通過できるものであれば充分である。特に、混合空間の断面形状に倣った外形形状をもつことが望ましい。スペーサの厚みは邪魔板の間に形成される隙間の厚みに応じて決定される。
【0034】
挟持固定部材は混合空間内において積層体(邪魔板及びスペーサ)を挟持することにより、混合空間内にて保持する手段である。挟持固定部材は外壁の軸方向の両端に位置し、外壁との間で固定される。挟持固定部材が外壁との間で固定されることにより、流体が混合空間から漏出しないようにしている。固定の方法としては限定されず、外壁及び自身にねじ溝を形成して螺合させたり、接着剤や溶接などにより固着することができる。また、外壁の両端にある挟持固定部材間を締結部材により結合することにより固定することもできる。更に外壁の両端方向から他の部材により挟持することにより固定することもできる。
【0035】
このような静止ミキサを製造する方法としてはどのような方法を採用しても良いが、本実施形態では以下の方法を例示して説明する。本実施形態の静止ミキサの製造方法は、邪魔板及びスペーサを混合空間内に順次挿入する工程(挿入工程)と挿入した積層体を混合空間の軸方向から挟持固定部材により挟持し且つ挟持固定部材を外壁に固定する工程(挟持固定工程)とを有する。
【0036】
挿入工程では混合空間内に邪魔板及びスペーサを順次挿入する。混合空間内に順次挿入するとは邪魔板及びスペーサを1つずつ混合空間内に挿入する場合もあるし、邪魔板及びスペーサを幾つか積層したものを積層した状態で挿入する場合もある。このように特に挿入の手順が煩雑でないため簡単に行うことができる。特に混合空間の形状を円筒状にした上で、邪魔板及びスペーサの外形を混合空間の断面形状に倣った形状にすることにより、邪魔板及びスペーサを混合空間内に挿入する際にその向きを合わせる必要がなくなって、邪魔板及びスペーサをより簡単に混合空間内に挿入することができる。
【0037】
挟持固定工程では混合空間内に挿入された積層体を混合空間内に保持するために積層体を両端から挟持して保持する。
【0038】
(水処理装置)
以下に本発明の水処理装置について実施形態に基づき詳細に説明する。本実施形態の水処理装置は処理水中に含まれる有機物などの被浄化物を除去、変性する装置である。浄化する処理水としては特に限定されない。水道水の殺菌、プール、浴槽などの殺菌・汚れの分解などにおける処理水中に一般に含まれるように、被浄化物の量が少なく、易分解性のものである場合には、本実施形態の水処理装置は含まれる被浄化物を必要な濃度以下にまで酸化除去することも充分に可能である。そして、切削用のクーラントなどを含む工場排水や、下水などの排水などのように高濃度で被浄化物を含む処理水に対しては被浄化物の酸化分解のみならず、被浄化物を変性するためにも用いることができる。被浄化物の変性の目的としては他の工程(沈殿工程など)により被浄化物を容易に除去できるようにするなどの目的がある。
【0039】
本実施形態の水処理装置は酸化剤導入手段と静止ミキサと必要に応じて有することができるその他手段とを有する。
【0040】
・酸化剤導入手段
酸化剤導入手段はオゾン及び過酸化水素を処理水に導入する手段である。オゾンと過酸化水素との導入の順序は特に限定されず、オゾンを導入した後に過酸化水素を導入することも、過酸化水素を導入した後にオゾンを導入することも、両者を同時に導入することもできる。更に、過酸化水素水はオゾンと比べて安定性が高いので処理水中に予め混合させることもできる。
【0041】
オゾンはオゾン発生装置により供給してもよいし、貯蔵容器中に貯蔵したものを用いても良い。オゾン発生装置としては無声放電によるもの、紫外線照射によるものなど常法によりオゾンを製造する装置が採用できるほか、他の方法により製造する装置であっても良い。オゾンの供給量は圧力計・流量計などにより測定できる。
【0042】
オゾンの導入は処理水の流れの途中に設けられたエジェクタにより処理水中に導入しても良いし、ポンプにより定量的に導入しても良い。エジェクタを用いる場合には処理水を加圧してエジェクタを通過させる手段をもち、エジェクタにより減圧される処理水の圧力よりオゾンの圧力を大きくする。
【0043】
過酸化水素は過酸化水素水として処理水中に導入することができる。過酸化水素水は定量ポンプにより処理水中に導入される。定量ポンプとしてはダイヤフラムポンプ、ペリスターポンプなどの過酸化水素水が外部に漏れない構造をもつポンプが望ましい。
【0044】
後述する静止ミキサとして複数回の混合操作を行う手段を採用する場合には、その複数回の混合操作の途中にオゾンを導入する第2酸化剤導入手段を設けることができる。オゾンを複数回に分けて導入することにより、オゾンの作用効率を向上することができる。第2酸化剤導入手段を設ける場合に、過酸化水素水についても第2酸化剤導入手段がオゾンを導入する部位にて再度過酸化水素を導入することもできるし、静止ミキサに導入する前に全量の過酸化水素を導入することもできる。
【0045】
・静止ミキサ
静止ミキサは処理水を混合・撹拌するための可動部がなく、流路を通過する処理水に乱流を発生することにより混合・撹拌する手段である。可動部がないためにオゾン及び過酸化水素が共存する強い酸化雰囲気下においても劣化する部位を少なくすることができる。例えば、ステンレス鋼、フッ素系樹脂などの耐酸化性に優れた素材から形成したり、表面を全て耐酸化性に優れた素材にて覆うことにより高い耐酸化性を付与することができる。静止ミキサ内における処理水の流れの速さは処理水に含まれるオゾンからなる気泡が移動する速度よりも速くすることが望ましい。
【0046】
静止ミキサとしては前述の本実施形態の静止ミキサをそのまま採用可能であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0047】
静止ミキサには必要な数だけの邪魔板を設けることができる。邪魔板は1つにつき一回の混合操作が行われることになり、必要なだけの邪魔板を直列に設けることができる。また、複数の静止ミキサを採用する場合には直列に並べるほか、並列に並べることもできる。並列に並べることにより単位時間あたりの処理水の混合量を大きくすることができる。
【0048】
また、1つの静止ミキサ(又は複数の静止ミキサの組み合わせ)に対して処理水を複数回循環させることもできる。この場合には静止ミキサ(又は複数の静止ミキサの組み合わせ)の排出口から静止ミキサの導入口に処理水を循環させる循環路を設ける。循環路の途中にバッファを設け、そのバッファ内の処理水に対して複数回の処理を行うことができる。複数回の処理を行う場合、処理水中の被浄化物の量を検出し、被浄化物の量が目的値以下になった場合に静止ミキサによる処理を停止したり、予め処理を行う時間、回数などを設定したりできる。静止ミキサによりオゾンを混合する効果は処理水を流す速度、温度などによっても変化する。
【0049】
静止ミキサとしては、処理水を導入する第1開口部と処理水を排出する排出口とをもち、複数の静止ミキサを組み合わせる場合には、上流側の静止ミキサの第2開口部をその下流側の静止ミキサの第1開口部に接続することを接続される静止ミキサについて順次行う。
【0050】
邪魔板に設けられた連通孔から隣接する空間に処理水が噴射される。噴射された処理水は隣設する邪魔板の壁に衝突することで処理水中の被処理物質とオゾン及び過酸化水素からなる酸化剤との反応が進行する。従って、連通孔から噴射される処理水の勢いは隣設する邪魔板の間隔(流路の幅)を経て邪魔板に衝突し、混合・反応が促進される程度になるように処理水の流量、連通孔の大きさを制御する。
【0051】
処理水は混合空間内のどの部分から導入しても良いし、どの部分から排出しても良い。更には導入口及び排出口共に1又は2以上にすることもできる。混合空間内の一箇所から導入された処理水は混合空間に侵入し、邪魔板に設けられた連通孔から噴出する。連通孔を通過する際にオゾンが処理水に溶解する。また、噴出した処理水は隣接し対向する邪魔板に衝突し、その衝突によっても混合される。衝突によりオゾンが新たに溶け込んだ後、次の連通孔に至るまで流れる間におけるオゾン及び過酸化水素の組み合わせによる酸化作用により処理水中に含まれる被浄化物が酸化される。このような連通孔から噴出する流れを積層された邪魔板の数だけ繰り返して行うことで、その数だけ混合操作が行われることになる。
【0052】
静止ミキサ内には高電圧を処理水に印加するための電極を設けることができる。更に紫外線を照射する照射装置を設けたり、静止ミキサ内を酸化チタンにて被覆したりすることができる。
【0053】
・その他の手段
本実施形態の水処理装置は必要に応じて他の手段を有することができる。他の手段としては加圧手段、ろ過手段、分離除去手段、沈殿手段、微生物処理手段などが挙げられる。加圧手段は処理水の圧力が低い場合に処理水を加圧して静止ミキサ内に導入する手段である。加圧手段としては一般的なポンプを採用することができる。ろ過手段は処理水中に分散する固体状の被浄化物をろ過により除去する手段である。ろ過を行うろ過材としては特に限定されない。例えば、網、砂利、活性炭などを通過させる手段が採用できる。分離除去手段としては被浄化物としての処理水上に分離している油などを物理的に分離する手段である。処理水上に浮遊する油を選択的に除去するなどの手段が採用できる。沈殿手段は処理水中に含まれる被浄化物を沈殿させて浄化する手段である。沈殿を進行させる方法としては、処理水中に沈殿剤を投入するなどした後に処理水を静置する方法、処理水をそのまま静置する方法などがある。沈殿剤としては含まれる被浄化物の種類及び量により適正なものを選択するが、被浄化物の溶解度及び分散性に影響を与えるpH、温度、イオン強度などを変化させる物質や、被浄化物を取り込み共に沈殿する共沈剤などを採用することができる。前述のオゾン及び過酸化水素による酸化処理により被浄化物に極性基が導入され、沈殿の進行が促進される。微生物処理手段は処理水中に含まれる被浄化物を微生物により分解除去する手段である。
【実施例1】
【0054】
以下本発明の静止ミキサ及びその静止ミキサを用いた水処理装置について実施例に基づいて説明を行う。
【0055】
・水処理装置の構成
本実施例の水処理装置は図1に示すような一連の構成要素が連結された廃液処理装置である。本実施例の廃液処理装置は切削用のクーラントを主成分とする廃液を浄化する装置である。本廃液処理装置は分離除去手段1、沈殿手段2、酸化剤導入手段3、静止ミキサ4、沈殿手段5、微生物処理手段6、ろ過手段7をこの順に接続した装置である。なお、それぞれの手段の間には処理水としての廃液を移送する加圧手段としてのポンプ(図略)を必要に応じてもつことができる。
【0056】
分離除去手段1は処理水中に含まれる油を取り除く手段である。下方に開口部をもつ第1仕切板とその第1仕切板よりも上端部の高さが低い第2仕切板とを内部に並設した容器中の第1仕切板側に処理水を導入することにより、処理水中の油分は浮上するために第1仕切板により堰き止められる。油分が除去された処理水は第1仕切板の下方から第2仕切板との間に流れ込む。処理水が第2仕切板の高さにまで至っても油分は第1仕切板により保持されるため、第2仕切板を超えて油分が除去された処理水が排出される。第1仕切板により堰き止められた油分は適宜くみ取り除去される。このようにして処理水中の油分を分離除去できる。
【0057】
沈殿手段2は処理水に沈殿剤を投入することにより生成した沈殿を除去する手段である。生成した沈殿はろ過などの固液分離法にて除去される。沈殿剤は特に限定されず、被浄化物の量・種類に応じて適正に選択されるものが投入される。
【0058】
酸化剤導入手段3は、図2(a)に示すように、エジェクタ31とダイヤフラムポンプ32とオゾン発生装置33と過酸化水素水貯蔵タンク34とそれらを連結する配管35a〜35fとをもつ。オゾン発生装置33にて生成したオゾンは配管35aを介してエジェクタ31に供給され、ポンプ81により処理水が供給されたエジェクタ31内にて処理水中に導入される。オゾンの導入量はエジェクタ31に導入するオゾンの量を制御することにより制御可能である。エジェクタ31に導入するオゾンの量はエジェクタ31供給するオゾンの圧力及びエジェクタ31の入り口圧力(つまりエジェクタ31への処理水の流量)により制御できる。オゾンの流量を流量計により検知し、オゾンの圧力などをフィードバック制御することでオゾンの供給量を制御することもできる。
【0059】
オゾンが導入された処理水は配管35dを通って連結部35eに流れていく。連結部35eには過酸化水素水貯蔵タンク34内の過酸化水素水が配管35c及び35bを通ってダイヤフラムポンプ32により供給される。連結部35eでは処理水中に過酸化水素水が導入され、配管35fを通って静止ミキサ4の導入口41へと流れていく。
【0060】
静止ミキサ4は導入口41から処理水が導入され、混合操作を行った後、排出口42から排出する手段である。静止ミキサ4は、図3及び4に示すように、円筒状の混合空間を区画する筒状部材である外壁43と、円板状の邪魔板44及び45をスペーサ46を介して交互に積層した積層体を外壁43内の混合空間に配設した後、軸方向両端部から挟持固定部材としての蓋部材47にて挟持して固定したものを4つ並列に並べた構成をもつ。邪魔板44では中央部に連通孔44aが形成されており、邪魔板45では周辺部に2つの連通孔45aが設けられている。なお、連通孔を設ける数、位置などは適宜変更可能である。邪魔板44と邪魔板45とのそれぞれに設けられた連通孔44a及び45aは邪魔板44及び45を重ね合わせたときに広がり方向で異なる位置に設けられている。邪魔板44及び45に設けられた連通孔44a及び45aは邪魔板44及び45の径方向の異なる位置に設けられているため、邪魔板44及び45が相対的に回転しても常に異なる位置に連通孔44a及び45aが配置されることになる。スペーサ46は外壁43の内径と外径が概ね一致するリング状の部材であり、中央に穴45aをもち、この穴45aの部分が処理水の流路になる。穴45aの径は連通孔44a及び45aと比較して充分に大きい。
【0061】
固定部材48にて両端部から蓋部材47を挟持する。蓋部材47は処理水が漏れないようにシールされている。蓋部材47は固定部材48にて外壁43に固定される。固定部材48の内部には流路482が形成されている。流路482は固定部材48の外側の面の中央に設けられた開口部481とそれぞれ蓋部材47を挟持する部分である4つの開口部483との間を連通する空間である。2つの固定部材48の間は固定用ボルト491及び固定用ナット492にて固定されている。
【0062】
処理水は導入口41、固定部材48の開口部481から流路482を介して開口部483に至り、第1開口部471、外壁43にて区画される混合空間内、第2開口部472、流路482を順次流れていって最終的に排出口42から流れ出る。処理水は、図3の一部拡大図にて実線矢印にて示したように、邪魔板44の中央部に設けられた連通孔44aから邪魔板45に向けて噴出し、邪魔板45に衝突した後、拡径方向に流れていって邪魔板45の外周部にある連通孔45aに到達する。連通孔45aに至った処理水は連通孔45aを通過して次の邪魔板44に向けて噴出し、次の邪魔板44に衝突した後、縮径方向に流れていって邪魔板44の連通孔44aに至る。以下同様に邪魔板44及び45への衝突を繰り返して混合操作が進行する。邪魔板の表面に処理水が衝突することにより処理水中のオゾンが処理水中に溶解する。このような2種類の邪魔板44及び45が積層させることにより処理水は、混合操作が進行する。最終的に邪魔板44又は45の連通孔44a又は45aは排出口42に接続されるため、混合操作が為された処理水は排出口42から静止ミキサ4外に排出される。静止ミキサ4内では混合操作が進行すると共にオゾンによる酸化反応が進行する。
【0063】
沈殿手段5は沈殿手段2と同様の手段であり、処理水に沈殿剤を投入することにより生成した沈殿を除去する手段である。生成した沈殿はろ過などの固液分離法にて除去される。
【0064】
微生物処理手段6は常法により処理水中の被浄化物を分解除去する手段である。用いられる微生物としては特に限定されず、対象となる処理水中に含まれる被浄化物の種類に応じて適正に選択できる。また、微生物の保持方法としても特に限定されず、処理水中に懸濁させたり、何らかの担体に保持させた上でその担体を処理水中に浸漬する方法などの通常の方法を採用することができる。
【0065】
ろ過手段7は浄化後の処理水に求められる清浄度に応じて採用することができる手段であり、一般的な浄化用フィルタによりろ過する手段の他、高い清浄度が求められる用途においては限外ろ過膜を用いた手段を採用することもできる。
【0066】
・試験
・過酸化水素の効果
実施例の水処理装置を用いて化学的酸素要求物質(COD)削減効果の検討を行った。処理水としてはCODが3130mg/Lのもの10Lを用いた。過酸化水素水は3%溶液を0.15%の場合には0.5L、0.45%の場合には1.5Lを予め投入した。その後、オゾンを30g/時間となるように供給した。静止ミキサは9回処理を行った。ここで、処理水の供給速度は4.1L/分とした。その場合にポンプ81とエジェクタ31との間の圧力は0.19MPa、エジェクタ31と静止ミキサ4との間の圧力は0.12MPa、オゾン発生装置33から吐出されるオゾンの圧力は0.18MPa、静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0MPaであった。なお、圧力は全てゲージ圧で表す(以下同じ)。結果を表1に示す。なお、以下の表1〜3においてCODの値の単位はmg/Lにて表す。また、本実施例の試験において、CODの測定にあたり全炭素量(TOC)より算出したものがある。
【0067】
【表1】

【0068】
表1より明らかなように、オゾン単独で処理する場合よりも過酸化水素の共存下でオゾン処理を行う方が高い浄化作用を発揮できることが分かった。また、添加する過酸化水素の濃度は少なくとも0.45%までの範囲においては高い方が浄化能が向上することが分かった。
【0069】
・過酸化水素及びオゾンの量並びに装置の構成の検討
次に、図2(a)〜(c)で示した各水処理装置(以下、それぞれ「ユニットA」〜「ユニットC」と称する)について過酸化水素及びオゾンの供給量を変化させた際の浄化効果をCODの変化から算出した。ユニットAは実施例にて説明した装置であり、ユニットBはユニットAにおける静止ミキサ4を2つ直列に接続した装置である。ユニットCはユニットBにおいてオゾンの供給を2回に分けて行うものである。具体的にはユニットBと同様に2つの静止ミキサ4の上流に設けたエジェクタ31に加え、2つの静止ミキサ4の間にもオゾンを導入するエジェクタ311を設けるものである。
【0070】
ここで、処理水の供給速度は全て4.1L/分とした。その場合にユニットAにおいては、ポンプ81とエジェクタ31との間の圧力は0.19MPa、エジェクタ31と静止ミキサ4との間の圧力は0.12MPa、オゾン発生装置33から吐出されるオゾンの圧力は0.18MPa、静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0MPaであった。ユニットBにおいては、ポンプ81とエジェクタ31との間の圧力は0.27MPa、エジェクタ31と静止ミキサ4との間の圧力は0.14MPa、オゾン発生装置33から吐出されるオゾンの圧力は0.195MPa、1つ目の静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0.08MPaであり、2つ目の静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0MPaであった。ユニットCにおいては、ポンプ81とエジェクタ31との間の圧力は0.25MPa、エジェクタ31と静止ミキサ4との間の圧力は0.20MPa、オゾン発生装置33から吐出されるオゾンの圧力は0.185MPa、オゾン発生装置331から吐出されるオゾンの圧力は0.3MPa、1つ目の静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0.08MPaであり、2つ目の静止ミキサ4から排出される処理水の圧力は0MPaであった。試験条件及び結果を表2に示す。なお、ユニットCにおいてはオゾンを等量に分けてエジェクタ31及び311から処理水中に導入した。
【0071】
【表2】

【0072】
表2より明らかなように、過酸化水素及びオゾン共に概ね混合量が大きくなるほど浄化能が高くなることが分かった。また、ユニットBとCとを比較すると、ユニットCの方が高い浄化能を示すことが分かった。また、ユニットCよりもユニットAの方が高い浄化能を示すことが分かった。
【0073】
・静止ミキサにおける処理回数の検討
ユニットCを用いて静止ミキサ4による処理回数が浄化能に与える影響を検討した。ユニットCにおいてオゾンの供給量はオゾン発生装置33及び331の双方が等量になるように発生させ、図2(d)のように、2つの静止ミキサ4を繰り返し通過させるための循環路(84〜86)を設けた。循環路は配管85、86とポンプ84とからなる。循環路を作動させる場合には止水弁82、83を閉じて閉回路にした状態でポンプ84を作動させて処理水を循環させる。結果を表3及び図5に示す。
【0074】
【表3】

【0075】
表3及び図5より明らかなように、1パス、3パス、5パスと処理回数が増えるにつれてCODの値が全体として小さくなり、繰り返し処理の処理回数を増やすことにより浄化能が向上することが分かった。従って、静止ミキサが効果的に作用していることが分かった。なお、オゾン供給量は10g/時間の方が16g/時間の方よりも浄化能が高かった。
【符号の説明】
【0076】
1…分離除去手段
2、5…沈殿手段
3…酸化剤導入手段
31…エジェクタ 311…エジェクタ(第2酸化剤導入手段) 32…ダイヤフラムポンプ 33…オゾン発生装置 331…オゾン発生装置(第2酸化剤導入手段) 34…過酸化水素水貯蔵タンク 35a〜f…配管
4…静止ミキサ
43…外壁 44、45…邪魔板 44a、45a…連通孔 46…スペーサ 47…蓋部材(挟持固定部材) 471…導入口(一端部) 472…排出口(他端部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に導入口が、他端部に排出口がそれぞれ開口する筒状の混合空間を区画する外壁と、
前記混合空間内で軸方向に積層され、隣接する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に1又は2以上の連通孔をもつ複数の邪魔板と、
前記複数の邪魔板の間に挟持されるリング状のスペーサと、
前記邪魔板及び前記スペーサからなる積層体を前記混合空間の軸方向から挟持し且つ前記外壁に固定される挟持固定部材と、
を有することを特徴とする静止ミキサ。
【請求項2】
一端部に導入口が、他端部に排出口がそれぞれ開口する筒状の混合空間を区画する外壁と、
前記混合空間内で軸方向に積層され、隣接する邪魔板とは広がり方向での異なる位置に1又は2以上の連通孔をもつ複数の邪魔板と、
前記複数の邪魔板の間に挟持されるリング状のスペーサと、
前記邪魔板及び前記スペーサからなる積層体を前記混合空間の軸方向から挟持し且つ前記外壁に固定される挟持固定部材と、
を有する静止ミキサを製造する方法であって、
前記邪魔板及び前記スペーサを前記混合空間内に順次挿入する工程と、
前記積層体を前記混合空間の軸方向から前記挟持固定部材により挟持し且つ前記挟持固定部材を前記外壁に固定する工程と、
を有することを特徴とする静止ミキサの製造方法。
【請求項3】
オゾン及び過酸化水素を前記処理水中に導入する酸化剤導入手段と、
オゾン及び過酸化水素を導入した前記処理水を撹拌する静止ミキサとを有する水処理装置であって、
前記静止ミキサは、請求項1に記載の静止ミキサであることを特徴とする水処理装置。
【請求項4】
前記酸化剤導入手段は前記処理水中にオゾンを導入するエジェクタをもつ請求項3に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記酸化剤導入手段は前記過酸化水素を定量導入するダイヤフラムポンプをもつ請求項3又は4に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記静止ミキサは複数回の混合操作を行う手段であり、
前記酸化剤導入手段は前記静止ミキサにおける前記複数回の混合操作の途中にオゾンを導入する第2酸化剤導入手段をもつ請求項3〜5の何れか1項に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記静止ミキサの排出口から排出される前記処理水を導入口に導く循環路を有する請求項3〜6の何れか1項に記載の水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−98324(P2011−98324A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256282(P2009−256282)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(502308631)株式会社三恵シーアンドシー (2)
【Fターム(参考)】