説明

静止画再生装置及び静止画再生方法

【課題】表示中の静止画において顔などの重要領域を外してメッセージを表示するとともに、表示中の静止画の輝度に応じてメッセージパネルの透過度を変更することが可能な静止画再生装置及び静止画再生方法を提供する。
【解決手段】静止画とメッセージとを合成して表示部に表示させる静止画再生装置であって、静止画の静止画イメージデータを記憶する記憶部と、メッセージ表示要求を受信するメッセージ表示制御部と、メッセージ表示要求を受信した場合に、静止画イメージデータの重要表示領域を特定する画像解析部と、特定された重要表示領域の情報に基づいて、表示部の表示領域においてメッセージを表示するメッセージ表示領域を特定する表示位置特定部と、特定されたメッセージ表示領域にメッセージのイメージデータを配置し、静止画イメージデータと合成して出力する出力部と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静止画再生装置及び静止画再生方法に関し、更に詳しくは、静止画のスライドショー表示中にメッセージをユーザーに提示することが可能な静止画再生装置及び静止画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静止画スライドショー表示中において、ユーザーにメッセージを提示する場合、そのメッセージを静止画スライドショー画面に重畳して表示する静止画再生装置がある。
【0003】
また、静止画のスライドショー表示中においてメール着信などの情報を表示するために、予めメール着信などの情報を表示する表示用のエリアを確保している装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−081055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の静止画再生装置では、メッセージによって静止画の表示領域が覆い隠されてしまい、ユーザーはスライドショー表示中の静止画を確認することが難しいという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1記載の装置では、メッセージを表示するための表示用エリアを確保しているために常に静止画の表示領域が実際の画面サイズよりも小さくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、静止画スライドショー表示中にユーザーにメッセージ表示を行う必要がある場合、表示中の静止画において顔などの重要領域を外してメッセージを表示するとともに、表示中の静止画の輝度に応じてメッセージパネルの透過度を変更することが可能な静止画再生装置及び静止画再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1にかかる静止画再生装置は、静止画とメッセージとを合成して表示部に表示させる静止画再生装置であって、静止画の静止画イメージデータを記憶する記憶部と、メッセージの表示要求を受信するメッセージ表示制御部と、メッセージの表示要求を受信した場合に、静止画イメージデータの重要表示領域を特定する画像解析部と、特定された重要表示領域の情報に基づいて、表示部の表示領域においてメッセージを表示するメッセージ表示領域を特定する表示位置特定部と、特定されたメッセージ表示領域にメッセージのイメージデータを配置し、静止画イメージデータと合成して出力する出力部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2にかかる静止画再生装置は、本発明の請求項1にかかる静止画再生装置の構成において、表示位置特定部は、重要表示領域から最も遠い表示部の表示領域をメッセージ表示領域として特定する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3にかかる静止画再生装置は、本発明の請求項1にかかる静止画再生装置の構成において、画像解析部は、メッセージ表示領域に表示される静止画の平均輝度を算出し、算出された平均輝度に基づいてメッセージ表示領域の輝度を決定する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4にかかる静止画再生方法は、静止画の静止画イメージデータを記憶する記憶ステップと、メッセージの表示要求を受信するメッセージ表示制御ステップと、メッセージの表示要求を受信した場合に、静止画イメージデータの重要表示領域を特定する画像解析ステップと、特定された重要表示領域の情報に基づいて、表示部の表示領域においてメッセージを表示するメッセージ表示領域を特定する表示位置特定ステップと、特定されたメッセージ表示領域にメッセージのイメージデータを配置し、静止画イメージデータと合成して出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5にかかる静止画再生方法は、本発明の請求項4にかかる静止画再生方法の構成において、表示位置特定ステップは、重要表示領域から最も遠い表示部の表示領域をメッセージ表示領域として特定する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6にかかる静止画再生方法は、本発明の請求項4にかかる静止画再生方法の構成において、画像解析ステップは、メッセージ表示領域に表示される静止画の平均輝度を算出し、算出された平均輝度に基づいてメッセージ表示領域の輝度を決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、静止画スライドショー表示中の視聴予約実行開始やメール到着などのメッセージを表示中の静止画の重要領域を外して表示できるようになり、メッセージ表示による煩わしさを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる静止画再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1にかかる静止画再生処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態では、静止画再生装置をデジタルテレビとし、デジタルテレビにおいて、SDカードやハードディスクに記録されている静止画をスライドショー表示している時に、視聴予約が開始される場合又は電子メールが到着した場合にメッセージを表示する形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる静止画再生装置の構成を示すブロック図である。デジタルテレビ100は、外部デバイス接続部101と、表示部102と、VRAM(記憶部)103と、選局部104と、ネットワーク接続部105と、制御ブロック110と、表示ブロック120と、選局ブロック130から構成される。ここで、制御ブロック110は、デバイス制御部111と、メッセージ表示制御部112から構成される。また、表示ブロック120は、デコード部121と、出力部122と、表示位置特定部123と、画像解析部124から構成される。また、選局ブロック130は、受信部131と、AV復号部132と、視聴予約実行部133と、メール監視部134から構成される。
【0018】
以下、図1及び図2を用いてデジタルテレビ100で実行する静止画再生処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる静止画再生処理を示すフローチャートである。
【0019】
デバイス制御部111は、外部デバイス接続部101のSDカードスロットやUSBポートに接続されたSDカードやUSBハードディスク等の外部記憶媒体から、ユーザーからのスライドショー表示要求に応じて静止画を検索して対象の静止画データを読み出し、読み出した静止画データをデコード部121に出力する(ステップS201)。デコード部121は、JPEGなどの静止画データをデコードし(ステップS202)、デコードした結果である静止画イメージデータを、出力部122を介してVRAM103に格納する(ステップS203)。前記処理後、VRAM103に格納した静止画イメージデータを表示部102の所定位置に表示させ、これらの一連の処理を一定間隔で繰り返すことにより静止画のスライドショー表示を実行する。メッセージ表示制御部112は、この静止画のスライドショー表示中において、静止画のスライドショー表示中に、視聴予約実行部133またはメール監視部134からメッセージ表示要求(視聴予約開始メッセージの表示要求、または電子メール到着メッセージの表示要求)があるかどうかを判断する(ステップS204)。
【0020】
ここで、スライドショー表示の実行中においてユーザーにより設定された視聴予約の開始時刻になると、視聴予約実行部133は、選局部104に予約対象の番組を選局させ、受信部131を介してAV復号部132に選局した番組を出力させる。AV復号部132は、選局した番組の映像データをデコードしてVRAM103に転送し、表示部102に表示させる。このようにスライドショー表示中に視聴予約が開始されると、表示部102にはスライドショー表示中の静止画ではなく、視聴予約の番組が表示され、スライドショー表示は中断される。そのため、視聴予約実行部133は、視聴予約開始の所定時間前に、ユーザーに視聴予約が開始されることを通知するメッセージを視聴予約開始メッセージの表示要求としてメッセージ表示制御部112に出力する。
【0021】
また、メール監視部134は、受信部131を介して、スライドショー表示の実行中に選局部104またはネットワーク接続部105経由で送信されてくる電子メールを監視し、電子メールが到着した場合は、メッセージ表示制御部112に電子メール到着メッセージの表示要求を行う。
【0022】
メッセージ表示制御部112は、上記のメッセージ表示要求が入力された場合(ステップS204で「YES」)、画像解析部124に、VRAM103に格納されている静止画イメージデータから既存の画像認識技術により人間の顔などの重要表示領域を特定させる(ステップS205)。そして表示位置特定部123に、画像解析部124により特定された重要表示領域から最も遠い表示部102の表示領域の4隅のうちの1点(基点X)を特定させる(ステップS206)。ステップS206の処理実行後に、画像解析部124は、表示位置特定部123により特定された基点Xからメッセージ表示領域内の静止画の輝度の平均を予め保持する輝度テーブルより算出し(ステップS207)、平均輝度値に応じたメッセージパネルの透過度αを決定する(ステップS208)。具体的には、メッセージ表示領域内の静止画が暗い画像の場合はメッセージパネルの透過度を高く、明るい画像の場合はメッセージパネルの透過度を低く設定する。これにより背景画像である静止画とメッセージの視認性をバランスよく保つことができる。
【0023】
上記処理後、出力部122は、表示位置特定部123で特定された基点Xよりメッセージパネルの透過度をαに設定して、メッセージの画像イメージデータと静止画イメージデータとを合成してVRAM103に記憶させ(ステップS209)、記憶させた合成イメージデータを表示部102に表示させる(ステップS210)。これにより、静止画の重要領域を避けたメッセージ表示を実現できる。
【0024】
なお、本実施の形態では、静止画再生装置としてデジタルテレビ100を例に挙げて説明しているが、例えば、セットトップボックス、DVDレコーダー等の表示部102を別体とした静止画再生装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、静止画表示中の視聴予約実行開始やメール到着などのメッセージを表示中の静止画の重要領域を外して表示できるようになり、メッセージ表示による煩わしさを軽減することができることができるので、デジタルテレビ等のAV機器における静止画表示中のメッセージ表示だけでなく、携帯電話やパソコンなどでの静止画再生中のメッセージ表示に対しても有用である。
【符号の説明】
【0026】
100 デジタルテレビ
101 外部デバイス接続部
102 表示部
103 VRAM
104 選局部
105 ネットワーク接続部
110 制御ブロック
111 デバイス制御部
112 メッセージ表示制御部
120 表示ブロック
121 デコード部
122 出力部
123 表示位置特定部
124 画像解析部
130 選局ブロック
131 受信部
132 AV復号部
133 視聴予約実行部
134 メール監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画とメッセージとを合成して表示部に表示させる静止画再生装置であって、
前記静止画の静止画イメージデータを記憶する記憶部と、
前記メッセージの表示要求を受信するメッセージ表示制御部と、
前記メッセージの表示要求を受信した場合に、前記静止画イメージデータの重要表示領域を特定する画像解析部と、
特定された前記重要表示領域の情報に基づいて、前記表示部の表示領域において前記メッセージを表示するメッセージ表示領域を特定する表示位置特定部と、
特定された前記メッセージ表示領域に前記メッセージのイメージデータを配置し、前記静止画イメージデータと合成して出力する出力部と、
を具備することを特徴とする静止画再生装置。
【請求項2】
前記表示位置特定部は、前記重要表示領域から最も遠い前記表示部の表示領域を前記メッセージ表示領域として特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の静止画再生装置。
【請求項3】
前記画像解析部は、前記メッセージ表示領域に表示される静止画の平均輝度を算出し、算出された前記平均輝度に基づいて前記メッセージ表示領域の輝度を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の静止画再生装置。
【請求項4】
静止画の静止画イメージデータを記憶する記憶ステップと、
メッセージの表示要求を受信するメッセージ表示制御ステップと、
前記メッセージの表示要求を受信した場合に、前記静止画イメージデータの重要表示領域を特定する画像解析ステップと、
特定された前記重要表示領域の情報に基づいて、表示部の表示領域において前記メッセージを表示するメッセージ表示領域を特定する表示位置特定ステップと、
特定された前記メッセージ表示領域に前記メッセージのイメージデータを配置し、前記静止画イメージデータと合成して出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする静止画再生方法。
【請求項5】
前記表示位置特定ステップは、前記重要表示領域から最も遠い前記表示部の表示領域を前記メッセージ表示領域として特定する、ことを特徴とする請求項4に記載の静止画再生方法。
【請求項6】
前記画像解析ステップは、前記メッセージ表示領域に表示される静止画の平均輝度を算出し、算出された前記平均輝度に基づいて前記メッセージ表示領域の輝度を決定する、ことを特徴とする請求項4に記載の静止画再生方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−250348(P2011−250348A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123969(P2010−123969)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】