静電容量式センサーシートおよびその製造方法
【課題】透明電極と補助電極との導通面積のばらつきが抑えられた静電容量式センサーシートおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】光透過性を有する基材2の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜の薄膜11を成膜する成膜工程と、透明電極3として機能させる電極領域3aを薄膜11の少なくとも一部に設定し、薄膜11よりも電気抵抗が低い補助電極4aを電極領域3aの周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、補助電極4aに一端が接続される配線4bを薄膜11上に積層する配線形成工程と、電極領域3aの全てと補助電極4aの少なくとも一部とを覆うようにレジスト12を積層するレジスト積層工程と、光透過性を有する基材2に成膜された薄膜11のうち、レジスト12、補助電極4a、および配線4bと重ならない位置にある薄膜11を除去する導電膜除去工程と、を備える。
【解決手段】光透過性を有する基材2の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜の薄膜11を成膜する成膜工程と、透明電極3として機能させる電極領域3aを薄膜11の少なくとも一部に設定し、薄膜11よりも電気抵抗が低い補助電極4aを電極領域3aの周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、補助電極4aに一端が接続される配線4bを薄膜11上に積層する配線形成工程と、電極領域3aの全てと補助電極4aの少なくとも一部とを覆うようにレジスト12を積層するレジスト積層工程と、光透過性を有する基材2に成膜された薄膜11のうち、レジスト12、補助電極4a、および配線4bと重ならない位置にある薄膜11を除去する導電膜除去工程と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明電極を備える静電容量式センサーシートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報端末におけるユーザーインターフェイスを改善する目的で、使用者の指などが触れたことを検出するセンサーシートの様々な構成が検討されている。たとえば、特許文献1には、静電容量方式を用いて人の指などとの間の静電容量の変化を検出するセンサが開示されている。
特許文献1に記載のセンサは、透明電極の外周の少なくとも一部に、透明電極よりも電気抵抗が低い補助電極が設けられており、検出感度のばらつきを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−266695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のセンサは、その製造工程中に透明電極と補助電極との位置ずれが生じた場合に、透明電極と補助電極との導通面積がずれ量に応じてばらつくおそれがある。また、透明電極と補助電極との導通面積がずれ量に応じてばらつくのを防ぐために透明電極と補助電極とを高精度に位置決めしようとすると、製造工程が煩雑となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきが抑えられた静電容量式センサーシートおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の静電容量式センサーシートの製造方法は、光透過性を有する基材の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜を成膜する成膜工程と、透明電極として機能させる電極領域を前記光透過性導電膜の少なくとも一部に設定し、前記光透過性導電膜よりも電気抵抗が低い補助電極を前記電極領域の周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、前記補助電極に一端が接続される配線を前記光透過性導電膜上に積層する配線形成工程と、前記電極領域の全てと前記補助電極の少なくとも一部とを覆うようにレジストを積層するレジスト積層工程と、前記光透過性を有する基材に成膜された前記光透過性導電膜のうち、前記レジスト、前記補助電極、および前記配線と重ならない位置にある光透過性導電膜を除去する導電膜除去工程と、を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法である。
【0007】
また、前記導電膜除去工程ではプラズマエッチングにより前記光透過性導電膜を除去し、前記導電膜除去工程の後に、前記レジストを除去するレジスト除去工程をさらに備えることが好ましい。
【0008】
また、前記レジスト積層工程において、前記レジストとして光透過性レジストを積層してもよい。
【0009】
本発明の静電容量式センサーシートは、光透過性を有する基材と、前記基材の少なくとも一方の表面に成膜された光透過性導電膜からなる透明電極と、前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の電極であって前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の少なくとも一部が位置する補助電極と、を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートである。
【0010】
また、本発明の静電容量式センサーシートは、前記補助電極に一端が接続され前記光透過性導電膜上に積層された配線と、前記電極領域の少なくとも一部と前記補助電極の少なくとも一部とを覆う光透過性レジストとをさらに備え、前記表面と直交する方向から見て前記補助電極により覆われない前記透明電極の輪郭線上に前記光透過性レジストの輪郭線が位置していてもよい。
【0011】
また、前記光透過性レジストは熱硬化性ポリエステル系樹脂からなっていてもよい。
また、前記配線の少なくとも一部は前記光透過性レジストで覆われていてもよい。
【0012】
また、前記透明電極は前記基材の両方の表面に設けられ、前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の補助電極をさらに備え、前記補助電極は、前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の一部が位置するように配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサーシートおよびその製造方法によれば、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの平面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図2の一部の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図6】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図7】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図8】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図9】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態の静電容量式センサーシートを示す図で、図1のB−B線と同様の断面で示す断面図である。
【図11】同実施形態の静電容量センサーシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図13】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第3実施形態の静電容量式センサーシート1Bを示す平面図である。
【図15】図14の拡大図である。
【図16】図15のC−C線における断面図である。
【図17】図15のD−D線における断面図である。
【図18】本発明第4実施形態の静電容量式センサーシートを示す平面図である。
【図19】同静電容量式センサーシートの裏面図である。
【図20】図18のE−E線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシート1およびその製造方法について説明する。
まず、静電容量式センサーシート1の構成について、図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本実施形態の静電容量式センサーシート1の平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。図3は、図2に符号Xで示す部分の拡大図である。なお、図1においては、カバーフィルム8の図示を省略している。
静電容量式センサーシート1は、たとえば液晶ディスプレイのタッチ型入力装置として使用されるものである。
図1および図2に示すように、静電容量式センサーシート1は、基材2と、透明電極3と、信号ライン4と、カバーフィルム8とを備えている。
【0016】
基材2は、光透過性を有する絶縁性材料によって形成されたフィルム状、シート状、若しくは板状の部材である。基材2の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂などの硬質材料や、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、シリコーンゴムなどの弾性材料からなるものを好適に用いることができる。
【0017】
基材2の材料として採用可能な硬質材料の具体例として、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレートなどの樹脂材料が挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、強度等の点から、基材2の材料としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、基材2の材料として、ガラス、透明金属酸化物を採用することもできる。
基材2の厚さは10μm以上〜200μm以下であることが好ましい。基材2の厚さが10μm以上であれば、基材2が破断しにくく、基材2の厚さが200μm以下であれば、静電容量式センサーシート1を薄くできる。
【0018】
透明電極3は、ITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの透明性を有する導電性ポリマーなどの光透過性を有する導電性材料を用いて、印刷や塗布などにより基材2上に矩形状に形成されている。
透明電極3の具体的な材料としては、たとえば、ポリチオフェン系の導電性インク(たとえば、信越ポリマー(株)製、製品名SEPLEGYDA(登録商標))などを好適に用いることができる。このほか、SEPLEGYDA(登録商標)に比して透明性は劣るが、金、銀、銅、ITOなどの金属材料や金属酸化物を含む薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブを含有したインクなどを透明電極3の材料として採用することもできる。
【0019】
透明電極3の材料として採用可能な導電性ポリマーの具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を挙げることができる。
また、透明電極3が印刷や塗布によって形成される場合、透明電極3を構成する導電性塗膜の厚さは0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましい。導電性塗膜の厚さが0.05μm以上であれば、導電性を好適に確保でき、0.1μm以上であれば検出感度として十分な表面抵抗である600Ω/□が安定的に得られる。また導電性塗膜の厚さが5μm以下であれば、容易に塗膜を形成できる。
【0020】
信号ライン4は、透明電極3に接続された補助電極4aと、補助電極4aに一端が接続された配線4bとを有する。
補助電極4aは、透明電極3よりも低い電気抵抗を有し、透明電極3の周縁の一部を覆うように設けられた膜状の電極である。例えば、補助電極4aの材料として銀粒子を含有するインクを用いれば、補助電極4aの表面抵抗は1Ω/□以下となる。また、補助電極4aの材料としてカーボンを含むインクを用いれば、補助電極4aの表面抵抗は150Ω/□以下となる。
図1および図3に示すように、補助電極4aの形状は、基材2の表面と直交する方向から見たときの形状が略矩形状であり、基材2の表面と直交する方向から見た透明電極3の輪郭線上に補助電極4aの輪郭線の一部が位置している。補助電極4aは、透明電極3の周縁上に積層され、透明電極3と密着して導通状態となっている。補助電極4aの材料としては、銀、銅、あるいは金などの金属粒子を含有するインクや、カーボンまたはグラファイトを含有するインク、金属箔などを採用することができる。
【0021】
配線4bは、透明電極3と同じ材料によって形成された第一層6と、透明電極3よりも低い電気抵抗を有する第二層7とを有することにより、全体として透明電極3よりも電気抵抗が低く構成されている。本実施形態では、配線4bの第二層7は補助電極4aと同じ材料によって形成されている。図1に示すように、配線4bの一端は補助電極4aに接続されており、配線4bの他端は、基材2の周縁部まで延びている。配線4bの他端には、金やカーボンなどからなる接続パッド5が設けられている。接続パッド5は、外部に露出されており、図示しない検出回路との接続に使用される。
【0022】
図2に示すように、カバーフィルム8は、光透過性を有する樹脂フィルム9の片面に粘着剤10を有するフィルムである。カバーフィルム8の材料としては、たとえば、感光性ドライフィルム、UV硬化型レジスト材、加熱硬化型レジスト材などを採用することができる。カバーフィルム8は、透明電極3および信号ライン4を覆うように所定の形状(本実施形態では矩形状)に形成されている。
【0023】
カバーフィルム8を構成する樹脂フィルム9は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、等の樹脂を材料として構成される。また、カバーフィルム8は、樹脂フィルム9に代えて、又は樹脂フィルム9に加えて、ガラスや透明金属酸化物などによるフィルムを備えていてもよい。
また、粘着剤10の具体例としては、アクリル系樹脂を挙げることができる。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの製造方法について、上述した構成を備える静電容量式センサーシート1を製造する工程を例に説明する。
図4は、本実施形態の静電容量式センサーシート1の製造方法を示すフローチャートである。図5ないし図9は、本実施形態の製造方法により静電容量式センサーシート1を製造する工程を説明するための図である。
【0025】
静電容量式センサーシート1を製造するためには、まず、図5に示すように、光透過性を有する基材2の一方の表面に、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11(本実施形態における光透過性導電膜)を成膜する(図4に示すステップS1(成膜工程))。
ステップS1では、基材2の一方の表面にSEPLEGYDA(登録商標)の溶液をコーティングや印刷等の方法により塗膜する。SEPLEGYDA(登録商標)のコーティング方法としては、グラビアコーター、ダイコーター、バーコーター、ロールコーターなどを用いた公知のコーティング方法を適宜選択して採用することができる。また、SEPLEGYDA(登録商標)の溶液の印刷方法としては、グラビア印刷やオフセット印刷などの印刷方法を適宜採用することができる。ステップS1において、SEPLEGYDA(登録商標)の溶液は表面の全面に一様に印刷される。基材2上に印刷されたSEPLEGYDA(登録商標)の溶液は、その後加熱乾燥や紫外線硬化などの硬化処理が行われて薄膜状となる。
これでステップS1は終了し、信号ライン形成工程へ進む。
【0026】
信号ライン形成工程は、図6に示すように、透明電極3として機能させる電極領域3aをSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上の少なくとも一部に設定し(図4に示すステップS2)、配線4bの一部となる第二層7と、補助電極4aとを、電極領域3aの位置に合わせて形成する(図4に示すステップS3およびステップS4)工程である。
なお、本実施形態では、電極領域3aは補助電極4aを含む。電極領域3aのうち、補助電極4aが形成された部分を除く領域は、光透過性を有する透光エリアとなっている。当該透光エリアは、静電容量式センサーシート1の照光のための照明光等を透過させることができるエリアである。
【0027】
信号ライン形成工程において設定される電極領域3aは、静電容量式センサーシート1の製造工程の終了後における透明電極3の位置および形状に基づいて設定される。さらに、電極領域3a内に補助電極4aが配置され、電極領域3aの周縁(図6に符号Pで示す)の少なくとも一部を補助電極4aが覆うように、補助電極4aが形成される。
さらに、本実施形態では、第二層7を、補助電極4aに接続されたパターンとしてSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上に印刷する。本実施形態では、補助電極4aおよび第二層7のパターンは、銀ペーストを材料としたスクリーン印刷によって一工程で形成される。
【0028】
このように、本実施形態では、信号ライン形成工程において、補助電極4aを形成する補助電極形成工程(図4に示すステップS3)と、配線4bを形成する配線形成工程(図4に示すステップS4)との両方が同時に行われる。
また、信号ライン形成工程において第二層7が形成された後、第二層7上に接続パッド5(図1参照)をさらに形成する。
【0029】
なお、信号ライン形成工程において、静電容量式センサーシート1の外形形状をトリミングするためのアラインメントマークを第二層7の材料と同一の材料を用いて形成してもよい。
これで信号ライン形成工程は終了し、レジスト積層工程(図4に示すステップS5)へ進む。
【0030】
レジスト積層工程は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11および信号ライン4が形成された基材2にレジスト12を積層する工程である。
レジスト積層工程では、図7に示すように、電極領域3aの全てを覆うようにレジスト12を積層する。本実施形態では、電極領域3a内に補助電極4aが設けられているので、レジスト12は補助電極4aも覆うように積層される。レジスト積層工程において使用されるレジスト12は、プラズマエッチングに耐性を有するレジストである。具体的には、本実施形態では、レジスト12として、粘着剤が塗布された樹脂フィルムを用い、この樹脂フィルムを所定のパターンにカットして電極領域3aに貼り付けることによりレジスト12の層を形成する。また、硬化後に剥離可能な剥離性マスキング材をパターン形状にスクリーン印刷してもよい。
【0031】
レジスト12の材料の具体例としては、熱硬化性樹脂(ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂など)を挙げることができる。また、レジスト12の材料の他の具体例としては、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂など)を挙げることができる。その他、レジスト積層工程において、ドライフィルム、アルミニウム等の金属板にレーザ、パンチ等の加工を施してスリットを形成したマスキングプレートを用いることもできる。
【0032】
また、金属を含む材料にて上述のアラインメントマークを形成した場合、後述する導電膜除去工程におけるプラズマエッチングによりアラインメントマークに含まれる金属が発熱する可能性が考えられる。これに対応して、アラインメントマークにプラズマが接するのを防止する目的で、アラインメントマーク上にレジスト12を積層してもよい。
これでレジスト積層工程は終了し、導電膜除去工程(図4に示すステップS6)へ進む。
【0033】
導電膜除去工程は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11、信号ライン4、およびレジスト12が形成された基材2から、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部を除去する工程である。
導電膜除去工程では、図8に示すように、基材2に成膜されたSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11のうち、レジスト12、補助電極4a、および第二層7のいずれとも重ならない位置にあるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11をプラズマエッチングにより除去する。導電膜除去工程により、電極領域3aにおけるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11は透明電極3となる。さらに、導電膜除去工程により、第二層7と重なるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11は、第二層7と重なる形状の第一層6となる。これにより、第一層6と第二層7とによって配線4bが構成される。
これで導電膜除去工程は終了し、レジスト除去工程(図4に示すステップS7)へ進む。
【0034】
レジスト除去工程は、図9に示すように、導電膜除去工程の後にレジスト12を除去する工程である。本実施形態では、貼り付けられたレジスト12を剥がすことによりレジスト12を除去する。
これでレジスト除去工程は終了し、カバーフィルム貼り付け工程(図4に示すステップS8)へ進む。
【0035】
カバーフィルム貼り付け工程は、図2に示すように、透明電極3および信号ライン4が形成された基材2に上述のカバーフィルム8を貼り付ける工程である。
カバーフィルム貼り付け工程では、接続パッド5(図1参照)を露出させた状態で透明電極3および信号ライン4をカバーフィルム8で覆うことによって、信号ライン4や透明電極3を保護する。
これでカバーフィルム貼り付け工程は終了し、静電容量式センサーシート1を製造する一連の工程は終了する。
【0036】
次に、本実施形態の静電容量式センサーシート1の作用について説明する。
静電容量式センサーシート1の透明電極3は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上に信号ライン4が形成された後、導電膜除去工程においてSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部が除去されることによって形成されている。このため、光透過性導電膜上に信号ライン4を形成する際に信号ライン4のパターン全体の位置が基材2に対してずれたとしても、透明電極3と補助電極4aとの導通面積は、信号ライン形成工程における補助電極4aの位置ずれの有無や位置ずれの量によらず一定となる。
【0037】
また、基材2の外形形状をトリミングするときに信号ライン4のパターンの位置を基準にトリミングすれば、出来上がった静電容量式センサーシート1は位置ずれがないセンサーシートとなる。
【0038】
このように、本実施形態の静電容量式センサーシート1によれば、透明電極と補助電極4aとの導通面積のばらつきを抑えることができる。その結果、本実施形態では、予め成形された透明電極の周縁に沿って補助電極を位置決めして配置することによって製造されたセンサーシートよりも、感度の個体差を少なくすることができる。
【0039】
また、本実施形態の静電容量式センサーシート1の製造方法によれば、補助電極4aと透明電極3との位置決め精度を簡易な手法で高めることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の静電容量式センサーシート1およびその製造方法について説明する。なお、本実施形態では、上述の第1実施形態で説明した静電容量式センサーシート1および静電容量式センサーシート1の製造方法と同様の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0041】
図10は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの構成を示す断面図で、図1のB−B線と同様の断面指示線における断面図である。
図10に示すように、静電容量式センサーシート1Aは、透明電極3とカバーフィルム8との間に光透過性レジスト12Aを有する点で上述の静電容量式センサーシート1と構成が異なっている。
光透過性レジスト12Aは、プラズマエッチングに対して耐性を有するレジストである。光透過性レジスト12Aとしては、たとえば樹脂製の透明粘着フィルムを採用することができる。また、透明絶縁インキを用いてパターン形状にスクリーン印刷したものを光透過性レジスト12Aとして採用してもよい。また、透明導電膜をパターン形状に形成したものを光透過性レジスト12Aとして採用してもよい。
【0042】
光透過性レジスト12Aの材料の具体例としては、熱硬化性樹脂(ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂など)を挙げることができる。
また、光透過性レジスト12Aの他の具体例としては、溶剤蒸発乾燥性樹脂(ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂など)や、可視光硬化性、紫外線硬化性、及び電子線硬化性樹脂を含む光硬化性樹脂(アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂など)を採用することができる。
また、熱硬化性樹脂および溶剤蒸発乾燥性樹脂は、硬化したあとも残存する低分子成分が少なく透明電極3に影響を与え難いため光透過性レジスト12Aの材料として好ましい。
【0043】
光透過性レジスト12Aを有する静電容量式センサーシート1Aの全光線透過率は、透明電極3を透過する部分において50%以上であれば良く、好ましくは70%以上で、更に好ましくは80%以上である。
全光線透過率が高いと、タッチパネルや照光式のタッチパッドへ適応する場合の視認性を高めることができる。特に、タッチパネル等、大面積の場合には、全光線透過率が高いことが好ましい。
【0044】
また、同様にヘイズ値は20%以下であれば良く、好ましくは15%以下で、更に好ましくは10%以下である。ヘイズ値が低い方が、静電容量式センサーシートの背面側に液晶等の表示体が配置される場合の視認性が高くなる。
【0045】
次に、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの製造方法について説明する。
図11は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの製造方法を示すフローチャートである。図12および図13は、本実施形態の製造方法における一部の工程を説明するための図である。
【0046】
本実施形態の製造方法では、第1実施形態で説明したレジスト積層工程に代えて、光透過性レジスト12Aを積層するレジスト積層工程(図11に示すステップS15)を備える。また、本実施形態では、第1実施形態におけるレジスト除去工程(ステップS7)に相当する工程を有していない。
【0047】
ステップS15では、図12に示すように、電極領域3aの全面および補助電極4aの少なくとも一部を覆うように透明粘着フィルムを貼り付けて光透過性レジスト12Aの層を形成する。
【0048】
これでステップS15は終了し、続いて図13に示すように、第1実施形態で説明した導電膜除去工程(ステップS6)と同様にSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部をプラズマエッチングにより除去する。さらに、導電膜除去工程の後、光透過性レジスト12Aが積層されたままの状態で、第1実施形態で説明したカバーフィルム貼り付け工程(ステップS8)と同様にカバーフィルム8を貼り付ける。
【0049】
本実施形態の静電容量式センサーシート1Aは、光透過性レジスト12Aが貼り付けられている状態でも、レジスト12が除去された第1実施形態の静電容量式センサーシート1と同様に光透過性を有する。このため、静電容量式センサーシート1Aの製造工程において、光透過性レジスト12Aを除去する必要がない。その結果、静電容量式センサーシート1の製造工程よりも工程数を削減することができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の静電容量式センサーシート1Bについて説明する。図14は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Bを示す平面図である。図15は、図14に符号Yで示す部分の拡大図である。図16は、図15のC−C線における断面図である。図17は、図15のD−D線における断面図である。
【0051】
図14に示すように、本実施形態の静電容量式センサーシート1Bは、上述の第1実施形態で説明した信号ライン4とは引き回し経路が異なる信号ライン4Aを備えている。さらに、図15ないし図17に示すように、本実施形態では、信号ライン4Aの末端は基材2の一部上において整列して配置されている。信号ライン4Aの末端には、接続パッド13が設けられている。本実施形態では、接続パッド13が設けられた部分を除く信号ライン4A上の少なくとも一部が、光透過性レジスト12Aにて覆われている。
接続パッド13は、例えばカーボン等によって構成されており、図示しないコネクタに信号ライン4Aを接続する端子である。
【0052】
本実施形態では、導電膜除去工程においてプラズマ処理をする場合に、信号ライン4Aにプラズマが接することが光透過性レジスト12Aにより防止されている。これにより、信号ライン4Aに熱伝導性が大きい物質が設けられていてもプラズマ処理中に発熱しにくい。これにより、熱による基材2の寸法変形が起こりにくくなっている。
【0053】
例えば、本実施形態では、信号ライン4の幅が太い場合や、信号ライン4が高密度に配置されている場合であっても基材2の寸法変形が起こりにくい。
【0054】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の静電容量式センサーシート1Cについて説明する。図18は、本実施形態の静電容量式センサーシートを示す平面図である。図19は、静電容量式センサーシートの裏面図である。図20は、図18のE−E線における断面図である。
【0055】
図18及び図19に示すように、本実施形態では、第1実施形態で説明した信号ライン4とは引き回し経路が異なる信号ライン4Bが設けられている。また、本実施形態の静電容量式センサーシート1Cは、透明電極3が基材2の両面に配置されている点が上述の第2実施形態と異なっている。
信号ライン4Bは、補助電極4aと末端4cとの間において、基材2の一方の面から他方の面へと、スルーホールを経由して延びている。
【0056】
本実施形態の静電容量式センサーシート1Cを製造する場合には、図20に示すように、まず、第1実施形態で説明したステップS1において、透明電極3の材料となる光透過性導電膜を基材2の両側表面に形成する。続いて、ステップS2では、基材2の両面側の所定の領域に電極領域3aを設定する。さらに、ステップS3及びステップS4では、基材2の両面側の所定の位置に補助電極4aと配線4bを設定する。さらに、ステップS15では、両面側に対応する電極領域3aと補助電極4aに対応する位置に光透過性レジスト12Aをそれぞれ形成する。さらに、ステップS6では、それぞれの表面に対して片面毎にプラズマエッチングすることで、光透過性導電膜を除去する。プラズマ処理は異方性が高いので、非処理面側の電極に影響を与えない。
本実施形態では、基材2の両面側に透明電極3を簡便に形成することができる。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
次に、上述の第1実施形態の静電容量センサーシート1及びその製造方法について実施例を参照してより詳細に説明する。本実施例では、レジスト積層工程(上記ステップS5)、導電膜除去工程(上記ステップS6)、及びレジスト除去工程(上記ステップS7)の詳細について説明する。
【0058】
上記ステップS5において、透明電極を構成する導電性塗膜の表面に、得ようとする信号ラインのパターンと同じパターンの開口部が形成されたメタルマスクを載せ、剥離可能なレジスト剤(株式会社アサヒ化学研究所製、#228T)を厚さ80μmになるように印刷し、150℃、10分間加熱して硬化させた。
【0059】
次いで、上記ステップS6において、レジスト剤が印刷されたPETフィルムと導電性塗膜の積層体を、プラズマエッチング装置(日立ハイクテクノロジーズ社製SPC−100)のエッチング室内に挿入し、エッチング室内の真空度20Pa、アルゴンガス供給量5cm3/分、出力600Wの条件で、2分間、導電性塗膜をプラズマエッチングした。
【0060】
その後、上記ステップS7において、硬化したレジスト剤をピンセットでつまんで引き剥がして、上記ステップS8においてカバーフィルム8を貼り付けた。
これにより、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきを抑えられた静電容量式センサーシートが形成された。
【0061】
(実施例2)
次に、上述の第2実施形態の静電容量式センサーシート1Aについて実施例を参照してより詳細に説明する。
まず、静電容量式センサーシート1Aの製造方法の具体例について説明する。
【0062】
ステップS1:厚さ50μmのPETシートに、ポリチオフェン系導電性高分子からなるSEPLEGYDA OC−AE (信越ポリマー株式会社製,登録商標,商品名)をグラビア印刷にてPETの一方の表面に塗布・乾燥して0.1μmの厚みで光透過性導電膜を成膜した。
ステップS3及びステップS4:光透過性導電膜上に銀粒子を含む導電ペーストを用いてスクリーン印刷にて補助電極と配線を約15μmの厚さに同時に形成した。
ステップS15:光透過性導電膜と補助電極の一部を覆う領域に電極領域(10mm×100mm)を設定し、透明樹脂を含むインクを電極領域にスクリーン印刷で塗布した。その後、加熱乾燥により当該インクを硬化させ、光透過性レジストとした。光透過性レジストの厚さは約7μmとなっている。
ステップS6:プラズマエッチング装置として、日立ハイテクノロジーズ株式会社製SPC−100を用い、酸素をエッチングガスとしてエッチングした。本実施例では、エッチング後には、10mm×100mmの透明電極が基材上に形成される。
ステップS8:その後アクリル系粘着材を塗布したPETカバーフィルムを貼り付けた後、配線部の末端部にカーボン粒子を含む導電ペーストを材料として、スクリーン印刷にて接続パッドを形成し、静電容量式センサーシートを製造した。
【0063】
本実施例では、下記表1に示すように、ステップS15において使用される透明樹脂の主成分が互いに異なる複数の静電容量式センサーシートを製造した。さらに、下記表2に評価ランクとして示した基準を用いて環境試験を行い、これらの静電容量式センサーシートの抵抗値及び光学特性を評価した。なお、紫外線硬化型アクリル系樹脂を主成分とする光透過性レジストを備えた静電容量式センサーシートを本実施例に対する比較例として製造し、同様の評価を行なった。
【0064】
環境試験は、60℃、95%RHの環境下で500時間静電容量センサーシートを静置することにより行なった。
【0065】
評価方法は、抵抗については、長手方向の抵抗値をデジタルマルチメーターで測定した。また、全光線透過率及びヘイズは、日本電色工業製 ヘイズメーター NDH5000にて測定した。
【0066】
下記表1は、本実施例及び上述の比較例の静電容量センサーシートの評価結果を示す表である。また、下記表2は、評価をした際の判定基準を示す表である。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
上記表1に示すように、実施例1ないし4では、製造初期と環境試験後との間で抵抗、全光線透過率、及びヘイズのいずれにも顕著な変化は見られなかった。また、実施例5では、黄変により全光線透過率が悪化したが、抵抗は製造初期の状態が維持されていた。
【0070】
比較例1では、環境試験後の抵抗が製造初期よりも高くなっており、センサーの感度に悪影響を及ぼす可能性がある。これは、残存モノマーが導電性ポリマー層に進入速度を促進されたためと推測される。
【0071】
ポリエステル系ポリウレタン(溶剤蒸発乾燥型)、ウレタン系(熱硬化型)、アクリル系(溶剤蒸発乾燥型)については、初期でヘイズ値が高いのみであり、環境試験による抵抗値上昇(機能的観点)や黄変等による光線透過率の低下は認められなかった。
【0072】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、上述の各実施形態で説明した透明電極の側壁に、補助電極と導通する電極をさらに設けてもよい。このような電極は、たとえば光透過性導電膜を除去する工程が終了した後に、透明電極の側壁に銀ペーストを塗布することによって形成することができる。この場合、上述の各実施形態で説明した静電容量式センサーシートに比べてさらに広い導通面積を確保することができる。
【0073】
また、透明電極は、光透過性を有していれば着色されていても構わない。
また、上述の各実施形態ではSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去する方法としてプラズマエッチングを例示したが、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去する方法はプラズマエッチングには限られない。たとえば、ケミカルエッチングを用いてもよいし、機械的にSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去してもよい。
また、上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
例えば、上述の第3実施形態で説明した基材と透明電極との積層体は、基材の厚さ方向に複数重ねて設けられていてもよい。このとき、一の層と他の層との間で透明電極が互いに交差する方向に延びるように各透明電極が形成されていてもよい。
また、上述の第4実施形態で説明したように基材の両面に透明電極が形成された構成に代えて、上述した複数の積層体が互いに重ねられた構成が採用されていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1A、1B、1C 静電容量式センサーシート
2 基材
3 透明電極
3a 電極領域
4、4A、4B 信号ライン
4a 補助電極
4b 配線
5 接続パッド
6 第一層
7 第二層
8 カバーフィルム
9 樹脂フィルム
10 粘着剤
11 薄膜
12 レジスト
12A 光透過性レジスト
13 接続パッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明電極を備える静電容量式センサーシートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報端末におけるユーザーインターフェイスを改善する目的で、使用者の指などが触れたことを検出するセンサーシートの様々な構成が検討されている。たとえば、特許文献1には、静電容量方式を用いて人の指などとの間の静電容量の変化を検出するセンサが開示されている。
特許文献1に記載のセンサは、透明電極の外周の少なくとも一部に、透明電極よりも電気抵抗が低い補助電極が設けられており、検出感度のばらつきを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−266695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のセンサは、その製造工程中に透明電極と補助電極との位置ずれが生じた場合に、透明電極と補助電極との導通面積がずれ量に応じてばらつくおそれがある。また、透明電極と補助電極との導通面積がずれ量に応じてばらつくのを防ぐために透明電極と補助電極とを高精度に位置決めしようとすると、製造工程が煩雑となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきが抑えられた静電容量式センサーシートおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の静電容量式センサーシートの製造方法は、光透過性を有する基材の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜を成膜する成膜工程と、透明電極として機能させる電極領域を前記光透過性導電膜の少なくとも一部に設定し、前記光透過性導電膜よりも電気抵抗が低い補助電極を前記電極領域の周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、前記補助電極に一端が接続される配線を前記光透過性導電膜上に積層する配線形成工程と、前記電極領域の全てと前記補助電極の少なくとも一部とを覆うようにレジストを積層するレジスト積層工程と、前記光透過性を有する基材に成膜された前記光透過性導電膜のうち、前記レジスト、前記補助電極、および前記配線と重ならない位置にある光透過性導電膜を除去する導電膜除去工程と、を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法である。
【0007】
また、前記導電膜除去工程ではプラズマエッチングにより前記光透過性導電膜を除去し、前記導電膜除去工程の後に、前記レジストを除去するレジスト除去工程をさらに備えることが好ましい。
【0008】
また、前記レジスト積層工程において、前記レジストとして光透過性レジストを積層してもよい。
【0009】
本発明の静電容量式センサーシートは、光透過性を有する基材と、前記基材の少なくとも一方の表面に成膜された光透過性導電膜からなる透明電極と、前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の電極であって前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の少なくとも一部が位置する補助電極と、を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートである。
【0010】
また、本発明の静電容量式センサーシートは、前記補助電極に一端が接続され前記光透過性導電膜上に積層された配線と、前記電極領域の少なくとも一部と前記補助電極の少なくとも一部とを覆う光透過性レジストとをさらに備え、前記表面と直交する方向から見て前記補助電極により覆われない前記透明電極の輪郭線上に前記光透過性レジストの輪郭線が位置していてもよい。
【0011】
また、前記光透過性レジストは熱硬化性ポリエステル系樹脂からなっていてもよい。
また、前記配線の少なくとも一部は前記光透過性レジストで覆われていてもよい。
【0012】
また、前記透明電極は前記基材の両方の表面に設けられ、前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の補助電極をさらに備え、前記補助電極は、前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の一部が位置するように配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサーシートおよびその製造方法によれば、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの平面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図2の一部の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図6】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図7】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図8】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図9】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態の静電容量式センサーシートを示す図で、図1のB−B線と同様の断面で示す断面図である。
【図11】同実施形態の静電容量センサーシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図13】同実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第3実施形態の静電容量式センサーシート1Bを示す平面図である。
【図15】図14の拡大図である。
【図16】図15のC−C線における断面図である。
【図17】図15のD−D線における断面図である。
【図18】本発明第4実施形態の静電容量式センサーシートを示す平面図である。
【図19】同静電容量式センサーシートの裏面図である。
【図20】図18のE−E線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシート1およびその製造方法について説明する。
まず、静電容量式センサーシート1の構成について、図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本実施形態の静電容量式センサーシート1の平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。図3は、図2に符号Xで示す部分の拡大図である。なお、図1においては、カバーフィルム8の図示を省略している。
静電容量式センサーシート1は、たとえば液晶ディスプレイのタッチ型入力装置として使用されるものである。
図1および図2に示すように、静電容量式センサーシート1は、基材2と、透明電極3と、信号ライン4と、カバーフィルム8とを備えている。
【0016】
基材2は、光透過性を有する絶縁性材料によって形成されたフィルム状、シート状、若しくは板状の部材である。基材2の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂などの硬質材料や、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、シリコーンゴムなどの弾性材料からなるものを好適に用いることができる。
【0017】
基材2の材料として採用可能な硬質材料の具体例として、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレートなどの樹脂材料が挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、強度等の点から、基材2の材料としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、基材2の材料として、ガラス、透明金属酸化物を採用することもできる。
基材2の厚さは10μm以上〜200μm以下であることが好ましい。基材2の厚さが10μm以上であれば、基材2が破断しにくく、基材2の厚さが200μm以下であれば、静電容量式センサーシート1を薄くできる。
【0018】
透明電極3は、ITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの透明性を有する導電性ポリマーなどの光透過性を有する導電性材料を用いて、印刷や塗布などにより基材2上に矩形状に形成されている。
透明電極3の具体的な材料としては、たとえば、ポリチオフェン系の導電性インク(たとえば、信越ポリマー(株)製、製品名SEPLEGYDA(登録商標))などを好適に用いることができる。このほか、SEPLEGYDA(登録商標)に比して透明性は劣るが、金、銀、銅、ITOなどの金属材料や金属酸化物を含む薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブを含有したインクなどを透明電極3の材料として採用することもできる。
【0019】
透明電極3の材料として採用可能な導電性ポリマーの具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を挙げることができる。
また、透明電極3が印刷や塗布によって形成される場合、透明電極3を構成する導電性塗膜の厚さは0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましい。導電性塗膜の厚さが0.05μm以上であれば、導電性を好適に確保でき、0.1μm以上であれば検出感度として十分な表面抵抗である600Ω/□が安定的に得られる。また導電性塗膜の厚さが5μm以下であれば、容易に塗膜を形成できる。
【0020】
信号ライン4は、透明電極3に接続された補助電極4aと、補助電極4aに一端が接続された配線4bとを有する。
補助電極4aは、透明電極3よりも低い電気抵抗を有し、透明電極3の周縁の一部を覆うように設けられた膜状の電極である。例えば、補助電極4aの材料として銀粒子を含有するインクを用いれば、補助電極4aの表面抵抗は1Ω/□以下となる。また、補助電極4aの材料としてカーボンを含むインクを用いれば、補助電極4aの表面抵抗は150Ω/□以下となる。
図1および図3に示すように、補助電極4aの形状は、基材2の表面と直交する方向から見たときの形状が略矩形状であり、基材2の表面と直交する方向から見た透明電極3の輪郭線上に補助電極4aの輪郭線の一部が位置している。補助電極4aは、透明電極3の周縁上に積層され、透明電極3と密着して導通状態となっている。補助電極4aの材料としては、銀、銅、あるいは金などの金属粒子を含有するインクや、カーボンまたはグラファイトを含有するインク、金属箔などを採用することができる。
【0021】
配線4bは、透明電極3と同じ材料によって形成された第一層6と、透明電極3よりも低い電気抵抗を有する第二層7とを有することにより、全体として透明電極3よりも電気抵抗が低く構成されている。本実施形態では、配線4bの第二層7は補助電極4aと同じ材料によって形成されている。図1に示すように、配線4bの一端は補助電極4aに接続されており、配線4bの他端は、基材2の周縁部まで延びている。配線4bの他端には、金やカーボンなどからなる接続パッド5が設けられている。接続パッド5は、外部に露出されており、図示しない検出回路との接続に使用される。
【0022】
図2に示すように、カバーフィルム8は、光透過性を有する樹脂フィルム9の片面に粘着剤10を有するフィルムである。カバーフィルム8の材料としては、たとえば、感光性ドライフィルム、UV硬化型レジスト材、加熱硬化型レジスト材などを採用することができる。カバーフィルム8は、透明電極3および信号ライン4を覆うように所定の形状(本実施形態では矩形状)に形成されている。
【0023】
カバーフィルム8を構成する樹脂フィルム9は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、等の樹脂を材料として構成される。また、カバーフィルム8は、樹脂フィルム9に代えて、又は樹脂フィルム9に加えて、ガラスや透明金属酸化物などによるフィルムを備えていてもよい。
また、粘着剤10の具体例としては、アクリル系樹脂を挙げることができる。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態の静電容量式センサーシートの製造方法について、上述した構成を備える静電容量式センサーシート1を製造する工程を例に説明する。
図4は、本実施形態の静電容量式センサーシート1の製造方法を示すフローチャートである。図5ないし図9は、本実施形態の製造方法により静電容量式センサーシート1を製造する工程を説明するための図である。
【0025】
静電容量式センサーシート1を製造するためには、まず、図5に示すように、光透過性を有する基材2の一方の表面に、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11(本実施形態における光透過性導電膜)を成膜する(図4に示すステップS1(成膜工程))。
ステップS1では、基材2の一方の表面にSEPLEGYDA(登録商標)の溶液をコーティングや印刷等の方法により塗膜する。SEPLEGYDA(登録商標)のコーティング方法としては、グラビアコーター、ダイコーター、バーコーター、ロールコーターなどを用いた公知のコーティング方法を適宜選択して採用することができる。また、SEPLEGYDA(登録商標)の溶液の印刷方法としては、グラビア印刷やオフセット印刷などの印刷方法を適宜採用することができる。ステップS1において、SEPLEGYDA(登録商標)の溶液は表面の全面に一様に印刷される。基材2上に印刷されたSEPLEGYDA(登録商標)の溶液は、その後加熱乾燥や紫外線硬化などの硬化処理が行われて薄膜状となる。
これでステップS1は終了し、信号ライン形成工程へ進む。
【0026】
信号ライン形成工程は、図6に示すように、透明電極3として機能させる電極領域3aをSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上の少なくとも一部に設定し(図4に示すステップS2)、配線4bの一部となる第二層7と、補助電極4aとを、電極領域3aの位置に合わせて形成する(図4に示すステップS3およびステップS4)工程である。
なお、本実施形態では、電極領域3aは補助電極4aを含む。電極領域3aのうち、補助電極4aが形成された部分を除く領域は、光透過性を有する透光エリアとなっている。当該透光エリアは、静電容量式センサーシート1の照光のための照明光等を透過させることができるエリアである。
【0027】
信号ライン形成工程において設定される電極領域3aは、静電容量式センサーシート1の製造工程の終了後における透明電極3の位置および形状に基づいて設定される。さらに、電極領域3a内に補助電極4aが配置され、電極領域3aの周縁(図6に符号Pで示す)の少なくとも一部を補助電極4aが覆うように、補助電極4aが形成される。
さらに、本実施形態では、第二層7を、補助電極4aに接続されたパターンとしてSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上に印刷する。本実施形態では、補助電極4aおよび第二層7のパターンは、銀ペーストを材料としたスクリーン印刷によって一工程で形成される。
【0028】
このように、本実施形態では、信号ライン形成工程において、補助電極4aを形成する補助電極形成工程(図4に示すステップS3)と、配線4bを形成する配線形成工程(図4に示すステップS4)との両方が同時に行われる。
また、信号ライン形成工程において第二層7が形成された後、第二層7上に接続パッド5(図1参照)をさらに形成する。
【0029】
なお、信号ライン形成工程において、静電容量式センサーシート1の外形形状をトリミングするためのアラインメントマークを第二層7の材料と同一の材料を用いて形成してもよい。
これで信号ライン形成工程は終了し、レジスト積層工程(図4に示すステップS5)へ進む。
【0030】
レジスト積層工程は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11および信号ライン4が形成された基材2にレジスト12を積層する工程である。
レジスト積層工程では、図7に示すように、電極領域3aの全てを覆うようにレジスト12を積層する。本実施形態では、電極領域3a内に補助電極4aが設けられているので、レジスト12は補助電極4aも覆うように積層される。レジスト積層工程において使用されるレジスト12は、プラズマエッチングに耐性を有するレジストである。具体的には、本実施形態では、レジスト12として、粘着剤が塗布された樹脂フィルムを用い、この樹脂フィルムを所定のパターンにカットして電極領域3aに貼り付けることによりレジスト12の層を形成する。また、硬化後に剥離可能な剥離性マスキング材をパターン形状にスクリーン印刷してもよい。
【0031】
レジスト12の材料の具体例としては、熱硬化性樹脂(ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂など)を挙げることができる。また、レジスト12の材料の他の具体例としては、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂など)を挙げることができる。その他、レジスト積層工程において、ドライフィルム、アルミニウム等の金属板にレーザ、パンチ等の加工を施してスリットを形成したマスキングプレートを用いることもできる。
【0032】
また、金属を含む材料にて上述のアラインメントマークを形成した場合、後述する導電膜除去工程におけるプラズマエッチングによりアラインメントマークに含まれる金属が発熱する可能性が考えられる。これに対応して、アラインメントマークにプラズマが接するのを防止する目的で、アラインメントマーク上にレジスト12を積層してもよい。
これでレジスト積層工程は終了し、導電膜除去工程(図4に示すステップS6)へ進む。
【0033】
導電膜除去工程は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11、信号ライン4、およびレジスト12が形成された基材2から、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部を除去する工程である。
導電膜除去工程では、図8に示すように、基材2に成膜されたSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11のうち、レジスト12、補助電極4a、および第二層7のいずれとも重ならない位置にあるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11をプラズマエッチングにより除去する。導電膜除去工程により、電極領域3aにおけるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11は透明電極3となる。さらに、導電膜除去工程により、第二層7と重なるSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11は、第二層7と重なる形状の第一層6となる。これにより、第一層6と第二層7とによって配線4bが構成される。
これで導電膜除去工程は終了し、レジスト除去工程(図4に示すステップS7)へ進む。
【0034】
レジスト除去工程は、図9に示すように、導電膜除去工程の後にレジスト12を除去する工程である。本実施形態では、貼り付けられたレジスト12を剥がすことによりレジスト12を除去する。
これでレジスト除去工程は終了し、カバーフィルム貼り付け工程(図4に示すステップS8)へ進む。
【0035】
カバーフィルム貼り付け工程は、図2に示すように、透明電極3および信号ライン4が形成された基材2に上述のカバーフィルム8を貼り付ける工程である。
カバーフィルム貼り付け工程では、接続パッド5(図1参照)を露出させた状態で透明電極3および信号ライン4をカバーフィルム8で覆うことによって、信号ライン4や透明電極3を保護する。
これでカバーフィルム貼り付け工程は終了し、静電容量式センサーシート1を製造する一連の工程は終了する。
【0036】
次に、本実施形態の静電容量式センサーシート1の作用について説明する。
静電容量式センサーシート1の透明電極3は、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11上に信号ライン4が形成された後、導電膜除去工程においてSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部が除去されることによって形成されている。このため、光透過性導電膜上に信号ライン4を形成する際に信号ライン4のパターン全体の位置が基材2に対してずれたとしても、透明電極3と補助電極4aとの導通面積は、信号ライン形成工程における補助電極4aの位置ずれの有無や位置ずれの量によらず一定となる。
【0037】
また、基材2の外形形状をトリミングするときに信号ライン4のパターンの位置を基準にトリミングすれば、出来上がった静電容量式センサーシート1は位置ずれがないセンサーシートとなる。
【0038】
このように、本実施形態の静電容量式センサーシート1によれば、透明電極と補助電極4aとの導通面積のばらつきを抑えることができる。その結果、本実施形態では、予め成形された透明電極の周縁に沿って補助電極を位置決めして配置することによって製造されたセンサーシートよりも、感度の個体差を少なくすることができる。
【0039】
また、本実施形態の静電容量式センサーシート1の製造方法によれば、補助電極4aと透明電極3との位置決め精度を簡易な手法で高めることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の静電容量式センサーシート1およびその製造方法について説明する。なお、本実施形態では、上述の第1実施形態で説明した静電容量式センサーシート1および静電容量式センサーシート1の製造方法と同様の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0041】
図10は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの構成を示す断面図で、図1のB−B線と同様の断面指示線における断面図である。
図10に示すように、静電容量式センサーシート1Aは、透明電極3とカバーフィルム8との間に光透過性レジスト12Aを有する点で上述の静電容量式センサーシート1と構成が異なっている。
光透過性レジスト12Aは、プラズマエッチングに対して耐性を有するレジストである。光透過性レジスト12Aとしては、たとえば樹脂製の透明粘着フィルムを採用することができる。また、透明絶縁インキを用いてパターン形状にスクリーン印刷したものを光透過性レジスト12Aとして採用してもよい。また、透明導電膜をパターン形状に形成したものを光透過性レジスト12Aとして採用してもよい。
【0042】
光透過性レジスト12Aの材料の具体例としては、熱硬化性樹脂(ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂など)を挙げることができる。
また、光透過性レジスト12Aの他の具体例としては、溶剤蒸発乾燥性樹脂(ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂など)や、可視光硬化性、紫外線硬化性、及び電子線硬化性樹脂を含む光硬化性樹脂(アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂など)を採用することができる。
また、熱硬化性樹脂および溶剤蒸発乾燥性樹脂は、硬化したあとも残存する低分子成分が少なく透明電極3に影響を与え難いため光透過性レジスト12Aの材料として好ましい。
【0043】
光透過性レジスト12Aを有する静電容量式センサーシート1Aの全光線透過率は、透明電極3を透過する部分において50%以上であれば良く、好ましくは70%以上で、更に好ましくは80%以上である。
全光線透過率が高いと、タッチパネルや照光式のタッチパッドへ適応する場合の視認性を高めることができる。特に、タッチパネル等、大面積の場合には、全光線透過率が高いことが好ましい。
【0044】
また、同様にヘイズ値は20%以下であれば良く、好ましくは15%以下で、更に好ましくは10%以下である。ヘイズ値が低い方が、静電容量式センサーシートの背面側に液晶等の表示体が配置される場合の視認性が高くなる。
【0045】
次に、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの製造方法について説明する。
図11は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Aの製造方法を示すフローチャートである。図12および図13は、本実施形態の製造方法における一部の工程を説明するための図である。
【0046】
本実施形態の製造方法では、第1実施形態で説明したレジスト積層工程に代えて、光透過性レジスト12Aを積層するレジスト積層工程(図11に示すステップS15)を備える。また、本実施形態では、第1実施形態におけるレジスト除去工程(ステップS7)に相当する工程を有していない。
【0047】
ステップS15では、図12に示すように、電極領域3aの全面および補助電極4aの少なくとも一部を覆うように透明粘着フィルムを貼り付けて光透過性レジスト12Aの層を形成する。
【0048】
これでステップS15は終了し、続いて図13に示すように、第1実施形態で説明した導電膜除去工程(ステップS6)と同様にSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜11の一部をプラズマエッチングにより除去する。さらに、導電膜除去工程の後、光透過性レジスト12Aが積層されたままの状態で、第1実施形態で説明したカバーフィルム貼り付け工程(ステップS8)と同様にカバーフィルム8を貼り付ける。
【0049】
本実施形態の静電容量式センサーシート1Aは、光透過性レジスト12Aが貼り付けられている状態でも、レジスト12が除去された第1実施形態の静電容量式センサーシート1と同様に光透過性を有する。このため、静電容量式センサーシート1Aの製造工程において、光透過性レジスト12Aを除去する必要がない。その結果、静電容量式センサーシート1の製造工程よりも工程数を削減することができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の静電容量式センサーシート1Bについて説明する。図14は、本実施形態の静電容量式センサーシート1Bを示す平面図である。図15は、図14に符号Yで示す部分の拡大図である。図16は、図15のC−C線における断面図である。図17は、図15のD−D線における断面図である。
【0051】
図14に示すように、本実施形態の静電容量式センサーシート1Bは、上述の第1実施形態で説明した信号ライン4とは引き回し経路が異なる信号ライン4Aを備えている。さらに、図15ないし図17に示すように、本実施形態では、信号ライン4Aの末端は基材2の一部上において整列して配置されている。信号ライン4Aの末端には、接続パッド13が設けられている。本実施形態では、接続パッド13が設けられた部分を除く信号ライン4A上の少なくとも一部が、光透過性レジスト12Aにて覆われている。
接続パッド13は、例えばカーボン等によって構成されており、図示しないコネクタに信号ライン4Aを接続する端子である。
【0052】
本実施形態では、導電膜除去工程においてプラズマ処理をする場合に、信号ライン4Aにプラズマが接することが光透過性レジスト12Aにより防止されている。これにより、信号ライン4Aに熱伝導性が大きい物質が設けられていてもプラズマ処理中に発熱しにくい。これにより、熱による基材2の寸法変形が起こりにくくなっている。
【0053】
例えば、本実施形態では、信号ライン4の幅が太い場合や、信号ライン4が高密度に配置されている場合であっても基材2の寸法変形が起こりにくい。
【0054】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の静電容量式センサーシート1Cについて説明する。図18は、本実施形態の静電容量式センサーシートを示す平面図である。図19は、静電容量式センサーシートの裏面図である。図20は、図18のE−E線における断面図である。
【0055】
図18及び図19に示すように、本実施形態では、第1実施形態で説明した信号ライン4とは引き回し経路が異なる信号ライン4Bが設けられている。また、本実施形態の静電容量式センサーシート1Cは、透明電極3が基材2の両面に配置されている点が上述の第2実施形態と異なっている。
信号ライン4Bは、補助電極4aと末端4cとの間において、基材2の一方の面から他方の面へと、スルーホールを経由して延びている。
【0056】
本実施形態の静電容量式センサーシート1Cを製造する場合には、図20に示すように、まず、第1実施形態で説明したステップS1において、透明電極3の材料となる光透過性導電膜を基材2の両側表面に形成する。続いて、ステップS2では、基材2の両面側の所定の領域に電極領域3aを設定する。さらに、ステップS3及びステップS4では、基材2の両面側の所定の位置に補助電極4aと配線4bを設定する。さらに、ステップS15では、両面側に対応する電極領域3aと補助電極4aに対応する位置に光透過性レジスト12Aをそれぞれ形成する。さらに、ステップS6では、それぞれの表面に対して片面毎にプラズマエッチングすることで、光透過性導電膜を除去する。プラズマ処理は異方性が高いので、非処理面側の電極に影響を与えない。
本実施形態では、基材2の両面側に透明電極3を簡便に形成することができる。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
次に、上述の第1実施形態の静電容量センサーシート1及びその製造方法について実施例を参照してより詳細に説明する。本実施例では、レジスト積層工程(上記ステップS5)、導電膜除去工程(上記ステップS6)、及びレジスト除去工程(上記ステップS7)の詳細について説明する。
【0058】
上記ステップS5において、透明電極を構成する導電性塗膜の表面に、得ようとする信号ラインのパターンと同じパターンの開口部が形成されたメタルマスクを載せ、剥離可能なレジスト剤(株式会社アサヒ化学研究所製、#228T)を厚さ80μmになるように印刷し、150℃、10分間加熱して硬化させた。
【0059】
次いで、上記ステップS6において、レジスト剤が印刷されたPETフィルムと導電性塗膜の積層体を、プラズマエッチング装置(日立ハイクテクノロジーズ社製SPC−100)のエッチング室内に挿入し、エッチング室内の真空度20Pa、アルゴンガス供給量5cm3/分、出力600Wの条件で、2分間、導電性塗膜をプラズマエッチングした。
【0060】
その後、上記ステップS7において、硬化したレジスト剤をピンセットでつまんで引き剥がして、上記ステップS8においてカバーフィルム8を貼り付けた。
これにより、透明電極と補助電極との導通面積のばらつきを抑えられた静電容量式センサーシートが形成された。
【0061】
(実施例2)
次に、上述の第2実施形態の静電容量式センサーシート1Aについて実施例を参照してより詳細に説明する。
まず、静電容量式センサーシート1Aの製造方法の具体例について説明する。
【0062】
ステップS1:厚さ50μmのPETシートに、ポリチオフェン系導電性高分子からなるSEPLEGYDA OC−AE (信越ポリマー株式会社製,登録商標,商品名)をグラビア印刷にてPETの一方の表面に塗布・乾燥して0.1μmの厚みで光透過性導電膜を成膜した。
ステップS3及びステップS4:光透過性導電膜上に銀粒子を含む導電ペーストを用いてスクリーン印刷にて補助電極と配線を約15μmの厚さに同時に形成した。
ステップS15:光透過性導電膜と補助電極の一部を覆う領域に電極領域(10mm×100mm)を設定し、透明樹脂を含むインクを電極領域にスクリーン印刷で塗布した。その後、加熱乾燥により当該インクを硬化させ、光透過性レジストとした。光透過性レジストの厚さは約7μmとなっている。
ステップS6:プラズマエッチング装置として、日立ハイテクノロジーズ株式会社製SPC−100を用い、酸素をエッチングガスとしてエッチングした。本実施例では、エッチング後には、10mm×100mmの透明電極が基材上に形成される。
ステップS8:その後アクリル系粘着材を塗布したPETカバーフィルムを貼り付けた後、配線部の末端部にカーボン粒子を含む導電ペーストを材料として、スクリーン印刷にて接続パッドを形成し、静電容量式センサーシートを製造した。
【0063】
本実施例では、下記表1に示すように、ステップS15において使用される透明樹脂の主成分が互いに異なる複数の静電容量式センサーシートを製造した。さらに、下記表2に評価ランクとして示した基準を用いて環境試験を行い、これらの静電容量式センサーシートの抵抗値及び光学特性を評価した。なお、紫外線硬化型アクリル系樹脂を主成分とする光透過性レジストを備えた静電容量式センサーシートを本実施例に対する比較例として製造し、同様の評価を行なった。
【0064】
環境試験は、60℃、95%RHの環境下で500時間静電容量センサーシートを静置することにより行なった。
【0065】
評価方法は、抵抗については、長手方向の抵抗値をデジタルマルチメーターで測定した。また、全光線透過率及びヘイズは、日本電色工業製 ヘイズメーター NDH5000にて測定した。
【0066】
下記表1は、本実施例及び上述の比較例の静電容量センサーシートの評価結果を示す表である。また、下記表2は、評価をした際の判定基準を示す表である。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
上記表1に示すように、実施例1ないし4では、製造初期と環境試験後との間で抵抗、全光線透過率、及びヘイズのいずれにも顕著な変化は見られなかった。また、実施例5では、黄変により全光線透過率が悪化したが、抵抗は製造初期の状態が維持されていた。
【0070】
比較例1では、環境試験後の抵抗が製造初期よりも高くなっており、センサーの感度に悪影響を及ぼす可能性がある。これは、残存モノマーが導電性ポリマー層に進入速度を促進されたためと推測される。
【0071】
ポリエステル系ポリウレタン(溶剤蒸発乾燥型)、ウレタン系(熱硬化型)、アクリル系(溶剤蒸発乾燥型)については、初期でヘイズ値が高いのみであり、環境試験による抵抗値上昇(機能的観点)や黄変等による光線透過率の低下は認められなかった。
【0072】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、上述の各実施形態で説明した透明電極の側壁に、補助電極と導通する電極をさらに設けてもよい。このような電極は、たとえば光透過性導電膜を除去する工程が終了した後に、透明電極の側壁に銀ペーストを塗布することによって形成することができる。この場合、上述の各実施形態で説明した静電容量式センサーシートに比べてさらに広い導通面積を確保することができる。
【0073】
また、透明電極は、光透過性を有していれば着色されていても構わない。
また、上述の各実施形態ではSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去する方法としてプラズマエッチングを例示したが、SEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去する方法はプラズマエッチングには限られない。たとえば、ケミカルエッチングを用いてもよいし、機械的にSEPLEGYDA(登録商標)の薄膜を除去してもよい。
また、上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
例えば、上述の第3実施形態で説明した基材と透明電極との積層体は、基材の厚さ方向に複数重ねて設けられていてもよい。このとき、一の層と他の層との間で透明電極が互いに交差する方向に延びるように各透明電極が形成されていてもよい。
また、上述の第4実施形態で説明したように基材の両面に透明電極が形成された構成に代えて、上述した複数の積層体が互いに重ねられた構成が採用されていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1A、1B、1C 静電容量式センサーシート
2 基材
3 透明電極
3a 電極領域
4、4A、4B 信号ライン
4a 補助電極
4b 配線
5 接続パッド
6 第一層
7 第二層
8 カバーフィルム
9 樹脂フィルム
10 粘着剤
11 薄膜
12 レジスト
12A 光透過性レジスト
13 接続パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する基材の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜を成膜する成膜工程と、
透明電極として機能させる電極領域を前記光透過性導電膜の少なくとも一部に設定し、前記光透過性導電膜よりも電気抵抗が低い補助電極を前記電極領域の周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、
前記補助電極に一端が接続される配線を前記光透過性導電膜上に積層する配線形成工程と、
前記電極領域の全てと前記補助電極の少なくとも一部とを覆うようにレジストを積層するレジスト積層工程と、
前記光透過性を有する基材に成膜された前記光透過性導電膜のうち、前記レジスト、前記補助電極、および前記配線と重ならない位置にある光透過性導電膜を除去する導電膜除去工程と、
を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項2】
前記導電膜除去工程ではプラズマエッチングにより前記光透過性導電膜を除去し、
前記導電膜除去工程の後に、前記レジストを除去するレジスト除去工程をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項3】
前記レジスト積層工程において、前記レジストとして光透過性レジストを積層することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項4】
光透過性を有する基材と、
前記基材の少なくとも一方の表面に成膜された光透過性導電膜からなる透明電極と、
前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の電極であって前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の少なくとも一部が位置する補助電極と、
を備えることを特徴とする静電容量式センサーシート。
【請求項5】
請求項4に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記補助電極に一端が接続され前記光透過性導電膜上に積層された配線と、
前記電極領域の少なくとも一部と前記補助電極の少なくとも一部とを覆う光透過性レジストと、
をさらに備え、
前記表面と直交する方向から見て前記補助電極により覆われない前記透明電極の輪郭線上に前記光透過性レジストの輪郭線が位置している静電容量式センサーシート。
【請求項6】
請求項5に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記光透過性レジストは熱硬化性ポリエステル系樹脂からなる静電容量式センサーシート。
【請求項7】
請求項5または6に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記配線の少なくとも一部は前記光透過性レジストで覆われている静電容量式センサーシート。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記透明電極は前記基材の両方の表面に設けられ、
前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の補助電極をさらに備え、
前記補助電極は、前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の一部が位置するように配置されている静電容量式センサーシート。
【請求項1】
光透過性を有する基材の少なくとも一方の表面に光透過性導電膜を成膜する成膜工程と、
透明電極として機能させる電極領域を前記光透過性導電膜の少なくとも一部に設定し、前記光透過性導電膜よりも電気抵抗が低い補助電極を前記電極領域の周縁の少なくとも一部を覆うように積層する補助電極形成工程と、
前記補助電極に一端が接続される配線を前記光透過性導電膜上に積層する配線形成工程と、
前記電極領域の全てと前記補助電極の少なくとも一部とを覆うようにレジストを積層するレジスト積層工程と、
前記光透過性を有する基材に成膜された前記光透過性導電膜のうち、前記レジスト、前記補助電極、および前記配線と重ならない位置にある光透過性導電膜を除去する導電膜除去工程と、
を備えることを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項2】
前記導電膜除去工程ではプラズマエッチングにより前記光透過性導電膜を除去し、
前記導電膜除去工程の後に、前記レジストを除去するレジスト除去工程をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項3】
前記レジスト積層工程において、前記レジストとして光透過性レジストを積層することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサーシートの製造方法。
【請求項4】
光透過性を有する基材と、
前記基材の少なくとも一方の表面に成膜された光透過性導電膜からなる透明電極と、
前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の電極であって前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の少なくとも一部が位置する補助電極と、
を備えることを特徴とする静電容量式センサーシート。
【請求項5】
請求項4に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記補助電極に一端が接続され前記光透過性導電膜上に積層された配線と、
前記電極領域の少なくとも一部と前記補助電極の少なくとも一部とを覆う光透過性レジストと、
をさらに備え、
前記表面と直交する方向から見て前記補助電極により覆われない前記透明電極の輪郭線上に前記光透過性レジストの輪郭線が位置している静電容量式センサーシート。
【請求項6】
請求項5に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記光透過性レジストは熱硬化性ポリエステル系樹脂からなる静電容量式センサーシート。
【請求項7】
請求項5または6に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記配線の少なくとも一部は前記光透過性レジストで覆われている静電容量式センサーシート。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の静電容量式センサーシートであって、
前記透明電極は前記基材の両方の表面に設けられ、
前記透明電極よりも電気抵抗が低く前記透明電極の周縁上に積層された膜状の補助電極をさらに備え、
前記補助電極は、前記表面と直交する方向から見た前記透明電極の輪郭線上に輪郭線の一部が位置するように配置されている静電容量式センサーシート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−178149(P2012−178149A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22381(P2012−22381)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]