説明

静脈認証装置

【課題】小型化及び薄型化が向上された静脈認証装置を提供する。
【解決手段】被認証体に光を照射する光源15と、被認証体の静脈パターンを撮影する撮像センサ13と、光源15から出射する光を反射し、前記被認証体に到達させる反射鏡14と、光源15、撮像センサ13及び反射鏡14を内蔵する筐体11を備え、撮像センサが13等倍光学系センサであり、光源15及び反射鏡14は、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13を含む平面内に配設されてなる静脈認証装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証技術を用いて個人を特定する静脈認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人の指の静脈パターンを生体情報として予め登録し、それと提示された指による静脈パターンの照合処理により個人を認証あるいは特定する指静脈認証装置が知られている。このような指静脈認証装置は、一般的に、人の指に近赤外光を照射するための光源と、静脈パターンを撮影する撮像部と、撮影された静脈パターンと、予め格納されている登録指静脈パターンとを照合し、両者が一致しているか否かを判断する情報処理部を有している。このような従来の指静脈認証装置では、撮像部の光学系として縮小光学系が用いられている。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
また、撮像部の光学系として縮小光学系を用いずに等倍光学系を用いた指静脈認証装置も紹介されている。(例えば、特許文献3〜5参照)。
【0004】
そしてまた、被認証者の指の位置変化に応じて走査する走査手段と、前記指を走査した領域範囲において当該指で反射した反射光を受光する受光手段とを有し、被認証者が固定された認証位置に指を位置させずに個人認証を行うことができる指静脈認証装置も紹介されている。(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3972779号公報
【特許文献2】特開2008−212311号公報
【特許文献3】特開2008−168118号公報
【特許文献4】WO2008/123584号公報
【特許文献5】特開2009−89727号公報
【特許文献6】WO2008/153123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1及び2のように、撮像部の光学系として縮小光学系が用いられている指静脈認証装置は、得られる画像の歪の許容範囲があるため、撮像センサと被写体の指表面の距離(即ち、実効光路長)として、少なくとも数センチメートル程度必要であり、指静脈認証装置の小型化が困難である。
【0007】
また、特許文献3に記載された指静脈認証装置のように、認証すべき指の上方に光源が配設されている装置は、指と光源との距離を確保する必要があるため、薄型化が困難である。そしてまた、特許文献4に記載された指静脈認証装置は、撮像センサの上方に導光部及び光源を配置した構成を有しているため、薄型化が困難である。さらにまた、特許文献5に記載された指静脈認証装置は、撮像素子の上方に光源を配置した構成を有しているため、薄型化が困難である。
【0008】
また、特許文献6に記載された指静脈認証装置は、被認証者が固定された認証位置に指を位置させずに個人認証を行うことを目的としており、走査手段の構成要素であるミラーを直交する2つの軸の周りに回転できるように設置しているため、装置が複雑化すると共に、この回転を許容するためのスペースが必要であり、装置の小型化を行うことが困難である。そしてまた、特許文献6には、撮像部の光学系を選択することで、装置の小型化を達成することについては何ら開示がなされていない。
【0009】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、小型化及び薄型化が向上された静脈認証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明は、被認証体に光を照射する光源と、前記被認証体の静脈パターンを撮影する撮像センサと、前記光源から出射する光を反射し、前記被認証体に到達させる反射鏡と、前記光源、撮像センサ及び反射鏡を内蔵する筐体と、を備え、前記撮像センサが等倍光学系センサであり、前記光源及び反射鏡は、前記撮像センサの光軸に直交し且つ当該撮像センサを含む平面内に配設されてなる静脈認証装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像センサの光軸に直交し且つ当該撮像センサを含む平面内に光源及び反射鏡を配設したため、撮像センサと光源の設置に要する容積を小さくすることができる結果、小型化及び薄型化が向上された静脈認証装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係る静脈認証装置を示す平面図である。
【図2】図1に示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る静脈認証装置が静脈認証を行うための処理回路を示すブロック図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る静脈認証装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る静脈認証装置の平面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る静脈認証装置を示す平面図である。
【図7】図6に示すVII−VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態に係る静脈認証装置について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る静脈認証装置を示す平面図、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図、図3は、本発明の実施形態1に係る静脈認証装置が静脈認証を行うための処理回路を示すブロック図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0015】
図1及び図2に示すように、実施形態1に係る静脈認証装置1は、筐体11と、筐体11の内部底面に配置された回路基板12と、回路基板12上の一端側に配置された撮像センサ13と、回路基板12上の撮像センサ13が配置された位置と反対側の端部に配置された反射鏡14と、回路基板12上の撮像センサ13と反射鏡14との間に配置された近赤外光光源15と、を備えている。
【0016】
筐体11は、内部空間を有する略直方体から構成されており、その内部には、回路基板12、撮像センサ13、反射鏡14及び近赤外光光源15が配設されている。筐体11の撮像センサ13が配置されている領域に対応する上面には、平面視で、撮像センサ13と同等の大きさを有する開口部が形成されており、この開口部には、光学フィルタ16が配設されている。また、筐体11の上面の光学フィルタ16が配設されている位置と反対側には、後に詳述する反射鏡14で反射した光が透過する開口部が形成されており、この開口部には、照明用フィルタ17が配設されている。この照明用フィルタ17は、近赤外パスフィルタで構成し、必要とされる近赤外光領域の光を透過すると共に、筐体11内に埃等の異物が侵入することを防ぐ役割を果たしている。なお、静脈認証される指100は、光学フィルタ16上に載置される。
【0017】
回路基板12は、撮像センサ13、反射鏡14及び近赤外光光源15を実装する基準面となり、実施形態1では、プリント基板から構成した。この回路基板12は、図1及び図2に示すように1枚の基板として構成してもよく、あるいは、例えば、組立方法等を考慮して複数の基板に分割してもよい。また、この回路基板12には、図3に示す電気回路が実装されている。この電気回路については、後に詳述する。
【0018】
撮像センサ13は、1:1の等倍光学系センサ(エリアセンサ型)であり、被認証体の静脈(実施形態1では指静脈)の撮影範囲と同じ大きさの受光部を有している。また、撮像センサ13は、指静脈の撮影が可能なように近赤外光領域にも十分な感度を有する波長特性と十分な解像度を備えている。この撮像センサ13は、図2に示すように、撮像センサ13の光軸Nが、回路基板12の基準面(撮像センサ13が配設される面)に対し垂直な方向となるように配置されている。
【0019】
また、撮像センサ13は、例えば、回路基板12側から、イメージセンサ、アパーチャグリル、マイクロレンズアレイが、この順で積層された構成を有している。イメージセンサは、その上面に複数の互いに独立した開口部を有しており、この開口部が光電変換素子の受光部を構成しており、当該開口部に入射した光信号を電気信号に変換するためのものである。アパーチャグリルは、同軸上に並んだイメージセンサの開口部とマイクロレンズアレイのマイクロレンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。マイクロレンズアレイは、正の集光力を持った複数のマイクロレンズを有しており、これらのマイクロレンズがイメージセンサの開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。
【0020】
また、撮像センサ13は、例えば、CMOSセンサ上にマイクロレンズアレイを積層した構成を有していてもよい。この場合、マイクロレンズアレイは、1つのマイクロレンズがCMOSセンサの1画素に対応し、必要とされる解像度のピッチで格子状に並べられている。
【0021】
近赤外光光源15は、図1に示すように、光学フィルタ16上に載置された指100の長さ方向に、互いに距離をおいて2つ配置されている。これらの近赤外光光源15としては、赤外LEDを用いると共に、小型で面実装が可能な横照射型の光源を使用した。このような近赤外光光源15としては、例えば、SFH4655、OSRAM社製等が挙げられる。この横照射型の近赤外光光源15は、図1及び2に示すように、撮像センサ3とは反対側に向けて光を出射し、その光の光軸Qが回路基板12の基準面と平行となるように配置されている。
【0022】
反射鏡14は、近赤外光光源15から出射された光を、光学フィルタ16上に載置された指100に向けて反射するものである。この反射鏡14の近赤外光光源15に対向する反射面18は、近赤外光に対する反射率が高い材質から形成されており、湾曲面となっている。このように、反射面18を湾曲面から構成することで、近赤外光光源15から出射して反射面18で反射した光は放射角が狭められ、より多くの光が、光学フィルタ16上に載置された指100の表面に照射されることになる。したがって、照明効率を向上させることができ、撮影される画像の画質を向上させることができる。
【0023】
近赤外光光源15及び反射鏡14は、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13を含む平面内に配設されている。より具体的には、実施形態1では、撮像センサ13、近赤外光光源15及び反射鏡14は、回路基板12の基準面上、即ち、同一平面上に配設されている。また、実施形態1では、図2に示すように、撮像センサ13の高さ(光軸N方向)の中心と、近赤外光光源15の光軸Qと、反射鏡14の高さの中心とが同一線L上に位置するように設計されている。この構成により、回路基板12の基準面からの、撮像センサ13、近赤外光光源15及び反射鏡14の高さを最少にすることができ、薄型化を実現することができる。
【0024】
なお、図2に示すように、実施形態1では、反射面18で反射した光は、その光軸Mが撮像センサ13の光軸Nに対し角度θで交わるように曲げられる。角度θは鋭角(90度未満の角度)であり、光学フィルタ16上に載置された指100に対する照明は、斜め下方から照射されることになる。角度θは、照明が指100の正面を照射するように決定する必要があるが、より鮮明な指静脈の画像を撮影するには、光軸Mと指100の表面との交点、即ち、光の照射点の中心位置は、光学フィルタ16の上面から光軸N方向の距離が長い位置である(高さが高い)方が好ましい。また、図2に、この反射面18で反射した光の放射強度分布が一定強度以上である光の範囲の上限をM、下限をMとして示す。光軸Nと光軸Mとの交点Pは、光学フィルタ16上に載置された指100の太さの上限、下限等に応じて設定されている。
【0025】
このように、実施形態1に係る静脈認証装置1は、近赤外光光源15から出射される光の向きを撮像センサ13に対して反対向きとし、近赤外光光源15から出射された光が撮像センサ13の光軸Nと鋭角をなすように反射鏡14で反射して指100に照射させるように構成されているため、不要な赤外光が指静脈画像認証時に影響を及ぼすことを防止することができる。したがって、高精度な指静脈認証を行うことができる。
【0026】
回路基板12に実装されている電気回路は、静脈認証装置1が静脈認証を行うための処理回路であり、図3に示すように、撮像センサ13で撮影された情報の認証を行う認証処理部30と、撮像すべき指100に照射される光を制御する照明制御部31と、撮像センサ13で撮影された情報を格納するテンプレート部32と、ホストインターフェース部33とを有している。
【0027】
認証処理部30は、撮像センサ13で撮影された指静脈画像を処理して指静脈テンプレートを生成する。そして、認証登録時には、テンプレート部32にその指静脈テンプレート(以下、「登録テンプレート」という)を格納する。一方、照合時には、撮像センサ13で新規に撮影された指静脈画像を処理した指静脈テンプレート(以下、「入力テンプレート」という)を生成し、テンプレート部32に格納されている登録テンプレートを読出して、登録テンプレートと入力テンプレートとを比較する。この比較は、例えば、両テンプレートの差異を数値化し、所定の閾値と比較することで行う。この差異をミスマッチ率あるいはミスマッチ数という。認証処理部30は、このミスマッチ率が、前記所定の閾値未満である場合は、登録テンプレートと入力テンプレートが一致している(同一の指である)と判断し、ミスマッチ率が、前記所定の閾値以上である場合は、登録テンプレートと入力テンプレートが不一致(異なる指である)と判断する。
【0028】
照明制御部31は、光学フィルタ16上に載置された指100の撮影に必要な照明の照度(明るさ)を制御するものであり、指100の太さ等により近赤外光光源15の強度を制御する。この照明制御部31は、静脈認証装置1が、指100の太さを直接検出する太さ検出手段を有していない場合は、撮影画像から明るさを求め、フィードバック制御により一定の撮影画像の明るさが得られるようにしている。一方、太さ検出手段を有している場合は、太さ検出手段が検出した情報に基づいたフィードバック制御を行い、一定の撮影画像の明るさが得られるようにする。
【0029】
ホストインターフェース部33は、静脈認証装置1の図示しないホスト部との通信を行うものであり、ホスト部との機器認証や、認証処理部30における処理結果をホスト部に通知する役割を果たしている。ホストインターフェース部33とホスト部との通信手段としては、例えば、パソコン等の機器で使用されているUSB(Universal Serial Bus)等が挙げられる。また、この通信手段は、秘匿性や、データ改竄防止等の目的で、通常、暗号化がなされる。
【0030】
なお、実施形態1では、撮像センサ13、近赤外光光源15及び反射鏡14を同一平面上に配設した場合について説明したが、これに限らず、撮像センサ13、近赤外光光源15及び反射鏡14の配置は、図4に示すように、近赤外光光源15及び反射鏡14が、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13を含む平面領域S(図4に破線で示す領域)内に配設されていればよい。即ち、近赤外光光源15及び反射鏡14の配置は、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13が存在している平面に干渉する領域内であればよい。同様に、実施形態1では、撮像センサ13の高さ(光軸N方向)の中心と、近赤外光光源15の光軸Qと、反射鏡14の高さの中心とが同一線L上に位置するように、撮像センサ13、近赤外光光源15及び反射鏡14を配置した場合について説明したが、これに限るものではない。
【0031】
そしてまた、実施形態1では、筐体11に形成した開口部に照明用フィルタ17を配設した場合について説明したが、これに限らず、静脈認証装置1の使用環境等により、前記開口部には、必ずしも照明用フィルタ17を配設しなくてもよく、開口部の状態のまま使用してもよい。
【0032】
また、実施形態1では、光学フィルタ16上に載置された指100の長さ方向に2つの近赤外光光源15を、互いに距離をおいて配置した場合について説明したが、これに限らず、近赤外光光源15の設置数は、指100の表面に対する照射分布等を考慮し、指100に対する適切な照明が可能であれば、任意に決定することができる。また、反射鏡14は、各々の近赤外光光源15に応じて複数個配置してもよい。
【0033】
さらにまた、実施形態1に係る静脈認証装置1は、図5に示すように、撮像センサ13を挟んだ両側端部に反射鏡14を配置し、撮像センサ13と図5でいう右側の反射鏡14との間、及び、撮像センサ13と図5でいう左側の反射鏡14との間に、近赤外光光源15を各々配置してもよい。このように撮像センサ13に対し左右対称な位置に近赤外光光源15及び反射鏡14を配置することで、左右均等な指静脈画像を得ることができる。なお、この構成の場合も、近赤外光光源15及び反射鏡14は、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13を含む平面内に配設される。
【0034】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る静脈認証装置について図面を参照して説明する。なお、実施形態2では、実施形態1で説明した静脈認証装置と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
図6は、本発明の実施形態2に係る静脈認証装置を示す平面図、図7は、図6に示すVII−VII線に沿った断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0036】
図6及び図7に示すように、実施形態2に係る静脈認証装置2の、実施形態1に係る静脈認証装置1と異なる主な点は、反射鏡24の構成と、近赤外光光源15と反射鏡24との間にレンズ25を配置した点である。
【0037】
反射鏡24は、反射鏡14と同様に、回路基板12上の撮像センサ13が配置された位置と反対側の端部に配置されている。この反射鏡24の近赤外光光源15に対向する反射面28は、近赤外光に対する反射率が高い材質から形成されており、平面となっている。
【0038】
レンズ25は、近赤外光光源15から出射した光を弱く集光するように設計されている。ここで、近赤外光光源15から出射された光は、通常、ある程度の広がりを持って放射されるが、近赤外光光源15から出射した光を弱く集光することで、レンズ25から出射された光を概略平行光に近い光にすることができる。したがって、この概略平行光に近い光を反射鏡24の平坦な反射面28によって反射することにより、光学フィルタ16上に載置された指100の表面に多くの光を照射することができる。この結果、照明効率を向上させることができ、撮影される画像の画質を向上させることができる。また、この構成の場合、反射鏡24の反射面28が平面であるため、安価な反射鏡24を使用可能であると共に、反射鏡24の取付位置精度も緩和することができる。
【0039】
近赤外光光源15、反射鏡24、レンズ25は、実施形態1と同様に、回路基板12の基準面上、即ち、同一平面上に配設されており、図7に示すように、撮像センサ13の高さ(光軸N方向)の中心と、近赤外光光源15の光軸Qと、レンズ25及び反射鏡24の高さの中心とが同一線L上に位置するように設計されている。この構成により、回路基板12の基準面からの、撮像センサ13、近赤外光光源15、レンズ25及び反射鏡24の高さを最少にすることができ、薄型化を実現することができる。
【0040】
なお、実施形態2に係る静脈認証装置2も、図5に示す静脈認証装置1と同様に、撮像センサ13を挟んだ両側端部に反射鏡24を配置し、撮像センサ13と、撮像センサ13の左右両側に配置された反射鏡24との間に、近赤外光光源15及びレンズ25を各々配置してもよい。このように撮像センサ13に対し左右対称な位置に近赤外光光源15、レンズ25及び反射鏡24を配置することで、左右均等な指静脈画像を得ることができる。なお、この構成の場合も、近赤外光光源15レンズ25及び反射鏡24は、撮像センサ13の光軸Nに直交し且つ撮像センサ13を含む平面内に配設される。
【0041】
また、実施形態1及び2では、被認証体として指100を使用し、指の静脈を認証する場合について説明したが、これに限らず、本発明に係る静脈認証装置は、被認証体として指の他、掌等、静脈を利用して認証が行える部位であれば、適用することができる。この場合、被認証体に応じて静脈認証装置の形状等を適宜変更すればよい。
【符号の説明】
【0042】
1、2…静脈認証装置、11…筐体、12…回路基板、13…撮像センサ、14、24…反射鏡、15…近赤外光光源、18、28…反射面、25…レンズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証体に光を照射する光源と、
前記被認証体の静脈パターンを撮影する撮像センサと、
前記光源から出射する光を反射し、前記被認証体に到達させる反射鏡と、
前記光源、撮像センサ及び反射鏡を内蔵する筐体と、
を備え、
前記撮像センサが等倍光学系センサであり、
前記光源及び反射鏡は、前記撮像センサの光軸に直交し且つ当該撮像センサを含む平面内に配設されてなることを特徴とする静脈認証装置。
【請求項2】
前記撮像センサ、光源及び反射鏡は、同一平面上に配設されてなることを特徴とする請求項1記載の静脈認証装置。
【請求項3】
前記光源から出射する光の光軸が、前記撮像センサの光軸に直交することを特徴とする請求項1記載の静脈認証装置。
【請求項4】
前記反射鏡の反射面の少なくとも一部が、湾曲面からなることを特徴とする請求項1記載の静脈認証装置。
【請求項5】
前記光源は、前記撮像センサと反射鏡との間に配設されてなることを特徴とする請求項1記載の静脈認証装置。
【請求項6】
前記光源と反射鏡との間にレンズを配設し、当該レンズで集光した光を前記反射鏡に到達させることを特徴とする請求項1記載の静脈認証装置。
【請求項7】
前記レンズは、前記撮像センサを含む平面内に配設されてなることを特徴とする請求項6記載の静脈認証装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−155445(P2012−155445A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12809(P2011−12809)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】